JP7332422B2 - 冷却装置、及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、電力変換装置用の冷却装置、及びその製造方法に関するものである。
電気鉄道車両には、車両を駆動する電動機を制御するために、コンバータやインバータ等の電力変換装置が搭載される。これらの電力変換装置は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やGTO(Gate Turn-Off Thyristor)等の半導体素子により、高周波数でスイッチングを行うことで電力変換を行う。
半導体素子においては、通電時及びスイッチング時に熱が発生する。この熱により半導体素子が高温になると変換効率が低下し、場合によっては素子破壊が発生するおそれがあるため、半導体素子を所定の温度範囲になるように冷却する必要がある。電力変換装置は主に搭載スペースの限られた車両床下等に搭載されるために、小型の装置構成で複数個の半導体素子を効率良く冷却する必要がある。
特許文献1に従来の鉄道車両の電力変換装置の一例が記載されている。受熱部材を車体下部に鉛直方向に設置し、当該受熱部材の一面側にパワー半導体素子を取付け、受熱部材の反対面側にヒートパイプを取付け、車両の走行により生じる風をヒートパイプに設けたフィンに当てることにより、パワー半導体素子の熱を空気に放熱する構造が知られている。また、特許文献2には、発熱体の冷却を小空間で有効に行うため、自励振動ヒートパイプ(PHP:Pulsating Heat Pipe/OHP:Oscillating Heat Pipe)を鉄道車両の電力変換装置に適用した冷却構造が示されている。
特開2011-50166号公報 特開2018-88744号公報
鉄道車両が走行する際、冷却器は走行風に晒される。そのため、走行風によって冷却器の表面には変動する風圧が発生し、これに起因して冷却器の構造振動が発生する。例えば特許文献2の冷却器では、受熱板に固定された片持ち梁構造の複数のフィンが別部材のフィンで相互に結合された構造となっているため、長手方向の一方である固定された基端部を中心に、長手方向の他方である端部が振動する基本振動モードが発生する。その結果、冷却器を構成する複数のフィン及び別部材のフィンには繰り返し応力が発生し、場合によっては疲労破壊に至る懸念がある。
そこで、冷却器の剛性を高め、走行風の振動で発生する応力を抑制することにより、冷却器の長期信頼性を確保することが望まれていた。また、集風作用を高めて冷却効率を向上し、結果的に冷却器を小型化することも望まれていた。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、走行風で生じる振動に対する剛性を高めて長期信頼性を確保するとともに、冷却効率を向上して小型化も可能にする冷却装置を提供することにある。
かかる課題を解決するため本発明は、受熱板に固定された片持ち梁構造の複数のフィンが別部材のフィンで相互に結合された構造の冷却装置において、直方体の基本外形の1面を形成する4辺のうち、通風口に割り当てられた片持ち梁構造の放熱体により形成された通風縁部を形成する片持ち梁構造のフィンと、受熱板と、の両方に接続された板状部材を備え、板状部材が、通風縁部から離れるにしたがって通風口よりも広い通風領域が形成されるようにしたものである。
本発明のように板状部材(リブ)を通風縁部に配置することで、集風作用が得られる。これにより、冷却器の放熱フィンに効果的に冷却風を導入できるため、冷却効率が向上し、冷却器を小型化できる。さらに、板状部材(リブ)によって複数のフィンや別部材のフィンからなる冷却器の剛性を高めることができ、走行風の振動で発生する応力を抑制できるため、冷却器の長期信頼性を確保できる。
図1は、本発明の実施例1における、鉄道車両に搭載された電力変換装置の断面図である。 図2は、実施例1における、冷却装置を示す斜視図である。 図3は、実施例1における、冷却装置を示す斜視図である。 図4は、実施例2における、冷却装置を示す斜視図である。 図5は、実施例3における、冷却装置を示す斜視図である。 図6は、実施例4における、冷却装置を示す斜視図である。 図7は、実施例5における、冷却装置を示す斜視図である。 図8Aは、板状部材の形状例を示す図である。 図8Bは、板状部材の形状例を示す図である。 図9Aは、実施例6における、保護カバーを分解した状態での冷却装置を鉄道車両の進行方向から見た図である。 図9Bは、実施例6における、保護カバーを取り付けた冷却装置を鉄道車両の進行方向から見た図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。すなわち、実施例1の冷却装置5Aを図1~図3に示し、実施例2の冷却装置5Bを図4に示し、実施例3の冷却装置5Cを図5に示し、実施例4の冷却装置5Dを図6に示し、実施例5の冷却装置5Eを図7に示している。これら各実施例に係る冷却装置5A~5Eをまとめて冷却装置5と称する。
図1は、実施例1における、鉄道車両に搭載された電力変換装置の断面図である。電力変換装置1は、鉄道車両2の床下等に設置され、鉄道車両2を駆動する電動機(図示せず)に供給する電力の周波数を調整することにより、電動機の回転速度を制御する。電力変換装置1の内部には、電力変換回路を構成する複数の半導体素子3と、電気部品群4が設置される。半導体素子3は、通電時及びON/OFF切替時に熱を発生する。半導体素子3は高温になると変換効率が悪化するため、半導体素子3は冷却装置5Aに取り付けられて冷却される。
冷却装置5Aには、鉄道車両2が走行した際に発生する走行風8が、図1の紙面に対する垂直方向に供給され、半導体素子3から発生する熱を放出する。なお、鉄道車両2は、前後何れの方向にも移動するので、紙面垂直方向に対する両方向に走行風が生じることになる。また、ここで半導体素子3とは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等のことである。
冷却装置5Aについて説明する。図2及び図3は、実施例1の冷却装置5Aを示す斜視図である。冷却装置5Aは、受熱板6、自励振動ヒートパイプ7、コルゲートフィン9、板状部材(その機能から「リブ」とも呼ばれる)10で構成される。受熱板6、自励振動ヒートパイプ7、コルゲートフィン9、板状部材は、例えば、アルミニウム合金や銅、その他の金属、又はそれらのうち何れかを組み合わせた合金から成る。なお、コルゲートタイプのフィン形状は、一例に過ぎず、必ずしもそれに限定されない。そのため、フィン9と呼んでコルゲートタイプでないものを含むものとしている。ただし、図2~図7、及び図9において、コルゲートフィン9を図示しているので、同一符号を用いた。
ここで、用語を定義しておく。冷却装置5Aは、突出部を含まない基本外形が直方体である。この直方体は、6つの面と、8つの頂点と、12の辺(以下、「稜線」、「稜部」又は、ある面に対する「縁部」ともいう)と、を有する。直方体の6面のうち通風可能な一対の面が、それぞれ通風口13である。1つの通風口13を形成する4辺(縁部)のうち、片持ち梁構造により受熱板6に付設された自励振動ヒートパイプ7の長手方向に沿った2辺(縁部)を通風縁部14と呼ぶ。
この通風縁部14は、自励振動ヒートパイプ7に限らず、片持ち梁構造の放熱体であれば、同じ呼称とする。換言すると、通風縁部14とは、基本外形が直方体の冷却装置5において、通風口13に割り当てられた直方体の1面を形成する4辺(縁部)のうち、片持ち梁構造の放熱体をいう。この通風縁部14は、片持ち梁構造により受熱板6に付設された自励振動ヒートパイプ7の長手方向に沿った2辺(縁部)も該当する。
さらに、関連する用語も定義しておく。2つの通風縁部14を含んで、走行風8に平行な面を通風側面15という。換言すると、通風側面15とは、基本外形が直方体の冷却装置5において、通風口13とは直角に交わるとともに、2つの通風縁部14を含む面であり、走行風8に平行な面をいう。また、通風領域とは、通風口13につながる通風路の断面を含む領域をいう。通風面とは、通風口13につながる通風路の断面をいう。その通風路の断面を含む領域を通風領域という。
複数の半導体素子3が、グリース等の部材(図示せず)を介して、ねじ等(図示せず)によって、受熱板6の一方の面に固定される。受熱板6の他方の面には、自励振動ヒートパイプ7及び板状部材10がロウ付け等により接合される。この板状部材10の風上側は、空冷用の風を通風口13より広域から集中させる導風翼として集風作用を発揮する。そのため、板状部材10は、導風翼の翼端を通風口13より広域に展開するように配設されている。その結果、通風縁部14から風上側へ遠ざかるにつれて通風口13よりも広い通風面を有する通風領域が形成される。
自励振動ヒートパイプ7は複数の流路が長手方向に形成された板状の構造をしており、長手方向に向かって交互に折り曲げられて波形を形成している。自励振動ヒートパイプ7は折り曲げることにより向かい合う表面を有し、この表面同士を連結するようにして、コルゲートフィン9がロウ付け等により接合される。
このような構成とすることで、自励振動ヒートパイプ7には、受熱板6と接する部分である受熱部と、コルゲートフィン9と接する部分である放熱部とが交互に設けられることとなる。また、通風縁部14に位置する自励振動ヒートパイプ7には、板状部材10がロウ付け等で付設されている。
図2及び図3に示した実施例1の冷却装置5Aは、板状部材10を介して、自励振動ヒートパイプ7と受熱板6が付設された構造である。このような構造にすることで、冷却装置5Aは、自励振動パイプ7の基本振動モードによる振動を抑えることができ、自励振動パイプ7やコルゲートフィン9に発生する応力を低減することができる。
なお、冷却装置5Aにおいて、板状部材10をロウ付けによって付設する場合は、自励振動ヒートパイプ7とコルゲートフィン9をロウ付けする工程や、自励振動ヒートパイプ7と受熱板6を付設する工程を活用して、複数のロウ付け工程を同時進行できる。このため、新たな工程を追加することなく製造することができる。
図4は、実施例2における冷却装置5Bの構造を示す。図4の実施例2は、図1~図3の実施例1に対し、紙面後方に隠れたもう一方の通風口13の通風縁部14にも板状部材10を付設した構造である。走行風8は、鉄道車両2の走行方向に応じて、図4に矢印で示す2方向に発生する。図4の走行風8と直交する面を通風口13という。実施例2のように、前後で合計2つの通風口13の両方にそれぞれ板状部材10を配置することで、鉄道車両2の走行方向に依存せず、集風効果を得ることができる。
図5は、実施例3における冷却装置5Cの構造を示す。図5の実施例3の冷却装置5Cは、図3の実施例1に対し、通風側面15にも1組の板状部材10を追加して設けた構造である。すなわち、冷却装置5Cは、図5の前方の通風縁部14に係る自励振動ヒートパイプ7に配設された板状部材10に加え、通風側面15にも、1組の板状部材10を追加して設け構造である。通風側面15とは、走行風8の前後にわたって2つの通風縁部14の間に形成された面である。
すなわち、実施例3の冷却装置5Cは、実施例1の冷却装置5Aに対し、板状部材10を増強している。これにより、複数ある板状部材10のうち、何れかを主に集風装置として活用し、その他を冷却装置5Cの剛性向上に寄与する部材として特化させることも可能となる。その場合、冷却装置5Cの性能向上と信頼性向上を効率良く実現できる。つまり、通風縁部14に位置する自励振動ヒートパイプ7は、走行風8の影響を受け易く、激しく振動する傾向があるので、その対策として有効である。
そこで、実施例3のように、板状部材10を複数配置することで、実施例1と比べて自励振動ヒートパイプ7の剛性を高めることができ、自励振動ヒートパイプ7やコルゲートフィン9に発生する応力を低減することができる。また、2組ある板状部材10のうち、1組を主に集風装置として活用し、もう1組を自励振動ヒートパイプ7の剛性向上に寄与する部材として特化させることで、冷却装置5の性能向上と信頼性向上を効率良く実現できる。
図6は、実施例4における冷却装置5Dの構造を示す。図6の実施例4は、図4の実施例2に対し、2つの通風口13それぞれの両側の通風縁部14に配置された合計4つの自励振動ヒートパイプ7に、板状部材10を1組ずつ追加した構造である。実施例4により、鉄道車両2の走行方向を問わず、実施例2に比べて、通風縁部14に位置する自励振動ヒートパイプ7やコルゲートフィン9に発生する応力を低減できる。
図7は、実施例5における冷却装置5Eの構造を示す。図7の実施例5は、図6の実施例4に対し、2つの通風口13それぞれ両側の通風縁部14の間、すなわち、通風側面15を形成するように配置された自励振動ヒートパイプ7それぞれに、板状部材10を追加した構造である。実施例5により、走行風の影響を受け易く、激しく振動する通風縁部14にある自励振動ヒートパイプ7に加えて、通風側面15に位置する自励振動ヒートパイプ7についても剛性を高めることができる。その結果、それらの自励振動ヒートパイプ7やコルゲートフィン9についても、発生する応力を低減することができる。
図8A、及び図8Bを用いて、板状部材10の構造について説明する。図8Aに示すように、板状部材10としては、平板から切り出した部材を活用してもよい。平板自体の固有振動数を高めるため、受熱板6から離れるにつれて幅が狭くなる構造とするのが望ましい。板状部材10の固有振動数を高めることで、板状部材10の振動を抑えることができ、信頼性を向上することができる。
さらに、図8Bに示すように、板状部材10Bは、他の部材に接続される接続部以外の外縁部を折り込むことで、板状部材10B自体の剛性を高めることができるとともに、固有振動数をさらに高めることができる。なお、板状部材10,10Bの固有振動数を高める構造は、これらの構造に限らず、例えば板状部材10,10Bの板厚を厚くしたり、別部材を板状部材10,10Bに貼り付けたりすることも考えられる。
図9A、及び図9Bは、実施例6における、保護カバー11を備えた冷却装置5を、鉄道車両の進行方向から見た図である。実施例6の冷却装置には、自励振動ヒートパイプ7の全体を覆い、受熱板6に取り付けられる筐体状の保護カバー11が設置されている。保護カバー11には、冷却風の流れ方向(鉄道車両の進行方向)の投影面上に、所定寸法の通風孔12を複数設けている。鉄道車両2の走行時に生じる走行風8は、通風孔12を通過して自励振動ヒートパイプ7及びコルゲートフィン9に供給される。
このように保護カバー11を設けることで、自励振動ヒートパイプ7への飛来物の衝突を抑制することができ、自励振動ヒートパイプ7の信頼性が向上する。また、適切な寸法の通風孔12を設けることで、保護カバー11の飛来物に対する強度と、走行風8の通風性とを両立することができる。
また、図9の保護カバー11には、上下面(紙面の上下方向に位置する面)にも通風孔12が設けられている。このような構成とすることで、鉄道車両2が走行して冷却装置5の温度が上昇し、その後停車した際に、自然対流により保護カバー11の下面の通風孔12から上面の通風孔12に向かう空気の流れが促進される。この効果により、その後、鉄道車両2が走行を再開するまでに冷却装置5の温度をより低くできるため、走行中に達する最高温度を下げることができる。
一方、図9に記載の保護カバー11において、受熱板6に接している側とは反対側(対向する側)の面には、通風孔12は設けられていない。この面は、走行風8及び自然対流の流れ方向と直交していることから、冷却風の取り込み量よりも飛来物に対する強度を優先した方が鉄道車両2に搭載した際に好適であり、冷却性能を損なうことなく信頼性を向上させることができる。また、この面に通風孔17などの開口を設けないことにより、太陽光が冷却装置5に直接照射されるのを防ぎ、晴天時の冷却装置5の温度上昇を小さくすることができる。
本発明の実施形態に係る冷却装置5(5A~5E)は、以下のように総括できる。
[1]冷却装置5は、受熱板6に固定された片持ち梁構造の複数のフィン9が別部材のフィン9で相互に結合された構造である。この冷却装置5は、片持ち梁構造のフィン9と、板状部材10と、を備えている。この冷却装置5は、直方体の基本外形の1面を形成する4辺のうち、通風口13に割り当てられた片持ち梁構造の放熱体により形成された通風縁部14を形成する片持ち梁構造のフィン9と、受熱板6と、の両方に接続された板状部材10を備える。つまり、片持ち梁構造のフィン9は、冷却装置5の通風縁部14を形成する。また、板状部材10は、受熱板6と、通風縁部14と、にかけ渡されるように付設されたリブを形成する。この板状部材10の風上側の面は、空冷用の風を通風口13より広域から集中させる導風翼として機能する。
すなわち、板状部材10は、通風口13の通風縁部14から離れるに従って、通風口13より広い領域に翼端を展開し、通風口13よりも広い通風領域が形成されるように配設されている。この構成により得られた集風作用により、冷却装置5の放熱フィンに効果的に冷却風を導入できるので、冷却効率を向上して小型化も可能となる。また、板状部材10は、受熱板6に付設されたリブを形成するので、走行風で生じる振動に対し、複数のフィンや別部材のフィンからなる冷却器の剛性を高めて長期信頼性を確保することができる。
[2]上記[1]において、冷却装置5Aは、通風縁部14に付設された板状部材10のほかにも、2つの通風縁部14の間に形成された通風側面15に立設するように、複数の板状部材10が追加された。これにより、複数ある板状部材10のうち、何れかを主に集風装置として活用し、その他を冷却装置5Aの剛性向上に寄与する部材として特化させることも可能となる。その場合、冷却装置5Aにおいて、冷却機能の性能向上と、機構維持の信頼性向上と、をそれぞれ効率良く実現できる。また、鉄道車両2の走行方向に依存せず、集風効果を高めることができる。
[3]上記[1]において、冷却装置5は、配置された複数の板状部材10の形状が、受熱板6から離れた位置であるほど細くなる。これにより、板状部材10の固有振動数を高めることになるため、板状部材10の振動が抑えられる。その結果、冷却装置5の信頼性を向上することができる。
[4]上記[1]~[3]の何れかにおいて、冷却装置5は、ロウ付けにより、片持ち梁構造の複数のフィン9が別部材のフィン9と相互に結合され、さらに板状部材10が片持ち梁構造のフィン9と受熱板6に結合されている。このように、板状部材10をロウ付けによって付設する場合は、片持ち梁構造の複数のフィン9をロウ付けする工程や、それらのフィン9と受熱板6を付設する工程を活用して、複数のロウ付け工程を同時進行できる。このため、新たな工程を追加することなく製造することができる。
[5]上記[1]~[3]の何れかにおいて、冷却装置5は、ロウ付けにより、片持ち梁構造の複数のフィン9と受熱板6が結合され、さらに板状部材10が片持ち梁構造のフィン9と受熱板6に結合されている。これも、片持ち梁構造の複数のフィン9と受熱板6を付設する工程を活用して、複数のロウ付け工程を同時進行できる。このため、新たに製造設備を増強したり、工程を追加したりすることなく、板状部材10をロウ付けによって付設することができる。なお、上記[1]~[5]で説明したフィン9の形状は、必ずしもコルゲートタイプのフィン形状に限定されない。
[6]冷却装置5は、受熱板6に対し、複数の自励振動ヒートパイプ7が、それぞれ片持ち梁構造を形成して固定されたものである。これらの自励振動ヒートパイプ7の間を相互に結合するように、コルゲートフィン9が設置されている。この冷却装置5において、自励振動ヒートパイプ7は、冷却装置5の通風縁部14を形成する。
受熱板6には、板状部材10が付設されている。この板状部材10は導風面を有する。この導風面は、通風縁部14から離れるに従って、通風口13より広がる構造である。すなわち、導風面が広がるだけ通風のための開口面積も広がる構造である。
[7]上記[6]において、冷却装置5C~5Eは、板状部材10をさらに増強しても良い。板状部材10は、通風縁部14に付設されたものに加えて、走行風8に平行な通風側面15上に立設して追加しても良い。通風側面15は、基本外形が直方体の冷却装置5において、通風口13とは直角に交わるとともに、2つの通風縁部14を含んでいる。このように、2つの通風縁部14の間に、複数の板状部材10を追加して配置することにより、冷却装置5の性能向上と信頼性向上を効率良く実現できる。また、鉄道車両2の走行方向を問わず、取り込み口にある自励振動ヒートパイプ7やコルゲートフィン9に発生する応力を低減できる。
[8]上記[6]において、冷却装置5は、配置された複数の板状部材10の形状が、受熱板6から離れた位置ほど細くなる。これにより、板状部材10の固有振動数を高めることで、板状部材10の振動を抑えることができ、信頼性を向上することができる。
[9]上記[6]~[8]の何れかにおいて、冷却装置5は、ロウ付けにより、片持ち梁構造の自励振動ヒートパイプ7が自励振動ヒートパイプ7の間に設置されたコルゲートフィン9と相互に結合され、さらに板状部材10が自励振動ヒートパイプ7と受熱板6に結合されている。
[10]上記[6]~[8]の何れかにおいて、冷却装置5は、ロウ付けにより、片持ち梁構造の自励振動ヒートパイプ7が受熱板6と相互に結合され、さらに板状部材10が片持ち梁構造のフィン9と受熱板6に結合されている。上記[9],[10]により、板状部材10をロウ付けによって付設する工程について、新たな工程を追加することなく製造することができる。
[11]上記[6]において、冷却装置5Eは、自励振動ヒートパイプ7に対し、冷却風の流れ方向から見た投影面上に通風孔12を備えた保護カバー11を設けている。これにより、冷却装置5Eへの飛来物の衝突を抑制することができ、信頼性が向上する。
[12]上記[11]において、冷却装置5Eは、移動体用であり、保護カバー11には、自励振動ヒートパイプ7に対し上面及び下面に通風孔12を備えている。これにより、鉄道車両2の停車中において、自然対流により保護カバー11の下面の通風孔12から上面の通風孔12に向かう空気の流れが促進されて冷却効果を高められる。また、保護カバー11の飛来物に対する強度と、走行風8の通風性とを両立できる。
また、本発明の実施形態に係る冷却装置製造方法を次のように総括できる。
[13]この冷却装置製造方法は、基本外形を直方体に形成し、直方体の6面のうち通風可能な一対の面に通風口13を形成する方法である。この方法において、まず、受熱板6に固定された片持ち梁構造の複数のフィン9を別部材のフィン9で相互に結合する工程を実行する。つぎに、フィン9のうち通風口13の両側の通風縁部14を形成する片持ち梁構造のフィン9と、受熱板6と、を結合して補強するリブを形成するように板状部材10を付設する工程を実行する。この工程において、板状部材10は、通風縁部14から離れるに従って、通風口13よりも広い通風領域を形成するように配設される。
この冷却装置製造方法によれば、板状部材10を付設することにより、片持ち梁構造のフィン9と、受熱板6と、を結合して補強するリブが形成される。このリブは、走行風で生じる振動に対し、複数のフィンや別部材のフィンからなる冷却器の剛性を高めて長期信頼性を確保することができる。板状部材10は、通風縁部14から離れるに従って、通風口13よりも広い通風領域を形成するので、集風作用が得られる。この集風作用により、冷却装置5の放熱フィンに効果的に冷却風を導入できるので、冷却効率を向上して小型化も可能となる。
[14]上記[13]の方法において、さらに、片持ち梁構造の複数のフィン9をロウ付けする第1のロウ付け工程と、板状部材10をフィン9と受熱板6とにロウ付けする第2のロウ付け工程と、を有することが好ましい。これら、第1のロウ付け工程と、第2のロウ付け工程と、を同時進行することができる。
この方法により、第1のロウ付け工程と、第2のロウ付け工程と、を1工程で同時進行する方が、大量生産における流れ作業の製造ラインを簡略化できる設備効率と、作業時間の短縮による組立時間の効率化と、を期待できる。
[15]上記[13]の方法において、図8Bに示すように、板状部材10Bの外縁のうち付設部を除く外縁部を折り込む工程を有するようにしても良い。これにより、板状部材10自体の剛性を高めるので長寿命化に寄与できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例における構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例における構成の一部について、他の構成の追加、削除、又は置換をすることも可能である。例えば、本発明は鉄道車両のみならず、自動車、航空機、又は船舶などの移動体用の冷却装置に適用可能である。
1:電力変換装置、2:鉄道車両、3:半導体素子、4:電気部品群、5(5A~5E):冷却装置、6:受熱板、7:自励振動ヒートパイプ、8:走行風、9:コルゲートフィン、10:板状部材、11:保護カバー、12:通風孔、13:通風面、14:通風縁部、15:通風側面

Claims (15)

  1. 受熱板に固定された片持ち梁構造の複数のフィンが別部材のフィンで相互に結合された構造の冷却装置において、
    直方体の基本外形の1面を形成する4辺のうち、通風口に割り当てられた前記片持ち梁構造の放熱体により形成された通風縁部を形成する前記片持ち梁構造のフィンと、前記受熱板と、の両方に接続された板状部材を備え、
    当該板状部材が、前記通風縁部から離れるに従って通風口よりも広い通風領域が形成される冷却装置。
  2. 前記通風縁部に加え、2つの前記通風縁部の間に、複数の前記板状部材が配置された
    請求項1に記載の冷却装置。
  3. 配置された複数の前記板状部材の形状が、前記受熱板から離れた位置ほど細くなる
    請求項1に記載の冷却装置。
  4. ロウ付けにより、前記片持ち梁構造の複数のフィンが別部材のフィンと相互に結合され、さらに前記板状部材が前記片持ち梁構造のフィンと前記受熱板に結合されている
    請求項1~3の何れか一項に記載の冷却装置。
  5. ロウ付けにより、前記片持ち梁構造の複数のフィンと前記受熱板が結合され、さらに前記板状部材が前記片持ち梁構造のフィンと前記受熱板に結合されている
    請求項1~3の何れか一項に記載の冷却装置。
  6. 受熱板に固定された片持ち梁構造である複数の自励振動ヒートパイプが前記自励振動ヒートパイプの間に設置されたコルゲートフィンで相互に結合された冷却装置において、
    直方体の基本外形の1面を形成する4辺のうち、通風口に割り当てられた前記片持ち梁構造の放熱体により形成された通風縁部を形成する前記片持ち梁構造のフィンと、前記受熱板と、の両方に接続された板状部材を備え、
    前記自励振動ヒートパイプと、前記通風縁部を形成し、
    前記受熱板には、板状部材が付設され、
    当該板状部材が、前記通風縁部から離れるに従って通風口よりも広い通風領域が形成される冷却装置。
  7. 前記通風縁部に加え、2つの前記通風縁部の間に、複数の前記板状部材が配置された
    請求項6に記載の冷却装置。
  8. 配置された複数の前記板状部材の形状が、前記受熱板から離れた位置ほど細くなる
    請求項6に記載の冷却装置。
  9. ロウ付けにより、片持ち梁構造の前記自励振動ヒートパイプが前記自励振動ヒートパイプの間に設置された前記コルゲートフィンと相互に結合され、さらに前記板状部材が前記自励振動ヒートパイプと前記受熱板に結合されている
    請求項6~8の何れか一項に記載の冷却装置。
  10. ロウ付けにより、片持ち梁構造の前記自励振動ヒートパイプが前記受熱板と相互に結合され、さらに前記板状部材が前記片持ち梁構造のフィンと前記受熱板に結合されている
    請求項6~8の何れか一項に記載の冷却装置。
  11. 前記自励振動ヒートパイプに対し、冷却風の流れ方向から見た投影面上に通風孔を備えた保護カバーを設けている
    請求項6に記載の冷却装置。
  12. 移動体用であり、前記保護カバーには、前記自励振動ヒートパイプに対し上面及び下面に通風孔を備えている
    請求項11に記載の冷却装置。
  13. 基本外形を直方体に形成し、該直方体の6面のうち通風可能な一対の面に通風口を形成する冷却装置製造方法において、
    受熱板に固定された片持ち梁構造の複数のフィンを別部材のフィンで相互に結合する工程と、
    前記フィンのうち前記通風口の両側の通風縁部を形成する前記片持ち梁構造のフィンと、前記受熱板と、を結合して補強するリブを形成するように板状部材を付設する工程と、
    を有し、
    前記板状部材は、前記通風縁部から離れるに従って、前記通風口よりも広い通風領域を形成するように配設される冷却装置製造方法。
  14. 前記片持ち梁構造の複数のフィンをロウ付けする第1のロウ付け工程と、
    前記板状部材を前記フィンと前記受熱板とにロウ付けする第2のロウ付け工程と、
    を有し、
    前記第1のロウ付け工程と、前記第2のロウ付け工程と、を同時進行する、
    請求項13に記載の冷却装置製造方法。
  15. 前記板状部材の外縁のうち付設部を除く外縁部を折り込む工程を有する、
    請求項13に記載の冷却装置製造方法。
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