JP7331862B2 - 光ファイバ - Google Patents

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Description

本開示は、光ファイバに関する。
本出願は、2018年11月9日出願の日本出願第2018-211163号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
一般に、光ファイバは、光伝送体であるガラスファイバを保護するための被覆樹脂層を有している。被覆樹脂層は、例えば、プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層の2層から構成される。
近年、光ファイバの伝送容量を大きくすべく、実効コア断面積を大きくする傾向がある。例えば、特許文献1には、伝送容量を増す際に生じる信号劣化を防ぐため、実効コア断面積を拡大した光ファイバを用いることが有効であることが記載されている。しかし、実効コア断面積を大きくすると、光ファイバに側圧が付与された際に発生する微小な曲げにより誘起される伝送損失(マイクロベンドロス)が増加することが知られている。マイクロベンドロスを小さくするために、光ファイバには側圧特性に優れることが求められている。例えば、特許文献2には、光ファイバの側圧特性を向上するために、プライマリ樹脂層のヤング率を低下させることが有効であることが記載されている。
特開2009-198945号公報 特開2016-40216号公報
本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、該ガラスファイバを被覆する被覆樹脂層とを備え、被覆樹脂層が、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層の外周を被覆するセカンダリ樹脂層とを有し、プライマリ樹脂層の23℃におけるヤング率が0.4MPa以下であり、プライマリ樹脂層の外径が185μm以上202μm以下であり、セカンダリ樹脂層のガラス転移温度が60℃以上95℃以下であり、被覆樹脂層における60℃から140℃の範囲の平均線膨張係数と、-60℃から0℃の範囲の平均線膨張係数との差が、0.7×10-4/℃以下である。
本実施形態の光ファイバの一例を示す概略断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
光ファイバの側圧特性を向上する観点から、プライマリ樹脂層のヤング率を低減することが望ましいが、プライマリ樹脂層のヤング率が低くなるに伴い、光ファイバの製造時にプライマリ樹脂層が変形してしまい、光ファイバの均一性が低下する。このような場合、被覆樹脂層の外周に光ファイバを識別するための着色層を形成した際に、色ムラが生じて外観不良となり、光ファイバの生産性が低下することとなる。また、プライマリ樹脂層のヤング率が低くなるに伴い、スクリーニング試験時に被覆の変形に伴う剥離が発生することがあり、その場合、プライマリ樹脂層が収縮し易い低温下において、光ファイバの伝送損失が増加する。
本開示は、側圧特性に優れる低ヤング率を有しながらも、低温環境下における伝送損失の増加がなく、均一性に優れる光ファイバを提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、側圧特性に優れる低ヤング率を有しながらも、低温環境下における伝送損失の増加がなく、均一性に優れる光ファイバを提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、該ガラスファイバを被覆する被覆樹脂層とを備え、被覆樹脂層が、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層の外周を被覆するセカンダリ樹脂層とを有する。プライマリ樹脂層の23℃におけるヤング率は、0.4MPa以下であり、プライマリ樹脂層の外径は、185μm以上202μm以下である。セカンダリ樹脂層のガラス転移温度は、60℃以上95℃以下であり、被覆樹脂層における60℃から140℃の範囲の平均線膨張係数と、-60℃から0℃の範囲の平均線膨張係数との差は、0.7×10-4/℃以下である。
プライマリ樹脂層のヤング率を低減することで、ガラスファイバにかかる側圧が小さくなり、光ファイバの側圧特性を向上することができる。また、プライマリ樹脂層の外径を上記範囲とすることで、プライマリ樹脂層が変形し難く、低温での収縮を小さくできる。また、セカンダリ樹脂層のガラス転移温度(Tg)を上記範囲とし、さらに、被覆樹脂層における60℃から140℃の範囲の平均線膨張係数と、-60℃から0℃の範囲の平均線膨張係数との差(以下、単に「線膨張係数差」という場合もある。)を小さくすることで、プライマリ樹脂層に発生する残留応力が小さくなり、スクリーニング試験時に剥離が発生せず、低温環境下における伝送損失の増加を無くすことができる。
プライマリ樹脂層のヤング率を低くする観点から、プライマリ樹脂層は、ウレタンオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物を含み、樹脂組成物は、片末端非反応性オリゴマーをウレタンオリゴマーの総量を基準として40質量%以上含有してもよい。
光ファイバの伝送容量を大きくする観点から、光ファイバガラスファイバの実効コア断面積は、110μm以上170μm以下であってもよい。
光ファイバの側圧特性をより向上し、伝送容量を更に大きくする観点から、プライマリ樹脂層の23℃におけるヤング率は0.3MPa以下であり、ガラスファイバの実効コア断面積は140μm以上170μm以下であってもよい。
光ファイバを識別するために、本実施形態の光ファイバは、セカンダリ樹脂層の外周を被覆する着色層を更に備えてもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る光ファイバの具体例を、必要により図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(光ファイバ)
図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。光ファイバ10は、コア11及びクラッド12を含むガラスファイバ13と、ガラスファイバ13の外周に設けられたプライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15を含む被覆樹脂層16とを備えている。
クラッド12はコア11を取り囲んでいる。コア11及びクラッド12は石英ガラス等のガラスを主に含み、例えば、コア11にはゲルマニウムを添加した石英ガラスを用いることができ、クラッド12には純石英ガラス、又は、フッ素が添加された石英ガラスを用いることができる。
図1において、例えば、ガラスファイバ13の外径(D2)は125μm程度である。光ファイバの伝送容量を大きくする観点から、ガラスファイバ13の実効コア断面積は、110μm以上170μm以下であることが好ましく、130μm以上170μm以下であることがより好ましく、140μm以上170μm以下であることが更に好ましい。
被覆樹脂層16の厚さは、通常、55μmから75μm程度である。プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、10μmから50μm程度であってもよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが35μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが25μmであってもよい。光ファイバ10の外径は、235μmから275μm程度であってもよい。
プライマリ樹脂層の外径が小さいと側圧特性が悪くなる傾向があり、プライマリ樹脂層の外径が大きいと、被覆樹脂層が変形し易くなる。光ファイバ10の側圧特性を向上する観点から、プライマリ樹脂層14の外径は185μm以上であり、190μm以上であってもよい。光ファイバ10の均一性を向上する観点から、プライマリ樹脂層14の外径は、202μm以下であり、200μm以下であってよい。
プライマリ樹脂層のヤング率が大きいと、ガラスファイバにかかる側圧が大きくなる。側圧特性を向上する観点から、プライマリ樹脂層14のヤング率は、23℃で0.4MPa以下であり、0.35MPa以下であることが好ましく、0.3MPa以下であることが更に好ましい。プライマリ樹脂層14のヤング率の下限値は特に限定されないが、低温環境下での伝送損失の増加を抑制する観点から、23℃で0.03MPa以上であることが好ましく、0.04MPa以上であることがより好ましく、0.05MPa以上であることが更に好ましい。プライマリ樹脂層14のヤング率は、例えば、特開2001-328851号公報に開示されているPullout Modulus試験によって光ファイバ10に対し23℃で測定することができる。プライマリ樹脂層14のヤング率は、片末端非反応性オリゴマーの含有量、樹脂組成物の硬化条件等により調整することができる。
セカンダリ樹脂層のTgが95℃を超えるとプライマリ樹脂層の残留応力が大きくなり、スクリーニング試験においてプライマリ樹脂層がガラスファイバから剥がれる、すなわち、剥離が発生して低温時の伝送損失が増える。スクリーニング試験とは、光ファイバ全長に例えば1.5kg又は2.2kg以上の張力をかけて、低強度部を除去する工程である。その工程において、光ファイバがベルトとプーリに挟まれる際、光ファイバの被覆樹脂層が変形する。プライマリ樹脂層は、その変形応力に残留応力が加わり、剥離が発生することがある。低温環境下での伝送損失の増加を抑制する観点から、セカンダリ樹脂層15のTgは、60℃以上95℃以下であり、65℃以上95℃以下であることが好ましく、70℃以上90℃以下であることがより好ましい。セカンダリ樹脂層15のTgは、ウレタンオリゴマーの含有量、ウレタンオリゴマーにおけるウレタン結合の濃度、モノマーの種類、樹脂組成物の硬化条件等により調整することができる。
被覆樹脂層における線膨張係数差が大きいほど、プライマリ樹脂層の残留応力が大きくなり、上述のとおり、低温時の伝送損失が増える可能性がある。低温環境下での伝送損失増加の発生を抑制する観点から、線膨張係数差は、0.7×10-4/℃以下であり、0.65×10-4/℃以下であることが好ましく、0.6×10-4/℃以下であることがより好ましい。線膨張係数差は、ウレタンオリゴマーにおけるウレタン結合の濃度、モノマーの種類、樹脂組成物の硬化条件等により調整することができる。
プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15は、例えば、ウレタンオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含む紫外線硬化型樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という場合もある。)を硬化させて形成することができる。
ウレタンオリゴマーとしては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリオール化合物の数平均分子量(Mn)は、300以上3000以下であってもよい。
ウレタンオリゴマーを合成する際の触媒として、一般に有機スズ化合物が使用される。有機スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸2-エチルヘキシル)、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチル)及びジブチルスズオキシドが挙げられる。易入手性又は触媒性能の点から、触媒としてジブチルスズジラウレート又はジブチルスズジアセテートを使用することが好ましい。
ウレタンオリゴマー合成時に1価のアルコールを使用してもよい。1価のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール及び2,2-ジメチル-1-プロパノールが挙げられる。
ウレタンオリゴマーを、ポリオール、ポリイソシアネート、水酸基含有(メタ)アクリレート及び1価のアルコールを反応させて調製する場合、ウレタンオリゴマーは、下記反応生成物(A)、(B)及び(C)を含むことができる。
(A):H-PI-(PO-PI)n-R
(B):H-PI-(PO-PI)n-H
(C):R-PI-(PO-PI)n-R
ここで、Hは水酸基含有(メタ)アクリレートの残基を表し、PIはポリイソシアネートの残基を表し、POはポリオールの残基を表し、Rは1価のアルコールの残基を表す。Rの一部は、不純物として含まれる水の残基であってもよい。nは1以上の整数を表す。
反応生成物(A)は、一方の末端に(メタ)アクリロイル基を有し、もう一方の末端にアルコキシ基を有する片末端非反応性オリゴマーである。片末端非反応性オリゴマーは、ポリオール、ポリイソシアネート、水酸基含有(メタ)アクリレート及び1価のアルコール(又は水)の反応物である。片末端非反応性オリゴマーは、硬化物の架橋密度を下げる効果があり、ヤング率を低減することができる。
反応生成物(B)は、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する両末端反応性オリゴマーである。両末端反応性オリゴマーは、ポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物である。両末端反応性オリゴマーは、硬化物の架橋密度を上げることができる。反応生成物(C)は、ヤング率を低下させる効果がある。
プライマリ樹脂層用の樹脂組成物に含有されるウレタンオリゴマーは、片末端非反応性オリゴマーを含有していることが好ましい。プライマリ樹脂層のヤング率を低くする観点から、樹脂組成物は、ウレタンオリゴマーの全量を基準として、片末端非反応性オリゴマーを40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含むことが更に好ましい。
セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物に含有されるウレタンオリゴマーとしては、ポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタンオリゴマーを用いることが好ましい。セカンダリ樹脂層のTgを低減する観点から、反応生成物(A)及び(B)におけるnが2以上のオリゴマーをより多く含有することが好ましい。
モノマーとしては、重合性基を1つ有する単官能モノマー、重合性基を2つ以上有する多官能モノマーを用いることができる。モノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノールアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマー;N-アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン、3-(3-ピリジン)プロピル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート等の複素環含有(メタ)アクリレート;マレイミド、N-シクロへキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のN-置換アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマーが挙げられる。
多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20-エイコサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、3-エチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートが挙げられる。
セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物は、多官能モノマーとしてビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートを含むことで、表面の硬化性に優れるセカンダリ樹脂層を形成し易くなる。セカンダリ樹脂層の表面硬化性が高いと、光ファイバの巻き取り時に変形し難くなり、セカンダリ樹脂層の外周に着色層を形成する際の色ムラの発生を低減し易くなる。
光重合開始剤としては、公知のラジカル光重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。光重合開始剤として、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オン(Omnirad 907、IGM Resins社製)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Omnirad TPO、IGM Resins社製)及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Omnirad 819、IGM Resins社製)が挙げられる。
セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物は、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の酸素硬化阻害を受け難いラジカルを発生する光重合開始剤を含むことで、表面の硬化性に優れるセカンダリ樹脂層を形成し易くなり、また、光ファイバの表面摩擦係数を低下できる。光ファイバの表面摩擦係数が大きいと、光ファイバ巻取時に光ファイバがローラーに乗り上げることがあり、乗り上げた位置から落ちる際に光ファイバが撓んで、余長を有したまま撓んだ状態でボビンに巻かれる。その上層に更に光ファイバが巻き取られることで、被覆樹脂層の変形が起こる。これにより、セカンダリ樹脂層の外周に着色層を形成する際の色ムラの発生頻度が増加する。このような現象を防ぐために、表面硬化性に優れる光重合開始剤を添加することが有効である。
セカンダリ樹脂層のTgを調整するために、樹脂組成物は、エポキシ(メタ)アクリレートを更に含有してもよい。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
樹脂組成物は、シランカップリング剤、光酸発生剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤等を更に含有してもよい。
シランカップリング剤としては、樹脂組成物の硬化の妨げにならなければ、特に限定されない。プライマリ樹脂層用の樹脂組成物にシランカップリング剤を添加することで、プライマリ樹脂層のガラスファイバに対する密着性を向上することができる。
シランカップリング剤として、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシ-エトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、γ-トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド及びγ-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが挙げられる。
光酸発生剤としては、Aの構造をしたオニウム塩を用いてもよい。光酸発生剤としては、例えば、UVACURE1590(ダイセル・サイテック製)、CPI-100P、110P(サンアプロ製)等のスルホニウム塩、Omnicat 250(IGM Resins社製)、WPI-113(富士フイルム和光純薬製)、Rp-2074(ローディア・ジャパン製)等のヨードニウム塩が挙げられる。
セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物には、帯電防止剤を添加してもよい。帯電防止剤としては、例えば、非イオン系のグリセリン脂肪酸エステル、アニオン系のアルキルスルホン酸塩、カチオン系のテトラアルキルアンモニウム塩等の低分子型帯電防止剤、ポリエーテルエステルアミド型、第四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体型の高分子型帯電防止剤が挙げられる。
ガラスファイバ13に被覆樹脂層16を形成する方法としては、従来、光ファイバの製造に用いられている方法を適用することができる。
本実施形態の光ファイバ10は、ガラスファイバ13の外周に、樹脂組成物を塗布してから、紫外線を照射して塗布した樹脂組成物を硬化させ、被覆樹脂層16を形成することにより製造することができる。この際、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物をガラスファイバ13の外周に塗布し、紫外線の照射によって硬化させてプライマリ樹脂層14を形成した後、セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物をプライマリ樹脂層14の周囲に塗布し、紫外線の照射によって硬化させてセカンダリ樹脂層15を形成する方式(wet-on-dry方式)を用いてもよい。また、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物をガラスファイバ13の外周に塗布した後、その周りにセカンダリ樹脂層用の樹脂組成物を塗布し、紫外線の照射によって同時に硬化させてプライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15を形成する方式(wet-on-wet方式)を用いてもよい。
被覆樹脂層16を構成するセカンダリ樹脂層15の外周面には、光ファイバを識別するためにインク層となる着色層を形成してもよい。着色層は、光ファイバの識別性を向上する観点から、顔料を含有することが好ましい。顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華等の着色顔料、γ-Fe、γ-Feとγ-Feの混晶、CrO、コバルトフェライト、コバルト被着酸化鉄、バリウムフェライト、Fe-Co、Fe-Co-Ni等の磁性粉、MIO、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、トリポリリン酸アルミニウム、亜鉛、アルミナ、ガラス、マイカ等の無機顔料が挙げられる。また、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、染付レーキ顔料等の有機顔料を用いることもできる。顔料には、各種表面改質、複合顔料化等の処理が施されていてもよい。
以下、本開示に係る実施例及び比較例を用いた評価試験の結果を示し、本開示を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[ウレタンオリゴマー]
(合成例1)
ポリオールとしてMn2000のポリプロピレングリコール、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物として2-ヒドロキシエチルアクリレート、1価のアルコールとしてメタノール、重合禁止剤としてメトキノン、触媒としてジブチルスズジラウレートを用いて、反応を行い、ウレタンオリゴマーを合成した。ウレタンオリゴマーのMnは4500であり、ウレタンオリゴマー中の片末端非反応性オリゴマーの含有量は、100質量%であった。
(合成例2)
2-ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールの配合量を変更した以外は、合成例1と同様にして、片末端非反応性オリゴマーの含有量が60質量%、両末端反応性オリゴマーの含有量が40質量%のウレタンオリゴマーを合成した。
(合成例3)
2-ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールの配合量を変更した以外は、合成例1と同様にして、片末端非反応性オリゴマーの含有量が30質量%、両末端反応性オリゴマーの含有量が70質量%のウレタンオリゴマーを合成した。
[プライマリ樹脂層用の樹脂組成物]
(樹脂組成物P1)
オリゴマーとして、合成例1のウレタンオリゴマーを65質量部、モノマーとしてノニルフェノールEO変性アクリレートを5.5質量部、イソボルニルアクリレートを20.5質量部及びN-ビニルカプロラクタムを7.0質量部、光重合開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを1.2質量部、酸化防止剤としてイルガノックス 1035(BASFジャパン株式会社製)を0.8質量部、光安定剤として2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンを0.15質量部混合して、樹脂組成物P1を得た。
(樹脂組成物P2)
オリゴマーを合成例2のウレタンオリゴマーに変更した以外は樹脂組成物P1の調製と同様にして、樹脂組成物P2を得た。
(樹脂組成物P3)
オリゴマーを合成例3のウレタンオリゴマーに変更した以外は樹脂組成物P1の調製と同様にして、樹脂組成物P3を得た。
[セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物]
オリゴマーとしてMn1000のポリプロピレングリコール、トルエンジイソシアネート及び2-ヒドロキシエチルアクリレートの反応物であるウレタンオリゴマー、エポキシアクリレート、モノマーとしてイソボルニルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート(ビスコート#700)、及び、光重合開始剤として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを所定の割合で混合して、実施例及び比較例で用いる樹脂組成物をそれぞれ作製した。
[着色層用の樹脂組成物]
オリゴマーとしてMn1000のポリプロピレングリコール、2,4-トリレンジイソシアネート及び2-ヒドロキシエチルアクリレートの反応物であるウレタンオリゴマーを75質量部、モノマーとしてビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールジアクリレートを10質量部、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキサン-1-イルフェニルケトンを3質量部、顔料として銅フタロシアニンを樹脂組成物の総量に対して0.2質量%及び酸化チタンを樹脂組成物の総量に対して3質量%になるように混合して、樹脂組成物Cを作製した。
[光ファイバ]
コア及びクラッドから構成され、外径(D2)が125μmで、実効コア断面積が150μm又は165μmであるガラスファイバを使用した。該ガラスファイバの外周に、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物を用いてプライマリ樹脂層を形成し、更にその外周にセカンダリ樹脂層用の樹脂組成物を用いてセカンダリ樹脂層を形成して、実施例及び比較例の光ファイバを作製した。セカンダリ樹脂層の外径は、245μmとなるようにした。作製した光ファイバについて、以下の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
(プライマリ樹脂層のヤング率)
プライマリ樹脂層のヤング率は、23℃でのPullout Modulus試験により測定した。具体的には、光ファイバの樹脂被覆層にカミソリ等で切れ目を入れて樹脂被覆層を切り、被覆樹脂層(プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層)を固定してガラスファイバを引き抜いた。ガラスファイバが引き抜かれる前にプライマリ樹脂層が弾性変形する量と、ガラスファイバを引っ張った力とから、プライマリ樹脂層のヤング率を求めた。
(セカンダリ樹脂層のTg)
光ファイバを50℃前後に加熱したアセトンとエタノールの混合液に浸漬して超音波をかけ、ガラスファイバを抜いてパイプ状の被覆樹脂層を取り出した。パイプ状の被覆樹脂層を60℃で30分間真空乾燥した後、室温で3日間放置した被覆樹脂層をTg測定用の試料とした。TAインスツルメント社の「RSA G2 Solids Analyzer」を用いて、周波数:11Hz、歪み:0.1%、昇温速度:5℃/分、温度範囲:室温から150℃の条件で、被覆樹脂層の動的粘弾性を測定した。測定されたtanδのピークトップ温度をセカンダリ樹脂層のTgとした。
(線膨張係数)
上記Tgの測定と同様に操作して取り出した被覆樹脂層を、線膨張係数測定用の試料とした。熱機械分析装置(ブルカー AXS社製の「TMA4000S」)を用いて、被覆樹脂層の線膨張係数を下記条件で測定した。温度TのデータはTからT+10℃まで1℃刻みで測定して平均化し、10℃の間隔でデータとして算出し、下記温度範囲で3サイクル測定を行い、3サイクル分の温度範囲の平均値から線膨張係数差を算出した。60℃から140℃の範囲の平均線膨張係数は、9温度×3サイクル=27個のデータの平均値であり、-60℃から0℃の範囲の平均線膨張係数は、7温度×3サイクル=21個のデータの平均値である。
温度範囲 :-100℃~150℃
昇温速度 :5℃/分
雰囲気 :空気
測定長さ :約15mm
測定モード:引張法
張力 :0.015N
(低温伝送特性)
キャプスタン装置とローラーを用いて光ファイバに2.2kgの張力を付与した。この張力を付与した光ファイバについて、23℃及び-40℃のそれぞれの温度条件下で、波長1550nmの信号の伝送特性を測定した。-40℃での伝送損失と23℃での伝送損失との差(伝送損失差)を算出した。伝送損失差が、0dB/km未満の場合を「A」、0dB/km以上0.010dB/km未満の場合を「B」、0.010dB/km以上の場合を「C」と評価した。
(側圧特性)
光ファイバを外径50μm、ピッチ150μmの平巻の金属メッシュが巻かれたボビンに巻き付けた時の伝送損失から、その光ファイバをボビンに巻き付けず緩く束状に丸めた時の伝送損失を引いた伝送損失差を算出した。伝送損失差が0.3dB/km未満の場合を「A」、0.3dB/km以上0.6dB/km未満の場合を「B」、0.6dB/km以上の場合を「C」と評価した。
(均一性)
光ファイバを一旦巻き取った後に、着色機で光ファイバを改めて繰り出しながらセカンダリ樹脂層の外周に樹脂組成物Cにより、厚さ5μmの着色層を形成することで、着色層を有する光ファイバを作製した。光ファイバの周囲からレーザ光を当て、その反射光をモニタすることに、光ファイバの均一性を検査した。色ムラが発生している場合、異常が検知され、異常検知の頻度が多いと歩留まり低下する。異常検知数が0~5回/1000kmの場合を「A」、6~10回/1000kmの場合を「B」、11回/1000km以上の場合を「C」と評価した。
Figure 0007331862000001
Figure 0007331862000002
10…光ファイバ、11…コア、12…クラッド、13…ガラスファイバ、14…プライマリ樹脂層、15…セカンダリ樹脂層、16…被覆樹脂層。

Claims (4)

  1. コア及びクラッドを含むガラスファイバと、該ガラスファイバを被覆する被覆樹脂層とを備える光ファイバであって、
    前記被覆樹脂層が、前記ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、前記プライマリ樹脂層の外周を被覆するセカンダリ樹脂層とを有し、
    前記プライマリ樹脂層が、ウレタンオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物の硬化物を含み、前記樹脂組成物が、片末端非反応性オリゴマーを前記ウレタンオリゴマーの総量を基準として60質量%以上含有し、
    前記プライマリ樹脂層の23℃におけるヤング率が0.4MPa以下であり、前記プライマリ樹脂層の外径が185μm以上202μm以下であり、
    前記セカンダリ樹脂層のガラス転移温度が60℃以上95℃以下であり、
    前記被覆樹脂層における60℃から140℃の範囲の平均線膨張係数と、-60℃から0℃の範囲の平均線膨張係数との差が、0.7×10-4/℃以下である、光ファイバ。
  2. 前記ガラスファイバの実効コア断面積が、110μm以上170μm以下である、請求項に記載の光ファイバ。
  3. 前記プライマリ樹脂層の23℃におけるヤング率が0.3MPa以下であり、前記ガラスファイバの実効コア断面積が140μm以上170μm以下である、請求項に記載の光ファイバ。
  4. 前記セカンダリ樹脂層の外周を被覆する着色層を更に備える、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光ファイバ。
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