1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る検査方法は、自動開閉器(3)を制御する制御装置(2,2a)内のコンデンサ(C1)の劣化状態を試験装置(1)を用いて検査する検査方法であって、前記制御装置は、電源端子(27A,27B)および信号端子(23_1~23_4、24_1~24_3、29A,29B)と、前記電源端子に供給された電圧に基づいて直流電圧(VCC,VDD)を生成する電源回路(200,241,201)と、前記電源回路によって生成された直流電圧が供給される内部配線(VDCA,VDD)と、前記内部配線に接続されたコンデンサ(C1)と、前記直流電圧に応じた信号を前記信号端子から出力する内部回路(220,260)と、を有し、前記試験装置は、電源入力端子(15A,15B)および電源出力端子(16A,16B)と、前記電源入力端子に供給された電圧を前記電源出力端子に出力するか否かを切り替える電源スイッチ部(10)と、を備え、前記試験装置の前記電源出力端子と前記制御装置の前記電源端子とを接続する第1ステップ(S4)と、前記試験装置の前記電源スイッチ部によって、前記試験装置の前記電源出力端子から前記制御装置の前記電源端子へ電圧を供給する第2ステップ(S8)と、前記第2ステップの後に、前記試験装置の前記電源スイッチ部によって、前記試験装置の前記電源出力端子からの前記電圧の供給を停止する第3ステップ(S10)と、前記第3ステップの後に、測定装置によって、前記制御装置の前記信号端子の電圧の時間変化(Tab,Tcd)を測定する第4ステップ(S11,S11A)と、を含むことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕に記載の検査方法において、前記制御装置(2)は、電源切替回路(210)と、第1電源監視回路(240A)と、第2電源監視回路(240B)とを更に備え、前記電源端子として、第1電源端子(27A)と第2電源端子(27B)とを含み、前記電源切替回路は、制御信号(SL)に基づいて、前記第1電源端子に供給された電圧(A電源)と前記第2電源端子に供給された電圧(B電源)の何れか一方を選択して出力し、前記電源回路として、前記第1電源端子に入力された電圧に基づいて直流電圧を生成する第1電源回路(241)と、前記第2電源端子に入力された電圧に基づいて直流電圧を生成する第2電源回路(241)と、前記電源切替回路から出力された電圧に基づいて直流電圧を生成する第3電源回路(200)とを有し、前記内部配線として、前記第1電源回路によって生成された直流電圧が供給される第1内部配線(VDCA)と、前記第2電源回路によって生成された直流電圧が供給される第2内部配線(VDCB)とを有し、前記コンデンサとして、前記第1内部配線に接続される第1コンデンサ(C1)と、前記第2内部配線に接続される第2コンデンサ(C1)とを有し、前記第1電源監視回路は、前記第1内部配線の電圧に基づいて、前記第1電源端子に電圧が供給されているか否かを示す第1判定信号(SVA)を出力し、前記第2電源監視回路は、前記第2内部配線の電圧に基づいて、前記第2電源端子に電圧が供給されているか否かを示す第2判定信号(SVB)を出力し、前記内部回路は、前記第1電源監視回路から前記第1電源端子に電圧が供給されていることを示す第1判定信号が出力されている場合に、前記第1電源端子に供給された交流電圧を選択することを指示する前記制御信号を出力し、前記第1電源監視回路から前記第1電源端子に電圧が供給されていないことを示す第1判定信号が出力され、且つ前記第2電源監視回路から前記第2電源端子に電圧が供給されていることを示す第2判定信号が出力された場合に、前記第2電源端子に供給された電圧を選択することを指示する前記制御信号を出力し、前記内部回路(220)は、前記直流電圧に応じた信号として、前記第3電源回路(200)によって生成された直流電圧(VCC)を前記信号端子(24_3)から出力してもよい。
〔3〕上記〔2〕に記載の検査方法において、前記第4ステップは、前記測定装置によって、前記第3ステップにおいて前記第1電源端子への電力供給を停止してから前記制御装置の前記信号端子が上昇するまでの時間(Tab)を測定するステップと、を含んでもよい。
〔4〕上記〔1〕に記載の検査方法において、前記内部回路(260)は、前記直流電圧に応じた信号として、前記内部配線に供給された直流電圧に応じた振幅を有する搬送波を生成して前記信号端子(29A,29B)から出力し、前記第4ステップにおいて、前記測定装置によって、前記搬送波の時間変化(Tcd)を測定してもよい。
〔5〕上記〔4〕に記載の検査方法において、前記第4ステップは、前記測定装置によって、前記第3ステップにおいて、前記試験装置の前記電源出力端子からの電圧の供給を停止してから、前記信号端子(29A,29B)からの前記搬送波の出力が停止するまでの時間(Tcd)を測定するステップと、を含んでもよい。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係る検査方法による検査対象の制御装置(遠方制御器)を模式的に示す図である。図1には、一つの電柱上に設けられた自動開閉器3および制御装置2の外観が模式的に示されている。
図2は、実施の形態1に係る検査方法による検査対象の制御装置の機能ブロック構成を示す図である。図2には、自動開閉器3および制御装置2の機能ブロック構成と、制御装置2内の安定化容量としてのコンデンサC1の検査時における自動開閉器3と制御装置2との接続関係が示されている。
図1に示すように、一つの電柱80上に設置された自動開閉器3および制御装置2は、ケーブル7によって互いに接続されている。
自動開閉器3は、制御装置2から制御信号に基づいて、一次側の高圧線4と二次側の高圧線5との間の接続を切り替える装置である。ここで、高圧線4,5は、例えば、三相3線式の配電線である。
制御装置2は、遠方にある制御所の遠制親局との間で有線による通信を行う遠制子局としての装置であり、遠制親局からの指示に応じて、制御対象の自動開閉器3の開閉を切り替える。制御装置2は、電源ケーブル8A,8Bを介して接続された電源装置(AC電源)6A,6Bからの給電によって動作する。
電源装置6A,6Bは、制御装置2に電力を供給する装置である。電源装置6A,6Bは、例えば商用電源であり、より具体的には、自動開閉器3および制御装置2と同一の電柱80に設置された変圧器である。例えば、電源装置6Aは、一次側の高圧線4からの電圧を変圧して単相三線式の電圧を出力する変圧器であり、電源装置6Bは、二次側の高圧線5からの電圧を変圧して単相三線式の電圧を出力する変圧器である。
以下の説明において、電源装置6Aから出力される電源電圧(交流電圧)を「A電源」と称し、電源装置6Bから出力される電源電圧(交流電圧)を「B電源」と称する場合がある。
次に、自動開閉器3の具体的な構成について説明する。
図2に示すように、自動開閉器3は、スイッチ回路30、31、スイッチ制御部32、電力供給状態判定部34、および複数の外部端子を備えている。
複数の外部端子は、一次側電源端子35_1~35_3、二次側電源端子36_1~36_3、第1状態信号端子37_1~37_4、第2状態信号端子38_1~38_3、制御信号入力端子39_1,39_2、およびコモン端子40を含む。
スイッチ回路30は、一次側電源端子35_1~35_3に接続された高圧線4と、二次側電源端子36_1~36_3に接続された高圧線5との間の接続と遮断を切り替える回路である。
スイッチ制御部32は、スイッチ回路30の開閉を切り替える機能部である。例えば、スイッチ制御部32とスイッチ回路30とは一つのリレー(電磁継電器)を構成している。
スイッチ制御部32は、例えばコイルLpを含む。コイルLpの一端は、制御信号入力端子39_1に接続され、コイルLpの他端は、制御信号入力端子39_2に接続されている。制御信号入力端子39_1と制御信号入力端子39_2との間に、所定の直流電圧(後述する直流電圧VCC)が印加されているとき、コイルLpに電流が流れる。これにより、コイルLpが励磁され、磁力によりスイッチ回路30が閉(オン)状態となる。一方、制御信号入力端子39_1と制御信号入力端子39_2との間に所定の直流電圧が印加されていないとき、コイルLpに電流が流れないため、コイルLpは励磁されず、スイッチ回路30が開(オフ)状態となる。
スイッチ回路31は、自動開閉器3の開閉状態を示す開閉状態信号Scを生成する機能部である。具体的に、スイッチ回路31は、スイッチSW1,SW2を含む。スイッチSW1の一端は、第2状態信号端子38_3と接続され、スイッチSW1の他端は、第2状態信号端子38_1と接続されている。スイッチSW2の一端は、第2状態信号端子38_3に接続され、スイッチSW2の他端は、第2状態信号端子38_2と接続されている。
スイッチSW1は、スイッチ制御部32のコイルLpが通電して励磁されているときに閉(オン)状態となり、コイルLpが励磁していないときに開(オフ)状態となる。一方、スイッチSW2は、スイッチ制御部32のコイルLpが通電して励磁されているときに開状態となり、コイルLpが励磁していないときに閉状態となる。
例えば、後述するように、制御装置2によって、第2状態信号端子38_1,38_2が抵抗を介してグラウンド電位(GND)にプルダウンされ、第2状態信号端子38_3に直流電圧VCCが供給されている場合を考える。
この場合において、自動開閉器3(スイッチ回路30)が閉状態であるとき、第2状態信号端子38_1と第2状態信号端子38_3とが短絡し、第2状態信号端子38_2が開放となる。これにより、第2状態信号端子38_1はハイレベル(直流電圧VCC)となり、第2状態信号端子38_2はローレベル(グラウンド電位)となる開閉状態信号Scが生成される。
一方、自動開閉器3(スイッチ回路30)が開状態であるとき、第2状態信号端子38_2と第2状態信号端子38_3とが短絡し、第2状態信号端子38_1が開放となる。これにより、第2状態信号端子38_1はローレベル(グラウンド電位)となり、第2状態信号端子38_2はハイレベル(直流電圧VCC)となる開閉状態信号Scが生成される。
このように、コイルLpが励磁の有無に応じてスイッチSW1,SW2の開閉状態が切り替わることによって、開閉状態信号Scが生成され、第2状態信号端子38_1~38_3からそれぞれ出力される。
電力供給状態判定部34は、高圧線4と高圧線5の電圧に基づいて、高圧線4,5に電力が供給されているか否か(高圧線4,5が充電状態または停電状態である)を示す電力供給状態信号Spを生成する機能部である。
電力供給状態判定部34は、例えば、高圧線4,5の電圧を変圧(降圧)する変圧器(図示せず)を含み、その変圧器によって変圧された電圧に基づいて電力供給状態信号Spを生成し、第1状態信号端子37_1~37_4に出力する。したがって、高圧線4,5に電力が供給されている場合(高圧線4,5が充電されている場合)には、所定の電圧レベル(>0V)の交流電圧が電力供給状態信号Spとして第1状態信号端子37_1~37_4から出力され、高圧線4,5に電力が供給されていない場合(高圧線4,5が停電している場合)には、0Vの電力供給状態信号Spが第1状態信号端子37_1~37_4から出力される。
次に、制御装置2について説明する。ここでは、制御装置2の内部構成のうち、コンデンサC1周辺の構成について説明し、その他の構成については、説明および図示を省略する。
図2に示すように、制御装置2は、内部回路として、電源回路200、電源切替回路210、データ処理制御部220、投入リレー230、第1電源監視回路240A、および第2電源監視回路240Bを備えている。
また、制御装置2は、複数の外部端子として、第1信号端子23_1~23_4、第2信号端子24_1~24_3、制御端子26_1,26_2、第1電源端子27A、第2電源端子28B、およびコモン端子25を備えている。
図2に示すように、電柱80に自動開閉器3および制御装置2を設置する場合には、制御装置2の第1信号端子23_1~23_4、第2信号端子24_1~24_3、コモン端子25、および制御端子26_1,26_2は、ケーブル7を介して、自動開閉器3の第1状態信号端子37_1~37_4、第2状態信号端子38_1~38_3、コモン端子40、および制御信号入力端子39_1,39_2に、それぞれ接続される。
また、第1電源端子27Aは、電源装置(AC電源)6Aと電源ケーブル8Aを介して接続されてA電源(例えばAC200V)が供給され、第2電源端子27Bは、電源装置(AC電源)6Bと電源ケーブル8Bを介して接続されてB電源(例えばAC200V)が供給される。
制御装置2において、第2信号端子24_1と第2信号端子24_2は、抵抗Rを介して制御装置2のグラウンド電位(GND,アース)にプルダウンされている。第2信号端子24_3は、後述する電源回路200によって生成された直流電圧VCCに接続されている。
電源切替回路210は、データ処理制御部220からの制御信号SLに基づいて、第1電源端子27Aに入力されたA電源(交流電圧)と第2電源端子27Bに入力されたB電源(交流電圧)の何れか一方を選択して出力する回路である。電源切替回路210は、例えばリレー等のスイッチ素子によって構成されている。
例えば、電源切替回路210は、通常時、A電源(第1電源端子27Aの電圧)を選択して電源回路200に供給し、制御信号SLによってA電源からB電源への切り替えが指示された場合に、B電源(第2電源端子27Bの電圧)を選択して電源回路200に供給する。
電源回路200は、外部から供給された電源電圧に基づいて所定の電圧を生成する回路である。具体的に、電源回路200は、電源切替回路210から供給されたA電源またはB電源としての交流電圧(例えばAC200V)に基づいて、直流電圧(例えばDC90V)を生成する。より具体的には、電源回路200は、例えばダイオードから成る2つの整流回路を含み、一方の整流回路によって交流電圧を整流して直流電圧VCCを生成するとともに、他方の整流回路によって交流電圧を整流して直流電圧VDD(<VCC)を生成する。例えば、直流電圧VCCは90Vであり、直流電圧VDDは12Vまたは24Vである。
電源回路200によって生成された直流電圧VCCは、自動開閉器3の閉(オン)状態を指示する閉信号として投入リレー230に供給されるとともに、制御装置2の内部回路の基準電圧としても利用される。一方、電源回路200によって生成された直流電圧VDDは、例えばデータ処理制御部220(例えばCPU)の電源電圧として利用される。
投入リレー230は、自動開閉器3の開閉状態を制御するための制御信号を出力するための部品である。投入リレー230は、例えば電磁継電器である。
投入リレー230は、データ処理制御部220による制御に応じて、自動開閉器3の閉(オン)状態を指示する閉信号、または自動開閉器3の開(オフ)状態を指示する開信号を制御信号として制御端子26_2に出力する。なお、制御端子26_1には、開信号および閉信号の基準電圧(コモン)となる制御装置2のグラウンド電位に接続されている。
例えば、自動開閉器3をオンさせるとき、投入リレー230は、閉信号として直流電圧VCCに応じた電圧を制御端子26_2から出力する。これにより、自動開閉器3のコイルLpが励磁され、スイッチ回路30が閉(オン)状態となる。一方、自動開閉器3をオフさせるとき、投入リレー230は、開信号としてグラウンド電位に応じた電圧を制御端子26_2から出力する。これにより、自動開閉器3のコイルLpが励磁されず、スイッチ回路30が開(オフ)状態となる。
第1電源監視回路240Aは、第1電源端子27Aを監視し、第1電源端子27Aに電源電圧(A電源)が供給されているか否かを判定して、判定結果を示す判定信号SVAを出力する回路である。第2電源監視回路240Aは、第2電源端子27Bを監視し、第2電源端子27Bに電源電圧(B電源)が供給されているか否かを判定して、判定結果を示す判定信号SVBを出力する回路である。
具体的に、第1電源監視回路240Aは、電源回路241と、安定化容量としてのコンデンサC1と、電圧判定回路242とを有している。なお、第1電源監視回路240Aと第2電源監視回路240Bとは、同一の回路構成を有しているため、以下では、代表的に第1電源監視回路240Aの内部構成について詳細に説明する。
電源回路241は、外部から供給された電源電圧(交流電圧)に基づいて所定の電圧(直流電圧)を生成する回路である。例えば、電源回路241は、電源回路200と同様に、第1電源端子27Aに供給されたA電源としての交流電圧に基づいて直流電圧を生成し、内部配線VDCAに供給するAC/DCコンバータである。
コンデンサC1は、内部配線VDCAとグラウンド電位との間に接続されている。コンデンサC1は、内部配線VDCAに供給される直流電圧を安定化させるための安定化容量として機能する。なお、図2では、内部配線VDCAとグラウンド電位との間に1つのコンデンサC1が接続される場合が例示されているが、コンデンサC1の個数は適宜変更可能である。
電圧判定回路242は、内部配線VDCAの電圧に基づいて、第1電源端子27Aに電源電圧(A電源)が供給されているか否かを判定し、判定結果を示す判定信号SVA(例えば、2値信号)を出力する回路である。例えば、電圧判定回路242は、内部配線VDCAに所定の閾値以上の直流電圧が供給されている場合に、第1電源端子27Aに電源電圧(A電源)が供給されていることを示す判定信号SVA(例えば、ハイレベル)を出力し、内部配線VDCAに所定の閾値より低い直流電圧が供給されている場合に、第1電源端子27Aに電源電圧(A電源)が供給されていないことを示す判定信号SVA(例えば、ローレベル)を出力する。電圧判定回路242は、例えば、フォトカプラを用いて構成されている。
第2電源監視回路240Bは、第1電源監視回路240Aと同様の構成を有し、第1電源監視回路240Aと同様の動作を行う。すなわち、第2電源監視回路240Bは、電源回路241(AC/DCコンバータ)によって、第2電源端子27Bに供給されたB電源としての交流電圧に基づいて直流電圧を生成して内部配線VDCBに供給するとともに、電圧判定回路242によって、内部配線VDCBの電圧に基づいて第2電源端子27Bに電源電圧(B電源)が供給されているか否かを判定し、判定結果を示す判定信号SVB(例えば2値信号)を出力する。
データ処理制御部220は、制御装置2の統括的な制御を行うための機能部であり、例えば、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の各種メモリ、およびA/DコンバータやD/Aコンバータ等の外部インターフェース回路等を含んで構成されている。例えば、データ処理制御部220は、MCU(Micro Controller Unit)である。
データ処理制御部220は、第1信号端子23_1~23_4に入力された信号(電力供給状態信号Sp、模擬電力供給状態信号Spi)に基づいて自動開閉器3に対する電力の供給状態を判定する。例えば、データ処理制御部220は、第1信号端子23_1~23_4に所定の電圧以上の交流電圧が印加されている場合に、高圧線4,5が充電されている(高圧線4,5に電力が供給されている)と判定し、第1信号端子23_1~23_4に所定の電圧以上の交流電圧が印加されていない場合に、高圧線4,5が停電していると判定する。
また、データ処理制御部220は、第2信号端子24_1~24_3に入力された信号(開閉状態信号Sc、模擬開閉状態信号Sci)に基づいて自動開閉器3の開閉状態を判定する。
上述したように、第2信号端子24_1,24_2は、それぞれ抵抗Rを介してグラウンド電位にプルダウンされている。一方、第2信号端子24_3には、直流電圧VCCが供給されている。したがって、自動開閉器3のスイッチSW1がオンし、且つスイッチSW2がオフしているとき、第2信号端子24_1が直流電圧VCC(ハイレベル)となり、且つ第2信号端子24_2がグラウンド電位(ローレベル)となる。この場合、データ処理制御部220は、自動開閉器3が閉(オン)状態であると判定する。
一方、自動開閉器3のスイッチSW1がオフし、且つスイッチSW2がオンしているとき、第2信号端子24_1がハイレベルとなり、且つ第2信号端子24_2がローレベルとなる。この場合、データ処理制御部220は、自動開閉器3が開(オフ)状態であると判定する。
データ処理制御部220は、自動開閉器3に対して電力が供給されていると判定した場合に、投入リレー230から自動開閉器3の閉(オン)状態を指示する閉信号を出力させる。具体的に、データ処理制御部220は、第1信号端子23_1~23_4に所定の電圧以上の交流電圧が印加されていることを検出した場合に、自動開閉器3に対して電力が供給されていると判定し、投入リレー230を制御して、制御端子26_2から閉信号としての直流電圧VCCを出力させる。これにより、自動開閉器3において、コイルLpが励磁されてスイッチ回路30が閉状態となり、高圧線4と高圧線5とが接続される。
一方、第1信号端子23_1~23_4に所定の電圧以上の交流電圧が印加されていない場合、データ処理制御部220は、自動開閉器3に対して電力が供給されていないと判定し、投入リレー230を制御して、制御端子26_2から開信号としてグラウンド電位(0V)に対応する電圧を出力させる。これにより、自動開閉器3において、コイルLpが励磁されず、スイッチ回路30が開状態となり、高圧線4と高圧線5とが分離される。
また、データ処理制御部220は、第1電源監視回路240Aおよび第2電源監視回路240Bによる判定信号SVA,SVBに基づいて、電源切替回路210に対して選択すべき電源を指示する制御信号SLを生成する。例えば、データ処理制御部220は、判定信号SVAに基づいてA電源が供給されていることを検出した場合には、A電源を選択することを指示する制御信号SLを生成して電源切替回路210に供給する。一方、データ処理制御部220は、判定信号SVA,SVBに基づいて、A電源が供給されておらず、B電源が供給されていることを検出した場合には、B電源を選択することを指示する制御信号SLを生成して電源切替回路210に供給する。
なお、制御装置2の起動時等の初期状態においては、データ処理制御部220は、例えば、A電源を選択することを指示する制御信号SLを出力するものとする。
データ処理制御部220は、制御所の遠制親局からの指示に応じて、自動開閉器3の開閉を切り替える。例えば、データ処理制御部220は、遠制親局からの指示に応じて時限式事故捜査方式に基づく自動開閉器3の時限投入により、当該自動開閉器3に接続されている区間における事故の有無の判定と、当該判定後の同区間への電力供給の継続と遮断(開状態のロック)を制御する。
具体的に、データ処理制御部220は、配電系統において事故発生した場合、遠制親局からの指示に応じて投入リレー230を制御することにより、制御対象の自動開閉器3を開放する。次に、データ処理制御部220は、第1信号端子23_1~23_4に入力された電力供給状態信号Spに基づいて、配電系統の上流側(変電所側)の高圧線4に電力が供給されたことを検出した場合に、一定時間(X時限)経過後、自動開閉器3をオン状態とする。
次に、データ処理制御部220は、自動開閉器の投入後の一定時間(Y時限)内に再度停電が発生するか否かを判定し、停電が発生した場合には自区間を事故区間と記憶し、投入リレー230を制御して制御対象の自動開閉器3を開(オフ)状態にロックする。一方、停電が発生しなかった場合には、投入リレー230を制御することにより、自動開閉器3を継続して閉(オン)状態とし、後段の区間(高圧線5)への電力供給を継続する。
ここで、制御装置2のコンデンサC1が劣化している場合について説明する。
例えば、電源監視回路240Aを構成するコンデンサC1が劣化している場合、電源回路241から内部配線VDCAに供給される直流電圧が安定せず、当該直流電圧が判定閾値を超えない虞がある。この場合、電源監視回路240Aは、A電源が制御装置2の第1電源端子27Aに供給されていないことを示す判定信号SVB(例えばローレベル)を出力するので、データ処理制御部220は、A電源が供給されているにも関わらず、B電源を選択する制御信号SLを電源切替回路210に供給してしまう。
このように、コンデンサC1が劣化している場合、データ処理制御部220が、電源切替回路210に対する電源切替の指示や投入リレー230に対する自動開閉器3の開閉制御の指示等を正確に行うことができない虞がある。例えば、上述したように、時限式事故捜査方式による自動開閉器3の時限投入時に、A電源が供給されているにも関わらず、一定時間(X時限)経過しても、制御装置2が自動開閉器3を閉状態に切り替えることができず、停電が継続する虞がある。
そこで、実施の形態1では、時限式事故捜査方式による自動開閉器3の時限投入時に停電が継続する要因の一つである、制御装置2のコンデンサC1の劣化状態を検査するために、試験装置1を用いる。
試験装置1は、制御装置2が自動開閉器3に接続されている状態を模擬した上で、制御装置2への電力の供給と遮断を切り換え可能とする装置である。この試験装置1を自動開閉器3の代わりに制御装置2に接続することにより、制御装置2に対して擬似的に自動開閉器3が接続されていることを認識させた上で、制御装置2への電力の供給と遮断を切り替えて、そのときの自動開閉器3に対する制御信号(直流電圧VCC)を測定することにより、コンデンサC1の劣化状態を間接的に検査することが可能となる。以下、試験装置1の構成について詳細に説明する。
図3は、実施の形態1に係る検査方法で用いられる試験装置1の機能ブロック構成を示す図である。図3には、試験装置1および制御装置2の機能ブロック構成と、コンデンサC1の検査時における試験装置1と制御装置2との接続関係が示されている。
なお、図3では、試験装置1と制御装置2とが端子台9を介して互いに接続されている場合を示しているが、これに限られず、試験装置1と制御装置2とが直接接続されていてもよい。
図3に示すように、試験装置1は、電源スイッチ部10、第1信号生成部11、第2信号生成部12、および複数の外部端子を備えている。ここで、試験装置1の上記機能部(電源スイッチ部10、第1信号生成部11、第2信号生成部12、および複数の外部端子)は、例えば、各種電子部品が少なくとも一つのプリント基板上に配置されて、リード線やプリント配線等によって互いに接続されることにより、実現されている。
上記複数の外部端子は、第1模擬信号端子13_1~13_4、第2模擬信号端子14_1~14_3、電源入力端子15A,15B、電源出力端子16A,16B、およびコモン端子17を含む。
電源スイッチ部10は、電源入力端子15A,15Bに供給された電源電圧を電源出力端子16A,16Bに出力するか否かを切り替える機能部である。本検査時において、電源入力端子15A,15Bは、上述した電源ケーブル8A,8Bを介して電源装置6A,6Bにそれぞれ接続される。電源装置6Aは、A電源としての交流電圧を電源入力端子15Aに供給し、電源装置6Bは、B電源としての交流電圧を電源入力端子15Bに供給する。
電源スイッチ部10は、具体的に、電源装置6A,6Bの出力端子数に応じて設けられた複数のスイッチSWpa,SWpbを含む。スイッチSWpa,SWpbは、例えば手動スイッチである。
例えば、手動によりスイッチSWpaをオンすることにより、電源入力端子15Aに供給された交流電圧(A電源)が電源出力端子16Aに出力され、手動によりスイッチSWpaをオフすることにより、電源入力端子15Aから電源出力端子16Aへの交流電圧(A電源)の出力が停止する。
同様に、手動によりスイッチSWpbをオンすることにより、電源入力端子15Bに供給された交流電圧(A電源)が電源出力端子16Bに出力され、手動によりスイッチSWpbをオフすることにより、電源入力端子15Bから電源出力端子16Bへの交流電圧(B電源)の出力が停止する。
図3に示すように、コンデンサC1の劣化状態の検査時において、試験装置1の電源出力端子16A,16Bは、端子台9を介して、制御装置2の第1電源端子27Aおよび第2電源端子27Bにそれぞれ接続される。また、コモン端子17は、端子台9を介して、制御装置2のコモン端子25に接続される。
試験装置1における電源スイッチ部10のスイッチSWpa,SWpbを切り替えることにより、制御装置2への電力の供給と遮断を切り替えることができる。
第1信号生成部11は、自動開閉器3に接続されている高圧線4,5対する電力の供給状態を模擬する模擬電力供給状態信号Spiを生成する機能部である。第1信号生成部11は、例えば変圧器110を含む。例えば、第1信号生成部11は、変圧器110によって、電源スイッチ部10から供給された交流電圧をより低い交流電圧に変換し、模擬電力供給状態信号Spiとして第1模擬信号端子13_1~13_4に出力する。これによれば、自動開閉器3から出力される電力供給状態信号Spを模擬した信号を、簡単な回路構成で、容易に生成することが可能となる。
図3に示すように、コンデンサC1の劣化状態の検査時において、試験装置1の第1模擬信号端子13_1~13_4は、端子台9を介して、制御装置2の第1信号端子23_1~23_4にそれぞれ接続される。これにより、模擬電力供給状態信号Spiが制御装置2のデータ処理制御部220に入力され、自動開閉器3に対する電力の供給状態を擬似的に制御装置2に伝えることが可能となる。
第2信号生成部12は、自動開閉器3の開閉状態を模擬する模擬開閉状態信号Sciを生成する機能部である。第2信号生成部12は、例えば、切替スイッチSWqを含む。切替スイッチSWqは、第1接点T6、第2接点T7、および第3接点T8を有し、第1接点T6の接続先を、第2接点T7と第3接点T8との間で切替可能である。切替スイッチSWqは、例えば手動の三路スイッチである。
切替スイッチSWqにおいて、第1接点T6、第2接点T7、および第3接点T8は、対応する第2模擬信号端子14_1~14_3にそれぞれ接続されている。すなわち、第1接点T6は第2模擬信号端子14_3に接続され、第2接点T7は第2模擬信号端子14_1に接続され、第3接点T8は第2模擬信号端子14_2に接続されている。
図3に示すように、コンデンサC1の劣化状態の検査時において、第2模擬信号端子14_1~14_3は、端子台9を介して、制御装置2の第2信号端子24_1~24_3にそれぞれ接続される。
上述したように、制御装置2の第2信号端子24_1,24_2は、それぞれ抵抗Rを介してグラウンド電位にプルダウンされ、第2信号端子24_3は、直流電圧VCCに接続されている。
したがって、試験装置1の切替スイッチSWqにおいて第1接点T6と第2接点T7とが接続されたとき、制御装置2の第2信号端子24_1は、直流電圧VCC(ハイレベル)となる。一方、このとき、切替スイッチSWqの第3接点T8は開放(オープン)となるので、制御装置2の第2信号端子24_2は、グラウンド電位(ローレベル)となる。
このように、第2信号生成部12を、第1接点T6の接続先を第2接点T7と第3接点T8との間で切替可能な切替スイッチSWqによって構成することにより、自動開閉器3から出力される開閉状態信号Scを模擬した模擬開閉状態信号Sci信号を、簡単な回路構成で、容易に生成することが可能となる。
コンデンサC1の劣化状態の検査時において、図3に示すように、試験装置1とは別に、測定装置50が制御装置2に接続される。測定装置50は、コンデンサC1の劣化状態を示す信号を測定するための装置である。測定装置50は、例えばメモリハイコーダである。
測定装置50は、例えば、制御装置2の第1電源端子27A(試験装置1の電源出力端子16A)と制御装置2の第2信号端子24_3(試験装置1の第2模擬信号端子14_3)とにそれぞれ接続される。これにより、測定装置50は、A電源の電圧と制御装置2の第2信号端子24_3から出力される直流電圧VCCとを測定することができる。
次に、実施の形態1に係る、制御装置2内部のコンデンサC1の劣化状態の検査方法の流れを説明する。
図4は、実施の形態1に係る検査方法の流れを示すフロー図である。
先ず、図1に示したような検査対象の制御装置2と自動開閉器3とが設置された電柱80がある現場において、自動開閉器3を自動制御モードから手動制御モードに切り替える(ステップS1)。これにより、自動開閉器3は、制御装置2からの制御信号によらず、自動開閉器3に設けられた手動操作部(例えばスイッチやレバー等)によって、スイッチ回路30の開閉制御が可能となる。
ここでは、スイッチ回路30が閉状態、すなわち高圧線4、5が互いに接続されている状態において、自動開閉器3を自動制御から手動制御に切り替える。これにより、ステップS1の作業後においても、高圧線4、5が互いに接続されている状態が維持される。
次に、制御装置2に接続されている各種ケーブルを取り外す(ステップS2)。具体的には、制御装置2の電源を落とし、制御装置2と自動開閉器3とを接続しているケーブル7および制御装置2と電源装置6A,6Bとを接続している電源ケーブル8A,8B等を制御装置2から取り外す。
次に、制御装置2と端子台9とを試験用のケーブルによって接続する(ステップS3)。このとき、端子台9は、例えば地上に設置され、試験用のケーブルによって電柱に設置されている制御装置2と接続される。
次に、試験装置1と端子台9とを別の試験用のケーブルによって接続する(ステップS4)。これにより、端子台9を介して、制御装置2の第1信号端子23_1~23_4と試験装置1の第1模擬信号端子13_1~13_4とが互いに接続され、制御装置2の第2信号端子24_1~24_3と試験装置1の第2模擬信号端子14_1~14_3とが互いに接続され、制御装置2の第1電源端子27Aおよび第2電源端子27Bと試験装置1の電源出力端子16Aおよび電源出力端子16Bと、制御装置2のコモン端子25と試験装置1のコモン端子17とが互いに接続される。
なお、このとき、試験装置1の電源スイッチ部10(スイッチSWpa,SWpb)を開(オフ)状態にしておく。また、第2信号生成部12の切替スイッチSWqの第1接点T6と第2接点T7とを接続しておくことが好ましい。
次に、測定装置50を端子台9に接続する(ステップS5)。具体的には、端子台9を介して、制御装置2の第1電源端子27Aと第2状態信号端子38_3が、測定装置50にそれぞれ接続される。
次に、電源ケーブルによって、試験装置1と電源装置6A,6Bとを接続する(ステップS6)。具体的には、電源装置6Aの出力端子と試験装置1の電源入力端子15Aとを電源ケーブルによって接続し、電源装置6Bの出力端子と試験装置1の電源入力端子15Bとを電源ケーブルによって接続する。
以上のステップにより、制御装置2の検査に必要な試験装置1等との接続作業が完了する。なお、上述したステップS3~S5は、適宜順番を入れ替えてもよい。
次に、制御装置2を起動する(ステップS7)。例えば、制御装置2の起動用レバーおよびブレーカ用レバーを切り替えて、制御装置2を起動する。
次に、試験装置1の電源スイッチ部10の各スイッチSWpa,SWpbを“開(オフ)状態”から“閉(オン)状態”に切り替える(ステップS8)。これにより、試験装置1を介してA電源およびB電源(交流電圧)が制御装置2の電源回路200に供給される。このとき、電源切替回路210は、A電源を選択して電源回路200に供給し、電源回路200は、入力されたA電源に基づいて直流電圧VCC,VDDを生成し、制御装置2の内部回路に供給する。これにより、データ処理制御部220等の内部回路が動作を開始する。
また、制御装置2において、電源監視回路240Aは、第1電源端子27AにA電源が供給されていることを示す判定信号SVAをデータ処理制御部220に対して出力する。同様に、電源監視回路240Bは、第2電源端子27BにB電源が供給されていることを示す判定信号SVBをデータ処理制御部220に対して出力する。
データ処理制御部220は、判定信号SVA,SVBに基づいて、A電源およびB電源が制御装置2に供給されていると判定し、A電源の選択を指示する制御信号SLを電源切替回路210に出力する。これにより、電源切替回路210は、引き続き、A電源を選択して電源回路200に供給する。
また、このとき、試験装置1から出力された各種模擬信号が制御装置2に入力される。
具体的には、試験装置1の第1信号生成部11によって模擬電力供給状態信号Spiとして所定の大きさの交流電圧が生成され、試験装置1の第1模擬信号端子13_1~13_4から制御装置2の第1信号端子23_1~23_4に入力される。これにより、制御装置2のデータ処理制御部220は、高圧線4,5に電力が供給されている状態であると認識する。
また、試験装置1の第2信号生成部12によって模擬開閉状態信号Sciが生成され、試験装置1の第2模擬信号端子14_1,14_2から制御装置2の第2信号端子24_1,24_2に入力される。例えば、第2信号生成部12の切替スイッチSWqの第1接点T6と第2接点T7とを短絡し、第3接点T8を開放状態とすることにより、制御装置2の第2信号端子24_1が直流電圧VCC(ハイレベル)、第2信号端子24_2がグラウンド電位(ローレベル)となる。これにより、制御装置2のデータ処理制御部220は、自動開閉器3(スイッチ回路30)が閉(オン)状態であると認識する。
このように試験装置1の各種模擬信号が制御装置2に入力されることにより、データ処理制御部220は、高圧線4,5に電力が供給された状態であると判定し、投入リレー230を閉状態に制御する。すなわち、データ処理制御部220は、投入リレー230を制御して制御端子26_2から直流電圧VCCに相当する電圧レベルの閉信号(制御信号)を出力させる。
次に、測定装置50を用いて、閉信号として直流電圧VCCに相当する電圧(例えば、約90V)が制御装置2の制御端子26_2から出力されていることを確認する(ステップS9)。
次に、試験装置1の電源スイッチ部10のスイッチSWpaを“閉(オン)状態”から“開(オフ)状態”に切り替える(ステップS10)。これにより、試験装置1の電源出力端子16Aから制御装置2の第1電源端子27AへのA電源の供給が停止する。このとき、試験装置1の電源スイッチ部10のスイッチSWp2は“閉(オン)状態”であるので、試験装置1の電源出力端子16Bから制御装置2の第2電源端子27BへのB電源の供給は継続して行われる。
次に、測定装置50によって信号端子24_3の電圧の時間変化を測定する(ステップS11)。具体的には、ステップS10において制御装置2へのA電源の供給を停止してから、信号端子24_3に電圧が再投入されるまでの時間、すなわちA電源に基づいて生成されていた直流電圧VCCがB電源に基づいて生成された直流電圧VCCに切り替わるまでの時間を計測する。より具体的には、ステップS11において、ステップS10で制御装置2へのA電源の供給を停止した時刻taから、制御端子26_1の電圧が再び上昇する時刻tbまでの時間を測定し、その時間を“Tab”とする。
図5Aおよび図5Bは、実施の形態1に係る制御装置2の信号端子24_3から出力される直流電圧VCCの時間的な変化を示す図である。
図5Aおよび図5Bにおいて、縦軸は電圧を表し、横軸は時間を表している。参照符号500,501は、制御装置2の第1電源端子27Aに入力される交流電圧、すなわちA電源(AC200V)の波形を表している。参照符号502,503は、制御装置2の信号端子24_3から出力される電圧、すなわち直流電圧VCC(DC90V)を表している。図5Aには、コンデンサC1が劣化していない場合の波形が示され、図5Bには、コンデンサC1の劣化が進んだ場合の波形が示されている。
図5Aおよび図5Bに示すように、時刻taにおいて、試験装置1のスイッチSWpaが“閉(オン)”から“開(オフ)”に切り替わったとき、制御装置2へのA電源(AC200V)の供給が停止する。これにより、制御装置2において、電源切替回路210から電源回路200への交流電圧(A電源)の供給が停止するため、電源切替回路210は、直流電圧VCCを生成することができず、信号端子24_3から出力される直流電圧VCCが低下し始める。
同様に、電源監視回路240Aにおいても交流電圧(A電源)の供給が停止するため、電源回路241が直流電圧を生成することができない。その結果、内部配線VDCAの直流電圧は、コンデンサC1の放電に伴い、低下する。これにより、電源監視回路240Aの電圧判定回路242は、A電源が制御装置2に供給されていないことを示す判定信号SVAをデータ処理制御部220に対して出力する。一方、B電源は制御装置2に供給され続けているので、電源監視回路240Bの電圧判定回路242は、B電源が制御装置2に供給されていることを示す判定信号SVBを、データ処理制御部220に対して引き続き出力する。
データ処理制御部220は、A電源が制御装置2に供給されていないことを示す判定信号SVAとB電源が制御装置2に供給されていることを示す判定信号SVBに基づいて、制御信号SLを切り替える。具体的には、データ処理制御部220は、A電源を選択することを示す制御信号SL(例えばハイレベル)から、B電源を選択することを指示する制御信号SL(ローレベル)に切り替える。電源切替回路210は、制御信号SLの切り替わりに応じて、第2電源端子27Bに供給されている交流電圧(B電源)を選択し、電源回路200に供給する。これにより、電源回路200は、B電源に基づいて直流電圧VCCの生成を再開する。
電源回路200によって生成された直流電圧VCCは、再び、制御装置2の内部回路に供給される。これにより、信号端子24_3に直流電圧VCCが再び供給され、信号端子24_3の電圧が上昇する。例えば、図5Aおよび図5Bの参照符号502および503に示すように、時刻taにおいて、試験装置1におけるスイッチSWp1の“閉(オン)”から“開(オフ)”への切り替わりによってA電源の供給が停止した後、上述したように電源回路200がソースとなる交流電圧をA電源からB電源に切り替えて直流電圧VCCの生成を再開することにより、時刻tbにおいて、信号端子24_3への直流電圧VCCが上昇する。
ここで、制御装置2においてA電源の供給が停止してから信号端子24_3への電圧(直流電圧VCC)が上昇するまでの時間Tabは、コンデンサC1が劣化する程、短くなる。その理由を以下に示す。
コンデンサC1が劣化して容量が低下している場合、A電源の停止後にコンデンサC1が内部配線VDCAの電圧を維持できる能力が低下するため、当該電圧が低下する速度が速くなる。これにより、第1電源監視回路240Aの電圧判定回路242による判定信号SVAの論理レベルが切り替わるタイミングが速まるので、データ処理制御部220は、コンデンサC1が劣化していない場合に比べて、より速やかに、A電源の供給が停止したことを認識し、電源切替回路210に対して電源の切り替え指示を出力する。その結果、電源回路200がA電源に基づく直流電圧VCCの生成を停止してからB電源に基づく直流電圧VCCの生成を再開するまでの時間、すなわち時間Tabが短くなる。
このように、時間Tabは制御装置2内のコンデンサC1の静電容量に依存するので、時間Tabを測定することにより、間接的に、コンデンサC1の劣化状態を検査することができる。
例えば、コンデンサC1が劣化していない制御装置2において測定した時間Tbを基準値とし、検査対象の制御装置2において測定した時間Tabと上記基準値とを比較して、時間Tabが上記基準値に対してどの程度短くなっているかを調査することにより、コンデンサC1の劣化の程度を推定することができる。
以上、実施の形態1に係る、制御装置2のコンデンサC1の劣化状態の検査方法によれば、従来技術のように制御装置2を分解してコンデンサC1を取り外すことなく、コンデンサC1の劣化状態を容易に検査することが可能となる。
具体的には、先ず、電源入力端子15A,15Bおよび電源出力端子16A,16Bと、電源入力端子15A,15Bに供給された電圧を電源出力端子16A,16Bに出力するか否かを切り替える電源スイッチ部10とを備える試験装置1を、制御装置2に接続する。
これによれば、制御装置2に対して、A電源およびB電源が制御装置2に供給されている状態からA電源のみを遮断させる状況を作り出すことが容易となる。
また、試験装置1に、自動開閉器3に接続される高圧線4,5に対する電力の供給状態を模擬する模擬電力供給状態信号Spiを生成する第1信号生成部11と、自動開閉器3の開閉状態を模擬する模擬開閉状態信号Sciを生成する第2信号生成部12とを更に設けた上で、試験装置1と制御装置2とを接続する。
これによれば、制御装置2に対して、擬似的に、自動開閉器3が接続されている状態を認識させることが可能となる。
より具体的には、試験装置1の第1信号生成部11によって生成された模擬電力供給状態信号Spiを制御装置2に入力することにより、自動開閉器3に接続される高圧線4,5に電力が供給されていること(非停電状態)を、擬似的に、制御装置2のデータ処理制御部220に認識させることができる。また、試験装置1の第2信号生成部12によって生成された模擬開閉状態信号Sciを制御装置2に入力することにより、自動開閉器3(スイッチ回路30)が閉(オン)状態であることを、擬似的に、制御装置2のデータ処理制御部220に認識させることができる。
次に、上述したように、試験装置1の電源スイッチ部10を切り替えることにより、制御装置2にA電源とB電源が供給されている状態において、制御装置2へのA電源の供給を遮断する。これによれば、制御装置2に対して、自動開閉器3が接続されている状態を認識させた上で、自動開閉器3の制御中にA電源の供給が遮断され、B電源のみが供給されている状況を擬似的に作り出すことができる。
更に、その状況下において、測定装置50によって、制御装置2の信号端子24_3から出力される直流電圧VCCの時間変化を測定することにより、コンデンサC1の劣化状態を容易に検査することが可能となる。
すなわち、上述したように、A電源の遮断後の直流電圧VCCの時間変化はコンデンサC1の静電容量に依存するので、直流電圧VCCの時間変化を測定することにより、コンデンサC1の静電容量の劣化状態を容易に検査することができる。
より具体的には、上述したように、試験装置1の電源スイッチ部10によって制御装置2へのA電源の供給を停止してから信号端子24_3から出力される直流電圧VCCが上昇するまでの時間Tabを計測することにより、制御装置2を分解してコンデンサC1を制御装置2から取り外してコンデンサC1単体の特性を測定することなく、間接的にコンデンサC1の劣化状態を容易に検査することが可能となる。
≪実施の形態2≫
図6は、実施の形態2に係る検査方法による検査対象の制御装置の機能ブロック構成を示す図である。図6には、実施の形態2に係る制御装置2aと自動開閉器3の機能ブロック構成と、制御装置2a内の安定化容量としてのコンデンサC1の検査時における自動開閉器3と制御装置2aとの接続関係が示されている。
図6に示すように、実施の形態2に係る制御装置2aは、実施の形態1に係る制御装置2と、内部回路の構成の一部が相違する。具体的には、制御装置2aは、内部回路として、電源回路201、データ処理制御部221、投入リレー230、および搬送波生成回路260を有する。また、制御装置2aは、外部端子として、後述する搬送波を出力するための搬送波出力端子29A,29Bを更に有している。
電源回路201は、第1電源端子27Aに供給されたA電源または第2電源端子27Bに供給されたB電源の何れか一方の電圧(交流電圧)に基づいて、直流電圧VCCおよび直流電圧VDD(<VCC)を生成する。電源回路201は、例えばAC/DCコンバータである。
電源回路201によって生成された直流電圧VCCは、自動開閉器3の閉(オン)状態を指示する閉信号として投入リレー230に供給されるとともに、制御装置2aの内部回路の基準電圧としても利用される。
電源回路201によって生成された直流電圧VDDは、内部配線に供給され、当該内部配線を介してデータ処理制御部221や搬送波生成回路260等の電源電圧として供給される。
以下の説明において、参照符号「VDD」は、直流電圧のみならず、当該直流電圧が供給される内部配線を示すものとする。
内部配線VDDとグラウンド電位GNDとの間にコンデンサC1が接続されている。コンデンサC1は、内部配線VDDに供給される直流電圧を安定化させるための安定化容量として機能する。なお、図6では、内部配線VDDとグラウンド電位との間に1つのコンデンサC1が接続される場合が例示されているが、コンデンサC1の個数は適宜変更可能である。
データ処理制御部221は、実施の形態1に係るデータ処理制御部220と同様に、制御装置2aの統括的な制御を行うための機能部であり、例えば、MCUである。データ処理制御部221は、データ処理制御部220と同様に、電力供給状態信号Sp、模擬電力供給状態信号Spiに基づいて自動開閉器3に対する電力の供給状態を判定するとともに、投入リレー230を制御して自動開閉器3の開閉を制御する。
搬送波生成回路260は、外部に自動開閉器3および制御装置2aの状態を通知するための搬送波を生成する回路である。搬送波生成回路260は、内部配線VDDに供給された直流電圧VDDに応じた振幅を有する搬送波を生成して搬送波出力端子29A,29Bから出力する。
ここで、実施の形態2に係る制御装置2aのコンデンサC1が劣化している場合について説明する。
例えば、コンデンサC1が劣化している場合、電源回路201から内部配線VDDに供給される直流電圧VDDが安定しない。これにより、直流電圧VDDから給電を受けるデータ処理制御部221は正常に動作することができず、投入リレー230に対する自動開閉器3の開閉制御の指示等を正確に行うことができない虞がある。例えば、上述したように、時限式事故捜査方式による自動開閉器3の時限投入時に、A電源が供給されているにも関わらず、一定時間(X時限)経過しても、制御装置2aが自動開閉器3を閉状態に切り替えることができず、停電が継続する虞がある。
そこで、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、制御装置2aのコンデンサC1の劣化状態を検査するために試験装置1を用いる。以下、試験装置1を用いた、実施の形態2に係る制御装置2aのコンデンサC1の劣化状態の検査方法について説明する。
図7は、実施の形態2に係る検査方法で用いられる試験装置1と制御装置2aとの接続関係を示す図である。
図8は、実施の形態2に係る検査方法の流れを示すフロー図である。
先ず、実施の形態2に係る検査方法において、図1に示す現場において制御装置2aと自動開閉器3とを電気的に切り離し、試験装置1を接続した制御装置2aを再起動するまでの手順は、実施の形態2に係る検査方法におけるステップS1~ステップS8と同様である。ただし、ステップS5では、端子台9を介して、制御装置2aの搬送波出力端子29A,29Bおよび信号端子24_3が、測定装置50にそれぞれ接続される。
ステップS8において、試験装置1の電源スイッチ部10の各スイッチSWpa,SWpbを“開(オフ)状態”から“閉(オン)状態”に切り替えたとき、試験装置1を介してA電源およびB電源(交流電圧)が制御装置2aの電源回路201に供給される。
電源回路201は、入力されたA電源およびB電源のうちA電源に基づいて、直流電圧VCC,VDDを生成し、制御装置2aの内部回路に供給する。これにより、データ処理制御部221等の内部回路が動作を開始する。このとき、搬送波生成回路260は、直流電圧VDDに応じた搬送波を生成して搬送波出力端子29A,29Bに出力する。
ステップS8の後、測定装置50を用いて、搬送波が制御装置2aの搬送波出力端子29A,29Bから出力されていることを確認する(ステップS9A)。
次に、試験装置1aの電源スイッチ部10のスイッチSWpa,SWpbを“閉(オン)状態”から“開(オフ)状態”に切り替える(ステップS10)。これにより、試験装置1aの電源出力端子16A,電源出力端子16Bから制御装置2aの第1電源端子27Aおよび第2電源端子27BへのA電源およびB電源の供給が停止する。
次に、測定装置50によって搬送波出力端子29A,29Bから出力されている搬送波の時間変化を測定する(ステップS11A)。具体的には、ステップS10において制御装置2aへのA電源およびB電源の供給を停止してから、搬送波出力端子29A,29Bからの搬送波の出力が停止するまでの時間を測定する。
図9Aおよび図9Bは、実施の形態2に係る制御装置2aの搬送波出力端子29A,29Bから出力される搬送波の時間的な変化を示す図である。図9Aには、コンデンサC1が劣化していない場合の搬送波(搬送波出力端子29A,29B間の電圧)の波形が示され、図9Bには、コンデンサC1の劣化が進んだ場合の搬送波(搬送波出力端子29A,29B間の電圧)の波形が示されている。
図9Aおよび図9Bにおいて、縦軸は電圧を表し、横軸は時間を表している。参照符号900,901は、制御装置2aの第1電源端子27Aに入力される交流電圧、すなわちA電源(AC200V)の波形を表している。参照符号902,903は、制御装置2aの搬送波出力端子29A,29B間の電圧、すなわち搬送波を表している。
図9Aおよび図9Bに示すように、時刻tcにおいて、試験装置1のスイッチSWpa,SWpbが“閉(オン)”から“開(オフ)”に切り替わったとき、制御装置2aへのA電源の供給が停止する。これにより、制御装置2aにおいて、電源回路201による直流電圧VDDの生成が停止し、コンデンサC1からの放電により直流電圧VDDが徐々に低下し、搬送波出力端子29A,29Bから出力される搬送波の振幅が低下し始める。
その後、直流電圧VDDが更に低下し、搬送波生成回路260が動作可能な電圧を下回ったとき、搬送波出力端子29A,29Bからの搬送波の出力が停止する。例えば、図9Aおよび図9Bに示すように、搬送波出力端子29A,29Bの電圧が急峻に変化した時刻tdにおいて、搬送波出力端子29A,29Bからの搬送波の出力が停止したと判定し、時刻tcから時刻tdまでの時間Tcdを測定する。
ここで、図9Aおよび図9Bにおける時刻tcから時刻tdまでの時間Tcdは、制御装置2aへのA電源およびB電源(AC200V)の遮断によって直流電圧VDDの生成が停止してから、直流電圧VDDが搬送波生成回路260の動作可能な電圧を下回った時点までの時間を表している。
この時間Tabは、電源回路201から直流電圧VDDが供給される内部配線VDDに接続されるコンデンサC1の容量に依存する。すなわち、コンデンサC1が劣化して容量が低下すると、制御装置2aへのA電源およびB電源の停止後に、電源回路201から内部配線VDDに供給される直流電圧VDDを維持可能な時間、すなわち時間Tcdが短くなる。
例えば、図9Aおよび図9Bに示すように、コンデンサC1が劣化した制御装置2aの搬送波(直流電圧VDD)に係る時間Tcdは、コンデンサC1が劣化していない制御装置2aの搬送波(直流電圧VDD)に係る時間Tcdに比べて短くなる。
したがって、時間Tcdを測定することにより、間接的に、制御装置2a内部のコンデンサC1の劣化状態を検査することが可能となる。
例えば、コンデンサC1が劣化していない制御装置2aにおいて測定した時間Tcdを基準値とし、検査対象の制御装置2aにおいて測定した時間Tcdと上記基準値とを比較して、時間Tcdが上記基準値に対してどの程度短くなっているかを調査することにより、コンデンサC1の劣化の程度を推定することができる。
以上、実施の形態2に係る、制御装置2aのコンデンサC1の劣化状態の検査方法によれば、試験装置1の第1信号生成部11によって生成された模擬電力供給状態信号Spiを制御装置2aに入力し、試験装置1の第2信号生成部12によって生成された模擬開閉状態信号Sciを制御装置2aに入力した上で、試験装置1の電源スイッチ部10を閉状態から開状態に切り替えることにより、制御装置2aに自動開閉器3が接続されている状態において、制御装置2aへのA電源およびB電源の供給を遮断した状況を擬似的に作り出すことができる。
更に、制御装置2aへのA電源およびB電源の供給の遮断後に、制御装置2aの搬送波生成回路260によって生成されて搬送波出力端子29A,29Bから出力される直流電圧VDDに応じた振幅を有する搬送波の時間変化(時間Tcd)を測定することにより、コンデンサC1の劣化状態を容易に検査することが可能となる。
具体的には、上述したように、制御装置2aへのA電源およびB電源の供給が停止してから搬送波の出力が停止するまでの時間Tcdは、制御装置2aへのA電源およびB電源の供給停止後にコンデンサC1が直流電圧VDDを維持できる能力、すなわちコンデンサC1の静電容量に依存するので、測定装置50によって搬送波の時間変化(時間Tcd)を測定することにより、制御装置2aを分解してコンデンサC1を取り外してコンデンサC1単体の特性を測定することなく、コンデンサC1の劣化状態を容易に検査することが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、試験装置1における電源スイッチ部10のスイッチSWpa,SWpbや第2信号生成部12の切替スイッチSWqを手動により切り替える場合を例示したが、これに限れられず、スイッチSWpa,SWpbや切替スイッチSWqを外部から入力された信号によって切り替えてもよい。
例えば、試験装置1をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置と接続し、その情報処理装置が試験装置1に信号を送信することにより、スイッチSWpa,SWpbや切替スイッチSWqのオン/オフを切り替えるようにしてもよい。この場合、測定装置50も上記情報処理装置に接続し、上記情報処理装置が測定装置50から測定結果のデータを取得するようにしてもよい。これによれば、瞬時停電の発生から時間Tabの測定までの処理(例えば、図4におけるステップS8~S11と図8におけるステップS8~S11A)を上記情報処理装置によって自動的に行うことが可能となる。