JP7331692B2 - 多孔性フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池 - Google Patents
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Description
(1)多孔質基材の少なくとも片面に、電極に対して接着性を有する多孔質層Aが積層された多孔性フィルムであって、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの少なくとも1種から構成された溶媒に25℃24時間浸漬した後の透気度が浸漬前の0.95倍以下であり、かつ1000sec/100cm3以下である、多孔性フィルム。
(2)前記多孔質層Aが、前記溶媒に25℃24時間浸漬する前後の二乗平均粗さ(Rq)の変化率が10%以上90%以下である、(1)に記載の多孔性フィルム。
(3)前記溶媒に25℃24時間浸漬後の二乗平均粗さ(Rq1)が20nm以上80nm以下である、(1)または(2)に記載の多孔性フィルム。
(4)前記多孔質層Aの表面開孔率が50%以下である、(1)から(3)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(5)前記多孔質層Aがアクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、およびオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する、(1)から(4)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(6)前記多孔質層Aの膜厚が0.05μm以上5μm以下である、(1)から(5)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(7)前記多孔質層Aが無機粒子を含む、(1)から(6)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(8)前記多孔質基材と前記多孔質層Aとの間に、無機粒子を含む多孔質層Bが積層された、(1)から(6)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(9)前記多孔質層Aが前記多孔質基材の両面に積層されている(1)から(8)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(10)(1)から(9)のいずれかに記載の多孔性フィルムを用いてなる二次電池用セパレータ。
(11)(10)に記載の二次電池用セパレータを用いてなる二次電池。
(透気度)
本発明の多孔性フィルムは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの少なくとも1種から構成された溶媒に25℃24時間浸漬した後の透気度が浸漬前の0.95倍以下である。好ましくは0.7倍以下、より好ましくは0.5倍以下、さらに好ましくは0.3倍以下である。0.95倍以下とすることにより、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、の少なくとも1種から構成された溶媒の浸漬による多孔化が十分となり、十分なイオン移動性が得られるとともに、電池特性の低下を防止することができる。また、上記溶媒に浸漬後の多孔性フィルムの透気度は1000sec/100cm3以下である。より好ましくは500sec/100cm3以下、さらに好ましくは300sec/100cm3以下である。1000sec/100cm3以下であると、十分なイオン移動性が得られるとともに、電池特性の低下を防止することができる。1000sec/100cm3よりも大きい場合、十分なイオン移動性が得られず、電池特性が低下してしまう場合がある。
(多孔質構造)
多孔質層Aは多孔質構造を有する。多孔質構造とは、構造内に空隙を有する構造のことをいう。多孔質層Aは、前記溶媒に25℃24時間浸漬前後の二乗平均粗さ(Rq)変化率が10%以上90%以下であることが好ましい。溶媒に25℃24時間浸漬前後の二乗平均粗さ(Rq)変化率が10%以上であると、十分なイオン移動性が得られるとともに、電池特性の低下を防止することができる。一方、前記変化率が90%以下であると、溶媒に多孔質層Aが過剰に溶解することなく、イオン輸送率の低下を防ぎ、電池特性を向上させることができる。二乗平均粗さ(Rq)変化率は、前記溶媒に25℃24時間浸漬する前の二乗平均粗さをRq0、浸漬後の二乗平均粗さをRq1としたときの比率{1-(Rq1/Rq0)}×100(%)と規定する。二乗平均粗さ(Rq)変化率は、前記溶媒に25℃24時間浸漬した場合の構造変化を示す数値となるため、多孔質層Aの膨潤および溶解程度を表すことができる。二乗平均粗さ(Rq)変化率は、好ましくは20%以上80%以下、さらに好ましくは30%以上70%以下である。
本発明における多孔質層Aは有機樹脂を主成分とするものである。本発明における有機樹脂は、熱処理によって有機樹脂自体を造膜させる造膜樹脂であることが好ましい。ここでいう造膜樹脂としては、最低造膜温度が-20℃以上100℃以下、かつガラス転移温度が-30℃以上100℃以下である樹脂であることが好ましい。より好ましくは、最低造膜温度が0℃以上90℃以下、かつガラス転移温度が0℃以上90℃以下、さらに好ましくは最低造膜温度が30℃以上80℃以下、かつガラス転移温度が15℃以上80℃以下である。ここで最低造膜温度とは、例えば「JIS K6828-2 白化温度及び最低造膜温度の求め方」の規定に準じ、樹脂エマルジョンを乾燥させたとき、き裂のない均一皮膜が形成される最低温度とする。また、ガラス転移温度とは、例えば「JIS K7121:2012 プラスチックの転移温度測定方法」の規定に準じた示差走査熱量測定(DSC)において、初めに昇温、冷却した後の2回目の昇温時の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移温度とする。
多孔質層Aは無機粒子を含有してもよい。多孔質層が無機粒子を含むことで熱寸法安定性および異物による短絡の抑制を付与することができる。
多孔質層Aは多孔質層Aを構成する有機樹脂および無機粒子を結着させるために、バインダー樹脂を含有してもよい。バインダー樹脂としては、電池の電解液に不溶であり、またその電池の使用範囲で電気化学的に安定である樹脂が好ましい。
本発明の多孔性フィルムは、多孔質基材の少なくとも片面に、多孔質層Aが積層された多孔性フィルムであって、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの少なくとも1種から構成された溶媒に25℃24時間浸漬した後の透気度が浸漬前の0.95倍以下であり、かつ1000sec/100cm3以下である多孔性フィルムにすることで、電極との接着性を有し、かつ優れた電池特性を有する多孔性フィルムであるが、多孔質層Aの製造方法について以下に説明する。
多孔質層Aを構成する有機樹脂を、所定の濃度に分散させることで水系分散塗工液を調整する。水系分散塗工液は、有機樹脂を、溶媒に分散、懸濁、又は乳化することで調製される。水系分散塗工液の溶媒としては、少なくとも水が用いられ、さらに、水以外の溶媒を加えてもよい。水以外の溶媒としては、有機樹脂を溶解せず、固体状態で、分散、懸濁又は乳化し得る溶媒であれば特に限定されるものではない。例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤が挙げられる。環境への負荷の低さ、安全性及び経済的な観点からは、水、又は、水とアルコールとの混合液に、有機樹脂を乳化した水系エマルションが好ましい。
本発明の多孔性フィルムは、多孔質基材と多孔質層Aの間に、無機粒子を含む多孔質層Bが積層されていてもよい。多孔質層Bには、多孔質層Aと同様の無機粒子、バインダーおよびその他の添加剤を用いればよい。また、多孔質層Bは片面でもよく両面でもよい。
本発明において多孔質基材は、内部に空孔を有する基材である。また、本発明において、多孔質基材としては、例えば内部に空孔を有する多孔膜、不織布、または繊維状物からなる多孔膜シートなどが挙げられる。多孔質基材を構成する材料としては、電気絶縁性であり、電気的に安定で、電解液にも安定である樹脂から構成されていることが好ましい。また、シャットダウン機能を付与する観点から用いる樹脂は融点が200℃以下の熱可塑性樹脂が好ましい。ここでのシャットダウン機能とは、リチウムイオン電池が異常発熱した場合に、熱で溶融することで多孔構造を閉鎖し、イオン移動を停止させて、発電を停止させる機能のことである。
本発明の多孔性フィルムは、リチウムイオン電池等の二次電池用セパレータに好適に用いることができる。リチウムイオン電池は、正極活物質を正極集電体に積層した正極と、負極活物質を負極集電体に積層した負極との間に、二次電池用セパレータと電解質が介在した構成となっている。
ものではない。本実施例で用いた測定法を以下に示す。なお、以下において、実施例1、実施例14は、それぞれ参考例1、参考例14と読み替えるものとする。
(1)初期透気度
100mm×100mmサイズの試料3枚からそれぞれ無作為に抽出した一箇所を選び、王研式透気度測定装置(旭精工(株)社製EG01-5-1MR)を用いて、JIS P 8117(2009)に準拠して測定し、その平均値を透気度(秒/100cm3)とした。
100mm×100mmサイズの試料3枚を、それぞれジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの少なくとも1種から構成された溶媒2gに25℃24時間浸漬した。その後、試料を取り出し、乾燥させた後に、各サンプルの無作為に抽出した一箇所を選び、王研式透気度測定装置(旭精工(株)社製EG01-5-1MR)を用いて、JIS P 8117(2009)に準拠して測定し、その平均値を透気度(秒/100cm3)とした。得られた透気度と熱処理後の透気度を用いて、以下の式から溶媒浸漬後の透気度変化率を算出した。
溶媒浸漬後の透気度変化率=溶媒浸漬後の透気度/初期透気度
(3)二乗平均粗さ(Rq)
ブルカー・エイエックスエス(株)製のAFM(Dimension icon(2006年より製造されているもの))を用いて多孔質層Aの表面粗さを計測した。測定モードをScanAsystとして、測定は5.0μm×5.0μm範囲を一視野として、二乗平均粗さ(Rq0)を計測した。100mm×100mmサイズの試料からそれぞれ無作為に抽出した10箇所についてそれぞれ計測し、平均値を採用した。
多孔性フィルムの表面にイオンコーターを用いてイオンコートを行い、サンプルを作製した。得られたサンプルを、日立ハイテクノロジー社製電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)S4800を用いて加速電圧1.5kVにて、撮影倍率2万倍で観察し、画像データを得た(スケールバーなどの表示がない、観察部のみの画像)。得られた画像データから多孔質層のみが残るように画像を切り取り、MVTec社製HALCON Ver.10.0を用いて画像解析を行い、表面開孔率を算出した。画像解析方法としては、まず256階調モノクロ画像に対して、11画素平均画像Aと3画素平均画像Bをそれぞれ生成し、画像B全体の面積(Area_all)を算出した。
上記の方法にて、同じ多孔性フィルムにおいて無作為に抽出した10箇所についてそれぞれ測定し、その平均値の値を当該サンプルの表面開孔率(%)とした。
ミクロトームにてサンプル断面を切り出し、その断面を電解放射型走査電子顕微鏡((株)日立製作所製S-800、加速電圧26kV)にて観察して、多孔質基材との界面から最も高いところを厚みとし、片面の場合は片面のみ、両面の場合は両面ともに計測し、その合計を多孔質層Aの膜厚とした。100mm×100mmサイズのサンプルから無作為に抽出した5箇所についてそれぞれ計測し平均した。
活物質がLi(Ni5/10Mn2/10Co3/10)O2、バインダーがフッ化ビニリデン樹脂、導電助剤がアセチレンブラックとグラファイトの正極15mm×100mmと多孔性フィルムを、活物質と多孔質層が接触するように設置し、熱ロールプレス機にて0.5MPa、80℃、0.2m/分で熱プレスを行い、ピンセットを用いて手動で剥離させ、接着強度を下記4段階にて評価を行った。同様に、活物質が黒鉛、バインダーがフッ化ビニリデン樹脂、導電助剤がカーボンブラックの負極と多孔性フィルムとの接着強度も測定し、正極および負極のそれぞれの評価を行い、接着強度とした。
・接着強度A: 強い力で電極と多孔性フィルム側が剥離した
・接着強度B: やや強い力で電極と多孔性フィルムが剥離した
・接着強度C: 弱い力で電極と多孔性フィルムが剥離した
・接着強度D: 極弱い力で電極と多孔性フィルムが剥離した。
正極シートは、正極活物質としてLi(Ni5/10Mn2/10Co3/10)O2を92質量部、正極導電助剤としてアセチレンブラックとグラファイトを2.5質量部ずつ、正極結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部を、プラネタリーミキサーを用いてN-メチル-2-ピロリドン中に分散させた正極スラリーを、アルミ箔上に塗布、乾燥、圧延して作製した(塗布目付:9.5mg/cm2)。
放電負荷特性を下記手順にて試験を行い、放電容量維持率にて評価した。
充放電サイクル特性を下記手順にて試験を行い、放電容量維持率にて評価した。
〈1~300サイクル目〉
充電、放電を1サイクルとし、充電条件を2C、4.3Vの定電流充電、放電条件を2C、2.7Vの定電流放電とし、25℃下で充放電を300回繰り返し行った。
〈放電容量維持率の算出〉
(300サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100で放電容量維持率を算出した。上記ラミネート型電池を5個作製し、放電容量維持率が最大、最小となる結果を除去した3個の測定結果の平均を容量維持率とした。放電容量維持率が50%未満をD、50%以上60%未満をC、60%以上70%未満をB、70%以上の場合をAとした。
乳化重合により、主成分がメタクリル酸・アクリル酸エステル、最低造膜温度が5℃、ガラス転移温度が20℃、平均粒径が0.15μmである造膜粒子が分散された水系エマルジョン塗工液を調整した。この塗工液を、ワイヤーバーを用いてポリエチレン多孔質基材(厚み7μm、透気度110秒/100cm3)上へ両面塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Aを形成し、本発明の多孔性フィルムを得た。多孔性フィルムの製造条件を表1に示す。得られた多孔性フィルムについて、初期透気度、溶媒浸漬後の透気度変化率(溶媒:ジエチルカーボネート)、溶媒浸漬後の二乗平均粗さ(Rq1)(溶媒:ジエチルカーボネート)、二乗平均粗さ(Rq)変化率、多孔質層Aの膜厚、多孔質層Aの表面開孔率、電極との接着性、放電負荷特性およびサイクル特性の測定結果を表2に示す。
最低造膜温度が80℃、ガラス転移温度が100℃である造膜粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が30℃、ガラス転移温度が40℃である造膜粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
無機粒子としてアルミナ粒子(平均粒径0.4μm)を95質量%、バインダーとしてアクリル樹脂を5質量%、水中に分散させて塗工液Bを調整した。この塗工液をワイヤーバーを用いてポリエチレン多孔質基材(厚み7μm、透気度110秒/100cm3)の片面に塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Bを形成した。その後、実施例1で調整した塗工液を多孔質層B上およびポリエチレン多孔質基材の多孔質層Bが形成されていない側へ塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Aを形成し、本発明の多孔性フィルムを得た。
浸漬する溶媒にジメチルカーボネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
浸漬する溶媒にエチルメチルカーボネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
浸漬する溶媒が以下の作製方法によって得られる混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が40℃、ガラス転移温度が50℃である造膜粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が45℃、ガラス転移温度が70℃である造膜粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が60℃、ガラス転移温度が85℃である造膜粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が15℃、ガラス転移温度が18℃である造膜粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
多孔質層Aの膜厚が5.0μmとなるように塗工した以外は、実施例8と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
多孔質層Aの膜厚が2.0μmとなるように塗工した以外は、実施例8と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
多孔質層Aの膜厚が0.05μmとなるように塗工した以外は、実施例8と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
無機粒子としてアルミナ粒子(平均粒径0.4μm)を95質量%、バインダーとしてアクリル樹脂を5質量%、水中に分散させて塗工液Bを調整した。この塗工液を、ワイヤーバーを用いてポリエチレン多孔質基材(厚み7μm、透気度110秒/100cm3)の片面に塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Bを形成した。その後、実施例8で調整した塗工液を多孔質層B上およびポリエチレン多孔質基材の多孔質層Bが形成されていない側へ塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Aを形成し、本発明の多孔性フィルムを得た。
浸漬する溶媒がジメチルカーボネートを用いた以外は、実施例8と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
浸漬する溶媒がエチルメチルカーボネートを用いた以外は、実施例8と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
浸漬する溶媒が以下の作製方法によって得られる混合液を用いた以外は、実施例8と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
無機粒子として硫酸バリウム(平均粒径0.3μm)を用いた以外は、実施例15と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
無機粒子としてベーマイト(平均粒径0.4μm)を用いた以外は、実施例15と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が40℃、ガラス転移温度が50℃である造膜粒子と最低造膜温度が60℃、ガラス転移温度が85℃である造膜粒子と最低造膜温度が80℃、ガラス転移温度が75℃である造膜粒子が質量%比で30/45/25で分散された水系エマルジョン塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
無機粒子としてアルミナ粒子(平均粒径0.4μm)を95質量%、バインダーとしてアクリル樹脂を5質量%、水中に分散させて塗工液Bを調整した。この塗工液を、ワイヤーバーを用いてポリエチレン多孔質基材(厚み7μm、透気度110秒/100cm3)の片面に塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Bを形成した。その後、実施例21で調整した塗工液を多孔質層B上およびポリエチレン多孔質基材の多孔質層Bが形成されていない側へ塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Aを形成し、本発明の多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が35℃、ガラス転移温度が45℃である、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの少なくとも1種から構成された溶媒に対して膨潤性の高い造膜粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔性フィルムを得た。
実施例4で用いた塗工液Bをワイヤーバーを用いてポリエチレン多孔質基材(厚み7μm、透気度110秒/100cm3)上へ塗工し、熱風オーブン(乾燥設定温度50℃)内で、含有される溶媒が揮発するまで乾燥し、多孔質層Bを形成し、多孔性フィルムを得た。
最低造膜温度が20℃、ガラス転移温度が30℃である造膜粒子を用いて、多孔質層Aの膜厚が2.0μmになるように塗工した以外は、実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
Claims (10)
- 多孔質基材の少なくとも片面に、電極に対して接着性を有する多孔質層Aが積層された多孔性フィルムであって、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの少なくとも1種から構成された溶媒に25℃24時間浸漬した後の透気度が浸漬前の0.95倍以下であり、かつ1000sec/100cm3以下であり、前記溶媒に25℃24時間浸漬後の二乗平均粗さ(Rq 1 )が20nm以上80nm以下である多孔性フィルム。
- 前記多孔質層Aが、前記溶媒に25℃24時間浸漬する前後の二乗平均粗さ(Rq)の変化率が10%以上90%以下である、請求項1に記載の多孔性フィルム。
- 前記多孔質層Aの表面開孔率が50%以下である、請求項1または2に記載の多孔性フィルム。
- 前記多孔質層Aがアクリル樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、およびオレフィン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の多孔性フィルム。
- 前記多孔質層Aの膜厚が0.05μm以上5μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の多孔性フィルム。
- 前記多孔質層Aが無機粒子を含む、請求項1から5のいずれかに記載の多孔性フィルム。
- 前記多孔質基材と前記多孔質層Aの間に、無機粒子を含む多孔質層Bが積層された、請求項1から6のいずれかに記載の多孔性フィルム。
- 前記多孔質層Aが前記多孔質基材の両面に積層されている請求項1から7のいずれかに記載の多孔性フィルム。
- 請求項1から8のいずれかに記載の多孔性フィルムを用いてなる二次電池用セパレータ。
- 請求項9に記載の二次電池用セパレータを用いてなる二次電池。
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