JP7331680B2 - 放熱器、冷却装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、フィンプレートに爪部を形成するためのかしめ加工は、係止溝に連結部品の基部を差し込んだ後に、フィンプレートの板幅方向の端面における開口端の近傍を、その周囲よりも陥没するように押し込むことにより行われることが記載されている。
本発明は、簡易な工程により複数のフィンが位置決めされた放熱器等を提供することを目的とする。
ここで、前記基部には、先端を有する角部が設けられ、前記角部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧しても良い。
また、前記フィンの前記凹部は、開口が形成された第1部と、当該第1部よりも深部に設けられ当該第1部の当該開口よりも幅が狭い開口が形成された第2部とを有し、前記凸部は、前記第2部に挿入され、前記基部は、前記第1部に挿入されても良い。
また、前記基部と前記凸部との間に設けられ、当該凸部に対して、当該基部とは反対方向に傾斜する中間部を有し、前記中間部の少なくとも一部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧しても良い。
また、前記中間部のうちの前記凹部を押圧する部分は、曲面形状であっても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、上述した放熱器と、前記放熱器を収容し、当該放熱器における複数のフィン間に冷却液が流通するケースと、を備える冷却装置である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る液冷式冷却装置1の斜視図である。
図2は、図1のII-II部の断面図である。
図3は、図2のIII-III部の断面図である。
図4は、放熱器10の斜視図である。
本実施形態に係る液冷式冷却装置1は、矩形状の複数のフィン11を有する放熱器10と、放熱器10を収納するケース20と、を備えている。また、液冷式冷却装置1は、ケース20の外部から内部に冷却液を流入させる入口ジョイント30と、ケース20の内部から外部に冷却液を流出させる出口ジョイント40と、を備えている。以下では、矩形状のフィン11の長手方向を左右方向、フィン11の短手方向を上下方向、複数のフィン11の並び方向を前後方向と称する場合がある。
放熱器10は、板状であって板面に直交する方向に並んだ複数のフィン11と、複数のフィン11を連結する連結部材12とを有する。
フィン11は、フィン11の短手方向が図1に示した上下方向、フィン11の長手方向が図1に示した左右方向となるように配置されている。また、複数のフィン11は、フィン11の表面に直交する方向に、予め定められた間隔(以下、「所定間隔」と称する場合がある。)で並べられている。複数のフィン11は、並び方向が図1に示した前後方向となるように配置されている。
なお、フィン11および連結部材12の構成については、後に詳述する。
また、放熱器10の板厚は、0.3~1.2mmであることを例示することができる。液冷式冷却装置1全体の大きさや、ケース20を流通する冷却液の種類、又はフィン11の熱伝導率に応じて適宜変更される。
ケース20は、絶縁部材Iを介して発熱体Pが装着されるケース本体21と、ケース本体21の開口部を覆うカバー22とを備えている。
ケース本体21は、平板状の頂部21aと、頂部21aにおける各端部から頂部21aに直交する方向(下方)に突出した側部21bと、側部21bにおける各端部から側部21bに直交する方向に外側に突出したフランジ部21cとを有している。頂部21aにおける、側部21bが設けられた側と反対側の面(上面)の中央部に、絶縁部材Iを介して発熱体Pが装着される。そして、頂部21aにおける、絶縁部材I及び発熱体Pが配置される部位よりも左右方向それぞれの外側には、ケース20の内部と外部とを連通するように貫通された、入口用貫通孔21dと出口用貫通孔21eとが形成されている。
そして、ケース本体21とカバー22とがろう付されることで、ケース20内における入口用貫通孔21dよりも下方には流入側空間23が形成され、ケース20内における出口用貫通孔21eよりも下方には流出側空間24が形成される。
入口ジョイント30は、円筒状の円筒状部31と、直方体状の直方体状部32とを有し、冷却液を流通させることが可能なように、内部が空洞に形成されている。円筒状部31の一方の端部(右端部)は開口しており、他方の端部は直方体状部32と接続している。直方体状部32における一面(下面)には、入口ジョイント30の内部と外部とを連通する貫通孔33が形成されている。入口ジョイント30は、貫通孔33が形成された面が、ケース本体21の頂部21aにおける発熱体Pが装着された面(上面)上に載せられた状態で、ケース本体21にろう付される。その際、入口ジョイント30の貫通孔33と、ケース本体21の入口用貫通孔21dとを介して、入口ジョイント30の内部とケース本体21の内部とが連通される。
出口ジョイント40は、円筒状の円筒状部41と、直方体状の直方体状部42とを有し、冷却液を流通させることが可能なように、内部が空洞に形成されている。円筒状部41の一方の端部(左端部)は開口しており、他方の端部は直方体状部42と接続している。直方体状部42における一面(下面)には、出口ジョイント40の内部と外部とを連通する貫通孔43が形成されている。出口ジョイント40は、貫通孔43が形成された面が、ケース本体21の頂部21aにおける発熱体Pが装着された面(上面)上に載せられた状態で、ケース本体21にろう付される。その際、出口ジョイント40の貫通孔43と、ケース本体21の出口用貫通孔21eとを介して、出口ジョイント40の内部とケース本体21の内部とが連通される。
次に、フィン11の構成について説明する。
図5(a)は、フィン11の斜視図であり、図5(b)は、フィン11の板面に直交する方向から凹部110を眺めた場合の図である。
図5(a)に示すように、フィン11には、窪みを有する凹部110が設けられている。この凹部110には、連結部材12が挿入される。また、凹部110には、フィン11の板面に直交する方向において、図中手前側の板面から図中奥側の板面まで貫通する開口が形成されている。なお、フィン11の板面に直交する方向を、以下では、フィン11の厚さ方向と称することがある。本実施形態では、フィン11の長手方向の両端部において、フィン11の短手方向における上面11aと下面11bとにそれぞれ凹部110が設けられている。
第1部の一例としての第1開口部111は、フィン11の長手方向における図中右側に設けられた第1右側面111aと、フィン11の長手方向における図中左側に設けられた第1左側面111bとを有する。第1右側面111aおよび第1左側面111bは、フィン11の短手方向に沿って直線的に形成されている。フィン11の長手方向において、第1右側面111aから第1左側面111bまでの長さは、長さW1である。また、第1開口部111には、第1右側面111aと第1左側面111bとの間に、直方体状の開口が形成されている。この開口は、フィン11の上面11aから形成されている。
次に、連結部材12の構成について説明する。
図6(a)は、連結部材12の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)のVI-VI断面図である。
図6(a)に示すように、連結部材12は、放熱器10に設けられている各フィン11に架け渡される基部121と、基部121から突出する突出部122とを有する。また、突出部122には、連結部材12の長手方向における予め定められた間隔ごとに、窪みを有する突出部凹部1221が設けられている。突出部凹部1221には、直方体状の開口が形成されている。この開口は、連結部材12の図中手前側における板面から図中奥側における板面まで貫通している。
凸部の一例としての突出部122は、直方体状である。この突出部122は、図中右側に設けられた突出右側面122aと、図中左側に設けられた突出左側面122bとを有する。また、突出部凹部1221には、凹部底面1221aが設けられている。
また、基部121は、突出部122に対して図中右側に傾斜して設けられている。本実施形態では、連結部材12に折り曲げ加工が施されることにより、基部121が突出部122に対して傾斜している。突出左側面122bの延長線L1と、基部左側面121bとがなす角度は、角度αである。角度αは、鋭角である。また、図示を省略するが、突出右側面122aの延長線と、基部右側面121aとがなす角度もまた、角度αである。
次に、連結部材12をフィン11に挿入する方法について説明する。
図7(a)、図7(b)は、連結部材12をフィン11に挿入する方法について説明するための図である。
図7(a)に示すように、まず、連結部材12の突出部122を、フィン11の凹部110に入れる。これにより、連結部材12の突出部122における先端部は、フィン11の凹部110における第1開口部111と第2開口部112とを通って、第3開口部113に入る。なお、図7(a)には一つのフィン11のみを示しているが、放熱器10に設けられた各フィン11の凹部110における第3開口部113にも、連結部材12の突出部122における先端部が入っている。一方、上述の通り、長さW5は長さW1よりも長いため、連結部材12の基部121はフィン11の凹部110における第1開口部111には入り切らない。このとき、基部121の基部右側面121aにおける引掛り部121aAが、凹部110における第1右側面111aとフィン11の上面11aとの接続部に引っ掛かる。また、このとき、連結部材12の突出部凹部1221における凹部底面1221aは、フィン11の凹部110における凹部底面113cには到達していない。
なお、図7(b)に示した凹部110のみならず、各フィン11に設けられている他の凹部110にも、図7(a)および図7(b)を参照しながら説明した方法と同じ方法により、連結部材12がそれぞれ挿入される。
上記の方法により製造された放熱器10によれば、複数のフィン11における各凹部110に連結部材12が押し込まれることにより、複数のフィン11が位置決めされる。より具体的には、連結部材12の基部121は突出部122に対して傾斜しており、突出部122に対する基部121の傾斜の程度が小さくなりながら連結部材12が複数のフィン11の各凹部110に押し込まれることにより、複数のフィン11が位置決めされる。
この場合、連結部材12の突出部122は、開口の幅が第3開口部113よりも広い第1開口部111を通ってから、第3開口部113に挿入されるようになる。そのため、凹部110に形成される開口の幅が一定である場合に比べて、突出部122をフィン11の凹部110に挿入し易くすることができる。
図8(a)は、フィン11の変形例を示した図であり、図8(b)は、変形例のフィン11の板面に直交する方向からフィン11の凹部210を眺めた場合の図である。
図9(a)および図9(b)は、連結部材12をフィン11の凹部210に挿入する方法について説明するための図である。
図5(a)および図5(b)を用いて説明したフィン11においては、フィン11の短手方向における位置によって、凹部110に形成された開口の幅(フィン11の長手方向における開口の長さ)が異なっているが、凹部110の形状は、上述したものに限定されない。フィン11には、例えば、図8(a)に示すような凹部210が設けられてもよい。
図8(b)に示すように、凹部210は、フィン11の長手方向における図中右側に設けられた右側面210aと、フィン11の長手方向における図中左側に設けられた左側面210bと、凹部210の最深部に設けられた凹部底面210cとを有する。なお、図8(b)には、フィン11の上面11aに設けられた凹部210が示されている。右側面210aおよび左側面210bは、フィン11の短手方向に沿って直線的に形成されている。凹部底面210cは、フィン11の長手方向に沿って直線的に形成されている。右側面210aから左側面210bまでの長さは、長さW8である。この長さW8は、連結部材12の突出部122における長さW4よりも長くなっている。また、突出部122における凹部底面1221aと突出右側面122aとの交点と、基部121における角部121dの先端とを通る線を直線L2とする。さらに、この直線L2と平行な線であって基部左側面121bと突出左側面122bとの交点を通る線を直線L3とする。この場合に、直線L2から直線L3までの長さを、長さW9とする。この長さW9は、長さW8よりも長くなっている。
次に、押し込み部材(不図示)を用いて、連結部材12を凹部210に押し込む。これにより、引掛り部121aAが、フィン11に対して押圧力を与えるとともに、この押圧力に対する反力をフィン11から受けると、突出部122に対する基部121の傾斜の程度が小さくなるように、連結部材12が変形する。また、この変形に伴い、長さW9が小さくなる。
図10(a)は、第2の実施形態に係る連結部材220の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)のX-X部の断面図である。
第2の実施形態に係る連結部材220は、基部121(図6(a)参照)に相当する基部221と、突出部122に相当する突出部222との間に設けられる中間部223を有する点で、第1の実施形態に係る連結部材12と異なる。
突出部222は、図中右側に設けられた突出右側面222aと、図中左側に設けられた突出左側面222bとを有する。
中間部223は、図中右側に設けられた中間右側面223aと、図中左側に設けられた中間左側面223bとを有する。また、中間左側面223bと基部左側面221bとの接続部には、先端を有する接続角部223cが設けられている。
突出右側面222aから突出左側面222bまでの長さW10は、フィン11の凹部110における長さW3(図5(b)参照)やフィン11の凹部210における長さW8(図8(b)参照)よりも短くなっている。また、連結部材220の厚さ方向(図10(b)における左右方向)において、基部右側面221aと突出右側面222aとの接線L4から、この接線L4と平行な線であって接続角部223cにおける先端を通る直線L5までの長さは、長さW11である。この長さW11は、フィン11の凹部110における長さW1(図5(b)参照)やフィン11の凹部210における長さW8(図8(b)参照)よりも長くなっている。
図12(a)および図12(b)は、連結部材220をフィン11の凹部210に挿入する方法について説明するための図である。
図11(a)に示すように、まず、連結部材220の突出部222と中間部223とをフィン11の凹部110に入れる。なお、連結部材220をフィン11の凹部110に入れる場合には、中間部223における中間左側面223bが凹部110における傾斜面112aに対向するように、連結部材220を入れる。これにより、突出部222および中間部223が、フィン11の凹部110に入り込む。一方、上述の通り、長さW11は長さW1よりも長いため、基部221は凹部110に入り切らず、基部221の引掛り部221aAが、凹部110における第1左側面111bとフィン11の上面11aとの接続部に引っ掛かる。また、このとき、接続角部223cが、凹部110における第1右側面111aに引っ掛かる。
そして、連結部材220が押し込み部材に押し込まれているときに長さW11が長さW1よりも僅かに小さくなると、図11(b)に示すように、基部221が更に凹部110に入る。また、突出部凹部2221の凹部底面2221aが凹部110における凹部底面113cに到達する。このようにして、連結部材220がフィン11の凹部110に挿入される。また、このとき、基部221の角部221dが、凹部110の第1左側面111bを押圧しているため、角部221dが第1左側面111bに引っ掛かっている。また、このとき、接続角部223cが、凹部110の第1右側面111aを押圧しているため、この接続角部223cが第1右側面111aに引っ掛かっている。
次に、押し込み部材(不図示)を用いて、連結部材220を凹部210に押し込む。これにより、引掛り部221aAが、フィン11に対して押圧力を与えるとともに、この押圧力に対する反力をフィン11から受けると、突出部222に対する基部221の傾斜の程度が小さくなるように、連結部材220が変形する。また、この変形に伴い、長さW11が小さくなる。
この場合、基部221の角部221dのみならず、接続角部223cも凹部110や凹部210に引っ掛かるようになる。そのため、凹部110や凹部210に引っ掛かる部分が基部221のみである場合に比べて、連結部材220がフィン11から抜けることを抑制することができる。
図13(a)は、連結部材220の変形例を示した図である。また、図13(b)は、変形例における連結部材220の引掛り部221aAがフィン11の凹部110に引っ掛かっているときの図である。さらに、図13(c)は、変形例における連結部材220の引掛り部221aAがフィン11の凹部210に引っ掛かっているときの図である。
図10(a)および図10(b)を用いて説明した連結部材220は、基部221と中間部223との接続部に接続角部223cが設けられているが、連結部材220の形状は、上述したものに限定されない。連結部材220は、例えば、図13(a)に示すような形状であってもよい。
例えば、基部221と中間部223との間に、他の機能部が設けられてもよい。また、例えば、中間部223と突出部222との間に、他の機能部が設けられてもよい。
連結部材がフィン11の凹部110や凹部210に引っ掛かっている何れの箇所も、曲面形状であってもよい。
Claims (6)
- 凹んだ凹部が各々に形成された複数のフィンと、
前記複数のフィンの各々の前記凹部に挿入され当該複数のフィンを連結する連結部材と、
を備え、
前記連結部材は、前記複数のフィンの各々の前記凹部に挿入され当該複数のフィンに架け渡される基部と、当該基部から突出して設けられ当該複数のフィンの各々の当該凹部に挿入される凸部とを有し、
前記基部は、前記凸部に対して傾斜している
放熱器。 - 前記基部には、先端を有する角部が設けられ、
前記角部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧する
請求項1に記載の放熱器。 - 前記フィンの前記凹部は、開口が形成された第1部と、当該第1部よりも深部に設けられ当該第1部の当該開口よりも幅が狭い開口が形成された第2部とを有し、
前記凸部は、前記第2部に挿入され、前記基部は、前記第1部に挿入される
請求項1に記載の放熱器。 - 前記基部と前記凸部との間に設けられ、当該凸部に対して、当該基部とは反対方向に傾斜する中間部を有し、
前記中間部の少なくとも一部は、前記フィンの前記凹部に接触して当該凹部を押圧する
請求項1記載の放熱器。 - 前記中間部のうちの前記凹部を押圧する部分は、曲面形状である
請求項4に記載の放熱器。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の放熱器と、
前記放熱器を収容し、当該放熱器における複数のフィン間に冷却液が流通するケースと、
を備える冷却装置。
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