JP7330815B2 - 貫通孔位置合わせ治具、及び貫通孔位置合わせ方法 - Google Patents

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Description

本開示は、構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせをするための貫通孔位置合わせ治具、及び該貫通孔位置合わせ治具を用いる貫通孔位置合わせ方法に関する。
従来、構造物を構成する複数の構成部材同士の固定にはボルト接合が広く行われてきた。該ボルト接合は、各々が貫通孔を有する構成部材同士を、貫通孔同士が連通するように重ね合わせた状態で、貫通孔にボルトを挿入するとともに、該ボルトにナットを締付けることで、構成部材同士を固定するものである。
ボルト接合の際の貫通孔同士の位置合わせには、例えばラチェットレンチのような工具(治具)が用いられる。特許文献1には、ハンドルと、該ハンドルに対して直角方向に沿って延在し、且つ、梁の丸孔及び柱の丸孔に挿入される貫通孔挿入部と、を有する梁取付け用治具が記載されている。そして、特許文献1には、梁取付け用治具の貫通孔挿入部を梁の丸孔及び柱の丸孔に挿入した状態で、梁取付け用治具のハンドルをねじることで梁を動かして、梁の丸孔と柱の丸孔との芯合わせを行うことが記載されている。
特許文献2は、ボルト接合の際に、筒状充填材をボルトとともにボルト孔に挿入した後、該筒状充填材を該ボルトとナットとの間の締付力により拡径変形させることで、ボルト軸とボルト孔との間の隙間を充填することが記載されている。そして、特許文献2には、筒状充填材には、複数の楔状分割片をスライド可能に係合して径を拡縮する楔機構を有する筒状形成体があることが記載されている。
実開昭62-32146号公報 特許第4724590号公報
特許文献1に記載の梁取付け用治具を用いた貫通孔同士の位置合わせは、貫通孔同士の位置が合うように、作業者が微調整を行いながら梁取付け用治具を動かす必要があるので、作業者の経験年数や熟練度等に作業性が依存するものである。よって、構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができない虞がある。
特許文献2は、そもそも貫通孔同士の位置合わせに関する文献ではない。仮に、特許文献2に記載の複数の楔状分割片を用いて貫通孔同士の位置合わせを行おうとしても、複数の楔状分割片は互いに離隔可能であるので、複数の楔状分割片を貫通孔に挿入する作業が煩雑なものになる虞がある。よって、構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができない虞がある。
上述した事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる貫通孔位置合わせ治具を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具は、
構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせをするための貫通孔位置合わせ治具であって、
前記貫通孔に挿入可能な一対の傾斜面摺動部材と、
前記一対の傾斜面摺動部材を支持する棒状部材と、を備え、
前記一対の傾斜面摺動部材は、
前記棒状部材の軸線方向に対して傾斜する第1傾斜面と、前記棒状部材の軸線方向に沿って延在する第1挿通孔と、を有する第1傾斜面摺動部材と、
前記棒状部材の軸線方向に対して傾斜するとともに、前記第1傾斜面に対面する第2傾斜面を有する第2傾斜面摺動部材と、を含み、
前記棒状部材は、前記第1挿通孔に挿通されるとともに、前記第2傾斜面摺動部材に対して取り付けられる。
上記(1)の構成によれば、貫通孔位置合わせ治具は、貫通孔に挿入可能な一対の傾斜面摺動部材を備えている。一対の傾斜面摺動部材は、棒状部材の軸線方向に対して傾斜する第1傾斜面を有する第1傾斜面摺動部材と、棒状部材の軸線方向に対して傾斜するとともに、第1傾斜面に対面する第2傾斜面を有する第2傾斜面摺動部材と、含んでいる。このため、第1傾斜面摺動部材及び第2傾斜面摺動部材のうちの一方を他方に向かって押し付けると、第1傾斜面摺動部材の第1傾斜面と、第2傾斜面摺動部材の第2傾斜面と、が互いに係合し、且つ、第1傾斜面摺動部材や第2傾斜面摺動部材が他方の傾斜面に沿って摺動する。
第1傾斜面摺動部材や第2傾斜面摺動部材が他方の傾斜面に沿って摺動するのに伴い、第1傾斜面摺動部材の第1傾斜面とは反対側の部分(第1反対側部分)と、第2傾斜面摺動部材の第2傾斜面とは反対側の部分(第2反対側部分)と、が軸線方向に直交方向に沿って互いに離れて構成部材の貫通孔の内周に接触して構成部材を動かすことで、貫通孔同士の位置合わせが行われる。よって、貫通孔位置合わせ治具による貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる。
また、棒状部材は、第1傾斜面摺動部材の第1挿通孔に挿通されるとともに、第2傾斜面摺動部材に対して取り付けられるので、第1傾斜面摺動部材や第2傾斜面摺動部材は棒状部材から一定距離以上離隔しない。このため、棒状部材を貫通孔に挿入する際に、第1傾斜面摺動部材や第2傾斜面摺動部材を棒状部材と一緒に貫通孔に挿入できるので、貫通孔位置合わせ治具は、貫通孔への挿入作業を容易に行うことができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1挿通孔は、前記棒状部材が緩く挿通する。
上記(2)の構成によれば、第1挿通孔は棒状部材が緩く挿通するので、第1傾斜面摺動部材は棒状部材に対して、棒状部材の軸線方向に直交する方向に沿って移動することが容易である。このため、第1傾斜面摺動部材や第2傾斜面摺動部材が他方の傾斜面に沿って摺動するのに伴い、第1反対側部分と第2反対側部分とを容易に離すことができるので、貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記第2傾斜面摺動部材は、前記棒状部材の軸線方向に沿って延在するとともに前記棒状部材が緩く挿通する第2挿通孔を有し、
前記貫通孔位置合わせ治具は、前記棒状部材に支持されるとともに前記第2傾斜面摺動部材の前記棒状部材に対する相対移動を制限する第1係止部材をさらに備える。
上記(3)の構成によれば、第2傾斜面摺動部材は棒状部材の軸線方向に沿って延在するとともに棒状部材が緩く挿通する第2挿通孔を有している。このため、第2挿通孔は棒状部材が緩く挿通するので、第2傾斜面摺動部材は棒状部材に対して、棒状部材の軸線方向に直交する方向に沿って移動することが容易である。このため、第1傾斜面摺動部材や第2傾斜面摺動部材が他方の傾斜面に沿って摺動するのに伴い、第1反対側部分と第2反対側部分とを容易に離すことができるので、貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる。
また、貫通孔位置合わせ治具は、棒状部材に支持されるとともに第2傾斜面摺動部材の棒状部材に対する相対移動を制限する第1係止部材を備える。このため、第1傾斜面摺動部材及び第2傾斜面摺動部材のうちの一方を他方に向かって押し付ける力が作用した場合には、第2傾斜面摺動部材は第1係止部材により軸線方向に沿った移動が制限されるので、上述した力を第1傾斜面摺動部材や第2傾斜面摺動部材を他方の傾斜面に沿って摺動させるための動力として利用することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)~(3)の構成において、
前記棒状部材は、少なくとも一部の外周に雄ネジ部が形成され、
前記貫通孔位置合わせ治具は、前記棒状部材の前記雄ネジ部に相対移動可能に螺合する第2係止部材をさらに備える。
上記(4)の構成によれば、貫通孔位置合わせ治具は、棒状部材の雄ネジ部に相対移動可能に螺合する第2係止部材を備える。このため、棒状部材又は第2係止部材の何れか一方を他方に対して相対回転させるだけで、第1傾斜面摺動部材及び第2傾斜面摺動部材のうちの一方を他方に向かって押し付ける力を作用させることができる。よって、貫通孔位置合わせ治具による貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記第1挿通孔は、前記棒状部材の軸線方向に直交する断面において、前記第1傾斜面を構成する直線状の外側輪郭に対して直交する方向に沿って長手方向を有する長孔状に形成されている。
上記(5)の構成によれば、第1挿通孔は棒状部材の軸線方向に直交する断面において、第1傾斜面を構成する直線状の外側輪郭に対して直交する方向に沿って長手方向を有する長孔状に形成されているので、第1傾斜面摺動部材の棒状部材に対する、棒状部材の軸線方向に直交する方向に沿った移動を、第1挿通孔の内周面が案内することができる。このため、第1傾斜面摺動部材を第2傾斜面摺動部材の第2傾斜面に沿って摺動させることを容易に行うことができるので、貫通孔位置合わせ治具による貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)~(5)の構成において、
前記複数の構成部材は、鉛直方向に沿って延在する柱部材、水平方向に沿って延在する梁部材、又は、斜め方向に沿って延在するブレースのうちの少なくとも1つを含み、
前記貫通孔は、ボルト接合に用いるボルト挿通孔を含む。
上記(6)の構成によれば、貫通孔位置合わせ治具は、柱部材や梁部材、ブレースをボルト接合する際に、ボルト挿通孔同士の位置合わせを行うことができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記梁部材は、鉄骨梁と、前記鉄骨梁のフランジ又はウェブを両面から挟み込むように当接する一対のスプライスプレートと、を含み、
前記貫通孔は、ボルト接合に用いるボルト挿通孔を含む。
上記(7)の構成によれば、鉄骨梁や一対のスプライスプレートに形成された貫通孔は、鉄骨梁と一対のスプライスプレートとをボルト接合する際にボルトが挿通するボルト挿通孔を含んでいる。よって、貫通孔位置合わせ治具は、鉄骨梁と一対のスプライスプレートとをボルト接合する際に、ボルト挿通孔同士の位置合わせを行うことができる。
(8)本発明の少なくとも一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ方法は、
上記(1)~(7)の構成に記載の貫通孔位置合わせ治具により貫通孔同士の位置合わせを行う貫通孔位置合わせ方法であって、
前記棒状部材及び前記一対の傾斜面摺動部材を前記貫通孔に挿入する傾斜面摺動部材挿入ステップと、
前記傾斜面摺動部材挿入ステップの後に、前記一対の傾斜面摺動部材の一方を他方に向かって押し付けることで、前記一対の傾斜面摺動部材の一方を他方が有する傾斜面に沿って摺動させる傾斜面摺動ステップと、を備える。
上記(8)の方法によれば、傾斜面摺動部材挿入ステップでは、上述した貫通孔位置合わせ治具の棒状部材及び一対の傾斜面摺動部材が構成部材の貫通孔に挿入され、傾斜面摺動ステップでは、一対の傾斜面摺動部材の一方を他方に向かって押し付けることで、一対の傾斜面摺動部材の一方は他方が有する傾斜面に沿って摺動する。
一対の傾斜面摺動部材の一方を他方が有する傾斜面に沿って摺動させることで、一対の傾斜面摺動部材の傾斜面とは反対側の部分が互いに離れて構成部材の貫通孔の内周を押圧することで、貫通孔同士の位置合わせが行われる。よって、貫通孔位置合わせ治具による貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせを容易に行うことができる貫通孔位置合わせ治具が提供される。
本発明の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、貫通孔位置合わせ治具を複数の構成部材の貫通孔に挿入した状態を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、貫通孔位置合わせ治具により貫通孔同士の位置合わせをした状態を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具により貫通孔の位置合わせが行われる複数の構成部材の一例を示す図であって、鉄骨梁と鉄骨梁とのボルト接合部を示す概略図である。 図3に示すC-C線矢視の断面図に相当する概略断面図であって、一部のボルト及びナットを挿入前及び螺合前の状態で示す図である。 図1に示すA-A線矢視の概略断面図である。 図2に示すB-B線矢視の概略断面図である。 本発明の他の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、貫通孔位置合わせ治具を複数の構成部材の貫通孔に挿入した状態を示す概略断面図である。 図7に示すD-D線矢視の断面図に相当する概略断面図であって、図中左側が位置合わせ前の状態を示す図であって、図中右側が位置合わせ後の状態を示す図である。 本発明の他の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、ワイヤーロープを含む棒状部材を備える貫通孔位置合わせ治具を、複数の構成部材の貫通孔に挿入した状態を示す概略断面図である。 貫通孔位置合わせ治具により貫通孔の位置合わせが行われる複数の構成部材の他の一例を示す図であって、複数の構成部材により構成される構造物の概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、貫通孔位置合わせ治具を複数の構成部材の貫通孔に挿入した状態を示す概略断面図である。図2は、本発明の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、貫通孔位置合わせ治具により貫通孔同士の位置合わせをした状態を示す概略断面図である。図3は、本発明の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具により貫通孔の位置合わせが行われる複数の構成部材の一例を示す図であって、鉄骨梁と鉄骨梁とのボルト接合部を示す概略図である。図4は、図3に示すC-C線矢視の断面図に相当する概略断面図であって、一部のボルト及びナットを挿入前及び螺合前の状態で示す図である。
幾つかの実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具1は、構造物2を構成する複数の構成部材3の各々に形成された貫通孔30同士の位置合わせをするためのものである。図1~4に示される実施形態では、構造物2を構成する複数の構成部材3は、図3、4に示されるように、水平方向に沿って延在する梁部材を含んでいる。より詳細には、構造物2を構成する複数の構成部材3は、図3、4に示されるように、一対のフランジ32及びこれらのフランジ32を繋ぐウェブ33を有する一対の鉄骨梁31(梁部材)と、鉄骨梁31のウェブ33をウェブ33の板厚方向(図4中左右方向)の両面から挟み込むように当接する一対の板状のスプライスプレート34(梁部材)と、を含んでいる。
図3、4に示されるように、一対の鉄骨梁31は、各々の延在方向(図3中左右方向)の一端部同士が隣接するように、各々の延在方向に沿って互いに直列に配置されている。一対のスプライスプレート34は、一対の鉄骨梁31のウェブ33間を架け渡すように配置されている。なお、ウェブ33とスプライスプレート34の間にスペーサ等を挟んでいてもよい。構成部材3に形成された貫通孔30は、図3、4に示されるような、一対の鉄骨梁31のウェブ33同士をボルト接合する際にボルトを挿通するためのボルト挿通孔(第1貫通孔331、第2貫通孔341)を含んでいる。すなわち、上述した貫通孔30は、図3、4に示されるように、鉄骨梁31のウェブ33における、鉄骨梁31の延在方向の一端部に形成された少なくとも1つの第1貫通孔331と、スプライスプレート34に形成された複数の第2貫通孔341と、を含んでいる。
鉄骨梁31と一対のスプライスプレート34は、ボルト接合により互いに固定される。より詳細には、鉄骨梁31と一対のスプライスプレート34は、第1貫通孔331と第2貫通孔341とが連通するように重ね合わされた状態で、第1貫通孔331と第2貫通孔341に挿通された例えば高力ボルト等のボルト11に、ボルト11が挿入した側とは反対側からナット12を螺合することで、互いに固定される。貫通孔位置合わせ治具1は、第1貫通孔331と第2貫通孔341との位置合わせに用いることができる。
貫通孔位置合わせ治具1は、図1、2に示されるように、貫通孔30に挿入可能な一対の傾斜面摺動部材4と、一対の傾斜面摺動部材4を支持する棒状部材7と、を備えている。一対の傾斜面摺動部材4は、図1、2に示されるように、第1傾斜面摺動部材5と、第2傾斜面摺動部材6と、含んでいる。
第1傾斜面摺動部材5は、図1、2に示されるように、棒状部材7の軸線方向(図1、2中左右方向)に対して傾斜する第1傾斜面51と、棒状部材7の軸線方向に沿って延在する第1挿通孔52と、を有している。第2傾斜面摺動部材6は、図1、2に示されるように、棒状部材7の軸線方向に対して傾斜する第2傾斜面61を有している。第2傾斜面摺動部材6の第2傾斜面61は、第1傾斜面摺動部材5の第1傾斜面51に対面している。棒状部材7は、図1、2に示されるように、第1傾斜面摺動部材5の第1挿通孔52に挿通されるとともに、第2傾斜面摺動部材6に対して取り付けられる。
図1、2に示される実施形態では、第1傾斜面摺動部材5は、棒状部材7の軸線方向における第2傾斜面摺動部材6に近接する側が、第2傾斜面摺動部材6から離れた側よりも外形寸法が小さく形成されている。また、第2傾斜面摺動部材6は、棒状部材7の軸線方向における第1傾斜面摺動部材5に近接する側が、第1傾斜面摺動部材5から離れた側よりも外形寸法が小さく形成されている。第2傾斜面摺動部材6は、棒状部材7の軸線方向に沿って延在する第2挿通孔62をさらに有している。棒状部材7は、図1、2に示されるように、第2傾斜面摺動部材6の第2挿通孔62に挿通されている。
図5は、図1に示すA-A線矢視の概略断面図である。図6は、図2に示すB-B線矢視の概略断面図である。図5、6に示されるように、第1傾斜面摺動部材5は、軸線方向に直交する断面において円弧状に形成された第1外側面53をさらに有している。第1傾斜面摺動部材5の第1外側面53の、軸線方向に直交する断面において第1傾斜面51を構成する直線状の外側輪郭511に対して直交する方向(図5、6中上下方向)における、第1傾斜面51とは反対側の部分を第1反対側部分54とする。
図5、6に示されるように、第2傾斜面摺動部材6は、軸線方向に直交する断面において円弧状に形成された第2外側面63をさらに有している。第2傾斜面摺動部材6の第2外側面63の、軸線方向に直交する断面において第2傾斜面61を構成する直線状の外側輪郭611に対して直交する方向(図5、6中上下方向)における、第2傾斜面61とは反対側の部分を第2反対側部分64とする。
図5に示される第1傾斜面摺動部材5及び第2傾斜面摺動部材6のうちの一方を、棒状部材7の軸線方向に沿って他方に向かって押し付けると、図6に示されるように、軸線方向に直交する断面において、第1傾斜面摺動部材5の第1反対側部分54と、第2傾斜面摺動部材6の第2反対側部分64と、との間の相対距離が大きくなる。鉄骨梁31やスプライスプレート34は、各々の貫通孔(第1貫通孔331、第2貫通孔341)の内部に、第1傾斜面摺動部材5や第2傾斜面摺動部材6が棒状部材7と一緒にウェブ33の板厚方向の一方向から挿入される。そして、第1貫通孔331や第2貫通孔341の内部で第1傾斜面摺動部材5及び第2傾斜面摺動部材6のうちの一方を他方に向かって押し付ける。すると、第1傾斜面摺動部材5の第1反対側部分54や第2傾斜面摺動部材6の第2反対側部分64が互いに離れて、第1貫通孔331や第2貫通孔341の内周面を押圧して孔位置を移動させるので、第1貫通孔331と第2貫通孔341との位置合わせが行われる。
上述したように、幾つかの実施形態に係る貫通孔位置合わせ治具1は、上述した第1傾斜面51及び第1挿通孔52を有する第1傾斜面摺動部材5と、上述した第1傾斜面51に対面する第2傾斜面61を有する第2傾斜面摺動部材6と、上述した第1傾斜面摺動部材5の第1挿通孔52に挿通されるとともに、第2傾斜面摺動部材6に対して取り付けられる棒状部材7と、を備えている。
上記の構造によれば、貫通孔位置合わせ治具1は、図1、2に示されるように、貫通孔30に挿入可能な一対の傾斜面摺動部材4を備えている。一対の傾斜面摺動部材4は、図1、2に示されるように、棒状部材7の軸線方向に対して傾斜する第1傾斜面51を有する第1傾斜面摺動部材5と、棒状部材7の軸線方向に対して傾斜するとともに、第1傾斜面51に対面する第2傾斜面61を有する第2傾斜面摺動部材6と、含んでいる。このため、第1傾斜面摺動部材5及び第2傾斜面摺動部材6のうちの一方を他方に向かって押し付けると、第1傾斜面摺動部材5の第1傾斜面51と、第2傾斜面摺動部材6の第2傾斜面61と、が互いに係合し、且つ、第1傾斜面摺動部材5や第2傾斜面摺動部材6が他方の傾斜面(第1傾斜面51、第2傾斜面61)に沿って摺動する。
第1傾斜面摺動部材5や第2傾斜面摺動部材6が他方の傾斜面に沿って摺動するのに伴い、第1傾斜面摺動部材5の第1傾斜面51とは反対側の部分(第1反対側部分54)と、第2傾斜面摺動部材6の第2傾斜面61とは反対側の部分(第2反対側部分64)と、が軸線方向に直交方向に沿って互いに離れて構成部材3の貫通孔30の内周に接触して構成部材3を動かすことで、貫通孔30同士の位置合わせが行われる。よって、貫通孔位置合わせ治具1による貫通孔30同士の位置合わせを容易に行うことができる。
また、棒状部材7は、第1傾斜面摺動部材5の第1挿通孔52に挿通されるとともに、第2傾斜面摺動部材6に対して取り付けられるので、第1傾斜面摺動部材5や第2傾斜面摺動部材6は、棒状部材7から一定距離以上離隔しない。このため、棒状部材7を貫通孔30に挿入する際に、第1傾斜面摺動部材や5第2傾斜面摺動部材6を棒状部材7と一緒に貫通孔30に挿入できるので、貫通孔位置合わせ治具1は、貫通孔30への挿入作業を容易に行うことができる。
幾つかの実施形態では、図1、2に示されるように、上述した第1挿通孔52は、棒状部材7が緩く挿通する。この場合には、第1挿通孔52は棒状部材7が緩く挿通するので、第1傾斜面摺動部材5は棒状部材7に対して、棒状部材7の軸線方向に直交する方向に沿って移動することが容易である。このため、第1傾斜面摺動部材5や第2傾斜面摺動部材6が他方の傾斜面(第1傾斜面51、第2傾斜面61)に沿って摺動するのに伴い、第1反対側部分54と第2反対側部分64とを容易に離すことができるので、貫通孔30同士の位置合わせを容易に行うことができる。
幾つかの実施形態では、図1、2に示されるように、上述した第2傾斜面摺動部材6は、上述した第2挿通孔62を有している。そして、貫通孔位置合わせ治具1は、棒状部材7に支持されるとともに、第2傾斜面摺動部材6の棒状部材7に対する相対移動を制限する第1係止部材8をさらに備えている。
第1係止部材8は、図1、2に示されるように、棒状部材7の軸線方向において、第2傾斜面摺動部材6に対して、第1傾斜面摺動部材5とは反対側に配置されている。図1、2に示される実施形態では、第1係止部材8は、少なくとも1つのナット部材を含み、棒状部材7の外周に形成された雄ネジ部71に螺合している。なお、第1係止部材8は、複数のナット部材を含んでもよく、複数のナット部材同士を互いに締付けることで棒状部材7に固定されてもよい。また、第1係止部材8は、雄ネジ部71を有しない棒状部材7に例えば嵌合することで固定されてもよい。
上記の構成によれば、第2傾斜面摺動部材6は、棒状部材7の軸線方向に沿って延在するとともに棒状部材7が緩く挿通する第2挿通孔62を有している。このため、第2挿通孔62は棒状部材7が緩く挿通するので、第2傾斜面摺動部材6は棒状部材7に対して、棒状部材7の軸線方向に直交する方向に沿って移動することが容易である。このため、第1傾斜面摺動部材5や第2傾斜面摺動部材6が他方の傾斜面(第1傾斜面51、第2傾斜面61)に沿って摺動するのに伴い、第1反対側部分54と第2反対側部分64とを容易に離すことができるので、貫通孔30同士の位置合わせを容易に行うことができる。
また、貫通孔位置合わせ治具1は、棒状部材7に支持されるとともに、第2傾斜面摺動部材6の棒状部材7に対する相対移動を制限する第1係止部材8を備える。このため、第1傾斜面摺動部材5及び第2傾斜面摺動部材6のうちの一方を他方に向かって押し付ける力が作用した場合には、第2傾斜面摺動部材6は第1係止部材8により軸線方向に沿った移動が制限されるので、上述した力を第1傾斜面摺動部材5や第2傾斜面摺動部材6を他方の傾斜面に沿って摺動させるための動力として利用することができる。
幾つかの実施形態では、図1、2に示されるように、上述した棒状部材7は少なくとも一部の外周に雄ネジ部71が形成されている。そして、上述した貫通孔位置合わせ治具1は、棒状部材7の雄ネジ部71に相対移動可能に螺合する第2係止部材9をさらに備えている。第2係止部材9は、図1、2に示されるように、棒状部材7の軸線方向において、第1傾斜面摺動部材5に対して、第2傾斜面摺動部材6とは反対側に配置されている。上記の構成によれば、貫通孔位置合わせ治具1は、棒状部材7の雄ネジ部71に相対移動可能に螺合する第2係止部材9を備える。このため、棒状部材7又は第2係止部材9の何れか一方を他方に対して相対回転させるだけで、第1傾斜面摺動部材5及び第2傾斜面摺動部材6のうちの一方を他方に向かって押し付ける力を作用させることができる。よって、貫通孔位置合わせ治具1による貫通孔30同士の位置合わせを容易に行うことができる。
なお、上述した幾つかの実施形態では、第1傾斜面摺動部材5及び第2傾斜面摺動部材6の両方が棒状部材7に対して、棒状部材7の軸線方向に直交する方向に沿って相対移動可能に構成されていたが、図7に示される実施形態では、第2傾斜面摺動部材6は棒状部材7に対して、棒状部材7の軸線方向に直交する方向に沿って相対移動可能に構成されていない。ここで、図7は、本発明の他の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、貫通孔位置合わせ治具を複数の構成部材の貫通孔に挿入した状態を示す概略断面図である。
第2傾斜面摺動部材6は、図7に示されるように、棒状部材7の雄ネジ部71に螺合可能な雌ネジ孔部65を有し、雌ネジ孔部65に棒状部材7の雄ネジ部71が螺合することで、棒状部材7に固定される。なお、第2傾斜面摺動部材6は雄ネジ部71を有しない棒状部材7に例えば嵌合することで固定されてもよい。上記の構成によっても、第1傾斜面摺動部材5及び第2傾斜面摺動部材6のうちの一方を他方に向かって押し付けることで、第1傾斜面摺動部材5を第2傾斜面摺動部材6の第2傾斜面61に沿って摺動させることができるので、貫通孔30同士の位置合わせを行うことができる。
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、上述した第1傾斜面摺動部材5の第1挿通孔52は、棒状部材7の軸線方向に直交する断面において、第1傾斜面51を構成する直線状の外側輪郭511に対して直交する方向(図8中上下方向)に沿って長手方向を有する長孔状に形成されている。ここで、図8は、図7に示すD-D線矢視の断面図に相当する概略断面図であって、図中左側が位置合わせ前の状態を示す図であって、図中右側が位置合わせ後の状態を示す図である。
上記の構成によれば、第1挿通孔52は、棒状部材7の軸線方向に直交する断面において、第1傾斜面51を構成する直線状の外側輪郭511に対して直交する方向に沿って長手方向を有する長孔状に形成されているので、第1傾斜面摺動部材5の棒状部材7に対する、棒状部材7の軸線方向に直交する方向に沿った移動を、第1挿通孔52の内周面が案内することができる。このため、第1傾斜面摺動部材5を第2傾斜面摺動部材6の第2傾斜面61に沿って摺動させることを容易に行うことができるので、貫通孔位置合わせ治具1による貫通孔30同士の位置合わせを容易に行うことができる。
幾つかの実施形態では、図1~4、7に示されるように、上述した複数の構成部材3は、上述した鉄骨梁31と、上述した一対のスプライスプレート34と、を含んでいる。そして、構成部材3に形成された貫通孔30は、ボルト接合に用いるボルト挿通孔(第1貫通孔331、第2貫通孔341)を含んでいる。上記の構成によれば、鉄骨梁31や一対のスプライスプレート34に形成された貫通孔30は、鉄骨梁31と一対のスプライスプレート34とをボルト接合する際に、ボルト11が挿通するボルト挿通孔(第1貫通孔331、第2貫通孔341)を含んでいる。よって、貫通孔位置合わせ治具1は、鉄骨梁31と一対のスプライスプレート34とをボルト接合する際に、ボルト挿通孔同士の位置合わせを行うことができる。
図9は、本発明の他の一実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具を説明するための図であって、ワイヤーロープを含む棒状部材を備える貫通孔位置合わせ治具を、複数の構成部材の貫通孔に挿入した状態を示す概略断面図である。幾つかの実施形態では、図9に示されるように、上述した棒状部材7は可撓性を有するように構成されている。図9に示される実施形態では、棒状部材7は、断面が円形状の線材がらせん状に巻き回されることにより可撓性を有するワイヤーロープ72と、ワイヤーロープ72の一端に設けられる第1棒状部73と、ワイヤーロープ72の他端に設けられる第2棒状部74と、を含んでいる。第1棒状部73は、外周の少なくとも一部に上述した第1係止部材8に螺合する雄ネジ部が形成されている。第2棒状部74は、外周の少なくとも一部に上述した第2係止部材9に螺合する雄ネジ部が形成されている。この場合には、貫通孔位置合わせ治具1は、棒状部材7のワイヤーロープ72を撓ませることで、第1棒状部73の軸線を第2棒状部74の軸線に対して傾斜させることができるため、複数の構成部材3に形成された貫通孔30にスムーズに挿入させることができる。よって、貫通孔位置合わせ治具1は、位置合わせ作業の効率化を図ることができる。
幾つかの実施形態では、図1、2に示されるように、第1傾斜面摺動部材5の第1挿通孔52は、少なくとも一部の内周に雌ネジ部が形成されている。この場合には、第1挿通孔52の内周に雌ネジ部が形成されているので、上述した棒状部材7又は上述した第2係止部材9の何れか一方を他方に対して相対回転させた分だけ、第1傾斜面摺動部材5を棒状部材7の軸線方向に沿って徐々に移動させることができる。また、図1、2に示されるように、第2傾斜面摺動部材6の第2挿通孔62の少なくとも一部の内周に、雌ネジ部が形成されていてもよい。
幾つかの実施形態にかかる貫通孔位置合わせ方法は、上述した幾つかの実施形態にかかる貫通孔位置合わせ治具1により、複数の構成部材3に形成された貫通孔30同士の位置合わせを行う。上述した貫通孔位置合わせ方法は、上述した棒状部材7及び一対の傾斜面摺動部材4を貫通孔30に挿入する傾斜面摺動部材挿入ステップと、傾斜面摺動部材挿入ステップの後に、一対の傾斜面摺動部材4の少なくとも一方を他方に向かって押し付けることで、一対の傾斜面摺動部材4の一方を他方が有する傾斜面(第1傾斜面51、第2傾斜面61)に沿って摺動させる傾斜面摺動ステップと、を備えている。
上記の方法によれば、傾斜面摺動部材挿入ステップでは、上述した貫通孔位置合わせ治具1の棒状部材7及び一対の傾斜面摺動部材4が構成部材3の貫通孔30に挿入され、傾斜面摺動ステップでは、一対の傾斜面摺動部材4の一方を他方に向かって押し付けることで、一対の傾斜面摺動部材4の一方は他方が有する傾斜面(第1傾斜面51、第2傾斜面61)に沿って摺動する。
一対の傾斜面摺動部材4の一方を他方が有する傾斜面に沿って摺動させることで、一対の傾斜面摺動部材4の傾斜面とは反対側の部分(第1反対側部分54、第2反対側部分64)が互いに離れて構成部材3の貫通孔30の内周を押圧することで、貫通孔30同士の位置合わせが行われる。よって、貫通孔位置合わせ治具1による貫通孔30同士の位置合わせを容易に行うことができる。
上述した幾つかの実施形態では、図1~4、7に示されるように、上述した複数の構成部材3は、鉄骨梁31と、鉄骨梁31のウェブ33をウェブ33の両面から挟み込むように当接する一対のスプライスプレート34と、を含んでいたが、他の幾つかの実施形態では、図3、4に示されるように、上述した複数の構成部材3は、上述した鉄骨梁31と、鉄骨梁31のフランジ32をフランジ32の両面から挟み込むように当接する一対のスプライスプレート13(梁部材)と、を含んでいる。一対のスプライスプレート13(外側スプライスプレート14、内側スプライスプレート15)は、一対の鉄骨梁31のフランジ32間を架け渡すように配置されている。なお、フランジ32と外側スプライスプレート14との間や、フランジ32と内側スプライスプレート15との間にスペーサ等を挟んでいてもよい。
構成部材3に形成された貫通孔30は、図3、4に示されるような、一対の鉄骨梁31のフランジ32同士をボルト接合する際にボルトを挿通するためのボルト挿通孔(第3貫通孔321、第4貫通孔141、第5貫通孔151)を含んでいる。すなわち、上述した貫通孔30は、図3、4に示されるように、鉄骨梁31のフランジ32における、鉄骨梁31の延在方向の一端部に形成された第3貫通孔321と、フランジ32のウェブ33側とは反対側(外側)の面に当接する外側スプライスプレート14に形成された第4貫通孔141と、フランジ32のウェブ33側(内側)の面に当接する内側スプライスプレート15に形成された第5貫通孔151と、を含んでいる。
鉄骨梁31と一対のスプライスプレート13は、ボルト接合により互いに固定される。より詳細には、鉄骨梁31と一対のスプライスプレート13は、第3貫通孔321、第4貫通孔141及び第5貫通孔151が連通するように重ね合わされた状態で、これらに挿通された例えば高力ボルト等のボルト11に、ボルト11が挿入した側とは反対側からナット12を螺合することで、互いに固定される。上述した貫通孔位置合わせ治具1は、第3貫通孔321、第4貫通孔141及び第5貫通孔151の位置合わせに用いることもできる。つまり、上記の構成によれば、貫通孔位置合わせ治具1は、鉄骨梁31と一対のスプライスプレート13とをボルト接合する際に、ボルト挿通孔同士の位置合わせを行うことができる。
また、上述した幾つかの実施形態では、貫通孔位置合わせ治具1は、鉄骨梁31に形成されたボルト挿通孔と鉄骨梁31に形成されたボルト挿通孔とのの位置合わせに用いられたが、貫通孔位置合わせ治具1は、鉄骨梁31以外の構成部材3に形成されたボルト挿通孔の位置合わせに用いてもよく、また、貫通孔位置合わせ治具1は、ボルト挿通孔以外の貫通孔の位置合わせに用いてもよい。
図10は、貫通孔位置合わせ治具により貫通孔の位置合わせが行われる複数の構成部材の他の一例を示す図であって、複数の構成部材により構成される構造物の概略図である。幾つかの実施形態では、上述した複数の構成部材3は、図10に示されるような、鉛直方向に沿って延在する鉄骨柱35(柱部材)と、水平方向に沿って延在する上述した鉄骨梁31(梁部材)と、斜め方向(水平方向及び鉛直方向に交差する方向)に沿って延在するブレース36のうちの少なくとも1つを含んでいる。図10中不図示であるが、鉄骨柱35、鉄骨梁31及びブレース36には、ボルト接合に用いるボルト挿通孔(貫通孔)が形成されている。鉄骨梁31は、延在方向における端部が上述した鉄骨柱35にボルト接合により接続される。ブレース36は、鉄骨柱35と鉄骨梁31とにより構成される面内に配置されるとともに、延在方向における端部が鉄骨柱35や鉄骨梁31にボルト接合により接続される。また、互いに直列に配置される鉄骨柱35同士もボルト接合により接続される。これらの場合には、上述した貫通孔位置合わせ治具1は、鉄骨柱35や鉄骨梁31、ブレース36をボルト接合する際に、ボルト挿通孔同士の位置合わせを行うことができる。
なお、上述した幾つかの実施形態では、上述した構造物2は、複数の構成部材3に鉄骨梁31等を含む鉄骨構造物(S造)であったが、構造物2は、木造、S造、RC、SRC、CFT、RCS、又はこれらの構造を組合わせた混合構造等であってもよい。鉄骨構造物以外の構造物2に本発明を適用してもよい。また、複数の構成部材3は、上述した鉄骨柱35や鉄骨梁31に限定されない。構成部材3は、例えば、構造物2(木造、S造、RC、SRC、CFT、RCS、又はこれらの構造を組合わせた混合構造等を含む)を構成する柱部材や梁部材でもよく、また、構造物2を構成する柱部材や梁部材以外の他の部材でもよい。
また、上述した幾つかの実施形態では、第1外側面53や第2外側面63は、軸線方向に直交する断面において円弧状に形成されていたが、これに限定されずに、例えば軸線方向に直交する断面において直線が複数回折り曲げられたような形状になっていてもよい。
また、上述した幾つかの実施形態では、図5、6に示されるように、第1傾斜面51や第2傾斜面61は、平面状に形成されていたが、凹凸を有していてもよく、また、曲面状に形成されていてもよい。
また、上述した貫通孔位置合わせ治具1は、例えば電動ドリルなどの回転駆動軸を有する工具や装置に装着されるアダプターであってもよい。上述した貫通孔位置合わせ治具1は、例えばモータ等の駆動源が上述した工具や装置の回転駆動軸を回転させることで、上述した棒状部材7又は上述した第2係止部材9の何れか一方を他方に対して相対回転可能にしてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 貫通孔位置合わせ治具
2 構造物
3 構成部材
30 貫通孔
31 鉄骨梁
32 フランジ
321 第3貫通孔
33 ウェブ
331 第1貫通孔
34 スプライスプレート
341 第2貫通孔
35 鉄骨柱
36 ブレース
4 傾斜面摺動部材
5 第1傾斜面摺動部材
51 第1傾斜面
511 外側輪郭
52 第1挿通孔
53 第1外側面
54 第1反対側部分
6 第2傾斜面摺動部材
61 第2傾斜面
611 外側輪郭
62 第2挿通孔
63 第2外側面
64 第2反対側部分
65 雌ネジ孔部
7 棒状部材
71 雄ネジ部
72 ワイヤーロープ
73 第1棒状部
74 第2棒状部
8 第1係止部材
9 第2係止部材
11 ボルト
12 ナット
13 スプライスプレート
14 外側スプライスプレート
141 第4貫通孔
15 内側スプライスプレート
151 第5貫通孔

Claims (7)

  1. 構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせをするための貫通孔位置合わせ治具であって、
    前記貫通孔に挿入可能な一対の傾斜面摺動部材と、
    前記一対の傾斜面摺動部材を支持する棒状部材と、を備え、
    前記一対の傾斜面摺動部材は、
    前記棒状部材の軸線方向に対して傾斜する第1傾斜面と、前記棒状部材の前記軸線方向に沿って延在するとともに前記棒状部材が挿通される第1挿通孔と、を有する第1傾斜面摺動部材と、
    前記棒状部材の前記軸線方向に対して傾斜するとともに、前記第1傾斜面に対面する第2傾斜面と、前記棒状部材の前記軸線方向に沿って延在するとともに前記棒状部材が挿通される第2挿通孔と、を有する第2傾斜面摺動部材と、を含み、
    前記貫通孔位置合わせ治具は、
    前記棒状部材に支持され、前記第2傾斜面摺動部材の前記棒状部材に対する前記軸線方向における前記第1傾斜面摺動部材から離隔する方向への相対移動を制限する第1係止部材をさらに備え、
    前記棒状部材は、前記軸線方向に直交する方向に沿って移動できるように前記第1挿通孔又は前記第2挿通孔の少なくとも一方に緩く挿通される
    貫通孔位置合わせ治具。
  2. 構造物を構成する複数の構成部材の各々に形成された貫通孔同士の位置合わせをするための貫通孔位置合わせ治具であって、
    前記貫通孔に挿入可能な一対の傾斜面摺動部材と、
    前記一対の傾斜面摺動部材を支持する棒状部材と、を備え、
    前記一対の傾斜面摺動部材は、
    前記棒状部材の軸線方向に対して傾斜する第1傾斜面と、前記棒状部材の前記軸線方向に沿って延在するとともに前記棒状部材が前記軸線方向に直交する方向に沿って移動できるように緩く挿通される第1挿通孔と、を有する第1傾斜面摺動部材と、
    前記棒状部材の前記軸線方向に対して傾斜するとともに、前記第1傾斜面に対面する第2傾斜面を有し、前記棒状部材に固定された第2傾斜面摺動部材と、を含
    貫通孔位置合わせ治具。
  3. 前記棒状部材は、少なくとも一部の外周に雄ネジ部が形成され、
    前記貫通孔位置合わせ治具は、前記軸線方向において前記第1傾斜面摺動部材に対して前記第2傾斜面摺動部材とは反対側に配置され、前記棒状部材の前記雄ネジ部に相対移動可能に螺合する第2係止部材をさらに備える
    請求項1又は2に記載の貫通孔位置合わせ治具。
  4. 前記棒状部材は、前記軸線方向に直交する方向に沿って移動できるように前記第1挿通孔に緩く挿通され、
    前記第1挿通孔は、前記棒状部材の前記軸線方向に直交する断面において、前記第1傾斜面を構成する直線状の外側輪郭に対して直交する方向に沿って長手方向を有する長孔状に形成されている
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の貫通孔位置合わせ治具。
  5. 前記複数の構成部材は、鉛直方向に沿って延在する柱部材、水平方向に沿って延在する梁部材、又は、斜め方向に沿って延在するブレースのうちの少なくとも1つを含む
    請求項1乃至の何れか1項に記載の貫通孔位置合わせ治具。
  6. 前記梁部材は、鉄骨梁と、前記鉄骨梁のフランジ又はウェブを両面から挟み込むように当接する一対のスプライスプレートと、を含み、
    前記貫通孔は、ボルト接合に用いるボルト挿通孔を含む
    請求項に記載の貫通孔位置合わせ治具。
  7. 請求項1乃至の何れか1項に記載の貫通孔位置合わせ治具により前記貫通孔同士の位置合わせを行う貫通孔位置合わせ方法であって、
    前記棒状部材及び前記一対の傾斜面摺動部材を前記貫通孔に挿入する傾斜面摺動部材挿入ステップと、
    前記傾斜面摺動部材挿入ステップの後に、前記一対の傾斜面摺動部材の一方を他方に向かって押し付けることで、前記一対の傾斜面摺動部材の一方を他方が有する傾斜面に沿って摺動させる傾斜面摺動ステップと、を備える
    貫通孔位置合わせ方法。
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