JP7329237B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の屋外で用いられる空調装置に関する。
従来のコンクリート建物の陸屋根等の構造は、コンクリート下地に、絶縁機械固定工法により防水層を施工したものが多く見られる。しかしながら、上記のような構造の場合、外気とコンクリート下地との温度差により防水層の裏面に結露が発生するおそれがある。この状態が進行すると、コンクリート下地と防水層の間に水分層が生じてしまう。そして、コンクリート下地が経年劣化すると、コンクリート下地のクラックから水分が侵入し、建物内に雨漏り、カビ、結露を生じさせる。また、防水層自身も経年劣化によりクラックを生じ、そのクラック部分から水(例えば、雨水)が侵入してしまっている。この現象も上記と同様に建物内に雨漏り、カビ、結露を生じさせる。
以上のような問題点を解決するため、以下のような陸屋根躯体表面の防水・断熱構造体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。その陸屋根躯体表面の防水・断熱構造体は、陸屋根躯体表面上に積層する構造体であって、側面どうしが互いに接触しないように所定幅の間隙を持たせて屋根表面に積層した断熱層である複数の板状体と、その複数の板状体および上記間隙の表面を覆うように積層した防水シートと、その防水シート下の水蒸気や有機揮発分等の気体を排気するため上記間隙に穿設した複数の逆流防止弁付排気管とにより構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-183436号公報
しかしながら、上述の陸屋根躯体表面の防水・断熱構造体は、陸屋根躯体表面上、又は既存アスファルト・ルーフィング・シート層面上に断熱層である複数の板状体を直接配置させている。一般的に、陸屋根躯体表面上、又は既存アスファルト・ルーフィング・シート層面上には、建物内部からの水分が結露してくる。断熱層である複数の板状体を陸屋根躯体表面上、又は既存アスファルト・ルーフィング・シート層面上に直接配置させると、事後的に逆流防止弁付排気管により少しずつ水分を排出することができるにしても、その断熱層である複数の板状体は結露水をある程度の時間は含有することになる。そのような状態が繰り返されると、断熱層である複数の板状体は結露水により劣化させられ、断熱機能の低下を早めることになる。
また、上述の陸屋根躯体表面の防水・断熱構造体では、例えば、太陽光により断熱層である複数の板状体自体が高温になる。特に、夏等は建物内を冷房で冷やしても断熱層である複数の板状体自体が高温であるため、その複数の板状体からの輻射熱の影響で、建物内が冷えにくくなる。
そこで、本発明は、建物内からの結露水や、太陽光等による輻射熱等に起因する断熱材の断熱性能の低下を最小限にすると共に、建物の室内の温度を快適に保つ空調装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の空調装置は、建物の屋外床面において用いられる空調装置であって、前記屋外床面上に載置され、前記屋外床面との間に建物側気流通路を形成する建物側気流通路形成部と、前記建物側気流通路内の空間と外部を連通させる複数の建物側連通通路と、前記建物側気流通路および前記建物側連通通路に空気の流れを発生させる建物側気流発生部と、前記建物側気流通路形成部よりも前記建物の高さ方向の上方側に配置される断熱材と、前記断熱材よりも前記建物の高さ方向の上方側において断熱側気流通路を形成する断熱側気流通路形成部と、前記断熱側気流通路内の空間と外部を連通させる複数の断熱側連通通路と、前記断熱側気流通路および前記断熱側連通通路に空気の流れを発生させる断熱側気流発生部と、を備え、前記建物側連通通路は、前記断熱側気流通路とは連通しないよう構成され、前記断熱側連通通路は、前記建物側気流通路とは連通しないよう構成されることを特徴とする。
また、本発明の空調装置において、前記建物側気流通路形成部は、前記建物の高さ方向において前記屋外床面に対向する建物側対向面を有する建物側気流通路側本体部と、前記建物側対向面から前記屋外床面に凸となると共に、頂部が前記屋外床面に接触する複数の建物側凸部と、を有し、前記建物側気流通路は、前記建物側対向面、前記屋外床面、および複数の前記建物側凸部の外周面により形成され、前記断熱側気流通路形成部は、前記建物の高さ方向において前記断熱材の天井面(以下、断熱側天井面と呼ぶ。)に対向する対向面(以下、本体側対向面と呼ぶ。)を有する断熱側気流通路側本体部と、前記本体側対向面から前記断熱側天井面に向かって凸となると共に、頂部が前記断熱側天井面に接触する複数の断熱側凸部と、を有し、前記断熱側気流通路は、前記本体側対向面、前記断熱側天井面および複数の前記断熱側凸部の外周面により形成されることを特徴とする。
また、本発明の空調装置において、前記建物側気流通路形成部は、前記建物の高さ方向において前記屋外床面に対向する建物側対向面を有する建物側気流通路側本体部と、前記建物側対向面から前記屋外床面に凸となると共に、頂部が前記屋外床面に接触する複数の建物側凸部と、を有し、前記建物側気流通路は、前記建物側対向面、前記屋外床面、および複数の前記建物側凸部の外周面により形成され、前記断熱側気流通路形成部は、前記断熱材よりも前記建物の高さ方向の上方側に配置される断熱側気流通路側本体部と、前記断熱側気流通路側本体部の天井面(本体側天井面と呼ぶ。)から前記建物の高さ方向の上方側に向かって凸となる複数の上方側凸部と、前記建物の高さ方向において前記本体側天井面に対向すると共に、複数の前記上方側凸部の頂部に接触する凸部側接触面を有する接触部と、を有し、前記断熱側気流通路は、前記凸部側接触面、前記本体側天井面、および複数の前記上方側凸部の外周面により形成されることを特徴とする。
また、本発明の空調装置において、前記建物側連通通路は、前記断熱側気流通路とは連通しないよう構成され、前記断熱側連通通路は、前記建物側気流通路とは連通しないよう構成されることを特徴とする。
また、本発明の空調装置は、前記断熱材または前記断熱側気流通路の温度、湿度および含有水分量の少なくとも一つを含む断熱側環境指標を測定する断熱側環境指標測定部を備え、前記断熱側気流発生部は、前記断熱側環境指標測定部で測定された断熱側環境指標の大きさに連動して空気の流れを発生させるよう構成されることを特徴とする。
また、本発明の空調装置は、前記建物の温度、湿度および含有水分量の少なくとも一つを含む建物側環境指標を測定する建物側環境指標測定部を備え、前記断熱側気流発生部は、前記建物側環境指標測定部で測定された建物側環境指標の大きさに連動して空気の流れを発生させるよう構成されることを特徴とする。
本発明の空調装置によれば、建物内からの結露水や、太陽光等による輻射熱等に起因する断熱材の断熱性能の低下を最小限にすると共に、建物の室内の温度を快適に保つという優れた効果を奏し得る。
本発明の第一実施形態における空調装置を示す概略図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における建物側気流通路形成部を示す図である。(B),(C)は、本発明の第一実施形態における建物側気流通路形成部の変形例を示す図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における第一建物側連通通路および建物側気流生成部を示す図である。(B)は、本発明の第一実施形態における第二建物側連通通路を示す図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における断熱材の断面図である。(B),(C)は、本発明の第一実施形態における別の断熱材の断面図である。 本発明の第一実施形態における断熱側気流通路形成部を示す図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における第一断熱側連通通路および断熱側気流生成部を示す図である。(B)は、本発明の第一実施形態における第二断熱側連通通路を示す図である。 本発明の第一実施形態における第一建物側外部連通通路および第二建物側外部連通通路の変形例を示す概略図である。 本発明の第二実施形態における空調装置を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1を参照して、本発明の第一実施形態における空調装置1について説明する。空調装置1は、建物100の屋外床面110に設置するものである。具体的に屋外床面110とは、例えば、陸屋根形式の建物の屋上躯体床面や、建物のベランダ、バルコニーの躯体床面を指す。空調装置1は、例えば、建物側空調装置2と、断熱材3と、断熱側空調装置4と、を備える。
<建物側空調装置>
図1を参照して、建物側空調装置2について説明する。建物側空調装置2は、建物100の温度または湿度を調整したり、または、建物100に含まれる水分を除去したりする。建物側空調装置2は、建物側気流通路形成部20と、第一建物側外部連通通路21と、第二建物側外部連通通路22と、建物側気流生成部23と、建物側環境指標測定部24と、を備える。
<建物側気流通路形成部>
建物側気流通路形成部20は、屋外床面110上に載置され、屋外床面110との間に建物側気流通路200を形成する。建物側気流通路形成部20は、例えば、建物側気流通路形成本体部201と、複数の建物側凸部202と、で構成される。
建物側気流通路形成本体部201は、例えば、シート状のシート部201Aにより構成される。なお、建物側気流通路形成本体部201は、シート状ではなく、板状またはその他の形状であってもよい。シート部201Aは、建物側気流通路形成部20が屋外床面110上に載置されると、建物100の高さ方向(以下、建物高さ方向と呼ぶ。)Hにおいて、屋外床面110に対向する対向面(以下、建物側対向面と呼ぶ。)203を有する。つまり、シート部201Aの一方側の平面が建物側対向面203となる。
また、シート部201Aは、シート部201Aを貫通する複数の貫通孔204を有する。複数の貫通孔204は、後述する第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22と繋がる。
建物側凸部202は、図2(A)の下段側図に示すように、建物側対向面203を起点としてシート厚方向Tの建物側対向面203から離れる方向に凸となる。建物側凸部202の高さは、例えば0.1mm~5mm程度が一例として想定されるが、これに限るものではない。すなわち、建物側凸部202の高さが0.1mm以下、または、5mm以上のものも本発明に含まれる。建物側凸部202の高さが0.1mm近辺のもの、又は0.1mm以下のものとして、例えば、表面に上記サイズの凸部が設けられた通気緩衝シート(L-US;ウレタンゴム系塗膜防水工法・絶縁仕様)や、表面に上記サイズの凸部が設けられたふくれ防止用シートが一例とし挙げられる。
そして、建物側凸部202は、概ね円錐形状又は円錐台形状とすることが一例として想定されるが、これに限定されるものではなく、半球形状、六角柱形状等であってもよい。また、シート部201Aは、シート部201Aの建物側対向面203とは反対側の天井面205における建物側凸部202に相当する位置において凹む建物側凹部206を有する。建物側凹部206の形状として、概ね円錐形状又は円錐台形状、半球形状等が一例として挙げられる。なお、建物側凸部202および建物側凹部206の形状は、上記とは別のその他の形状であってもよい。なお、建物側気流通路形成部20は、図2(B)に示すように、建物側凹部206がない構成であってもよい。また、建物側気流通路形成部20は、図2(C)に示すように、建物側凹部206がある部分とない部分が混在する構成であってもよい。
建物側凸部202は、シート部201Aと一体形成されてもよいし、シート部201Aとは別部材として構成され、シート部201Aに連結されてもよい。なお、シート部201Aと建物側凸部202とが一体となったものを、以下において、必要に応じて、便宜上、凸付きシート部材と呼ぶこととする。また、図2(A)においては円形状の部分が複数あるが、これら一つ一つが建物側凸部202に相当する。
建物側凸部202は、図2(A)の上段側図に示すように、建物側対向面203に概ねマトリクス状に配置させることが一例として挙げられるが、これに限るものではなく、その他の配置態様であってもよい。上記概ねマトリクス状に配置とは、縦横方向にランダムに配置されたマトリクス状に近い状態の配置をも含むものである。建物側気流通路形成部20よりも建物高さ方向Hの上方側から建物側気流通路形成部20に力(例えば、図2(A)の上段側図の紙面に垂直方向、又は図2(A)の下段側図の矢印C方向から加わる人の体重による荷重)が加えられた場合に凸付きシート部材(シート部201Aおよび建物側凸部202)が潰れないような強度を凸付きシート部材(シート部201Aおよび建物側凸部202)に持たせる必要がある。したがって、この配置の仕方は上記強度の観点から様々な態様が想定され、本発明においては様々な配置の全てをも含む。また、上記強度の観点においては建物側気流通路形成部20を構成する材質についても考慮される。建物側気流通路形成部20は、例えば、ポリプロピレン等の樹脂または金属により構成される。また、上記記強度の観点に加えて、例えば、蒸気を効率良く流せるかどうかの観点をも含めて建物側凸部202の配置は決められてもよい。
図1に示すように、建物側気流通路形成部20が屋外床面110上に載置されると、建物側凸部202は、屋外床面110に向かって凸となる。そして、建物側凸部202の頂部202Aは、屋外床面110に接触した状態となる。複数の建物側凸部202は、シート部201Aを屋外床面110から建物高さ方向Hに所定距離離した状態で保持するためのスペーサとして機能する。
建物側気流通路200は、屋外床面110、建物側対向面203および複数の建物側凸部202の外周面により構成される。建物100に含まれる水分は、屋外床面110を通じて水蒸気となって建物側気流通路200で囲まれる空間に漂う。建物側気流生成部23により建物側気流通路200内に空気の流れが発生すると、建物100に含まれる水分はどんどん蒸気化して建物側気流通路200で囲まれる空間に漂う。その水蒸気は、例えば、図2(A)の上段側図の矢印に示すように、建物側凸部202の間をすり抜けて、第一建物側外部連通通路21へ移動する。その間、第二建物側外部連通通路22を通じて外部から外気が建物側気流通路200に取り入れられる。
<第一建物側外部連通通路>
第一建物側外部連通通路21は、建物側気流通路200内の空間と外部とを連通させる。第一建物側外部連通通路21は、図3(A)に示すように、建物高さ方向延在通路210と、折返し通路211と、により構成される。
本実施形態では、屋外床面110側から順に、建物100の高さ方向Hに沿って、建物側気流通路形成部20、断熱材3、断熱側気流通路形成部40、防水シート5が積層されている。つまり、本実施形態では、建物側気流通路形成部20により構成される層(建物側気流通路層)、断熱材3により構成される層(断熱層)、断熱側気流通路形成部40により構成される層(断熱側気流通路層)、防水シート5により構成される層(防水層)が屋外床面110側から順に層状に形成される。そして、防水層は最上位の層を構成する。建物高さ方向延在通路210は、建物高さ方向Hに沿って、貫通孔204を起点として断熱層、断熱側気流通路層、防水層を順に貫通し、最上位の層である防水層よりも建物高さ方向Hの上方側まで延在する。
折返し通路211は、建物高さ方向延在通路210の上端部側開口210A付近において折り返して建物の高さ方向の下方側に延在する。具体的に折返し通路211は、建物高さ方向延在通路210の上端部側開口210Aより建物高さ方向Hの上方側に空間Wが設けられるように、上端部側開口210Aより建物高さ方向Hの上方側から建物高さ方向延在通路210に覆い被さる覆設体212の内周面212Aと、建物高さ方向延在通路210の外周面210Bと、で構成される。覆設体212は、図3(A)に示すように、上端部側開口210Aを外部に対して遮蔽すると共に、建物高さ方向Hに沿って延在する。
そして、第一建物側外部連通通路21の一端側の開口(建物高さ方向延在通路210の下端部側開口)21Aは、建物側気流通路200に開放される。また、第一建物側外部連通通路21の他端側の開口(折返し通路211側の外部に近位な開口)21Bは、外部に開放される。
<第二建物側外部連通通路>
第二建物側外部連通通路22は、建物側気流通路200内の空間と外部とを連通させる。第二建物側外部連通通路22は、図3(B)に示すように、建物高さ方向延在通路220と、折返し通路221と、により構成される。建物高さ方向延在通路220および折返し通路221は、建物高さ方向延在通路210および折返し通路211と同様のものであり、その説明がここでも適用できるため、説明を省略する。
以上のように、第二建物側外部連通通路22の一端側の開口(建物高さ方向延在通路220の下端部側開口)22Aは、建物側気流通路200に開放される。また、第二建物側外部連通通路22の他端側の開口(折返し通路221側の外部に近位な開口)22Bは、外部に開放される。
第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22のうち一方は、建物側気流通路200を流れる空気を排出する排出通路として機能し、他方は、建物側気流通路200を流れる空気を外部から取り入れる外気取入れ通路として機能する。なお、図1および図2(A)において、第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22は、それぞれ一つずつ設けられているように描かれているが、これに限定されるものではなく、どちらか一方が複数設けられる態様であってもよいし、双方が複数設けられる態様であってもよい。
本実施形態において、第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22は、第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22内の空間が後述する断熱側気流通路400内の空間とは連通しないように構成される。つまり、建物高さ方向延在通路210,220は、配管により構成される。これにより、配管の内部と外部とは、空間的に遮断されるため、第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22における空気の流れは、後述する断熱側気流通路400における空気の流れに影響を与えない。
なお、図7に示すように、第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22内の空間が後述する断熱側気流通路400内の空間と連通してもよい。この場合、第一建物側外部連通通路21および第二建物側外部連通通路22は、例えば、防水シート5よりも建物高さ方向Hの下方側において配管を用いずに、防水シート5、断熱側気流通路形成部40、断熱材3、建物側気流通路形成部20を貫通するそれぞれの貫通通路により形成される。そして、建物側気流通路200に空気の流れが生成されると、その空気の流れは、断熱側気流通路400に影響を与え、断熱側気流通路400にも空気の流れが生成される。
<建物側気流生成部>
建物側気流生成部23は、建物側気流通路200に空気の流れを生成するものである。建物側気流生成部23は、例えば、建物側気流通路200の内部に送風して、建物側気流通路200内において空気の流れを生成してもよいし、建物側気流通路200の内部の空気を吸気して、建物側気流通路200内において空気の流れを生成してもよいし、送風・吸気により建物側気流通路200内において空気の流れを生成してもよい。
建物側気流生成部23は、図3(A)に示すように、例えば、ファン230と、ファン取り付け部231と、ファン駆動部232と、を有する。ファン取り付け部231は、例えば、第一建物側外部連通通路21の途中においてファン230を取り付ける。本実施形態において、ファン230は、建物高さ方向延在通路210の上端部側開口210Aに取り囲まれるように、建物高さ方向延在通路210の内部に設けられる。なお、建物高さ方向延在通路210を通じて、建物側気流通路200に空気の流れを生成できれば、ファン230は別の位置に取り付けられてもよい。また、ファン230は、第二建物側外部連通通路22の途中において取り付けられてもよい。
ファン駆動部232は、ファン230を駆動させる。ファン230が駆動して回動すると、建物高さ方向延在通路210の空気を外部に排出するような空気の流れが生成される。なお、ファン230が駆動して回動すると、建物高さ方向延在通路210を通じて、外部から建物側気流通路200に向かって送風するような空気の流れが生成される態様であってもよい。ファン駆動部232は、例えば、ファン制御部233と、太陽電池234と、蓄電池235と、により構成される。
ファン制御部233は、太陽電池234または蓄電池235に蓄電された電力によりファン230を駆動させる。この際におけるファン230の駆動態様は様々な態様が挙げられる。ファン230の駆動態様の一つとして、ファン230を所定の回転数以下で回転させる駆動態様が一例として挙げられる。この場合、ファン制御部233は、太陽電池234を通じてファン230に供給する電力を所定の電力以下にして、残りの電力を蓄電池235において蓄電させる。
そして、太陽電池234において生成される電力が天候の状態により所望の量に達しなくなった場合、ファン制御部233は、蓄電池235に蓄電された電力を用いてファン230を駆動させる。なお、蓄電池235において蓄電される電力は、太陽電池234において生成された電力に限るものではなく、その他のもの(例えば、建物100に付設された電源装置)から供給された電力であってもよい。この場合、太陽電池234において生成される電力がファン230の駆動に十分な電力でなくとも、蓄電池235が電力不足を補うことになる。
ファン230の駆動態様を上記のようにすれば、太陽電池234で生成された電力を効率よく使用することができる。また、ファン230の回転数を所定回転数以下とするため、ファン230の寿命をのばすことができる。さらに、天候の状態が悪い時でも、蓄電池235により十分な電力をファン230に供給することができる。
なお、ファン230の駆動態様は上記以外の駆動態様であってもよい。すなわち、ファン230の駆動態様には、常時、ファン230を所定の回転数で駆動し続ける態様、建物側気流通路200内の温度、湿度および建物100の含有水分量のうち少なくとも1つが所定の閾値を超えるとファン230を駆動させ、閾値を超えない場合、ファン230を停止させる態様など様々な駆動態様が含まれる。なお、建物側気流通路200内の温度または湿度またはおよび建物100の含有水分量は、建物側環境指標測定部24で測定される。
また、上記において電力の供給元は太陽電池234及び蓄電池235の2つあるが、いずれか一つであってもよく、そのような構成も本発明の範囲に含まれる。また、上記において電力の供給元は、上記太陽電池234及び蓄電池235ではなく、建物100に付設された電源装置・その他の電源装置であってもよく、そのような構成も本発明の範囲に含まれる。
<建物側環境指標測定部>
建物側環境指標測定部24は、建物100の環境指標(以下、建物側環境指標と呼ぶ。)を測定する。建物側環境指標には、例えば、建物100(例えば、屋外床面110、建物側気流通路200内)の温度、湿度、および含有水分量のうち少なくとも一つが含まれる。建物側環境指標測定部24は、例えば、温度センサ、湿度センサ、水分含有測定センサ等により構成され、建物100(例えば、屋外床面110、建物側気流通路200内)に設置される。
ファン駆動部232(ファン制御部233)は、建物側環境指標測定部24における測定結果に連動して、ファン230を駆動させる。つまり、建物側気流生成部23は、建物側環境指標測定部24における測定結果に連動して、建物側気流通路200内に空気の流れを生成する。建物側環境指標測定部24における測定結果が、所定の閾値を超える場合、ファン駆動部232(ファン制御部233)はファン230を駆動させ、所定の閾値を超えない場合、ファン駆動部232(ファン制御部233)はファン230を停止させる態様が一例として挙げられる。
<断熱材>
断熱材3は、建物側気流通路形成部20よりも建物高さ方向Hの上方側に設けられる。本実施形態では、断熱材3は、シート部201Aの天井面205に載置される。本実施形態において断熱材3は、図1および図4(A)に示すように、例えば、直方体形状に形成される。断熱材3の材質として、例えば、硬質ウレタンフォームが一例として挙げられる。
また、断熱材3は、図4(B)に示すように、第一断熱部30と、第二断熱部31と、複数のスペーサ部32と、で構成されてもよい。この場合、断熱材3は、第一断熱部30、複数のスペーサ部32、第二断熱部31の順に積層された態様になる。
第一断熱部30および第二断熱部31は、例えば、シート状に形成される。そして、第一断熱部30および第二断熱部31は、一方側の平面同士が対向するように位置する。なお、第一断熱部30および第二断熱部31の一方側の平面をそれぞれ、第一断熱面30A、第二断熱面31Aと呼ぶ。そして、第一断熱部30および第二断熱部31は、シート状に限定されるものではなく、板状またはその他の形状であってもよい。また、第一断熱面30A、および第二断熱面31Aは、平面でなくてもよく、凹凸面やその他の形状の面であってもよい。
また、第一断熱面30Aと第二断熱面31Aとは、所定距離離れて対向する。この状態を実現するため、複数のスペーサ部32が、第一断熱面30Aと第二断熱面31Aとの間に介在するように設けられる。スペーサ部32は、例えば、柱状(例えば、円柱状、円錐状、円錐台状等)に形成される。また、スペーサ部32は、第一断熱面30Aと第二断熱面31Aとの間において、例えば、マトリクス状のように所定の規則に沿って整列されて配列されてもよいし、ランダムに配列されてもよい。
本実施形態においてスペーサ部32は、第一断熱側凸部33と、第二断熱側凸部34とにより構成される。第一断熱側凸部33は、第一断熱面30Aを起点として第二断熱面31Aに向かって凸となる。この場合、第一断熱側凸部33は、第一断熱部30と一体形成されることが好ましい。第一断熱部30と第一断熱側凸部33とが一体形成されたものは、図2(A)~(C)に示すような凸付きシート部材により構成されることが想定される。
第二断熱側凸部34は、第二断熱面31Aを起点として第一断熱面30Aに向かって凸となる。この場合、第二断熱側凸部34は、第二断熱部31と一体形成されることが好ましい。第二断熱部31と第二断熱側凸部34とが一体形成されたものは、図2(A)~(C)に示すような凸付きシート部材により構成されることが想定される。
第一断熱側凸部33と、第二断熱側凸部34とは、互いの頂部33A,34Aにおいて接触する。なお、スペーサ部32は、第一断熱側凸部33および第二断熱側凸部34のいずれか一方により構成されてもよい。
以上のように構成される断熱材3には、第一断熱面30Aと第二断熱面31Aとの間に空間Sが形成される。空間S内の空気も断熱材として機能する。
また、第一断熱部30、第二断熱部31および複数のスペーサ部32は、断熱性を有する材料により構成されることが好ましい。また、第一断熱部30と、第二断熱部31と、複数のスペーサ部32と、で構成される断熱材3は、例えば、人が第一断熱部30の他方側の平面(第一断熱面30Aとは反対側の平面)上を歩いて、断熱材3に人の体重に相当する荷重が加えられても、断熱材3の形状が変形せず、断熱材3の元の形状を維持可能にするような硬質な材質で構成されることが好ましい。また、断熱材3を構成する第一断熱部30と、第二断熱部31と、複数のスペーサ部32は、防水性を有する材質により構成されることが好ましい。断熱性能の低下を低減するためである。以上の条件を満たす材質として、例えば、例えば、ポリプロピレン等の樹脂または金属が一例として挙げられる。なお、第一断熱部30と、第二断熱部31と、複数のスペーサ部32とは、それぞれ、異なる材料で構成されてもよいし、同じ材料で構成されてもよい。
従来の硬質ウレタンフォーム断熱材のような一般的な断熱材は、熱・湿気の多い場所ではその断熱性能が短期間で劣化するが、上記のような硬質性防水材質で形成される本発明の断熱材3(例えば、凸付きシート部材)であれば、熱・湿気の多い場所であってもその断熱性能が短期間で劣化することはなく、長期間、断熱性能を維持することができる。また、仮に、空間Sを取り囲む断熱材3の面に水分が溜まっても、空間Sにも空気の流れが生成されるため、その水分を蒸気化して取り除くことができる。その結果、断熱性能を維持することができる。
なお、スペーサ部32は、図4(C)に示すように、第一断熱面30Aの外縁30Bと第二断熱面31Aの外縁31Bまたはその近傍にのみ介在するように設けられてもよい。この場合、第一断熱面30Aと第二断熱面31Aとの間において空間Sを大きく取ることができる。
また、例えば、図4(B),(C)に示すような、第一断熱部30、第二断熱部31および複数のスペーサ部32で構成される断熱材3における空間Sの少なくとも一部は、第一断熱部30、第二断熱部31および複数のスペーサ部32により外部から密閉されるように囲まれる密閉空間であってもよい。この場合、空間Sは、外部とは連通しない。密閉空間となる空間Sは、断熱材3に複数設けられてもよい。断熱材3に空間Sが複数ある場合、全ての空間Sが密閉空間であってもよいし、一部の空間Sが密閉空間であって、残りの空間Sは外部に開放された空間であってもよい。
なお、第一断熱部30、第二断熱部31および複数のスペーサ部32は、全てが一体形成されるものであってもよく、そのような態様も本発明に含まれる。
<断熱側空調装置>
図1を参照して、断熱側空調装置4について説明する。断熱側空調装置4は、断熱側気流通路形成部40と、第一断熱側外部連通通路41と、第二断熱側外部連通通路42と、断熱側気流生成部43と、断熱側環境指標測定部44と、を備える。
<断熱側気流通路形成部>
断熱側気流通路形成部40は、断熱材3よりも建物の高さ方向Hの上方側において断熱側気流通路400を形成する。断熱側気流通路形成部40は、例えば、断熱側気流通路形成本体部401と、複数の断熱側凸部402と、で構成される。
断熱側気流通路形成本体部401および複数の断熱側凸部402は、それぞれ建物側気流通路形成本体部201および複数の建物側凸部202と同様のもので構成され、建物側気流通路形成本体部201および複数の建物側凸部202については既に説明済みであるため、その説明を省略する。断熱側気流通路形成本体部401および複数の断熱側凸部402に特有な点のみ以下において説明する。
本実施形態では、断熱側気流通路形成部40が断熱材3の天井面(以下、断熱側天井面と呼ぶ。)3Aに載置されると、複数の断熱側凸部402は、断熱材3の断熱側天井面3Aに向かって凸となる。そして、複数の断熱側凸部402の頂部402Aは、断熱材3の断熱側天井面3Aに接触した状態となる。複数の断熱側凸部402は、シート部401Aを断熱材3の断熱側天井面3Aから建物高さ方向Hに所定距離離した状態で保持するためのスペーサとして機能する。なお、シート部401Aは、シート部201Aに対応するものである。
断熱側気流通路400は、断熱材3の断熱側天井面3A、本体側対向面403および複数の断熱側凸部402の外周面により構成される。なお、本体側対向面403とは、建物100の高さ方向Hにおいて断熱材3の断熱側天井面3Aと対向するシート部401A(断熱側気流通路形成本体部401)の一方側の平面である。断熱側気流生成部43により断熱側気流通路400内に空気の流れが発生すると、断熱側気流通路400内の空間に漂う水蒸気は、例えば、図5の矢印に示すように、断熱側凸部402間をすり抜けて、第一断熱側外部連通通路41へ移動する。その間、第二断熱側外部連通通路42を通じて外部から外気が断熱側気流通路400に取り入れられる。以上のように、断熱側気流通路400内に空気の流れが発生すると、断熱材3に付着する水分を蒸発させたり、断熱材3の温度を下げたりすることができる。
<第一断熱側外部連通通路>
第一断熱側外部連通通路41は、断熱側気流通路400内の空間と外部とを連通させる。第一断熱側外部連通通路41は、図6(A)に示すように、建物高さ方向延在通路410と、折返し通路411と、により構成される。建物高さ方向延在通路410および折返し通路411は、それぞれ建物高さ方向延在通路210および折返し通路211と同様のもので構成され、建物側気流通路形成本体部201および複数の建物側凸部202については既に説明済みであるため、その説明を省略する。建物高さ方向延在通路410および折返し通路411に特有な点のみ以下において説明する。
建物高さ方向延在通路410は、建物100の高さ方向Hに沿って、断熱側気流通路形成部40(シート部401A)の貫通孔404を起点として防水シート5(防水層)よりも上方側まで延在する。なお、貫通孔404は、断熱側気流通路形成部40(シート部401A)において、建物側気流通路形成部20(シート部201A)の貫通孔204に相当するものである。
以上のように、第一断熱側外部連通通路41の一端側の開口(建物高さ方向延在通路410の下端部側開口)41Aは、断熱側気流通路400に開放される。また、第一断熱側外部連通通路41の他端側の開口(折返し通路411側の外部に近位な開口)41Bは、外部に開放される。
<第二断熱側外部連通通路>
第二断熱側外部連通通路42は、断熱側気流通路400内の空間と外部とを連通させる。第二断熱側外部連通通路42は、図6(B)に示すように、建物高さ方向延在通路420と、折返し通路421と、により構成される。建物高さ方向延在通路420および折返し通路421は、建物高さ方向延在通路210および折返し通路211と同様であり、上記説明がここでも適用できるため、説明を省略する。
以上のように、第二断熱側外部連通通路42の一端側の開口(建物高さ方向延在通路420の下端部側開口)42Aは、断熱側気流通路400に開放される。また、第二断熱側外部連通通路42の他端側の開口(折返し通路421側の外部に近位な開口)42Bは、外部に開放される。
第一断熱側外部連通通路41および第二断熱側外部連通通路42のうち一方は、断熱側気流通路400を流れる空気を排出する排出通路として機能し、他方は、断熱側気流通路400を流れる空気を外部から取り入れる外気取入れ通路として機能する。なお、図1および図5において、第一断熱側外部連通通路41および第二断熱側外部連通通路42は、それぞれ一つずつ設けられているように描かれているが、これに限定されるものではなく、どちらか一方が複数設けられる態様であってもよいし、双方が複数設けられる態様であってもよい。
本実施形態において、第一断熱側外部連通通路41および第二断熱側外部連通通路42は、第一断熱側外部連通通路41および第二断熱側外部連通通路42内の空間が建物側気流通路200内の空間とは連通しないように構成される。つまり、建物高さ方向延在通路410,420は、断熱材3(断熱層)よりも建物高さ方向Hの下方側まで延在しない。これにより、第一断熱側外部連通通路41および第二断熱側外部連通通路42における空気の流れは、建物側気流通路200における空気の流れに影響を与えない。
<断熱側気流生成部>
断熱側気流生成部43は、断熱側気流通路400に空気の流れを生成するものである。断熱側気流生成部43は、例えば、断熱側気流通路400の内部に送風して、断熱側気流通路400内において空気の流れを生成してもよいし、断熱側気流通路400の内部の空気を吸気して、断熱側気流通路400内において空気の流れを生成してもよいし、送風・吸気により断熱側気流通路400内において空気の流れを生成してもよい。
断熱側気流生成部43は、例えば、ファン430と、ファン取り付け部431と、ファン駆動部432と、を有する。断熱側気流生成部43におけるファン430、ファン取り付け部431およびファン駆動部432は、建物側気流生成部23におけるファン230、ファン取り付け部231およびファン駆動部232と同様のものであり、その説明がここでも適用できるため、説明を省略する。
ファン430の駆動態様には、常時、ファン430を所定の回転数で駆動し続ける態様、または、断熱材3または断熱側気流通路400内の温度または湿度が所定の閾値を超えるとファン430を駆動させ、閾値を超えない場合、ファン430を停止させる態様など様々な駆動態様が含まれる。
<断熱側環境指標測定部>
断熱側環境指標測定部44は、断熱材3または断熱側気流通路400の環境指標(以下、断熱側環境指標と呼ぶ。)を測定する。断熱側環境指標には、例えば、断熱材3または断熱側気流通路400の温度、湿度、および含有水分量のうち少なくとも一つが含まれる。断熱側環境指標測定部44は、例えば、温度センサ、湿度センサ、水分含有測定センサ等により構成され、断熱材3または断熱側気流通路400に設置される。
断熱側気流生成部43のファン駆動部432(ファン制御部433)は、断熱側環境指標測定部44における測定結果に連動して、ファン430を駆動させる。つまり、断熱側気流生成部43は、断熱側環境指標測定部44における測定結果に連動して、断熱側気流通路400内に空気の流れを生成する。断熱側環境指標測定部44における測定結果が、所定の閾値を超える場合、ファン駆動部432(ファン制御部433)はファン430を駆動させ、所定の閾値を超えない場合、ファン駆動部432(ファン制御部433)はファン430を停止させる態様が一例として挙げられる。
また、断熱側気流生成部43のファン駆動部432(ファン制御部433)は、建物側環境指標測定部24における測定結果に連動して、ファン430を駆動させてもよい。つまり、断熱側気流生成部43は、建物側環境指標測定部24における測定結果に連動して、断熱側気流通路400内に空気の流れを生成してもよい。建物側環境指標測定部24における測定結果が、所定の閾値を超える場合、ファン駆動部432(ファン制御部433)はファン430を駆動させ、所定の閾値を超えない場合、ファン駆動部432(ファン制御部433)はファン430を停止させる態様が一例として挙げられる。
<空調装置の動作>
図1を参照して、本発明の実施形態における空調装置1の動作について説明する。建物側空調装置2と断熱側空調装置4とは、互いに独立して動作する。建物側空調装置2では、建物側気流生成部23で空気の流れが生成されると、図1の矢印に示すように、第二建物側外部連通通路22の他端側の開口22Bを通じて外気が建物側気流通路200内に取入れられ、その取入れられた空気は、第二建物側外部連通通路22の一端側の開口22A、建物側気流通路200および第一建物側外部連通通路21の一端側の開口(建物高さ方向延在通路210の下端部側開口)21Aを順に通過し、第一建物側外部連通通路21の他端側の開口21Bから排出される。建物100の屋外床面110上には、建物側気流生成部23で空気の流れが生成されている間、空気の流れが生じる。結果、建物100の屋外床面110を通じて建物100に含有する水分が蒸気化されて、その蒸気化した水分が空気の流れと共に外部に排出される。また、建物100の屋外床面110を通じて建物100の温度を下げることができるため、夏において建物100の温度が上昇したときには効果的である。
なお、建物側気流生成部23では、常時、空気の流れが生成されてもよいし、建物側環境指標測定部24における測定結果に連動して空気の流れが生成されてもよい。
建物側空調装置2では、断熱側気流生成部43で空気の流れが生成されると、第二断熱側外部連通通路42の他端側の開口42Bを通じて外気が断熱側気流通路400内に取入れられ、その取入れられた空気は、第二断熱側外部連通通路42の一端側の開口42A、断熱側気流通路400および第一断熱側外部連通通路41の一端側の開口41Aを順に通過し、第一断熱側外部連通通路41の他端側の開口41Bから排出される。断熱材3の断熱側天井面3A上には、断熱側気流生成部43で空気の流れが生成されている間、空気の流れが生じる。結果、断熱材3の断熱側天井面3Aを通じて断熱材3に含有する水分が蒸気化されて、その蒸気化した水分が空気の流れと共に外部に排出される。また、断熱材3の断熱側天井面3Aを通じて断熱材3の温度を下げることができるため、夏において断熱材3の温度が上昇したときには効果的である。
なお、断熱側気流生成部43では、常時、空気の流れが生成されてもよいし、断熱側環境指標測定部44および/または建物側環境指標測定部24における測定結果に連動して空気の流れが生成されてもよい。
本実施形態において断熱材3は、太陽からの日差しを受けて高温になる。断熱材3からの輻射熱により建物100の室内の温度が上昇する。このとき、建物100の室内の温度が低く、室内にいる人が寒いと感じる場合、断熱材3からの輻射熱を利用して室内の温度を上昇させることが好ましい。この場合、断熱側気流通路400に空気の流れが生成されると、断熱材3の温度は下がりやすくなるため、断熱側気流生成部43は、空気の流れを生成しない。一方、建物100の室内の温度が高く、室内にいる人が暑いと感じる場合、断熱材3からの輻射熱の影響を低減させることが好ましい。この場合、断熱側気流生成部43は、断熱側気流通路400に空気の流れを生成して、断熱材3を冷やして断熱材3の温度を下げる。以上のような場合、建物側環境指標測定部24により測定される建物100の室内の温度に連動して、断熱側気流生成部43が動作する。
また、断熱材3が、例えば、硬質ウレタンフォームのような公知の材質で形成される場合、断熱材3に含まれる水分量は、断熱材3の性能を維持する上で、重要な要素となる。断熱材3の性能を維持するためには、断熱材3に含まれる水分量は低くすることが好ましい。断熱材3に含まれる水分量がある閾値を超えた場合、断熱側気流生成部43は、断熱材3を乾かすため、断熱側気流生成部43に空気の流れを生成する。一方、断熱材3に含まれる水分量がある閾値を超えない場合、断熱側気流生成部43は、断熱側気流生成部43に空気の流れを生成しない。以上のような場合、断熱側環境指標測定部44により測定される断熱材3に含まれる水分量に連動して、断熱側気流生成部43が動作する。
また、以上の要素を複合的に考慮して断熱側気流生成部43を動作させる場合、断熱側気流生成部43は、建物側環境指標測定部24により測定される建物100の環境指標(建物100の室内の温度、湿度等)、および、断熱側環境指標測定部44により測定される断熱材3または断熱側気流通路400の環境指標に連動して動作する。
<第二実施形態>
図7を参照して、本発明の第二実施形態における空調装置1について説明する。空調装置1は、建物100の屋外床面110に設置するものである。本発明の第二実施形態における空調装置1と、本発明の第一実施形態における空調装置1との相違点は、断熱側気流通路形成部40の態様である。
本実施形態において断熱側気流通路形成部40が断熱材3の断熱側天井面3Aに載置されると、複数の断熱側凸部402は、断熱側気流通路形成本体部401の天井面(以下、本体側天井面と呼ぶ。)401Bから建物の高さ方向Hの上方側に向かって凸となる。つまり、複数の断熱側凸部402は、最上位の層である防水シート5(防水層)に向かって凸となる。
そして、複数の断熱側凸部402の頂部402Aは、防水シート5の本体側天井面401Bと対向する側の面(以下、凸部側接触面と呼ぶ。)5Aに接触した状態となる。一方、シート部401Aは、断熱材3の断熱側天井面3Aに接触した状態となる。複数の断熱側凸部402は、防水シート5をシート部401Aから建物高さ方向Hに所定距離離した状態で保持するためのスペーサとして機能する。
断熱側気流通路400は、防水シート5の凸部側接触面5A、シート部401Aの本体側天井面401Bおよび複数の断熱側凸部402の外周面により構成される。なお、凸部側接触面5Aとは、防水シート5における建物100の高さ方向Hの下方側の平面である。つまり、断熱側気流通路400は、防水シート5および断熱側気流通路形成部40により形成される。
なお、防水シート5と断熱側気流通路形成部40との間に別途、凸部側接触面5Aに相当する面を有する接触部を配置させてもよい。接触部は、断熱材3(断熱層)と防水シート5(防水層)との間に介在する層(接触層)を構成する。この場合、断熱側気流通路400は、断熱側気流通路形成部40と接触部とにより構成される。
尚、本発明の空調装置1および断熱材3は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 空調装置
2 建物側空調装置
3 断熱材
3A 断熱側天井面
4 断熱側空調装置
5 防水シート
5A 凸部側接触面
20 建物側気流通路形成部
21 第一建物側外部連通通路
21B,22A,22B,41A,41B,42A,42B 開口
22 第二建物側外部連通通路
23 建物側気流生成部
24 建物側環境指標測定部
30 第一断熱部
30A 第一断熱面
30B 第一断熱面の外縁
31 第二断熱部
31A 第二断熱面
31B 第二断熱面の外縁
32 スペーサ部
33 第一断熱側凸部
33A,34A 頂部
34 第二断熱側凸部
40 断熱側気流通路形成部
41 第一断熱側外部連通通路
42 第二断熱側外部連通通路
43 断熱側気流生成部
44 断熱側環境指標測定部
100 建物
110 屋外床面
200 建物側気流通路
201 建物側気流通路形成本体部
201A,401A シート部
202 建物側凸部
202A 建物側凸部の頂部
203 建物側対向面
204,404 貫通孔
205 天井面
206 建物側凹部
210,220,410,420 建物高さ方向延在通路
210A 上方側端部
210B 外周面
211,221,411,421 折返し通路
212 覆設体
212A 内周面
230,430 ファン
231,431 ファン取り付け部
232,432 ファン駆動部
233,433 ファン制御部
234 太陽電池
235 蓄電池
400 断熱側気流通路
401 断熱側気流通路形成本体部
401B 本体側天井面
402 断熱側凸部
402A 断熱側凸部の頂部
403 本体側対向面

Claims (5)

  1. 建物の屋外床面において用いられる空調装置であって、
    前記屋外床面上に載置され、前記屋外床面との間に建物側気流通路を形成する建物側気流通路形成部と、
    前記建物側気流通路内の空間と外部を連通させる複数の建物側連通通路と、
    前記建物側気流通路および前記建物側連通通路に空気の流れを発生させる建物側気流発生部と、
    前記建物側気流通路形成部よりも前記建物の高さ方向の上方側に配置される断熱材と、
    前記断熱材よりも前記建物の高さ方向の上方側において断熱側気流通路を形成する断熱側気流通路形成部と、
    前記断熱側気流通路内の空間と外部を連通させる複数の断熱側連通通路と、
    前記断熱側気流通路および前記断熱側連通通路に空気の流れを発生させる断熱側気流発生部と、
    を備え、
    前記建物側連通通路は、前記断熱側気流通路とは連通しないよう構成され、
    前記断熱側連通通路は、前記建物側気流通路とは連通しないよう構成されることを特徴とする、
    空調装置。
  2. 前記建物側気流通路形成部は、
    前記建物の高さ方向において前記屋外床面に対向する建物側対向面を有する建物側気流通路側本体部と、
    前記建物側対向面から前記屋外床面に凸となると共に、頂部が前記屋外床面に接触する複数の建物側凸部と、
    を有し、
    前記建物側気流通路は、前記建物側対向面、前記屋外床面、および複数の前記建物側凸部の外周面により形成され、
    前記断熱側気流通路形成部は、
    前記建物の高さ方向において前記断熱材の天井面(以下、断熱側天井面と呼ぶ。)に対向する対向面(以下、本体側対向面と呼ぶ。)を有する断熱側気流通路側本体部と、
    前記本体側対向面から前記断熱側天井面に向かって凸となると共に、頂部が前記断熱側天井面に接触する複数の断熱側凸部と、
    を有し、
    前記断熱側気流通路は、前記本体側対向面、前記断熱側天井面および複数の前記断熱側凸部の外周面により形成されることを特徴とする、
    請求項1に記載の空調装置。
  3. 前記建物側気流通路形成部は、
    前記建物の高さ方向において前記屋外床面に対向する建物側対向面を有する建物側気流通路側本体部と、
    前記建物側対向面から前記屋外床面に凸となると共に、頂部が前記屋外床面に接触する複数の建物側凸部と、
    を有し、
    前記建物側気流通路は、前記建物側対向面、前記屋外床面、および複数の前記建物側凸部の外周面により形成され、
    前記断熱側気流通路形成部は、
    前記断熱材よりも前記建物の高さ方向の上方側に配置される断熱側気流通路側本体部と、
    前記断熱側気流通路側本体部の天井面(本体側天井面と呼ぶ。)から前記建物の高さ方向の上方側に向かって凸となる複数の上方側凸部と、
    前記建物の高さ方向において前記本体側天井面に対向すると共に、複数の前記上方側凸部の頂部に接触する凸部側接触面を有する接触部と、
    を有し、
    前記断熱側気流通路は、前記凸部側接触面、前記本体側天井面、および複数の前記上方側凸部の外周面により形成されることを特徴とする、
    請求項1に記載の空調装置。
  4. 前記断熱材または前記断熱側気流通路の温度、湿度および含有水分量の少なくとも一つを含む断熱側環境指標を測定する断熱側環境指標測定部を備え、
    前記断熱側気流発生部は、前記断熱側環境指標測定部で測定された断熱側環境指標の大きさに連動して空気の流れを発生させるよう構成されることを特徴とする、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の空調装置。
  5. 前記建物の温度、湿度および含有水分量の少なくとも一つを含む建物側環境指標を測定する建物側環境指標測定部を備え、
    前記断熱側気流発生部は、前記建物側環境指標測定部で測定された建物側環境指標の大きさに連動して空気の流れを発生させるよう構成されることを特徴とする、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の空調装置。
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