JP7328118B2 - 排水管の清掃方法 - Google Patents

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Description

本発明は、排水管の清掃方法に関する。
従来の排水管の清掃方法には、清掃口付き継手の当該清掃口から洗浄ノズルを挿入し、当該洗浄ノズルからの噴出水によってサイホン排水管の清掃を行う方法がある(例えば、特許文献1参照。)。また、従来の排水管のシステムとしては、貯留槽に接続されたサイホン排水管に、前記貯留槽の外部の空気を流入させる通気管を設けたサイホン排水管のシステムがある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2018-25073号公報 特開2017-190626号公報
しかしながら、排水管に通気管が設けられた排水システムにおいて、前記排水管の高圧洗浄を行うと、前記通気管に洗浄液が流入し、或いは、当該洗浄液とともにゴミ等の異物が流入してしまうことが懸念される。
本発明の目的は、通気管に洗浄液を流入させることなく、排水管の清掃を行うことができる、排水管の清掃方法を提供することである。
本発明に係る、排水管の清掃方法は、通気管が接続配管部を介して接続された排水管に洗浄液を流すことによって、前記排水管の清掃を行う、排水管の清掃方法であって、閉塞部材が設けられた棒状部材を、前記通気管の通路に挿入することによって、前記通気管に形成された、前記接続配管部に通じる開口部を、前記閉塞部材で閉塞するステップと、前記開口部を閉塞した後、前記排水管の前記通路に洗浄液を流すステップと、を含む。本発明に係る、排水管の清掃方法によれば、通気管に洗浄液を流入させることなく、排水管の清掃を行うことができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記通気管は、前記排水管よりも高い位置にあることが好ましい。この場合、洗浄液の流入および滞留を抑制することができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記通気管は、前記通気管に形成された、前記棒状部材の挿入口から、前記開口部までの間が水平に延びていることが好ましい。この場合、排水管の清掃を容易に行うことができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記閉塞部材は、ブラシであることが好ましい。この場合、この場合、排水管の清掃を容易に行うことができるとともに、液体、ゴミ等の、排水管と併せて通気管の清掃も行うことができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記通気管は、当該通気管の前記通路の、前記棒状部材の挿入口と前記接続配管部に通じる前記開口部を挟んで反対側の位置に、前記棒状部材を突き当て可能な挿入制限部を備えていることが好ましい。この場合、排水管の清掃を容易に行うことができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記接続配管部は、消音器を備えていることが好ましい。この場合、消音器に接続された排水管の清掃を容易に行うことができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記排水管は、貯留槽に接続されており、前記通気管は、前記貯留槽に接続されていることが好ましい。この場合、複数の通気管を集約して当該複数の通気管の数を削減することによって、排水管の清掃を行うことができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記通気管は、1つの下流通気管に合流する2つの上流通気管のうちのいずれか一方であり、前記2つの上流通気管のうちのいずれか一方は、前記下流通気管に対して当該下流通気管と同一方向に指向するように方向付けられていることが好ましい。この場合、排水管の清掃を容易に行うことができる。
本発明に係る、排水管の清掃方法において、前記排水管は、サイホン排水管であることが好ましい。この場合、洗浄液の流入および滞留の抑制に効果的である。
本発明によれば、通気管に洗浄液を流入させることなく、排水管の清掃を行うことができる、排水管の清掃方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る排水管の清掃方法を適用可能な排水管構造Cを示す平面図である。 図1の排水管構造を示す正面図である。 図2のA-A断面図である。 流出管側配管部、貯留槽側配管部および排気側通気管部を上側から示す斜視図である。 図1の排水管構造の連通部の周辺を上側から示す斜視図である。 図1の排水管構造に係る消音器ユニットを示す平面図である。 図6の消音器ユニットを示す底面図である。 図6の消音器ユニットの右側面図である。 図6の消音器ユニットの左側面図である。 図6の消音器ユニットの背面図である。 図6の消音器ユニットの正面図である。 図6の消音器ユニットのA-A断面相当図である。 図6のB-B断面図である。 図6のC-C断面図である。 図6のD-D断面図である。 図6のE-E断面図である。 図6の消音器ユニットを下側から示す斜視底面図である。 図6の消音器ユニットの下側部材を上側から示す斜視図である。 図6の消音器ユニットの上側部材を下側から示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排水管の清掃方法の、開口部閉塞ステップを説明するための、図3の拡大断面図である。 図20に係る排水管の清掃方法の、洗浄液流しステップを説明するための、図1のF-F断面図である。 2系統の上流配管を1つの下流配管に合流させた場合に、好適な配管継手の一例としての、配管継手を示す平面図である。 図22の配管継手を示す正面図である。 図22の配管継手を示す背面図である。 図23のG-G断面図である。 図22の配管継手を備えた配管を拡大して示す断面図である。 図26の配管を用いた排水管の清掃方法を説明するための、集合住宅に敷設された配管構造の一例を示す平面図である。 例示的貯留槽の流入側を、上方から示す斜視図である。 図1の貯留槽の流出側を、上方から示す斜視図である。 図1の貯留槽の流入側を示す正面図である。 図1の貯留槽の流出側を示す背面図である。 図1の貯留槽を上方から示す平面図である。 図1の貯留槽を下方から示す底面図である。 図3のA-A断面図である。 図3のB-B断面図である。 図4のC-C断面図である。 図1の貯留槽を右側面から示す右側面図である。 図1の貯留槽を左側面から示す左側面図である。 図5のD-D断面図である。 図5のE-E断面図である。 図5のF-F断面を流入側から示す斜視図である。 図5のG-G断面を流入側から示す斜視図である。 図5のG-G断面図である。 図5のH-H断面図である。 他の例示的貯留槽の流入側を、上方から示す斜視図である。 本発明に係る貯留槽を適用可能な排水システムの一例を一部断面で示す、模式的なシステム図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明をする。以下の説明において、「上流」とは、排水流れおよび排気流れの上流といい、また、「下流」とは、排水流れおよび排気流れの下流という。また、以下の説明において、「平面図」とは、対象物を上側から示した図をいい、「底面図」とは、対象物を下側から示した図をいう。また、「正面図」とは、対象物を排水流れの下流側から示した図をいい、「背面図」とは、対象物を排水流れの上流側から示した図をいう。さらに、「右側面図」とは、対象物を排気流れの上流側から示した図をいい、「左側面図」とは、対象物を排気流れの下流側から示した図をいう。
[排水管構造および消音器]
図1は、本発明の一実施形態に係る排水管の清掃方法を適用可能な、排水管構造Cを示す平面図である。図2は、排水管構造Cを示す正面図である。
図1に示すように、排水管構造Cは、流入管120と流出管130とに接続されている貯留槽10と、流出管130と貯留槽10とが連通するように、流出管130と貯留槽10とに接続されている連通部110と、を備えている。
排水管構造Cにおいて、流入管120は、浴槽等に通じる水回り側配管である。また、排水管構造Cにおいて、流出管130は、水平方向に対してほぼ無勾配の状態に配置された横引き管である。この例において、流出管130は、サイホン排水管として機能する。即ち、流出管130は、水廻り機器からの排水を行う際、サイホン力を発生することにより、貯留槽10を通した水回り側配管からの排水を促進させることができる。
排水管構造Cにおいて、連通部110は、消音器1を備えている。
消音器1は、消音器ユニット101に含まれている。図2に示すように、消音器ユニット101は、流出管130よりも上側の位置に配置されている。
図3は、図2のA-A断面図である。図3には、消音器ユニット101に形成された通路が示されている。
図3に示すように、消音器1は、管状通路3を有している。管状通路3は、流出管130に通じる入口部A1と、貯留槽10に通じる出口部A2と、を備えている。
また、消音器1は、出口部A2に通じる通気管2を備えている。通気管2は、出口部A2とともに貯留槽10に通じている。本実施形態では、通気管2は、消音器1とともに、消音器ユニット101に含まれている。
また、連通部110は、流出管130と消音器1とに接続されている流出管側配管部140と、消音器1と貯留槽10とに接続されている貯留槽側配管部150と、を備えている。流出管側配管部140は、流出管130から上方に起立したエルボ管である。また、貯留槽側配管部150は、流出管130に対して平行に延びているストレート管である。
排水管構造Cにおいて、流出管側配管部140と、貯留槽側配管部150とは、それぞれ、消音器ユニット101に接続されている。本実施形態では、排水管構造Cは、さらに、排気側通気管160を備えている。
図4は、流出管側配管部140、貯留槽側配管部150および排気側通気管160を上側から示す斜視図である。なお、図4において、貯留槽10および消音器ユニット101は、省略されている。また、図5は、排水管構造Cの連通部110の周辺を上側から示す斜視図である。
図4に示すように、流出管側配管部140は、上述のとおり、エルボ管である。流出管側配管部140は、流出管130から上側に起立する縦管部141と、当該縦管部141に連なる横管部142とによって形成されている。図5に示すように、排水管構造Cにおいて、流出管側配管部140の縦管部141は、流出管130に接続されている。また、図5に示すように、流出管側配管部140の横管部142は、消音器ユニット101に接続されている。これにより、図5に示すように、流出管130は、消音器ユニット101に通じている。
また、図4に示すように、貯留槽側配管部150は、上述のとおり、ストレート管である。図5に示すように、排水管構造Cにおいて、貯留槽側配管部150の一端部150aは、消音器ユニット101に接続されている。また、図5に示すように、貯留槽側配管部150の他端部150bは、貯留槽10に接続されている。これにより、図5に示すように、流出管130は、消音器ユニット101を介して、貯留槽10に通じている。
さらに、図4に示すように、排気側通気管160は、外部に通じるストレート管である。図5に示すように、排気側通気管160は、消音器ユニット101に接続されている。これにより、図5に示すように、流出管130は、消音器ユニット101を介して、排気側通気管160に通じている。加えて、図5に示すように、貯留槽10も、消音器ユニット101を介して、排気側通気管160に通じている。即ち、流出管130および貯留槽10は、排気側通気管160を通して、それぞれの外部に通じている。
図6は、消音器ユニット101を示す平面図である。また、図7は、消音器ユニット101を示す底面図である。図6および図7に示すように、消音器ユニット101は、偏平なユニットである。消音器ユニット101は、流入側接続部101aを有している。流入側接続部101aには、流出管側配管部140が接続される。図8は、消音器ユニット101の右側面図である。図8に示すように、消音器ユニット101の流入側接続部101aは、管状通路3の入口部A1に通じる。
図9は、消音器ユニット101の左側面図である。図9のように、消音器ユニット101は、貯留槽側接続部101bと、排気側接続部101cと、を有している。貯留槽側接続部101bには、貯留槽側配管部150が接続される。図10は、消音器ユニット101の背面図である。図10に示すように、貯留槽側接続部101bには、通気管2の通路4の一方側開口が形成されている。排気側接続部101cには、排気側通気管160が接続される。図11は、消音器ユニット101の正面図である。図11に示すように、排気側接続部101cには、通気管2の通路4の他方側開口が形成されている。即ち、排水管構造Cにおいて、排気管2の通路4は、貯留槽側接続部101bおよび排気側接続部101cの両方に開口している。
図12は、消音器ユニット101のA-A断面相当図である。
図12に示すように、管状通路3は、音源の側に接続される入口部A1と、音源以外の側に接続される出口部A2と、入口部A1の側に配置された三叉分岐通路31と、を備えている。三叉分岐通路31の流入通路31aは、入口部A1に通じている。三叉分岐通路31の一方側流出通路31bは、当該一方側流出通路31bの末端31beが閉じられている。三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、出口部A2に通じている。
消音器1において、三叉分岐通路31の分岐部31Jは、T字形である。
図12に示すように、分岐部31Jは、流入通路31aが一方側流出通路31bおよび他方側流出通路31cに分岐する部分である。言い換えれば、流入通路31a、一方側流出通路31bおよび他方側流出通路31cの、3つの通路の合流部分である。排水管構造Cにおいて、流入通路31aは、一方側流出通路31bと同一方向に指向するように延在している。他方側流出通路31cは、図12に示すように、平面視で、流入通路31aおよび一方側流出通路31bに対して直交するように接続されている。排水管構造Cにおいて、流入通路31aと、一方側流出通路31bとの間に、他方側流出通路31cへの導入口部A3が形成されている。これにより、図12に示すように、平面視で、三叉分岐通路31の分岐部31Jは、一方側流出通路31bが流入通路31aおよび一方側流出通路31bに対して直交するように接続された、T字形となっている。
図12に示すように、管状通路3の入口部A1の側に、三叉分岐通路31を設ければ、入口部A1から入力された音は、流入通路31aを進む入力波と、一方側流出通路31bの末端31beで跳ね返った反射波とを合成した合成波となる。さらに、当該合成波は、導入口部A3を通って他方側流出通路31cに導入される。これにより、入口部A1から入力された音の周波数分布を、当該音が減衰し易い周波数帯側(この例では、低周波側)に変化させることができる。なお、三叉分岐通路31において、導入口部A3から一方側流出通路31bの末端31beまでの長さ(一方側流出通路31bの奥行き寸法)をL1とすると、長さL1は、入口部A1、出口部A2、三叉分岐通路31の、形状、大きさ、寸法等によって適宜設定することができる。長さL1の具体例としては、20mm程度が挙げられる。
また、消音器1において、管状通路3は、入口部A1の断面積SA1よりも断面積が小さい小断面積部を備えている。
図12に示すように、三叉分岐通路31の流入通路31aの断面積S31aは、入口部A1の断面積SA1よりも断面積が小さい。また、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bの断面積S31bも、入口部A1の断面積SA1よりも断面積が小さい。さらに、本実施形態では、流入通路31aの断面積S31aおよび一方側流出通路31bの断面積S31bは、一方側流出通路31bの末端31beに向かうに従って小さくなっている。さらに、導入口部A3の断面積SA3は、流入通路31aの断面積S31aよりも小さい。同様に、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cの断面積S31cも、入口部A1の断面積SA1よりも断面積が小さい。即ち、排水管構造Cでは、三叉分岐通路31全体が小断面積部である。ただし、本発明によれば、前記小断面積部は、管状通路3の少なくとも一部に、備えていればよい。また、入口部A1の断面積SA1と、管状通路3に設けられた前記小断面積部の断面積との関係は、入口部A1、出口部A2、三叉分岐通路31の、形状、大きさ、寸法等によって適宜設定することができる。具体例としては、入口部A1の内径を25A相当とし、三叉分岐通路31の導入口部A3の内径を13A相当とすることが挙げられる。
また、消音器1において、管状通路3は、折り返し通路3tを備えている。
本発明によれば、折り返し通路3tは、管状通路3の少なくとも一部に、すくなくとも1つ備えていればよい。図12に示すように、排水管構造Cにおいて、三叉分岐通路31に、複数(この例では、5つ)の折り返し通路3tが設けられている。これにより、本実施形態では、消音器1のサイズをコンパクトに収めつつ、前記小断面積部の長さ(距離)をより長く確保している。
より具体的には、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、導入口部A3を通って、流入通路31aに沿って戻る方向に折り返されている。即ち、本実施形態では、三叉分岐通路31の導入口部A3の近傍には、折り返し通路3tが形成されている。これにより、三叉分岐通路31の流入通路31aおよび他方側流出通路31cは、折り返し通路3tを介して通じる2つの延在通路を形成している。排水管構造Cにおいて、三叉分岐通路31の流入通路31aおよび他方側流出通路31cは、平面視で、折り返し通路3tを基点に互いに開くように、一定の角度α0で延在させている。
また、排水管構造Cにおいて、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、3つの折り返し通路3tを備えている。これにより、排水管構造Cにおいて、他方側流出通路31cの隣り合う、当該他方側流出通路31cの隣接通路31c1は、折り返し通路3tを介して通じる2つの延在通路を形成している。また、図12に示すように、2つの隣接通路31c1も、平面視で、折り返し通路3tを基点に互いに開くように、一定の角度α0で延在させている。これにより、本実施形態によれば、角度α0を設けた分、2つの隣接通路31c1の長さを長く確保することができることから、前記小断面積部の長さをさらに長く確保している。ただし、本発明によれば、2つの隣接通路31c1も、互いに平行に延在させることができる。
さらに、排水管構造Cにおいて、通気管2の通路4の排気側接続部101c側は、出口部A2を通って、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cに沿って戻る方向に折り返されている。即ち、排水管構造Cにおいて、三叉分岐通路31の出口部A2の近傍にも、折り返し通路3tが形成されている。これにより、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cおよび通気管2の通路4は、折り返し通路3tを介して通じる2つの延在通路を形成している。排水管構造Cにおいて、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cおよび通気管2の通路4も、平面視で、折り返し通路3tを基点に互いに開くように、一定の角度α0で延在させている。これにより、排水管構造Cにおいて、消音器ユニット101のサイズをコンパクトに収めつつ、前記小断面積部の長さをさらに長く確保している。ただし、本発明によれば、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cおよび通気管2の通路4は、互いに平行に延在させることができる。
なお、折り返し通路3tの位置および個数は、入口部A1、出口部A2、三叉分岐通路31の、形状、大きさ、寸法等によって適宜設定することができる。例えば、消音器1の周辺に配置された部材(この例では、貯留槽10、流出管130)と干渉したり、はみ出さないように、折り返し通路3tの位置および個数を設定することができる。具体例としては、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cの全長が363mm以上となるように、折り返し通路3tの位置および個数を設定することが挙げられる。ただし、本発明によれば、折り返し通路3tを設けることなく、前記小断面積部の長さ(距離)をより長く確保することも可能である。
また、排水管構造Cにおいて、出口部A2は、入口部A1よりも上側に配置されている。これにより、本実施形態において、管状通路3の底部は、当該管状通路3の底部が入口部A1に向かって下側に傾斜するように形成されている。
図13は、図6のB-B断面図である。ここで、B-B断面は、図12に示すように、平面視で、入口部A1の中心軸O1を含む断面である。また、図14は、図6のC-C断面図である。ここで、C-C断面は、図12に示すように、平面視で、出口部A2の中心軸O2を含む断面である。
図13および図14に示すように、排水管構造Cにおいて、出口部A2の底部(下端)E2は、入口部A1の底部(下端)E1よりも上側に配置されている。また、図13および図14に示すように、各管状通路3の底部(下端)E3は、排水側上流方向(下流方向)視で、管状通路3の各底部E3を結ぶ仮想線L31は、水平軸Oyに対して入口部A1に向かって角度α1で下側に傾斜するように形成されている。これにより、管状通路3の底部E3は、出口部A2と入口部A1との間において、当該管状通路3の底部E3が入口部A1に向かって角度α1で下側に傾斜するように形成されている。角度α1の具体例としては、α1=3°が挙げられる。
図15は、図6のD-D断面図である。ここで、D-D断面は、図12に示すように、平面視で、三叉分岐通路31の流入通路31aを通る断面である。また、図16は、図6のE-E断面図である。ここで、E-E断面は、図12に示すように、平面視で、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cを通る断面である。
図15および図16に示すように、排水管構造Cにおいて、各管状通路3の底部(下端)E3は、通気側上流方向(下流方向)視で、水平軸Oyに対して入口部A1に向かって角度α2で下側に傾斜するように形成されている。本実施形態では、三叉分岐通路31の流入通路31aの底部E3と、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cの各延在通路31c1の底部E3とはいずれも、出口部A2と入口部A1との間において、当該管状通路3の底部E3が入口部A2に向かって角度α2で下側に傾斜するように形成されている。角度α2の具体例としては、α2=1°が挙げられる。
また、消音器1において、管状通路3は、折り返し通路3tを介して通じる2つの延在通路を備えている。2つの延在通路の、互いに隣接する通路側壁は、共用壁32である。
図12に示すように、管状通路3は、前記2つの延在通路として、折り返し通路3tを介して通じる、三叉分岐通路31の流入通路31aおよび他方側流出通路31cを備えている。流入通路31aおよび他方側流出通路31cの、互いに隣接する通路側壁は、共用壁32である。また、図12に示すように、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、前記2つの延在通路として、折り返し通路3tを介して通じる2つの延在通路31c1を備えている。2つの延在通路31c1の、互いに隣接する通路側壁は、共用壁32である。さらに、管状通路3は、前記2つの延在通路として、折り返し通路3tを介して通じる、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cおよび通気管2の通路4を備えている。三叉分岐通路31の他方側流出通路31cおよび通気管2の通路4の、互いに隣接する通路側壁も、共用壁32である。
図12に示すように、排水管構造Cにおいて、消音器ユニット101には、5つの共用壁32が設けられている。また、各共用壁32は、図12に示すように、平面視で、2つの延在通路の、互いに隣接する通路側壁の一部である。ただし、本発明によれば、三叉分岐通路31の流入通路31aおよび他方側流出通路31cの互いに隣接する通路側壁に形成された共用壁32は、当該通路側壁の全部とすることができる。また、本発明によれば、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cの、2つの延在通路31c1に隣接する通路側壁に形成された共用壁32は、当該通路側壁の全部とすることができる。さらに、本発明によれば、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cおよび通気路2の通路4の互いに隣接する通路側壁に形成された共用壁32は、当該通路側壁の全部とすることができる。
図17は、消音器ユニット101を下側から示す斜視底面図である。
本実施形態において、共用壁32は、溝33によって中抜きされている。
本実施形態では、図17に示すように、5つの共用壁32は、それぞれ、消音器ユニット101の外面に形成された溝33によって中抜きされている。
また、消音器1は、下側部材M1と、下側部材M1に取り付けられた上側部材M2と、によって形成されている。
排水管構造Cにおいて、消音器1は、通気管2を含む消音器ユニット101として、下側部材M1と、下側部材M1に取り付けられた上側部材M2と、によって形成されている。
図18は、下側部材M1を上側から示す斜視図である。
図18に示すように、管状通路3および通気管2の通路4は、下側部材M1に形成された溝で構成されている。下側部材M1には、上側部材M2との合わせ面に、上側部材M2との接合面積を確保するためのフランジ部34が設けられている。また、下側部材M1には、上側部材M2を嵌め合わせるための凸部35が設けられている。本実施形態では、凸部35は、共用壁32の上端面に設けられている。
図19は、上側部材M2を下側から示す斜視図である。
図19に示すように、消音器1において、上側部材M2は、平坦な部材である。
図19に示すように、上側部材M2の裏面には、上側部材M2を嵌め合わせるための凹部36が設けられている。凹部36は、下側部材M1の凸部35に嵌め合わせることによって、下側部材M1と上側部材M2との位置合わせを行うとともに下側部材M1に上側部材M2を固定することができる。さらに、本実施形態では、図6に示すように、上側部材M2の表面には、リブ37が設けられている。リブ37は、上側部材M2を補強することができる他、例えば、上側部材M21を射出成形時の生じる、上側部材M2の反りを防止することができる。
従来の排水管構造には、貯留槽に接続されたサイホン排水管からの排水時に生じる異音の抑制に依然として改善の余地があった。
これに対し、排水管構造Cは、流入管120と流出管130とに接続されている貯留槽10と、流出管130と貯留槽10とが連通するように、流出管130と貯留槽10とに接続されている連通部110と、を備えている。
排水管構造Cによれば、貯留槽10と、貯留槽10に接続された流出管130と、を、互いに連通部110を通して連通させることによって、当該連通部110を流出管130に対する通気管として使用することにより、流出管130が貯留槽10との接続部分において排水とともに空気を吸い込んだときに生じる異音を抑制することができる。このように、本実施形態によれば、流出管130に対する通気管として使用する連通部110を貯留槽10に合流させるという新規な構成で、流出管130からの排水時に生じる異音を抑制することができる。
したがって、排水管構造Cは、異音が抑制された、新規な排水管構造となる。加えて、本実施形態によれば、流出管130に通じる連通部110を貯留槽10に合流させたことによって、流出管130の通気路と貯留槽10の通気路との共通化を図ることができる。したがって、本実施形態に係る排水管構造Cは、配管系統が削減されることによって省スペース化の図られた排水管構造となる。
また、排水管構造Cにおいて、連通部110は、消音器1を備えており、消音器1は、管状通路3を有しており、管状通路3は、流出管130に通じる入口部A1と、貯留槽10に通じる出口部A2と、を備えている。この場合、仮に排水時に異音が生じたときでも、当該異音を消音器1によって軽減することができる。したがって、この場合、異音をより抑制することができる。
より詳述すれば、上述のとおり、貯留槽10と、貯留槽10に接続された流出管130と、を、連通部110によって連通させれば、流出管130が貯留槽10との接続部分において排水とともに空気を吸い込んだときに生じる異音の発生を抑制することができる。
しかしながら、貯留槽10と流出管130とを連通部110によって連通させた場合、新たに、連通部110が流出管130との接続部分において排水とともに空気を吸い込んで異音を発生することが懸念される。
しかしながら、実際には、当該異音は、流出管130が貯留槽10との接続部分において排水とともに空気を吸い込んだときに生じる異音に比べて小さい。
ところが、貯留槽10内は、音が反響し易い場合がある。このため、連通部110と流出管130との接続部分で生じる異音が連通部110を経由して貯留槽10内まで伝播すると、当該異音が貯留槽10内で反響することによって、当該異音が貯留槽10から外部に漏れることが懸念される。こうした異音の反響度合いは、貯留槽10の大きさ、形状等によって変化する。例えば、貯留槽10の容量を大きくなるとともに、当該貯留槽10の中央部分の剛性が低くなる場合、前記異音が貯留槽10内でより反響することが懸念される。
これに対して、排水管構造Cでは、連通部110は、消音器1を備えている。この場合、連通部110が流出管130との接続部分において排水とともに空気を吸い込んで異音を発生したときも、連通部110を経由して伝播される異音は軽減される。即ち、本実施形態によれば、連通部110を経由して貯留槽10に伝播される異音が軽減されることによって、当該貯留槽10内で生じる異音の反響を抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、異音をより抑制することができる。
また、本実施形態において、消音器1は、出口部A2とともに貯留槽10に通じる通気管2を備えている。この場合、管状通路2に伝播される異音、即ち、貯留槽10に伝播される異音をさらに抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、異音をより効果的に抑制することができる。排水管構造Cでは、通気管2に排気側通気管160を接続している。この場合、流出管130および貯留槽10の空気と、貯留槽10からより遠くに位置する外部の空気と、を流通させることができる。
また、本実施形態において、管状通路3は、入口部A1の側に、音源の側に接続される三叉分岐通路31を備えており、三叉分岐通路31の流入通路31aは、入口部A1に通じており、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bは、当該一方側流出通路31bの末端31beが閉じられており、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、前記音源以外の側に接続される出口部A2に通じている。
三叉分岐通路31の流入通路31aに流出管130からの異音が入力されると、当該異音の周波数の一部は、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bの末端31beで流入通路31aに向かって跳ね返る。これによって、三叉分岐通路31に入力された前記異音は、音が減衰し易い周波数帯域に変化させることができる。具体例としては、前記異音の音圧のピークを、400Hz~600Hzの周波数帯から、200Hz~400Hzの低周波数帯に変化させることができる。したがって、この場合、異音をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、管状通路3は、入口部A1の断面積SA1よりも断面積が小さい小断面積部を備えている。
管状通路3に伝播される異音の音圧は、管状通路3の断面積が小さいほど、音圧を低下させることができる。即ち、連通部110が流出管130との接続部分において排水とともに空気を吸い込んで発生する異音の音圧は、管状通路3の断面積が小さいほど、音圧を低下させることができる。
本実施形態によれば、管状通路3は、入口部A1の断面積SA1よりも断面積が小さい小断面積部を備える。これによって、連通部110が流出管130との接続部分において排水とともに空気を吸い込んで発生する異音の音圧を低下させることができる。したがって、この場合、異音をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、管状通路3は、折り返し通路3tを備えている。
管状通路3に伝播される異音の低周波数帯は、管状通路3の長さが長くなるほど、減衰させることができる。即ち、連通部110が流出管130との接続部分において排水とともに空気を吸い込んで発生する異音の低周波数帯は、管状通路の長さが長くなるほど、減衰させることができる。
本実施形態によれば、管状通路3は、折り返し通路3tを備えることによって、当該管状通路3の長さをより長く確保することができる。したがって、この場合、管状通路3の長さが長く確保されることによって、低周波数帯の音圧を減衰させることができる。したがって、この場合、異音をより効果的に抑制することができる。また、管状通路3の長さを折り返し通路3tによって長く確保したことにより、消音器ユニット101(消音器1)全体のコンパクト化、ひいては、排水管構造C全体のコンパクト化を図ることができる。
さらに、消音器1は、出口部A2に通じる通気管2を備えている。この場合、管状通路3に伝播される異音をさらに抑制することができる。したがって、この場合、異音をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、管状通路3は、入口部A1の側に、三叉分岐通路31を備えており、三叉分岐通路31の流入通路31aは、入口部A1に通じており、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bは、当該一方側流出通路31bの末端31beが閉じられており、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、出口部A2に通じており、他方側流出通路31cは、入口部A1の断面積SA1よりも断面積S31cが小さい小断面積部を備えている。この場合、異音の周波数帯を音が減衰し易い周波数帯に変化させることができるとともに、当該異音の音圧を低下させることもできることから、異音をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、管状通路3は、入口部A1の側に、三叉分岐通路31を備えており、三叉分岐通路31の流入通路31aは、入口部A1に通じており、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bは、当該一方側流出通路31bの末端31beが閉じられており、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、出口部A2に通じており、他方側流出通路31cは、折り返し通路3tを備えている。この場合、異音の周波数帯を音が減衰し易い周波数帯に変化させることができ、特に、低周波数帯の音圧を減衰させることができることから、異音をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、管状通路3は、入口部A1の側に、三叉分岐通路31を備えており、三叉分岐通路31の流入通路31aは、入口部A1に通じており、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bは、当該一方側流出通路31bの末端31beが閉じられており、三叉分岐通路31の他方側流出通路31cは、出口部A2に通じており、他方側流出通路31cは、入口部A1の断面積SA1よりも断面積が小さい小断面積部を備えているとともに、折り返し通路3tを備えている。この場合、異音の周波数帯を音が減衰し易い周波数帯に変化させることができるとともに、当該異音の音圧を低下させることができ、特に、低周波数帯の音圧を減衰させることができることから、異音を最も効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、出口部A2は、入口部A1よりも上側に配置されており、管状通路3の底部E3は、当該管状通路3の底部E3が入口部A1に向かって下側に傾斜するように形成されている。本実施形態では、上述のとおり、角度α1および角度α2で傾斜している。この場合、入口部A1からの液体の流入を抑制することができ、また、仮に、洗浄水等の液体が流入しても容易に入口部から排出させることができる。即ち、この場合、液体の流入および滞留を抑制することができる。特に、本実施形態では、管状通路3は、折り返し通路3tを基点に角度α0で折り返されている。これにより、本実施形態では、三叉分岐通路31の流入通路31a、他方側流出通路31c(隣接通路31c1)および通気管2の通路4は、それぞれ、図12に示すように、平面視において、入口部A1の中心軸O1に対して角度α1×(1/2)で傾斜している。この場合、仮に、管状通路3に液体が流入しても、当該液体を入口部A1に向かって案内することができる。
また、本実施形態において、連通部110は、流出管130と消音器1とに接続されている流出管側配管部140と、消音器1と貯留槽10とに接続されている貯留槽側配管部150と、を備えており、流出管側配管部140は、流出管130から上方に起立したエルボ管であり、貯留槽側配管部150は、流出管130に対して平行に延びているストレート管である。この場合、入口部A1からの液体の流入を抑制することができ、また、仮に液体が流入しても容易に入口部A1から排出させることができる。即ち、この場合、液体の流入および滞留を抑制することができる。また、この場合、連通部110がコンパクトな配管構成となることから、排水管構造C全体のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態において、三叉分岐通路31の分岐部31Jは、T字形である。この場合、三叉分岐通路31の流入通路31aと、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bとが互いに一直線上に合流することにより、流入通路31aから入力される異音と、三叉分岐通路31の一方側流出通路31bから跳ね返った当該異音とを効果的に相殺することができる。したがって、この場合、異音をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、流出管130は、サイホン排水管である。流出管130は、水平方向に対してほぼ無勾配の状態に配置されたサイホン排水管である。サイホン排水管は、上述のとおり、貯留槽との接続部分において排水とともに空気を吸い込むことにより異音を発生することがある。この場合、異音の抑制に効果的である。
また、本実施形態では、消音器1において、管状通路3は、折り返し通路3tを介して通じる2つの延在通路を備えており、2つの延在通路の、互いに隣接する通路側壁は、共用壁32である。この場合、消音器1全体のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態では、消音器1において、共用壁32は、溝33によって中抜きされている。この場合、消音器1を射出成形によって容易に製造することができる。特に、本実施形態では、消音器1は、通気管2とともに、消音器ユニット101を形成している。このため、本実施形態では、消音器ユニット101として、消音器1とともに通気管2を、射出成形によって容易に製造することができる。
また、本実施形態では、消音器1は、下側部材M1と、下側部材M1に取り付けられた上側部材M2と、によって形成されている。この場合、下側部材M1と上側部材M2とを2つの部材で形成されることによって、下側部材M1と上側部材M2とを別々に射出成形することができる。
また、本実施形態では、消音器1において、上側部材M2は、平坦な部材である。この場合、下側部材M1と、上側部材M2との取付面(接合面)の位置を高い位置に設定することができるので、当該取付面を通しての、液体の漏れを抑制することができる。
[排水管の清掃方法]
次に、上述の排水管構造Cを参照して、排水管の清掃方法について説明する。
本実施形態に係る、排水管の清掃方法は、通気管が接続配管部を介して接続された排水管に洗浄液を流すことによって、前記排水管の清掃を行う、排水管の清掃方法である。
本実施形態係る、排水管の清掃方法は、閉塞部材が設けられた棒状部材を、前記通気管の通路に挿入することによって、前記通気管に形成された、前記接続配管部に通じる開口部を、前記閉塞部材で閉塞するステップ(以下、「開口部閉塞ステップ」ともいう。)と、前記開口部を閉塞した後、前記排水管の前記通路に洗浄液を流すステップ(以下、「洗浄液流しステップ」ともいう。)と、を含む。
上述の排水管構造Cを参照すると、本実施形態において、前記通気管は、消音器ユニット101の通気管2である。この例では、前記通気管には、排気側通気管160も含まれる。また、本実施形態において、前記接続配管部は、排水管側配管部140と、消音器ユニット101と、貯留槽側配管部150と、排気側通気管160と、で構成されている。また、本実施形態において、前記開口部は、消音器1の出口部A2である。
前記閉塞部材が設けられた棒状部材は、配管内に挿入可能なワイヤー工具である。前記棒状部材の具体例としては、単線または撚線のワイヤーが挙げられる。前記ワイヤーには、金属製ワイヤーは勿論、合成樹脂製ワイヤーも含まれる。前記閉塞部材の具体例としては、毛等の線状部材を束ねたブラシ、ゴム等の弾性部材、スポンジ等の多孔質部材が挙げられる。
図20は、開口部閉塞ステップを説明するための、図3の拡大断面図である。
図20中、符号50は、棒状部材である。この例では、金属製ワイヤーである。この例では、棒状部材50は可撓性を有している。符号51は、閉塞部材である。この例では、閉塞部材51は、ブラシである。
図20に示すように、開口部閉塞ステップでは、棒状部材50を、通気管2の通路4に挿入することによって、消音器1の出口部A2を、閉塞部材51で閉塞する。
図21は、洗浄液流しステップを説明するための、図1のF-F断面図である。
図21中、符号60は、高圧洗浄ノズル61を備えた高圧洗浄用ホースである。この例では、ホース60は可撓性を有している。高圧洗浄用ホース60は、合成樹脂製ホースは勿論、金属製ホースも含まれる。
消音器1の出口部A2を閉塞した後、図21に示すように、洗浄液流しステップでは、流出管130の通路に、高圧洗浄ノズル61を挿入する。洗浄液は、高圧洗浄ノズル61から高圧状態で、流出管130の下流に向かって噴射される。これにより、流出管130を清掃することができる。
上述のとおり、本実施形態によれば、開口部閉塞ステップにおいて、棒状部材50を通気管2の通路4に挿入することにより、当該棒状部材50に設けられた閉塞部材51によって、通気管2に形成された、消音器1の出口部A2を閉塞する。これによって、当該通気路2の通路4を流出管130に通じる通路から遮断することができる。次いで、本実施形態によれば、出口部A2を閉塞した後、洗浄液流しステップにおいて、流出管130の通路に洗浄液を流す。これによって、流出管130の通路を洗浄して、当該流出管130の清掃を行うことができる。前記洗浄液は、流出管130の通路に高圧洗浄ノズル61を挿入し、当該高圧洗浄ノズル61から、流出管130の通路内に噴射させることができる。
本実施形態によれば、閉塞部材51によって通気管2に流出管130からの洗浄液が流入しなくなる。したがって、本実施形態に係る、排水管の清掃方法によれば、通気管2に洗浄液を流入させることなく、排水管の清掃を行うことができる。
また、図21に示すように、本実施形態では、排水管の清掃方法において、通気管2は、流出管130よりも高い位置にある。この場合、通気管2への洗浄液の流入がさらに確実に防止され、また、仮に洗浄液が流入しても容易に排出させることができる。即ち、この場合、洗浄液の流入および滞留を抑制することができる。
また、図20に示すように、本実施形態では、排水管の清掃方法において、通気管2は、通気管2に形成された、棒状部材50の挿入口から、消音器1の出口部A2までの間が水平に延びている。この場合、消音器1に通じる出口部A2までの間に段差を生じないため、閉塞部材51が通気管2の通路4を通り易い。即ち、流出管130の清掃を行うために、消音器1に通じる出口部A2を閉塞する作業を容易に行うことができる。したがって、この場合、流出管130の清掃を容易に行うことができる。
また、図20に示すように、本実施形態では、排水管の清掃方法において、閉塞部材51は、ブラシである。この場合、ブラシは柔軟性を有しており、閉塞部材51を通気管2の通路4に通し易い。このため、消音器1に通じる出口部A2を閉塞する作業を容易に行うことができる。したがって、この場合、流出管130の清掃を容易に行うことができる。また、この場合、通気管2の通路4(排気側通気管160の通路も含む。)に付着した、液体、ゴミ等の汚れを掻き出すことができる。したがって、この場合、流出管130と併せて通気管2の清掃も行うことができる。また、前記ブラシは、吸水性を有するものであることが好ましい。この場合、通気管2の通路4に付着した洗浄液等の液体を取り除くことができるため、通気管2の清掃を効果的に行うことができる。
また、図20に示すように、本実施形態では、排水管の清掃方法において、通気管2は、当該通気管2の通路4の、棒状部材50の挿入口と消音器1に通じる出口部A2を挟んで反対側の位置に、棒状部材50を突き当て可能な挿入制限部151を備えている。この場合、棒状部材50を通気管2の通路4に通すだけの簡単な作業によって、図20に示すように、出口部A2を閉塞するのに適切な位置に、閉塞部材51を位置決めすることができる。即ち、流出管130の清掃を行うために、消音器1に通じる出口部A2を閉塞する作業を容易に行うことができる。したがって、この場合、流出管130の清掃を容易に行うことができる。図4に示すように、本実施形態では、挿入制限部151は、貯留槽側配管部150の末端部である。本実施形態では、貯留槽側配管部150は、前記末端部が閉じられた円筒部材である。貯留槽側配管部150には、貯留槽10に通じる開口部A4が形成されている。なお、挿入制限部151は、本実施形態のような、封止壁としての末端部に限定されることはない。例えば、挿入制限部151は、貯留槽側配管部150に設けられた突起とすることができる。
また、図20に示すように、本実施形態では、排水管の清掃方法において、前記接続配管部は、消音器1を備えている。この場合、消音器1に接続された流出管130の清掃を容易に行うことができる。
また、図21に示すように、本実施形態では、排水管の清掃方法において、流出管130は、貯留槽10に接続されており、通気管2は、貯留槽10と同一の貯留槽に接続されている。この場合、複数の通気管を集約して当該複数の通気管の数を削減することによって、流出管130の清掃を行うことができる。
また、本実施形態では、排水管の清掃方法において、流出管130は、サイホン排水管である。
通気管は一般的に、水を通すことが想定されておらず、水の流入および滞留は好ましくない。特に、本実施形態において、流出管130は、当該流出管130が水平方向に対してほぼ無勾配の状態に配置された横引きのサイホン排水管である。この場合、当該サイホン排水管に充満した排水が高圧洗浄水の抵抗となることによって、当該高圧洗浄水等が通気管2に流入することの懸念が一層高まる。したがって、流出管130がサイホン排水管である場合、洗浄液の流入および滞留の抑制に効果的である。
[配管継手]
ところで、2つの上流配管を1つの下流配管に合流させれば、配管系統が削減されることによって省スペース化を図ることができる。
しかしながら、下流配管から清掃工具を挿入した場合、所望の上流配管を選択して、前記清掃工具を挿入することは困難である。
図22は、2系統の上流配管を1つの下流配管に合流させた場合に、好適な配管継手の一例としての、配管継手20を示す平面図である。また、図23は、配管継手20を示す正面図である。さらに、図24は、配管継手20を示す背面図である。さらに、図25は、図23のG-G断面図である。
図22に示すように、配管継手20は、第1の上流配管に接続可能な第1上流配管部21と、第2の上流配管に接続可能な第2上流配管部22と、1つの下流配管に接続可能な下流配管部23と、を備えている。また、図25に示すように、第1上流配管部21の通路21aと、第2上流配管部22の通路22aと、は、下流配管部23の通路23aに通じている。さらに、第1上流配管部21は、下流配管部23に対して当該下流配管部23と同一方向に指向するように方向付けられている。
具体的には、第1上流配管部21の通路延在軸線O21は、下流配管部23の通路延在軸線O23に対して水平方向にΔYだけ平行に離間している。
配管継手20によれば、例えば、下流配管部23から挿入される清掃工具として、直線状の棒状の清掃工具を使用すると、当該清掃工具は、第1上流配管部21および第2上流配管部22のうち、下流配管部23に対して平行な第1上流配管部21に挿入させ易い。また、配管継手20によれば、例えば、下流配管部23から挿入される清掃工具として、巻き癖のある棒状の清掃工具を使用すると、当該清掃工具は、第1上流配管部21および第2上流配管部22のうち、下流配管部23に対して平行ではない第2上流配管部22に挿入させ易い。このため、配管継手20によれば、第1上流配管部21および第2上流配管部22を目視することなく、当該第1上流配管部21および第2上流配管部22のうちから、前記清掃工具を挿入するための、所望の上流配管部を容易に選択することができる。したがって、配管継手23によれば、1つの下流配管部23に合流する、第1上流配管部21および第2上流配管部22の、2つの上流配管部を目視することなく、当該2つの上流配管部のうちから、清掃工具等を挿入するための、所望の上流配管部を容易に選択することができる。
また、配管継手23において、第2上流配管部22は、第1上流配管部21に対して鋭角の角度α12をなす方向に指向するように方向付けられていることが好ましい。この場合、下流配管部23からの第1上流配管部21および第2上流配管部22への清掃工具等の挿入が容易になることにより、所望の上流配管部をより容易に選択することができる。
また、配管継手20において、鋭角の角度α12は、15°~25°の範囲の角度である。この場合、より多くの異なるサイズの清掃工具等を容易に挿入することができる。
また、配管継手20において、第1上流配管部21の通路延在軸線O21は、上述のように、下流配管部23の通路延在軸線O23に対してずれている。この場合、清掃工具等が第1上流配管部21に挿入される挿入し易さと、前記清掃工具等が第2上流配管部22に挿入される挿入し易さと、のバランスを、第1上流配管部21の通路延在軸線O21と、下流配管部23の通路延在軸線23との間隔を調整することによって、所望のバランスに容易に設定することができる。
[配管の清掃方法]
図26は、配管継手20を備えた配管200を拡大して示す断面図である。
図26中、符号210は、配管継手20の第1上流配管部21に接続された第1の上流配管210である。符号220は、配管継手20の第2上流配管部22に接続された第2の上流配管220である。さらに、符号230は、配管継手20の下流配管部23に接続された下流配管230である。
配管200は、以下の方法によって、所望の上流配管を清掃することができる。
配管200の清掃方法は、配管200に棒状部材を挿入して、配管200の清掃を行う、配管の清掃方法である。この清掃方法は、下流配管230から前記棒状部材を挿入するステップを含む。
この例では、前記棒状部材として、清掃工具70を使用する。清掃工具70は、配管200内に挿入可能なワイヤー工具である。この例では、清掃工具70は、ブラシ72を備えた棒状部材71からなる。棒状部材71の具体例としては、単線または撚線のワイヤーが挙げられる。前記ワイヤーには、金属製ワイヤーは勿論、合成樹脂製ワイヤーも含まれる。ブラシ72は、上述の閉塞部材61とすることができる。
本実施形態によれば、例えば、下流配管230から挿入される清掃工具70として、直線状の清掃工具70Aを使用すると、当該清掃工具70Aは、第1の上流配管210および第2の上流配管220のうち、下流配管230に対して平行な第1の上流配管210に挿入させ易い。また、下流配管230から挿入される清掃工具70として、巻き癖のある清掃工具70Bを使用すると、当該清掃工具70Bは、第1の上流配管210および第2の上流配管220のうち、下流配管230に対して平行ではない第2の上流配管220に挿入させ易い。このため、配管継手20を備えた配管200の清掃方法によれば、第1の上流配管210および第2の上流配管220を目視することなく、当該第1の上流配管210および第2の上流配管220のうちから、清掃工具70を挿入するための、所望の上流配管を容易に選択することができる。したがって、配管200の清掃方法によれば、1つの下流配管に合流する、2つの上流配管を目視することなく、当該2つの上流配管のうちから、清掃工具等を挿入するための、所望の上流配管を容易に選択することができる。
また、配管継手20を備えた配管200の清掃方法は、清掃部材70として、直線状の清掃部材70Aと、巻き癖のついた清掃部材70Bと、の少なくともいずれか一方を用いることができる。この場合、清掃工具70を第1の上流配管210に挿入する場合、当該清掃工具として、直線状の清掃部材70Aを用いれば、所望の第1の上流配管210をより容易に選択することができる。また、清掃工具70を第2の上流配管220に挿入する場合、当該清掃工具70として、巻き癖のある清掃部材70Bを用いれば、所望の第2の上流配管220をより容易に選択することができる。したがって、この場合、所望の上流配管をより容易に選択することができる。
また、配管200の第1の上流配管210および第2の上流配管220のいずれかを一方を、上述の排水管構造Cの排気側通気管160とすれば、下流配管230に設けた挿入口230から、閉塞部材51が設けられた棒状部材50を挿入することによって、流出管130の清掃を行うことができる。
[配管200を用いた排水管の清掃方法]
配管200の清掃方法として、排水管構造Cの流出管130の清掃を行う、排水管の清掃方法がある。この場合、通気管2は、第1の上流配管210または第2の上流配管220のうちのいずれか一方とすることができる。これにより、閉塞部材51が設けられた棒状部材50を、下流配管230の通路230aから、配管継手20を通して、通気管2の通路4に挿入することによって、消音器1に通じる出口部A2を、閉塞部材51で閉塞することができる。
図27は、マンション等の集合住宅に敷設された配管構造の一例を示す平面図である。
図27中、符号Wは、専有部と共用部とを仕切る外壁である。符号DP1~DP4は、排水管である。この例では、排水管DP1は、キッチン系統の排水管である。また、排水管DP2は、洗面系統の排水管である。また、排水管DP3は、洗濯系統の排水管である。さらに、排水管DP4は、浴室系統の排水管である。この例では。排水管DP4は、貯留槽10に接続された流出管130と同一の排水管、または、流出管130に接続された排水管である。
また、図27の例では、配管200で構成された排気系統の通気管を含む。この例では、第1の上流配管210は、浴室系統の通気管であり、また、第2の上流配管220は、洗濯室系統の通気管である。図27の各系統には、それぞれ、清掃工具等を挿入するための挿入口が設けられている。符号240は、配管200に設けられた、排気系統の挿入口である。
上述の排水管構造Cは、浴室系統の排水管構造である。
配管200を通気管2に接続した流出管130の清掃方法は、上述のとおり、閉塞部材51が設けられた棒状部材50を、下流配管230の通路から、配管継手20を通して、通気管2の通路4に挿入することによって、通気管2に形成された、消音器1の出口部A2を、閉塞部材51で閉塞するステップと、出口部A2を閉塞した後、流出管130の通路に洗浄液を流すステップと、を含む。
上記清掃方法によれば、前記開口部閉塞ステップにおいて、棒状部材50を配管200に形成された挿入口240に挿入する。このとき、棒状部材50として直線状の棒状部材を用いれば、配管継手20によって、棒状部材50は、第1の上流配管210を選択して通気管2の通路に挿入される。即ち、第1の上流配管210は、下流配管230に対して当該下流配管230と同一方向に指向するように方向付けられていることから、流出管130の清掃を行うために、前記接続配管部に通じる出口部A2を閉塞する作業を容易に行うことができる。これにより、当該棒状部材50に設けられた閉塞部材51によって、消音器ユニット101の通気管2に形成された、消音器1の出口部A2を閉塞することができる。これによって、前述したのと同様、当該通気路2の通路4を流出管130の通路から遮断することができる。出口部A2を閉塞した後、洗浄液流しステップにおいて、浴室系統の排水管DP4に形成された挿入口250から、高圧洗浄ノズル61を備えた高圧洗浄用ホース60を挿入し、流出管130の通路に洗浄液を流す。これによって、流出管130の通路を洗浄して、当該流出管130の清掃を行うことができる。
上述のとおり、配管200を通気管2に接続した流出管130の清掃方法によっても、閉塞部材51によって通気管2に流出管130からの洗浄液が流入しなくなる。したがって、上述の流出管130の清掃方法によれば、通気管2に洗浄液を流入させることなく、流出管130の清掃を行うことができる。
なお、配管200を通気管2に接続した流出管130の清掃方法において、棒状部材50として曲げ癖の付いた棒状部材50を用いれば、棒状部材50を第2の上流配管220に挿入することができる。なお、ここで、「曲げ癖」とは、棒状部材を巻き取った状態で保管することで曲げ変形が残存する性質をいう。ただし、ここで、「曲げ癖の付いた棒状部材」には、予め付された曲げ形状を有する棒状部材を含む。
[本発明を適用可能な排水システム]
図46は、本発明を適用可能な排水システムの一例を一部断面で示す模式的なシステム図である。図46中、符号100は、本発明の一実施形態に係る貯留槽を適用可能な、排水システムの一例である。本例では、排水システム100は、サイホン排水システムである。サイホン排水システムは、サイホンの原理を利用した排水システムである。サイホン排水システムによれば、水廻り機器からの排水を行う際、サイホン排水管に生じたサイホン力により、当該排水を促進させることができる。サイホン排水システムは、例えば、1棟の建物が複数階に区画された集合住宅の排水システムとして採用される。
本例では、排水システム100は、水廻り器具EWと、器具排水管120と、貯留槽10と、サイホン排水管130と、を備えている。
水廻り器具EWは、建物の各階に配置されている。水廻り器具EWとしては、例えば、浴槽(例えば、ユニットバス)、洗面台、流し台が挙げられる。本例では、水廻り器具EWは、浴槽である。
器具排水管120は、水廻り器具EWと貯留槽10とを接続している。本例では、器具排水管120は、床下空間S内に配置されている。本例では、床下空間Sは、建築物の床部材FMと床スラブFSとの間に形成された空間である。また本例では、器具排水管120は、縦方向に延びている上流側部分120aと、横方向に延びている下流側部分120bとで構成されている。上流側部分120aは、水廻り器具EWに接続されている。下流側部分120bは、上流側部分120aに繋がっている。本例では、下流側部分120bは、上流側部分120aから下流に向かうに従って下方に傾斜している。下流側部分120bは、貯留槽10に接続されている。なお、本例では、下流側部分120bの途中に排水トラップ121を介在させている。
サイホン排水管130は、貯留槽10と立て管VPとを接続している。立て管VPは、建物の各階を上下方向に貫く排水管である。本例では、サイホン排水管130は、床下空間S内に配置された横引き管130aと、床スラブFSを貫通して下方に垂下している竪管130bとで構成されている。横引き管130aは、貯留槽10に接続されている。本例では、横引き管130aは、ほぼ水平の無勾配となるように横方向に延びている。詳細には、水廻り器具EWが設置されている階の床スラブFSに沿って、略水平の無勾配で配管されている。竪管130bは、横引き管130aに繋がっている。竪管130bは、管継手CJを介して立て管150に接続されている。詳細には、竪管130bは、横引き管130aの略垂直下方に延在して、垂下部を形成しサイホン力(例えば、負圧力)を発生させる。
本例の排水システム100では、まず水廻り器具EWの流出口とサイホン排水管130の横引き管130aとの高低差H1から、水廻り器具EWから液体を流出させる。水廻り器具EWから流出した液体(例えば、水)は、当該液体の自重(落下押し込み圧力)によって、器具排水管120から貯留槽10に流入する。貯留槽10は、液体の一部を内部に蓄えながら、残りの液体をサイホン排水管130に流出させる。
本例において、サイホン排水管130は、サイホン力による吸引力を発生させるサイホン排水路を形成する。サイホン排水路では、サイホン排水管130内に発生したサイホン力によって、サイホン排水管130からの液体の排水を促進させることができる。
本例のサイホン排水路においては、水廻り器具EWの流出口とサイホン排水管130の横引き管130aの高低差H1による、水廻り器具EWからの排水の落下押し込み圧力で、器具排水管120及びサイホン排水管130の横引き管130aを充水させ、サイホン排水管130の横引き管130aの充水により、当該サイホン排水管130の竪管130b(垂下長H2)に達した排水が当該竪管130bを落下し始め、サイホン排水管130の横引き管130aが満水状態になることで、サイホン作用が発生する。このサイホン作用を排水動力として、サイホン排水路内に発生する高速の流れにより、水廻り器具EWからの排水が行われ、排水は、管継手CJの内部へとスムーズかつ速やかに放出される。
本例では、排水システム100として、サイホン排水システムを採用したことから、排水管内部が満水状態に充填される満流排水となる。このように排水システム100として、サイホン排水システムを採用すれば、液体の排水が満流排水となるため、管内に固形物が付着するのを防止できると共に、小口径管を使用することができる。また、本例では、排水システム100として、サイホン排水システムを採用したことから、排水管を無勾配で配置することができる。このように排水システム100として、サイホン排水システムを採用すれば、排水管を無勾配で配置することができることにより、排水管を配置する床下の空間高さを低くすることが可能になる。また本例では、排水システム100として、サイホン排水システムを採用したことから、排水元(例えば、各種水廻り器具EW)から立て管VPまでの延長距離(例えば、水廻り器具EWの流出口からサイホン排水管130の竪管130bまでの水平長L)を長くすることができ(図44参照)、ひいては、居室レイアウトの自由度を上げることが可能となる。
ところで、サイホン排水システムを採用した排水システム100では、水廻り器具EWから一度に多量の液体の排水が行われることを想定し、器具排水管120とサイホン排水管130との間に、貯留槽10が設けられている。貯留槽10は、排水の促進(サイホン力の発生)が開始されるまでの間、水廻り器具EWから一度に排水された多量の水を一時的に蓄えることができる。
[例示的貯留槽]
図28は、例示的な貯留槽10Aの流入側を、上方から示す斜視図である。図29は、図28の貯留槽10Aの流出側を、上方から示す斜視図である。貯留槽10Aは、液体が流入する流入口A11と、前記液体が流出する流出口A12と、を有し、流入口A11から流入した前記液体を内部に貯留可能である。
図30は、貯留槽10Aを流入側から示す正面図である。また図31は、貯留槽10Aを流出側から示す背面図である。図4に示すように、貯留槽10Aは、底壁11と、底面に対して起立する周壁12と、底面に対して起立する2つの仕切壁13と、を備えている。本実施形態では、貯留槽10Aは、天壁14を備えている。天壁14は、周壁12の上端と繋がっている。これにより、貯留槽10Aの内部には、底壁11と、周壁12と、天壁14と、で区画された空間が形成されている。なお、貯留槽10Aでは、周壁12には、通気口H12が形成されている。通気口H12は、貯留槽10Aの内部空間を外界に通じさせる。これにより、貯留槽10Aの内部が負圧になることを防止する。
図32は、貯留槽10Aを上方から示す平面図である。図33は、貯留槽10Aを下方から示す底面図である。図33に示すように、貯留槽10Aにおいて、周壁12は、流入口A11が形成されている流入口部分12aと、流入口部分12aと対向していると共に流出口A12が形成されている流出口部分12bと、を備えている。この例では、周壁12は、流入口部分12aと、流出口部分12bと、流入口部分12aと隣接する流入側隣接部分12cと、流出口部分12bと隣接する流出側隣接部分12dと、側面部分12eと、を備えている。更にこの例では、周壁12は、流入側隣接部分12cと側面部分12eとを繋ぐ流入側隅部分12fと、側面部分12eと流出側隣接部分12dとを繋ぐ流出側隅部分12gと、を備えている。
図33に示すように、貯留槽10Aでは、底壁11は、周壁12によって区画されている。図32に示すように、天壁14も、底壁11と同様に、周壁12によって区画されている。なお、この例では、天壁14は、2つの開口部A13を有している。開口部A13は、貯留槽10Aの内部空間を外界に通じさせる。またこの例では、周壁12は、天壁14の側において、流入側隅部分12f及び流出側隅部分12gのそれぞれの位置において、窪み部12hを有している。
図34は、図30のA-A断面図である。図34は、貯留槽10Aの最大断面である。図35は、図30のB-B断面図である。図35は、流入口A11の中心Oaを通る断面である。図36は、図31のC-C断面図である。図36は、流出口A2の中心Obを通る断面である。図34等に示すように、貯留槽10Aは、流入口A11と流出口A12との間を延在している液体通過領域R1と、液体通過領域R1を挟んだ両側のそれぞれの位置に配置されている液体滞留領域R2と、を備える。貯留槽10Aでは、液体通過領域R1は、流入口A11と流出口A12とを結び、流入口A11から流入した液体を流出口A12に案内する。液体通過領域R1は、平面視で曲線状にしたり、ジグザグ状に延在することも可能である。この例では、液体通過領域R1は、図34~図36に示すように、直線状に延在している。これにより、液体通過領域R1は、流入口A11と流出口A12とを結ぶ液体通過路として最短の経路となる。
一方、図34等に示すように、2つの液体滞留領域R2は、液体通過領域R1を挟んだ両側のそれぞれの位置にあって、液体通過領域R1と隣接する位置に配置されている。2つの液体滞留領域R2は、それぞれ、流入口A11から流入した液体を滞留させることができる。
また、図34等に示すように、貯留槽10Aでは、周壁12の流入口部分12aは、流入口部分12aと隣接する流入側隣接部分12cよりも流出側に窪んでいる。この例では、図34等に示すように、周壁12の流入側隣接部分12cは、2つの流入側隅部分12j及び12iを介して流入口部分12aに繋がっている。
また、貯留槽10Aでは、周壁12の流出口部分12bは、流出側隣接部分12dよりも流出側に突出している。この例では、図34等に示すように、周壁12の流出側隣接部分12dは、流出口部分12bに繋がっている。
図37は、貯留槽10Aの右側面を示す右側面図である。図38は、貯留槽10Aの左側面を示す左側面図である。図37等に示すように、貯留槽10Aでは、流入口A11は、周壁12の流入口部分12a及び流出口部分12bを除く周壁12よりも下側に位置されている。流出口A12も、流入口A11と同様、周壁12の流入口部分12a及び流出口部分12bを除く周壁12よりも下側に位置されている。
図39は、図32のD-D断面図である。図39は、貯留槽10Aを二分する断面である。図39は、貯留槽10Aの内部における、液体通過領域R1と液体滞留領域R2との内部構造を示す。図40は、図32のE-E断面図である。図40は、貯留槽10Aの内部における、液体滞留領域R2の内部構造を示す。図39に示すように、貯留槽10Aでは、流入口A11は、周壁12の流入口部分12aに形成された流入路P1で構成されている。また流出口A12は、周壁12の流出口部分12bに形成された流出路P2で構成されている。貯留槽10Aでは、液体通過領域R1は、周壁12の流入口部分12aの内面12faと、底壁11のうち、当該底壁11の下側部分11aの内面(底面)11faと、周壁12の流出口部分12bの内面12fbと、で構成されている。貯留槽10Aでは、図39に示すように、液体通過領域R1の底面F1は、平坦な面で構成されている。この例では、液体通過領域R1の底面F1は、周壁12の流入口部分12aの内面12faのうち、当該内面12faの最下端(流入口部分12aの液体流通方向に延在する最も下側の延在端)12fa1と、底壁11の下側部分11aの内面11faのうち、当該内面11faの最下端(下側部分11aの液体流通方向に延在する最も下側の延在端)12fa1と、周壁12の流出口部分12bの内面12fbのうち、当該内面12fbの最下端(流出口部分12bの液体流通方向に延在する最も下側の延在端)最下端12fb1と、で構成されている。
なお、図40において、符号12fp1は、流入路P1の最下端(流入路P1の液体流通方向に延在する最も下側の延在端)である。また符号12fp2は、流出口部分12bに形成された流出路P2の最下端(流出路P2の液体流通方向に延在する最も下側の延在端)である。図40等に示すように、貯留槽10Aでは、底壁11の下側部分11aの最下端(底面)11fa1は、下流に向かって下方に傾斜しており、流出口A12は、流入口A11よりも低い位置に設けられている。
一方、図34等に示すように、2つの液体滞留領域R2は、それぞれ、平面視において、周壁12のうち、流入口部分12a及び流出口部分12bを除いた周壁12と、液体通過領域R1と、で区画されている。詳細には、2つの液体滞留領域R2は、それぞれ、平面視において、流入側隅部分12iの内面12fiと、流入側隅部12jの内面12fjと、流入側隣接部分12cの内面12fcと、流入側隅部分12fの内面12ffと、側面部分12eの内面12feと、流出側隅部分12gの内面12fgと、流出側隣接部分12dの内面12fdと、液体通過領域R1と、で区画されている。更に、2つの液体滞留領域R2は、それぞれ、図41等に示すように、底壁11のうち、当該底壁11の上側部分11bの内面(底面)11fbと、天壁14の内面(天面)14fと、で構成されている。なお、貯留槽10Aでは、図40に示すように、液体滞留領域R2の底面F2は、平坦な面で構成されている。本実施形態では、液体滞留領域R2の底面F2は、底壁11の上側部分11bの内面11fbで構成されている。
図41は、図32のF-F断面を流入側から示す斜視図である。F-F断面は、天壁14の2つの開口部A13の中心軸を含む平面の断面である。図41に示すように、液体通過領域R1には、溝部Gが配置されている。溝部Gは、流入口A11と流出口A12との間に配置されている。図41等に示すように、貯留槽10Aでは、溝部Gの一部は、底壁11の下側部分11aの内面11faで形作られている。貯留槽10Aでは、底壁11の下側部分11aは、底壁11の上側部分11bに対して窪んでいる。この例では、底壁11の下側部分11aの内面11faは、最深面11fa1と2つの側面11fa2とで構成されている。最深面11fa1は、底壁11のうちの、最も深い面(最下端)である。最深面11fa1は、側面11fa2を介して、底壁11の上側部分11bの内面11fbに繋がっている。最深面11fa1は、側面11fa2に対して液体通過領域R1の延在方向視で曲線からなる曲面で繋がっている。側面11fa2は、上側部分11bの内面11fbに対して液体通過領域R1の延在方向視で曲線からなる曲面で繋がっている。
また貯留槽10Aでは、溝部Gの一部は、周壁12の流出口部分12bの内面12fbで形作られている。図37等に示すように、貯留槽10Aでは、周壁12の流出口部分12bは、流出口A2が流出側隣接部分12dよりも下側の位置になるように、下側に延在している。図41に示すように、この例では、周壁12の流出口部分12bの内面12fbは、最深面12fb1と2つの側面11fb2とを含んでいる。最深面12fb1は、側面12fb2に対して液体通過領域R1の延在方向視で曲線からなる曲面で繋がっている。側面12fb2は、底壁11の下側部分11aの側面11fa2と同一平面を構成している。最深面12fb1は、周壁12の流出口部分12bの内面12fbのうちの、最も深い面(最下端)である。最深面12fb1は、底壁11の下側部分11aの最深面11fa1と同一平面を構成している。また最深面12fb1は、側面12fb2を介して、仕切壁13の内面13f1に繋がっている。側面12fb2は、仕切壁13の内面13f1と同一平面を構成している。
更に図35等に示すように、貯留槽10Aでは、溝部Gの一部は、周壁12の流入口部分12aの内面11faで形作られている。図37等に示すように、貯留槽10Aでは、周壁12の流入口部分12aは、流入口A11が流入側隣接部分12cよりも下側の位置になるように、下側に延在している。図35に示すように、この例では、周壁12の流入口部分12aの内面12faは、最深面12fa1と2つの側面11fa2とで構成されている。最深面12fa1は、側面12fa2に対して液体通過領域R1の延在方向視で曲線からなる曲面で繋がっている。側面12fa2は、底壁11の下側部分11aの側面11fa2と同一平面を構成している。図39等に示すように、最深面12fa1は、周壁12の流入口部分12aの内面12faのうちの、最も深い面(最下端)である。最深面12fa1は、底壁11の下側部分11aの最深面11fa1と同一平面を構成している。また図35等に示すように、最深面12fa1は、側面12fa2を介して、流入側隅部分12iの内面12fiに繋がっている。
図36等に示すように、2つの仕切壁13は、流出口A12に向かって延在している。貯留槽10Aでは、流出口A12を確保するように流出口A12に向かって延在している。ここで、「流出口A12を確保する」とは、「流出口A12の開口を閉じない」ことをいう。
また図39に示すように、貯留槽10Aでは、仕切壁13は、当該仕切壁13から前記液体が越流可能な高さH13を有している。この例では、仕切壁13の高さH13は、液体通過領域R1の底面F1からの高さである。これにより、液体通過領域R1を通る液体は、当該液体の水頭が一定以上となると、液体滞留領域R2に流すことができる。
また図39等に示すように、貯留槽10Aでは、仕切壁13の高さH13は、流出口A12に向かうに従って高くなる。図39等に示すように、この例では、仕切壁13の頂面13f2は、側面視の断面形状が流出側に向かって凸の曲線からなる曲面である。図39に示すように、この例では、仕切壁13の頂面13f2の曲線は、曲率半径R13で構成されている。
貯留槽10Aでは、仕切壁13は、周壁12の流出口部分12bの一部として構成されている。仕切壁13は、溝部Gと隣接している位置から起立している。図42は、図32のG-G断面を流入側から示す斜視図である。G-G断面は、周壁12と底壁11との境界を含む平面の断面である。図42等に示すように、貯留槽10Aでは、仕切壁13の内面13f1は、周壁12の流出口部分12bの内面12fbのうち、当該内面12fbの側面12fb2に繋がっていると共に、当該側面12fb2と同一平面を構成している。また貯留槽10Aでは、周壁12の流出口部分12bと隣接する当該周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdは、仕切壁13の頂面13f2に繋がっていると共に、当該仕切壁13の頂面13f2と同一面を形作っている。ここで、「同一面」とは、「滑らかに繋がる連続的な面」をいい、「平面」及び「曲面」のいずれの面も含まれる。
図43は、図32のG-G断面図である。図43に示すように、貯留槽10Aでは、仕切壁13の頂面13f2の端縁部13eは、貯留槽10Aの内部に向かって凸の曲面である。
また図40に示すように、貯留槽10Aでは、周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdは、側面視の断面形状が流出側に向かって凸の曲線からなる曲面である。図40に示すように、本実施形態では、流出側隣接部分13dの内面13fdは、底壁11側の曲線は大きな曲率半径Rd11で構成されている。この例では、曲率半径Rd11は、仕切壁13の頂面13f2の曲線を形作る曲率半径R13と同一である。一方、天壁14側の曲線は、底壁11側の曲線よりも小さな曲率半径Rd14で構成されている。
本願発明者は、鋭意、試験・研究の結果、サイホン排水システムに用いられる貯留槽において、当該貯留槽の流出口付近の液体の水頭を迅速に高めた場合、多くの液体を迅速かつスムーズに流出させることができ、ひいては、サイホン力が発生するまでの時間を短縮できることを見出した。本実施形態に係る貯留槽10Aは、流出口A2付近の液体の水頭を迅速に高めた場合、多くの液体を迅速かつスムーズに流出させることができることに着目してなされたものである。
図39等に示すように、貯留槽10Aは、液体が流入する流入口A11と、前記液体が流出する流出口A12と、を有し、流入口A11から流入した前記液体を内部に貯留可能な貯留槽である。貯留槽10Aは、底面に対して起立する周壁12と、底面に対して起立する2つの仕切壁13と、を備えており、周壁12は、流入口A11が形成されている流入口部分12aと、流入口部分12aと対向していると共に流出口A12が形成されている流出口部分12bと、を備えている。2つの仕切壁13は、流出口A12に向かって延在している。
貯留槽10Aによれば、仕切壁13を設けたことにより、矢印D1に示すように、流出口A12への液体の流れを確保しつつ、流出口A12付近の液体の水頭を迅速に高めることができる。流入口A11から流入した前記液体(排水)が少量の場合であっても、貯留槽10Aによれば、貯留槽10A内に仕切壁13を設けたことにより、流出口A12付近の液体の水頭を迅速に高めることができ、結果的に、サイホン起動を発生させ易くなる。例えば、液体が流入口A11から大量に流入する場合であっても、最初の段階において、流出口A12付近に到達する液体は少量である。このように、流出口A12付近の液体が少量であっても、貯留槽10Aによれば、貯留槽10A内に仕切壁13を設けたことにより、流出口A12付近の液体の水頭を迅速に高めることができ、結果的に、サイホン起動を発生させ易くなる。このため、本実施形態に係る貯留槽10Aによれば、多くの液体を迅速かつスムーズに流出させることができる。特に貯留槽10Aのように、サイホン排水システムに対して貯留槽10Aを用いれば、多くの液体を排水する場合であっても、サイホン力が発生するまでの時間を短縮することができる。
また図39に示すように、貯留槽10Aにおいて、仕切壁13は、当該仕切壁13から前記液体が越流可能な高さH13を有している。この場合、流出口A12付近の液体の水頭が一定以上となると、図42等の矢印D2に示すように、当該流出口A12付近の液体を仕切壁13から逃がすことができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体の流れが流出口A2付近で阻害され難く、より迅速かつスムーズな排水が可能になる。
また図39に示すように、貯留槽10Aにおいて、仕切壁13の高さH13は、流出口A12に向かうに従って高くなっている。この場合、流出口A12付近の液体の水頭を高めつつ、当該流出口A12から離れるに従って、仕切壁13から逃がす液体の量を増加させることができる。このため、貯留槽10Aによれば、サイホン力が発生するまでの時間の短縮と、スムーズな排水とのバランス(両立)を図ることができる。
また図39に示すように、貯留槽10Aにおいて、流出口A12は、流入口A11よりも低い位置に設けられている。この場合、より迅速かつスムーズな排水が可能になる。このため、貯留槽10Aによれば、サイホン力が発生するまでの時間をより短縮することができる。
また図42等に示すように、貯留槽10Aにおいて、仕切壁13は、周壁12の流出口部分12bの一部として構成されており、周壁12の流出口部分12bと隣接する当該周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdは、仕切壁13の頂面13f2に繋がっていると共に、当該仕切壁13の頂面13f2と同一面を形作っている。この場合、矢印D2に示すように、仕切壁13から逃がした液体を、周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdに沿って更に逃がすことができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体の流れが流出口A12付近でより阻害され難く、より迅速かつスムーズな排水が可能となる。
また図43に示すように、貯留槽10Aにおいて、仕切壁13の頂面13f2の端縁部13eは、貯留槽10Aの内部に向かって凸の曲面である。この場合、矢印D2に示すように、流出口A12付近の液体を、仕切壁13から周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdに沿って効率的かつスムーズに逃がすことができる。このため、貯留槽10Aによれば、迅速かつスムーズな排水を効率的に行うことが可能となる。
また図40等に示すように、貯留槽10Aにおいて、周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdは、側面視の断面形状が流出側に向かって凸の曲線からなる曲面である。この場合、矢印D3に示すように、仕切壁13から逃がした液体を、上下方向(縦方向)の対流(循環)を生じさせながら、周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdに沿って更に逃がすことができる。このため、貯留槽10Aによれば、更に迅速かつスムーズな排水が可能となる。
特に図34等に示すように、貯留槽10Aは、流入口A11と流出口A12との間を延在している液体通過領域R1と、液体通過領域R1を挟んだ両側のそれぞれの位置に配置されている液体滞留領域R2と、を備えている。この場合、矢印D1及びD2に示すように、液体通過領域R1に液体を流しつつ、当該液体の残りを液体滞留領域R2内に滞留させることができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体通過領域R1の延在方向長さの長大化を抑制しつつ、より多くの液体を液体滞留領域R2に貯留することができる。従って、貯留槽10Aによれば、液体の流れが流出口A12付近で阻害され難く、より多くの液体を迅速かつスムーズな排水を一定量だけ連続して行うことが可能になる。加えて、この場合、液体通過領域R1から流れた液体は、矢印D4に示すように、液体通過領域R1と液体滞留領域R2との間で対流(循環)させることができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体通過領域R1の延在方向長さの長大化を抑制しつつ、更に多くの液体を迅速かつスムーズに排水することができる。更にこの場合、液体通過領域R1から流れた液体が、液体通過領域R1と液体滞留領域R2との間で対流することから、貯留槽10Aの内部に汚れが付着し難くなる。これにより、貯留槽10Aの洗浄に必要な作業の回数を削減することができる。
さらに、貯留槽10Aによれば、液体滞留領域R2は、液体通過領域R1を挟んだ両側のそれぞれの位置に配置されているので、液体滞留領域R2の容積を確保するためには、例えば、当該液体滞留領域R2が延在する方向の寸法(面積)を大きくするだけで済み、液体滞留領域R2の高さ、ひいては貯留槽10Aの高さを高くしないようにすることができる。従って、貯留槽10Aのように、例えば、貯留槽10Aを、液体通過領域R1を挟んだ両側で液体滞留領域R2が延在する方向を水平方向とし、周壁12の立設方向が鉛直方向となるように、床スラブFS等に設置すれば、床下空間Sの高さを大きく確保することなく、多くの液体を迅速かつスムーズに排水することもできる。ここで、「貯留槽10Aの高さ」とは、貯留槽10Aの鉛直方向の高さ(寸法)である。言い換えれば、貯留槽10Aの周壁12の立設方向の高さ(寸法)である。
上記の観点から、より具体的に例えば、貯留槽10Aでは、当該貯留槽10Aの高さは、貯留槽10Aの幅より低くすることができ、好ましくは、貯留槽10Aの高さは、貯留槽10Aの幅の1/2以下であり、より好ましくは、貯留槽10Aの高さは、貯留槽10Aの幅の1/3以下である。ここで、「貯留槽10Aの幅」とは、互いに対向する貯留槽10Aの周壁12のうち、貯留槽10Aの高さ方向及び液体通過領域R1の延在方向に対して直交する方向の、2つの周壁12の間の最大幅である。即ち、図34を参照すれば、図面上下方向に配置された貯留槽1Aにおける2つの周壁(側壁)12eの外面の間の幅(寸法)である。
また図34等に示すように、貯留槽10Aでは、周壁12の流入口部分12aは、当該流入口部分12aと隣接する当該周壁12の流入側隣接部分12cよりも流出側に窪んでいる。この場合、貯留槽10A内を流れる液体は、液体の流出方向に戻り易くなる。このため、より迅速かつスムーズに排水することができる。特に、貯留槽10Aでは、液体滞留領域R2が液体通過領域R1と隣接する位置に配置されているので、液体通過領域R1から流れた液体は、当該液体通過領域R1に戻り易くなる。即ち、貯留槽10Aでは、液体通過領域R1と液体滞留領域R2との間で効率的に対流させることができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体通過領域R1を通して多くの液体を、より迅速かつスムーズに排水することができる。また貯留槽10Aでは、貯留槽10Aの内部に汚れが更に付着し難くなる。これにより、貯留槽10Aの洗浄に必要な作業の回数を更に削減することができる。
また図42等に示すように、仕切壁13は、溝部Gと隣接している位置から起立している。貯留槽10Aでは、溝部Gは、液体通過領域R1に配置されている。この場合、少量の液体であっても当該液体を溝部Gにより迅速に集めることができる。このため、更に迅速かつスムーズな排水が可能になる。貯留槽10Aでは、仕切壁13は、液体通過領域R1に配置された溝部Gと隣接している位置から起立している。この場合、少量の液体であっても当該液体を液体通過領域R1に迅速に集めることができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体通過領域R1通して多くの液体を、更に迅速かつスムーズに排水することができる。特に、この場合、仕切壁13は、液体通過領域R1に配置された溝部Gと隣接している位置から起立しているため、流出口A12付近の液体の水頭をより迅速に高めることができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体通過領域R1を通して多くの液体を、更に一層迅速かつスムーズに排水することができる。
また図34等に示すように、貯留槽10Aでは、周壁12の内面12fのうち、平面視で貯留槽10Aの内部に隅部を形作る当該周壁12の内面12fは、平面視の輪郭形状が曲線からなる曲面である。貯留槽10Aでは、例えば、流入側隅部分12iの内面12fi、流入側隅部分12jの内面12fj及び流入側隅部分12fの内面12ff、流出側隅部分12gの内面12fgは、それぞれ、平面視の輪郭形状が曲線からなる曲面である。この場合、液体通過領域R1から流れた液体を、液体通過領域R1と液体滞留領域R2との間でより効率的に対流させることができる。従って、貯留槽10Aによれば、多くの液体をより一層スムーズに排水することができると共に、貯留槽10Aの洗浄に必要な作業の回数を更に一層削減することができる。
ところで、本願発明者は、鋭意、試験・研究の結果、サイホン排水システムに用いられる貯留槽において、当該貯留槽の流出口付近に液体を集めた場合も、多くの液体を迅速かつスムーズに流出させることができ、ひいては、サイホン力が発生するまでの時間を短縮できることを見出した。本実施形態に係る貯留槽10Aは、流出口A12付近に液体を集めた場合、多くの液体を迅速かつスムーズに流出させることができることに着目してなされたものである。
貯留槽10Aでは、周壁12の流出口部分12bは、周壁12の前記流出口部分12bと隣接する当該周壁12の流出側隣接部分12dよりも流出側に突出している。この場合、流出口A12付近に液体を集め易い構造となる。このため、貯留槽10Aによれば、多くの液体を迅速かつスムーズに流出させることができる。特に貯留槽10Aのように、サイホン排水システムに対して貯留槽10Aを用いれば、多くの液体を排水する場合であっても、サイホン力が発生するまでの時間を短縮することができる。
図44は、図32のH-H断面図である。H-H断面は、周壁12の流出側隣接部分12dの上端を含む平面の断面である。図44に示すように、貯留槽10Aでは、周壁12の流出口部分12bの内面12fbは、液体流通方向視の断面形状がレーストラック形状である。この場合、流出口A12付近に液体をより集め易い構造となる。貯留槽10Aでは、レーストラック形状は、横方向(水平方向)に延びる偏平な形状である。例示的なレーストラック形状としては、片側に1つの中心O1が配置された片側単心円のレーストラック形状、片側に2つの中心O1及び中心O2が配置された片側二心円のレーストラック形状、片側に3つの中心O1、中心O2及び中心O3が配置された片側三心円のレーストラック形状が挙げられる。更に片側三心円のレーストラック形状としては、3つの中心O1~O3が整列した片側正三心円のレーストラック形状、2つの中心O1及び中心O3との間の1つの中心O2が外側に配置された片側鋭三心円のレーストラック形状、2つの中心O1及び中心O3との間の1つの中心O2が内側に配置された鈍三心円のレーストラック形状が挙げられる。本実施形態では、流出口A2の断面形状は、片側鋭三心円のレーストラック形状に類似する形状である。なお、本実施形態では、1つの中心O2を挟んだ、2つの中心O1及び中心O2が非整列であって、A-B間は直線である。またそれ以外の間は曲線である。
なお、液体を集め易いという点では、周壁12の流出口部分12bの内面12fbは、液体流通方向視の断面形状をレーストラック形状とすることが最適である。一方、周壁12の流出口部分12bの内面12fbは、液体流通方向視の断面形状を、円形状、楕円形状とすることも可能である。周壁12の流出口部分12bの内面12fbが液体流通方向視において、円形、楕円の場合、大流量の液体を流し易くなる。但し、円形状、楕円形状の断面形状は、大流量に特化させた場合の断面形状である。このため、貯留槽10Aのように、液体を連続で流したい場合には特に、図45等に例示するようなレーストラック形状であることが好ましい。
特に、貯留槽10Aでは、図34等に示すように、周壁12の流出口部分12bの内面12fbは、流出口A12に向かうに従って先細りする曲面を含んでいる。この場合、流出口A12付近に液体をより集め易い構造となる。
ところで、図43に示すように、貯留槽10Aでは、液体滞留領域R2の底面F2は、液体通過領域R1の延在方向視で、液体通過領域R1に向かうに従って下方に傾斜し、当該液体通過領域R1の底面F1に繋がる平面である。この場合、液体滞留領域R2の液体は、当該液体滞留領域R2の底面F2を伝って、液体通過領域R1に流れ込み易くなる。このため、貯留槽10Aによれば、液体通過領域R1を通して多くの液体を、よりスムーズに排水することができる。貯留槽10Aでは、液体滞留領域R2の底面F2は、水平軸(図43では、水平面を液体通過領域R1の延在方向視したときに現れる直線Oyで示す。)に対して角度θ11bで傾斜している。角度θ11bは、貯留槽10の内容量、大きさ等に応じて、適宜設定することができる。角度θ11bとしては、例えば、0.5°~5°の角度とすることができる。角度θ11bが0.5°未満の場合、排水の対流を形成するのに効果が薄くなる。また角度θ11bが5°以上の場合、傾斜がきつくなりすぎることから、液体が流出口A12に入りきらずに水が溢れた場合、溢れた液体がうまく液体滞留領域R2に流れていかない。
ところで、貯留槽10Aでは、図43に示すとおり、2つの液体滞留領域R2の底面F2は、互いに接近するに従って下方に傾斜している。この場合、2つの液体滞留領域R2の底面F2の下端を直結すれば、液体通過領域R1は、2つの底面F2の直結部分を溝底とするV溝とすることができる。或いは、2つの液体滞留領域R2の底面F2の下端を平面を介して連結すれば、液体通過領域R1は、前記平面を溝底とする台形V溝とすることもできる。これらの液体通過領域R1の底面F1はいずれも2つの液体滞留領域R2の底面F2と同一の高さ位置にある。
これに対し、図39等に示すように、貯留槽10Aでは、液体通過領域R1の底面F1は、液体滞留領域R2の底面F2よりも低い位置に配置されている。この場合、多くの液体を液体通過領域R1に集めることができる。このため、貯留槽10Aによれば、液体通過領域R1を通して多くの液体を、よりスムーズに排水することができる。貯留槽10Aでは、液体通過領域R1に溝部Gを配置している。流出口A12の最下端12fP2が液体滞留領域R2の底面F2よりも低い位置に配置されている。
また図39~図43等に示すように、貯留槽10Aでは、少なくとも液体滞留領域R2における周壁12の内面12fは、周壁12の延在方向視の断面形状が貯留槽1Aの内部から外向きに凸の曲線からなる曲面である。この場合、液体通過領域R1から流れた液体は、上下方向(縦方向)の対流(循環)が生じながら、周壁12の流出側隣接部分12dの内面12fdに沿って更に逃げる。このため、本実施形態によれば、液体通過領域R1と液体滞留領域R2との間の対流をより効率的に行うことができる。従って、貯留槽10Aによれば、多くの液体をより一層スムーズに排水することができると共に、貯留槽10Aの洗浄に必要な作業の回数を更に一層削減することができる。
また貯留槽10Aでは、液体通過領域R1は、図30及び図31に示すように、流出口A12が、液体の流通方向視(液体通過領域R1の延在方向視)で、流入口A11の少なくとも一部と一直線上に重なるように整列されている。
図30を参照すると、流入口A11及び流出口A12の整列に関する具体例としては、例えば、以下の、(1)~(3)のいずれかを組み合わせる方法が挙げられる。
(1)流入口A11の中心Oaと、流出口1bの中心Obと、を、液体通過領域R1の延在方向視で、同一の鉛直線Oz上に整列させる。
(2)流入口A11の内径の大きさ(流入口A11の半径raの大きさ)と、流出口A12の内径の大きさ(流出口A12の半径rbの大きさ)と、を調整する。
(3)流入口A11の中心Oaと、流出口A12の中心Obとの、鉛直方向(鉛直線Ozの方向)の間隔ΔZを調整する。
貯留槽10Aでは、(1)~(3)の全ての方法を使用して、流出口A12が、液体通過領域Rの延在方向視)で、流入口A11の少なくとも一部と一直線上に重なるように整列させている。特に、図30に示すように、貯留槽10Aでは、(2)において、流出口A12の内径の大きさが流入口A11の内径の大きさよりも小さくなるように設定している。これにより、流出口A12から流出される液体の量は、流入口A11から流入する液体の量に比べて小さくなる。また貯留槽10Aでは、図30に示すように、(3)において、流入口A11の中心Oaと、流出口A12の中心Obとは、流入口A11の開口内下端部に、流出口A12の開口内上端が重なるように、鉛直方向の間隔ΔZを調整している。
[他の例示的貯留槽]
図45は、他の例示的貯留槽10Bの流入側を、上方から示す斜視図である。貯留槽10Bでは、周壁12は、液体通過領域R1と、液体通過領域R1の両側に配置された2つの液体滞留領域R2とを取り囲んで、貯留槽10Bの外形形状をバタフライ形(H形)に形作っている。貯留槽10Bでは、仕切壁13は、周壁12と異なる壁である。
上述したところは、本発明の例示的な実施形態を説明したものであり、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。例えば、貯留槽10は、樹脂による射出成形によって一体に製造することができる。特に貯留槽10Aは、ブロー成形することができる。但し、貯留槽10の製造方法は、射出成形に限定されない。貯留槽10には、周壁12の上端に形成された天壁14の有無は問わない。また、本発明に係る排水管構造および排水システム100の構成は、上記の構成に限定されるものではない。例えば、器具排水管120及びサイホン排水管130は、それぞれの上流側部分(横引き管)と下流側部分(竪管)とが一体の排水管で説明したが、上流側部分(横引き管)と下流側部分(竪管)とを別体の排水管とし、これらの排水管を互いに接続させることにより、器具排水管120又はサイホン排水管130とすることができる。また、上述した貯留槽10A又は貯留槽10Bに採用された様々な構成は、相互に適宜、置き換えることができる。
1:消音器, 2:通気管, 3:管状通路, 3t:折り返し通路, A1:入口部,31:三叉分岐通路, 31a:三叉分岐通路の流入通路, 31b:三叉分岐通路の一方側流出通路, 31be:一方側流出通路の末端, 31c:三叉分岐通路の他方側流出通路, 31J:分岐部, 32:共用壁, 33:(中抜き)溝, 4:通気管の通路, 10:貯留槽, 50:棒状部材, 51:閉塞部材, 60:高圧洗浄用ホース, 61:高圧洗浄ノズル, 70:清掃工具, 71:棒状部材, 72:ブラシ(閉塞部材), 70A:直線状の清掃工具, 71A:直線状の棒状部材, 72A:ブラシ(閉塞部材), 70B:曲げ癖のある清掃工具, 71A:曲げ癖のある棒状部材, 72A:ブラシ(閉塞部材), 101:消音器ユニット, 110:連通部, 120:流入管, 130:流出管(サイホン排水管), 140:流出管側配管部, 150:貯留槽側配管部, 151:挿入制限部, 160:排気側通気管, A1:入口部, A2:出口部, A3:導入口部, M1:下側部材, M2:上側部材

Claims (9)

  1. 通気管が接続配管部を介して接続された排水管に洗浄液を流すことによって、前記排水管の清掃を行う、排水管の清掃方法であって、
    閉塞部材が設けられた棒状部材を、前記通気管の通路に挿入することによって、前記通気管に形成された、前記接続配管部に通じる開口部を、前記閉塞部材で閉塞するステップと、
    前記開口部を閉塞した後、前記排水管の前記通路に洗浄液を流すステップと、
    を含む、排水管の清掃方法。
  2. 前記通気管は、前記排水管よりも高い位置にある、請求項1に記載の排水管の清掃方法。
  3. 前記通気管は、前記通気管に形成された、前記棒状部材の挿入口から、前記開口部までの間が水平に延びている、請求項1または2に記載の排水管の清掃方法。
  4. 前記閉塞部材は、ブラシである、請求項1~3のいずれか1項に記載の排水管の清掃方法。
  5. 前記通気管は、当該通気管の前記通路の、前記棒状部材の挿入口と前記接続配管部に通じる前記開口部を挟んで反対側の位置に、前記棒状部材を突き当て可能な挿入制限部を備えている、請求項1~4のいずれか1項に記載の排水管の清掃方法。
  6. 前記接続配管部は、消音器を備えている、請求項1~5のいずれか1項に記載の排水管の清掃方法。
  7. 前記排水管は、貯留槽に接続されており、前記通気管は、前記貯留槽に接続されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の排水管の清掃方法。
  8. 前記通気管は、1つの下流通気管に合流する2つの上流通気管のうちのいずれか一方であり、
    前記2つの上流通気管のうちのいずれか一方は、前記下流通気管に対して当該下流通気管と同一方向に指向するように方向付けられている、請求項1~7のいずれか1項に記載の排水管の清掃方法。
  9. 前記排水管は、サイホン排水管である、請求項1~8のいずれか1項に記載の排水管の清掃方法。
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