JP7328035B2 - グロメット、グロメット止水構造、及びワイヤハーネス - Google Patents
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Description
図1において、ワイヤハーネス1は、自動車の所定位置に配索される。ワイヤハーネス1は、自動車に搭載される電装機器同士を電気的に繋いだり、電源から電装機器に電力を供給したりするために備えられる。ワイヤハーネス1は、一又は複数本の電線2と、この電線2を収容保護するコルゲートチューブ3と、コルゲートチューブ3の端末部分4に組み付けられるグロメット5と、このグロメット5を端末部分4に組み付け固定するための結束部材6と、図示しないコネクタ等とを備えて構成される。尚、コルゲートチューブ3はグロメット5にとって、特許請求の範囲に記載された「取り付け相手」に相当するものとする。「取り付け相手」は所謂、外装部材であって、コルゲートチューブ3以外としては、例えば円形の金属パイプが挙げられるものとする。以上のようなワイヤハーネス1は、高電圧用のもの、低電圧用のもののいずれであってもよいものとする。
図1及び図3において、電線2は、電力線や信号線等、様々な用途のものであって、太さや材質も様々である。電線2は、導体と、この導体を被覆する絶縁体とを備えて構成される。導体は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金等の導電性を有する金属部分であって、例えば素線を撚り合わせて形成される。導体は、断面円形状に形成される。絶縁体は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の絶縁性を有する樹脂部分であって、導体の周囲に断面円筒形状に押出成形される。絶縁体は、導体に対する被覆部材であって、所定の厚みに形成される。電線2は、細物の電線に限らず高圧用の太物の電線であってもよいものとする。また、電線2は、編組を含むシールド電線や、平形電線等であってもよいものとする。
図1ないし図3において、コルゲートチューブ3は、上記の如く電線2を収容保護するために備えられる。別な言い方をすれば、コルゲートチューブ3は、電線2を保護する外装部材として備えられる。コルゲートチューブ3は、断面視円形状でスリットのない状態(腹割きなしの状態)に形成される。図3の中心線CLをコルゲートチューブ3の中心軸及び後述するグロメット筒部14の中心軸であるとすると、コルゲートチューブ3は中心線CLの方向に蛇腹凸部8及び蛇腹凹部9が交互に配置される蛇腹管形状に形成される。コルゲートチューブ3は柔軟性を有し、所望の曲げが可能に形成される。蛇腹凸部8は、コルゲートチューブ3の外側から見て凸の形状部分が中心線CL回りに一周となるような部分に形成される。また、蛇腹凹部9は、同じくコルゲートチューブ3の外側から見て凹の形状部分が中心線CL回りに一周となるような部分に形成される。尚、コルゲートチューブ3の内側から見ると、上記凸の形状部分が凹の形状部分に、且つ、上記凹の形状部分が凸の形状部分になるように形成される。蛇腹凸部8及び蛇腹凹部9は、山部及び谷部と呼ばれることもある。蛇腹凸部8の山頂部10及び蛇腹凹部9の谷底部11は、中心線CL回りに一周となる環状壁に形成される。また、断面で見ると、山頂部10及び谷底部11は、中心線CLに平行な壁に形成される。蛇腹凸部8の山頂部10及び蛇腹凹部9の谷底部11は、斜め壁12で連成される。尚、蛇腹管形状のコルゲートチューブ3は、中心線CL方向の積極的な伸縮性が生じないものとする。コルゲートチューブ3は、長尺なものに樹脂成形された後に、使用に必要な長さに切断される。コルゲートチューブ3における引用符号4は、上記の如く端末部分を示す。また、引用符号13は端部を示す(端部13の位置は一例であるものとする)。以上のようなコルゲートチューブ3は、グロメット5から見れば、取り付け相手として存在する部材になる。
図1ないし図6において、グロメット5は、弾性材料にて成形される。すなわち、グロメット5は成形品である。グロメット5は、ゴム又はエラストマー製の弾性体であって、止水のための部材として備えられる。グロメット5は、コルゲートチューブ3の端末部分4に対し組み付けられる(組み付けに関しては後述するものとする)。グロメット5は、グロメット止水構造7の特徴的な部材として備えられる。グロメット5は、グロメット筒部14と、内筒部15と、外筒部16と、結束部材組み付け部17と、外筒側挟持部18と、内筒側挟持部19とを有して図示形状に形成される。
図1ないし図6において、グロメット筒部14は、円筒状の部分に形成される。尚、グロメット筒部14として図示されていない部分は、例えば蛇腹管形状やパネルに対し嵌合可能な形状、コネクタを覆う形状など様々であるものとする。本実施例のグロメット筒部14は、電線2の挿通が可能な筒形状に形成される。グロメット筒部14は、所定の厚みを有するように形成される。このようなグロメット筒部14の端部には、内筒部15が同じ厚みで連成される。
図1ないし図6において、外筒部16は、グロメット筒部14に連続する筒形状部分に形成される。詳しくは、グロメット筒部14と内筒部15との境界部分に連続するフード状の筒形状部分に形成される。外筒部16は、基端部21と、外筒本体部22とを有する。基端部21は、上記境界部分から外側に突出するような環状凸部となる部分に形成される。基端部21は、グロメット筒部14や内筒部15よりも厚肉の部分に形成される(中心線CLに沿った方向に厚肉となるように形成される)。このような基端部21の内面には、被押し付け部23が形成される。被押し付け部23は、コルゲートチューブ3の端部13からの押し付けを受ける部分に形成される。被押し付け部23は、グロメット5自体が弾性体であることから、端部13からの押し付けを受けて弾性変形するような部分に形成される。言い換えれば、端部13に対し密着可能な部分に形成される。
図3ないし図6において、外筒側挟持部18及び内筒側挟持部19は、結束部材組み付け部17の直下位置に形成される。外筒側挟持部18及び内筒側挟持部19は、結束部材6の組み付けにより生じる力(結束バンドの締め付けにより生じる力)にてコルゲートチューブ3の蛇腹凸部8の山頂部10における外面と、蛇腹凹部9の谷底部11における内面とに密着する部分に形成される。また、外筒側挟持部18及び内筒側挟持部19は、コルゲートチューブ3の蛇腹凸部8及び蛇腹凹部9を内外から適度な圧で挟持する部分にも形成される。このような外筒側挟持部18及び/又は内筒側挟持部19は、断面視凸形状となる部分(凸形状の部分25)に形成される。本実施例においては、外筒側挟持部18が凸形状の部分25に形成される。以下、凸形状の部分25について説明をする。
図1、図2、図3、及び図6において、結束部材6は、グロメット5の結束部材組み付け部17に組み付けられて、グロメット5をコルゲートチューブ3の端末部分4に組み付け固定するために備えられる。本実施例においては、結束バンドが採用される(一例であち、例えば紐が採用されてもよいものとする)。結束部材6は、結束部材組み付け部17を締め付ける幅W1の帯状部分を有するように形成される。
図3において、グロメット5は、コルゲートチューブ3の端末部分4に対し組み付けられる。グロメット5は、図4の波線Pで囲まれる内筒部15、外筒部16、被押し付け部23、結束部材組み付け部17、外筒側挟持部18、及び内筒側挟持部19が組み付け部分や止水部分として機能するようになる。以下、グロメット5とコルゲートチューブ3との組み付けの各工程を説明する。
以上、図1ないし図6を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態であるグロメット5によれば、コルゲートチューブ3の内部に挿入される内筒部15と、フード状でコルゲートチューブ3の端部13から外部にかけてを覆う外筒部16と、結束部材6の組み付け部分になる結束部材組み付け部17と、結束部材6の組み付け位置に合わせて配置される外筒側挟持部18及び内筒側挟持部19とを有することから、このような各部分を有するグロメット5でコルゲートチューブ3を覆った後に結束部材6の組み付けが行われると、外筒側挟持部18及び内筒側挟持部19にてコルゲートチューブ3を内外から適度な圧で挟持することができる。従って、止水性の高いグロメット5を提供することができるという効果を奏する。
以下、凸形状の部分25の変形例について説明をする。図7は変形例の断面図である。また、図8は図7に対する組み付け完了後の状態を示す断面図である。変形例となる凸形状の部分25は、この幅W4が一対のリブ24の幅W2よりも狭く、更には結束部材6の幅W1(図2参照)よりも狭くなるように形成される(高さHは同じである)。変形例となる凸形状の部分25は、図8に示す密着状態から分かるように、止水性の高いグロメット5である。尚、変形例となる凸形状の部分25の好ましい形状としては、幅W4が蛇腹凸部8の山頂部10の幅や蛇腹凹部9の開口幅よりも広くなるような、確実にコルゲートチューブ3に対し接触(止水)する形状が挙げられる。
Claims (9)
- 弾性材料にて筒状部分に形成されるグロメット筒部と、
該グロメット筒部に連続する筒状で弾性を有する部分、且つ、筒状の取り付け相手の端部からこの内部に挿入される部分、に形成される内筒部と、
前記グロメット筒部に連続するフード状で弾性を有する部分、且つ、前記取り付け相手の前記端部から外部にかけてを覆う部分、且つ、所定の間隔をあけて前記内筒部の外側を囲む部分、に形成される外筒部と、
該外筒部の外面に配置される部分、且つ、前記グロメット筒部の中心軸回り方向に一周にわたり配置される部分、に形成される結束部材組み付け部と、
該結束部材組み付け部の位置に合わせて前記外筒部の内面に配置される部分、且つ、前記中心軸回り方向に一周にわたり配置される部分、に形成される外筒側挟持部と、
前記結束部材組み付け部の位置に合わせて前記内筒部の外面に配置される部分、且つ、前記中心軸回り方向に一周にわたり配置される部分、に形成される内筒側挟持部と、
を有する
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項1に記載のグロメットにおいて、
前記外筒側挟持部及び/又は前記内筒側挟持部は、凸形状に形成される
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項1又は2に記載のグロメットにおいて、
前記外筒部の基端部内面には、前記取り付け相手の前記端部の押し付けを受ける被押し付け部が形成される
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項2に記載のグロメットにおいて、
前記取り付け相手は、蛇腹凸部及び蛇腹凹部が交互に配置されるコルゲートチューブであり、前記凸形状は、前記蛇腹凸部及び前記蛇腹凹部に対し複数箇所に跨るような幅を有して形成される
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項4に記載のグロメットにおいて、
前記凸形状の前記幅は、前記結束部材組み付け部に対し組み付けられる結束部材の幅よりも広く設定される
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項2に記載のグロメットにおいて、
前記凸形状の幅は、前記結束部材組み付け部に対し組み付けられる結束部材の幅よりも狭く設定される
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項5又は6に記載のグロメットにおいて、
前記結束部材組み付け部には、前記中心軸方向の前記結束部材のズレを規制する一対のリブが形成される
ことを特徴とするグロメット。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載のグロメットと、筒状に形成され且つ端部がある側に前記グロメットが取り付けられる取り付け相手と、該取り付け相手及び前記グロメットに挿通される一又は複数本の電線と、前記グロメットの結束部材組み付け部に組み付けられる結束部材とを備え、
該結束部材の組み付けにより前記グロメットの外筒側挟持部及び内筒側挟持部にて前記取り付け相手が挟持される
ことを特徴とするグロメット止水構造。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載のグロメットと、筒状に形成され且つ端部がある側に前記グロメットが取り付けられる筒状の取り付け相手である外装部材と、該外装部材及び前記グロメットに挿通される一又は複数本の電線と、前記グロメットの結束部材組み付け部に組み付けられる結束部材とを備え、
該結束部材の組み付けにより前記グロメットの外筒側挟持部及び内筒側挟持部にて前記外装部材が挟持されることで配索可能状態になる
ことを特徴とするワイヤハーネス。
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