JP7325238B2 - 熱硬化性樹脂組成物、硬化物および積層体 - Google Patents
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Description
[1] 少なくとも一部がエチルエーテル化もしくはブチルエーテル化されたメラミン樹脂(A)と、
水酸基価が150mgKOH/g以上かつ数平均分子量が62~800の低分子ポリオール(C)を含むポリオール(P)と、
Paulingの電気陰性度が1.61~1.90の金属からなるカチオンと酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸の脱プロトン化体である対アニオンとからなるルイス酸触媒、および酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化触媒(D)とを含み、
前記低分子ポリオール(C)の含有量が、前記ポリオール(P)100質量部に対して30質量部以上であり、
前記メラミン樹脂(A)と前記ポリオール(P)の総固形分質量比(A)/(P)が99/1~35/65の範囲であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
[3] 前記ポリオール(P)が、水酸基を含有する重量平均分子量が5,000~500,000であるポリマー(B)をさらに含むことを特徴とする項[1]または[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7] 項[1]~[5]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を60~160℃の温度に加熱して硬化させる工程を含むことを特徴とする硬化物の製造方法。
[9] 項[1]~[5]のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化膜を含むことを特徴とする積層体。
硬化膜の耐摩耗性に効く因子として、硬化膜の原料樹脂の単位分子(いわゆるオリゴマー、ポリマー)内における架橋に寄与する官能基数や架橋点間距離、塗膜を構成する樹脂のガラス転移温度、水素結合やπ-π結合など可逆的な結合の有無、塗膜の一部に柔軟な部位を含むか、など様々なもの挙げられるが、特に架橋に寄与する官能基数と架橋点間距離の寄与が比較的高いことが一般に知られている。
アロニックスM309(TMPTA、東亞合成(株)製)5.00gとIrgacure1173(BASFジャパン(株) 製)0.150gを混合した液を、膜厚100μmの易接着PETフィルム(コスモシャインA4300、東レ(株)製)に、バーコーター#10で塗装し、UVコンベア内を一度通過させてUV照射(無電極Hバルブ 240W/cm2,出力100%、ランプ高さ70mm、コンベア速度9.5m/分,積算光量400mJ/cm2, Electronic Instrumentation & Technology, Inc.,社製 UV Power PuckIIにて測定)して硬化膜を作成した。
アロニックスM309をアロニックスM305(PETTA/PETA混合物、東亞合成(株)製)に変え、酢酸ブチル(純正化学(株)製)5.15gを加え、バーコーター#20で塗装した後に、溶剤を除去するため80℃で2分乾燥させたこと以外は参考例1と同様に硬化膜を作成し、耐摩耗試験を行った。
アロニックスM305をアロニックスM402(DPPA/DPHA混合物、東亞合成(株)製)に変えたこと以外は参考例2と同様に硬化膜を作成し、耐摩耗試験を行った。
以下に示すエチル化メラミン樹脂溶液(A-1)3.89gとアルマテックスXA573(B-1)32.0g(固形分比20/80)をイソブタノール/1-メトキシ-2-プロパノール(以下「PGM」と称する)=50/50の混合溶剤を30.1g加えて良く攪拌混合し、そこに硬化触媒として硝酸アルミニウム九水和物(富士フイルム和光純薬(株)製)の5質量%PGM溶液2.72g(樹脂固形分に対する触媒量:1wt%)を加えることで不揮発分20質量%の混合液を得た。この混合液を膜厚100μmの易接着PETフィルム(コスモシャインA4300、東洋紡(株)製)にバーコーター#14で塗装し、温風乾燥機にて140℃で40秒加熱することで膜厚約3μmの硬化膜を作成し、参考例1と同様に耐摩耗試験を実施した。結果を表2に示す。
撹拌機、温度計、還流コンデンサーおよび窒素導入管を備えた4つ口フラスコにメラミン126g(1.0モル)、ホルマリン濃度が92質量%のパラホルムアルデヒド196g(6.0モル)およびエタノール276g(6.0モル)を仕込み、還流温度まで昇温した。還流温度で1時間メチロール化反応を行った後、パラトルエンスルホン酸の50質量%水溶液(水;SP値=47.9)0.180g(0.53ミリモル)を加え、還流状態にてエチルエーテル化反応を3時間行った。その後、20質量%水酸化ナトリウム溶液0.160g(0.80ミリモル)で反応生成物を中和し、次いで減圧下でエタノールおよび水を留去した後、イソブタノール(SP値=23.5)で不揮発分70質量%となるまで希釈することでエチル化メラミン樹脂溶液(A-1)を得た。得られた樹脂の数平均分子量は900、重量平均分子量は2,000であった。
アクリルポリオール「アルマテックスXA573」(三井化学(株)製)
・溶剤:酢酸n-エチルとイソプロパノールの混合溶剤
・固形分:34質量%
・固形分水酸基価:200mgKOH/g
・固形分酸価:3.9mgKOH/g
・数平均分子量:15,000
・重量平均分子量:46,000
エチル化メラミン樹脂溶液(A-1)とアルマテックスXA573(B-1)を固形分の比で30/70~100/0になるように混合し、それに合わせて総固形分20質量%になるように溶剤量を調整したこと以外は、参考例4と同様にして硬化膜を形成し、耐摩耗性評価を行った。結果を表2に示す。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「本発明の組成物」ともいう。)は、少なくとも一部がエチルエーテル化もしくはブチルエーテル化されたメラミン樹脂(A)と、水酸基価が150mgKOH/g以上かつ数平均分子量が62~800の低分子ポリオール(C)を含むポリマー(P)と、Paulingの電気陰性度が1.61~1.90の金属からなるカチオンと酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸の脱プロトン化体である対アニオンとからなるルイス酸触媒、および酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化触媒(D)とを含み、前記低分子ポリオール(C)の含有量が、前記ポリオール(P)100質量部に対して30質量部以上であり、前記メラミン樹脂(A)と前記ポリオール(P)の総固形分質量比(A)/(P)が99/1~35/65の範囲であることを特徴とする。以下に各成分の詳細を示す。
本発明で用いられるメラミン樹脂(A)は、メラミン樹脂(該メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとから得られる熱硬化性樹脂のことを指す。)のメチロール基の少なくとも一部がエチルエーテル化もしくはブチルエーテル化された樹脂をいう。
また、メラミン樹脂(A)の市販品としては、三井化学(株)製「ユーバン 20SE60」、「ユーバン 28-60」などのブチル化(ブチルエーテル化)メラミン樹脂も用いることができる。
本発明で用いられるポリオール(P)は、水酸基価が150mgKOH/g以上かつ数平均分子量が62~800の低分子ポリオール(C)を含み、その全てが低分子ポリオール(C)であってもよいし、低分子ポリオール(C)と他のポリオールを含んでもよい。
本発明で用いられるポリマー(B)としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂などが挙げられる(ただし、前記メラミン樹脂(A)を除く。)。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。ポリマー(B)は、低分子ポリオール(C)との相溶性や塗膜の耐摩耗性向上の観点から水酸基やカルボニル基を有することが好ましく、水酸基とカルボニル基をともに有するアクリル樹脂および水酸基とカルボニル基をともに有するポリエステル樹脂がさらに好ましい。
本発明で用いられる低分子ポリオール(C)は、水酸基価が150mgKOH/g以上であり、かつ、数平均分子量が62~800である。
前記低分子ポリオール(C)は、反応性の観点から、1級または2級の水酸基を1つ以上含むことが好ましく、1級の水酸基を2つ以上含むことが特に好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて前記メラミン樹脂(A)および前記ポリオール(P)以外のポリマー(b)を含んでいてもよい。例えば水酸基を持たない重量平均分子量が5,000~500,000のポリマー(例:三井化学(株)製「アルマテックス1044」等)が挙げられる。
本発明で用いられる硬化触媒(D)(以下、単に「触媒(D)」ともいう。)は、Paulingの電気陰性度が1.61~1.90の金属からなるカチオンと、酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸の脱プロトン化体である対アニオンとからなるルイス酸触媒、および酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化触媒である。pKaは(株)化学同人 ブルース有機化学 第4版および J. P. Cuthrie, Can. J. Chem. 1978, 56, 2342-2354.などに記載の値を参照した。
価格の面からは特に無機プロトン酸が好ましいが、作業者の取り扱い上の安全性や塗装設備の配管等へのダメージが少ない点からはルイス酸塩が好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて添加剤(E)を含有してもよい。このような添加剤としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、公知の添加剤を用いることができる。具体的には、顔料、染料、レベリング剤、密着付与材、安定向上剤、発泡抑制剤、耐候性向上剤、ワキ防止剤、酸化防止剤、分散剤、湿潤剤、チクソ剤および紫外線吸収剤などが挙げられる。添加剤(E)は、触媒(D)の範疇に入らないルイス酸およびプロトン酸を含んでいてもよい。また、添加剤(E)は1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物は、必要に応じて溶剤を含有してもよい。溶剤は本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン等のアルキルベンゼン系溶剤、酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチル,酢酸アミル,アセト酢酸メチル等の酢酸エステル系溶剤、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール(PGM)等のアルコール系溶剤、および水などが挙げられる。前記溶剤は1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化物は、本発明の組成物からなることを特徴とし、通常、硬化膜の形態である。また、本発明の積層体は、本発明の組成物からなる硬化膜を含むことを特徴とする。
前記硬化膜の厚さは、特に限定されず、所望の用途に応じて適宜選択すればよいが、好ましくは0.05~40μmであり、より好ましくは0.1~30μmである。
[物性]
実施例および比較例において用いた材料の物性の測定方法は下記のとおりである。
メラミン樹脂(A)、ポリマー(B)およびポリマー(b)の数平均分子量および重量平均分子量は、GPCにより、以下の条件で測定した。
装置:昭和電工(株)製Shodex GPC-101
検出器:RI-71S
カラム:昭和電工(株)製GPC KF804L(Φ8.0mm×300mm)×3本
測定温度:40℃
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/min
ポリマー(B)の水酸基価は、JIS K 1557-1(水酸基価の求め方)に準じて測定した値をいう。但し、低分子ポリオール(C)に関しては分子式と分子量から算出した計算値とした。
実施例および比較例において、組成物(コーティング材)を調製する際に用いた原料および組成物を塗布する際に用いた基材は以下のとおりである。
(A-1)エチル化メラミン樹脂溶液:参考例4に記載のとおり
・溶剤:イソブタノール
・固形分:70質量%
・数平均分子量:900
・重量平均分子量:2,000
(A-2)ブチル化メラミン樹脂:「ユーバン20SE60」(三井化学(株)製)
・溶剤:キシレン/n-ブタノール=40/60(質量比)の混合溶剤
・固形分:60質量%
・数平均分子量:1,200
・重量平均分子量:3,900
(B-1)アクリルポリオール:「アルマテックスXA573」(三井化学(株)製)
・溶剤:酢酸n-エチルとイソプロパノールの混合溶剤
・固形分:34質量%
・固形分水酸基価:200mgKOH/g
・固形分酸価:3.9mgKOH/g
・数平均分子量:15,000
・重量平均分子量:46,000
<ポリマー(b)>
(b-2)アクリルポリマー:「アルマテックス1044」(三井化学(株)製)
・溶剤:トルエン
・固形分:50質量%
・固形分水酸基価:なし
・固形分酸価:1mgKOH/g未満
・数平均分子量:31,000
・重量平均分子量:59,000
下記表3に示す低分子ポリオール(C)および本発明における低分子ポリオール(C)の範疇に含まれないポリオール(C’)を用いた。
1,6-ヘキサンジオール(1,6-HD)、2,5-ヘキサンジオール(2,5-HD)、トリメチロールプロパン(TMP)は、東京化成工業(株)製を用い、
ポリプロピレングリコール400(D-400)は、アクトコールD-400(三井化学SKCポリウレタン(株)製)を用いた。
ルイス酸はいずれも富士フイルム和光純薬(株)製をそのまま用いた。プロトン酸はそれぞれ富士フイルム和光純薬(株)製の原料をPGMで5質量%溶液に希釈した上で使用した。
・易接着PETフィルム:前記のコスモシャインA4300(東洋紡(株)、210mm×297mm×厚さ100μm)
・SUS304:JIS,G,4305((株)テストピース製、150mm×70mm×厚さ2mm)
・ポリカーボネート樹脂板:PC1600(タキロンシーアイ(株)製、100mm×100mm×厚さ2.0mm)
・ガラス板:青板硝子((株)テストピース製、150mm×100mm×厚さ2.0mm)
実施例および比較例で作成した塗膜の評価は以下のようにして行った。
参考例1に記載の方法で行った。
JIS K 5600-5-4に準じて、試験塗板面に対し約45°の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。塗膜に傷が生じなかった最も硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
JIS K 5600-5-6に順じ、碁盤目剥離試験を行った。
エチル化メラミン樹脂溶液(A-1)の固形分75質量部に対して、アルマテックスXA573(B-1)と各低分子ポリオール(C)もしくは(C’)の30質量%PGM溶液とを、両者の合計固形分が25質量部になるように、かつ、両者の合計固形分100質量%に対する成分(C)もしくは(C’)の固形分の割合が表5に記載の割合となるように混合し、イソブタノール/PGM=50/50(質量比)の混合溶媒を加えて十分に溶解混合した。次いで、触媒(D)として硝酸アルミニウム九水和物の5質量%PGM溶液を、成分(A-1)、成分(B-1)および成分(C)もしくは(C’)の総固形分100質量部に対して硝酸アルミニウム九水和物が1質量部となるように添加した。なお、溶剤の量は、最終的に得られる熱硬化性樹脂組成物の不揮発分が20質量%となるように適宜変更して配合した。得られた組成物を膜厚100μmの易接着PETフィルム(コスモシャインA4300)にバーコーター#14で塗装し、温風乾燥機にて140℃で40秒加熱することで膜厚約3μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施した。結果を表5に示す。
エチル化メラミン樹脂溶液(A-1)10.7gと、アルマテックスXA573(B-1)0.735gと、低分子ポリオール(C)としてトリメチロールプロパン(TMP)の30%PGM溶液7.50g(固形分の質量比75/2.5/22.5)とを配合し、イソブタノール/PGM=50/50の混合溶媒29.6gを加えて十分に溶解混合した。次いで、各種触媒(D)ないし(D’)の5質量%PGM溶液を2.00g(成分(A-1)、(B-1)および(C)の総固形分100質量部に対して1質量部)添加し、不揮発分20質量%の熱硬化性樹脂組成物を調製した。得られた組成物を膜厚100μmの易接着PETフィルム(コスモシャインA4300)にバーコーター#14で塗装し、温風乾燥機にて140℃で40秒または120秒の条件で加熱することで膜厚約3μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施した。結果を表6に示す。
エチル化メラミン樹脂溶液(A-1)10.7gとアルマテックスXA573(B-1)7.35g(固形分の質量比75/25)を配合し、イソブタノール/PGM=50/50(質量比)の混合溶媒30.4gを加えて十分に溶解混合した。次いで、各種触媒(D)の5質量%PGM溶液2.00g((A-1)と(B-1)の総固形分100質量部に対して1質量部)を添加し、不揮発分20質量%の熱硬化性樹脂組成物となるように配合した。得られた組成物を膜厚100μmの易接着PETフィルム(コスモシャインA4300)にバーコーター#14で塗装し、温風乾燥機にて140℃で40秒または120秒の条件で加熱することで膜厚約3μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施した。結果を表6に示す。
各種メラミン樹脂(A)と、ポリマー(B)またはポリマー(b)と、低分子ポリオール(C)としてTMPの30質量%PGM溶液(固形分の質量比75/2.5/22.5)とを配合し、イソブタノール/PGM=50/50(質量比)の混合溶媒を加えて十分に溶解混合した。次いで、触媒(D)として硝酸アルミニウム九水和物の5質量%PGM溶液を、成分(A)、(B)および(C)の総固形分100質量部に対して1質量部となるように添加した。なお、溶剤の量は、最終的に得られる熱硬化性樹脂組成物の不揮発分が20質量%となるよう適宜変更して配合した。得られた組成物を膜厚100μmの易接着PETフィルム(コスモシャインA4300)にバーコーター#14で塗装し、温風乾燥機にて140℃で40秒の条件で加熱することで膜厚約3μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施した。結果を表7に示す。
各種メラミン樹脂(A)10.7gと、ポリマー(B)またはポリマー(b)7.35g(固形分の質量比75/25)とを配合し、イソブタノール/PGM=50/50(質量比)の混合溶媒30.4gを加えて十分に溶解混合した。次いで、各種触媒(D)の5質量%PGM溶液2.00g(成分(A-1)と(B-1)の総固形分100質量部に対して1質量部)を添加し、不揮発分20質量%の熱硬化性樹脂組成物となるように配合した。得られた組成物を膜厚100μmの易接着PETフィルム(コスモシャインA4300)にバーコーター#14で塗装し、温風乾燥機にて140℃で40秒の条件で加熱することで膜厚約3μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施した。結果を表7に示す。
エチル化メラミン樹脂溶液(A-1)10.7gと、アルマテックスXA573(B-1)0.735gと、低分子ポリオール(C)としてTMPの30質量%PGM溶液g7.50g(固形分の質量比75/2.5/22.5)とを配合し、イソブタノール/PGM=50/50(質量比)の混合溶媒を29.6g加えて十分に溶解混合した。次いで、触媒(D)として硝酸アルミニウム九水和物の5質量%PGM溶液2.00g(成分(A-1)、(B-1)および(C)の総固形分100質量部に対して1質量部)を添加し、不揮発分20質量%の熱硬化性樹脂組成物を調製した。得られた組成物をSUS304ないしガラス板にバーコーター#50で塗装し、温風乾燥機にて140℃で30分の条件で加熱することで膜厚約10μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施し、また鉛筆硬度を測定した。結果を表8に示す。
エチル化メラミン樹脂溶液(A-1)10.7gとアルマテックスXA573(B-1)7.35g(固形分の質量比75/25)を配合し、イソブタノール/PGM=50/50(質量比)の混合溶媒30.4g加えて十分に溶解混合した。次いで、触媒(D)として硝酸アルミニウム九水和物の5質量%PGM溶液を2.00g(成分(A-1)、(B-1)および(C)の総固形分100質量部に対して1質量部)を添加し、不揮発分20質量%の熱硬化性樹脂組成物となるように配合した。得られた組成物をSUS304ないしガラス板にバーコーター#50で塗装し、温風乾燥機にて140℃で30分の条件で加熱することで膜厚約10μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施し、また鉛筆硬度を測定した。結果を表8に示す。
エチル化メラミン樹脂溶液(A-1)10.7gと、アルマテックスXA573(B-1)0.735gと、低分子ポリオールとしてTMPの30質量%PGM溶液g7.50g(固形分の質量比75/2.5/22.5)とを配合し、さらに密着付与材としてベネビオールNL1030B(三菱化学(株)製、ポリカーボネートジオール、分子量1000)の10質量%PGM溶液10.0g(成分(A-1)、(B-1)および(C)の総固形分100質量部に対して10質量部)を加え、さらにイソブタノール/PGM=50/50(質量比)の混合溶媒を24.5g加えて十分に溶解混合した。次いで、触媒(D)として硝酸アルミニウム九水和物の5質量%PGM溶液2.00g(成分(A-1)、(B-1)および(C)の総固形分100質量部に対して1質量部)を添加し、不揮発分20質量%の熱硬化性樹脂組成物を調製した。得られた組成物をポリカーボネート(PC)板にバーコーター#50で塗装し、温風乾燥機にて110℃で30分の条件で加熱することで膜厚約10μmの硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施し、また鉛筆硬度を測定し、さらに密着性を評価した。結果を表9に示す。なお、本実施例で用いた密着付与材「ベネビオールNL1030B」は、ポリマー(B)および低分子ポリオール(C)の範疇には含まれないが、ポリオール(P)の範疇には含まれる。
比較例27において、基材をポリカーボネート(PC)板に変更し、加熱を110℃で30分の条件で行ったこと以外は同様にして硬化膜を作成し、参考例4と同様に耐摩耗試験を実施し、また鉛筆硬度を測定し、さらに密着性を評価した。結果を表9に示す。
Claims (11)
- 少なくとも一部がエチルエーテル化されたメラミン樹脂(A)、
水酸基価が150mgKOH/g以上かつ数平均分子量が62~800の低分子ポリオール(C)を含むポリオール(P)、
Paulingの電気陰性度が1.61~1.90の金属からなるカチオンと酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸の脱プロトン化体である対アニオンとからなるルイス酸触媒、および酸解離定数pKaが2.0以下のプロトン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化触媒(D)、
溶剤、および
任意成分として、顔料、染料、レベリング剤、密着付与材、安定向上剤、発泡抑制剤、耐候性向上剤、ワキ防止剤、酸化防止剤、分散剤、湿潤剤、チクソ剤、および紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤(E)
からなる熱硬化性樹脂組成物であって、
前記低分子ポリオール(C)の含有量が、前記ポリオール(P)100質量部に対して30質量部以上であり、
前記熱硬化性樹脂組成物の全量100質量部に対して、前記溶剤の含有量が10~95質量部であり、かつ、前記添加剤(E)の含有量が0~30質量部であり、
前記メラミン樹脂(A)と前記ポリオール(P)の総固形分質量比(A)/(P)が99/1~35/65の範囲であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。 - 前記低分子ポリオール(C)が、1級もしくは2級の水酸基を1つ以上含むことを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリオール(P)が、水酸基を含有する重量平均分子量が5,000~500,000であるポリマー(B)をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記硬化触媒(D)の含有量が、前記メラミン樹脂(A)、前記ポリマー(B)および前記低分子ポリオール(C)の合計100質量部に対して0.1~5質量部であることを特徴とする請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記低分子ポリオール(C)の数平均分子量が、62~300であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする硬化物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を60~160℃の温度に加熱して硬化させる工程を含むことを特徴とする硬化物の製造方法。
- 前記工程における加熱時間が20秒~60分の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の硬化物の製造方法。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる硬化膜を含むことを特徴とする積層体。
- 基材と硬化膜を含む積層体の製造方法であって、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物を基材に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を60~160℃の温度で20秒~60分の範囲で加熱して硬化膜を形成する工程とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
- 前記基材が、金属、ガラスおよび樹脂から選ばれる少なくとも1種の材料を含むことを特徴とする請求項10に記載の積層体の製造方法。
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