JP7325223B2 - 製品及びインクカートリッジ並びに製品の生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、その表面に設けられた部品を破損することなく除去できる構造を備えた製品と、当該製品の具体例であるインクカートリッジ、並びに前記製品の生産方法に関するものである。
下記特許文献1には、インク供給源として印刷装置に装填されるインクカートリッジの発明が開示されている。このインクカートリッジは、パネル状の係合部に設けられたインクの供給口部に連通するように袋状のインク収納部を取り付け、このインク収納部を箱状の外装体に開口から収納し、係合部を外装体の開口に取り付けた構成となっている。また、印刷装置に接続される係合部の内面には、インクカートリッジやインクに関する各種情報(以下、これら情報を総称して「カートリッジ情報」という)を記憶したメモリ(記憶手段)を有する通信タグが貼着されている。
このインクカートリッジを印刷装置に装填し、印刷装置のインクヘッドにインクを供給して印刷を開始すると、印刷装置の無線通信部と通信タグとの間で近距離無線通信が行われ、印刷装置はインクカートリッジの通信タグに記憶されたカートリッジ情報を読み取り、装填されたインクカートリッジがどのような状態であるか等を認識して現在のインクカートリッジの状態に合った制御を行い、印刷を実行する。また、印刷が終了すると、印刷装置は必要な情報を通信タグに送信し、次の印刷作業に備えてインクの残量等のカートリッジ情報を必要に応じて書き替える。
近年、インクがなくなったインクカートリッジを廃棄せず、インクを再充填する等してインクカートリッジを再生産し、再度の使用に供するという考え方が提示されるようになっている。しかしながら、通信タグに記憶されるカートリッジ情報は印刷処理を円滑かつ安定して行うために重要な情報であり、再生産されるインクカートリッジの実体的な内容と対応、整合させる必要がある。従って、再生産されるインクカートリッジの通信タグに記憶されるカートリッジ情報は、元のインクカートリッジから変化した仕様や状態に合わせて書き換えなければならない。
ところが、通信タグはインクなどの水分に弱い電子デバイスである。このため、カートリッジ情報の書き替え作業を行う場合には、インク容器に再注入されるインクが飛散して通信タグが破損したり汚れたりしないように、通信タグを一旦カートリッジの内面から取り外す必要がある。そこで、下記特許文献1に記載のインクカートリッジでは、インクカートリッジの内面、より具体的にはインクノズルを有する供給口部が取り付けられたパネル状の係合部に剥がし孔と称する貫通孔を形成しておき、係合部の内面(外装体の内側に相対する裏面)に対し、剥がし孔に被るように通信タグを貼着していた。
カートリッジの再生産や、再生産に伴うカートリッジ情報の書き替え作業を行う場合には、カートリッジの外側から剥がし孔に棒状の器具を差し込み、通信タグを押して係合部の内面から剥がし、少なくとも一部分を浮き上がらせる。そして、外装体から外された係合部の内面側に作業者が手を差し入れ、浮いた通信タグを摘んで引き上げることにより、通信タグを係合部から剥がす作業を行う。そして、剥がした通信タグのカートリッジ情報を書き換え、インクの再充填等が終了した後に、書き替え後の通信タグを再び剥がし孔に被せて係合部の内面に再度貼着する。
特開2017-154292号公報
上記特許文献1に記載のインクカートリッジによれば、再生産等のために通信タグを係合部から剥がすためには、カートリッジの外側から係合部の剥がし孔に棒状の器具を差し込んで通信タグに力を加え、係合部の内面から剥がす必要がある。しかしながら、通信タグに機械的な外力を直接加えるこの作業により、通信タグが破損し、再利用できなくなってしまうことがあった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その表面に設けられた所定の機能を備えた部品を破損することなく除去することができる製品と、当該製品の具体例であるインクカートリッジ、並びに前記製品の生産方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載された製品は、
製品の内面に配置された所定の機能を有する部品と、
前記部品を覆って製品の内面に貼付されたシート状のカバー部材と、
製品の外面から器具を挿入することにより前記カバー部材を押して前記内面から浮き上がらせるために、前記部品に相対せず前記カバー部材と相対する位置においてシート状の前記カバー部材の表面と交差する方向に製品を貫通して設けられ剥がし孔と、
を具備することを特徴としている。
請求項1に記載された製品によれば、
製品から部品を取り外す場合には、製品の剥がし孔に器具を挿入してカバー部材を押し、製品に貼付されたカバー部材の少なくとも一部を剥がして浮き上がらせる。浮き上がったカバー部材を指で摘んで製品から離れる方向に引き上げる。部品がカバー部材に貼着されている場合には、部品はカバー部材とともに製品から持ち上げられて除去される。部品がカバー部材に貼着されていなくても、カバー部材を製品から持ち上げて除去すれば、部品を製品から除去することができる。何れの場合であっても、部品には除去時に外力が加わることがないため、部品の機能に障害をきたすことはない。
分図(a)は第1実施形態のインクカートリッジが装填されるインクジェット印刷装置の平面図であり、分図(b)は同印刷装置の正面図であり、(c)は同装置の右側面図である。 同印刷装置と同インクカートリッジの通信機能を説明するブロック図である。 分図(a)は同インクカートリッジの外観と内部構造を表面側からの視線で示した透視図であり、分図(b)は同インクカートリッジの外観を裏面側からの視線で示した斜視図である。 同インクカートリッジの係合部を内面側から見た斜視図である。 同インクカートリッジの係合部の内面を、内面と垂直な視線で見た図である。 同インクカートリッジの係合部の一部を、係合部の内面に垂直な切断面で切断した断面図である。 第2実施形態のインクカートリッジの係合部の内面を、内面と垂直な視線で見た図である。 第2実施形態のインクカートリッジの係合部の一部を、係合部の内面に垂直な切断面で切断した断面図である。 第3実施形態のインクカートリッジの係合部の一部を、係合部の内面に垂直な切断面で切断した断面図である。 第4実施形態のインクカートリッジの係合部の一部を、係合部の内面に垂直な切断面で切断した断面図である。
本発明の第1実施形態を図1から図6を参照して説明する。
図1及び図3において、インクカートリッジ1を印刷装置100に対して水平に着脱する方向を「着脱方向A」とし、図3において、インクカートリッジ1を印刷装置100に挿入して装填させる方向を「装填方向A1」、 インクカートリッジ1を印刷装置100から離脱させ取り外す方向を「離脱方向A2」とする。
さらに、装填方向A1は、インクカートリッジ1に充填されたインクが印刷装置100に向けて流出する方向、すなわちインク流出方向と同一方向である。図3に装填方向A1にインク流出方向を示す符合「B」を括弧書きで付す。インク容器10を外装体20に収容する際に挿入する方向は、離脱方向A2と同方向となる。
まず、本実施形態に係るインクカートリッジ1が装填される印刷装置100の構成について説明する。
図1(a)~(c)に示す印刷装置100は、多数のノズルを有するインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから異なる色のインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の印刷用紙上に複数の画像を互いに重なり合うように形成するインクジェット方式のフルカラーのラインカラープリンタである。
本実施形態では、ライン型のインクヘッドが4つ設けられ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを各インクヘッドから吐出して画像形成を行うが、インクヘッドの数やインクの色数・種類については特に限定されない。
また、印刷装置100は、該装置を構成する各部を統括的に制御して印刷ジョブに応じた印刷処理を実行させるための制御部110を具備している。この制御部110によって、上述したインクヘッドによる印刷処理や、搬送機構の駆動制御の他、インクカートリッジ1からのインク供給に関する制御も行う。
さらに、制御部110には、例えば操作キーや表示/入力パネルなどで構成される入力機器からなる設定操作部120が接続されており、この設定操作部120を通じて、ユーザによる指示や設定操作を受け付けることができる。
図1(a)、(c)に示すように、印刷装置100における装置本体100aの上部には、インクカートリッジ1を取り付けるカートリッジ取付機構130が、インクヘッド毎に複数(図中ではインクヘッドの数に合わせて4つ)に設けられている。
また、カートリッジ取付機構130の上方を覆うように上面装置140が配設されている。インクカートリッジ1は、この上面装置140の下面と、印刷装置100の本体の上面との間に水平方向に挿入して装填する。この上面装置140は、例えば、ADF(auto document feeder)にセットした原稿を搬送に伴い光学的に読み取ってディジタルデータ化する画像無線通信部(スキャナ)であり、前記設定操作部120はこの中に配設されている。
さらに、カートリッジ取付機構130には、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した際に、後述するインクカートリッジ1の係合部30と嵌合する機構であるホルダ部131が設けられている。ホルダ部131は、後述するインクカートリッジ1の係合部30(図3参照)と嵌合する図示しないホルダ側ジョイント部を備えている。
印刷装置100は、図2に示すように、インクカートリッジ1に設けられる通信タグ36からインクカートリッジ1の仕様や状態を示す後述するカートリッジ情報(具体的な情報の内容は後段にて詳述)の読み書き(リード/ライト)機能を有する無線通信部150と、印刷装置100を構成する各部の駆動制御を統括的に行う制御部110とを備えている。
無線通信部150は、通信タグ36との間で近距離無線通信(Near field radio communication:NFC)によって通信を行うリーダ/ライタ端末で構成され、制御部110の制御により、通信タグ36に記憶されるカートリッジ情報を読み取り、必要に応じて更新された情報の書き込みを行っている。
なお、近距離無線通信の規格は種々存在するが、少なくとも数センチから数十センチ程度の非接触通信が可能であれば、印刷装置100の仕様、装置の使用環境、通信タグ36の構成などに応じて適切なものを設定すればよい。
制御部110は、CPU(central processing unit )などで構成され、印刷ジョブに応じた印刷制御(例えば、モノクロ/カラー印刷に応じたインク吐出量の制御、被印刷媒体となる用紙の給排紙制御)の他、印刷装置100を構成する各部の駆動制御を統括的に行う。
また、制御部110は、通信タグ36と無線通信部150との間で通信状態が確立されると、無線通信部150を制御して、通信タグ36に記憶されるカートリッジ情報を読み取らせる。そして、制御部110は、無線通信部150を介して読み取ったカートリッジ情報に基づき、印刷ジョブに応じた印刷処理が実施されるようにインク吐出制御や給排紙制御を行う。
さらに、制御部110は、印刷処理が実施された際に、通信タグ36に記憶されるカートリッジ情報のうち更新が必要な情報(例えば、インク残量情報、空情報)を更新するため、更新対象となる情報を所定の算出処理などから取得する。そして、制御部110は、無線通信部150を制御し、通信タグ36に更新するカートリッジ情報の上書き(又は新規書き込み)を行う。
次に、本実施形態に係るインクカートリッジ1の構成について説明する。
図3(a)又は(b)に示すように、インクカートリッジ1は、水平方向である着脱方向Aに沿って印刷装置100に着脱される略直方体形状の細長の箱体である。インクカートリッジ1は、所定のインクが充填される熱可塑性フィルム11からなるインク容器10と、インク容器10を収納する外箱である外装体20と、インク容器10の長手方向における一方の端部に設けられた係合部30とで構成されている。先に説明したように、この係合部30が印刷装置100のカートリッジ取付機構130と係合する。
インク容器10はインクが封入される袋体である。本実施形態では、長方形状の熱可塑性フィルム11を2枚重ね、その長手方向の一辺にインク供給部13を挟んだ状態で熱可塑性フィルム11の周囲を熱溶着により接合し、袋状になった熱可塑性フィルム11とインク供給部13を一体化する。そして、インク供給部13を、パネル状の部材である係合部30の中央の係合孔35(図4参照)に係合させ、インク容器10を外装体20の開口部から内部に収納するとともに、係合部30を外装体20の開口部に嵌合する。
図3に示すインクカートリッジ1の装填方向A1の先端側は、外装体20に取り付けられたパネル状の係合部30である。この係合部30の中央に設けられた係合孔35(図4参照)には、前述したようにインク供給部13が取り付けられている。そして、このインク供給部13の内部には、図示はしないがインク容器10の内部と外部を連通させるインク流路が設けられているこの図示しないインク流路の内部には、インク流路を開放又は閉止する中栓が設けられており、中栓は付勢手段に付勢されて常時はインク流路を閉止している。インクカートリッジ1を印刷装置100に装填すると、印刷装置100のホルダ側ジョイント部が係合部30と嵌合することで、付勢手段の付勢力に抗して中栓が押されてインク流路が開放される。これによってインク容器10の内部と外部が連通し、インク容器10内のインクは、インク流出方向Bに沿って印刷装置100に流出可能となる。
図4は、インクカートリッジ1の係合部30を、内側の表面である内面30b側から見た斜視図である。図5は、同インクカートリッジの係合部の内面30bに対して垂直な視線で、後述するカバー部材を透視して表現した図である。これらの図に示す係合部30は、樹脂又は金属などの硬質材料で形成されている。係合部30は、印刷装置100のホルダ部131と対面する外側の表面である外面30a(図3参照)が、装填方向A1に沿って印刷装置100に向けられており、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した際には、ホルダ部131と着脱自在に係合する係合機構として機能する。また、係合部30は、外装体20の開口部と嵌合するため、該開口部の寸法と略同等の大きさで成形されている。
図4及び図5に示すように、係合部30の2つの長辺の各中央部には、印刷装置100側に設けられた把持手段(図示せず)と嵌合する嵌合部32が形成されている。この嵌合部32には、複数の三角形状の凸部が配列されており、印刷装置100のホルダ部131に設けられた把持手段と嵌合するようになっている。この把持手段は、上下一対の凹部によって弾性力で嵌合部32を挟み込む機構を有しており、把持手段に嵌合部32の凸部を押し込むことによって、嵌合部32がクリック感を伴ってホルダ部131に装着されるようになっている。
図4及び図5に示すように、係合部30の上側の長辺には、一対の遮蔽凸部33が設けられている。この遮蔽凸部33は、カートリッジ1を印刷装置100に取り付ける際に、上下を誤らないようにするために、一方の長辺のみに設けられている。遮蔽凸部33は、印刷装置100に嵌合された際にはカートリッジ1の上側に位置し、印刷装置100に設けられた図示しない取付検知センサに検知されるようになっている。
図4及び図5に示すように、係合部30の内面30bの周縁には、嵌合リブ34が離脱方向A2に沿って立設されている。嵌合リブ34は、外装体20の開口部に嵌合するときのガイドの役目と、嵌合後の外装体20からの抜け防止の役目を担っている。
図4及び図5に示すように、係合部30の略中央部分には、インク供給部13が係合する係合孔35が形成されている。係合孔35は係合部30の略中央部分に形成されている。
図4及び図5に示すように、係合孔35の周縁には、インク供給部13が係合する際のガイドの役目と、係合後のインク供給部13を保持する役目を担う係合リブ35aが、嵌合リブ34と同方向(離脱方向A2)に同程度の高さで立設されている。
図4及び図5に示すように、係合部30の内面30bにおいて、係合孔35と横方向に隣り合う一方の位置には、円形から弓形を除去して残った欠円形状であって、一定の高さを有する凸部41が設けられている。この凸部41の欠円形状の中央には、凸部41の高さと同一の深さを有する円形の凹部40が設けられている。この凹部40は、印刷装置100の無線通信部150と近距離無線通信を行う通信タグ36を設けるための収納構造であって、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した場合に無線通信部150と対向する位置に形成されている。
図5に示すように、凹部40の中には、正方形状の通信タグ36が配置されている。通信タグ36には、印刷装置100の無線通信部150と有効な通信を行うために必要な配置の許容範囲が定められている。この許容範囲は、通信タグ36よりも大きい正方形状であり、本実施形態では当該許容範囲内に設定可能な最大の円形を想定し、これを凹部40の形状としている。円形としたのは、係合部30を樹脂の射出成形で製造する場合に、角のある形状よりも高い形状精度が得られるからである。円形の凹部40の場合、図5に示すように凹部40の中央に通信タグ36を配置するのが好ましいが、凹部40内であれば中央から外れた位置に置いても無線通信部150との通信に問題はない。また、凹部40の形状精度に大きな問題がないのであれば、許容範囲の正方形状と同形の正方形状の凹部としてもよい。正方形状の凹部の場合、凹部の中央に通信タグ36を配置するのが好ましいのは円形の凹部40の場合と同じであるが、許容範囲の限界と一致する凹部の隅部に通信タグ36の角部が合致する程度に通信タグ36の位置が変わっても無線通信部150との通信に問題はないため、円形の凹部40の場合よりも通信タグ36を配置できる範囲が広くなる。従って、組み立て作業員の手作業で通信タグ36を凹部内に配置する作業は、正方形状の凹部の場合の方が円形の前記凹部40の場合よりも容易である。
通信タグ36は、内面30b側と接する下面側にアンテナを含む回路が設けられたプリント基板42と、プリント基板42の上面側に設けられた樹脂製の保護層43からなるRFID(Radio Frequency identification)タグである。通信タグ36は、仕様、性能によってサイズ、形状は様々であるが、本実施形態のような使用例では、その厚さは概ね0.8~1.0mm程度である。また、通信タグ36は、印刷装置100との間の近距離無線通信を実行するために必要な各種情報を記憶する不揮発性メモリからなる記憶手段36a(図2参照)を備えており、記憶手段36aには、インクカートリッジ1を使用する際のユーザサービス向上を図るために必要な情報であるカートリッジ情報が記憶されている。
カートリッジ情報は、例えば互換性情報(適合する印刷装置の機種を特定する情報)、インク色情報(インク容器10内に充填されるインクの色情報)、有効期限情報(インクカートリッジ1の製造年月日から割り出される製品の保証有効期限を示す情報)、インク残量情報(インク容器10内に充填されるインクの総量から使用量を差し引いて割り出されたインクの残量を示す情報)、空情報(インク容器10内のインクが所定量以下となったときに容器が空となったことを示す情報)、プロテクト情報(純正品と模造品を区別し、模造品使用による印刷装置の故障を防止するための情報)、リユース情報(インク容器などのインクカートリッジを構成する各部品のリユース回数を示す情報)、トレーサビリティ情報(製造元の工場、販売先店舗(営業所)の情報)などの情報が含まれている。通信タグ36は、カートリッジ取付機構130に装填が検知されると、印刷装置100の無線通信部150との通信を開始し、自機が記憶するデータを送信する。
本実施形態における通信タグ36と無線通信部150との通信方式は、無線通信部150から送信される電波を受信することにより内部電力を発生させ、その電力によりタグICチップ内の記憶手段36aに対するデータの読み出し及び書込みを行うとともに、アンテナを通じて、データの送受信を行うパッシブ方式を採用している。
なお、本実施形態では、印刷装置100の構成を変更してアクティブ方式やセミアクティブ方式の通信タグを採用してもよい。また、通信タグ36は、上述したように正方形であったが、少なくとも凹部40内に配置可能なサイズや形状であれば特に限定されない。
図4及び図5に示すように、係合部30の内面30bに設けられた凸部41には、通信タグ36が配置された凹部40の近傍に、剥がし孔37が設けられている。剥がし孔37は、凹部40よりも内径が小さく、係合部30を貫通しており、係合部30の外面30aからドライバー等のような棒状の工具を差し込める。
図5及び図6に示すように、通信タグ36が配置された凹部40の上から粘着層を有するカバー部材38が被せられ、凹部40の全部と、剥がし孔37の一部を覆って内面30b(凸部41の表面)に貼着されている。
カバー部材38は、剥がし孔37から挿入された棒状の工具を手動で押されても破れない程度の強度と、剥がれた際に浮き上がりやすい性質が必要であり、例えばPETシート、ユポ紙、オレフィン系のシートから構成できる。また、係合部30に貼着させるための貼着剤としては、必要な接着強度が得られ、かつ必要に応じて剥離可能なアクリルエマルション系の接着剤が好適である。
図6では、カバー部材38は通信タグ36に接着されていないが、カバー部材38と通信タグ36は必ずしも非接着状態でなくてもよい。カバー部材38を内面30bに貼り付ける作業において、カバー部材38が通信タグ36に接着されてもよいし、そうでなくてもよい。接着されていない場合(図6に示す場合)には、後に印刷装置100へインクカートリッジ1を装着する等のためにインクカートリッジ1を移動させた際、通信タグ36が凹部40内で移動してカバー部材38に接着することが考えられるが、これでも問題はない。いずれにしても、通信タグ36は凹部40内にあるため、無線通信部150との通信可能範囲内に存在する状態は保障される。
図6では、カバー部材38は通信タグ36が配置された凹部40の全体を覆っているが、固定されていない通信タグ36が凹部40の外に出るようなことがない限り、カバー部材38は少なくとも凹部40の一部及び通信タグ36の少なくとも一部を覆っていればよい。
第1実施形態のインクカートリッジ1において、インクカートリッジ1から通信タグ36を取り外す場合には、図6中に矢印Pで動作方向を示すように、剥がし孔37に棒状の器具を挿入してカバー部材38を押し、係合部30の内面30bに貼付されたカバー部材38の一部を剥がして浮き上がらせる。この際、カバー部材38は剥がし孔37の一部を覆っている状態であり、カバー部材38の縁部は剥がし孔37の上に位置しているため、剥がし孔37のすべての周縁にカバー部材38が貼り付いて剥がし孔37が完全に塞がれている場合に比べ、器具によってカバー部材38を浮き上がらせる作業は容易に行うことができる。そして浮き上がったカバー部材38を指で摘んで係合部30から離れる方向に引き上げれば、通信タグ36がカバー部材38に貼着されていれば通信タグ36はカバー部材38とともに係合部30の内面30bから持ち上げられて除去される。通信タグ36がカバー部材38に貼着されていなくても、カバー部材38を持ち上げて係合部30の内面30bから剥がせば、通信タグ36を係合部30の凹部40から取り出すことができる。何れの場合であっても、通信タグ36には除去時に外力が加わることがないため、通信タグ36の電子部品としての機能に障害をきたすことはない。
第1実施形態によれば、係合部30の内面30bに形成された凹部40の中に通信タグ36を収納しているので、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した場合には、通信タグ36と印刷装置100の無線通信部150とを隔てる構成部材は、係合部30の凹部40の底の厚さの部分だけとなり、同じ厚さの係合部30の内面30bに通信タグ36を直接配置した場合(凹部40がない場合)に比べて、電波を遮蔽する係合部30の厚さは薄くて済む。また、凹部40の底に通信タグ36を配置した方が、同じ厚さの係合部30の内面30bに通信タグ36を直接配置した場合に比べて、通信タグ36と印刷装置100の無線通信部150との距離が小さくなる。
上に説明したように、一般的な通信タグ36の性能からみると、係合部30の内面30bに形成した凹部40の底に通信タグ36を配置した方が、同じ厚さの係合部30の内面30bに通信タグ36を直接配置した場合に比べて、通信距離が短く、遮蔽物が少ない点において、通信状態はより良好になるので好ましいと言える。しかしながら、通信タグ36及び印刷装置100の無線通信部150の各周波数特性によっては、無線通信部150の受信周波数範囲内であっても受信が困難になるヌル点と呼ばれる受信困難領域が現れる場合があり、その場合には当該受信困難領域を避けるべく、却って凹部40を設けずに通信距離を相対的に長く設定する方が、受信状態がよくなる場合もありうる。
本発明の第2実施形態を図7及び図8を参照して説明する。
図7は、第1実施形態の図5に相当する図であり、図8は、第1実施形態の図6に相当する図である。第2実施形態のカバー部材44は、第1実施形態のカバー部材38よりも大きい直径の円形から弓形を除去して残った欠円形状である。第2実施形態のカバー部材44は、通信タグ36が配置された凹部40の上から被せられ、凹部40の全部と、剥がし孔37の全部を覆って内面30bに貼着されている。カバー部材38の形状・寸法及びカバー部材38が剥がし孔37の全部を覆っている構成以外の構成は、第1実施形態と同一であるため、第1実施形態の記載を援用して説明の繰り返しを避けるものとする。
第2実施形態によれば、カバー部材44が剥がし孔37の全部を覆っているため、第1実施形態に比べれば剥がし孔37から器具を差し込んでカバー部材38を剥がす動作にはより大きな力が必要である。しかしながら、剥がし孔37は、通信タグ36を剥がすときのみに利用されるものであり、通常の使用時には第2実施形態のようにカバー部材44で完全に閉止されていた方が、インクカートリッジ1の内部に水分や塵埃等が進入するのを防止できるので有利である。
本発明の第3実施形態を、図9を参照して説明する。
図9は、第2実施形態の図8に相当する図である。第3実施形態では、凸部41と、通信タグ36を配置するための構造である凹部40は、係合部30の内面30bに形成されていない。通信タグ36は、内面30bにおいて、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した際に無線通信部150と対向する前記許容範囲内の位置に配置されている。通信タグ36を配置してよい前記許容範囲については、内面30bにマーキングしておけば、作業員による配置の作業を正確かつ効率的に行える。そして、前記許容範囲内に配置された通信タグ36は、カバー部材45によって内面30bに接着固定されている。また、カバー部材45は、第2実施形態(図8参照)と同様、剥がし孔37の全体を覆っているが、第1実施形態(図6参照)と同様に剥がし孔37の一部を覆うものとしてもよい。
本実施形態によれば、カバー部材45の一部を剥離させ、そのカバー部材45を摘んで剥がすことで通信タグ36を内面30bから簡単に除去できる。この効果は、第2実施形態と同様である。その他、凹部40を設けるコストがかからず、前記許容範囲が十分に大きい通信タグ36であれば前記マーキングの必要性は小さく、どのようなサイズ、形状の係合部であっても大略の位置を決めるだけで通信タグ36を手作業で簡単に配置できる効果も得られる。
本発明の第4実施形態を、図10を参照して説明する。
図10は、第3実施形態の図9に相当する図である。第4実施形態では、第3実施形態と同様、凸部41と、通信タグ36を配置するための構造である凹部40は、係合部30の内面30bに形成されていないが、通信タグ36の内面30bへの設け方が異なる。
すなわち、通信タグ36は第1カバー部材46の上面に配置されており、この通信タグ36を覆って第2カバー部材47が第1カバー部材46の上面に被せられて通信タグ36と第1カバー部材46に貼着されている。第1カバー部材46と、通通信タグ36と、第2カバー部材47は一体化してタグユニット50を構成している。すなわち、通信タグ36は、互いに貼着された第1カバー部材46と第2カバー部材47に挟まれ、両面から覆われて固定された状態にある。第1カバー部材46の通信タグ36が載置されている側は粘着層があってもなくてもよいが、第1カバー部材46の通信タグ36が載置されている側と反対側には、係合部30の内面30bに貼着させるための粘着層が必要である。第2カバー部材47は、通信タグ36及び第1カバー部材46と接触する側には粘着層が必要だが、上面の側には粘着層は必要ない。
そして、係合部30の内面30bにおいて、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した際に無線通信部と対向する前記許容範囲内の位置に通信タグ36が配置されるように、タグユニット50を内面30bの要所に位置決めし、貼着する。この際、タグユニット50の第1カバー部材46又は第2カバー部材47が、剥がし孔37の少なくとも一部に被るようにする。図10に示した例では、第1カバー部材46よりも第2カバー部材47の方がやや小さいが、互いに貼着された第1カバー部材46と第2カバー部材47の縁部が剥がし孔37の全体を覆っている。
第3実施形態によれば、通信タグ36は第1カバー部材46と第2カバー部材47の間に挟まれて覆われているため、外装体20の内部に水分や塵埃が進入したとしても、通信タグ36を片面のみから覆う場合に比べて耐候性が高く、水分等の影響を受けにくい。なお、図10の例では、通信タグ36の周辺では、第1カバー部材46と第2カバー部材47の間に微小な隙間が生じているが、第2カバー部材47をより伸展性の良好な素材で構成し、通信タグ36を隙間なく覆って前記隙間を小さくし、通信タグ36が両カバー部材38の間に空気層を介さずに密封されるようにすれば、通信タグ36の耐候性は一層良くなる。
タグユニット50の製造方法について説明する。
ロール状に巻回した連続帯状の素材を第1カバー部材46として用意する。第1カバー部材46は上面と下面の両方に粘着層があるものとし、粘着層は連続帯状の剥離紙で覆われているものとする。第1カバー部材46をロールから引き出しながら、その上面から剥離紙を剥がし、現れた粘着層に複数個の通信タグ36を適当な間隔のパターンで次々に配置していく。通信タグ36は粘着層により接着され、仮固定されるので次工程至るまでに位置ずれを起こすことはない。
次に、通信タグ36が配置された第1カバー部材46の上面から、第1カバー部材46と同程度の幅である連続帯状の第2カバー部材47を覆い被せて貼着していく。第2カバー部材47は、第1カバー部材46の上面及び通信タグ36と接する側である下面に粘着層があるものとする。この工程により、所定の配置で並べられた多数の通信タグ36を挟み込んで互いに貼着した連続帯状の第1カバー部材46と第2カバー部材47が得られる。
次に、一体となった連続帯状の第1カバー部材46と第2カバー部材47を、通信タグ36ごとに切断する工程を行う。
各タグユニット50を係合部30に配置する際は、第1カバー部材46の裏面の剥離紙を剥がして内面30bの所要位置に配置、貼着する。
以上説明したように、第3実施形態の生産方法によれば、多数のタグユニット50を効率的に大量生産することができ、また通信タグ36は第1カバー部材46と第2カバー部材47に覆われて保護された構造であるため、大量に製造して保管しておいても環境条件等による劣化が生じにくい。
なお、第3実施形態の生産方法では、第1カバー部材46は上面と下面の両方に粘着層があるものとしたが、少なくとも下面の側に粘着層があり、これが剥離紙で覆われていれば大量に製造して保管する場合に都合がよい。
以上説明した各実施形態では、係合部30の内面30bに通信タグ36を設けるものとしたが、本発明の対象は通信タグを有するインクカートリッジ1に限定されず、一般的に製品の表面(内面及び外面)に再利用したい部品を設ける場合にも適用できる。すなわち、製品の表面(内面及び外面)に設けた部品をカバー部材で覆って固定した状態で使用し、再利用等のために部品を除去することが必要となった場合には、表面に設けた剥がし孔から器具を差し込んでカバー部材を浮かし、これを引き剥がして部品を表面から除去することが可能な構成であれば、そのような製品及び部品は本発明の範囲に含まれるものとする。
以上説明した各実施形態では、製品の表面(内面及び外面)に設ける部品として通信タグ36を例示したが、本発明は、製品から部品を取り外す際に部品の機能が損なわれるのを防止することを主たる目的としているため、部品を通信タグに限る理由はなく、要するに製品の表面から除去するために器具等で直接押圧すると機能の全部又は一部が損なわれる可能性のある構成部品であれば、本発明の構成要件である部品となりうる。
以上説明した各実施形態では、各実施形態ではカバー部材38,44,45,46,47は通信タグ36の全面(上面又は下面)を覆っていたが、カバー部材38,44,45,46,47の引き剥がしによって通信タグ36をカバー部材38,44,45,46,47と一緒に表面から除去でき、又は通信タグ36の表面に対する固定が解除されて通信タグ36が回収しうる状態になるのであれば、カバー部材38,44,45,46,47は通信タグ36の一部を覆うものとしてもよい。
以上説明した各実施形態では、インクカートリッジ1の表面(実施形態では内面)に部品として通信タグ36を設ける例を示したが、求められる印刷装置100側との通信性能によっては、通信タグ36だけでなく、通信タグ36のアンテナで受信した電波を増幅する機器としてブースターを通信タグ36に重ねて使用する場合もありうる。また、通信タグ36を設けるインクカートリッジ1の表面として内面30bを例示したが、「表面」の語義には外面も含み、従ってインクカートリッジ1の外面30aに通信タグ36を設けてもよい。
《実施形態における各態様の製品及びインクカートリッジ、並びに当該製品の生産方法の構成及びその効果について》
第1の製品は、
製品の内面に配置された所定の機能を有する部品と、
前記部品を覆って製品の内面に貼付されたシート状のカバー部材と、
製品の外面から器具を挿入することにより前記カバー部材を押して前記内面から浮き上がらせるために、前記部品に相対せず前記カバー部材と相対する位置においてシート状の前記カバー部材の表面と交差する方向に製品を貫通して設けられ剥がし孔と、
を具備することを特徴としている。
第1の製品によれば、
製品から部品を取り外す場合には、製品の剥がし孔に器具を挿入してカバー部材を押し、製品に貼付されたカバー部材の少なくとも一部を剥がして浮き上がらせる。浮き上がったカバー部材を指で摘んで製品から離れる方向に引き上げれば、部品がカバー部材に貼着されていれば部品はカバー部材とともに製品から持ち上げられて除去される。部品がカバー部材に貼着されていなくても、カバー部材を製品から持ち上げて除去すれば、部品を製品から除去することができる。何れの場合であっても、部品には除去時に外力が加わることがないため、部品の機能に障害をきたすことはない。
第2の製品は、第1の製品において、
前記部品が配置される凹部が製品の内面に設けられたことを特徴としている。
第2の製品によれば、部品を配置すべき位置が凹部として定められているため、生産工程において部品の位置決めが容易であり、配置した部品の位置がずれてしまう恐れが少ない。
第3の製品であるインクカートリッジは、
取り付け対象に取り付けられるインクカートリッジであって、
インクカートリッジの内面に配置されて取り付け対象と通信を行う通信タグと、
前記通信タグを覆ってインクカートリッジの内面に貼付されたカバー部材と、
インクカートリッジの外面から器具を挿入することにより前記カバー部材を押して前記内面から浮き上がらせるために、前記通信タグに相対せず前記カバー部材と相対する位置においてシート状の前記カバー部材の表面と交差する方向にインクカートリッジを貫通して設けられ剥がし孔と、
を具備することを特徴としている。
第3の製品であるインクカートリッジによれば、
インクカートリッジから通信タグを取り外す場合には、インクカートリッジの剥がし孔に器具を挿入してカバー部材を押し、インクカートリッジに貼付されたカバー部材の少なくとも一部を剥がして浮き上がらせる。浮き上がったカバー部材を指で摘んでインクカートリッジから離れる方向に引き上げれば、通信タグがカバー部材に貼着されていれば通信タグはカバー部材とともにインクカートリッジから持ち上げられて除去される。通信タグがカバー部材に貼着されていなくても、カバー部材をインクカートリッジから持ち上げて除去すれば、通信タグをインクカートリッジから除去することができる。何れの場合であっても、通信タグには除去時に外力が加わることがないため、通信タグの機能に障害をきたすことはない。
第1の製品の生産方法は、
所定の機能を有する部品が内面に配置された製品の生産方法であって、
生産後の製品の外面から器具を挿入することにより前記カバー部材を押して前記内面から浮き上がらせることができるように、
前記カバー部材と相対するべき位置においてシート状の前記カバー部材の表面と交差する方向に製品を貫通して剥がし孔を設け
前記剥がし孔と被らないように製品の前記内面に前記部品を配置し、
前記部品及び前記剥がし孔の少なくとも一部を覆うように製品の前記内面にカバー部材を貼付することを特徴としている。
第1の製品の生産方法によって生産された製品によれば、
製品から部品を取り外す場合には、製品の剥がし孔に器具を挿入してカバー部材を押し、製品に貼付されたカバー部材の少なくとも一部を剥がして浮き上がらせる。浮き上がったカバー部材を指で摘んで製品から離れる方向に引き上げれば、部品がカバー部材に貼着されていれば部品はカバー部材とともに製品から持ち上げられて除去される。部品がカバー部材に貼着されていなくても、カバー部材を製品から持ち上げて除去すれば、部品を製品から除去することができる。何れの場合であっても、部品には除去時に外力が加わることがないため、部品の機能に障害をきたすことはない。
1…製品としてのインクカートリッジ
10…インク容器
13…インク供給部
20…外装体
30…製品としての係合部
30a…係合部の表面である外面
30b…係合部の表面である内面
35…係合孔
36…部品としての通信タグ
37…剥がし孔
38,44,45,46,47…カバー部材
50…タグユニット
100…インクカートリッジ1の取り付け対象である印刷装置
150…無線通信部

Claims (4)

  1. 製品の内面に配置された所定の機能を有する部品と、
    前記部品を覆って製品の内面に貼付されたシート状のカバー部材と、
    製品の外面から器具を挿入することにより前記カバー部材を押して前記内面から浮き上がらせるために、前記部品に相対せず前記カバー部材と相対する位置においてシート状の前記カバー部材の表面と交差する方向に製品を貫通して設けられ剥がし孔と、
    を具備することを特徴とする製品。
  2. 前記部品が配置される凹部が製品の内面に設けられたことを特徴とする請求項1記載の製品。
  3. 取り付け対象に取り付けられるインクカートリッジであって、
    インクカートリッジの内面に配置されて取り付け対象と通信を行う通信タグと、
    前記通信タグを覆ってインクカートリッジの内面に貼付されたカバー部材と、
    インクカートリッジの外面から器具を挿入することにより前記カバー部材を押して前記内面から浮き上がらせるために、前記通信タグに相対せず前記カバー部材と相対する位置においてシート状の前記カバー部材の表面と交差する方向にインクカートリッジを貫通して設けられ剥がし孔と、
    を具備することを特徴とするインクカートリッジ。
  4. 所定の機能を有する部品が内面に配置された製品の生産方法であって、
    生産後の製品の外面から器具を挿入することにより前記カバー部材を押して前記内面から浮き上がらせることができるように、
    前記カバー部材と相対するべき位置においてシート状の前記カバー部材の表面と交差する方向に製品を貫通して剥がし孔を設け
    前記剥がし孔と被らないように製品の前記内面に前記部品を配置し、
    前記部品及び前記剥がし孔の少なくとも一部を覆うように製品の前記内面にカバー部材を貼付することを特徴とする製品の生産方法。
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