JP7324898B2 - 医療器具および医療器具セット - Google Patents

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Description

本発明は、医療器具及び医療器具セットに関する。
血管等の生体管腔における病変部(例えば、狭窄部等)を治療するための医療装置として、狭窄部を押し広げた状態に維持する自己拡張型ステント及び自己拡張型ステントを病変部まで送達する長尺状のシャフト部を備えるステントデリバリーシステムが広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。
上記のステントデリバリーシステムを使用した処置では、シャフト部が備える内管と外管の間に自己拡張型ステントを収容した状態で、自己拡張型ステントを処置対象となる処置対象部位(病変部)まで送達する。シャフト部の基端側には外管を内管に対して相対的に移動させる長尺なワイヤが接続されている。医師等の術者は、自己拡張型ステントを処置対象部位まで送達した後、手元の操作でワイヤを操作することにより、内管に対して外管を基端側へ移動させて、内管と外管との間から自己拡張型ステントを放出させる。自己拡張型ステントは、内管と外管との間から放出されると、自己拡張し、病変部を押し広げた状態を維持しつつ、病変部において留置される。
特表2007-512061号公報
上記のステントデリバリーシステム等のようにワイヤを備える医療デバイスを使用した処置では、例えば、次のような問題が発生し得る。
ワイヤは、比較的長尺かつ細径に形成される。このため、医療デバイスの処置部材(ステント等)を処置対象部位まで送達した後、ワイヤの操作(例えば、基端側への牽引操作)を行う際、ワイヤに撓み等の変形が生じている場合がある。このような状態で、ワイヤが操作されると、手元側でワイヤに加えた操作力がワイヤの先端側へ良好に伝達されず、術者等が意図しない状態で処置部材による処置がなされる可能性がある。例えば、処置部材が自己拡張型ステントである場合、シャフト部の先端部が狭窄部等の病変部にスタックされた状態でワイヤが牽引されると、ワイヤの操作に連動して外管が円滑に移動せず、ワイヤの牽引量が一定の大きさまで到達した段階で、急に外管が基端側へ移動することがある。この際、自己拡張型ステントは、内管と外管の間から飛び出すように放出されるため、所望の拡張径まで拡張されなかったり、所望の留置位置から位置ずれしたりする可能性がある。
なお、上記のような問題は、自己拡張型ステント以外の他の処置部材(例えば、マイクロカテーテル)を備えた医療器具を使用した各種処置を行う場合においても同様に発生し得る。
そこで本発明は、手元側の操作を先端側に適切に伝達することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の一態様は医療器具と管状部材とを有する医療器具セットに用いられる医療器具である。医療器具は、患者の橈骨動脈より生体内に導入され下肢血管に存在する処置対象部位に対して所定の処置を施す処置部材と、先端部に前記処置部材を保持した長尺状のシャフト部と、牽引操作されることにより、前記処置部材を、前記処置が実施可能な状態に変化させる撓み変形を抑制可能な牽引ワイヤを含む長尺状の牽引部と、前記牽引部の牽引操作を可能にする手元操作部と、を備える。管状部材は、前記シャフト部を挿通させる内腔が形成された本体部と、前記内腔に連通する先端開口部と、を備え、前記本体部が、前記内腔に前記シャフト部を挿通させた状態において前記先端開口部から前記シャフト部が長手方向に露出する露出長さよりも長く形成されている。前記シャフト部における前記処置部材を保持した部分を前記管状部材の前記先端開口部から突出させた状態において、前記管状部材における前記内腔の大きさが一定な区間に収容されている前記牽引ワイヤの長さL5は、前記手元操作部の先端から前記管状部材の基端開口部まで前記シャフト部が露出する露出長さL4より大きく構成している。
上記目的を達成する本発明の一態様は、上述した医療器具と管状部材を有する医療器具セットである。
上述した本発明の一態様に係る医療器具及び医療器具セットによれば、手元側の操作を先端側に適切に伝達することができる。
本発明の一実施形態に係る医療器具セットを示す図である。 図1の医療器具セットにおける医療器具からカテーテルを取り外した状態を示す図である。 図1の医療器具セットを構成する医療器具を示す図である。 図3の医療器具の先端側部分を示す断面図である。 図3の5-5線に沿う断面図である。 図4の部分拡大断面図である。 図3の7-7線に沿う断面図である。 図3の8-8線に沿う断面図である。 図3の9-9線に沿う断面図である。 医療器具を構成する操作部の内部を示す図である。 操作部の分解図である。 医療器具セットを構成する医療器具にカテーテルを挿通させた際の基端部側における軸直交断面である。 本発明の一実施形態に係る治療方法について示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る医療器具セットにおいて医療器具の導入部位と処置を行う処置対象部位について示す図である。 本発明の一実施形態に係る治療方法として、ガイドワイヤを生体内に導入する様子を示す図である。 図15に続いて生体内にガイドワイヤを導入した箇所にイントロデューサーシースを穿刺する際を示す図である。 図16に続いて生体表面にイントロデューサーシースを留置した状態を示す図である。 図17に続いてイントロデューサーシース内にガイドワイヤを挿入する際を示す図である。 図18に続いてイントロデューサーシース内に医療器具セットを構成するカテーテルを挿入する際を示す図である。 図19に続いて処置対象部位にガイディングカテーテルの先端開口部が到達する際を示す図である。 図20に続いてカテーテルの先端開口部からシャフト部の先端部を突出させる際を示す図である。 図21に続いてシャフト部の外管を構成する第1外管をステントに対して後退させ、処置部材にあたるステントを拡張させる際を示す図である。 図1の医療器具セットの変形例を示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1~図12は本発明の一実施形態に係る医療器具セットの説明に供する図である。本実施形態に係る医療器具セット100は、一例として血管等の生体管腔における狭窄部を拡張する際等に使用される。
医療器具セット100は、図1に示すように医療器具1と、カテーテル110と、イントロデューサーシース120と、を備える。以下、詳述する。
(医療器具)
医療器具1は、図3に示すように患者の生体管腔に存在する処置対象部位に対して所定の処置を施す処置部材と、先端部に処置部材を保持した長尺状のシャフト部10と、を備える。また、医療器具1は、牽引操作により、処置部材を、処置が実施可能な状態に変化させる長尺状の牽引部50と、牽引部50の牽引操作を可能にする手元操作部80と、を備える。
シャフト部10は、図3に示すようにガイドワイヤが挿通される内管20と、内管20を収容可能な内腔を備えた外管40と、を備える。また、シャフト部10は、医療器具1の最先端に配置される先端部材60と、牽引部50が挿通する牽引ワイヤ挿通管70と、を備える。本実施形態において処置部材は、患者の生体管腔に存在する処置対象部位に対して所定の処置として処置対象部位を拡張させるステント30を備えるように構成している。また、牽引部50は、図3に示すようにシャフト部10を構成する外管40の第1外管41及び第2外管42をステント30に対して相対的に基端側に移動させる牽引ワイヤ50a、50bを備える。
なお、本明細書において生体管腔に挿入される側を先端側(図中の矢印A方向)と称し、手元側となる手元操作部80が設けられる側を基端側(図中の矢印B方向)と称する。また、図3における矢印A方向及びB方向を長手方向と称する。また、図7~図9に示す管状部材の軸直角断面において符号rを径方向又は放射方向と称し、符号θを以下に述べる各々の管状部材の周方向又は角度方向と称する。
(内管、先端部材)
内管20は、図3に示すように、先端から基端まで貫通するガイドワイヤルーメン20aが形成された管状部材によって構成している。ガイドワイヤルーメン20aには、医療器具1を生体管腔の病変部に導くガイドワイヤG(図18等参照)が挿通される。
シャフト部10の最先端には図3に示すように先端部材60が配置されている。先端部材60は、内管20の先端部分にストッパー22によって固定されている。ストッパー22は、先端部材60内に埋設されており、先端部材60の離脱を防止している。ストッパー22は、金属(例えば、ステンレス鋼)によって形成することが好ましい。先端部材60は、先端に向かって徐々に縮径する形状を有し、生体管腔に容易に挿入できるように形成している。先端部材60の先端には、ガイドワイヤGを挿入させる開口部20bを形成している。なお、先端部材60は、内管20と別部材によって構成可能であるし、内管20と同一部材によって一体的に構成してもよい。
内管20の基端側は、図5に示すように、基端側に向かって傾斜するように斜めに形成され、後述する外管40におけるガイドワイヤGの導出孔43dと連通可能に設けられている。これによって、ガイドワイヤGの誘導を容易にしている。
内管20の形成材料としては、可撓性を有する材料を用いることが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK、ポリイミド等を使用できる。上記の樹脂のうち、特に熱可塑性を有する樹脂を好適に使用できる。
先端部材60の形成材料としては、柔軟性を有する材料を用いることが好ましい。例えば、オレフィン系エラストマー、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマー、ポリウレタン、ウレタン系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマー等の合成樹脂エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム、ラテックスゴム等の天然ゴム等のゴム類が使用される。
(ステント)
ステント30は、自己拡張型ステントである。ステント30は、図4等において一点鎖線によって示し、生体管腔への挿入時には外管40の長手軸を中心とする放射方向rの内方に圧縮された状態において後述する収容部41aに配置される。外管40の第1外管41及び第2外管42がステント30に対して相対的に基端側へ移動すると、収容部41aは外方へ露出し、ステント30は、生体管腔の病変部等の処置対象部位に放出される。これによって、ステント30は放射方向rの外側に拡張して圧縮前の形状へと拡張変形する。ステント30は、多数の開口を有したメッシュ状で略円筒形状に形成される。なお、ステント30を構成する材料としては、例えば、Ni-Ti合金等の超弾性合金を好適に使用できる。
(牽引ワイヤ)
牽引ワイヤ50a、50bは、後述する外管40が備える第1外管41及び第2外管42のそれぞれに固定され、外管40が備える第1外管41及び第2外管42を基端側に牽引する。牽引ワイヤ50a、50bは、牽引ワイヤ50a、50bの牽引によって処置部材にあたるステント30を処置が可能な状態に変化させる。具体的には、上記牽引により、ステント30がシャフト部10の外管40から放出され、ステント30が拡張する。詳細は後述する。牽引ワイヤ50a、50bの形成材料としては、比較的剛性の高い材質を用いることが好ましい。例えば、Ni-Ti、真鍮、ステンレス鋼、アルミ等の金属、または、比較的剛性の高い樹脂、例えば、ポリイミド、塩化ビニル、ポリカーボネート等を使用することができる。
(牽引ワイヤ挿通管)
牽引ワイヤ挿通管70は、図3に示すように、先端から基端まで貫通する牽引ワイヤルーメン70aが形成され、管状に構成している。牽引ワイヤ50a、50bは、牽引ワイヤルーメン70aに挿通され、基端側において手元操作部80まで誘導される。牽引ワイヤ挿通管70の先端部分は、図5及び図9に示すように外管40を構成する基端側チューブ43bの内腔に配置され、内管20の基端部分に固定されている。牽引ワイヤ挿通管70の基端部分は、図2に示すように手元操作部80に固定されている。
牽引ワイヤ挿通管70の形成材料としては、柔軟性を有する材料を用いることが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK、ポリイミド等を好適に使用できる。なお、牽引ワイヤ挿通管70の外面には、生体適合性、特に抗血栓性を有する樹脂をコーティングしてもよい。抗血栓性材料としては、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートとスチレンの共重合体等が使用できる。
また、牽引ワイヤ挿通管70の内部には、図5に示すように基部シャフトワイヤ70bが配置される。基部シャフトワイヤ70bは、手元操作部80の先端から移動制限部43cにまでわたって設けられ、シャフト部10の基端側の剛性を向上させる。基部シャフトワイヤ70bは、牽引ワイヤ50a、50bと同様の材料で構成され、牽引ワイヤ50a、50bよりも肉厚を厚く構成している。
(外管)
外管40は、図3及び図4に示すように、先端側に配置され、ステント30を収容する第1外管41と、第1外管41の基端側に近接するように配置される第2外管42と、第2外管42の基端側に配置される第3外管43と、を有する。
第1外管41は、図3に示すように内管20との間にステント30を放射方向rの内方に圧縮した状態で収容可能な収容部41aを備える。第1外管41は、本明細書においてステント30を収納する中空の収納部材にあたる。図4に示すように、内管20の外面には、ステント30の先端側へ当接して先端側への移動を制限する移動制限部23と、ステント30の基端側へ当接して基端側への移動を制限する移動制限部24と、が固定されている。移動制限部23、24は、外管40の長手方向を回転軸として環状に形成している。収容部41aは、移動制限部24、移動制限部23及び第1外管41によって囲まれた部分によって形成している。
収容部41aが生体管腔の病変部等の処置対象部位に配置された後、第1外管41は手元操作部80の操作によって内管20に対して基端側に移動する。このとき、ステント30には、第1外管41の移動に伴って基端側へ移動させようとする摩擦力が作用する。しかしながら、ステント30は、移動制限部24に当接することによって、基端側への移動が制限される。これによって、ステント30は配置された病変部等の処置対象部位から移動することなく、処置対象部位においてステント30を放出することができる。移動制限部23は、基端部分に基端側に向かって縮径するテーパー面を形成している。このため、ステント30を放出するとき、移動制限部23が障害となることがなく、ステント30の放出後の医療器具1の回収が容易となる。
第1外管41は、内管20に固定しておらず、第1外管41は、内管20に対して外管40の長手方向に相対的に移動可能に構成している。図6に示すように、第1外管41は、基端側に向かって縮径する小径部41cを備える筒状部材本体41bと、小径部41cを覆うように設けられた筒状部41dと、をさらに備える。小径部41cの基端側は、筒状部41dよりも突出して形成している。第1外管41は、小径部41cと筒状部41dとの間に形成された間隙部41eをさらに備える。牽引ワイヤ50a、50bの先端側の端部は、間隙部41eに充填された接着剤によって、第1外管41(小径部41cの外面)に固定している。接着剤としては、エポキシ樹脂、紫外線硬化樹脂、シアノアクリレート系樹脂等を好適に使用できる。
第1外管41の外面には、潤滑性を呈するようにするための処理を施すことが好ましい。このような処理としては、例えば、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミドとグリシジルメタクリレートの共重合体、ジメチルエーテルと無水マレイン酸の共重合体等の親水性ポリマー等をコーティング、又は固定する方法等が挙げられる。また、第1外管41の内面に、ステント30の摺動性を良好にするため、上記のものをコーティング、又は固定してもよい。また、第1外管41は、上記のようなポリマーの2層構造(例えば、外面はナイロン、内面はPTFE)の組み合わせで形成してもよい。
第1外管41の形成材料としては、柔軟性、耐キンク性、伸縮性等を有する樹脂を使用することが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、PTFE、ETFE等のフッ素系ポリマー、熱可塑性エラストマー等を使用することができる。なお、本実施形態において、第1外管41、第2外管42および第3外管43は、同じ材料によって形成することができるが、これに限定されず、それぞれ異なる材料によって形成してもよい。
第2外管42は、図5に示すように、外径の異なる2つの管状部材である先端側筒部42a及び本体部42bから構成している。第2外管42は、第1外管41に固定しておらず、牽引ワイヤ50a、50bの牽引によって第1外管41とともに基端側に移動可能に構成している。
先端側筒部42aは、図6に示すように長手方向に隣接する中空の筒状部材42c、42dと、筒状部材42c、42dの内腔に配置される筒状部材42eと、を備える。先端側筒部42aは、筒状部材42eとほぼ同径で軸方向において筒状部材42eと隣接して配置されるリング状部材42fを備える。
筒状部材42c、42dは、図6に示すように内腔に筒状部材42eを配置した状態で筒状部材42eと固着している。筒状部材42dは、本体部42bの先端部分を覆うように固定しており、筒状部材42c、42dは第1外管41の外径とほぼ等しい外径を有している。筒状部材42eは、筒状部材42c、42dよりも径を小さく形成し、筒状部材42c、42dに固着している。リング状部材42fは、筒状部材42c、42dの内腔の長手方向において筒状部材42eと本体部42bとの間に配置し、本体部42bと当接可能に構成している。リング状部材42fは、図7に示すように壁面に牽引ワイヤ50a、50bを固着している。
本体部42bは、図5及び図8に示すように後述する第3外管43の先端側チューブ43aの内径よりも外径が小さく、先端側チューブ43aの内腔に収容可能に構成している。第2外管42をこのように構成することで、牽引ワイヤ50a、50bを基端側に牽引すると、リング状部材42fが基端側に移動し、リング状部材42fが本体部42bと当接して本体部42bはリング状部材42fと共に基端側に移動する。先端側筒部42aの形成材料としては、熱可塑性を有する樹脂を好適に使用することができる。
第3外管43は、図5に示すように、内径が第2外管42の本体部42bよりも大きい先端側チューブ43aと、先端側チューブ43aの基端側に固定された基端側チューブ43bと、を有する。
先端側チューブ43aは、本体部42bに固定しておらず、本体部42bを基端側に摺動させて先端側チューブ43a内に収容することができる。先端側チューブ43a内の基端側には、図5に示すように第2外管42の移動を制限する移動制限部43cを設けている。第2外管42は、移動制限部43cによって移動制限部43cよりも先端側にのみ移動可能に構成される。
本実施形態では第3外管43の先端側チューブ43aは、第2外管42の本体部42bを収容するように構成している。ただし、これに限定されず、本体部42bの内径を先端側チューブ43aの外径よりも大きく構成することによって、本体部42bに先端側チューブ43aを摺動させて収容してもよい。
基端側チューブ43bは、図5に示すように基端部が第3外管43の放射方向rの外方に向かって斜めに変位して開口するガイドワイヤGの導出孔43dを備える。導出孔43dは、外管40の基端側端部であって、シャフト部10の長手方向における中間部に設けられる。ここで導出孔43dが設けられるシャフト部10の中間部とは、シャフト部10の長手方向における両端部以外の部位を意味し、その位置は、図2や図4等に限定されない。導出孔43dは、内管20のガイドワイヤルーメン20aと連通可能に設けられ、ガイドワイヤGの一端部を外管40の外方へ導出可能である。また、基端側チューブ43bの内腔には図9に示すように固着部材43eにより牽引ワイヤ挿通管70が固定されている。
(手元操作部)
手元操作部80は、牽引部50の牽引操作を可能にする牽引ワイヤ50a、50bを巻き取る操作を行う。手元操作部80は、図3に示すように、牽引ワイヤ50a、50bが挿通される牽引ワイヤ挿通管70の基端部に固定される。手元操作部80は、牽引ワイヤ50a、50bを巻き取ることによって、外管40を構成する第1外管41及び第2外管42を基端側に移動させる。
手元操作部80は、図10に示すように各構成部材を収容する収容ケース81、手元操作部80の先端側から延在する筒部82、牽引ワイヤ50a、50bを巻き取る操作を行う回転ローラ83、及び回転ローラ83の逆回転を制限する逆回転規制部材84を有する。
収容ケース81は、図11に示すように、収容ケース本体81aと、蓋部材81bと、キャップ部材81cと、によって構成している。収容ケース81は、基端側および中央部分が屈曲し、かつ丸みを帯びた形状に構成している。収容ケース81は、上記のように構成することで把持しやすく、かつ、把持した状態における回転ローラ83の操作を容易なものとしている。収容ケース本体81aは、回転ローラ83を収容可能に構成しており、回転ローラ83の一部を外部に突出させるために収容ケース開口部81dを形成している。収容ケース81は、図11に示すように後述する回転ローラ83の回転軸83bの一端を収容する軸受部81eと、回転の回転軸83bの他端を収容する軸受部81fと、をさらに備える。
筒部82は、図10に示すように、牽引ワイヤ挿通管70と連結するコネクタ82aと、シール部材82bと、を備え、牽引ワイヤ挿通管70の基端部分には、コネクタ82aの先端部分が固定されている。また、収容ケース81内には、コネクタ82aの基端部分に接続されたシール部材82bが収容されている。
回転ローラ83は、図10及び図11に示すように、凹凸の歯を有する円盤状のローラ本体部83aと、回転軸83bと、を備える。また、回転ローラ83は、回転軸83bの回転により回転する巻取シャフト部83cと、ローラ本体部83aに対して巻取シャフト部83cの反対側に設けられた歯車部83dと、を備える。回転ローラ83の一部は、収容ケース81から突出し、その突出した部分を矢印R方向(牽引ワイヤ50a、50bを巻き取る方向)へ回転させることによって回転軸83bを矢印R方向に回転させる。
巻取シャフト部83cは、回転軸83b周りに形成し、牽引ワイヤ50a、50bの基端部分を巻取シャフト部83cの外面に把持又は固定している。上述したように回転軸83bを矢印R方向に回転させることによって、巻取シャフト部83cが回転し、牽引ワイヤ50a、50bは巻取シャフト部83cの外面に巻き取られる。
逆回転規制部材84は、図10に示すように、回転ローラ83の歯車部83dと向かい合う部分に設けられ、歯車部83dと係合可能な係合部84aを備える。牽引ワイヤ50a、50bを巻き取る方向と逆方向である矢印F方向に回転ローラ83を回転させようとすると、歯車部83dの1つの歯と逆回転規制部材84の係合部84aとが係合し、回転を阻止する。これによって、牽引ワイヤ50a、50bの巻取方向と逆方向へのローラの回転を制限する。
(カテーテル)
カテーテル110は、図1、図2、及び図12に示すようにシャフト部10を挿通させる内腔115を備えた長尺状の管状部材である。カテーテル110は、医療器具1のような器具を生体管腔の処置対象部位に案内するために用いられる場合があることから、ガイディングカテーテルとも呼ばれる。カテーテル110は、図1に示す長手方向における長さL2が、医療器具1におけるシャフト部10の全長L1の半分以上となるように構成している。
言い換えれば、カテーテル110の長手方向における長さL2は、シャフト部10をカテーテル110の内腔115に挿通させた際においてカテーテル110の先端開口部119aからシャフト部10が露出する長さL3よりも長く構成している。そして、処置部材は、シャフト部10をカテーテル110の内腔115に挿通し、シャフト部10において処置部材を保持する部分をカテーテル110の先端開口部119aから突出させた状態で使用される。
これにより、後述する医療器具1を用いた手技における牽引ワイヤ50a、50bの撓み等の意図しない変形を抑制し、ステント30の留置等の処置を精度よく行うことができる。
なお、図1における長さL2は、先端開口部119aから内腔の大きさが一定である基端側までの長さにあたり、図1では後述する耐キンクプロテクタ114の先端が基端にあたる。本実施形態ではカテーテル110におけるL2よりも基端側の内腔の大きさが、内腔の大きさが一定である先端側よりも大きく構成している。
また、長さL4は、カテーテル110の内腔にシャフト部10を挿通させた状態における手元操作部80の先端からカテーテル110の基端開口部119bまでシャフト部10が露出する部位にあたり、図1において長さL4は0になる。図1に示すように、本体部111の長さL2は、シャフト部10がカテーテル110から露出する長さL4よりも長く形成される。
また、長さL5は、牽引ワイヤ50a、50bがカテーテル110において内腔の大きさが一定である区間に収容されている部位の長さを表す。長さL5の先端は図4、6に示す牽引ワイヤ50a、50bの端部Eにあたり、基端はL2と同様である。
カテーテル110において内腔の大きさが一定となっている区間に牽引ワイヤ50a、50bが収容されている長さL5は、シャフト部10がカテーテル110から露出する長さL4より大きいことがより好ましい。
牽引ワイヤ50a、50bは、放射方向r等に膨らむように変形することによって意図せずに変形しうる。そのため、上記のように構成することによって、より効果的に牽引ワイヤ50a、50bの意図しない変形を抑制し、ステント30等の留置を精度よく行うことができる。シャフト部10やカテーテル110の具体的な寸法は実施例にて後述する。
カテーテル110は、図1、図2、及び図12に示すように本体部111と、本体部111の先端に設けられたチップ112と、本体部111の基端側に設けられたハブ113と、本体部111とハブ113とが連結される部分に設けられる耐キンクプロテクタ114と、を備える。本体部111は、図12に示すように可撓性を有する管状体で構成し、ほぼ中心部には本体部111の全長に医療器具1を挿通させる内腔115を形成している。本体部111は、ハブ113及び耐キンクプロテクタ114の内部を挿通して形成している。
ここで、図12に示すシャフト部10の基端側に設けられた牽引ワイヤ挿通管70の外径d1は、カテーテル110の内径d2の45%以上となるように構成している。なお、牽引ワイヤ挿通管70やカテーテル110は、図12において真円として図示しているが、真円でなく楕円等でもよい。楕円等の場合、牽引ワイヤ挿通管70の長軸がカテーテル110の長軸に対して45%以上となる。
本体部111は、図12に示すように内腔115の内壁を構成する内層116と、外壁を形成する外層117と、外層117に埋設される補強部118と、を備える。
外層117の材料は、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)を用いることができる。
内層116の構成材料は、内腔内に上述したステント30、外管40等の医療器具を挿入する際に、少なくともこれら医療器具と接する部分が低摩擦となるような材料で構成されていることが好ましい。これにより、本体部111に対し挿入された医療器具を、より小さい摺動抵抗で長手方向へ移動させることができ、操作性の向上に寄与する。もちろん、内層116全体が低摩擦材料で構成されていてもよい。低摩擦材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂材料が挙げられる。
補強部118は、本体部111を補強するために外層117に埋設しており、図12に示すように、複数の補強線(線状体)からなる補強材を備えている。補強部118における複数の補強線の隙間には、外層117あるいは内層116の樹脂が入り込む構成となっている。本実施形態では、補強線は、複数本が内層116の表面に巻き付けるように形成される。補強材としては、例えば、補強線をらせん状や網状にしたものが挙げられる。補強線は、ステンレス鋼、Ni-Ti等の金属で構成されている。
補強線の具体例としては、本体部111の放射方向rの肉厚が薄くなるように、ステンレス鋼の線を平板状に潰し加工した平板状のものが挙げられる。また、補強材としては、それを8本~32本程度の複数本使用してらせん状にしたものや、編んだもの(編組体)等が挙げられる。補強線の本数は、管状にバランス良く補強するため、8の倍数とすることが好ましい。なお、補強線は、上述の平板状の線材に限定されず、例えば、丸線、楕円線でもよい。また、一本の補強線は、二本以上の補強線を束にしたものでもよい。
チップ112は、柔軟性に富む材料で構成されており、その先端が好ましくは丸みを帯びた形状をなしている。チップ112を設けることにより、湾曲、屈曲、分岐した血管内でも、円滑かつ安全に走行させることができる。チップ112の構成材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン-ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
チップ112の長さは特に限定されないが、通常0.5~3mm程度が好ましく、1~2mm程度がより好ましい。
ハブ113は、本体部111の基端に装着されている。ハブ113には、本体部111の内腔115と連通する通路が形成されている。この通路は本体部111の内腔115の内径とほぼ等しい内径を有し、本体部111の内腔115の基端部内面に対し、段差等を生じることなく連続している。
耐キンクプロテクタ114は、弾性材料により形成され、本体部111とハブ113とを連結している部分に被せられることで、当該部分の付近での折れ曲がり(キンク)を防止する役割を果たす。
(イントロデューサーシース)
イントロデューサーシース120は、医療器具1及びカテーテル110の生体管腔への導入の際に用いられる。イントロデューサーシース120は、医療器具1及びカテーテル110よりも大径に形成され、カテーテル110を挿通させる内腔を備える。イントロデューサーシース120は、図1に示すように生体管腔に穿刺される胴体部121と、胴体部121の基端部に固定されたハブ部122と、を備える。イントロデューサーシース120は、胴体部121の内腔に挿入され、穿刺した部位の拡張に使用されるダイレーターD(図16参照)と共に使用され得る。
胴体部121は、生体表面に穿刺した状態で医療器具1等を挿入できるように柔軟性を備えることが好ましい。胴体部121及びハブ部122の構成材料としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリ塩化ビニル等を使用することができる。
(医療器具を用いた治療方法)
次に上記医療器具セット100を用いた治療方法について説明する。図13~図22は、本実施形態に係る医療器具セット100を用いた治療方法の説明に供する図である。本実施形態に係る治療方法について図13を参照して概説すれば、医療器具1と、カテーテル110等の器具を用意し(ST1)、カテーテル110の先端部を処置対象部位の近傍に送達する(ST4)。次に、シャフト部10をカテーテル110の内腔115に挿通し、シャフト部10においてステント30を保持した部分をカテーテル110の先端開口部119aから突出させて処置対象部位に送達する(ST5)。次に、手元操作部80を操作してステント30により処置対象部位に処置を行う(ST6)。以下、詳述する。
医療器具セット100を構成する医療器具1は、図14に示すように橈骨動脈Raより生体内部に導入され、腸骨動脈や大腿動脈のような下肢血管L等の処置対象部位にまで送られ、所定の処置を行う。
上記治療方法は、まず上述した医療器具セット100等を用意する。本実施形態では医療器具セット100と共に穿刺針(不図示)及びイントロデューサーシース120の内腔に挿入するダイレーターD(図16参照)を合わせて用意する(ST1)。
次に、不図示の穿刺針を生体表面から生体管腔Blまで挿入して挿入部位を形成し、図15に示すようにガイドワイヤGを穿刺部位から生体管腔Blに導入する。次に、図16に示すようにダイレーターDとイントロデューサーシース120を経皮的に患者の動脈に穿刺する(ST2)。イントロデューサーシース120の先端が動脈に穿刺されると、動脈の内圧により血液が先端の開口より流入し、イントロデューサーシース120を逆流し、ハブ部122に到達したことを確認できる。図17に示すようにイントロデューサーシース120の先端部が生体管腔Blに穿刺されたことを確認したら、ダイレーターDを抜去する。
次に、図18に示すようにイントロデューサーシース120の内腔にガイドワイヤGを挿入する。ガイドワイヤGの生体管腔Blへの進入度合いは例えばX線透視下で確認することができる。ガイドワイヤGが下肢血管L等の処置対象部位に到達したら、次に、図19に示すようにカテーテル110をイントロデューサーシース120から生体内に導入する(ST3)。そして、カテーテル110をガイドワイヤGに沿わせて移動させ、図20に示すように先端開口部119aを下肢血管L等の処置対象部位の近傍まで移動させる(ST4)。
カテーテル110の先端開口部119aが処置対象部位近傍に到達したら、医療器具1の先端部材60の開口部20bにガイドワイヤGを挿通させ、導出孔43dから導出させる。次に、生体管腔Blに導入されているガイドワイヤGに沿わせてシャフト部10を生体管腔Blの先端側に移動させる。この際、シャフト部10はシャフト部10よりも前に生体管腔Blに導入されたカテーテル110の内腔115を通過させ、図21に示すようにシャフト部10の第1外管41を処置対象部位に配置する。
これにより、第1外管41の収容部41aに収納されたステント30は、下肢血管L等の処置対象部位に送達された状態となる(ST5)。ステントは一般的に拡張により、生体管腔の狭窄部を拡張させる。そのため、本実施形態において「シャフト部において処置部材を保持した部分を管状部材の先端開口部から突出」とは、ステント30の長手方向における全体をカテーテル110の先端開口部119aよりも先端側に配置することを意味する。
ステント30が処置対象部位に到達したら、手元操作部80を用いて牽引ワイヤ50a、50bを巻き取っていく。これにより、牽引ワイヤ50a、50bは巻取シャフト部83cの外周面に巻き取られ、牽引ワイヤ50a、50bが固定された第1外管41とリング状部材75が基端側に移動する。リング状部材75が基端側に移動することで、リング状部材75に隣接して配置された第2外管42も基端側に移動し、第3外管43の内腔に一部が収容される。
第1外管41及び第2外管42の基端側への移動に伴い、第1外管41の内部に配置されたステント30は同様に基端側に移動しようとするものの、移動制限部24により基端側への移動が阻止される。これにより、図22に示すようにステント30は第1外管41の先端側から外部に放出され、当該放出によりステント30の径が拡張して生体内の狭窄部に留置される。ステント30の放射方向rの外方への拡張力により、生体内の狭窄部は拡張し、狭窄部が解消又は狭窄の程度が緩和する。
なお、牽引ワイヤ50a、50bの牽引は、図21に示すようにカテーテル110に対してシャフト部10の第1外管41及び第2外管42を移動させる際に、長手方向においてステント30とカテーテル110との間に間隔L6を設けた状態で行う。ステント30が拡張したことを確認したら、ステント30を除く医療器具セット100を生体管腔Blから抜去する(ST7)。
以上、説明したように本実施形態に係る医療器具セット100は、医療器具1とカテーテル110と、を有する。医療器具1は、患者の生体管腔BLに存在する処置対象部位に対して所定の処置を施す処置部材と、先端部に処置部材を保持した長尺状のシャフト部10と、を備える。また、医療器具1は、牽引操作により、処置部材を、処置を実施可能な状態に変化させる長尺状の牽引部50と、牽引部50の牽引操作を可能にする手元操作部80と、を備える。カテーテル110は、シャフト部10を挿通させる内腔115が形成された本体部111と、内腔115に連通する先端開口部119aと、を備える。カテーテル110は、内腔115にシャフト部10を挿通させた状態において先端開口部119aからシャフト部10が長手方向に露出する長さL3よりも本体部111を長く形成している。ステント30にあたる処置部材は、シャフト部10をカテーテル110の内腔115に挿通し、シャフト部10において処置部材を保持する部分をカテーテル110の先端開口部119aから突出させた状態において使用される。
また、医療器具セット100を使用する治療方法では、上述した医療器具1と、カテーテル110と、を用意し、シャフト部10をカテーテル110の内腔115に挿通し、医療器具1のシャフト部10において処置部材を保持した部分をカテーテル110の先端開口部119aから突出させるステップと、手元操作部80を操作して処置部材により処置対象部位に対して処置を行うステップと、を備える。ステント30にあたる処置部材は、人体における橈骨動脈Raより生体内に導入され、処置対象部位にあたる下肢血管Lまで運ばれる。
牽引部を構成する牽引ワイヤは、距離が長く複雑な形状の生体管腔に挿入できるように長尺に形成している。しかし、牽引ワイヤを複雑な形状の生体管腔に挿入して操作を行う際に、特に生体外に露出した牽引ワイヤは意図せず撓む等の変形が生じる場合がある。この場合、シャフト部にあたる構成は、牽引ワイヤの撓み等の変形によって長手方向において術者等にとって意図しない挙動を生じさせ得る。その結果、第1外管にあたる管状部材から放出されるステントを意図通りの位置に配置できない場合がある。
これに対し、本実施形態では上記のようにカテーテル110にシャフト部10を挿通させた際のカテーテル110からのシャフト部10が露出する長さL3よりも長さL2が長いカテーテル110にシャフト部10を挿通させた状態において処置を行っている。ステント30等の処置部材を生体管腔に適切に留置できないのは、上記のように牽引ワイヤ50a、50bが長手方向における生体外等の途中の位置で撓み等の変形が生じるためである。そのため、上記のようにカテーテル110の長さL2がシャフト部10がカテーテル110から露出する長さL3よりも長いカテーテル110にシャフト部10を挿通させた状態で処置を行うことで、仮に牽引ワイヤ50a、50bに撓み等が生じてもカテーテル110の内腔壁に接触して力が印加される程度であり、これにより牽引ワイヤ50a、50bの撓み等の変形を抑制できる。そのため、ステント30を生体内に精度よく留置することができる。なお、上記は牽引ワイヤ50a、50bの撓み等の変形を抑制する限り、処置部材がステント以外の医療器具にも適用されうる。
また、シャフト部10における処置部材を保持した部分をカテーテル110の先端開口部119aから突出させるステップよりも前には、カテーテル110の先端開口部119aを生体管腔の処置対象部位の近傍まで送達し、カテーテル110の先端開口部119aからシャフト部10を突出させた後に、シャフト部10において処置部材を保持した部分を処置対象部位に送達している。そのため、カテーテル110によって処置部材を処置対象部位までに案内し、手技を円滑に実施することができる。
また、カテーテル110は基端側において内腔に連通する基端開口部119bを備える。本体部111の長さL2は、内腔にシャフト部10を挿通させた状態において手元操作部80の先端からカテーテル110の基端開口部119bまでシャフト部10が長手方向に露出する長さL4よりも長く形成される。このようにカテーテル110の先端側だけでなく、基端側において露出する長さが比較的短いシャフト部を使用することで、牽引ワイヤ50a、50bの撓み等の変形をさらに抑制でき、ステント30を生体内に精度よく留置できる。
また、医療器具セットの具体的な構成として、処置部材は上記のように生体管腔Blにおいて処置対象部位を拡張させるステント30を備えると共に、シャフト部10はステント30を収容する中空の第1外管41を備える。そして、牽引部50は、ステント30に対して第1外管41を相対的に基端側に移動させる牽引ワイヤ50a、50bを備えるように構成することで、上記のようにステント30を生体管腔Blにおいて適切な位置に留置することができる。
また、ステント30による処置を行うステップは、カテーテル110に対してシャフト部10を相対的に長手方向に移動させ、長手方向においてステント30とカテーテル110との間に間隔L6を設けた状態において行われるステップを備える。上記のように牽引ワイヤ50a、50bの撓み等の変形を抑制するためにはシャフト部10を長手方向において、できるだけカテーテル110に収容した状態で処置を行うことが望ましい。しかし、第1外管41のように実際に処置を行う部位とカテーテル110とが近接しすぎていると、処置が行いにくい場合がある。そのため、ステント30の基端とカテーテル110の先端部とは長手方向に一定程度、間隔L6を設けた状態で処置を行うことにより、牽引ワイヤ50a、50bの撓み等の変形を抑制しつつ、シャフト部10による処置を円滑に実施することができる。
また、シャフト部10は、基端側においてシャフト部10の外形を構成する牽引ワイヤ挿通管70の外径d1を、カテーテル110の内径d2の45%以上に構成している。そのため、牽引ワイヤ50a、50bの基端側における撓み等の変形を効果的に抑制し、ステント30等の処置部材の処置を正確に実施することができる。
また、医療器具セット100は、カテーテル110の生体管腔Blへの導入の際に用いられカテーテル110を挿通させる内腔を備えるイントロデューサーシース120を有するように構成している。そのため、生体管腔Blにシャフト部10やカテーテル110を円滑に導入することができる。
また、シャフト部10は、ガイドワイヤGを挿通させるガイドワイヤルーメン21を備えた長尺状の内管20と、内管20を収容可能な内腔を備えた外管40と、を備える。また、外管40を構成する基端側チューブ43bは、シャフト部10における長手方向の中間部においてガイドワイヤGの一端部を外部に導出する導出孔43dを備えるように構成している。そのため、医療器具1においてガイドワイヤGを手元操作部80の基端部まで挿通させる必要がない分、医療器具1の交換を容易に行うことができる。
(実施例)
以下に本発明の実施例について説明する。
本実施例では、生体管腔を模擬した内腔に上記した医療器具1とカテーテル110の組み合わせを有する実施例及び比較例をそれぞれ導入し、牽引ワイヤ50a、50bを牽引した際のステント30の留置位置の違いについて確認した。
本実施例において実施例は実施例1~4から構成し、比較例は比較例1~4から構成した。実施例1はシャフト部10の全長L1が200cm、カテーテル110において上述した長さL2が150cmのものを使用した。また、カテーテル110の耐キンクプロテクタ114の長さを5cm、内腔の大きさが一定でない部位の長さが2cmのものを使用し、カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4をそれぞれ43cm、0cmとした。なお、長手方向における耐キンクプロテクタ114の長さとカテーテル110の内腔における大きさが一定でない部位の長さは実施例2~4及び比較例1~4においても同様である。
実施例2ではシャフト部10の全長L1が200cm、カテーテル110の長さL2が120cmのものを使用した。また、カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4をそれぞれ73cm、0cmとした。
実施例3ではシャフト部10の全長L1が200cm、カテーテル110の長さL2が150cmのものを使用した。また、カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4を17cm、26cmとした。
実施例4ではシャフト部10の全長L1が200cm、カテーテル110の長さL2が120cmのものを使用した。また、カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4をそれぞれ17cm、56cmとした。
一方、比較例1ではシャフト部10の全長L1が135cm、カテーテル110の長さL2が45cmのものを使用した。また、カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4をそれぞれ83cm、0cmとした。
比較例2では、シャフト部10の全長L1が135cm、カテーテル110の長さL2が10cmのものを使用した。また、カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4を118cm、0cmとした。
比較例3では、シャフト部10の全長L1が135cm、カテーテル110の長さL2が45cmのものを使用した。カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4はそれぞれ、17cm、66cmとした。
比較例4では、シャフト部10の全長L1が135cm、カテーテル110の長さL2が10cmのものを使用した。カテーテル110の先端側及び基端側からシャフト部10が露出する長さL3、L4はそれぞれ17cm、101cmとした。
なお、カテーテル110の内径とシャフト部10の第1外管41の外径は実施例1~4及び比較例1~4で同様であり、カテーテル110の内径が2.2mm、シャフト部10の第1外管41の外径が約2mm(6Fr)である。
生体管腔は、PVC(ポリ塩化ビニル)製で作成した断面が内径10mmの円形状のパイプで模擬した。パイプは、医療器具の仕様によってステントの留置位置が変化し得るように直線状のパイプに一箇所折れ曲がり箇所を設けた。折れ曲がり箇所の角度は、90度程度であり、折れ曲がり箇所のR(円弧の曲率半径)は10mmとした。
本実施例では模擬した生体管腔に実施例1~4及び比較例1~4の医療器具を導入した。そして、折れ曲がり箇所を越えてから30mmまで医療器具を導入した状態で手元操作部80により牽引ワイヤ50a、50bを牽引し、第1外管41からステント30を放出した際にステント30が長手方向において想定した位置からずれるか否かを確認した。実験結果を以下に示す。
表1のように比較例1~4ではステント30が模擬した生体管腔の長手方向において位置ズレが生じてしまったが、実施例1~4ではステント30は模擬した生体管腔において長手方向に位置ズレが生じないことが確認できた。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記では、医療器具セット100が医療器具1とカテーテル110とイントロデューサーシース120とを有する実施形態について説明した。しかし、これに限定されず、イントロデューサーシース120を有さない医療器具セットも本発明の一実施形態に含まれる。また、図1ではカテーテル110の基端開口部119bから手元操作部80までの長さL4が0である実施形態について示したが、これに限定されない。図23に示すようにL4が0でない状態となるようにカテーテル110を医療器具1に対して配置した状態で所定の処置を行ってもよい。
また、上記ではシャフト部10がステント30を含み、手技において生体管腔Blにステント30を留置する手技について説明したが、これに限定されない。上記以外にも、図23に示すようにシャフト部10はステント30の代わりにマイクロカテーテルを含み、手技の際にはカテーテル110の先端開口部119aから処置部材を保持する部分としてマイクロカテーテルの先端部を突出させる場合も本発明の一実施形態に含まれる。この場合、牽引部によってマイクロカテーテルの先端部が処置可能な状態に変化する。具体的には、マイクロカテーテルの先端部を放射方向等に湾曲させることができる。
1 医療器具、
10 シャフト部、
20 内管、
30 ステント(処置部材)、
40 外管、
41 第1外管(収納部材)、
43d 導出孔、
50 牽引部、
50a、50b 牽引ワイヤ、
80 手元操作部、
100、100a 医療器具セット、
110 カテーテル(管状部材)、
115 (管状部材の)内腔、
119a 先端開口部、
119b 基端開口部、
120 イントロデューサーシース、
Bl 生体管腔、
G ガイドワイヤ、
L 下肢血管、
L1 (医療器具のシャフト部における長手方向の)全長、
L2 (管状部材の長手方向における内腔の大きさが一定な区間の)長さ、
L3 (管状部材の先端開口部からシャフト部が露出する露出)長さ、
L4 (手元操作部の先端から管状部材の基端開口部までシャフト部が露出する露出)長
さ、
L5 (管状部材における内腔の大きさが一定な区間に収容されている牽引ワイヤの)長
さ、
L6 (処置部材を処置対象部位に送達した際の処置部材と管状部材との)間隔、
Ra 橈骨動脈。

Claims (8)

  1. 患者の橈骨動脈より生体内に導入され下肢血管に存在する処置対象部位に対して所定の処置を施す処置部材と、先端部に前記処置部材を保持した長尺状のシャフト部と、牽引操作されることにより、前記処置部材を、前記処置が実施可能な状態に変化させる撓み変形を抑制可能な牽引ワイヤを含む長尺状の牽引部と、前記牽引部の牽引操作を可能にする手元操作部と、を備える医療器具と、
    前記シャフト部を挿通させる内腔が形成された本体部と、前記内腔に連通する先端開口部と、を備え、前記本体部が、前記内腔に前記シャフト部を挿通させた状態において前記先端開口部から前記シャフト部が長手方向に露出する露出長さよりも長く形成された管状部材と、を有し、
    前記シャフト部における前記処置部材を保持した部分を前記管状部材の前記先端開口部から突出させた状態において、前記管状部材における前記内腔の大きさが一定な区間に収容されている前記牽引ワイヤの長さL5は、前記手元操作部の先端から前記管状部材の基端開口部まで前記シャフト部が露出する露出長さL4より大きい医療器具セットに用いられる医療器具。
  2. 患者の橈骨動脈より生体内に導入され下肢血管に存在する処置対象部位に対して所定の処置を施す処置部材と、先端部に前記処置部材を保持した長尺状のシャフト部と、牽引操作されることにより、前記処置部材を、前記処置が実施可能な状態に変化させる撓み変形を抑制可能な牽引ワイヤを含む長尺状の牽引部と、前記牽引部の牽引操作を可能にする手元操作部と、を備える医療器具であって、
    前記医療器具は、前記シャフト部を挿通させる内腔が形成された本体部と、前記内腔に連通する先端開口部と、を備え、前記本体部が、前記内腔に前記シャフト部を挿通させた状態において前記先端開口部から前記シャフト部が長手方向に露出する露出長さよりも長く形成された管状部材とともに使用可能であり、
    前記シャフト部における前記処置部材を保持した部分を前記管状部材の前記先端開口部から突出させた状態において、前記管状部材における前記内腔の大きさが一定な区間に収容されている前記牽引ワイヤの長さL5は、前記手元操作部の先端から前記管状部材の基端開口部まで前記シャフト部が露出する露出長さL4より大きい医療器具。
  3. 前記牽引ワイヤの先端側の端部から基端側の端部までの距離は、前記シャフト部の全長L1から、前記牽引ワイヤの先端側の端部から基端側の端部までの距離を引いた距離より大きい、請求項1または請求項2に記載の医療器具。
  4. 前記牽引ワイヤの先端側の端部から基端側の端部までの距離が120cmを超える請求項1または請求項2に記載の医療器具。
  5. 前記牽引ワイヤの先端側の端部から基端側の端部までの距離が150cmを超える請求項1または請求項2に記載の医療器具。
  6. 前記処置部材がステントである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の医療器具。
  7. 前記ステントが自己拡張型ステントである、請求項6に記載の医療器具。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の前記医療器具と前記管状部材を有する医療器具セット。
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