JP7324868B2 - 無機繊維、無機繊維製品、無機繊維製品の製造方法、無機繊維製造用組成物及び無機繊維の製造方法 - Google Patents
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Description
SiO 2 :25質量%~45質量%
Al 2 O 3 :5質量%~25質量%
CaO:15質量%~50質量%
MgO:3質量%~20質量%
遷移金属化合物:0.1質量%~5質量%
SO 3 :0.5質量%~5質量%
Na 2 O+K 2 O+Li 2 O:1質量%~13質量%
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2)
このとき、前記遷移金属化合物は、Fe、Mn、Cu、Ni、Co、Zr、V、Nb、Mo、W、Yを含む群から選択される少なくとも1種の化合物であるとよい。
このとき、無機繊維製品が断熱材又は耐火材であるとよい。
SiO 2 :25質量%~45質量%
Al 2 O 3 :5質量%~25質量%
CaO:15質量%~50質量%
MgO:3質量%~20質量%
遷移金属化合物:0.1質量%~5質量%
SO 3 :0.5質量%~5質量%
Na 2 O+K 2 O+Li 2 O:1質量%~13質量%
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2)
また、前記課題は、本発明に係る無機繊維によれば、Na、K、Liを含む群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属化合物と、硫黄化合物とを含み、SiO 2 とAl 2 O 3 の合計に対するCaOとMgOの合計のモル比(mol%(CaO+MgO)/mol%(SiO 2 +Al 2 O 3 ))で表されるモル塩基度Pが0.5~1.7であり、酸化物換算した場合に、Na 2 O、K 2 O、Li 2 Oで表されるアルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)と、SO 3 で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)が、以下の式(1)又は(2)を満たすことにより解決される。
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2)
このとき、遷移金属化合物を0.1~5質量%含むとよい。
このとき、前記遷移金属化合物は、Fe、Mn、Cu、Ni、Co、Zr、V、Nb、Mo、W、Yを含む群から選択される少なくとも1種の化合物であるとよい。
このとき、無機繊維が以下の組成を有するとよい。
SiO 2 :25質量%~45質量%
Al 2 O 3 :5質量%~25質量%
CaO:15質量%~50質量%
MgO:3質量%~20質量%
遷移金属化合物:0.1質量%~5質量%
SO 3 :0.5質量%~5質量%
Na 2 O+K 2 O+Li 2 O:1質量%~13質量%
このとき、ロックウール、ストーンウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール及びミネラルグラスウールからなる群より選択される少なくとも1種以上であるとよい。
また、前記課題は、本発明に係る無機繊維製品によれば、上記の無機繊維を含むことにより解決される。
このとき、無機繊維製品が断熱材又は耐火材であるとよい。
また、前記課題は、本発明に係る無機繊維製品の製造方法によれば、上記の無機繊維を成形することにより解決される。
また、前記課題は、本発明に係る無機繊維製造用組成物によれば、Na、K、Liを含む群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属化合物と、硫黄化合物とを含み、SiO 2 とAl 2 O 3 の合計に対するCaOとMgOの合計のモル比(mol%(CaO+MgO)/mol%(SiO 2 +Al 2 O 3 ))で表されるモル塩基度Pが0.5~1.7であり、酸化物換算した場合に、Na 2 O、K 2 O、Li 2 Oで表されるアルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)と、SO 3 で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)が、以下の式(1)又は(2)を満たすことにより解決される。
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2)
また、前記課題は、本発明に係る無機繊維の製造方法によれば、上記の無機繊維製造用組成物を熔解し、次いで、繊維化することにより、無機繊維を得ることにより解決される。
本願明細書において、○質量%~△質量%は、○質量%以上△質量%以下を意味する。
本願明細書において、各成分の含有量は、酸化物換算で表記され、蛍光X線分析(XRF)によって測定することが可能である。ここで、各成分の含有量が酸化物換算で表記されるとしても、必ずしも各成分が酸化物として含有されている必要はない。例えば、各成分(S、FeやNa)が酸化物(SO3、Fe2O3やNa2O)として含まれるのではなく、各成分同士が硫化物(FeS、Na2S)、若しくは、硫酸塩(FeSO4、Na2SO4)のように化合物の形態で含まれていてもよい。
本実施形態の無機繊維(鉱物繊維)は、主に珪石、安山岩等の各種天然鉱物、クレー、スラグ及びガラスなどの原料若しくは、これらを砕いたものから製造される繊維状物質である。無機繊維としては、ロックウール、ストーンウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール、及びミネラルグラスウールからなる群より選択される少なくとも1種以上が例示される。本実施形態の無機繊維は、耐熱性の観点からロックウール又はスラグウールであると好適である。
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2)
S>-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1’)
S>0.5 (A≧5質量%)(2’)
S≧-0.33A+2.8 (A<7質量%)(3)
S≧0.5 (A≧7質量%)(4)
S>-0.33A+2.8 (A<7質量%)(3’)
S>0.5 (A≧7質量%)(4’)
S≧-0.36A+3.4 (A<8質量%)(5)
S≧0.5 (A≧8質量%)(6)
S>-0.36A+3.4 (A<8質量%)(5’)
S>0.5 (A≧8質量%)(6’)
本実施形態の無機繊維及び無機繊維製造用組成物は、遷移金属化合物を含有していてもよい。遷移金属化合物は、Na等のアルカリ金属化合物と同様に、硫黄化合物と結び付いて結晶核を生成するため、無機繊維の耐熱性を向上させる成分として機能し得る。
モル塩基度Pは、SiO2とAl2O3の合計に対するCaOとMgOの合計のモル比(mol%(CaO+MgO)/mol%(SiO2+Al2O3))で表される。具体的には、モル塩基度Pは、ロックウールに含まれる成分のモル比の合計を100mol%としたときに、CaOとMgOの合計(mol%)を、SiO2とAl2O3の合計(mol%)で除して得られる。
SiO2:25質量%~45質量%、好ましくは25質量%~40質量%
Al2O3:5質量%~25質量%、好ましくは10質量%~20質量%
CaO:15質量%~50質量%、好ましくは30質量%~45質量%
MgO:3質量%~20質量%、好ましくは5質量%~10質量%
遷移金属化合物:0.1質量%~5質量%、好ましくは1質量%~3質量%
SO3:0.5質量%~5質量%、好ましくは1質量%~3質量%、より好ましくは2質量%~3質量%
Na2O+K2O+Li2O:1質量%~13質量%、好ましくは2質量%~13質量%、より好ましくは3質量%~13質量%
本実施形態の無機繊維及び無機繊維製造用組成物においては、後述する実施例で示されるように、アルカリ金属の含有量が多くなると結晶化ピーク温度が下がり、結晶化ピーク温度が下がると耐熱性が向上しており、本発明の技術思想を支持する結果が得られている。ここで、結晶化ピーク温度とは、無機繊維を構成する成分が結晶化する際の温度であり、例えば、示差熱分析装置(DTA)や示差走査熱量測定(DSC)によって、昇温時の発熱ピークの値から求めることができる。本実施形態において、結晶化ピーク温度は、例えば、DTA(示差熱分析装置)を用い、昇温速度20℃/分で1000℃まで加熱した際の発熱ピーク温度として定義することができる。
本実施形態の無機繊維製造用組成物の加熱収縮率は、実施例記載の方法で測定したとき、1110℃の加熱後において、14%以下、好ましくは12%以下、より好ましくは11%以下、さらに好ましくは10%以下である。
無機繊維の繊維表面には、表面をできるだけ小さくしようとする表面張力が働いている。繊維が軟化して変形可能な状態になると、表面張力の影響で繊維が太くなったり、変形したりする。さらに繊維の軟化が進行すると繊維交点が融着して、最終的には熔融する。無機繊維及び無機繊維断熱材の耐熱性は、繊維形態が変化せずに繊維間に空隙を持つ断熱材としての形状を維持可能な温度が高い程、優れたものとなる。
本実施形態に係る無機繊維の製造方法は、上述の無機繊維の組成と同様の組成の無機繊維製造用組成物(無機繊維原料)を用いる以外は、従来、無機繊維の製造に用いられている公知の方法を利用することができる。
本実施形態の無機繊維は、集綿室で集綿され、用途に応じて解繊・粒状化して粒状綿にしたり、バインダーを添加して硬化炉で固め、所定の密度・厚さに調整して、ボード状、マット状、フェルト状、ブランケット状、帯状、筒状などの無機繊維製品(成形品、二次製品)に加工される。
本実施形態の無機繊維から、様々な無機繊維製品(二次製品)を得ることができる。例えば、バルク、ブランケット、ブロック、ロープ、ヤーン、紡織品、界面活性剤を塗布した無機繊維、ショット(未繊維化物)を低減または取り除いたショットレスバルクや、水等の溶媒を使用し製造するボード、モールド、ペーパー、フェルト、コロイダルシリカを含浸したウェットフェルト等の定形品が得られる。また、それら定形品をコロイド等で処理した定形品が得られる。また、水等の溶媒を使用し製造する不定形材料(マスチック、キャスター、コーティング材等)も得られる。また、これら定形品、不定形品と各種発熱体を組み合わせた構造体も得られる。
以下の表1及び表2に示す組成で、試薬類を混合した(合計60~65g)。このとき、黒鉛(2~3g)を添加した。混合した試薬類をるつぼに入れ、電気炉で1500℃に加熱をして、熔融させた。1500℃まで昇温させ15~30分保持した後、熔融物を水に投入することで急冷、ガラス化させた。急冷して得られたガラスを乳鉢及びボールミルで粉砕し、3~4kNの荷重を掛けて一軸プレス成型することでペレット、すなわち無機繊維製造用組成物(サイズφ7mm×17mm)を作製した。
(耐熱性)
耐熱性の評価としてサンプルの加熱収縮率を測定した。具体的には、サンプルを電気炉内に設置し、ISO834の加熱曲線を模擬した昇温速度に沿って1110℃まで加熱した。各サンプルの径を加熱前後で測定し、その寸法変化により収縮率を測定した。具体的には、加熱収縮率(%)=(加熱前のサンプル径-加熱後のサンプル径)/加熱前のサンプル径×100で算出した。
試験1の結果を表1及び表2、図1~図3に示す。なお、実施例のサンプルのモル塩基度Pは、1.0~1.5であった。なお、表1にはLi2Oの結果が含まれている。Liは蛍光X線では測定できない元素であるため、以下の手法によりLi量を測定した。硫酸とフッ酸を5:2で混合して加温した混酸中にサンプルを溶解させた後、ホウ酸溶液によりマスキング処理を施した。その溶液を適当な割合で希釈した後に、ICP(誘導結合プラズマ)分析に供してLi量を定量した。
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2)
S≧-0.33A+2.8 (A<7質量%)(3)
S≧0.5 (A≧7質量%)(4)
S≧-0.36A+3.4 (A<8質量%)(5)
S≧0.5 (A≧8質量%)(6)
表3及び表4に示す組成で試薬類を混合した以外は、上記の手順と同様にサンプルを作製し、同様の方法で耐熱性の評価を行った。結果を表3、表4及び図4に示す。なお、実施例のサンプルのモル塩基度Pは、1.0~1.4であった。
既存の無機繊維について、アルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)を横軸に、SO3で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)を縦軸にプロットしたグラフを、図5に示す。既存の無機繊維は、いずれも、上記の式(1)及び(2)で規定される範囲に属していないことが示された。
試験1のサンプルのうち、実施例12、実施例18、実施例36を対象として測定を行った。
サンプルの結晶化ピーク温度は、DTA(示差熱分析装置)を用い、昇温速度20℃/分で1000℃まで加熱した際の発熱ピーク温度により求めた。
各サンプルの結晶化ピーク温度は、810℃(実施例12)、847℃(実施例18)、902℃(実施例36)であった。試験4の結果を図6及び図7に示す。
アルカリ金属酸化物の合計量Aが3.6、4.2、5.2、8.2、10.7のサンプル(それぞれ、実施例82、実施例18、実施例23、実施例21、実施例74)について、熔融粘度を測定した。測定は一般的な球引上げ式粘度計を用いて行い、一定温度の熔融物の中に白金線に繋がった白金球を沈め、所定の速度で引き上げた際の荷重より粘度を求めた。
試験5の結果を以下の表5に示す。いずれのサンプルでも、粘度が測定できなくなるまで150~200℃程度の温度幅があった。また、アルカリ金属酸化物の合計量Aが高くなるほど、粘度が測定できなくなるまでの温度幅が広くなる傾向であった。
以上の結果から、アルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)や、SO3で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)がそれぞれ、ロックウールの耐熱性に影響を与えることが新たに見出された。具体的には、ロックウール及びロックウール製造用組成物において、アルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)と、SO3で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)が、上記の所定範囲内にあることで、加熱によって軟化変形する前に微結晶が存在することになり、軟化が進行せず、1100℃以上の高温にさらされても繊維の湾曲・融着が起きないことが示された。
以下、具体的実施例に基づいて、これまでに記した無機繊維用組成物に関して実際に無機繊維を製造して耐熱性を測定し、図1乃至図3に示した関係を実繊維にて検証した。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
表6に示す組成で、玄武岩等の天然石、スラグ、珪砂、ソーダ灰等の各種原料を電気炉またはキューポラに装入し、通常の繊維を製造する方法と同様の方法で原料を熔解した.その後、熔解した原料を炉下部より流出させ、スピニング法により繊維化した。繊維にはバインダーが付着しており、硬化炉を通すことで無機繊維成形体(嵩密度:0.08~0.12g/cm3)を得た。
耐熱性の評価として繊維成形体の加熱収縮率を測定した。具体的には、50mm×50mmで裁断した成形体サンプルを電気炉内に設置し、ISO834の加熱曲線を模擬した昇温速度に沿って1110℃まで加熱した。サンプルの縦方向と横方向の長さを加熱前後で測定し、その寸法変化により収縮率を測定した。具体的には、加熱収縮率(%)=(加熱前のサンプル長さ-加熱後のサンプル長さ)/加熱前のサンプル長さ×100で算出した.なお、表6に示す収縮率は縦方向の収縮率と横方向の収縮率の平均値である。
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%) (1)
S≧0.5 (A≧5質量%) (2)
Claims (19)
- Na、K、Liを含む群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属化合物と、硫黄化合物とを含み、
酸化物換算した場合に、Na2O、K2O、Li2Oで表されるアルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)と、SO3で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)が、以下の式(1)又は(2)を満たし、
以下の組成を有することを特徴とする無機繊維。
SiO 2 :25質量%~45質量%
Al 2 O 3 :5質量%~25質量%
CaO:15質量%~50質量%
MgO:3質量%~20質量%
遷移金属化合物:0.1質量%~5質量%
SO 3 :0.5質量%~5質量%
Na 2 O+K 2 O+Li 2 O:1質量%~13質量%
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2) - 遷移金属化合物を0.1~5質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の無機繊維。
- 前記遷移金属化合物は、Fe、Mn、Cu、Ni、Co、Zr、V、Nb、Mo、W、Yを含む群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項2に記載の無機繊維。
- ロックウール、ストーンウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール及びミネラルグラスウールからなる群より選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無機繊維。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無機繊維を含むことを特徴とする無機繊維製品。
- 断熱材又は耐火材であることを特徴とする請求項5に記載の無機繊維製品。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無機繊維を成形することを特徴とする無機繊維製品の製造方法。
- Na、K、Liを含む群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属化合物と、硫黄化合物とを含み、
酸化物換算した場合に、Na2O、K2O、Li2Oで表されるアルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)と、SO3で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)が、以下の式(1)又は(2)を満たし、
以下の組成を有することを特徴とする無機繊維製造用組成物。
SiO 2 :25質量%~45質量%
Al 2 O 3 :5質量%~25質量%
CaO:15質量%~50質量%
MgO:3質量%~20質量%
遷移金属化合物:0.1質量%~5質量%
SO 3 :0.5質量%~5質量%
Na 2 O+K 2 O+Li 2 O:1質量%~13質量%
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2) - 請求項8に記載の無機繊維製造用組成物を熔解し、次いで、繊維化することにより、無機繊維を得る無機繊維の製造方法。
- Na、K、Liを含む群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属化合物と、硫黄化合物とを含み、
SiO 2 とAl 2 O 3 の合計に対するCaOとMgOの合計のモル比(mol%(CaO+MgO)/mol%(SiO 2 +Al 2 O 3 ))で表されるモル塩基度Pが0.5~1.7であり、
酸化物換算した場合に、Na2O、K2O、Li2Oで表されるアルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)と、SO3で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)が、以下の式(1)又は(2)を満たすことを特徴とする無機繊維。
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2) - 遷移金属化合物を0.1~5質量%含むことを特徴とする請求項10に記載の無機繊維。
- 前記遷移金属化合物は、Fe、Mn、Cu、Ni、Co、Zr、V、Nb、Mo、W、Yを含む群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項11に記載の無機繊維。
- 以下の組成を有する請求項10乃至12のいずれか一項に記載の無機繊維。
SiO2:25質量%~45質量%
Al2O3:5質量%~25質量%
CaO:15質量%~50質量%
MgO:3質量%~20質量%
遷移金属化合物:0.1質量%~5質量%
SO3:0.5質量%~5質量%
Na2O+K2O+Li2O:1質量%~13質量% - ロックウール、ストーンウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール及びミネラルグラスウールからなる群より選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の無機繊維。
- 請求項10乃至14のいずれか一項に記載の無機繊維を含むことを特徴とする無機繊維製品。
- 断熱材又は耐火材であることを特徴とする請求項15に記載の無機繊維製品。
- 請求項10乃至14のいずれか一項に記載の無機繊維を成形することを特徴とする無機繊維製品の製造方法。
- Na、K、Liを含む群から選択される少なくとも1種のアルカリ金属化合物と、硫黄化合物とを含み、
SiO 2 とAl 2 O 3 の合計に対するCaOとMgOの合計のモル比(mol%(CaO+MgO)/mol%(SiO 2 +Al 2 O 3 ))で表されるモル塩基度Pが0.5~1.7であり、
酸化物換算した場合に、Na2O、K2O、Li2Oで表されるアルカリ金属酸化物の合計量A(質量%)と、SO3で表される硫黄酸化物の重量S(質量%)が、以下の式(1)又は(2)を満たすことを特徴とする無機繊維製造用組成物。
S≧-0.38A+2.4 (A<5質量%)(1)
S≧0.5 (A≧5質量%)(2) - 請求項18に記載の無機繊維製造用組成物を熔解し、次いで、繊維化することにより、無機繊維を得る無機繊維の製造方法。
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