上記及び他の必要性を満たすために、本明細書で開示されるのは、ダイナミックヒト抗体を可能にする、軽鎖超可変領域(HVR)及び軽鎖可変領域(例えば、VL領域)などの抗体配列である。これらの配列は、高い能力で標的に結合し、及び/または複数の有用なエピトープを認識し、及び/または低い配列同一性(およそ60%以下の配列同一性)で異なる種間で共有されるエピトープと交差反応することができる、柔軟性の高いHVR配列ループを有する抗体ができるように設計された。有利には、これらの抗体配列により、より小さなライブラリーでありながら、多数の有用な抗体を含有し、及び/または所与のライブラリーサイズで多様性がはるかに大きいライブラリーの作製が可能となる。そのようなライブラリーは、広範囲の標的に特異的である目的の新規抗体、またはいくつかの場合では、目的の複数の標的と交差反応する新規抗体を特定するために使用することができる。
したがって、一態様において、本明細書で提供されるのは、ポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)を含むライブラリーであり、当該ポリヌクレオチドのうちの1つは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも250、または280は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む軽鎖可変領域をコードし、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドのそれぞれは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む軽鎖をコードし、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、約1000未満のHVR-L1配列、HVR-L2配列、及びHVR-L3配列のユニークな組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、約280以下のHVR-L1配列、HVR-L2配列、及びHVR-L3配列のユニークな組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも1つは、構造決定及び/またはコンピューターモデリングによって評価されたとき、複数の立体構造を取る。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、ベクター中にある。いくつかの実施形態において、ベクターは、発現ベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターは、ディスプレイベクターである。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、細胞中にある。いくつかの実施形態において、細胞は、細菌、酵母、または哺乳類の細胞(例えば、非ヒト動物細胞または単離ヒト細胞)である。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(12)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(13)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(14)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(15)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(16)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(17)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(18)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号24のアミノ酸配列を含むFW-L1と、配列番号25のアミノ酸配列を含むFW-L2と、配列番号26のアミノ酸配列を含むFW-L3と、配列番号27のアミノ酸配列を含むFW-L4と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、全長抗体軽鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、抗体重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを更に含む。いくつかの実施形態において、抗体重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドは、少なくとも1つのユニーク配列、少なくとも100のユニーク配列、少なくとも1000のユニーク配列、または少なくとも約109のユニーク配列を含む。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、複数のユニーク抗体をコードするポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)を含むライブラリーであり、各抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、複数の各抗体の軽鎖可変領域は、同一の配列を含み、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(12)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(13)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(14)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(15)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(16)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(17)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(18)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号24のアミノ酸配列を含むFW-L1と、配列番号25のアミノ酸配列を含むFW-L2と、配列番号26のアミノ酸配列を含むFW-L3と、配列番号27のアミノ酸配列を含むFW-L4と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリー中の抗体の重鎖可変領域は、少なくとも1つのユニーク配列、少なくとも100のユニーク配列、少なくとも1000のユニーク配列、または少なくとも約109のユニーク配列を有する。いくつかの実施形態において、ライブラリーのポリヌクレオチドは、合成ポリヌクレオチドである。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、先行実施形態のいずれかに記載のライブラリーに由来するポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)によって発現されるポリペプチドを含む抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、約10-7及び約10-11Mの平衡解離定数(Kd)で、少なくとも1つの標的に結合する。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、ポリペプチドを含むライブラリーであって、当該ポリペプチドのうちの少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275など)は、先行実施形態のいずれかに記載のポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)ライブラリーのポリヌクレオチドによってコードされる、当該ライブラリーである。いくつかの実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも2つは、ポリヌクレオチドライブラリーのポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも100は、ポリヌクレオチドライブラリーのポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態において、ポリペプチドのそれぞれは、ポリヌクレオチドライブラリーのポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリペプチドは、軽鎖可変ドメインである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリペプチドは、ファージの表面上に提示される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドを含むライブラリーは、少なくとも1つの重鎖可変ドメインポリペプチドを更に含む。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、ベクターを含むライブラリーであって、当該ベクターのうちの少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275など)は、先行実施形態のいずれかに記載のポリヌクレオチドライブラリーのポリヌクレオチドを含む、当該ライブラリーである。いくつかの実施形態において、ベクターのうちの少なくとも2つは、ポリヌクレオチドライブラリーに由来するポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、ベクターのうちの少なくとも100は、ポリヌクレオチドライブラリーに由来するポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、ベクターのそれぞれは、ポリヌクレオチドライブラリーに由来するポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのベクターは、軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、ベクターを含むライブラリーは、重鎖可変ドメインポリペプチドをコードするベクターを更に含む。また、本明細書で提供されるのは、細胞の集団を含むライブラリーであって、少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも100、少なくとも103、少なくとも104、少なくとも105、少なくとも106、少なくとも107、少なくとも108、少なくとも109など)の細胞は、先行実施形態のいずれかに記載のライブラリーのベクターを含む、当該ライブラリーである。いくつかの実施形態において、細胞のうちの少なくとも2つは、ライブラリーのベクターを含む。いくつかの実施形態において、細胞のうちの少なくとも100は、ライブラリーのベクターを含む。いくつかの実施形態において、細胞のそれぞれは、ライブラリーのベクターを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの細胞は、細菌、酵母、または哺乳類の細胞(例えば、非ヒト動物細胞または単離ヒト細胞)である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、表面上に提示された少なくとも1つのポリペプチドを含むファージであり、当該少なくとも1つのポリペプチドは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域を含む抗原結合ドメインを含み、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、抗原結合ドメインは、抗体重鎖可変領域を更に含む。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、先行実施形態のいずれかに記載のポリヌクレオチドライブラリーを含む非ヒト動物である。いくつかの実施形態において、非ヒト動物は、哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ラクダ、または非ヒト霊長類)である。いくつかの実施形態において、非ヒト動物は、ポリヌクレオチドを含み、当該ポリヌクレオチドのうちの1つは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む軽鎖可変領域を含む抗体軽鎖であり、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3;(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(12)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(13)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(14)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(15)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(16)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(17)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(18)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号24のアミノ酸配列を含むFW-L1と、配列番号25のアミノ酸配列を含むFW-L2と、配列番号26のアミノ酸配列を含むFW-L3と、配列番号27のアミノ酸配列を含むFW-L4と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも1つは、構造決定及び/またはコンピューターモデリングによって評価されたとき、複数の立体構造を取る。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、重鎖及び軽鎖を含む抗体であり、当該軽鎖は、本明細書に記載される軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3;(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(12)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(13)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(14)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(15)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(16)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(17)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(18)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号24のアミノ酸配列を含むFW-L1と、配列番号25のアミノ酸配列を含むFW-L2と、配列番号26のアミノ酸配列を含むFW-L3と、配列番号27のアミノ酸配列を含むFW-L4と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、約10-7及び約10-11Mの平衡解離定数(Kd)で、少なくとも1つの標的に結合する。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかをコードするポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)である。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかを含む全長抗体軽鎖をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかを含む抗体をコードする。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、抗体軽鎖可変領域を含むライブラリーであり、当該抗体軽鎖可変領域のうちの少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100など)は、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリー中の抗体軽鎖可変領域のそれぞれは、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、1つ以上の抗体重鎖可変領域を更に含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるのは、全長抗体軽鎖を含むライブラリーであり、当該抗体軽鎖のうちの少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100など)は、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリー中の抗体軽鎖のそれぞれは、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、1つ以上の全長抗体重鎖を更に含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるのは、抗体を含むライブラリーであり、当該抗体のうちの少なくとも1つ(例えば、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100など)は、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリー中の抗体のそれぞれは、本明細書に記載される抗体軽鎖可変領域のいずれかのアミノ酸配列を含む。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、先行実施形態のいずれかに記載のライブラリーのポリヌクレオチド配列を準備し、組み立てることを含む、ライブラリーの調製方法である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、(a)複数の立体構造を有する配列を含む、1つ、2つまたは3つの軽鎖HVRを選択するステップと、(b)ポリヌクレオチド配列を組み立てて、複数の抗体軽鎖可変領域配列をコードするポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)のライブラリーを生成するステップと、を含む、抗体ライブラリーの作製方法である。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域配列は、ヒト抗体配列である。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(12)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(13)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(14)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(15)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(16)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(17)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(18)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号24のアミノ酸配列を含むFW-L1と、配列番号25のアミノ酸配列を含むFW-L2と、配列番号26のアミノ酸配列を含むFW-L3と、配列番号27のアミノ酸配列を含むFW-L4と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50からなる群から選択される配列を含む。別の態様において、本明細書で提供されるのは、抗原結合ドメインを含むライブラリーであり、当該抗原結合ドメインのうちの1つは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域を含み、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、抗原結合ドメインは、抗体重鎖可変領域を更に含む。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域は、上記実施形態のいずれかに記載の1つ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、ファージを含む。いくつかの実施形態において、抗原結合ドメインは、ライブラリーの少なくとも1つのファージの表面上に提示される。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、ファージ表面上に提示される上記実施形態のいずれか1つに記載の抗原結合ドメインを発現する複数のファージを含む。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、2つの抗体重鎖可変領域及び2つの同一の軽鎖可変領域を含む二重特異性抗体の生成方法であって、(a)第1の抗原に結合する第1の抗原結合ドメインをスクリーニングすることであって、当該第1の抗原結合ドメインは、第1の抗体重鎖可変領域及び第1の抗体軽鎖可変領域を含み、当該第1の抗体軽鎖可変領域は、先行実施形態のいずれかに記載のライブラリーのポリヌクレオチドによってコードされる(例えば、当該第1の抗原結合ドメインは、第1の抗体重鎖可変領域及び第1の抗体軽鎖可変領域を含み、当該第1の抗体軽鎖可変領域は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む)、当該スクリーニングすることと、(b)第2の抗原に結合する第2の抗原結合ドメインをスクリーニングすることであって、当該第2の抗原結合ドメインは、第2の抗体重鎖可変領域及び第2の抗体軽鎖可変領域を含み、当該第2の抗体軽鎖可変領域は、当該第1の抗体軽鎖可変領域と同じ配列を有する(例えば、当該第2の抗原結合ドメインは、第2の抗体重鎖可変領域及び第2の抗体軽鎖可変領域を含み、当該第2の抗体軽鎖可変領域は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む)、当該スクリーニングをすることと、(c)当該第1の抗原結合ドメイン及び当該第2の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗体を生成することと、を含む、当該生成方法である。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、(a)第1の重鎖可変領域及び第1の軽鎖可変領域を含む第1の結合ドメインであって、第1の標的に結合する、当該第1の結合ドメインと、(b)第2の重鎖可変領域及び第2の軽鎖可変領域を含む第2の結合ドメインであって、当該第2の結合ドメインは、第2の標的に結合し、当該第2の軽鎖可変領域は、当該第1の軽鎖可変領域配列と同一の配列を有する、当該第2の結合ドメインと、を含み、当該第1及び第2の軽鎖可変領域のそれぞれは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む、二重特異性抗体である。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;(12)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(13)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(14)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(15)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(16)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(17)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(18)配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、(1)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(2)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(3)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(4)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(5)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(6)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(7)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(8)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(9)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;(10)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び(11)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号24のアミノ酸配列を含むFW-L1と、配列番号25のアミノ酸配列を含むFW-L2と、配列番号26のアミノ酸配列を含むFW-L3と、配列番号27のアミノ酸配列を含むFW-L4と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、第1の重鎖可変領域は、第1の重鎖定常領域に連結され、第2の重鎖可変領域は、第2の重鎖定常領域に連結され、第1の抗体軽鎖可変領域は、第1の軽鎖定常領域に連結され、第2の抗体軽鎖可変領域は、第2の軽鎖定常領域に連結され、第1及び第2の抗体軽鎖は、同一の配列を有する。
別の態様において、本明細書で提供されるのは、先行実施形態のいずれかに記載のポリヌクレオチドのライブラリーまたは当該ポリヌクレオチドを含む細胞の集団を含むキットである。
上記及び本明細書に記載される様々な実施形態の特性の1つ、複数または全てが組み合わされ、本発明の他の実施形態が形成され得ることを理解されたい。本発明のこれらの態様及び他の態様は、当業者に明らかとなるであろう。本発明のこれらの実施形態及び他の実施形態は、以下の詳細な説明によって更に詳述される。
本開示は、抗体軽鎖(例えば、ダイナミックヒト抗体の軽鎖)をコードする(例えば、非天然または合成)ポリヌクレオチドを含有するライブラリーを提供する。有利には、本明細書で開示される抗体軽鎖は、目的の複数の基質に対するより効果的な基質結合及び/または特異性を得るための柔軟性の高いループを生成するように設計されたHVR配列を含む。これらのHVR配列により、既存の技法よりも小さな抗体ライブラリーの作製が可能となると考えられる。
I.一般的技法
本明細書中に記載されるまたは参照される技法及び手順は、当業者によって一般に十分に理解されており、従来の方法論、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003));the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,and Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1987));Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons;Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991);Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999);Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989);Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000);Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999);The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995);及びCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,1993)に記載される、広く利用されている方法論などを使用して、一般的に用いられる。
II.定義
本発明を詳述する前に、本発明は、特定の組成物または生物系に限定されず、当然のことながら、変わり得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的でのみ使用され、限定を意図するものではないことを理解されたい。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈により別途明示される場合を除き、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「分子(a molecule)」への言及は、任意選択により、2つ以上のかかる分子の組み合わせなどを含む。
本明細書で使用される「約」という用語は、本技術分野の当業者であれば容易に理解する、それぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」を付した値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(及び記載する)。
本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形態を「含む」、態様及び実施形態「からなる」、ならびに態様及び実施形態「から本質的になる」ことを含むことを理解されたい。
「抗体」という用語は、本明細書中、その最も広い意味で使用され、所望の生物学的活性を呈する限り、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体フラグメント(例えば、単鎖可変フラグメントまたはscFv)を具体的に含む。
基本的な4本鎖の抗体単位は、2本の同一の軽鎖(L)と2本の同一の重鎖(H)とから構成されるヘテロ四量体糖タンパク質である。VHとVLとが一緒に対合することにより、単一の抗原結合部位が形成される。異なる抗体クラスの構造及び特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology,8th Ed.,Daniel P.Stites,Abba I.Terr and Tristram G.Parslow(eds.),Appleton&Lange,Norwalk,CT,1994,page 71 and Chapter 6を参照されたい。
任意の脊椎動物種に由来するL鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)及びラムダ(「λ」)と呼ばれる2つの明確に異なる種類のうちの1つに割り当てることができる。免疫グロブリンは、その重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、異なるクラスまたはアイソタイプに割り当てることができる。免疫グロブリンには、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMの5つのクラスがあり、それぞれ、アルファ(「α」)、デルタ(「δ」)、イプシロン(「ε」)、ガンマ(「γ」)及びミュー(「μ」)と表記される重鎖を有する。γ及びαのクラスは、CH配列及び機能における比較的わずかな相違に基づいて、サブクラス(アイソタイプ)に更に分類され、例えば、ヒトは、次のサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2を発現する。種々の免疫グロブリンクラスのサブユニット構造及び三次元構成は既知であり、例えば、Abbas et al.,Cellular and Molecular Immunology,4th ed.(W.B.Saunders Co.,2000)に概説されている。
抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは、「VH」と呼ばれることもある。軽鎖の可変ドメインは、「VL」と呼ばれることもある。これらのドメインは、一般に、可変性が最も高い抗体部分であり、抗原結合部位を含有する。
「Kabatにおける可変ドメイン残基ナンバリング」または「Kabatにおけるアミノ酸位置ナンバリング」という用語及びその変形は、Kabatら(上掲)において、抗体の重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインの編成に使用されるナンバリングシステムを指す。このナンバリングシステムを使用する場合、実際の直鎖状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたはHVRの短縮に応じてアミノ酸がより少ないこともあれば、FRまたはHVRへの挿入に応じて追加のアミノ酸を含有することもある。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後に1つのアミノ酸挿入(Kabatに従うと残基52a)を含み得、重鎖FR残基82の後に複数の挿入された残基(例えば、Kabatに従うと残基82a、82b及び82cなど)を含み得る。所与の抗体に対する残基のKabatナンバリングは、抗体の配列と「標準的な」Kabatナンバリング配列との相同領域でのアラインメントによって決定され得る。
Kabatナンバリングシステムは、一般に、可変ドメイン中の残基(概ね、軽鎖の残基1~107及び重鎖の残基1~113)について言及する際に使用される(例えば、Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest.5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))。「EUナンバリングシステム」または「EUインデックス」は、一般に、免疫グロブリン重鎖定常領域中の残基について言及する際に使用される(例えば、Kabatら(上掲)で報告されるEUインデックス)。「Kabatに従うEUインデックス」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基ナンバリングを指す。
「定常ドメイン」という用語は、免疫グロブリンの他の部分である、抗原結合部位を含有する可変ドメインと比べて、より保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のCH1、CH2及びCH3ドメイン(総称して、CH)及び軽鎖のCHL(またはCL)ドメインを含有する。
「全長抗体」という用語(「インタクト」抗体または「全」抗体という用語は、本明細書で区別なく使用され得る)は、抗体フラグメントとは対照的に、実質的にインタクトな形態の抗体を指し得る。同様に「全長抗体軽鎖」という用語(「インタクト」抗体軽鎖または「全」抗体軽鎖という用語は、本明細書で区別なく使用され得る)は、抗体軽鎖フラグメントとは対照的に、実質的にインタクトな形態の抗体軽鎖を指し得る。具体的には、全抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有するものを含む。定常ドメインは、天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列の定常ドメイン)であってもよいし、そのアミノ酸配列バリアントであってもよい。いくつかの場合において、インタクト抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有し得る。
本明細書に使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体集団から得られる抗体を指す。すなわち、その集団に含まれる個々の抗体は、微量で存在し得る可能性のある自然発生の変異及び/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除き、同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原部位を対象とする。異なる決定基(エピトープ)を対象とする種々の抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。「モノクローナル」という修飾語句は、実質的に同種の抗体集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、例えば、様々な技法によって作製することができ、これらには、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein.,Nature,256:495-97(1975);Hongo et al.,Hybridoma,14(3):253-260(1995),Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2d ed.1988);Hammerling et al.,in:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681(Elsevier,N.Y.,1981))、組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号参照)、ファージディスプレイ法(例えば、Clackson et al.,Nature,352:624-628(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 101(34):12467-472(2004);及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)参照、及びヒト免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子座または遺伝子の一部または全てを有する動物におけるヒト抗体またはヒト様抗体の産生技術(例えば、WO1998/24893;WO1996/34096;WO1996/33735;WO1991/10741;Jakobovits et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 90:2551(1993);Jakobovits et al.,Nature 362:255-258(1993);Bruggemann et al.,Year in Immunol.7:33(1993);米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号及び同第5,661,016号;Marks et al.,Bio/Technology 10:779-783(1992);Lonberg et al.,Nature 368:856-859(1994);Morrison,Nature 368:812-813(1994);Fishwild et al.,Nature Biotechnol.14:845-851(1996);Neuberger,Nature Biotechnol.14:826(1996);ならびにLonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)参照)が含まれる。
本明細書で使用されるとき、「超可変領域(HVR)」は、配列が超可変性であり、及び/または構造的に定義されたループを形成する、抗体ドメインの領域を指す。一般に、抗体は、6つのHVRを含み、3つがVH(H1、H2、H3)にあり、3つがVL(L1、L2、L3)にある。例えば、Xu et al.,Immunity 13:37-45(2000);Johnson and Wu in Methods in Molecular Biology 248:1-25(Lo,ed.,Human Press,Totowa,N.J.,2003)を参照されたい。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、次の順序:FW1-HVR1-FW2-HVR2-FW3-HVR3-FW4で配置された、3つのHVR及び4つのフレームワーク(FW)領域から構成される。本開示全体を通して、軽鎖の3つのHVRは、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3と称される。比較のために、図1Bに示される例示的な抗体軽鎖可変ドメインのHVRの定義(本明細書で使用されるもの)は、相補性決定領域(CDR)のKabat定義とは異なる(Yvonne Chen et al.(1999)“Selection and Analysis of an Optimized Anti-VEGF Antibody:Crystal Structure of an Affinity-matured Fab in Complex with Antigen”,J.Mol.Biol.293,865-881)。
本明細書で使用されるとき、「ライブラリー」は、共通のクラスを有する2つ以上の実体の集まりを指す。例えば、ポリヌクレオチドを含有するライブラリーは、2つ以上のポリヌクレオチドの集まりを指し得る。「ライブラリー」という用語は、本明細書中、その最も広い意味で使用され、合わせても合わせなくてもよいサブライブラリーを具体的に含む。
本明細書で使用されるとき、「ユニーク」は、1つの集まりの1メンバーであって、その集まりの他のメンバーとは異なる1メンバーを指す。例えば、抗体をコードする複数のポリヌクレオチドをコードするライブラリーに由来するユニーク抗体は、当該ライブラリーによってコードされる他の抗体によって共有されない特定の配列を有する抗体を指し得る。実際問題として、ライブラリーが物理的に実現した「ユニーク」メンバーは、2つ以上のコピーで存在し得ることを理解されたい。例えば、ライブラリーは、複数の「ユニーク」抗体を含有し得、「ユニーク」抗体分子のうちの1つ以上は、2つ以上のコピーで生じ得る。
本明細書で使用されるとき、「多様性」は、可変性及び/または不均一性を指す。例えば、ライブラリー中の抗体の多様性は、ライブラリー中に存在するユニーク配列を含む抗体が様々であることを指し得る。
「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」という用語は、本明細書で区別なく使用され、2つ以上のアミノ酸の重合体を指し得る。
本明細書で区別なく使用される「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドの重合体を指し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾ヌクレオチドもしくは塩基、及び/またはそれらの類似体、あるいはDNAもしくはRNAポリメラーゼによりまたは合成反応により重合体中に組み込まれ得る任意の基質であり得る。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びその類似体などの修飾ヌクレオチドを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、重合体の組み立て前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されてもよい。ポリヌクレオチドは、標識へのコンジュゲーションなど、合成後になされた修飾(複数可)を含み得る。他の修飾タイプには、例えば、「キャップ」、類似体による天然ヌクレオチドのうちの1つ以上の置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)による修飾、及び荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)による修飾、ペンダント部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L-リシンなど)を含有する修飾、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)による修飾、キレート化剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有する修飾、アルキル化剤を含有する修飾、修飾結合による修飾(例えば、αアノマー核酸など)、ならびにポリヌクレオチド(複数可)の未修飾形態が含まれる。更に、糖内に通常存在するヒドロキシル基のうちのいずれかを、例えば、ホスホン酸基、リン酸基によって置き換えてもよいし、標準的な保護基によって保護してもよいし、活性化させて追加のヌクレオチドへの更なる結合を生成してもよいし、固体または半固体の支持体にコンジュゲートしてもよい。5’末端及び3’末端のOHを、リン酸化してもよいし、アミンまたは1~20個の炭素原子の有機キャッピング基部分で置換してもよい。他のヒドロキシルも、標準的な保護基に誘導体化してもよい。ポリヌクレオチドはまた、当該技術分野において一般的に知られているリボース糖またはデオキシリボース糖の類似形態も含み得、例えば、2’-O-メチル-、2’-O-アリル-、2’-フルオロ-または2’-アジド-リボース、炭素環糖類似体、α-アノマー糖、アラビノース、キシロースまたはリキソースなどのエピマー糖、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体、及びメチルリボシドなどの塩基性ヌクレオシド類似体を含む。1つ以上のホスホジエステル結合は、代替連結基に置き換えられてもよい。これらの代替連結基には、限定されないが、リン酸が、P(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NR2(「アミデート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)に置き換えられる実施形態が含まれ、式中、各RまたはR’は、独立して、H、置換もしくは無置換アルキル(1~20C)(任意にエーテル(-O-)結合を含有する)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアラルジルである。ポリヌクレオチド内の全ての結合が同一である必要はない。前述の説明は、RNA及びDNAを含む、本明細書において言及される全てのポリヌクレオチドに適用される。
「単離された」(単離されたポリペプチド、核酸、または細胞など)は、その天然環境の構成成分から分離された分子を指す。
細胞(例えば、合成ポリヌクレオチドまたは合成ポリヌクレオチドのライブラリーを含む細胞または細胞の集団)または単離された細胞は、ポリヌクレオチド挿入物を組み込むためのベクター(複数可)のレシピエントになり得るか、レシピエントになっている個々の細胞または細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の宿主細胞の子孫を含み、その子孫は、自然発生的、偶発的または意図的な変異により、元の親細胞とは必ずしも完全に同一でない場合がある(形態学的またはゲノムDNA相補体において)。宿主細胞は、ポリヌクレオチド(複数可)(例えば、本開示の抗体軽鎖可変領域をコードする合成ポリヌクレオチド)をin vivoでトランスフェクトした細胞を含む。
「非ヒト動物」は、家畜、農場または動物園の動物、競技用動物、ペット動物(イヌ、ウマ、ネコ、ウシなど)及び研究に使用される動物などのヒトに分類されない任意の動物を指す。研究動物は、限定するものではないが、線虫類、節足動物、脊椎動物、哺乳類、カエル、げっ歯類(例えば、マウスまたはラット)、魚類(例えば、ゼブラフィッシュまたはフグ)、鳥類(例えば、ニワトリ)、イヌ、ネコ、及び非ヒト霊長類(例えば、アカゲザル、カニクイザル、チンパンジーなど)を指し得る。好ましい実施形態において、動物は、抗体を産生する動物である。
III.抗体ライブラリー及びライブラリーの作製
本開示のある特定の態様は、ポリヌクレオチド、例えば、抗体重鎖可変領域(VH)または軽鎖可変領域(VL)をコードするポリヌクレオチドのライブラリーに関する。本開示のライブラリーは、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを1つ以上含有し得、本明細書に記載されるHVR配列(例えば、表1に示されるHVR配列)をそれぞれ独立して含む。
いくつかの実施形態において、本開示のライブラリーは、典型的な抗体ライブラリーよりも少ない数のユニーク軽鎖HVR配列及び/またはユニークVL配列を含有する。有利には、そのようなライブラリーは、目的の多数の抗原のうちの1つ以上に結合する抗体の特定に十分な多様性をもたらすことができるとともに、ライブラリーサイズが小さくなったことにより効率的なスクリーニングも可能となる。いくつかの実施形態において、本開示のライブラリーは、約1000未満、約900未満、約800未満、約700未満、約600未満、約500未満、約400未満、または約300未満のHVR-L1配列、HVR-L2配列、及びHVR-L3配列のユニークな組み合わせを含むポリヌクレオチドを含むか、それらからなる。ある特定の実施形態において、本開示のライブラリーは、約280以下のHVR-L1配列、HVR-L2配列、及びHVR-L3配列のユニークな組み合わせを含むポリヌクレオチドを含むか、それらからなる。
いくつかの実施形態において、ライブラリーは、複数のポリヌクレオチドを含有し、当該ポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、本開示の抗体軽鎖可変領域(例えば、本開示のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3を含む)をコードする。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドのうちの1つ以上は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の少なくとも1つまたは少なくとも2つは、本開示のHVR-L1配列(例えば、配列番号1~4)、本開示のHVR-L2配列(例えば、配列番号5~9)、及び本開示のHVR-L3配列(例えば、配列番号10~23)から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドのうちの少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも100、少なくとも110、少なくとも120、少なくとも130、少なくとも140、少なくとも150、少なくとも160、少なくとも170、少なくとも180、少なくとも190、少なくとも200、少なくとも225、または少なくとも250は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の少なくとも1つまたは少なくとも2つは、本開示のHVR-L1配列(例えば、配列番号1~4)、本開示のHVR-L2配列(例えば、配列番号5~9)、及び本開示のHVR-L3配列(例えば、配列番号10~23)から選択されるアミノ酸配列を含み、及び/またはポリヌクレオチドの300未満、または280以下は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の少なくとも1つまたは少なくとも2つは、本開示のHVR-L1配列(例えば、配列番号1~4)、本開示のHVR-L2配列(例えば、配列番号5~9)、及び本開示のHVR-L3配列(例えば、配列番号10~23)から選択されるアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態において、ライブラリーのポリヌクレオチドのそれぞれは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の少なくとも1つまたは少なくとも2つは、本開示のHVR-L1配列(例えば、配列番号1~4)、本開示のHVR-L2配列(例えば、配列番号5~9)、及び本開示のHVR-L3配列(例えば、配列番号10~23)から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリーの1つ以上のポリヌクレオチドは、ベクター(例えば、発現ベクターまたはディスプレイベクター)中にある。
いくつかの実施形態において、ライブラリー中のポリヌクレオチドは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、HVR-L1は、配列番号1~4)からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリー中のポリヌクレオチドは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、HVR-L2は、配列番号5~9)からなる群から選択される配列を含む。いくつかの実施形態において、ライブラリー中のポリヌクレオチドは、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む抗体軽鎖可変領域をコードし、HVR-L1は、配列番号10~23)からなる群から選択される配列を含む。
本明細書に記載される軽鎖HVR配列は、本開示のライブラリー中に、任意の組み合わせで含まれ得る。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。
ある特定の実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3配列;配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。ある特定の実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表1に列挙されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50から選択される配列、または配列番号28~50から選択される配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、もしくは少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、次式:(FW-L1)-(HVR-L1)-(FW-L2)-(HVR-L2)-(FW-L3)-(HVR-L3)-(FW-L4)に従うとおり、HVRの間に近接して配置される可変領域軽鎖フレームワーク配列を更に含む。いくつかの実施形態において、フレームワーク配列のうちの1つ、2つ、3つ、または4つは、以下である。
FW-L1は、DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITC(配列番号24)であり、
FW-L2は、WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号25)であり、
FW-L3は、PSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATY(配列番号26)であり、
FW-L4は、FGQGTKVEIKR(配列番号27)である。
いくつかの実施形態において、ライブラリーは、複数のポリヌクレオチドを含有し、当該ポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、抗体重鎖可変領域(例えば、HVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3を含む)をコードする。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、少なくとも103、少なくとも104、少なくとも105、少なくとも106、少なくとも107、少なくとも108、少なくとも109、少なくとも1010、少なくとも1011、または少なくとも1012の抗体重鎖可変領域のユニーク配列をコードする、複数のポリヌクレオチドを含有する。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、少なくとも103の抗体重鎖可変領域のユニーク配列をコードする、複数のポリヌクレオチドを含有する。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、少なくとも109の抗体重鎖可変領域のユニーク配列をコードする、複数のポリヌクレオチドを含有する。他の実施形態において、ライブラリーは、1つの抗体重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含有する。いくつかの実施形態において、ライブラリーは、1~約103の抗体重鎖可変領域のユニーク配列をコードする、複数のポリヌクレオチドを含有する。
いくつかの実施形態において、ライブラリーのポリヌクレオチドのうちの1つ以上は、全長抗体軽鎖(複数可)をコードする。他の実施形態において、ライブラリーのポリヌクレオチドのうちの1つ以上は、軽鎖Fabフラグメント(複数可)をコードする。いくつかの実施形態において、ライブラリーのポリヌクレオチドのうちの1つ以上は、単鎖可変フラグメント(複数可)をコードする。
いくつかの実施形態において、ライブラリーは、複数のユニーク抗体をコードする複数のポリヌクレオチドを含有する。いくつかの実施形態において、各抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、複数の各抗体の軽鎖可変領域は、同一の配列を含み、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む。いくつかの実施形態において、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の少なくとも1つまたは少なくとも2つは、本開示のHVR-L1配列(例えば、配列番号1~4)、本開示のHVR-L2配列(例えば、配列番号5~9)、及び本開示のHVR-L3配列(例えば、配列番号10~23)から選択されるアミノ酸配列を含む。本明細書に記載される軽鎖HVR配列は、1つ以上の重鎖可変領域(複数可)をコードするポリヌクレオチドも含む本開示のライブラリー中に、任意の組み合わせで含まれ得る。
いくつかの実施形態において、本開示のライブラリーは、本開示の1つ以上のポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)をコードする1つ以上のベクターを含む。例えば、いくつかの実施形態において、ライブラリーは、抗体軽鎖可変領域をコードする1つ以上のポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)をコードする1つ以上のベクターを含み、当該抗体軽鎖可変領域は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1配列、配列番号5~9からなる群から選択されるHVR-L2配列、及び配列番号10~23からなる群から選択されるHVR-L3配列から選択されるアミノ酸配列を含む)。
本明細書で更に提供されるのは、例えば、本開示のライブラリーのポリヌクレオチド配列(例えば、合成ポリヌクレオチド(複数可))を準備し、組み立てることによる、ライブラリーの調製方法である。本明細書で更に提供されるのは、例えば、複数の立体構造を有する配列を含む、1つ、2つ、または3つの軽鎖HVR(例えば、本開示の1つ、2つまたは3つの軽鎖HVR)を選択することと、ポリヌクレオチド配列を組み立てて、複数の抗体軽鎖可変領域配列をコードするポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)のライブラリーを生成することと、を含む、ライブラリーの作製方法である。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域配列は、ヒト抗体配列である。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域は、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含み、当該HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、本開示のHVR-L1配列(例えば、配列番号1~4)、本開示のHVR-L2配列(例えば、配列番号5~9)、及び本開示のHVR-L3配列(例えば、配列番号10~23)から選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、抗体軽鎖可変領域のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも1つは、複数の立体構造を取る。いくつかの実施形態において、複数の立体構造は、限定するものではないが、構造決定(例えば、X線結晶学またはNMR)及び/またはコンピューターモデリングを含む、当該技術分野において既知の技術を使用して、評価または検出することができる。
一連の抗体軽鎖及び/または重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドは、軽鎖配列または重鎖配列の一部または全体の発現に適した任意のベクターにクローニングすることができる。いくつかの実施形態において、ベクターにクローニングされた当該ポリヌクレオチドにより、ウイルスコートタンパク質の全てまたは一部に融合され(すなわち、融合タンパク質の生成)、粒子または細胞の表面上に提示された軽鎖配列または重鎖配列の一部または全体の生成が可能となる。例えば、ファージミドベクターなどのいくつかの種類のベクターが利用可能であり、本発明の実施に使用することができる。ファージミドベクターは、一般に、プロモーター、シグナル配列、表現型選択遺伝子、複製起点部位、及び当業者に知られている他の必要な構成要素を含む、様々な構成要素を含有している。いくつかの実施形態において、抗体軽鎖及び/または重鎖可変領域のセットをコードするポリヌクレオチドは、細菌ディスプレイ用の細菌細胞または酵母ディスプレイ用の酵母細胞において発現させるためのベクターにクローニングすることができる。例示的なベクターは、米国特許出願公開第US20160145604号に記載されている。いくつかの実施形態において、ベクターは、5’から3’へ、表面(例えば、ファージ、細菌、酵母、または哺乳類の細胞の表面)上に提示されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、制限部位、表面上への提示能力を有する表面ペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、及び第2の制限部位を含む、ディスプレイベクターである。いくつかの実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、ファージコートタンパク質、酵母外壁タンパク質、細菌外膜タンパク質、細胞表面テザードメイン、もしくはアダプター、またはその短縮型もしくは誘導体をコードする。ある特定の実施形態において、第2のポリヌクレオチドは、繊維状ファージM13の遺伝子III、またはその短縮型もしくは誘導体である。いくつかの実施形態において、表面ペプチドは、ファージディスプレイ、酵母ディスプレイ、細菌ディスプレイもしくは哺乳類ディスプレイ、またはこれらを横断するシャトリングディスプレイ用のものである。いくつかの実施形態において、アミノ酸配列及び表面ペプチドは、発現されると、表面上に融合タンパク質として提示される。いくつかの実施形態において、ベクターは、第1の制限部位の5’側または第2の制限部位の3’側に融合タグを更に含む。
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載されるベクター(複数可)を含有する細胞の集団に関する。本明細書に記載される技法、または他の好適な技法のいずれかによって生成されたポリヌクレオチドによってコードされる抗体の軽鎖及び/または重鎖を発現させ、スクリーニングして、所望の構造及び/または活性を有する抗体を特定することができる。抗体の発現は、例えば、無細胞抽出物(例えば、リボソームディスプレイ)、ファージディスプレイ、原核細胞(例えば、細菌ディスプレイ)、または真核細胞(例えば、酵母ディスプレイ)を使用して、実施することができる。いくつかの実施形態において、細胞は、細菌細胞、酵母細胞、または哺乳類細胞である。細菌細胞、酵母細胞、または哺乳類細胞にトランスフェクトするための方法は、当該技術分野において知られており、本明細書に引用される参考文献に記載されている。これらの細胞種におけるポリペプチド(例えば、抗体鎖)の発現(例えば、本開示のライブラリーからの発現)及び目的の抗体のスクリーニングは、以下に詳述される。
あるいは、ポリヌクレオチドは、Pluckthun及びSkerra(Meth.Enzymol.,1989,178:476;Biotechnology,1991,9:273)に記載されているものなどのE.coli発現系で発現させることができる。変異タンパク質は、Better and Horwitz,Meth.Enzymol.,1989,178:476によって記載されているように、培地中及び/または細菌の細胞質中における分泌により発現させることができる。いくつかの実施形態において、VH及びVLをコードする単一ドメインは、ompA、phoAまたはpelBシグナル配列などのシグナル配列をコードする配列の3’末端にそれぞれ結合される(Lei et al.,J.Bacteriol.,1987,169:4379)。これらの遺伝子の融合体は、ジシストロンコンストラクトに組み立てられ、それにより、これらの融合体は、単一のベクターから発現され、E.coliのペリプラズム中に分泌され、そこで再度フォールディングし、活性型で回収することができる(Skerra et al.,Biotechnology,1991,9:273)。例えば、抗体重鎖遺伝子は、抗体軽鎖遺伝子とともに発現させて、抗体または抗体フラグメントを生成することができる。
他の実施形態において、抗体配列は、例えば、US20040072740;US20030100023;及びUS20030036092に記載されているように、分泌シグナル及び脂質化部分を使用して、原核生物、例えば、E.coliの膜表面上に発現される。
あるいは、抗体は、例えば、Jeong et al.,PNAS,2007,104:8247に記載されているようなアンカーペリプラズム発現(APEx2-ハイブリッド表面ディスプレイ)によって、または、例えば、Mazor et al.,Nature Biotechnology,2007,25:563に記載されるような他のアンカリング法によって、発現及びスクリーニングすることができる。
哺乳類細胞、例えば、骨髄腫細胞(例えば、NS/0細胞)、ハイブリドーマ細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、及びヒト胎児腎(HEK)細胞などの高等真核細胞もまた、本開示の抗体の発現に使用することができる。典型的に、哺乳類細胞で発現される抗体は、培地中に分泌されるか、細胞の表面上に発現されるように設計される。抗体または抗体フラグメントは、例えば、インタクト抗体分子として、または個々のVH及びVLフラグメント、Fabフラグメント、単一ドメインとして、または一本鎖(scFv)として、生成され得る。
他の実施形態において、抗体は、哺乳類細胞ディスプレイを使用して選択することができる(Ho et al.,PNAS,2006,103:9637)。上記及び以下に例示されるいくつかの実施形態において、抗体は、例えば、ファージディスプレイを使用して、ウイルスコードタンパク質の全てまたは一部に融合され(すなわち、融合タンパク質の生成)、粒子または細胞の表面上に、提示された軽鎖配列または重鎖配列の一部または全体が生成された後に選択することができる。
本開示のある特定の態様は、本開示のポリヌクレオチドライブラリーを含む非ヒト動物に関する。例えば、本開示の非ヒト動物は、そのゲノムが、本開示の軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含むように改変され得る。非限定的な例において、本開示の軽鎖可変領域のうちの1つ以上を発現するように改変された軽鎖免疫グロブリン遺伝子座(例えば、VL遺伝子座)を含む、トランスジェニックマウスが作製される。いくつかの実施形態において、トランスジェニック動物(例えば、マウス)は、ポリヌクレオチドによってコードされる抗体または軽鎖を発現する。非ヒト動物の1つ以上の免疫グロブリン遺伝子座を改変する技法は、当該技術分野において知られている(例えば、Xenomouse(商標)を作製するために使用される方法)。
本開示のライブラリーに由来する抗体のスクリーニングは、当該技術分野において知られている任意の適切な手段によって実施することができる。例えば、結合活性は、標準的なイムノアッセイ及び/またはアフィニティークロマトグラフィーによって評価することができる。触媒機能(例えば、タンパク質分解機能)についての本発明の抗体のスクリーニングは、標準的なアッセイ、例えば、ヘモグロビンプラークアッセイを使用して達成することができる。標的に対する抗体の結合親和性の決定は、様々な既知の技法、例えば、所与の標的または抗原に対する抗体の結合速度を表面プラズモン共鳴に基づいて測定するBIACORE(商標)機器、またはForteBio Octet(登録商標)RED96プラットフォーム(Pall Life Sciences)を使用した、以下に例示するようなBio-Layer Interferometry(BLI)を使用して、in vitroでアッセイすることができる。in vivoアッセイは、多数の動物モデルのいずれかの使用によって実施した後、必要に応じて、ヒトで試験することができる。細胞ベースの生物学的アッセイもまた企図される。抗体または抗原結合フラグメントは、機能活性、例えば、アンタゴニスト活性またはアゴニスト活性について更に選択することができる。例示的なスクリーニング方法が本明細書に記載される。例えば、いくつかの実施形態において、fabフラグメント(複数可)と1つ以上の標的(複数可)との間の結合親和性は、抗原にヒトIgG1-Fcタグをタグ付けし、それをAnti-hIgG-Fc Capture(AHC)Biosensorによって捕捉することにより、BLIを使用して測定される。Fabは、CH1ドメインのC末端にHis6タグがタグ付けされ、E.coliなどの宿主細胞中で過剰発現され、例えば、Ni-NTA樹脂を使用して精製され得る。次いで、カイネティクスバッファーで、例えば、5~10μg/mLまで希釈した精製fabを含有するウェル中に浸漬させたAHCセンサー(抗ヒトIgG-Fc捕捉ディップ及び読み取りバイオセンサー)を使用して、親和性が測定され得る。
標的もしくは抗原への結合、及び/または機能アッセイによってバインダーを特定した後に、核酸が抽出され得る。次いで、抽出したDNAを、E.coli宿主細胞の形質転換に直接使用してもよいし、あるいは、コード配列を、例えば、好適なプライマーとのPCRを使用して増幅し、任意の典型的なシーケンシング法によって配列決定してもよい。バインダーの可変ドメインDNAを制限酵素で消化し、次いで、タンパク質発現用ベクターに挿入することができる。
IV.抗体及び抗体産生
本明細書で提供されるのは、本明細書に記載されるライブラリーから定義及び選択される抗体である。本開示のある特定の態様は、抗体の軽鎖もしくは重鎖のHVR、HVRを含む可変領域及び/またはそれをコードするポリヌクレオチド(複数可)に関する。いくつかの実施形態において、HVR及び/または可変領域は、抗体フラグメント、全長抗体、または単鎖可変フラグメント(scFv)の一部である。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、以下の表1に列挙されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の各配列のうちの1つ、2つ、または3つを含む。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、以下の表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるのは、本開示のHVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3を含む軽鎖可変領域を有する抗体軽鎖である。いくつかの実施形態において、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3のうちの少なくとも2つは、本開示のHVR-L1配列(例えば、配列番号1~4)、本開示のHVR-L2配列(例えば、配列番号5~9)、及び本開示のHVR-L3配列(例えば、配列番号10~23)から選択されるアミノ酸配列を含む。
本明細書に記載される軽鎖HVR配列は、本開示の抗体軽鎖または軽鎖可変領域に、任意の組み合わせで含まれ得る。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1を含み、抗体のHVR-L2は、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体のHVR-L3と、を含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3と、を含む。ある特定の実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3配列;配列番号1~4からなる群から選択されるHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号10~23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び配列番号1~4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。ある特定の実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR-L3;配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR-L3;及び配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L3からなる群から選択されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表2に列挙される抗体のHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、表1に列挙されるHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つを含む。いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、配列番号28~50から選択される配列を含む。
いくつかの実施形態において、軽鎖可変領域は、次式:(FW-L1)-(HVR-L1)-(FW-L2)-(HVR-L2)-(FW-L3)-(HVR-L3)-(FW-L4)に従うとおり、HVRの間に近接して配置される可変領域軽鎖フレームワーク配列を更に含む。いくつかの実施形態において、フレームワーク配列のうちの1つ、2つ、3つ、または4つは、以下である。
FW-L1は、DIQLTQSPSSLSASVGDRVTITC(配列番号24)であり、
FW-L2は、WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号25)であり、
FW-L3は、PSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATY(配列番号26)であり、
FW-L4は、FGQGTKVEIKR(配列番号27)である。
いくつかの実施形態において、本明細書で更に提供されるのは、重鎖及び軽鎖を含む抗体であり、当該軽鎖は、本開示の軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で更に提供されるのは、本開示の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む、抗体フラグメントまたはscFvである。
いくつかの実施形態において、本開示の抗体または抗体フラグメントは、特定の結合親和性で、少なくとも1つの標的(例えば、標的タンパク質または標的エピトープ)または少なくとも2つの標的に結合する。例えば、いくつかの実施形態において、本開示の抗体または抗体フラグメントは、約10-7M以下、10-8M以下、10-9M以下、10-10M以下、または10-11M以下の平衡解離定数(Kd)で、少なくとも1つの標的または少なくとも2つの標的に結合する。いくつかの実施形態において、本開示の抗体または抗体フラグメントは、約10-7~約10-11Mの平衡解離定数(Kd)で、少なくとも1つの標的または少なくとも2つの標的に結合する。結合親和性を決定するための例示的なアッセイは、以下に記載され、例示される。
本開示の抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載の組み換え方法及び組成物を使用して産生され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される任意の抗体をコードする、単離された核酸が提供される。そのような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/またはVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/または重鎖)をコードし得る。いくつかの実施形態において、そのような核酸を含む1つ以上のベクター(例えば、発現ベクターまたはディスプレイベクター)が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。そのような一実施形態において、宿主細胞は、(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、または(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、当該ベクターで形質転換されている)。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、真核生物、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。いくつかの実施形態において、抗体の作製方法が提供され、当該方法は、上記抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、抗体の発現に好適な条件下で培養することと、任意選択により、抗体を宿主細胞(または宿主細胞培地)から回収することと、を含む。
本開示の抗体を組み換え産生するには、例えば、上述の抗体をコードする核酸を単離し、それを、宿主細胞における更なるクローニング及び/または発現のために、1つ以上のベクター中に挿入する。かかる核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合する能力を有するオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)、容易に単離され、配列決定することができる。
抗体コーディングベクターのクローニングまたは発現に好適な宿主細胞には、原核細胞または真核細胞が含まれる。例えば、抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合には、細菌において産生され得る。細菌での抗体フラグメント及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、同第5,789,199号及び同第5,840,523号を参照されたい(Charlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003),pp.245-254(E.coli.での抗体フラグメントの発現に関する記載)も参照されたい)。発現後、抗体は、可溶性画分中の細菌細胞ペーストから単離され得、更に精製され得る。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母などの真核微生物も、抗体コーディングベクターに好適なクローニング宿主または発現宿主であり、これらには、グリコシル化経路が「ヒト化」されており、部分的または完全なヒトグリコシル化パターンを有する抗体の産生をもたらす、真菌株及び酵母株が含まれる。Gerngross,Nat.Biotech.22:1409-1414(2004),and Li et al.,Nat.Biotech.24:210-215(2006)を参照されたい。
グリコシル化抗体の発現に好適な宿主細胞は、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)から得ることもできる。無脊椎動物細胞の例には、植物細胞及び昆虫細胞が挙げられる。昆虫細胞とともに、特に、Spodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションに使用することができる、多数のバキュロウイルス株が同定されている。
植物細胞培養物もまた、宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5,959,177号、同第6,040,498号、同第6,420,548号、同第7,125,978号、及び同第6,417,429号(トランスジェニック植物中で抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術を記載)を参照されたい。
脊椎動物細胞もまた、宿主として使用され得る。例えば、懸濁液中で成長するように適合された哺乳類の細胞株が、有用であり得る。有用な哺乳類宿主細胞株の他の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7);ヒト胚性腎臓株(293細胞または例えばGraham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載されているような293細胞);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)に記載されているようなTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸癌細胞(HELA);イヌ科腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(Hep G2);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562);例えば、Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982)に記載されているようなTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳類宿主細胞株には、DHFR-CHO細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;ならびにY0、NS0及びSp2/0などの骨髄腫細胞株が含まれる。抗体産生に適したある特定の哺乳類宿主細胞株の総説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255-268(2003)を参照されたい。
同一/共通/単一の軽鎖を有する二重特異性抗体
本明細書で更に提供されるのは、本開示の同一の軽鎖可変領域を有する二重特異性抗体である(例えば、異なる結合特異性を有する2つの重鎖可変領域と、2つの同一の軽鎖可変領域とを有する)。いくつかの実施形態において、二重特異性抗体は、2つの抗体重鎖可変領域及び2つの同一の軽鎖可変領域を含み、当該二重特異性抗体は、第1の標的または抗原に結合し、第1の抗体重鎖可変領域及び第1の軽鎖可変領域を含む、第1の結合ドメインと、第2の標的または抗原に結合し、第2の抗体重鎖可変領域及び第2の抗体軽鎖可変領域を含む、第2の結合ドメインと、を含み、当該第2の抗体軽鎖可変領域は、当該第1の抗体軽鎖可変領域配列と同一の配列を有する。いくつかの実施形態において、第1及び第2の結合ドメインは、異なる標的生体分子に結合する。いくつかの実施形態において、第1及び第2の結合ドメインは、同じ生体分子上の異なるエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、第1の抗体重鎖可変領域は、第1の重鎖可変領域及び第1の重鎖定常領域(例えば、CH1、ヒンジ、CH2及びCH3を含む)を含む第1の抗体重鎖の一部である。いくつかの実施形態において、第2の抗体重鎖可変領域は、第2の重鎖可変領域及び第2の重鎖定常領域(例えば、CH1、ヒンジ、CH2及びCH3を含む)を含む第2の抗体重鎖の一部である。いくつかの実施形態において、第1の抗体軽鎖可変領域は、第1の軽鎖可変領域及び第1の軽鎖定常領域を含む第1の抗体軽鎖の一部である。いくつかの実施形態において、第2の抗体軽鎖可変領域は、第2の軽鎖可変領域及び第2の軽鎖定常領域を含む第2の抗体軽鎖の一部である。いくつかの実施形態において、第1及び第2の抗体軽鎖は、本開示の軽鎖と同一の配列を有する。
本明細書で更に提供されるのは、本開示の同一の軽鎖可変領域を有する二重特異性抗体(例えば、異なる結合特異性を有する2つの重鎖可変領域と、2つの同一の軽鎖可変領域とを有する)の生成方法である。いくつかの実施形態において、方法は、第1の抗原に結合し、本開示の第1の抗体重鎖可変領域及び第1の軽鎖可変領域を含む、第1の抗原結合ドメインを選択することと、(b)第2の抗原に結合し、本開示の第2の抗体重鎖可変領域を含む、第2の抗原結合ドメインを選択することであって、当該第2の抗体軽鎖可変領域は、第1の抗体軽鎖可変領域配列と同一の配列を有する、当該選択することと、(c)第1の抗体重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、第2の抗体重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、第1の抗体軽鎖可変領域配列のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、及び第2の抗体軽鎖可変領域配列のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、二重特異性抗体を生成することと、を含む。いくつかの実施形態において、第1の軽鎖可変領域は、本開示のライブラリーに由来するポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される二重特異性抗体は、更なる特異性を有してもよい。例えば、二重特異性抗体の抗原結合部位または標的結合部位のうちの1つは、2つ以上の標的に特異的に結合し得る。
二重特異性抗体を作製/生成する方法は、当該技術分野において知られている。全長二重特異性抗体の産生は、2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖ペアの共発現に基づくことができ、これらの2つの鎖は、異なる特異性を有する(Millstein et al.,Nature,305:537-539(1983))。免疫グロブリンの重鎖と軽鎖は、ランダムな組み合わせであるため、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は、10種の異なる抗体分子の混合物を産生する可能性があり、正しい二重特異性構造を有するのは、これらのうちの1つのみである。正しい分子の精製は、通常、アフィニティークロマトグラフィーステップにより行われるが、かなり煩雑であり、生成物の収率は低い。同様の手法がWO93/08829及びTraunecker et al.,EMBO J.,10:3655-3659(1991)に開示されている。
当該技術分野において知られている、二重特異性抗体を作製するためのアプローチの1つは、「ノブ・イントゥ・ホール(knobs-into-holes)」または「空隙への突起(protuberance-into-cavity)」法である(例えば、米国特許第5,731,168号参照)。このアプローチにおいて、2つの免疫グロブリンポリペプチド(例えば、重鎖ポリペプチド)は、それぞれ界面を含む。一方の免疫グロブリンポリペプチドの界面は、もう一方の免疫グロブリンポリペプチド上の対応する界面と相互作用し、それにより、2つの免疫グロブリンポリペプチドの会合が可能となる。これらの界面は、一方の免疫グロブリンポリペプチドの界面に位置する「ノブ」または「突起」(これらの用語は本明細書で区別なく使用され得る)が、もう一方の免疫グロブリンポリペプチドの界面に位置する「ホール」または「空隙」(これらの用語は本明細書で区別なく使用され得る)に対応するように操作され得る。いくつかの実施形態において、ホールは、ノブと同一または類似のサイズであり、2つの界面が相互作用するときに、一方の界面のノブがもう一方の界面の対応するホールに配置可能なように好適に配置される。理論に束縛されることを望むものではないが、これは、ヘテロ多量体を安定させ、他の種、例えば、ホモ多量体よりもヘテロ多量体の形成が優先されると考えられる。いくつかの実施形態において、このアプローチは、2つの異なる免疫グロブリンポリペプチドのヘテロ多量体化を促進し、異なるエピトープに対する結合特異性を有する2つの免疫グロブリンポリペプチドを含む二重特異性抗体を作製するために使用することができる。
いくつかの実施形態において、ノブは、小さなアミノ酸側鎖を大きな側鎖で置き換えることによって、構築され得る。いくつかの実施形態において、ホールは、大きなアミノ酸側鎖を小さな側鎖で置き換えることによって、構築され得る。ノブまたはホールは、元々の界面に存在してもよいし、合成的に導入されてもよい。例えば、ノブまたはホールは、少なくとも1つの「元の」アミノ酸残基を少なくとも1つの「移入」アミノ酸残基に置き換えるように、界面をコードする核酸配列を変更することによって、合成的に導入され得る。核酸配列の変更方法には、当該技術分野においてよく知られている標準的な分子生物学技法を挙げることができる。いくつかの実施形態において、元の残基は、小さな側鎖体積(例えば、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グリシン、セリン、スレオニン、またはバリン)を有し、ノブ形成のための移入残基は、天然アミノ酸であり、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンを含み得る。いくつかの実施形態において、元の残基は、大きな側鎖体積(例えば、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン)を有し、ホール形成のための移入残基は、天然アミノ酸であり、アラニン、セリン、スレオニン、及びバリンを含み得る。
いくつかの実施形態において、ノブまたはホール形成のための元の残基は、ヘテロ多量体またはホモ多量体(例えば、ホモ二量体)の三次元構造体に基づいて特定される。当該技術分野において知られている、三次元構造を取得する技術には、X線結晶学及びNMRを挙げることができる。いくつかの実施形態において、界面は、免疫グロブリン(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)定常ドメインのCH3ドメインである。これらの実施形態において、ヒトIgG
1のCH3/CH3界面は、4つの逆平行βストランド上に位置する各ドメイン上の16の残基を伴う。理論に束縛されることを望むものではないが、ノブがパートナーのCH3ドメインの相補的ホールではなく周囲溶媒に受け入れられるリスクを最小限に抑えるために、変異残基は、好ましくは、中央の2つの逆平行βストランド上に位置する。いくつかの実施形態において、対応するノブとホールを形成する2つの免疫グロブリンポリペプチドの変異は、次の表に記載される1つ以上のペアに対応する。
変異は、元の残基、次いでKabatナンバリングシステムを使用した位置、続いて移入残基によって示される(残基は全て一文字のアミノ酸コードで示す)。複数の変異は、コロンで分けられている。
いくつかの実施形態において、免疫グロブリンポリペプチドは、上の表3に列挙される1つ以上のアミノ酸置換を含むCH3ドメインを含む。いくつかの実施形態において、二重特異性抗体は、表3の左カラムに列挙される1つ以上のアミノ酸置換を含むCH3ドメインを含む第1の免疫グロブリンポリペプチドと、表3の右カラムに列挙される1つ以上の対応するアミノ酸置換を含むCH3ドメインを含む第2の免疫グロブリンポリペプチドと、を含む。
上で考察したDNAの変異に続いて、対応するノブまたはホール形成変異を1つ以上有する改変された免疫グロブリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、当該技術分野において知られている標準的な組み換え技法及び細胞系を使用して発現及び精製することができる。例えば、米国特許第5,731,168号、同第5,807,706号、同第5,821,333号、同第7,642,228号、同第7,695,936号、同第8,216,805号、米国特許出願公開第2013/0089553号、及びSpiess et al.,Nature Biotechnology 31:753-758,2013を参照されたい。改変された免疫グロブリンポリペプチドは、E.coliなどの原核生物の宿主細胞、またはCHO細胞などの真核生物宿主細胞を使用して産生され得る。対応するノブ及びホールを有する免疫グロブリンポリペプチドは、宿主細胞中で共培養で発現させ、ヘテロ多量体として一緒に精製されてもよいし、単一培養で発現させ、別個に精製し、in vitroで組み立ててもよい。いくつかの実施形態において、2つの細菌宿主細胞株(一方はノブを有する免疫グロブリンポリペプチドを発現し、他方はホールを有する免疫グロブリンポリペプチドを発現する)が、当該技術分野において知られている標準的な細菌培養技法を使用して、共培養される。いくつかの実施形態において、2つの株は、例えば、培養における発現レベルが等しくなるように、特定の比率で混合され得る。いくつかの実施形態において、2つの株は、50:50、60:40、または70:30の比率で混合され得る。ポリペプチドの発現後、細胞は、共に溶解され得、タンパク質が抽出され得る。ホモ多量体種:ヘテロ多量体種の存在量の測定を可能にする、当該技術分野において既知の標準的な技法には、サイズ排除クロマトグラフィーを挙げることができる。いくつかの実施形態において、改変された免疫グロブリンポリペプチドのそれぞれは、標準的な組み換え技法を使用して別個に発現され、in vitroで組み立てられ得る。組み立ては、例えば、改変された免疫グロブリンポリペプチドをそれぞれ精製し、それらを同量で一緒に混合及びインキュベートし、ジスルフィドを還元し(例えば、ジチオスレイトールによる処理)、濃縮し、ポリペプチドを再酸化することによって、達成され得る。形成された二重特異性抗体は、カチオン交換クロマトグラフィーを含む標準的な技法を使用して精製され、サイズ排除クロマトグラフィーを含む標準的な技法を使用して測定され得る。これらの方法のより詳細な説明については、Speiss et al.,Nat Biotechnol 31:753-8,2013を参照されたい。いくつかの実施形態において、改変された免疫グロブリンポリペプチドは、上記の方法を使用して、CHO細胞で別個に発現され、in vitroで組み立てられ得る。
V.キット
別の態様において、本明細書で提供されるのは、本開示のポリヌクレオチドのライブラリーを含むキットである。いくつかの実施形態において、キットは、例えば、目的の抗体HVRまたは可変領域を特定するために、ライブラリーを発現、修飾、スクリーニング、または別の方法で使用するための説明を含む、添付文書を更に含む。いくつかの実施形態において、キットは、例えば、ポリヌクレオチド(例えば、合成ポリヌクレオチド)のうちの1つ以上を保存、移動、トランスフェクト、または別の方法で使用するための1つ以上のバッファーを更に含む。いくつかの実施形態において、キットは、ポリヌクレオチドのうちの1つ以上を保存するための1つ以上の容器を更に含む。いくつかの実施形態において、キットは、例えば、ポリヌクレオチドのうちの1つ以上を宿主細胞にトランスフェクションするための1つ以上のベクターを更に含む。
本発明は、以下の実施例を参照することによって、より十分に理解されるであろう。しかしながら、実施例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示のみを目的にするものであり、それらを考慮した様々な変形または変更が当業者に想起され、本出願の趣旨及び範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることを理解されたい。
実施例1:超可変領域のダイナミックモチーフ最小セットの特定
抗体可変ドメインの可変性を構造レベルで理解するために、抗体可変ドメインの幾何学的アラインメントをマッピングし、更に、その幾何学的アラインメントに基づいて、構造エントロピー及び配列エントロピーを計算するアルゴリズムを開発した。そのようなアプローチを取ることは、よく確立されたV(D)J遺伝子再構成プロセスによって決定される抗体多様性の古典的理論を、ダイナミックユニットによる立体構造多様性(Linus Paulingによる鋳型指向立体構造選択;例えば、James,L.and Tawfik,D.“Conformational diversity and protein evolution-a 60-year-old hypothesis revisited”,Trends Biochem Sci.2003 Jul;28(7):361-8参照)と組み合わせて併用し、抗体結合部位の選択及び適合によって、ほぼ無限のエピトープ空間のサンプリングを可能にするものである。一例として、本アルゴリズムを使用して、81のヒト抗体可変軽鎖ドメインの高解像度結晶構造に関する構造及び配列の可変性を解析した。可変軽鎖ドメインの全ての位置について、エントロピーを計算し、それをプロットした(図1A;構造エントロピーは太線、配列エントロピーは点線)。幾何学的アラインメントに基づいた構造エントロピー及び配列エントロピーの計算によって得られた結果を使用して、超可変(HVR)領域を特定し、これらの可変領域上の重要な位置を特定した。比較のために、例示的な抗体軽鎖可変ドメイン配列のHVR(上記の方法によって定義)及びCDR(Kabatによって定義)を特定した(図1B)。
興味深いことに、構造アラインメントによって評価された可変性は、配列アラインメントで観察された可変性よりも概して低かった。構造アラインメントによって評価した場合、可変性は概して低かったが、劇的な構造変化を伴う部位/領域は多数あり、これらの可変部位が抗体機能に重要な役割を果たす可能性が示唆される。更に、これらの超可変領域のいくつかは、複数の立体構造を持ち、高い柔軟性を示す。可変性の高い残基領域の特定により、新しい抗体設計に活用できる、抗体可変ドメインの保存及び可変性に関するより包括的な全体像が得られた。このダイナミックモチーフの特定により、少ないアミノ酸配列数で広範囲な構造多様性をカバーすることが可能になった。抗体設計に対するこのアプローチの驚くべき利点は、より限定された数のダイナミックモチーフを可変領域に利用して広範囲の抗体構造多様性をカバーし、目的の複数の抗原への結合を可能にし得る幅広い柔軟性をこれらの抗体に提供できることであった。したがって、共通軽鎖ライブラリー(DL280と呼ばれる)は、不変残基には単一のヒト生殖細胞系列配列またはヒト生殖細胞系列由来配列を使用して構築したが、超可変領域には限定された数のダイナミックモチーフを使用することで、可変領域HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3で特定された広範囲の構造可変性を把握した。
実施例2:共通軽鎖ライブラリーの構築
軽鎖ライブラリーDL280の構築
DL280軽鎖ライブラリーの構築を開始するために、20のHVR-L1配列とHVR-L2配列(表1)の組み合わせをコードする20のミニ遺伝子を合成した。次いで、合成したミニ遺伝子をPvuI及びBamHIで消化し、同じ2つの制限酵素で消化した標的ベクターFad22にライゲートした。このライゲーション混合物を用いてDH10B細胞の形質転換を行い、20のコンストラクトを精製し、次の構築段階のために配列を検証した。
14のHVR-L3配列(表1)をコードする合計14のオリゴペアを設計及び合成した。オリゴのアニーリングは、次の設定のPCR装置で実施した:95℃で3分間、次いで、35サイクル(各サイクル15秒)95℃から開始し、1サイクルごとに1℃減温。アニーリング後、各ペアをPstI及びAcc65Iで別個に消化し、同じ2つの制限酵素で消化した上述の20のコンストラクトに個別にライゲートした。このライゲーション混合物を用いて、DH10B細胞の形質転換を個々に行い、得られた280のコンストラクトを精製し、定量し、配列を検証した。これらの280のコンストラクトに対応するHVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3領域の配列を表2に列挙する。更に、これらの280のコンストラクトは、それぞれ、同じフレームワーク領域、すなわち、FW-L1(配列番号24)、FW-L2(配列番号25)、FW-L3(配列番号26)、及びFW-L4(配列番号27)を有する。ライブラリー構築のために、280のコンストラクトのそれぞれを同量で混合した。
上記の280のプラスミド混合物をPvuI及びAcc65Iで消化し、同じ2つの制限酵素で同じく消化したファージミドベクターFad40にライゲートした。このライゲーション混合物を用いて、DH10B細胞の形質転換を行い、得られたライブラリー(DL280)を精製し、定量し、完全なファージミドライブラリーの組み立てのために保存した。
VHライブラリーの構築
次のプロトコルにより、VH_vr1及びVH_vr2をコードする複数の縮重オリゴを設計し、合成し、二本鎖DNAに変換した。0.75μLの0.2μM鋳型オリゴを、10μLの5x PrimeSTARバッファー、4μLのdNTP混合物、1μLの100μMフォワードプライマー、1μLの100μMリバースプライマー、0.5μLのPrimeSTAR HS DNA Polymerase(2.5U/μL)、及び33μLの水と混合した。PCR溶液を96℃で5分間予熱し、次いで、14サイクル(96℃で15秒、60℃で15秒、72℃で6秒)を実施し、続いて、72℃で3分間伸長した。VH_vr1は、プライマーペアF_1999(CGTTTGTCCTGTGCAGCTTCCGG)(配列番号61)及びR_1999(CGAGGCCCTTACCCGGGGCCTGACG)(配列番号62)を使用して増幅し、一方、VH_vr2は、プライマーペアF_2003(CCGGGTAAGGGCCTCGAGTGG)(配列番号63)及びR_2003(GAGCACGTCCGTTCGAATTGTCGCGACTTATAG)(配列番号64)を使用して増幅した(表4)。
二本鎖のVH_vr1及びVH_vr2を、その5’末端または3’末端にある重複配列を介して結合させた。使用したプロトコルは、次のとおりであった。20ngのVH_vr1及び20ngのVH_vr2鋳型を、10μLの5x PrimeSTARバッファー、4μLのdNTP混合物、1μLの100μM F_1999プライマー、1μLの100μM R_2003プライマー、0.5μLのPrimeSTAR HS DNA Polymerase(2.5U/μL)、及び水(最大50μL)と混合した。混合物を96℃で5分間予熱し、次いで、14サイクル(96℃で15秒、60℃で15秒、72℃で10秒)を実施し、続いて、72℃で3分間伸長した。次いで、これらのPCRフラグメントをゲル電気泳動(GENEray Gel Extractionキット)により精製し、BspEI及びBstBI(Thermo Scientific)で消化し、その後、同じ2つの酵素で消化したFTV014にクローニングした。このライゲーション混合物を用いて、エレクトロポレーションによるDH10B細胞の形質転換を行い、計算した多様性の10倍を超える数のコロニーをプラスミド調製物のために回収した。精製したプラスミドは、ライブラリーVH-VR12を構成した。
次のプロトコルにより、VH_vr3をコードする数百の縮重オリゴを設計し、合成し、二本鎖DNAに変換した。0.75μLの0.2μM鋳型オリゴを、10μLの5x PrimeSTARバッファー、4μLのdNTP混合物、1μLの100μMフォワードプライマー、1μLの100μMリバースプライマー、0.5μLのPrimeSTAR HS DNA Polymerase(2.5U/μL)、及び33μLの水と混合した。PCR溶液を96℃で5分間予熱し、次いで、14サイクル(96℃で15秒、60℃で15秒、72℃で6秒)を実施し、続いて、72℃で3分間伸長した。フォワードプライマーは、S1089(ACAACTGAACAGCTTAAGAGCTGAGGACACTGCCGTCTATTATTG)(配列番号65)であり、リバースプライマーは、S1090(GAGGAGACGGTGACTAGTGTTCCTTGACCCCA)(配列番号66)であった(表4)。次いで、VH_vr3をコードする二本鎖DNAをゲル電気泳動(GENEray Gel Extractionキット)により精製し、AflII及びSpeI(Thermo Scientific)で消化し、その後、同じ2つの制限酵素で消化したFTV012にクローニングした。このライゲーション混合物を用いて、エレクトロポレーションによるDH10B細胞の形質転換を行い、計算した多様性の10倍を超える数のコロニーをプラスミド調製物のために回収した。精製したプラスミドは、ライブラリーVH-VR3を構成した。
全長VHライブラリーを組み立てるために、精製したVH-VR3ライブラリープラスミド混合物をAflII及びSpeI(NEB)で消化し、VR3コードフラグメントをゲル電気泳動(GENEray Gel Extractionキット)により精製し、その後、同じ2つの制限酵素で消化したVH-VR12ライブラリープラスミド混合物にクローニングした。ライゲーション産物を脱塩した後(QIAquick(登録商標)PCR Purification Kit(QIAGEN))、ローリングサークル増幅(RCA)を実施した。RCAは、以下のように実施した。40ngのライゲーション産物を、10μLの10x NEBuffer4、50μLの100μM pd(N)8、及び水(最大88.5μL)と混合し、95℃で3分間加熱し、1サイクルずつ1℃下がる65サイクル(各サイクル30秒)でアニーリングした。10μLの10mM dNTPミックス、1μLの100×BSA、及び0.5μLのPhi29DNAポリメラーゼを添加した後、アニーリングした反応物を30℃で一晩インキュベートした。RCA産物を最初にNotIで消化し、DNAフラグメントを精製し(QIAquick(登録商標)PCR Purification Kit)、XhoIで更に消化した。次いで、消化した産物をT4 DNAリガーゼ(Thermo Scientific)でライゲートした。エタノール沈殿による精製後、このライゲーション産物を用いて、エレクトロポレーションによるDH10B細胞の形質転換を行い、計算した多様性の10倍を超える数のコロニーをプラスミド調製物のために回収した。精製したプラスミドは、ライブラリーVH-VR123を構成した。
共通軽鎖ライブラリーの構築
共通軽鎖ライブラリーは、VH-VR123ライブラリーに由来する重鎖ライブラリーと、DL280ライブラリーに由来する軽鎖ライブラリーとから構成された。VH-VR123ライブラリープラスミドとDL280ライブラリープラスミドの両方をBspEI及びSpeI(Thermo Scientific)で消化した。VH-VR123ライブラリーに由来する重鎖をコードするDNAフラグメントを、DL280ライブラリーに由来するベクター骨格にクローニングした。ローリングサークル増幅(RCA)前に、ライゲーション産物を脱塩した(QIAquick(登録商標)PCR Purification Kit(QIAGEN))。RCAは、以下のように実施した。40ngのライゲーション産物を、10μLの10x NEBuffer4、50μLの100μM pd(N)8、及び水(最大88.5μL)と混合し、95℃で3分間加熱し、1サイクルずつ1℃下がる65サイクル(各サイクル30秒)でアニーリングした。10μLの10mM dNTPミックス、1μLの100×BSA、及び0.5μLのPhi29DNAポリメラーゼを添加した後、アニーリングした反応物を30℃で一晩インキュベートした。RCA産物を最初にNotIで消化し、DNAフラグメントを精製し(QIAquick(登録商標)PCR Purification Kit)、Acc65Iで更に消化した。次いで、消化した産物をT4 DNAリガーゼ(Thermo Scientific)でライゲートした。エタノール沈殿による精製後、ライゲーション産物でER2738細胞をエレクトロポレーションによって形質転換した。プレートから合計3.5*109のコロニーを回収した(2xYT、1%グルコース、100μg/mLのアンピシリン)。
実施例3:目的の抗体を単離するための共通軽鎖ライブラリーのスクリーニング
共通軽鎖ライブラリーファージミド粒子の調製
抗原パンニングのための共通軽鎖ライブラリーファージミド粒子を調製するために、共通軽鎖ライブラリーを含むER2738細胞(上の実施例2に記載)1.6リットルを、0.1の開始OD600で、2xYT、2%グルコース、100μg/mLのアンピシリン及び12.5μg/mLのテトラサイクリンを含む培地中に播種した。培養液を、250rpmで振盪しながら、0.6~0.8のOD600に達するまで、37℃で成長させた。次いで、多重感染度(MOI)10で、37℃で30分間、細胞にM13KO7ヘルパーファージを感染させた。感染したER2738細胞を、2xYT、100μg/mLのアンピシリン及び50μg/mLのカナマイシンを含む3.2リットルの培地中、22℃で一晩、成長させた。次いで、培養上清を10,000rpmで15分間、遠心分離によって回収し、0.45μmの低結合メンブレンフィルター(Corning)に通して濾過した。次いで、PEG/NaClを使用して、濾過した上清からファージミド粒子を沈殿させ、PBS中に再懸濁した。PEG/NaClによる沈殿と、それに続くPBS中への再懸濁のラウンドを追加で実施した。ファージ濃度をOD268の測定(OD268の1単位を約1*1013ファージ粒子/mLと仮定)によって決定し、プラークアッセイによって確認した。ライブラリーファージミド粒子を、20%グリセロール中、-80℃で保存した。
ファージライブラリーパンニング
1~30μg/mlの濃度の抗原タンパク質をMaxisorpストリップ(Thermo Scientific、カタログ番号446469)上に4℃で一晩コーティングした。各ライブラリーに対して、複数の抗原ウェルを準備した。コーティングしたウェルを、まず、5%ミルク含有PBSを用いて、室温で1~2時間ブロッキングし、PBSで洗浄した。次いで、1,100μL/ウェルのファージミド粒子溶液(典型的に、2%ミルク含有PBS中、1~5*1012個のファージ)を4つの平行ウェルに添加し、1~2時間インキュベートした。次いで、Tween 20の濃度を上げながら(0.1%から0.3%)、PBSでウェルを数回洗浄し、最後にPBSだけで洗浄した。結合したファージミド粒子を、100μLの0.2Mグリシン-HClを用いて、室温で10分間、ウェルから溶出した。溶出したファージを、直ちに、18μLの1M Tris-HClで中和した(pH9.1)。
あるいは、KingFisher(Thermo Scientific)により、Dynabeads(M280、ストレプトアビジン、Invitrogen、カタログ番号60210)を製造元の説明書に従って使用して、ファージミドライブラリーパンニングを実施した。300μLのDynabeadsをPBSで洗浄し、ビオチン化した抗ヒトFcとともに、室温で20分間、インキュベートした。次いで、ビーズを5%BSAのPBSで、室温で1時間、ブロッキングした。Fc融合抗原(70~100pmol)を1時間の室温でのインキュベーションによって捕捉した。次いで、ビーズをPBSで1回洗浄し、1mLのファージライブラリー溶液(典型的に、5%BSA-PBS中5*1012~1*1013個のファージ粒子)とともに1~2時間インキュベートした。次いで、ビーズをPBS/Tween(0.1%~0.3%)及びPBSで数回洗浄し、結合したファージを、100μLの0.2Mグリシン-HClを用いて、室温で10分間、ビーズから溶出した。溶出したファージを、直ちに、18μLの1M Tris-HClで中和した(pH9.1)。抗原のそれぞれに対して、合計3ラウンドまたは4ラウンドのパンニングを実施し、10~100倍の過剰量の精製ヒトFcを含めて、バックグラウンド結合を減らした。
試験した抗原のいくつかについては、2mLの抗原(10~30μg/mL)を使用して、イムノチューブを4℃で一晩コーティングした。ブロッキング、洗浄、及び溶出の各溶液の量は、必要に応じて増やした。
濃縮したファージの増幅
溶出した濃縮ファージプールを次のように更に増幅した。溶出したファージミド粒子をER2738細胞に37℃で30分間、感染させた。次いで、感染細胞を、2%グルコース、100μg/mLのアンピシリン及び12.5μg/mLのテトラサイクリンを含む2xYT寒天プレート上に播種した。プレートからコロニーを回収し、100mlの2%グルコース、100μg/mLのアンピシリン及び12.5μg/mLのテトラサイクリン中で成長させ、M13KO7ヘルパーファージを感染させた。増幅したファージを上記プロセスによって精製及び定量した。通常、パンニングの最終ラウンド後に溶出したファージを使用してER2738細胞の感染を行い、得られたER2738コロニーを上清ELISAスクリーニングアッセイのために採取した。
上清サンドイッチElisaアッセイ
細菌上清中に存在するFabを測定するために、高感度サンドイッチElisaアッセイを構築した。マイクロプレートをポリクローナル抗ヒトIgG(Fab特異的)(Sigma I5260)でコーティングして、細菌上清中に存在するFabを捕捉し、次いで、HRP標識ヤギ抗ヒトFcを使用して、Fabの捕捉量を検出した。各ウェルのA450を測定して、Fab結合活性を決定した。一次ヒットは、ELISAシグナルがバックグラウンドの少なくとも2倍であるものと定義し、以下の実施例(実施例4)で更に特徴付けた。
実施例4:in vitroでの抗体の特徴付け
上の実施例3で特定された一次ヒットに対応するFabに、His6タグをCH1ドメインのC末端にタグ付けし、E.coliで過剰発現させ、Ni-NTA樹脂(Thermo Fisher Scientific)により、製造元の説明書に従って精製した。親和性をForteBio Octet RED96 Systemによって測定した。簡潔に述べれば、抗原を捕捉するために、AHCセンサー(抗ヒトIgG-Fc捕捉ディップ及び読み取りバイオセンサー)を使用し、カイネティクスバッファーで5~10μg/mLまで希釈した精製Fabを含有するウェル中に浸漬させた(更なる説明については、例えば、ForteBio,Anti-human IgG Capture(AHC)Biosensors,Product Insert 41-0072-PD(2008)を参照されたい)。取得したForteBioデータをData Acquisitionソフトウェア7.1で処理し、カイネティクスデータを1:1 Langmuir結合モデルにフィッティングさせた。標的TAGT-1、TAGT-2、及びTAGT-3について、25℃で測定したFabの親和性を表5及び図3に示す。これらの3つの標的抗原(TAGT-1、TAGT-2、及びTAGT-3)は、17%未満の配列同一性を有する無関係のタンパク質であった。
表5:TAGT-1、TAGT-2、及びTAGT-3への結合が確認されたFabの、25℃における親和性測定値
上の表5に示されるように、3つの異なる抗原を標的とする親和性の高い複数の抗体が、調製したライブラリーから問題なく特定され、選択された。
実施例5:DL280ライブラリーのアプリケーション
実施例2で組み立てたDL280軽鎖ライブラリーのアプリケーションを異なるシナリオで実証するために、DL280軽鎖ライブラリーを使用して、3つの抗体ライブラリーを構築した:
DPL5:大規模VHライブラリーとペアリングされたDL280軽鎖のセット全体
VH:多様性は、>109 VH
VL:DL280のセット全体
SEL021:小規模VHライブラリーとペアリングされたDL280軽鎖のセット全体
VH:20のVH
VL:DL280のセット全体
DPL16~DPL34:大規模VHライブラリーとペアリングされたDL280軽鎖のサブセット
VH:多様性は、>1010 VH
VL:DL280の単一種
DL280軽鎖ライブラリーのロバスト性及び柔軟性を調べるために、DPL5、SEL021、及びDPL16~DPL34ライブラリーを3つの標的:TAGT-1、TAGT-2、及びTAGT-3に対してスクリーニングした(実施例3に記載のとおり)。試験した3つのライブラリーのそれぞれからポジティブヒットを特定し、24のユニークVLを含む合計165のポジティブヒットを測定し、親和性データにより確認した(表6)。
24のユニークVLのうち、9つは、異なるVHとペアリングさせると、複数の標的に結合した。例えば、ヒットID3757は、DL280-135(配列番号28)及びVH(配列番号51)を含有し、TAGT-1に結合するが、ヒットID5905は、同じくDL280-135を含有するが、異なるVH(配列番号52)を有し、異なる標的であるTAGT-3に結合した。同様に、DL280-67(配列番号34)は、1つのVH(配列番号56)とペアリングさせてヒットID5145にすると、TAGT-2に結合したが、異なるVH(配列番号57)とペアリングさせてヒットID7077にすると、TAGT-1に結合した。
DL280に由来するVLはまた、異なるVH配列とペアリングさせると、3つの標的抗原全てに結合することができることが発見された。例えば、DL280-70(配列番号32)は、1つのVH(配列番号53)とペアリングさせてヒットID7035にすると、TAGT-2に結合し、2つ目のVH(配列番号54)とペアリングさせてヒットID4218にすると、TAGT-1と結合し、3つ目のVH(配列番号55)とペアリングさせてヒットID5114にすると、TAGT-3と結合した。更なる2つのDL280は、複数の異なるVHを使用すると、同じ標的に結合した。例えば、DL280-271(配列番号36)は、2つの異なるVH(配列番号58及び59)とペアリングさせて、それぞれヒットID5930及び6008にすると、TAGT-3に結合した。以下の表7は、ライブラリー解析中に特定された24のユニークVLの配列使用率と、標的結合数を示す。
DPL5及びSEL021ライブラリーの抗体ヒットについて、DL280のセグメント使用を解析した(図2A)。
上位VLのうち19(表7に示されるとおり)は、単一のVLライブラリー(DPL16~34)として、VLを、10
10を超えるVH配列を有するVHライブラリーとペアリングすることによって構築したものであり、TAGT-3、TAGT-2、及びTAGT-1への結合を再度解析することによって、これらの抗体を再スクリーニングした。3つのライブラリーの全て(DPL5、SEL021、及びDPL16~34)のヒットを確認した後、DL280のセグメント使用(図2B)を再評価した(表8)。理論に束縛されることを望むものではないが、所与の超可変領域を含む抗体が結合する抗原の数が多いことは、その特定の超可変領域の柔軟性の程度が高いことを示し得、一方、所与の超可変領域のセグメント使用率が高いことは、超可変領域(及び周辺のポリペプチド配列)のフォールディングがロバストであることを示し得ると考えられる。
表8:DPL5、SEL021、及びDPL16~34から確認されたヒットにおけるDL280のセグメント使用率
セグメントの組み合わせ分布についても、HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の全ての組み合わせについて計算した(表9及び10)。
表9:HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の2つのセグメントの組み合わせ使用率
表10:HVR-L1、HVR-L2、及びHVR-L3の3つのセグメントの組み合わせ使用率
構造及び配列可変性に基づいて再定義された抗体の超可変領域をダイナミックモチーフの特定に採用した新規方法により、VL構成要素がペアリングされるVHセグメントに応じて同一または複数の異なる標的に結合することができる、限定された数のVL構成要素の設計が可能になった。本明細書に記載されるデータ及び抗体は、DL280軽鎖ライブラリーが、セット全体またはサブセットのいずれで使用される場合でも、抗体発見に関し、VL構成要素として機能するのに十分ロバストであることを明らかにしている。