JP7324571B2 - タイヤ用シートの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤを製造する際に使用されるシートの製造装置に関する。
タイヤの製造では、成形工程において、未加硫ゴム又はコードを埋没させた未加硫ゴムからなる帯状のシートが用意される。このシートが適切な大きさに切断されて、ドラム又は剛体コアの上に巻かれる。これにより、インナーライナーやカーカス等のタイヤの構成部材が形成される。
典型的なシートの製造においては、高温の未加硫ゴムが圧延器で圧延され、シート状とされる。このシート状の未加硫ゴム(未冷却シート)が冷却器で冷却され、シートが得られる。この冷却時のゴムの収縮によるシート寸法のばらつきを抑制するため、未冷却シートは、冷却器において、例えば複数の冷却ドラム上を移動されることで、速やかに冷却される。このシートは、ローラーに巻き取られて保管されるか、又はそのまま次の工程に送られる。シートの製造方法についての検討が、特開2008-137361公報に開示されている。
特開2008-137361公報
タイヤの生産性や品質の向上のために、シートの粘着性の向上や粘着性のばらつきの低減は重要である。シートの粘着性やそのばらつきは、冷却により得られたシートの温度やこの温度のばらつきに依存する。これは、シートが巻き取られて保存されている間にもシートが放熱し、未加硫ゴムに添加されている硫黄、ステアリン酸等がシートの表面に析出するからである。不十分な冷却は析出物の量を増やし、粘着性を低下させうる。冷却した際のシートの温度のばらつきは、シートの粘着性のばらつきの要因となりうる。精度よくシートの温度が制御でき、これにより良好な粘着力及び粘着力のばらつきの抑制が実現されたシートが得られうる、シートの製造装置が求められている。
本発明の目的は、良好な粘着力と粘着力のばらつきの抑制とが実現されたシートが得られる、シートの製造装置の提供にある。
本発明は、タイヤの成形工程で用いられるシートの製造装置に関する。この装置は、高温の未加硫ゴムから帯状の未冷却シートを形成する圧延器と、この未冷却シートを冷却してシートを得る冷却器とを備える。上記冷却器は、その内部に冷却液が流れその上を未冷却シートが移動する、複数の冷却ドラムを備えている。上記複数の冷却ドラムは、上記未冷却シートの移動方向の上流側から下流側に向けて順に複数のグループに分かれており、このグループ毎に冷却液の温度が調整可能である。
好ましくは、上流側に位置する上記グループの冷却液の温度は、このグループより下流側に位置するグループの冷却液の温度以下であり、最も上流側に位置するグループの冷却液の温度は、最も下流側に位置するグループの冷却液の温度より低い。
好ましくは、上記冷却器に流される冷却液の流量は、50L/分以上200L/分以下である。
好ましくは、この装置は、上記冷却液中の異物を除去する浄化器をさらに備える。
好ましくは、この装置は、上記冷却液を殺菌する殺菌器をさらに備える。
好ましくは、この装置は、上記冷却液の液質を監視するモニター部をさらに備える。
本発明は、タイヤの成形工程で用いられるシートの製造方法に関する。この方法は、高温の未加硫ゴムから帯状の未冷却シートを形成する圧延工程と、この未冷却シートを冷却する冷却工程とを備える。上記冷却工程では、上記未冷却シートが、その内部に冷却液が流れる複数の冷却ドラム上を移動されている。上記冷却ドラムを上記未冷却シートの移動方向の上流側から下流側に向けて順に複数のグループに分けたグループ毎に、冷却液の温度が調整される。
好ましくは、上記冷却工程において、上流側に位置するグループの冷却液の温度は、このグループより下流側に位置するグループの冷却温度以下であり、最も上流側に位置するグループの冷却液の温度は、最も下流側に位置するグループの冷却液の温度より低い。
好ましくは、上記冷却工程において、シートの温度を計測しこのシートが所定の温度となるように上記冷却液の温度が調整される。
この製造装置では、冷却器の冷却ドラムは、未冷却シートの移動方向の上流側から下流側に向けて順に複数のグループに分かれている。このグループ毎に、冷却液の温度が調整可能である。グループ毎に冷却液の温度を調節することで、精度よくかつばらつきが少なくシートの温度が制御できる。この装置では、良好な粘着力及び粘着力のばらつきの抑制が実現されたシートが得られうる。
図1は、本発明に係るシートの製造装置示された概念図である。 図2は、図1の製造装置の一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明に係るシートの製造装置2が示された概念図である。図1において、矢印Xが示す方向が前方であり、この反対が後方である。紙面と垂直な方向が上下方向である。図2は、図1で示された装置2の一部が示された断面図である。図2において、矢印Xが示す方向が前方であり、この反対が後方である。矢印Zが示す方向が上方であり、この反対が下方である。この装置2は、圧延器4、冷却器6、液温制御器8、温度測定器10、浄化器12、殺菌器14及びモニター器16を備える。
この装置2は、高温の未加硫ゴムを材料として、シートを形成する。図1及び2には、この未加硫ゴム18及びシート20も示されている。未加硫ゴム18は、例えば押出器から本装置2に供給される。未加硫ゴム18の温度は、典型的には60℃から90℃である。この未加硫ゴム18は、5phrから10phrの硫黄を含有する。形成されたシート20の温度は、典型的には20℃から30℃である。
圧延器4は、一対のカレンダーロール22を備える。これらのカレンダーロール22は、図2の矢印の方向に回転する。この回転により、供給された未加硫ゴム18は、これらのカレンダーロール22の間を通される。これにより未加硫ゴム18は、圧延され帯状に成形される。この実施形態では、これにより帯状の未冷却シート24が得られる。カレンダーロール22間の隙間は、所望の値に設定されうる。これにより、所望の厚さの未冷却シート24が得られる。
冷却器6は、冷却ドラム26及び接続管28を備える。図1及び2に示されるように、複数の冷却ドラム26が並列されている。図2に示されるように、この実施形態では、8個の冷却ドラム26が、上段及び下段それぞれに4個ずつ互い違いに並べられている。図2で示されるように、上側からこの冷却器6を見たとき、上段に並べられた冷却ドラム26と下段に並べられた冷却ドラム26とは、前後方向に重なりを有する。図1では見やすくするために、冷却ドラム26同士は重ならないように描かれている。
それぞれの冷却ドラム26は、筒状である。冷却ドラム26の内部は空洞である。冷却ドラム26の内部には、冷却液30が流されている。典型的な冷却液30は、水である。図2に示されるように、未冷却シート24は、冷却ドラム26の外周面に接触している。冷却ドラム26は、図2の矢印の方向に回転できる。この回転により、未冷却シート24は冷却ドラム26上を移動される。未冷却シート24は、冷却ドラム26の外周面に接触しながら移動される。図1及び2の矢印Bは、未冷却シート24の移動方向を表す。冷却ドラム26の回転により、未冷却シート24は、前方から後方へ移動される。
接続管28は、冷却ドラム26間を接続する。接続管28の内部は空洞である。接続管28の内部には、冷却液30が流されている。
図1で示されるように、最も前方に位置する冷却ドラム26と前方から2番目の冷却ドラム26とは、接続管28で繋がれている。これら二つの冷却ドラム26は、一つのグループ32を形成する。前方から3番目の冷却ドラム26と前方から4番目の冷却ドラム26とは、接続管28で繋がれている。これらは、一つのグループ32を形成する。同様にして、8個の冷却ドラム26は、2個の冷却ドラム26を有する4つのグループ32に分かれている。この冷却器6は、未冷却シート24の移動方向の上流側から下流側に向けて順に4つのグループ32に分かれている。
一つのグループ32に含まれる冷却ドラム26の数は、2に限られない。一つのグループ32に含まれる冷却ドラム26の数は、1でもよく、3以上でもよい。また、グループ32の数は、4に限られない。グループ32の数は、2以上であればよい。
図1において、矢印Aで示されるのが、冷却液30の流れる方向である。符号I1で示されるのが、最も上流側に位置するグループ32への冷却液30の入り口である。符号O1で示されるのが、このグループ32からの冷却液30の出口である。冷却液30は、このグループ32へは、この入り口I1から入れられ、一方の冷却ドラム26を通過し、接続管28を通過してもう一方の冷却ドラム26に入る。冷却液30は、この冷却ドラム26を通過して、出口O1から排出される。他の3つのグループ32についても同様である。それぞれのグループ32において、冷却液30は、グループ32の入り口Iから入れられ、一方の冷却ドラム26、接続管28及びもう一方の冷却ドラム26を通過して、このグループ32の出口Oから排出される。
なお、図1では見易くするために、接続管28は冷却ドラム26に対して細く描かれている。実際には、接続管28は、必要な流量を確保するのに十分な太さを有する。例えば接続管28の内径は、冷却ドラム26の内径と同等とされる。
液温制御器8は、それぞれのグループ32の入り口Iの上流に位置する。液温制御器8の数は、グループ32の数と同じである。この実施形態では、4つの液温制御器8が存在する。それぞれの液温制御器8は、対応するグループ32の入り口Iに流入する冷却液30の温度を制御する。この装置2では、液温制御器8により、グループ32毎に、その入り口Iから冷却ドラム26に入れられる冷却液30の温度(グループ32の冷却液30の温度)が調整可能である。
温度測定器10は、シート20の上方に位置する。温度測定器10は、シート20の温度を測定する。図2の矢印Cで示されるように、この測定結果は、液温制御器8に送られる。典型的には温度測定器10は、赤外線サーモグラフィである。
浄化器12は、この実施形態では、冷却器6のそれぞれのグループ32の入り口Iの上流側に位置する。一つの浄化器12が、それぞれの液温制御器8の上流側に位置する。浄化器12は、冷却液30中の浮遊物を除去する。この実施形態では、浄化器12は、網状のストレーナーを備える。
殺菌器14は、この実施形態では、冷却器6のそれぞれのグループ32の入り口Iの上流側に位置する。一つの殺菌器14が、それぞれの液温制御器8の上流側に位置する。殺菌器14は、冷却液30を殺菌することで、冷却液30中にバイオフィルムが発生することを防止する。この実施形態では、殺菌器14は、紫外線照射器である。
モニター器16は、冷却器6のそれぞれのグループ32の出口Oの下流側に位置する。図1の矢印A1-A4で示されるように、この実施形態では、全てのグループ32の出口Oからの冷却液30は、一つのモニター器16に入る。モニター器16は、冷却液30の液質を監視する。モニター器16は、冷却液30中の浮遊物の量を計測する。モニター器16の計測結果から、冷却器6の洗浄の時期が決められる。
この実施形態では、浄化器12及び殺菌器14は冷却器6の入り口Iの上流側に位置し、モニター器16は、冷却器6の出口Oの下流側に位置している。浄化器12、殺菌器14及びモニター器16の位置は、この位置に限られない。浄化器12又は殺菌器14が出口Oの下流側に位置してもよく、モニター器16が入り口Iの上流側に位置していてもよい。
この装置2を使用したシート20の製造方法は、圧延工程と冷却工程とを備える。
圧延工程では、圧延器4に、高温の未加硫ゴム18が供給される。カレンダーロール22が回転し、未加硫ゴム18がこれらのカレンダーロール22の間を通される。未加硫ゴム18は、圧延され帯状に成形される。これにより帯状の未冷却シート24が得られる。未冷却シート24の厚みは、典型的には0.5mmから2.0mmである。未冷却シート24は、冷却器6に送られる。
冷却工程では、図示されないポンプから、冷却液30がこの製造装置2に送られる。冷却液30は、それぞれのグループ32に向けて送られる。図1の矢印Aで示されるように、冷却液30は、浄化器12及び殺菌器14を通り、それぞれのグループ32の対応する液温制御器8に入れられる。冷却液30は、それぞれの液温制御器8で温度が調整され、対応する入り口Iからグループ32内の冷却ドラム26に送られる。これにより、グループ32毎に、冷却液30の温度が調整される。この実施形態では、未冷却シート24の移動方向の上流側に位置するグループ32の冷却液30の温度は、このグループ32より下流側に位置するグループ32の冷却液30の温度以下とされている。最も上流側に位置するグループ32の冷却液30の温度は、最も下流側に位置するグループ32の冷却液30の温度より低くなっている。この実施形態では、最も上流側に位置するグループ32の冷却液30の温度は、目標としているシート20の温度より低い。最も下流側に位置するグループ32の冷却液30の温度は、目標としているシート20の温度と同じである。
冷却液30は、それぞれのグループ32の冷却ドラム26及び接続管28で形成された流路を通り、出口Oから排出される。この冷却液30は、モニター器16を通り、ポンプに戻される。ポンプにより、冷却液30が循環される。この実施形態では、冷却器6に流される冷却液30の流量は、全てのグループ32の流量の合計で、50L/分から200L/分である。
冷却工程では、上記の冷却液30が循環されるとともに、それぞれの冷却ドラム26が図2の矢印の方向に回転する。圧延器4から送られた未冷却シート24が、冷却ドラム26上を矢印Bの方向に移動する。未冷却シート24は、前方に位置する冷却ドラム26から後方に位置する冷却ドラム26に、順に送られる。未冷却シート24は、冷却ドラム26上を移動することで、冷却される。これにより、シート20が得られる。
冷却工程では、温度測定器10が、シート20の温度を計測して、結果を液温制御器8に伝える。シート20の温度が所定の温度より高いときは、液温制御器8は冷却液30の温度を下げる。シート20の温度が所定の温度より低いときは、液温制御器8は冷却液30の温度を上げる。これにより、シート20の温度は、所望の温度に調整される。
以下、本発明の作用効果が説明される。
この製造装置2では、冷却器6の冷却ドラム26は、未冷却シート24の移動方向の上流側から下流側に向けて順に複数のグループ32に分かれている。このグループ32毎に、冷却液30の温度が調整可能である。グループ32毎に冷却液30の温度を調節することで、精度よくかつばらつきが少なくシート20の温度が制御できる。この装置2では、良好な粘着力及び粘着力のばらつきの抑制が実現されたシート20が得られうる。
前述のとおり、シート20の流れの上流側に位置するグループ32の冷却液30の温度は、このグループ32より下流側に位置するグループ32の冷却温度以下とされている。最も上流側に位置するグループ32の冷却液30の温度は、最も下流側に位置するグループ32の冷却液30の温度より低くなっている。この装置2では、冷却器6に送られた未冷却シート24は、温度の低い冷却液30が流れる上流側のグループ32の冷却ドラム26で、素早く冷やされる。未冷却シート24は、上流側のグループ32の冷却ドラム26で、目標とする温度に近い温度に冷やされる。この未冷却シート24は、下流側のグループ32の冷却ドラム26で、精度よく所望の温度まで冷やされる。これは、所望の温度のシート20を得ることを可能にする。これは、シート20の温度のばらつきの低減に寄与する。この装置2では、良好な粘着性を有し、粘着性のばらつきが抑えられたシート20が得られる。
最も下流側に位置するグループ32の冷却液30の温度と、最も上流側に位置するグループ32の冷却液30の温度との差Dは、5℃以上が好ましい。この差Dを5℃以上とすることで、未冷却シート24は、上流側に位置するグループ32の冷却ドラム26で、素早く冷やされる。この冷却ドラム26で、所望の温度により近い温度に冷やされる。これは、所望の温度のシート20を得ることを可能にする。これは、シート20の温度のばらつきの低減に寄与する。この装置2では、良好な粘着性を有し、粘着性のばらつきが抑えられたシート20が得られる。この観点からこの差Dは、7℃以上がより好ましい。冷やし過ぎを防止するとの観点から、この差Dは、20℃以下が好ましい。
独立して冷却液30の温度が制御できるグループ32の数は、3以上が好ましい。グループ32の数を3以上とすることで、未冷却シート24はより精度よく所望の温度まで冷却されうる。また、シート20の温度のばらつきも低減されうる。この装置2では、良好な粘着性を有し、粘着性のばらつきが抑えられたシート20が得られる。グループ32の数は、5以下が好ましい。グループ32の数を5以下とすることで、装置2の規模が適切に抑えられる。これは、装置2のコストの増大を防止する。
冷却ドラム26の数は、7以上が好ましい。冷却ドラム26の数を7以上とすることで、未冷却シート24は冷却器6で十分に冷却できる。これは、所望の温度のシート20を得ることを可能にする。この装置2では、良好な粘着性を有するシート20が得られる。冷却ドラム26の数は、10以下が好ましい。冷却ドラム26の数を10以下とすることで、装置2の規模が適切に抑えられる。これは、装置2のコストの増大を防止する。
冷却液30の流量は、前述の通り50L/分以上が好ましい。冷却液30の流量を50L/分以上とすることで、未冷却シート24は効果的に冷却される。これは、シート20の良好な粘着力及び粘着力のばらつきの低減に効果的に寄与する。この観点から、冷却液30の流量は、100L/分以上がより好ましい。冷却液30の流量は、200L/分以下が好ましい。冷却液30の流量を200L/分以下とすることで、装置2の規模が適切に抑えられる。これは、装置2のコストの増大を防止する。
この装置2は、温度測定器10を備える。温度測定器10により計測したシート20の表面温度から、液温制御器8により、冷却液30の温度が調整できる。これにより、シート20の温度を、より精度よく所望の温度とすることができる。この装置2では、良好な粘着性を有したシート20が得られる。
この装置2は、浄化器12を備える。この浄化器12により、冷却液30中の浮遊物が除去される。これは、冷却ドラム26及び接続管28の詰まりを防止する。これは、冷却液30の安定した流れに寄与する。この装置2では、未冷却シート24は安定して冷却される。この装置2では、温度のばらつきが少ないシート20が得られる。これは、シート20の粘着力のばらつきの低減に、効果的に寄与する。
この装置2は、殺菌器14を備える。この殺菌器14で冷却液30を殺菌することにより、冷却液30中でのバイオフィルムの発生が防止される。これは、冷却ドラム26及び接続管28の詰まりを防止する。これは、冷却液30の安定した流れに寄与する。この装置2では、未冷却シート24は安定して冷却される。この装置2では、温度のばらつきが少ないシート20が得られる。これは、シート20の粘着力のばらつきの低減に、効果的に寄与する。
この装置2は、冷却液30の液質を監視するモニター器16を備える。モニター器16の結果から、冷却器6の洗浄の時期が決められる。この装置2では、適切な時期に冷却液30の入れ替えや、冷却器6の洗浄ができる。この装置2では、温度のばらつきが少ないシート20が得られる。これは、シート20の粘着力のばらつきの低減に、効果的に寄与する。
未冷却シート24の移動速度は、50m/分以下が好ましい。未冷却シート24の移動速度を50m/分以下とすることで、この未冷却シート24は冷却器6で十分に冷却できる。これは、所望の温度のシート20を得ることを可能にする。この装置2では、良好な粘着性を有するシート20が得られる。未冷却シート24の移動速度は、30m/分以上が好ましい。移動速度を30m/分以上とすることで、効率的に未冷却シート24を冷却することができる。これは、生産性の向上に寄与する。
冷却器6に送られる冷却液30の温度は、30℃以下が好ましい。冷却液30の温度を30℃以下とすることで、未冷却シート24は冷却器6で十分に冷却できる。これは、所望の温度のシート20を得ることを可能にする。この装置2では、良好な粘着性を有するシート20が得られる。冷却液30の温度は、15℃以上が好ましい。冷却液30の温度を15℃以上とすることで、シート20の十分な粘着性を実現したうえで、製造コストが抑えられる。
以上説明された実施形態では、一種類の未加硫ゴム18を圧延器4で圧延して、未冷却シート24が得られた。圧延器が、2種類の未加硫ゴムをそれぞれ圧延し、これらを貼り合わせることで未冷却シートを形成してもよい。この場合、圧延器は、カレンダーロール22の他に、シート状の未加硫ゴムを貼り合わせる、貼り合わせ器をさらに備える。例えば二層のゴムからなるインナーライナー用の未冷却シートは、これにより得られる。圧延器が、未加硫ゴムを圧延し、これをコードからなるシートに両側から貼り合わせて、未冷却シートを形成してもよい。この場合、圧延器は、シート状の未加硫ゴムとコードからなるシートを貼り合わせる、貼り合わせ器をさらに備える。例えばカーカス用の未冷却シートは、これにより得られる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
図1及び2で示された装置を使用して、シートを製造した。この製造におけるパラメータが表1に示されている。この製造装置では、冷却ドラムは8個であり、これらは2個ずつの4グループに分けられている。表1では、これらは未冷却シートの上流側から、グループ1、グループ2、グループ3及びグループ4とされている。これらのグループの冷却液の温度は、表1に示されるとおりである。未加硫ゴムが含有する硫黄の量は、8phrであった。未冷却シートの移動速度は、50m/分とされた。未冷却シートが冷却器で冷却された時間は、2.5秒であった。得られたシートの厚みは、1.6mmであった。シートの目標の温度は、25℃である。
[比較例1]
比較例1の装置では、冷却液の温度は、グループ毎に調整可能となっていない。従って表1では、全てのグループで同じ温度の冷却液が入れられている。冷却液の流量は、表1の通りとされた。これらの他は実施例1と同様にして、シートを製造した。
[実施例2-4]
冷却液の流量が表1の通りとされた他は実施例1と同様にしたのが、実施例2-4である。
[シート温度]
製造された直後のシートの表面温度が計測された。計測位置は、シートの長さ10mの範囲内で無作為に選ばれた10箇所である。これらの平均温度が、表1に示されている。目標温度25℃に近いほど好ましい。
[粘着性及び粘着性の標準偏差]
得られたシートを2時間放置した後、シートの粘着性が計測された。計測には、東洋精機(株)社製のPICMAタックテスタが使用された。計測位置は、シートの長さ10mの範囲内で無作為に選ばれた10箇所である。計測された粘着性の平均値が表1の「粘着性」の欄に、その標準偏差が「粘着性標準偏差」の欄に、それぞれ比較例1を100とした指数で示されている。粘着性は、大きいほど好ましい。粘着性標準偏差は、小さいほど好ましい。
Figure 0007324571000001
表1に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて総合的に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された装置は、種々のタイヤ用の種々のシートの製造にも適用されうる。
2・・・製造装置
4・・・圧延器
6・・・冷却器
8・・・液温制御器
10・・・温度測定器
12・・・浄化器
14・・・殺菌器
16・・・モニター器
18・・・未加硫ゴム
20・・・シート
22・・・カレンダーロール
24・・・未冷却シート
26・・・冷却ドラム
28・・・接続管
30・・・冷却液
32・・・グループ

Claims (7)

  1. タイヤの成形工程で用いられるシートの製造装置であって、
    高温の未加硫ゴムから帯状の未冷却シートを形成する圧延器と、この未冷却シートを冷却してシートを得る冷却器とを備え、
    上記冷却器が、その内部に冷却液が流れその上を未冷却シートが移動する、複数の筒状の冷却ドラムを備え、
    上記複数の冷却ドラムが、上記未冷却シートの移動方向の上流側から下流側に向けて順に複数のグループに分かれており、このグループ毎に冷却液の温度が調整可能であり、
    上流側に位置する上記グループの冷却液の温度が、このグループより下流側に位置するグループの冷却液の温度以下であり、最も上流側に位置するグループの冷却液の温度が、最も下流側に位置するグループの冷却液の温度より低い、シートの製造装置。
  2. 上記冷却器に流される冷却液の流量が、50L/分以上200L/分以下である請求項1に記載の製造装置。
  3. 上記冷却液中の異物を除去する浄化器をさらに備える請求項1又は2に記載の製造装置。
  4. 上記冷却液を殺菌する殺菌器をさらに備える請求項1から3のいずれかに記載の製造装置。
  5. 上記冷却液の液質を監視するモニター部をさらに備える請求項1から4のいずれかに記載の製造装置。
  6. タイヤの成形工程で用いられるシートの製造方法であって、
    高温の未加硫ゴムから帯状の未冷却シートを形成する圧延工程と、この未冷却シートを冷却する冷却工程とを備え、
    上記冷却工程では、上記未冷却シートが、その内部に冷却液が流れる複数の冷却ドラム上を移動されており、
    上記冷却ドラムを上記未冷却シートの移動方向の上流側から下流側に向けて順に複数のグループに分けたグループ毎に、冷却液の温度が調整され、
    上記冷却工程において、上流側に位置するグループの冷却液の温度が、このグループより下流側に位置するグループの冷却温度以下であり、最も上流側に位置するグループの冷却液の温度が、最も下流側に位置するグループの冷却液の温度より低い、シートの製造方法。
  7. 上記冷却工程において、シートの温度を計測しこのシートが所定の温度となるように上記冷却液の温度が調整される請求項6に記載の製造方法。
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