JP7323859B1 - 車両用バッテリーユニット - Google Patents

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Abstract

充放電可能なバッテリーセルが複数積層されたバッテリーセル積層体を内包するバッテリーモジュールと、内部に収容空間が形成されて該収容空間内にバッテリーモジュールを収容する、アッパーケースとロアケースとからなる収容ケースと、ロアケースの底部裏面からバッテリーモジュールを液体冷媒で冷却する冷媒流路であって、流域をロアケースの底部裏面の90%以上の領域とする板状冷媒流路を、ロアケースの底部との間で所定の流路間隔を保持して形成する流路形成板と、板状冷媒流路の流路幅の90%以上に亘って液体冷媒を供給する冷媒供給ノズルと、冷媒供給ノズルに液体冷媒を供給する液体冷媒供給ヘッダと、板状冷媒流路から液体冷媒を排出する液体冷媒排出ヘッダとを備える、車両用バッテリーユニットが提供される。

Description

本発明は、車両用バッテリーユニットに関し、詳しくは車両用バッテリーユニットの冷却構造に関するものである。
電気自動車やハイブリッド自動車などの電動車両においては、電動モータに電力を供給するための蓄電装置としてバッテリーユニット(バッテリーパック)が搭載されている。バッテリーユニットは、主としてバッテリーモジュールと、当該バッテリーモジュールを内部に収容する収容ケースとを備えている。バッテリーモジュールは温度が上昇することにより、出力特性が低下するため、収容ケース内でまたは収容ケース外からバッテリーモジュールの冷却が行なわれる。
また近年、車両用バッテリーユニットは、走行距離を延ばすためのバッテリーモジュールの高出力大容量化に伴って大型化する傾向にある。例えば図1に示すように、バッテリーユニット10が、比較的大きな設置スペースを確保しやすい車両100の前輪112と後輪113の間のフロアパネルの下に設置される場合が多い。
バッテリーモジュールを冷却可能に構成されたバッテリーユニットとして、たとえば特許文献1や特許文献2に開示されているバッテリーユニットがある。特許文献1に開示のバッテリーユニット10は、図2に示すように、アッパーケース(ハウジングカバー)21とロアケース(ハウジングトレイ)22からなる収容ケース20を有する。同文献に記載のバッテリーユニット10は、この収容ケース20内で、送風機61によって吸引した空気を冷却器(図示せず)にて冷却し、送風ダクト60を通して冷風を吹きかけてバッテリーモジュール11を冷却するものである。
また、特許文献2に開示のバッテリーユニット10は、図3に示すように、複数の二次バッテリーセル(以下、単にバッテリーセルともいう)12が車両横幅方向に積層されたバッテリーモジュール11が、収容ケース(図示せず)内の車両前後方向に順に配列されている。同文献に記載のバッテリーユニット10は、収容ケースの底部裏面に配設される液体冷却器50により各バッテリーモジュール11を冷却するものである。この液体冷却器50での冷媒の流れを詳しくみると、まず、冷媒が、集合冷媒往路54の前端の冷媒供給口51から集合冷媒往路54へ供給される。冷媒は、ここから、各バッテリーモジュール11の直下の各冷媒流路53へ順次に分岐していき、さらに、集合冷媒復路55に合流し、集合冷媒復路55の前端の冷媒排出口52から排出されるように流れる。
また、特許文献3には、金属板の少なくとも片面に、皮膜層が被覆されている塗装金属板から形成されたパネルであって、表1および図4に示すように、凸部と、平坦部および凹部のいずれか一方とを備えたパネルが開示されている。具体的には、平坦部を備える場合には、図4のNo.5およびNo.7で示すように、凸部の各々の全周囲が平坦部によって囲まれ、かつ、平坦部の各々の全周囲が凸部によって囲まれるものである。また、凹部を備える場合には、図4のNo.6、No.8およびNo.9で示すように、凸部の各々の全周囲が凹部によって囲まれ、かつ、凹部の各々の全周囲が凸部によって囲まれるものである。このようなパネル形状に対し、図5は、エンボス部を有しないNo.1の平板を基準にした曲げ剛性について、また、図6は、同じくNo.1の平板を基準にした捩り剛性について、それぞれFEM解析した結果を示す図である。図5および図6から、エンボス部を有するパネルは、エンボス部を有しないNo.1の平板より高い剛性を示すが、特にNo.8およびNo.9のチェッカーエンボス(四角錐台の凸部および凹部を有するエンボス)板が圧倒的に高剛性であることが分かる。同文献に記載の発明は、このような簡単な構造で、高剛性化および軽量化を確実に実現することができるパネルを提供することが可能となるとする。また、同文献に記載の発明は、パネルを形成するための素材を特定することで、耐食性および耐傷付き性に優れ、また、更に耐汚染性に優れるパネルを提供することが可能となるとする。
Figure 0007323859000001
特開2019-185970号公報 特開2021-128892号公報 国際公開2013/011868号
しかしながら、近年、走行距離を延ばすためにバッテリーモジュールは高出力大容量が求められているところ、これに伴うバッテリーモジュールの充放電過程での発熱量の増大とその除去のための冷却負荷増大の問題に対し、特許文献1のような気体の冷媒を用いる冷却装置では、冷却能力増強に限界がある。
一方、特許文献2のような液体の冷媒を用いる冷却装置の場合は、特許文献1のような気体の冷媒より冷却能力確保の点で有利であるといえる。ただし、特許文献2の冷却装置は、液体冷媒の漏洩による絶縁破壊、短絡などに誘発されて車両火災の原因となり得ることから、特許文献1のような冷却装置の収納ケース内配設と異なり、収容ケース外の底部裏面に配設されている。また、特許文献2の冷却装置では、図2に示すように、バッテリーモジュール11の直下に液体冷媒の冷媒流路53を配置するとともに、この冷媒流路53は集合冷媒往路54から分岐するものとなっている。このような特許文献2の冷却装置での冷媒流路の配置は、多数のバッテリーモジュール11を効率よく、しかも各バッテリーモジュール11間での冷却むらを排して極力均等に冷却するための配置と考えられる。しかし、このような冷却装置での冷媒流路の配置は、バッテリーモジュールのさらなる高出力大容量化を目指してさらに冷却能力の増強をしようとする場合には、さらに次のような問題を有している。
すなわち、バッテリーモジュール数の増大に対応して冷媒流路数も増設する必要があり、これに伴って流路配置が複雑になるという問題がある。たとえば流路の分岐箇所の増大や流路の折り返し配置による伝熱面積の確保が必要となる場合は、流路の液漏れ対策としてのシール部の総延長が増大する問題があり、また、圧力損失(圧損)が増大して冷媒ポンプの増強が必要となるという問題がある。また、限られた収容ケース内へより多くのバッテリーモジュールを収容する場合に、全てのバッテリーモジュールの底面全域に冷媒流路を配置できない場合も起こり得る。そのため、収容ケース底部の熱伝導率は高いほど好ましいところ、実際には収容ケース底部の材質の違いによる熱伝導率の差があり、これが問題となる場合もある。ここで工業用金属材料の熱伝導率を参照すると、銅で398W/mK、アルミニウムで236W/mK、鉄で90.9W/mK、ステンレス鋼で84W/mKであり、収容ケースの材質の影響も大きいことが分かる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、車両の走行距離を延ばすためのバッテリーモジュールの高出力大容量化に伴って必要性が高まった冷却能力増強を可能にする、車両用バッテリーユニットを提供することを目的とする。
[1]充放電可能なバッテリーセルが複数積層されたバッテリーセル積層体を内包するバッテリーモジュールと、内部に収容空間が形成されて該収容空間内に前記バッテリーモジュールを収容する、アッパーケースとロアケースとからなる収容ケースと、前記ロアケースの底部裏面から前記バッテリーモジュールを液体冷媒で冷却する冷媒流路であって、流域を前記ロアケースの底部裏面の90%以上の領域とする板状冷媒流路を、前記ロアケースの底部との間で所定の流路間隔を保持して形成する流路形成板と、前記板状冷媒流路の流路幅の90%以上に亘って液体冷媒を供給する、スリットノズルまたはフラットノズルからなる冷媒供給ノズルと、前記冷媒供給ノズルに液体冷媒を供給する液体冷媒供給ヘッダと、前記板状冷媒流路から液体冷媒を排出する液体冷媒排出ヘッダとを備え、前記液体冷媒供給ヘッダは、前記ロアケースの縦壁部のうちの前記液体冷媒の上流側の縦壁部の外側に配設され、前記液体冷媒排出ヘッダは、前記ロアケースの縦壁部のうちの前記液体冷媒の下流側の縦壁部の外側に配設され、前記液体冷媒供給ヘッダおよび前記液体冷媒排出ヘッダは、各々のヘッダ壁の一部を前記ロアケースの縦壁部と共通の壁部とすることで前記ロアケースの縦壁部と一体構造をなす、車両用バッテリーユニット。
[2]前記流路形成板は、エンボス加工による四角錐台形の凸部および凹部が、四角錐台底面の四辺を境界にして、交互に複数連続的に接続されて板面をなすチェッカーエンボス板からなる、[1]に記載の車両用バッテリーユニット。
]前記液体冷媒供給ヘッダおよび前記液体冷媒排出ヘッダのいずれか一方または双方は、ヘッダ断面の下端位置が、前記ロアケースの縦壁部下端から前記ヘッダ断面の高さ方向内寸の1/2以上の高さ位置である、[または[2]に記載の車両用バッテリーユニット。
]前記板状冷媒流路は、流路内に所定流路間隔を保持する間隔保持部を有する、[1]~[]のいずれかに記載の車両用バッテリーユニット。
]前記間隔保持部は、前記ロアケースの底部および/または前記流路形成板から流路内に突出するように形成された凸部である、[]に記載の車両用バッテリーユニット。
]前記流路形成板は、前記板状冷媒流路の流路間隔が流路上流側から流路下流側に向けて漸減するように配設される、[1]~[]のいずれかに記載の車両用バッテリーユニット。
本発明によれば、収容ケースの底部裏面からバッテリーモジュールを冷却する板状冷媒流路を採用することで、車両の走行距離を延ばすためのバッテリーモジュールの高出力大容量化に必要性な冷却能力増強を有利に達成可能な車両用バッテリーユニットを提供することができる。
第1の実施形態に係るバッテリーユニットを搭載した車両を示す図である。 従来技術に係る空冷式冷却装置を備えたバッテリーユニットの分解斜視図である。 従来技術に係る液冷式冷却装置を備えたバッテリーユニットの分解平面図である。 従来技術に係る各種のエンボスパネルを斜視図で示す図である。 図4の各種エンボスパネルの曲げ剛性を比較する図である。 図4の各種エンボスパネルの捩り剛性を比較する図である。 第1の実施形態に係るバッテリーユニットのロアケースと付帯する冷却装置の幅方向2分割部の分解斜視図と、液体冷媒流路の上流側の部分断面拡大図である。 図7で示すバッテリーユニットのロアケースにおいて、付帯する冷却装置の液体冷媒流路方向を車両の幅方向に変更した例を斜視図で示す図である。 第1の実施形態に対する第1の変形例に係るバッテリーユニットのロアケースと付帯する冷却装置の流路方向縦断面図である。 第3の実施形態に係るバッテリーユニットの板状冷媒流路内に具備される間隔保持部(凸部)が、流路形成板の所定位置に配設されている様子を分解斜視図で示す図である。 第3の実施形態に係るバッテリーユニットの板状冷媒流路内に具備される間隔保持部(凸部)の配置の一例を示す図である。 第3の実施形態に係るバッテリーユニットの板状冷媒流路内に具備される間隔保持部(凸部)の配置の他の例を示す図である。 第3の実施形態に係るバッテリーユニットの板状冷媒流路内に具備される間隔保持部(凸部)の配置のさらに他の例を示す図である。 第3の実施形態に係るバッテリーユニットの板状冷媒流路内に具備される間隔保持部(凸部)の配置のさらに他の例を示す図である。 本発明の効果を確認する数値シミュレーションにおける発明例の冷媒流路パターンを説明する図である。 本発明の効果を確認する数値シミュレーションにおける比較例の冷媒流路パターンを説明する図である。 本発明の効果を確認する数値シミュレーションにおける他の比較例の冷媒流路パターンを説明する図である。 本発明の効果を確認する数値シミュレーションにおける発明例、比較例の流路圧損の計算結果を示す図である。 本発明の効果を確認する数値シミュレーションにおける発明例、比較例のパネル熱伝達率の計算結果を示す図である。 本発明の効果を確認する数値シミュレーションにおける発明例、比較例の流路壁平均温度の計算結果を示す図である。 第2の実施形態に係るバッテリーユニットの流路形成板をなすチェッカーエンボス板の典型例としてFEM解析に用いたエンボス板の形態を斜視図で示す図である。 図16Aで示すFEM解析に用いたエンボス板のA-A断面矢視の部分断面図を示す図である。 第2の実施形態に係るバッテリーユニットのロアケース底部と流路形成板とで形成される板状冷媒流路の部分断面図と、温度分布のFEM解析位置を示す図である。 図17Aの流路厚さ方向のFEM解析結果である温度分布を示す図である。 第4の実施形態に係るバッテリーユニットのロアケースと付帯する冷却装置の流路方向縦断面図である。 図18の板状冷媒流路の出側深さに対する入側深さの流路深さ比による、出側の熱伝達率であるパネル内最高熱伝達率の変化をFEM解析した結果を示す図である。 図18の板状冷媒流路の出側深さに対する入側深さの流路深さ比による、流路壁内温度差(出側温度-入側温度)の変化をFEM解析した結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、蓄電装置として、バッテリーモジュールと当該バッテリーモジュールを収容する収容ケースを主として備えたバッテリーユニットを例示して説明を行なう。以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るバッテリーユニットを搭載した車両を示す図である。図1を参照して、バッテリーユニット10を搭載した車両100について説明する。
図1に示すように、車両100は、たとえば電気自動車であり、車両駆動用の原動機として電動機(図示せず)を備えている。車両100は、車体111と、フロアパネル(図示せず)と、前輪112と、後輪113と、バッテリーユニット10とを有する。フロアパネルは、車両100の床面を構成するパネル材である。バッテリーユニット10は、全体としてフロアパネルの下方に配置される。バッテリーユニット10は、複数のバッテリーモジュール(図2、図3参照)を電気的に直列に接続することで構成されており、これによりバッテリーユニット10は、電動機に高出力で電力を供給することができる。
本明細書において単に前後方向との記載は、車両100における前後方向を意味するものとする。同様に、単に幅方向との記載は、車両100における幅方向を意味し、単に上下方向との記載は、車両100における上下方向を意味する。なお、図1において、前方をFr、後方をBと表示している(図2、図3において同じ)。
図7は、第1の実施形態に係るバッテリーユニットのロアケースと付帯する冷却装置の幅方向2分割部の分解斜視図であり、液体冷媒の上流側供給部分の部分断面拡大図とともに示す図である。図7を参照して、板状冷媒流路30を有するバッテリーユニット10の構成について説明する。なお、図7では、液体冷媒が車両の前後方向に流れる例を示しているが、本実施形態に係るバッテリーユニットはこれに限らず、図8に示すように、液体冷媒が車両の幅方向に流れるようにしてもよい。また、図7および図8では、バッテリーユニット10の全体図、並びに、従来技術を示す図2、図3と同等の構成である、バッテリーセル12、バッテリーモジュール11、アッパーケース21、及び、収容ケース20については図示を省略している。
本実施形態に係るバッテリーユニット10は、主要な構成として次のような構成を備える。すなわち、バッテリーユニット10は、まず、充放電可能なバッテリーセル12が複数積層されたバッテリーセル積層体を内包するバッテリーモジュール11を備える。また、バッテリーユニット10は、内部に収容空間が形成されて該収容空間内にバッテリーモジュール11を収容する、アッパーケース21とロアケース22とからなる収容ケース20を備える。また、本実施形態に係るバッテリーユニット10では、ロアケース22の底部27の裏面からバッテリーモジュール11を液体冷媒で冷却する冷媒流路であって、流域をロアケース22の底部裏面の90%以上の領域とする板状冷媒流路30が形成される。バッテリーユニット10は、この板状冷媒流路30を、ロアケースの底部との間で所定の流路間隔を保持して形成する流路形成板を備える。また、バッテリーユニット10は、板状冷媒流路30の流路幅の90%以上に亘って液体冷媒を供給する、スリットノズルまたはフラットノズルからなる冷媒供給ノズル41を備える。さらに、バッテリーユニット10は、冷媒供給ノズル41に液体冷媒を供給する液体冷媒供給ヘッダ40と、板状冷媒流路30から液体冷媒を排出する液体冷媒排出ヘッダ45とを備える。なお、ここでは冷媒供給ノズル41として典型的なスリットノズルまたはフラットノズルを開示しているが、これらに限らず、これらと同等の作用効果が得られる冷媒供給ノズルを用いることもできる。
本実施形態では、収容ケース20は、図7および図8に示すように、内部に収容空間を形成するケース体からなり、上下方向が厚み方向となり、水平方向に広がる外観を有する。収容ケース20は、長手形状を有し、当該長手方向は、バッテリーユニット10が搭載された搭載状態において、車両の前後方向と平行となる。収容ケース20において、短手方向は、上記搭載状態において、車両の幅方向と平行となる。
本実施形態では、収容ケース20の内部には、複数のバッテリーセル(二次バッテリーセル)12が車両横幅方向に積層されたバッテリーモジュール11(図2、図3参照)が、車両前後方向に順に配列されて収容される。
本実施形態では、収容ケース20は、アッパーケース21と、ロアケース22とを有する(図2参照)。アッパーケース21は、下方に向けて開口する箱型形状を有してもよく、単に平板状の蓋形状のものでもよい。ロアケース22は、上方に向けて開口する箱型形状を有する。ロアケース22は、上記の底部27と、縦壁部26とを有する。縦壁部26は、底部27の外周縁から上方に向けて延設されている。縦壁部26は、アッパーケース21の縦壁部とともに、または単独で、収容ケース20の側壁をなす。フランジ部28は、縦壁部26の上端部から収容ケース20の外側に広がることにより、フランジ形状をなしている。
本実施形態では、ロアケースのフランジ部28とアッパーケースのフランジ部とは、互いに上下方向に重ね合わされた状態において、複数の締結部材(図示せず)により締結される(図2、図7参照)。これにより、アッパーケース21およびロアケース22は、一体に結合されるとともに、その内部に複数のバッテリーモジュール11等を収容するための収容空間を形成する。
本実施形態では、バッテリーセル12(図3参照)に具備される単電池は、たとえば、ニッケル水素電池、またはリチウムイオン電池等の二次電池である。単電池は、たとえば角型形状を有する。なお、単電池は、角型形状に限定されず、円筒型形状であってもよい。二次電池は、液状の電解質を用いるものであってもよいし、固体状の電解質を用いるものであってもよい。
本実施形態では、バッテリーユニット10は、図7に示すように、ロアケース22の下部に板状冷媒流路30およびその付帯構成からなる冷却装置をさらに備える。冷却装置は、バッテリーユニット10の各々のバッテリーモジュール11(図2、図3参照)をロアケース22の底部27の裏面から板状冷媒流路30を流れる液体冷媒により冷却する。
本実施形態では、冷却装置は、図7および図8に示すように、液体冷媒導入管42から供給される液体冷媒を、一旦貯留しながら、流路幅方向に延びる冷媒供給ノズル41を通して、板状冷媒流路30に供給する液体冷媒供給ヘッダ40を、板状冷媒流路30の上流側に備える。この冷媒供給ノズル41は、公知のスリットノズルまたはフラットノズルからなり、流路幅方向に延びるノズル構造により、板状冷媒流路の流路幅の、間隔保持部等を除く90%以上に亘って、均等な流量分布となる液体冷媒を供給する。なお、冷媒供給ノズル41は、必要に応じて流路の幅方向で複数に分割されていてもよい。また、冷却装置は、板状冷媒流路30の下流側に、板状冷媒流路30から排出される液体冷媒を一旦貯留することで、板状冷媒流路30内の流路幅方向で液体冷媒が均等な流量分布となるようにする液体冷媒排出ヘッダ45および液体冷媒導出管47を有する。
本実施形態では、液体冷媒供給ヘッダ40および液体冷媒排出ヘッダ45は、図7および図8に示すように、ロアケース22の縦壁部26の外側に、各々のヘッダ壁の一部をロアケース22の縦壁部26と共通の壁部とすることでロアケース22の縦壁部26と一体構造をなす。液体冷媒供給ヘッダ40および液体冷媒排出ヘッダ45をロアケース22の縦壁部26と一体構造とすることにより、部品点数の削減やバッテリーユニット10のコンパクト化を図ることができる。また、図7に示す液体冷媒供給ヘッダ40および液体冷媒排出ヘッダ45の断面形状を、例えば断面積を変えずに薄くすれば(図8および図9参照)、限られたバッテリーユニット10の設置スペース内で、バッテリーモジュール11の収容量を増大させることも可能である。
本実施形態では、板状冷媒流路30は、後述の、流路間隔を補完的に保持するスペーサーまたは流路壁から突出した凸部などの間隔保持部(図10、図11参照)などの配設部を除き、その流域をロアケース22の底部27の裏面の90%以上の領域とする。このような構造の板状冷媒流路30によれば、全てのバッテリーモジュール11をその収納ケース内の収容位置にかかわらず均等に冷却することができる。この場合、ロアケース22の底部27の面内方向の熱伝導はバッテリーモジュール11の冷却に殆ど影響しないため、ロアケース22の底部27を工業用金属材料の中で比較的熱伝導率が低い鋼板製としても、収容ケース20内のバッテリーモジュール11を効率的に冷却できる。このように、板状冷媒流路30を採用する場合は、ロアケース22の材料選択の自由度を高めることができる。
本実施形態に係る板状冷媒流路30に代えて、板状冷媒流路30を、流路幅方向の所定位置に流路分割部(凸部)を配するなどして細分割し、さらに隣り合う流路間を前後端で連結して、流路方向で折り返す分割板状冷媒流路(図示せず)とすることも考えられる。この場合、冷媒が流路方向で折り返されることから、冷媒の流れにつれて冷媒自体の温度が上昇して流路方向の温度均一性が低下する問題を、隣り合う分割板状冷媒流路間で相殺することができる。すなわち、分割板状冷媒流路の上流側から下流側まで流路位置にかかわらず温度均一性を高めることができ、収容ケース20内を収容位置にかかわらず均一冷却することができる。また、例えば、幅方向中央部の分割板状冷媒流路を冷媒流路の供給側とし、幅方向両側の分割板状冷媒流路を冷媒の排出側とする場合のように、液体冷媒供給ヘッダ40および液体冷媒排出ヘッダ45をバッテリーユニット10の底面の1辺に揃えることができる。これにより、冷却装置に付帯する冷媒用のポンプやラジエター等への接続を容易にすることができる。
本実施形態では、冷却装置は、図示しない冷媒用のポンプやラジエターに接続される。なお、ここでの液体冷媒は、例えば、水、又は、LLC(Long Life Coolant)であってよい。LLCとしては、例えば、グリセリンが50質量%の水溶液であって、20℃において、密度:1073kg/m、動粘度:4.322mPa・s、比熱:3299J/kg・K、熱伝導率:0.39W/m・K、等の特性のものを例示できる。
次に、板状冷媒流路の効果についての数値シミュレーションによる確認試験結果について説明する。
図12A~図12Cに、冷却面広さを長さ1675mm×幅1156mmにそろえた条件での、発明例、比較例の計3つの冷媒流路パターンを示す。すなわち、図12Aは、発明例1としての冷媒流域が全幅に及ぶ板状冷媒流路の冷媒流路パターンを示す。また、図12Bは、比較例1としての冷媒流路が全幅横断60本(2回折り返しの幅3回横断×20分岐)、幅端部で供給管、排出管接続とする冷媒流路パターン(外取合い)を示す。図12Cは、比較例2としての冷媒流路を2分割して片幅ずつ横断30本(2回折り返しの幅3回横断×10分岐)、両側合わせて60本(2回折り返しの幅3回横断×20分岐)、幅中央部で供給管、排出管接続とする冷媒流路パターン(内取合い)を示す。
以上のような3つの冷媒流路パターンでの圧損の差異を比較するために、それぞれの圧損に対応する流路長さを求めると次のとおりであり、流路長さでは大きな差はないように見える。
発明例1:1675mm(流路総延長も同じ)
比較例1:1156×3往復=3468mm
(ただし流路総延長は3.468×20分岐=69m)
比較例2:1156/2×3往復=1734mm
(ただし流路総延長は1.734×20分岐=34m)
しかし、図13に示すように、同一流量での冷媒流路深さに対する圧損そのものを、発明例、比較例で対比してみると、発明例の方が比較例より、特に冷媒流路深さ(冷媒流路厚さともいう)が2mm以下で顕著に低くなることが分かる。以上のとおり、図13から、本発明によれば冷媒ポンプ等の冷却装置の付帯設備能力を低く抑える効果を期待できる。また、流路総延長を対比すれば、本発明では比較例より液密のための流路シール長を飛躍的に短くする効果を期待できる。
次に、発明例、比較例のいずれも、入熱量を6kWとして、抜熱量を冷媒流量25L/minによる抜熱のみとして定常計算した。
ここで、仮に比較例の冷媒流路幅を20mmとすると、伝熱面積は、発明例1を100%としたとき、比較例1では72%、比較例2では36%となる。このような冷媒流路幅条件の場合について、冷媒流路深さに対するパネル熱伝達率を、発明例、比較例で対比した結果を図14に示す。また、同様の冷媒流路幅条件の場合について、冷媒流路深さに対する冷媒流路壁平均温度を、発明例、比較例で対比した結果を図15に示す。このような冷媒流路幅条件の場合は、比較例に比べて発明例の方が伝熱面積を大きくとることができることもあり、図14からは発明例の方がパネル熱伝達率が大きくなることが分かる。また、同様に図14からは発明例の方が冷媒流路壁平均温度を低く維持できることが分かる。以上のとおり、図14、図15から、本発明によれば冷却対象であるバッテリーモジュール11の温度を低く抑える効果を期待できる。
(第1の変形例)
図9は、第1の実施形態に対する第1の変形例に係るバッテリーユニット10のロアケース22と付帯する冷却装置の流路方向縦断面図である。図7、図8および図9を参照して、本変形例に係る液体冷媒供給ヘッダ40Aおよび液体冷媒排出ヘッダ45Aについて説明する。
図9に示すように、本変形例に係る液体冷媒供給ヘッダ40Aおよび/または液体冷媒排出ヘッダ45Aは、第1の実施形態と比較した場合に、ヘッダ断面の下端位置が、ロアケース22の縦壁部26の下端からヘッダ断面の高さ方向内寸の1/2以上の高さ位置である点で相違する。これは、冷媒流通中にヘッダ内に空気溜りが生じた場合に、ヘッダ内の気泡の平均的な連通距離について考察した結果に基づいて定めたものである。すなわち、気泡の平均的な存在位置をヘッダ断面の図心位置とし、その位置の気泡が他の気泡と連通する平均的な連通距離を、ヘッダ断面の図心位置から端部(下端を含む)までの距離(ヘッダ断面の高さ方向内寸の1/2の高さ相当)としても妥当であると考えた。さらに、気泡がヘッダ断面の下端部に生じたとしても、ヘッダ断面の下端位置が、ロアケースの縦壁部下端からヘッダ断面の高さ方向内寸の1/2以上の高さ位置であれば、気泡の平均的な連通距離を超える為、気泡が板状冷媒流路内の気泡と連通することはないと考えた。このように本変形例に係る実施形態では、板状冷媒流路内に例え気泡が混入したとしても、気泡同士の連通が生じ難く小さな気泡のままで早期に板状冷媒流路内から排出される効果を期待できる。本変形例に係る実施形態では、このような考察に基づいて、ヘッダ断面の下端位置を規定する。その他の構成については、第1の実施形態とほぼ同様である。なお、図7と、図8および図9とでは、液体冷媒供給ヘッダおよび液体冷媒排出ヘッダの断面形状を異にしているが、この点については第1の実施形態で説明したとおりであり、本変形例でも同様である。
以上のように構成される場合であっても、第1の変形例に係るバッテリーユニット10は、第1の実施形態に係るバッテリーユニット10とほぼ同様の効果が得られる。
加えて、液体冷媒供給ヘッダ40Aおよび/または液体冷媒排出ヘッダ45Aが、そのヘッダ断面下端位置を、ロアケース22の縦壁部26の下端からヘッダ断面の高さ方向内寸の1/2以上の高さ位置に配設されるようにすることで、気泡等を巻き込むことなく冷媒を板状冷媒流路30内に完全に充満させることができる。
(第2の実施形態)
図16Aは、第2の実施形態に係るバッテリーユニット10の流路形成板35Cをなすチェッカーエンボス板の典型例としてFEM解析に用いたエンボス板の形態を斜視図で示す図である。図16Bは、図16Aで示すFEM解析に用いたエンボス板のA-A断面矢視の部分断面図を示す図である。また、図17Aは、第2の実施形態に係るバッテリーユニット10のロアケース底部27と流路形成板35Cとで形成される板状冷媒流路30Cの部分断面図と、温度分布のFEM解析位置とを示す図である。図17Bは、図17Aの流路厚さ方向のFEM解析結果である温度分布を示す図である。図16A、図16B、図17A、および図17Bを参照して、第2の実施形態に係るバッテリーユニット10について説明する。
図16A、図16B、図17A、および図17Bに示すように、第2の実施形態に係るバッテリーユニット10は、第1の実施形態に係るバッテリーユニット10と比較した場合に、流路形成板35Cにチェッカーエンボス板が用いられる点において相違する。その他の構成については、第1の実施形態とほぼ同様である。
ここで、チェッカーエンボス板の効果についての数値シミュレーションによる確認試験結果について説明する。
チェッカーエンボス板の各部寸法は、図16Aおよび図16Bに示す記号として定義する。図16Aおよび図16Bにおける各部寸法は、凸部の四角錐台頂面と凹部の四角錐台頂面の距離H、板厚t、凸部および凹部の四角錐台底面の各辺長さJ、基準面Fに対する凸部および凹部の傾斜面部の傾斜角度θ、凹凸の数m、板サイズLを表す。
図17Aで示す板状冷媒流路30CのFEM解析条件について、まず、流路形成板(チェッカーエンボス板)35Cは、H=2mm、t=1mm、J=30mm、θ=60°、m=38、L=100mmとした。また、板状冷媒流路30Cは、流路形成板35Cの基準面Fとロアケース底部27との間隔を2mmとして形成されるものとした。
流路内温度分布についてのFEM解析の境界条件としては、ロアケース底部27に熱流束1600W/mを与え、冷却媒体はグリセリン濃度50質量%のLLCとし、板状冷媒流路30Cの入口での冷却媒体温度を20℃、冷却媒体の流速を1m/sとした。
図17Bに、流路形成板としてチェッカーエンボス板が配設された板状冷媒流路30Cについて、流路厚さ方向の温度分布をFEM解析した結果を示す。同図から、流路内側に凸のチェッカーエンボス部(a部)では、平板の流路形成板35が配設された場合と比較して、ロアケース底部27から0.8mm(平均流路厚の40%)程度まで冷却能力が上回ることが分かる。また、同図から、流路外側に凸のチェッカーエンボス部(b部)でも、平板の流路形成板35が配設された場合と比較して、ロアケース底部27から0.5mm(平均流路厚の25%)程度まで冷却能力が上回ることが分かる。このような冷却能力向上効果は、チェッカーエンボス板の凹凸部により冷媒の流れが乱されることで、熱伝達率が高まることによる効果と推測される。
本実施形態に係るバッテリーユニット10の底面は大面積のパネルからなるため、チェッカーエンボス板からなる流路形成板35Cの面外方向のたわみ量についても、上記の解析条件と同じ条件でFEM解析を行った。その結果、平板状の流路形成板35の場合の冷媒の液圧によるたわみを1としたときに、本実施形態に係るバッテリーユニット10は、流路形成板にチェッカーエンボス板を採用することにより、たわみ比が0.7となり面外変形を改善できることが確認された。これにより、許容されるバッテリーユニット10の底面の面外変形量に応じて流路形成板35Cの板厚tを薄くできることから、装置の軽量化を図ることができる。
本実施形態に係るバッテリーユニット10の流路形成板35Cをなすチェッカーエンボス板の各部の寸法は、次の範囲であることが好ましい。すなわち、凸部の四角錐台頂面と凹部の四角錐台頂面の距離Hは、1mm~5mmが好ましい。この距離Hが1mm未満では冷媒の上下方向の流れが少なくなるため冷却能力が低くなり、5mm超では冷媒の断面積が増えて流速が低下して冷却能力が低くなるからである。板厚tは、0.3mm~5mmが好ましい。板厚tが0.3mm未満では板の剛性が低く冷媒の液圧によりたわみが大きくなるからであり、5mm超ではバッテリーユニットの重量が大きくなりすぎるからである。凸部および凹部の四角錐台底面の各辺長さJは、5mm~50mmが好ましい。各辺長さJが5mm未満では冷媒の流れへの抵抗が大きくなり、50mm超では冷媒の上下方向の流れが少なくなるため冷却能力が低くなるからである。基準面Fに対する凸部及び凹部の傾斜面部の傾斜角度θは、10°~75°が好ましい。この傾斜角度θが10°未満では冷媒の上下方向の流れが少なくなるため冷却能力が低くなり、75°超では冷媒の流れへの抵抗が大きくなるからである。
本実施形態に係るチェッカーエンボス板において、基材に適用可能な金属板の種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、鉄基合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金等が挙げられる。また、本実施形態に係るチェッカーエンボス板の基材として、任意に金属板上に塗装した塗装金属板またはめっきしためっき金属板を使用することもできる。これらの金属板の中でも、本実施形態への適用において最も好適なものは、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板である。
以上のように構成される場合であっても、第2の実施形態に係るバッテリーユニット10は、第1の実施形態に係るバッテリーユニット10とほぼ同様の効果が得られる。
加えて、チェッカーエンボス板による冷却能力の向上および板面の剛性向上を通して、バッテリーユニット10の軽量化を図ることができる。
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係るバッテリーユニット10の板状冷媒流路30内に具備される間隔保持部(凸部)36が、流路形成板35の所定位置に配設されている様子を分解斜視図で示すものである。図10を参照して、第3の実施形態に係るバッテリーユニット10について説明する。
図10に示すように、第3の実施形態に係るバッテリーユニット10は、第1の実施形態に係るバッテリーユニット10と比較した場合に、板状冷媒流路30内に間隔保持部(凸部)36が設けられている点において相違する。その他の構成については、第1の実施形態とほぼ同様である。また、本実施形態に係る間隔保持部(凸部)36は、第2の実施形態に係るチェッカーエンボス板の凸部の一部を突出量を増大させて設けるようにしてもよい。
間隔保持部(凸部)36は、ロアケース22の底部27と流路形成板35との間で形成される板状冷媒流路30の流路間隔を所定間隔に保持する。間隔保持部(凸部)36は、樹脂等で形成される部材であって、ロアケース22の底部27の裏面および/または流路形成板35の流路内面に接合される部材でもよい。また、間隔保持部(凸部)36は、ロアケース22の底部27の裏面および/または流路形成板35の流路内面からプレス成形等による張り出し成形で形成される凸部でもよい。また、図11A~図11Dに示すように、板状冷媒流路30の内壁への間隔保持部(凸部)36の配設については、ロアケース22の底部27の裏面および流路形成板35で形成される板状冷媒流路30の内壁のいずれか一方または双方に配設することができる。また、図11Cに示すように、間隔保持部(凸部)36は、ロアケース22の底部27の裏面および流路形成板35で形成される板状冷媒流路30の内壁の双方に配設される部材または双方から張り出した凸部の組み合わせで形成されるものでもよい。
なお、ここでの間隔保持部(凸部)36同士の接合、または、間隔保持部(凸部)36とロアケース22の底部27の裏面および/または流路形成板35の流路内面との接合は、接着または溶接により行われてもよいし、接着と溶接を併用してもよい。また、その接合部の接触面積のうち、接着または溶接がされる面積は、接触面積の全面でもよいし、その一部でもよい。また、ここでの溶接には、スポット溶接、レーザー溶接、プロジェクション溶接等を用いることができる。
このような接着または溶接によらずに、ロアケース22の底部27または流路形成板35の変形抑止構造を、ロアケース22の底部27および/または流路形成板35の、板状冷媒流路30と反対面側に設けてもよい。
以上のように構成される場合であっても、第3の実施形態に係るバッテリーユニット10は、第1の実施形態に係るバッテリーユニット10とほぼ同様の効果が得られる。
加えて、不測の外力等がロアケース22の底部27または流路形成板35に加わっても、ロアケース22の底部27または流路形成板35の変形を防ぎながら板状冷媒流路30の間隔を有利に保持することができる。
(第4の実施形態)
図18は、第4の実施形態に係るバッテリーユニット10のロアケース22と付帯する冷却装置の流路方向縦断面図である。図19は、図18の板状冷媒流路の出側深さに対する入側深さの流路深さ比による、出側の熱伝達率であるパネル内最高熱伝達率の変化をFEM解析した結果を示す図である。図20は、同じく流路深さ比による流路壁内温度差(出側温度-入側温度)の変化をFEM解析した結果を示す図である。図18~図20を参照して、第4の実施形態に係るバッテリーユニット10について説明する。
図18に示すように、第4の実施形態に係るバッテリーユニット10は、第1の実施形態の第1の変形例と比較した場合に、板状冷媒流路30Bの流路間隔(流路深さ、または流路厚さともいう)が流路上流側から流路下流側に向けて漸減するように流路形成板35Bが配設される点で相違する。それに伴い、液体媒体供給ヘッダ40Bおよび液体媒体排出ヘッダ45Bの位置、ならびに冷媒供給ノズル41Bのノズル間隔も相違する。その他の構成については、第1の実施形態の第1の変形例とほぼ同様である。
ここで、流路間隔が流路上流側から流路下流側に向けて漸減する板状冷媒流路の効果についての数値シミュレーションによる確認試験結果について説明する。
FEM解析条件については、第1の実施形態および第2の実施形態で行ったFEM解析と同様の条件とした。すなわち、まず、冷却面広さは、長さ1675mm×幅1156mmとした。また、流路間隔は、流路の入側と出側の平均が2mmとなるようにするとともに、流路深さ比(入側/出側)が2mm/2mmの場合を基準にして、2.5mm/1.5mm、3mm/1mm、および3.5mm/0.5mmの場合を計算対象とした。その他の境界条件として、ロアケース底部27に熱流束1600W/mを与え、冷却媒体はグリセリン濃度50質量%のLLCとし、板状冷媒流路30Bの入口での冷却媒体温度を20℃とした。また、板状冷媒流路30B内の冷却媒体の平均流速は、各流路深さ比間で一定の1m/sとすることとし、そのために流路深さ比毎に流路入口の流量を調整した。
図19に、板状冷媒流路の出側深さに対する入側深さの流路深さ比による、出側の熱伝達率であるパネル内最高熱伝達率の変化をFEM解析した結果を示す。同図から、流路の入側と出側の流路深さ(流路厚さ)の比が大きくなるとパネル熱伝達率が上昇していくことが分かる。
図20には、同じく流路深さ比による流路壁内温度差(出側温度-入側温度)の変化をFEM解析した結果を示す。同図から、流路の入側と出側の流路深さ(流路厚さ)の比が大きくなると、図19の効果もあり流路壁内温度差が小さくなっていくことが分かる。ところで、図20中の流路深さ比(入側/出側)が2mm/2mmの場合の流路壁内温度差をみると、6℃程度になることが分かる。これは、板状冷媒流路30内を流れる冷媒が、収容ケース20内に収容されているバッテリーモジュール11を冷却しながら流路下流に向けて流れていくうちに、バッテリーからの伝熱により徐々に冷媒自体の温度が上昇していくからである。なお、流速が一定の場合、流路方向で熱伝達率は変化しないため、所定のバッテリー発熱量を伝熱させる場合、ロアケース底面27と冷媒の温度差は一定となる。そのため、図20中の流路深さ比(入側/出側)が2mm/2mmの場合の流路壁内温度差のデータのように、ロアケース底面27の温度も下流に向けて上昇し、バッテリー側を等温に維持することができない。第4の実施形態では、流路方向に向けて流路間隔を漸減させ、それに伴い冷媒流速を漸増させることで熱伝達係数を漸増させることができるため、所定発熱量に対するロアケース底面と冷媒の温度差を縮小することができる。その結果、冷媒の温度が上昇しても、伝熱に必要な温度差が縮小されることで、流路方向の温度上昇を抑制し、ロアケース底面27の温度を均一に制御することができる。
以上のように構成される場合であっても、第4の実施形態に係るバッテリーユニット10は、第1の実施形態の第1の変形例に係るバッテリーユニット10とほぼ同様の効果が得られる。
加えて、板状冷媒流路30B内を流れる冷媒がバッテリーモジュール11を冷却しながら流れていくうちに徐々に温度上昇していくことと、冷媒流路間隔が漸減することで冷媒流速が漸増して熱伝達率を上昇させることとを相殺させることができる。その結果、板状冷媒流路30Bの上流側から下流側までの流路位置、さらには、収容ケース20内の収容位置にかかわらず均一冷却することができる。
10 バッテリーユニット(バッテリーパック)
11 バッテリーモジュール
12 バッテリーセル(二次バッテリーセル)
20 収容ケース
21 アッパーケース(ハウジングカバー)
22 ロアケース(ハウジングトレイ)
26 ロアケース縦壁部
27 ロアケース底部(収容ケース底部)
28 ロアケースフランジ部
30、30B、30C 板状冷媒流路
35、35B 流路形成板
35C 流路形成板(チェッカーエンボス板)
36 間隔保持部(凸部)
40、40A、40B 液体冷媒供給ヘッダ
41、41B 冷媒供給ノズル(スリットノズル、フラットノズル)
42 液体冷媒導入管
45、45A、45B 液体冷媒排出ヘッダ
47 液体冷媒導出管
50 液体冷却器
51 冷媒供給口
52 冷媒排出口
53 冷媒流路
54 集合冷媒往路
55 集合冷媒復路
60 送風ダクト
61 送風機
100 車両(電動車両)
111 車体
112 前輪
113 後輪

Claims (6)

  1. 充放電可能なバッテリーセルが複数積層されたバッテリーセル積層体を内包するバッテリーモジュールと、
    内部に収容空間が形成されて該収容空間内に前記バッテリーモジュールを収容する、アッパーケースとロアケースとからなる収容ケースと、
    前記ロアケースの底部裏面から前記バッテリーモジュールを液体冷媒で冷却する冷媒流路であって、流域を前記ロアケースの底部裏面の90%以上の領域とする板状冷媒流路を、前記ロアケースの底部との間で所定の流路間隔を保持して形成する流路形成板と、
    前記板状冷媒流路の流路幅の90%以上に亘って前記液体冷媒を供給する、スリットノズルまたはフラットノズルからなる冷媒供給ノズルと、
    前記冷媒供給ノズルに前記液体冷媒を供給する液体冷媒供給ヘッダと、
    前記板状冷媒流路から前記液体冷媒を排出する液体冷媒排出ヘッダと
    を備え、
    前記液体冷媒供給ヘッダは、前記ロアケースの縦壁部のうちの前記液体冷媒の上流側の縦壁部の外側に配設され、
    前記液体冷媒排出ヘッダは、前記ロアケースの縦壁部のうちの前記液体冷媒の下流側の縦壁部の外側に配設され、
    前記液体冷媒供給ヘッダおよび前記液体冷媒排出ヘッダは、各々のヘッダ壁の一部を前記ロアケースの縦壁部と共通の壁部とすることで前記ロアケースの縦壁部と一体構造をなす、車両用バッテリーユニット。
  2. 前記流路形成板は、エンボス加工による四角錐台形の凸部および凹部が、四角錐台底面の四辺を境界にして、交互に複数連続的に接続されて板面をなすチェッカーエンボス板からなる、請求項1に記載の車両用バッテリーユニット。
  3. 前記液体冷媒供給ヘッダおよび前記液体冷媒排出ヘッダのいずれか一方または双方は、ヘッダ断面の下端位置が、前記ロアケースの縦壁部下端から前記ヘッダ断面の高さ方向内寸の1/2以上の高さ位置である、請求項1または請求項2に記載の車両用バッテリーユニット。
  4. 前記板状冷媒流路は、前記所定の流路間隔の保持を補完する間隔保持部を有する、請求項1または請求項2に記載の車両用バッテリーユニット。
  5. 前記間隔保持部は、前記ロアケースの底部および/または前記流路形成板から流路内に突出するように形成された凸部である、請求項に記載の車両用バッテリーユニット。
  6. 前記流路形成板は、前記板状冷媒流路の流路間隔が流路上流側から流路下流側に向けて漸減するように配設される、請求項1または請求項2に記載の車両用バッテリーユニット。
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