JP7323766B2 - タンパク質溶液の調製方法およびそれを用いた分子量測定方法 - Google Patents

タンパク質溶液の調製方法およびそれを用いた分子量測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンパク質溶液の調製方法およびそれを用いた分子量測定方法に関する。特に蚕が産生するフィブロイン等の非水溶性のタンパク質溶液の調製方法およびそれを用いた分子量測定方法に関する。
現在、生体材料分野または医療分野において、フィブロインが注目されている。フィブロインは、主には昆虫の繭糸とクモ類の糸の主要成分である。本明細書では蚕の繭から採れるフィブロインを、特にシルクフィブロインと呼ぶ。シルクフィブロインは、医療用縫合糸として使用される生体適合性の高い材料である。フィブロインは水のみには溶解せず、特定の塩水溶液、酸、または有機溶媒にのみ溶解する。
通常、タンパク質の分子量の測定には、ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography、以下、GPCと呼ぶことがある)またはポリアクリルアミド電気泳動法(Sodium Dodecyl Sulfate-Poly Acrylamide Gel Electrophoresis、以下、SDS-PAGEと呼ぶことがある)が使用される。
SDS-PAGEは、水溶性のタンパク質、糖およびデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)の分子量を測定するため、タンパク質をミセルとし、陰性に帯電させて水中を電気泳動させる方法である。しかしながら、フィブロインは、塩化カルシウム、臭化リチウムまたは炭酸水素ナトリウム等の塩溶液には溶解するが、これらの塩を含まない単なる水のみには溶解しないため、SDS-PAGEによるフィブロインの分子量の測定は困難である。
一方、GPCは、高分子溶液等の分子量測定のための試料(高分子溶液)を、溶離液を用いゲルを充填したカラム中に流し、ゲルの篩い分け効果によるカラム通過時間の違いから分子量を測定する方法である。フィブロインの分子量の測定は、前述したように、塩の水溶液中にフィブロインを入れ攪拌または加熱する等して溶解させた上澄み液から透析により塩を除いたものを分子量測定用試料とし、緩衝液を溶離液に用いたカラム中に流すことで測定する方法が知られている。
例えば、非特許文献1にはシルクフィブロインを塩化カルシウムまたは臭化リチウム等の中性塩の水アルコール溶液中で攪拌した後の上澄み液を試料とし、溶離液に尿素およびトリス硫酸の水溶液を用いカラム中に流し、分子量が既知のタンパク質と溶出時間を比べて分子量を算定する方法が記載される。非特許文献1には、透析により前記中性塩を除いた試料と行わない試料の分子量の測定値を比較したところ、透析により中性塩を除くことで正確な分子量が得られていたことが記載されている。
特許文献1には、シルクフィブロインを炭酸ナトリウム水溶液中で加熱し溶解させた後の上澄み液から透析により炭酸ナトリウムを除き、分子量測定用試料を調製し、溶離液にリン酸緩衝生理食塩水を用いカラム中に本試料を流し、シルクフィブロインの分子量を測定する方法が記載されている。
一方でフィブロインは、特定の有機溶剤または化合物に可溶であることが知られている。例えば、特許文献2~4には、シルクフィブロインは、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HC(CFOH、CAS番号、920-66-1、以下、HFIPと呼ぶことがある)、ヘキサフルオロアセトン3水和物(以下、HFA3水和物と呼ぶことがある。)、蟻酸、トリフルオロ酢酸、2,2,2-トリフルオロエタノールまたはペンタフルオロプロピオン酸に溶解することが開示されている。
特許文献5には、シルクフィブロインの繊維化に際し、低分子量化を起こしにくい方法として、シルクフィブロインまたは絹をヘキサフルオロアセトン水和物または、それを主成分とする溶剤に溶解した溶液から紡糸し、必要に応じて延伸する、絹または絹様繊維の製造方法が開示されている。
特許文献6には、シルクフィブロインを塩化カルシウム水溶液に溶解し、次いで脱塩して得られるシルクフィブロイン溶解物を、塩化カルシウムとともに有機溶剤に溶解する方法が開示される。また、家蚕シルクフィブロインを溶解する際に臭化リチウム等の中性塩や、銅エチレンジアミン等の錯塩水溶液などの溶媒中に長時間置くと、シルクフィブロインの分子鎖が分解し、再生絹糸が得られたとしても力学物性は極めて低い等の欠点があると記載されている。
特許文献7には、クモ糸由来のフィブロインをHFIPに溶解させることが記載されている。
特許文献8には、溶離液としてトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたHFIPを用い、トナー中の樹脂成分であるポリエステルの分子量をGPCにより測定する方法が開示されている。
特開2007-246461号公報 特開2011-196001号公報 特開2013-136786号公報 特開2017-061756号公報 特開2004-068161号公報 特開2009-221401号公報 特開2014-029054号公報 特開2006-30534号公報
第49回日本シルク学会研究発表要旨10 巻 (2001年 S21-S22頁)「絹の中性塩による溶解とフィブロインの分子量」独立行政法人農業生物資源研究所、坪内紘三、山田弘生、高須陽子
本発明者らが、シルクフィブロインを種々溶剤に対する溶解性を試したところ、シルクフィブロインはHFA3水和物、蟻酸(pKa3.75)およびトリフルオロ酢酸(pKa0.5)に溶解した。しかしながら、蟻酸およびトリフルオロ酢酸は強酸であり、フィブロイン溶解後の溶液が黄色く着色しており、シルクフィブロインを変質させた(実施例の[表1]参照)。
また、シルクフィブロインはHFIPに溶解することは既知であるが、25℃近傍の室温下では、シルクフィブロインはHFIPに対し溶解速度が極めて遅く、0.0025質量%の低濃度であっても、溶解するには月単位の時間を要した。溶解時間が遅いことより、HFIPのみを溶剤としてシルクフィブロインの分子量を測定することは、実際には困難であった(実施例の[表2]参照)。
また、塩化カルシウム水溶液または臭化リチウム水溶液等の塩溶液にフィブロインを溶解させたフィブロインの塩溶液を分子量測定試料とする、従来のフィブロインの分子量の測定方法は、フィブロインの溶解に時間がかかるとともに、フィブロインの正確な分子量を測定するのは、フィブロインの塩溶液から塩を取り除く透析等の煩雑な操作を行わなければならない。
本発明は、フィブロイン等の非水溶性タンパク質を溶剤に溶解させる際に、分子量の低下または黄変等の変質を起こすことなく、短時間かつ簡便に任意の濃度に調製することのできるタンパク質溶液の調製方法、およびそれを用いたタンパク質の分子量測定方法を提供することを目的とする。
本発明者らが、予め調製したHFA3水和物とHFIPの混合溶剤を用いたところ、室温下において、シルクフィブロインは本混合溶剤に可溶であり、シルクフィブロイン溶液を調製することができた。しかしながら、シルクフィブロインの溶解には、日単位の時間がかかった(実施例の[表2]参照)。
そこで、本発明者らが、短時間且つ簡便にシルクフィブロイン溶液を調製できる方法を鋭意検討したところ、室温下において、シルクフィブロインを一旦、HFA3水和物に溶解させた後、HFIPを加えて希釈し、最終的にHFA3水和物とHFIPを溶剤とするシルクフィブロイン溶液を調製することで、短時間でシルクフィブロインを任意の濃度に調製したHFA3水和物とHFIPを溶剤とするシルクフィブロイン溶液が得られた(実施例の[表4]参照)。このようにして、本発明者らは本発明のタンパク質溶液の調製方法を完成させるに至った。
さらに、本発明者らは、シルクフィブロインのHFA3水和物単独溶液、HFIP単独溶液を測定試料とし、GPCによるシルクフィブロインの分子量測定を行い、分子量の測定が可能であることがわかった。
さらに、本発明者らは、本発明のタンパク質溶液の調製方法によって、最終的にHFA3水和物:HFIP=1:4、1:40、1:400の質量比である溶剤にシルクフィブロインを溶解させた溶液を調製し、これら溶液を分子量測定用試料としてGPCにより、シルクフィブロインの分子量を測定したところ、各試料ともほぼ同一の分子量であった(実施例の[表5]参照)。
尚、本発明のタンパク質溶液の調製方法およびそれを用いた分子量測定方法において、非水溶性タンパク質とは、水のみには溶解しないタンパク質を指し、水のみには溶解しないが特定の塩を含む塩水溶液には溶解するフィブロイン等のタンパク質を含む。以下、本明細書において、単にタンパク質といえば、前記非水溶性タンパク質を指す。
本発明は、以下の発明1~7を含む。
[発明1]
ヘキサフルオロアセトン水和物を含む溶剤に非水溶性タンパク質を溶解させ、第1のタンパク質溶液を得る第1の工程と、第1のタンパク質溶液に、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む溶剤を加え第2のタンパク質溶液を得る第2の工程と、
を含む、
タンパク質溶液の調製方法。
[発明2]
ヘキサフルオロアセトン水和物を25質量%以上、100質量%以下含む溶剤に非水溶性タンパク質を溶解させ、タンパク質濃度が0.01質量%以上、50質量%以下である第1のタンパク質溶液を得る第1の工程と、第1のタンパク質溶液に、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを80質量%以上、100質量%以下含む溶剤を加え、タンパク質濃度が0.001質量%以上、20質量%以下の第2のタンパク質溶液を得る第2の工程を含む
発明1のタンパク質溶液の調製方法。
[発明3]
非水溶性タンパク質がフィブロインである、発明1または発明2のタンパク質溶液の調製方法。
[発明4]
ヘキサフルオロアセトン水和物または1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む非水溶性タンパク質溶液を、
溶離液を用いてカラム中に流す、
ゲル浸透クロマトグラフィによる、
タンパク質の分子量測定方法。
[発明5]溶離液が1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールである、発明4のタンパク質の分子量測定方法。
[発明6]
非水溶性タンパク質溶液が、ヘキサフルオロアセトン水和物:1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール=1:2~1:500の質量比で含むタンパク質溶液である、
発明4または発明5のタンパク質の分子量測定方法。
[発明7]
非水溶性タンパク質溶液が、
ヘキサフルオロアセトン水和物を含む溶剤に非水溶性タンパク質を溶解させ、第1のタンパク質溶液を得る第1の工程と、
第1のタンパク質溶液に、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む溶剤を加え第2のンパク質溶液を得る第2の工程と、
を含む、タンパク質溶液の調製方法で調製されたタンパク質溶液である、
発明4~6のタンパク質溶液の分子量測定方法。
本発明のタンパク質溶液の調製方法により、フィブロイン等の非水溶性タンパク質を溶剤に短時間且つ簡便に溶解させ、変質させることなく任意の濃度に調製したタンパク質溶液を得ることができる。
さらに、本発明のタンパク質溶液の調製方法により、所定の濃度に調製したタンパク質溶液を試料に用いることができ、GPCによる分子量測定を短時間且つ簡便に行うことができる。
実施例1~4にけるシルクフィブロインの重量平均分子量のGPC測定において得られたクロマトグラムである。 図1に示すクロマトグラム曲線の10~20分の範囲を拡大した図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
1.非水溶性タンパク質溶液
本発明のタンパク質溶液の調製方法で調製されるタンパク質溶液は、ヘキサフルオロアセトン水和物(以下、HFA水和物と呼ぶことがある。)および1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む溶剤に非水溶性タンパク質が溶解しているタンパク質溶液である。
なお、上記タンパク質溶液において、GPCで分子量を測定する際の非水溶性タンパク質濃度は0.001質量%以上、20質量%以下であり、溶剤濃度が80質量%以上であることが好ましい。非水溶性タンパク質濃度が0.001質量%より薄いとGPCによる分子量測定において正確な分子量を得ることができず、20質量%より濃いと非水溶性タンパク質が析出することがある。
[非水溶性タンパク質]
前記タンパク質溶液中の非水溶性タンパク質としては、フィブロインまたは腱の成分であるエラスチンを挙げることができる。フィブロインは、昆虫の繭糸と蜘蛛の巣に含まれる繊維状の非水溶性タンパク質で、主として、グリシン、アラニン、セリン、チロシンが連結したものである。フィブロインを含むものとして、例えば、蚕の繭糸(シルクフィブロインと呼ばれる)、蜘蛛糸(スパイダーシルクと呼ばれる)を挙げることができる。蚕の種類は、各種の家蚕、野蚕を問わない。本発明の非水溶性タンパク質溶液の調製方法に用いる非水溶性タンパク質としては、シルクフィブロインが好ましい。シルクフィブロインは、繭や精練されたシルクに含まれるシルクフィブロインでもよく、シルクを一度、良溶媒に溶解させ、乾燥し、得られたシルクフィブロイン(再生シルクと呼ぶことがある)でもよく、蚕の絹糸腺から直接得たシルクフィブロインでもよい。
シルクフィブロインは、株式会社自然化粧品研究所、株式会社リリィフォース等からシルクパウダー等の商品名で、粉末の状態で市販されている。
[HFA水和物]
本発明にかかるタンパク質溶液の調製方法においてHFA水和物とは、ヘキサフルオロアセトンと水を含む混合物を指す。具体的には、HFA1水和物、HFA1.5水和物、HFA3水和物等を挙げることができ、これらのいずれかを含むものであり、2種以上を含んでいてもよい。入手し易く、且つ取り扱いが容易であることから、HFA3水和物を用いることが好ましく、HFA3水和物のみでもよい。
2.タンパク質溶液の調製方法
本発明のタンパク質溶液の調製方法は、HFA水和物を含む溶剤に非水溶性タンパク質を溶解させ、第1のタンパク質溶液を得る第1の工程と、第1のタンパク質溶液に、HFIPを含む溶剤を加え第2のタンパク質溶液を得る第2の工程とを含む、タンパク質溶液の調製方法である。
フィブロイン等の非水溶性タンパク質は、室温でHFA水和物に易溶であり、静置したフラスコ内で、加温および攪拌を行うことなく、HFA水和物に溶ける。しかしながら、室温下で静置したフラスコ内では、前記非水溶性タンパク質は、HFIPには殆ど溶けない。このため、前記非水溶性タンパク質をHFIPに溶解させるためには、HFIPの攪拌を必要とする。しかしながら、攪拌したとしても、溶解には長時間を要する([実施例]の1.タンパク質の各種溶剤に対する溶解性評価を参照)。
本発明のタンパク質溶液の調製方法において、HFA水和物を多く含む溶剤に非水溶性タンパク質を溶解させ第1のタンパク質溶液を得た後、HFIPを多く含む溶剤で第1のタンパク質溶液を希釈し、第2のタンパク質溶液を調製する。本発明のタンパク質溶液の調製方法において、HFA水和物のみに非水溶性タンパク質を溶解させ第1のタンパク質溶液を得た後で、HFIPのみで第1のタンパク質溶液を希釈して、第2のタンパク質溶液を調製してもよく、溶解および希釈に掛かる操作が簡単であり好ましい。本操作は、非水溶性タンパク質を溶剤に溶解させる場合、加温または攪拌を行うことなく、室温で非水溶性タンパク質が溶解したタンパク質溶液を得ることができる。
タンパク質の加水分解は温度が高くなるほどに進むことが知られており、本発明のタンパク質溶液の調製方法における非水溶性タンパク質の溶解の際の溶解温度は低い方がよい。また、HFIPの沸点が58.2℃、水の凝固点が0℃であること、また、扱いが簡便なことにより、非水溶性タンパク質の溶解の際の溶解温度は、0℃以上、45℃以下である。好ましくは、室温、例えば、10℃以上、30℃以下である。本発明のタンパク質溶液の調製方法を用いれば、最終的に、室温下でタンパク質をHFA水和物およびHFIPを含む溶剤に溶解させたタンパク質溶液を得ることができる。
さらに、本発明のタンパク質溶液の調製方法は、HFA水和物を25質量%以上、100質量%以下含む溶剤にタンパク質を溶解させ、タンパク質濃度が0.01質量%以上、50質量%以下である第1のタンパク質溶液を得る第1の工程と、第1のタンパク質溶液に、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを80質量%以上、100質量%以下含む溶剤を加え、タンパク質濃度が0.001質量%以上、20質量%以下の第2のタンパク質溶液を得る第2の工程を含む、上記のタンパク質溶液の調製方法である。
[第1の工程]
第1の工程において、HFA水和物を25質量%以上、100質量%以下含む溶剤を用いることで、非水溶性タンパク質を速やかに溶解させることができる。
第1の工程において、タンパク質濃度が0.01質量%以上、50質量%以下の範囲内であれば、非水溶性タンパク質はHFA水和物を含む上記溶剤に短時間で溶解し、第1のタンパク質溶液が得られる。
第1の工程で使用する溶剤は、タンパク質を溶解させるためにHFA水和物単独もしくは、HFA水和物を25質量%以上、その他の溶剤75質量%以下含んでいる溶剤であればよい。その他の溶剤としては、HFIP、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルアセトアミド、トルエンまたは水の中から適宜選択することができる。
[第2の工程]
第2の工程において、HFIPを含む溶剤を加え希釈することで、タンパク質濃度0.001質量%以上、20質量%以下の第2のタンパク質溶液が容易に得られる。第2のタンパク質溶液の濃度は、好ましくは0.002質量%以上、20質量%以下である。
第2の工程で使用する溶剤はHFIPであり、その他の溶剤20質量%以下含んでいる溶剤であってもよい。その他の溶剤としては、タンパク質を析出させないよう第1のタンパク質溶液を希釈できればよい。アセトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルアセトアミド、トルエンまたは水等の中から適宜選択することができる。
3.タンパク質の分子量測定方法
本発明のタンパク質の分子量測定方法は、HFA水和物または1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを含む非水溶性タンパク質溶液を、溶離液を用いカラム中に流し、ゲル浸透クロマトグラフィによりタンパク質の分子量を測定する方法である。
本発明のタンパク質の分子量測定方法において、分子量測定用試料として用いる非水溶性タンパク質溶液には、予め調製した、HFA水和物とHFIPの混合液に非水溶性タンパク質を溶解させた溶液を用いることができる。しかしながら、本発明のタンパク質溶液の調製方法により調製したタンパク質溶液を用いると、調製が短時間で済み且つ調製操作が簡便であり、好ましい。
従来の、塩水溶液にフィブロインを溶解させたフィブロイン溶液を試料に用いるフィブロインの分子量の測定方法は、中性塩水溶液へのフィブロインの溶解に時間を要し、正確な分子量を得るには透析により中性塩の除去が必要である。比較して、本発明のタンパク質溶液の調製方法はフィブロイン溶液の調製が短時間で済み、透析を要しない。
本発明のタンパク質の分子量測定方法において、分子量を測定する非水溶性タンパク質としては、フィブロインおよびエラスチン等が挙げられる。フィブロインとしては昆虫の繭糸および蜘蛛の糸が挙げられ、繭糸に含まれるシルクフィブロインまたは蜘蛛糸に含まれるスパイダーシルクを例示することができる。
溶離液としては、具体的には、HFIPを例示することができ、緩衝剤としてトリフルオロ酢酸ナトリウムを加えてもよい。
GPCによる分子量測定において、溶剤として酸性のHFA水和物のみを含むタンパク質溶液を測定試料として用いたとしても、強酸性である蟻酸またはトリフルオロ酢酸に比べ、測定までの時間の間にタンパク質の分子量の低下は軽度である。また、酸性のHFA水和物の含有割合が少ない方が、GPCのカラムを痛めることなく測定が安定し、安定した分子量の測定ができる。
本発明のタンパク質の分子量測定方法において、タンパク質溶液の溶剤がHFA水和物とHFIPをともに含む溶剤である場合、HFA水和物とHFIPの比は、質量比で表わして、HFA水和物:HFIP=1:2~1:500の範囲である。好ましくは、HFA水和物:HFIP=1:4~1:500の範囲であり、より好ましくは、HFA水和物:HFIP=1:10~1:500の範囲であり、特に好ましくは、HFA水和物:HFIP=1:40~1:500の範囲である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1.タンパク質の各種溶剤に対する溶解性評価
非水溶性タンパク質としてシルクフィブロインを用い、室温(25℃)におけるシルクフィブロインの各種溶剤中の溶解性を観察した。
[シルクフィブロイン]
シルクフィブロインには、株式会社リリィフォース製の、フィブロイン100%の平均粒径10μmの粉末(商品名、シルクパウダー)を使用した。
[溶剤]
HFA3水和物、HFIP、2,2,2-トリフルオロエタノール、トリフルオロ酢酸、蟻酸、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルアセトアミド、トルエン、ジクロロメタン、またはイオン交換水を用いた。
[溶解性試験]
溶解した際にシルクフィブロインの濃度が0.0025質量%となるように、0.001gのシルクフィブロインと400gの各溶剤を各々、三角フラスコに入れ、室温(25℃)下、攪拌を行わず、1時間静置した後の溶解性を目視で確認した。
結果を表1に示す。目視観察にて溶解し透明になり白濁および固形物が見られないものを「溶解」、白濁または固形物が残ったものを「未溶解」、白濁および固形物が見られないものの黄色く着色したものを「黄変」とした。HFA3水和物は、シルクフィブロインの溶解性に優れるとともに、溶解後の液が黄変することもなかった。
Figure 0007323766000001
2.シルクフィブロインのHFA3水和物とHFIPとの混合溶剤に対する溶解性の評価
シルクフィブロインを用い、HFA3水和物とHFIPとの混合溶剤に対する室温(25℃)下の溶解性を評価した。また、HFA3水和物のみ、およびHFIPのみの溶解性を評価した。
[混合溶剤]
質量比で、HFA3水和物:HFIP=1:0、1:4、1:40、1:400である溶剤を用いた。
[溶解性試験]
シルクフィブロインを、質量比でHFA3水和物:HFIP=1:4、1:40、1:400とした混合溶剤、HFA3水和物のみ、およびHFIPのみに室温(25℃)下で、静置したフラスコ内で攪拌を行わず溶解させ、濃度が0.0025質量%になるように調製し、シルクフィブロイン溶液1~5を得た。
表2に、シルクフィブロイン溶液1~5を得る際に、目視観察にて溶解し透明になり、白濁および固形物が見られなくなるまでに溶解するのに要した時間を示す。HFA3水和物の質量比(組成比)が多い程に、シルクフィブロインの溶解時間が短くなった。
Figure 0007323766000002
なお、表3に示す様に、HFIPのみを用いた上記のシルクフィブロイン溶液5を得る際に、室温(25℃)下、フラスコ内でマグネチックスターラーによる攪拌を行ったところ、シルクフィブロインがHFIPのみに溶解するには、2カ月を要した。また、40℃に加温した状態で攪拌したところ、シルクフィブロインがHFIPのみに溶解するには、21日を要した。
Figure 0007323766000003
3.シルクフィブロインのHFA3水和物溶液のHFIPでの希釈性の評価
100mlフラスコ中に、シルクフィブロインの濃度が1質量%となるように、シルクフィブロイン(0.1g)とHFA3水和物(10g)を加え、室温(25℃)で静置して溶解させた。シルクフィブロインはHFA3水和物に1時間以内で溶解した。
図1が、後述する実施例1~4におけるシルクフィブロインの重量平均分子量のGPC測定において得られたクロマトグラムであり、図2が、図1に示すクロマトグラム曲線の10~20分の拡大図である。
次いで、三角フラスコ内で、調製したシルクフィブロインの濃度1質量%の溶液1mLをHFIPに室温(25℃)下で希釈し、質量比で、HFA3水和物:HFIPが1:4、1:40、1:400となるように、シルクフィブロイン溶液6~8を調製した。
表4に結果を示す。目視で確認し溶け残りがなく透明となり、二相分離および析出物がなかったものを「溶解」とした。また、希釈した後、溶解するまでに要した時間を測定した。シルクフィブロイン溶液6~8全て、10秒以内に溶解した。
Figure 0007323766000004
4.GPCによるシルクフィブロインの重量平均分子量(Mw)の測定
シルクフィブロインの分子量を測定した。GPC装置には東ソー株式会社製、製品名、HLC-8320GPCを用い、カラムには東ソー株式会社製、製品名、TSK gel Super HM-H x2を用いた。カラム中には溶離液として、5×10-3モル濃度のトリフルオロ酢酸ナトリウムを含むHFIPを流した。ポリメチルメタクリレートを基準物質として検量線を作成した。シルクフィブロインの重量平均分子量は、GPC測定におけるクロマトグラム曲線において、溶出時間12分から16分の範囲に位置するシルクフィブロインの紫外吸収のピークの面積から算出した。
実施例1
300mlフラスコ中に、シルクフィブロインの濃度が0.0125質量%となるように、シルクフィブロインとHFA3水和物を加え、室温(25℃)で静置して溶解させ、第1のシルクフィブロイン溶液を得た。その後、質量比が第1のシルクフィブロイン溶液:HFIP=1:4で第1のシルクフィブロイン溶液を希釈し、シルクフィブロインの濃度が0.0025質量%である第2のシルクフィブロイン溶液を調製した。
調製した第2のシルクフィブロイン溶液25mlをGPC装置に注入し重量平均分子量を測定したところ、重量平均分子量は2.9×10であった。
実施例2
300mlフラスコ中に、シルクフィブロインの濃度が0.1質量%となるように、シルクフィブロインとHFA3水和物を加え、室温(25℃)で静置して溶解させ、第1のシルクフィブロイン溶液を得た。その後、質量比が第1のシルクフィブロイン溶液:HFIP=1:40で第1のシルクフィブロイン溶液を希釈し、シルクフィブロインの濃度が0.0025質量%である第2のシルクフィブロイン溶液を調製した。
調製した第2のシルクフィブロイン溶液25mlをGPC装置に注入し重量平均分子量を測定したところ、重量平均分子量は3.0×10であった。
実施例3
300mlフラスコ中に、シルクフィブロインの濃度が1.0質量%となるように、シルクフィブロインとHFA3水和物を加え、室温(25℃)で静置して溶解させ、第1のシルクフィブロイン溶液を得た。その後、質量比が第1のシルクフィブロイン溶液:HFIP=1:400で第1のシルクフィブロイン溶液を希釈し、シルクフィブロインの濃度が0.0025質量%である第2のシルクフィブロイン溶液を調製した。
調製した第2のシルクフィブロイン溶液25mlをGPC装置に注入し重量平均分子量を測定したところ、重量平均分子量は3.0×10であった。
実施例4
静置したフラスコ内で攪拌を行わず、シルクフィブロインの濃度が0.0025質量%となるように、HFA3水和物にシルクフィブロインを室温(25℃)で溶解させ、シルクフィブロイン溶液を調製した。
調製したシルクフィブロイン溶液25mlをGPC装置に注入し重量平均分子量を測定したところ、重量平均分子量は2.8×10であった。
参考例1
静置したフラスコ内で攪拌を行わず、シルクフィブロインの濃度が0.0025質量%となるように、HFIPにシルクフィブロインを室温(25℃)で溶解させ、シルクフィブロイン溶液を調製した。シルクフィブロインのHFIPへの溶解には3ヶ月を要した。
調製したシルクフィブロイン溶液25mlをGPC装置に注入し重量平均分子量を測定したところ、重量平均分子量は3.0×10であった。
表5に、実施例1~4、参考例1において使用した溶剤のHFA3水和物とHFIPの比(HFA3水和物:HFIP)、およびGPC測定で得た重量平均分子量を示す。
Figure 0007323766000005
表5の実施例1~4、参考例1が示すように、GPCによる分子量の測定において、シルクフィブロインの重量平均分子量はほぼ一致した。表5に示すように、溶剤にHFA3水和物のみを用いた実施例4のシルクフィブロインの重量平均分子量の測定値が2.8×10、溶剤にHFA3水和物:HFIP=1:4に比率を用いた実施例1のシルクフィブロインの重量平均分子量の測定値が2.9×10であり、実施例2、3、5のシルクフィブロインの重量平均分子量の測定値、3.0×10よりわずかに低くなった。
図1は、実施例1~4にけるシルクフィブロインの重量平均分子量のGPC測定において得られた、クロマトグラムである。図2は、図1に示したクロマトグラム曲線の10~20分の範囲の拡大図である。
図1に示したGPCの、クロマトグラム曲線によれば、HFA3水和物:HFIP=1:4の比の混合溶剤を用いた実施例1、HFA3水和物を単独で用いた実施例4は、測定30分以降のベースラインへの回復が遅いが、40分から50分経過した後では、ベースラインまで戻った。このことから、カラムの劣化はなく、本発明のタンパク質の分子量測定方法により、シルクフィブロインの正確な分子量が測定されていると推測された。

Claims (6)

  1. ヘキサフルオロアセトン水和物からなる溶剤に、非水溶性タンパク質であるフィブロインを溶解させ、第1のタンパク質溶液を得る第1の工程と、
    第1のタンパク質溶液と、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールからなる溶剤とを混合し、第2のタンパク質溶液を得る第2の工程と、
    を含み、
    前記第1のタンパク質溶液のタンパク質濃度が0.01質量%以上、1.0質量%以下であり、
    前記第2のタンパク質溶液のタンパク質濃度が0.001質量%以上、0.0025質量%以下である、
    タンパク質溶液の調製方法。
  2. 前記第2の工程が、0℃以上、45℃以下で行われるものである、請求項1に記載のタンパク質溶液の調製方法。
  3. 前記第1の工程が、0℃以上、45℃以下で行われるものである、請求項1又は2に記載のタンパク質溶液の調製方法。
  4. 前記第1の工程は、透析を行わないものである、請求項1~3のいずれかに記載のタンパク質溶液の調製方法。
  5. 請求項1のタンパク質溶液の調製方法により、タンパク質溶液を調製する工程及び
    調製された前記タンパク質溶液を、溶離液を用いてカラム中に流す工程を備えた
    ゲル浸透クロマトグラフィによるタンパク質の分子量測定方法。
  6. 溶離液が1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールである、請求項5に記載のタンパク質の分子量測定方法。
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