以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図7は、本実施の形態に係る情報処理システム1、1a、1bおよび情報処理方法等を示す図である。本実施の形態に係る情報処理システム1、1a、1bおよび情報処理方法は、無線通信環境を提供する基地局が近くに存在しないような工事現場等の現場において、ルーター70を有する通信装置50、50a、50bを設置することにより、現場で作動する建設機器90や事務所端末92に対して無線通信環境を提供するとともに現場で作業する作業員が所持する個人端末94に対しても無線通信環境を提供することにより現場の作業員が個人端末94でインターネットに接続することができるようにするものである。
図1乃至図3は、本実施の形態による情報処理システム1、1a、1bの構成の第1の態様~第3の態様を概略的に示す概略構成図である。まず、本実施の形態による情報処理システム1の構成の第1の態様について図1を用いて説明する。
図1に示すように、第1の態様に係る情報処理システム1は、サーバ10と、現場に設置される通信装置50とを備えている。サーバ10は、インターネット回線等の通信ネットワークを通じて利用できるサーバである。サーバ10はインターネット回線等の通信ネットワークを介して通信装置50と通信可能に接続されている。通信装置50は現場において例えば自動販売機等に設置されるものである。後述するように通信装置50はルーター70を有しており、このルーター70により周囲の機器に無線通信環境を提供するようになっている。また、本実施の形態の情報処理システム1において、サーバ10とは別に工事管理システム80が設けられており、サーバ10および工事管理システム80はインターネット回線等の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
また、現場には建設機器90および事務所端末92がそれぞれ設けられている。建設機器90は、ルーター70を介して例えば工事管理システム80から無線信号を受信することにより作動するものである。また、無線通信環境下では建設機器90の動作状況や動作履歴等の情報が工事管理システム80や事務所端末92に送信される。また、事務所端末92は現場の事務所等の内部に存在し、現場作業の管理を行う管理者等が使用するようになっている。事務所端末92にもルーター70から無線通信環境が提供されることにより管理者は事務所端末92でインターネットに接続したりメールの送受信を行ったりすることができるようになる。無線通信環境下では建設機器90および事務所端末92はそれぞれ工事管理システム80に対してインターネット回線等の通信ネットワークにより接続されるようになる。
また、現場の作業員の個人端末94にもルーター70から無線通信環境が提供されることによりこの作業員は個人端末94でインターネットに接続することができるようになっている。無線通信環境下では個人端末94はサーバ10に対してインターネット回線等の通信ネットワークにより接続されるようになる。
このような情報処理システム1の各構成要素の詳細について以下に述べる。
サーバ10は、制御部12と、記憶部30と、通信部32とを有している。制御部12は、CPU(中央演算処理装置)等のプロセッサから構成され、サーバ10の動作を制御する。具体的には、制御部12は、記憶部30に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段14および送信手段16として機能する。受付手段14は、外部装置(例えば、工事管理システム80、通信装置50、個人端末94等)から様々な情報を受け付けるようになっている。本実施の形態では、受付手段14は、工事管理システム80から建設機器90や事務所端末92の識別情報、建設機器90の作動スケジュール、現場スケジュール等を受け付けるようになっている。作動スケジュールは、個々の建設機器90が作動する月日や期間に関する情報を含む。現場スケジュールは月日毎の現場で作業員が作業する期間や休憩期間等の情報を含む。また、現場スケジュールは、建設機器90や事務所端末92が作動する月日や期間に関する情報を含んでいてもよい。また、送信手段16は外部装置(例えば、通信装置50)に対して様々な情報を送信するようになっている。これらの各手段14、16の機能の詳細については後述する。
記憶部30には、制御部12により実行されるプログラム、工事管理システム80から送信された建設機器90の作動スケジュールや現場スケジュールの情報、建設機器90や事務所端末92の識別情報等が記憶されている。通信部32は、無線または有線により外部装置(例えば、例えば、工事管理システム80、通信装置50、個人端末94等)との信号の送受信を行うための通信インターフェースを含む。
工事管理システム80は、現場で行われる工事を管理するためのサーバを含む。工事管理システム80は、インターネット回線等の通信ネットワークを通じて利用できるサーバである。なお、工事管理システム80として、サーバではなく、工事の管理を行う管理会社の事務所に設置されるパーソナルコンピュータ等が用いられてもよい。工事管理システム80は、無線通信環境下にある建設機器90や事務所端末92と通信可能に接続されることにより、これらの建設機器90や事務所端末92に対して無線信号の送受信を行う。工事管理システム80の記憶部(図示せず)には、現場で使用される建設機器90および事務所端末92の識別情報が記憶されている。また、工事管理システム80の記憶部(図示せず)には、建設機器90の作動スケジュールの情報および現場スケジュールの情報が記憶されている。これらの建設機器90の作動スケジュールの情報および現場スケジュールの情報は現場で管理者が事務所端末92を操作することにより設定や変更が可能となっている。また、工事管理システム80からサーバ10に建設機器90の作動スケジュールの情報および現場スケジュールの情報が送信されるようになっている。
通信装置50は、制御部52と、ルーター70と、用紙発行部72と、モニタ74と、操作部76と、記憶部78とを有している。ルーター70は、建設機器90、事務所端末92および個人端末94等の機器と電波の送受信(図1等において破線で表示)を行うことによりこれらの機器に無線通信環境を提供するものである。用紙発行部72は例えばプリンタ等であり、通信接続権限に関するコードをレシート(領収書)等の用紙に印刷する。なお、用紙発行部72により通信接続権限に関するコードが印刷されるのはレシートに限定されず、レシート以外の用紙に通信接続権限に関するコードが印刷されてもよい。モニタ74は制御部52から表示指令信号を受け取ることにより様々な画面を表示するようになっている。また、操作部76は例えばボタン等であり、現場の作業員は操作部76を操作することにより通信接続権限の購入を行うことができるようになっている。なお、モニタ74および操作部76が別々に設けられる代わりに、これらのモニタ74および操作部76が一体化したタッチパネル等の表示操作部が用いられてもよい。記憶部78には、制御部52により実行されるプログラム、サーバ10から送信された建設機器90の作動スケジュールの情報、現場スケジュールの情報および建設機器90や事務所端末92の識別情報等が記憶されている。
制御部52は、CPU(中央演算処理装置)等のプロセッサから構成され、通信装置50の動作を制御する。具体的には、制御部52は、記憶部78に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段54、送信手段56、ルーター制御手段58、表示制御手段60および用紙発行手段62として機能する。受付手段54は、外部装置(例えば、サーバ10等)から様々な情報を受け付けるようになっている。本実施の形態では、受付手段54は、サーバ10から建設機器90や事務所端末92の識別情報を受け付けるようになっている。また、送信手段56は外部装置(例えば、サーバ10)に対して様々な情報を送信するようになっている。ルーター制御手段58は、建設機器90、事務所端末92および個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこれらの機器に提供するようルーター70を制御する。表示制御手段60は、通信接続権限の販売画面をモニタ74に表示させるようモニタ74に表示指示信号を送信する。用紙発行手段62は、通信接続権限の購入に関する情報を受け付けると、通信接続権限に関する二次元コードやバーコード等のコードが印刷された用紙を用紙発行部72に発行させる。これらの各手段54、56、58、60、62の機能の詳細については後述する。
次に、第1の態様に係る情報処理システム1による情報処理方法について図4および図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下に示す動作は、サーバ10において記憶部30に記憶されているプログラムを制御部12が実行するとともに通信装置50において記憶部78に記憶されているプログラムを制御部52が実行することにより行われる。
本実施の形態では、現場において建設機器90や事務所端末92に対してルーターが電波の送受信を行うことにより無線通信環境を建設機器90や事務所端末92に提供している。具体的には、工事管理システム80からサーバ10に建設機器90や事務所端末92の識別情報が送信され、受付手段14により受け付けられた建設機器90や事務所端末92の識別情報が記憶部30に記憶されている。また、記憶部30に記憶されている建設機器90や事務所端末92の識別情報がサーバ10から通信装置50に送信され、記憶部78に記憶される。そして、ルーター制御手段58は、記憶部78に記憶されている建設機器90や事務所端末92の識別情報に基づいて、これらの建設機器90や事務所端末92に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境を建設機器90や事務所端末92に提供する。このことにより、工事管理システム80は、無線通信環境下にある建設機器90や事務所端末92と通信可能に接続されるようになるため、工事管理システム80と建設機器90や事務所端末92との間で無線信号の送受信を行うことができるようになる。
次に、現場の作業員が通信接続権限を購入する動作について図4に示すフローチャートを用いて説明する。現場において自動販売機等に設置されている通信装置50のモニタ74には通信接続権限の販売画面100が表示されている(図4のStep1)。通信接続権限の販売画面を図6および図7に示す。
より詳細には、表示制御手段60は、通信接続権限の販売画面100をモニタ74に表示させるようモニタ74に表示指示信号を送信する。ここで、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の販売画面100をモニタ74に表示させる信号である。具体的には、通信可能期間として、例えば30分および60分が設定されており、これらの通信可能期間は販売画面100において例えば左上に参照符号102で示す箇所に表示される。より詳細には、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方(本実施の形態では金額および販売数量の両方)に関する販売画面100をモニタ74に表示させる信号である。
具体的には、図6および図7に示すように、販売画面100において、10/19、10/20、10/21、10/22の各々の月日で30分または60分毎の期間が設定されており、各期間において通信接続権限の購入ボタン108が表示されている。また、各購入ボタン108には、通信接続権限の金額および販売数量が表示されている。例えば、図6における10/19の8:00~8:30に対応する左上の購入ボタン108の「¥100:10」という表記は、通信接続権限の金額が100円でありおよび販売数量が10個であることを示している。このような購入ボタン108の表示画面において、通信接続権限が販売される度に販売数量が1つずつ減少する。
また、本実施の形態では、操作部76において所定のボタンが押されることによりモニタ74において図6に示すような通信可能期間が30分である通信接続権限の販売画面100と、図7に示すような通信可能期間が60分である通信接続権限の販売画面100とは切り替え可能となっている。このことにより、作業員は自分が購入したい通信可能期間についての通信接続権限の販売画面100をモニタ74に表示させることができるようになる。また、表示制御手段60は、通信可能期間の長さに基づいて、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方(本実施の形態では金額および販売数量の両方)を設定する。この際に、同じ期間において、通信可能期間が30分である通信接続権限2つ分よりも、通信可能期間が60分である通信接続権限1つ分のほうが金額が低くなるようにしてもよい。この場合には、作業員に対してより長期間の通信接続権限を購入させるインセンティブを与えることにより、通信可能期間がより長い通信接続権限の販売を促進することができる。
また、図6および図7に示すように、月日や時間帯の期間によって通信接続権限の金額や販売数量が異なるようになっていてもよい。例えば、通信可能期間が30分である場合において、通常時は通信接続権限の金額は100円で販売数量は10つである。しかし、サーバ10の記憶部30に記憶されている建設機器90の作動スケジュールの情報がサーバ10から通信装置50に送信されることにより通信装置50の制御部52における受付手段54が受け付けた現場スケジュールに関する情報に基づいて、所定の期間において特定の建設機器90が使用されることが予め分かっている場合は、例えば参照符号110で表示される購入ボタン108のように、この期間の通信接続権限の金額が安くなる。これは、特定の建設機器90とルーター70との間で電波の送受信が行われることによりデータ通信量が発生するため、ルーター70と個人端末94との間の電波の送受信におけるデータ通信量が少なくなり、通信速度が遅くなったり通信不良が発生したりするおそれがあるからである。この場合には、この期間について通信接続権限の販売時に通信速度が遅くなったり通信不良が発生したりするおそれがある旨を通知するとともに、通信接続権限の販売金額の値下げを行う。
また、図6に示す販売画面100において予め設定されている販売数量分の通信接続権限が全て販売されてしまった場合には、図6において参照符号112で示すように、購入ボタンには通信接続権限の金額や販売数量が表示されなくなる。
また、一日の中で所定の時間帯の間はそれ以外の時間帯と比べて通信接続権限の金額や販売数量が異なるようになっていてもよい。例えば、図6において参照符号114で示すように、現場における休憩時間の間はそれ以外の時間帯よりも通信接続権限の金額が高くなっている。具体的には、サーバ10の記憶部30に記憶されている現場スケジュールの情報がサーバ10から通信装置50に送信されることにより通信装置50の制御部52における受付手段54が受け付けた現場スケジュールに関する情報に基づいて、表示制御手段60は、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方を設定する。
個人端末94を所持する現場の作業員がモニタ74を見ながら通信接続権限を購入すると(図4のStep2の「YES」)、用紙発行手段62は、通信接続権限に関する二次元コードやバーコード等のコードが印刷された用紙を用紙発行部72に発行させる。このことにより、現場の作業員は、通信接続権限に関するコードが印刷された用紙を取得することができるようになる。
なお、本実施の形態では、通信装置50のモニタ74に通信接続権限の販売画面100が表示される代わりに、作業員が所持する個人端末94のモニタに上述した通信接続権限の販売画面100が表示されるようになっていてもよい。具体的には、通信装置50は、ルーター70とは別に、インターネット回線等に接続されないローカルのルーターを有している。このローカルのルーターは、作業員が個人端末94により通信接続権限の購入を行う際に使用される。このようなローカルのルーターが設けられていることにより、個人端末94がインターネット回線等に接続されていなくてもローカルのルーターを介して個人端末94のモニタに通信接続権限の販売画面100を表示させたり当該個人端末94で通信接続権限を購入するという情報が個人端末94から通信装置50に送信されたりするようになる。そして、作業員が個人端末94のモニタに表示される通信接続権限の販売画面100で操作部76により通信接続権限を購入すると、用紙発行手段62は、通信接続権限に関する二次元コードやバーコード等のコードが印刷された用紙を用紙発行部72に発行させる。このことにより、現場の作業員は、通信接続権限に関するコードが印刷された用紙を取得することができるようになる。
また、例えば自動販売機に液晶パネルのモニタが設けられており、この液晶パネルのモニタに通信接続権限の販売画面100が表示されるようになっていてもよい。この場合、自動販売機のボタンを押すことによって作業員は販売画面100に表示される通信接続権限を購入することができるようになっていてもよい。
次に、通信接続権限を購入した現場の作業員が自分の個人端末94でインターネット等を利用する場合の動作について図5に示すフローチャートを用いて説明する。通信接続権限を購入した現場の作業員は、用紙発行部72に発行された用紙に印刷されているコードを自分の個人端末94のカメラにより読み取らせる。このことにより、作業員の個人端末94において当該作業員により購入された通信接続権限に関する情報が読み取られる。
なお、本実施の形態は上記の方法に限定されることはない。個人端末94を所持する現場の作業員がモニタ74を見ながら通信接続権限を購入すると、通信接続権限に関する二次元コードやバーコード等のコードが印刷された用紙が用紙発行部72により発行される代わりに、通信接続権限を購入するという情報を受付手段54が受け付けると表示制御手段60が通信接続権限に関するコードをモニタ74に表示させてもよい。そして、モニタ74に表示されるコードを作業員が個人端末94のカメラにより読み取らせると、作業員の個人端末94において当該作業員により購入された通信接続権限に関する情報が読み取られる。
その後、作業員が個人端末94によりインターネット等を利用しようとして当該個人端末94の設定画面でWifi接続を選択すると、個人端末94から通信装置50のルーター70に通信申請に関する情報が送信される。この際に、個人端末94のカメラにより読み取られた通信接続権限に関するコードの情報も個人端末94から通信装置50のルーター70に送信される。通信装置50の制御部52において受付手段54が通信申請を受け付けると(図5のSTEP11)、ルーター制御手段58は、個人端末94に対して電波の送受信を許可することにより無線通信環境を提供するようルーター70を制御する(図5のSTEP12)。より詳細には、ルーター制御手段58は、個人端末94に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境を個人端末94に提供するにあたり、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する個人端末94に対して販売された通信可能期間において電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。このことにより、通信接続権限を購入した作業員はルーター70から提供される無線通信環境によって個人端末94によりインターネット等を利用することができるようになる。
また、モニタ74に表示される販売画面100において、現時点からの所定期間(例えば、30分)を通信可能期間とする通信接続権限のボタンが表示されるようになっていてもよい。この場合、作業員が現時点からの所定期間を通信可能期間とする通信接続権限を購入した場合には、通信接続権限を購入した作業員は現時点からこの通信可能期間だけルーター70から提供される無線通信環境によって個人端末94によりインターネット等を利用することができるようになる。
また、本実施の形態では、ルーター制御手段58は、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先させるようルーター70を制御する。ルーター70と個人端末94との間での電波の送受信におけるデータ通信量が多くなることにより建設機器90や事務所端末92とルーター70との間での電波の送受信におけるデータ通信量が少なくなってしまい、建設機器90や事務所端末92と工事管理システム80との間で通信速度が遅くなったり通信不良が発生したりしてしまうおそれがあるからである。
ルーター制御手段58が、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する動作の詳細について以下に説明する。ルーター制御手段58が、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らさず個人端末94に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らすようルーター70を制御する。この場合には、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信におけるデータ通信量が減少しないので、建設機器90や事務所端末92と工事管理システム80との間で通信速度が遅くなったり通信不良が発生したりしてしまうことを防止することができるようになる。
また、他の態様として、ルーター制御手段58が、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合が、個人端末94に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合よりも小さくなるよう、ルーター70を制御してもよい。この場合は、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信におけるデータ通信量が減少するが、個人端末94に対する電波の送受信におけるデータ通信量の減少量または減少割合をより大きくすることにより、建設機器90や事務所端末92と工事管理システム80との間で通信不良が発生してしまう可能性を減少させることができる。
また、更に他の態様として、ルーター制御手段58が、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、個人端末94に対して電波の送受信を行わないようルーター70を制御してもよい。この場合には、個人端末94に対して無線通信環境を提供しなくなることにより、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信におけるデータ通信量を最大とすることができ、よって建設機器90や事務所端末92と工事管理システム80との間で通信速度が遅くなったり通信不良が発生したりしてしまう可能性を減少させることができる。
また、本実施の形態では、建設機器90が使用される期間に関する情報が工事管理システム80からサーバ10に送信され、受付手段14が受け付けた建設機器90が使用される期間に関する情報が記憶部30に記憶されてもよい。また、記憶部30に記憶されている建設機器90が使用される期間に関する情報がサーバ10から通信装置50に送信されることにより、制御部52の受付手段54は、建設機器90が使用される期間に関する情報をサーバ10から受け付けてもよい。この場合、ルーター制御手段58は、受付手段54が受け付けた期間内において建設機器90に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する。このときは、建設機器90が使用される期間内においてのみ建設機器90に対する電波の送受信が個人端末94に対する電波の送受信よりも優先されるため、それ以外の期間では作業員が個人端末94によりインターネット等を利用する際に通信速度が遅くなったり通信不良等のトラブルが発生したりしてしまうことを抑制することができる。
また、現場スケジュールに関する情報が工事管理システム80からサーバ10に送信され、受付手段14が受け付けた現場スケジュールに関する情報が記憶部30に記憶されてもよい。また、記憶部30に記憶されている現場スケジュールに関する情報がサーバ10から通信装置50に送信されることにより、制御部52の受付手段54は、現場スケジュールに関する情報をサーバ10から受け付けてもよい。この場合、ルーター制御手段58は、受付手段54が受け付けた現場スケジュールに基づいて、建設機器90や事務所端末92が使用される期間を演算する。そして、ルーター制御手段58は、演算された建設機器90や事務所端末92が使用される期間内において建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する。この場合も、建設機器90や事務所端末92が使用される期間内においてのみ建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信が個人端末94に対する電波の送受信よりも優先されるため、それ以外の期間では作業員が個人端末94によりインターネット等を利用する際に通信不良等のトラブルが発生してしまうことを抑制することができる。
また、ルーター制御手段58は、ルーター70と建設機器90や事務所端末92との間での電波の送受信におけるデータ通信量に基づいて、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するか否かを決めるようになっていてもよい。この場合は、ルーター70と建設機器90や事務所端末92との間での電波の送受信におけるデータ通信量が十分である場合は、ルーター制御手段58は、ルーター70と個人端末94との間での電波の送受信におけるデータ通信量を減らさない。このことにより、作業員が個人端末94によりインターネット等を利用する際に通信速度が遅くなったり通信不良等のトラブルが発生したりしてしまうことを抑制することができる。
以上のような構成からなる本実施の形態の第1の態様に係るプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法によれば、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部52)を受付手段54と、ルーター制御手段58として機能させ、受付手段54は、優先権が割り当てられている建設機器90や事務所端末92(これらを第1機器ともいう)の識別情報を受け付ける。また、ルーター制御手段58は、第1機器としての建設機器90や事務所端末92および優先権が割り当てられていない個人端末94(第2機器ともいう)の各々に対してルーターが電波の送受信を行うことにより無線通信環境を建設機器90、事務所端末92および個人端末94の各々に提供するにあたり、受付手段54が識別情報を受け付けている建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する。この場合には、優先権が割り当てられている機器(具体的には、建設機器90や事務所端末92)に対してより確実に無線通信環境を提供することができる。
より詳細には、従来では、Wifi機器を設置するにあたり、優先権が割り当てられている機器に対して優先権が割り当てられていない機器よりも無線通信環境を優先的に提供することができると便利であるがこのようなシステムは存在しなかった。これに対し、本実施の形態では、優先権が割り当てられている建設機器90や事務所端末92等の第1機器に対してより確実に無線通信環境を提供することができる。
なお、優先権が割り当てられている第1機器は建設機器90および事務所端末92に限定されることはない。無線通信環境を優先的に提供すべき第1機器として他の様々な種類の機器が用いられてもよい。また、優先権が割り当てられていない第2機器は個人端末94に限定されることはない。無線通信環境を優先的に提供しなくてもよい第2機器として他の様々な種類の機器が用いられてもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法においては、ルーター制御手段58が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第1機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らさず第2機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らすようルーター70を制御してもよい。あるいは、ルーター制御手段58が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第1機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合が第2機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合よりも小さくなるようルーター70を制御してもよい。あるいは、ルーター制御手段58が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第2機器に対して電波の送受信を行わないようルーター70を制御してもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法においては、受付手段54は、第1機器が使用される期間に関する情報も受け付け、ルーター制御手段58は、受付手段54が受け付けた期間内において第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御してもよい。あるいは、受付手段54は、第1機器の作動スケジュールに関する情報を受け付け、ルーター制御手段58は、受付手段54が受け付けた作動スケジュールに基づいて演算される第1機器が使用される期間内において第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御してもよい。また、ルーター制御手段58は、ルーター70と第1機器との間での電波の送受信におけるデータ通信量に基づいて、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するか否かを決めるようになっていてもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法においては、第1機器の識別情報は、ルーター70を介して無線信号を受信することにより作動する建設機器90の識別情報を含んでいてもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法においては、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部52)を更に表示制御手段60として機能させ、表示制御手段60は、通信接続権限の販売画面をモニタ74に表示させるようモニタ74に表示指示信号を送信し、ルーター制御手段58は、第2機器として、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する機器(具体的には、個人端末94)に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供してもよい。
また、以上のような構成からなる本実施の形態の第1の態様に係るプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法によれば、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部52)を表示制御手段60と、ルーター制御手段58として機能させ、表示制御手段60は、通信接続権限の販売画面をモニタ74に表示させるようモニタ74に表示指示信号を送信する。また、ルーター制御手段58は、個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供するにあたり、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。この場合には、販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可することにより、Wifi機器により無線通信環境が提供される携帯端末(具体的には、個人端末94)等の数を規制することができる。
より詳細には、従来では、多くの人が携帯端末等によって通信を行うことにより通信量が増大すると各携帯端末に十分な通信量の無線通信環境を提供することができなくなるおそれがあった。これに対し、本実施の形態では、販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可するようルーター70を制御することにより、Wifi機器により無線通信環境が提供される携帯端末等の数を規制することができる。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法においては、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の販売画面をモニタ74に表示させる信号であり、ルーター制御手段58は、個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供するにあたり、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する機器に対して販売された通信可能期間において電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。また、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方に関する販売画面をモニタ74に表示させる信号である。また、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部52)を受付手段54として更に機能させ、受付手段54は、現場スケジュールに関する情報を受け付け、表示制御手段60は、受付手段54が受け付けた現場スケジュールに関する情報に基づいて、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方を設定する。また、通信接続権限の複数の通信可能期間が設定されており、表示制御手段60は、通信可能期間の長さに基づいて、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方を設定する。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50、情報処理システム1および情報処理方法においては、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部52)を用紙発行手段62として更に機能させ、用紙発行手段62は、通信接続権限の購入に関する情報を受け付けると、通信接続権限に関するコードが印字された用紙を用紙発行部72に発行させる。あるいは、表示制御手段60は、通信接続権限の購入に関する情報を受け付けると、通信接続権限に関するコードをモニタ74に表示させてもよい。
次に、本実施の形態による情報処理システム1aの構成の第2の態様について図2を用いて説明する。
図2に示すように、第2の態様に係る情報処理システム1aは、サーバ10aと、現場に設置される通信装置50aとを備えている。サーバ10aは、インターネット回線等の通信ネットワークを通じて利用できるサーバである。サーバ10aはインターネット回線等の通信ネットワークを介して通信装置50aと通信可能に接続されている。通信装置50aは現場において例えば自動販売機等に設置されるものである。通信装置50aはルーター70を有しており、このルーター70により周囲の機器に無線通信環境を提供するようになっている。また、本実施の形態の情報処理システム1aにおいて、サーバ10aとは別に工事管理システム80が設けられており、サーバ10aおよび工事管理システム80はインターネット回線等の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
このような第2の態様に係る情報処理システム1aの各構成要素の詳細について以下に述べる。なお、以下の説明では、第1の態様に係る情報処理システム1と同じ構成要素については同じ参照符号を付けてその説明を省略する。
サーバ10aは、制御部12aと、記憶部30と、通信部32とを有している。制御部12aは、CPU(中央演算処理装置)等のプロセッサから構成され、サーバ10aの動作を制御する。具体的には、制御部12aは、記憶部30に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段14、送信手段16、ルーター制御手段18、表示制御手段20および用紙発行手段22として機能する。受付手段14は、外部装置(例えば、工事管理システム80、通信装置50a、個人端末94等)から様々な情報を受け付けるようになっている。本実施の形態では、受付手段14は、工事管理システム80から建設機器90や事務所端末92の識別情報、建設機器90の作動スケジュールの情報、現場スケジュールの情報等を受け付けるようになっている。また、送信手段16は外部装置(例えば、通信装置50a)に対して様々な情報を送信するようになっている。ルーター制御手段18は、通信装置50aのルーター70を制御することによって、建設機器90、事務所端末92および個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことができるようにし、このことにより無線通信環境をこれらの機器に提供する。表示制御手段20は、通信接続権限の販売画面を通信装置50aのモニタ74に表示させるよう通信装置50aのモニタ74に表示指示信号を送信する。用紙発行手段22は、通信接続権限の購入に関する情報を受け付けると、通信接続権限に関する二次元コードやバーコード等のコードが印刷された用紙を通信装置50aの用紙発行部72に発行させる。
記憶部30には、制御部12aにより実行されるプログラム、工事管理システム80から送信された建設機器90の作動スケジュールや現場スケジュールの情報、建設機器90や事務所端末92の識別情報等が記憶されている。通信部32は、無線または有線により外部装置(例えば、例えば、工事管理システム80、通信装置50a、個人端末94等)との信号の送受信を行うための通信インターフェースを含む。
通信装置50aは、制御部52aと、ルーター70と、用紙発行部72と、モニタ74と、操作部76とを有している。制御部52aは、CPU(中央演算処理装置)等のプロセッサから構成され、通信装置50aの動作を制御する。具体的には、制御部52aは、記憶部78に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段54および送信手段56として機能する。受付手段54は、外部装置(例えば、サーバ10a等)から様々な情報を受け付けるようになっている。本実施の形態では、受付手段54は、サーバ10aから建設機器90や事務所端末92の識別情報を受け付けるようになっている。また、送信手段56は外部装置(例えば、サーバ10a)に対して様々な情報を送信するようになっている。これらの各手段54、56の機能の詳細については後述する。
次に、第2の態様に係る情報処理システム1aによる情報処理方法について図4および図5に示すチャート図やフローチャートを用いて説明する。なお、以下に示す動作は、サーバ10aにおいて記憶部30に記憶されているプログラムを制御部12aが実行するとともに通信装置50aにおいて記憶部78に記憶されているプログラムを制御部52aが実行することにより行われる。なお、以下の説明では、第1の態様に係る情報処理システム1と同じ動作についてはその説明を省略する。
現場の作業員が通信接続権限を購入する動作について図4に示すフローチャートを用いて説明する。現場において自動販売機等に設置されている通信装置50のモニタ74には通信接続権限の販売画面100が表示されている(図4のStep1)。通信接続権限の販売画面を図6および図7に示す。具体的には、制御部12aの表示制御手段20は、通信接続権限の販売画面100をモニタ74に表示させるよう通信装置50aのモニタ74に表示指示信号を送信する。
個人端末94を所持する現場の作業員がモニタ74を見ながら通信接続権限を購入すると(図4のStep2の「YES」)、送信手段56は通信接続権限が販売されたという情報をサーバ10に送信する。このことにより、用紙発行手段22は、通信接続権限に関する二次元コードやバーコード等のコードが印刷された用紙を用紙発行部72に発行させる。このようにして、現場の作業員は、通信接続権限に関するコードが印刷された用紙を取得することができるようになる。
次に、通信接続権限を購入した現場の作業員が自分の個人端末94でインターネット等を利用する場合の動作について図5に示すフローチャートを用いて説明する。通信接続権限を購入した現場の作業員は、用紙発行部72に発行された用紙に印刷されているコードを自分の個人端末94のカメラにより読み取らせる。このことにより、作業員の個人端末94において当該作業員により購入された通信接続権限に関する情報が読み取られる。
その後、作業員が個人端末94によりインターネット等を利用しようとして当該個人端末94の設定画面でWifi接続を選択すると、個人端末94から通信装置50aのルーター70に通信申請に関する情報が送信される。この際に、個人端末94のカメラにより読み取られた通信接続権限に関するコードの情報も個人端末94から通信装置50aのルーター70に送信される。通信装置50aの制御部52において受付手段54が通信申請を受け付けると(図5のSTEP11)、個人端末94のカメラにより読み取られた通信接続権限に関するコードの情報が送信手段56により通信装置50aからサーバ10aに送信される。そして、サーバ10aの制御部12aにおけるルーター制御手段18は、個人端末94に対して電波の送受信を許可することにより無線通信環境を提供するようルーター70を制御する(図5のSTEP12)。より詳細には、ルーター制御手段18は、個人端末94に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境を個人端末94に提供するにあたり、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する個人端末94に対して販売された通信可能期間において電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。このことにより、作業員はルーター70から提供される無線通信環境によって個人端末94によりインターネット等を利用することができるようになる。
また、本実施の形態では、ルーター制御手段18は、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先させるようルーター70を制御する。ルーター70と個人端末94との間での電波の送受信におけるデータ通信量が多くなることにより建設機器90や事務所端末92とルーター70との間での電波の送受信におけるデータ通信量が少なくなってしまい、建設機器90や事務所端末92と工事管理システム80との間で通信速度が遅くなったり通信不良が発生したりしてしまうおそれがあるからである。
以上のような構成からなる本実施の形態の第2の態様に係るプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法によれば、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12a)を受付手段14と、ルーター制御手段18として機能させ、受付手段14は、優先権が割り当てられている建設機器90や事務所端末92(第1機器)の識別情報を受け付ける。また、ルーター制御手段18は、第1機器としての建設機器90や事務所端末92および優先権が割り当てられていない個人端末94(第2機器)の各々に対してルーターが電波の送受信を行うことにより無線通信環境を建設機器90、事務所端末92および個人端末94の各々に提供するにあたり、受付手段14が識別情報を受け付けている建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する。この場合には、優先権が割り当てられている機器(具体的には、建設機器90や事務所端末92)に対してより確実に無線通信環境を提供することができる。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法においては、ルーター制御手段18が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第1機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らさず第2機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らすようルーター70を制御してもよい。あるいは、ルーター制御手段18が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第1機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合が第2機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合よりも小さくなるようルーター70を制御してもよい。あるいは、ルーター制御手段18が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第2機器に対して電波の送受信を行わないようルーター70を制御してもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法においては、受付手段14は、第1機器が使用される期間に関する情報も受け付け、ルーター制御手段18は、受付手段14が受け付けた期間内において第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御してもよい。また、受付手段14は、第1機器の作動スケジュールに関する情報を受け付け、ルーター制御手段18は、受付手段14が受け付けた作動スケジュールに基づいて演算される第1機器が使用される期間内において第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御してもよい。また、ルーター制御手段18は、ルーター70と第1機器との間での電波の送受信におけるデータ通信量に基づいて、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するか否かを決めるようになっていてもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法においては、第1機器の識別情報は、ルーター70を介して無線信号を受信することにより作動する建設機器90の識別情報を含んでいてもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法においては、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12a)を更に表示制御手段20として機能させ、表示制御手段20は、通信接続権限の販売画面をモニタ74に表示させるようモニタ74に表示指示信号を送信し、ルーター制御手段18は、第2機器として、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する機器(具体的には、個人端末94)に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供してもよい。
また、以上のような構成からなる本実施の形態の第2の態様に係るプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法によれば、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12a)を表示制御手段20と、ルーター制御手段18として機能させ、表示制御手段20は、通信接続権限の販売画面をモニタ74に表示させるようモニタ74に表示指示信号を送信する。また、ルーター制御手段18は、個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供するにあたり、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。この場合には、販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可することにより、Wifi機器により無線通信環境が提供される携帯端末(具体的には、個人端末94)等の数を規制することができる。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法においては、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の販売画面をモニタ74に表示させる信号であり、ルーター制御手段18は、個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供するにあたり、モニタ74に表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する機器に対して販売された通信可能期間において電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。また、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方に関する販売画面をモニタ74に表示させる信号である。また、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12a)を受付手段14として更に機能させ、受付手段14は、現場スケジュールに関する情報を受け付け、表示制御手段20は、受付手段14が受け付けた現場スケジュールに関する情報に基づいて、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方を設定する。また、通信接続権限の複数の通信可能期間が設定されており、表示制御手段20は、通信可能期間の長さに基づいて、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方を設定する。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50a、情報処理システム1aおよび情報処理方法においては、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12a)を用紙発行手段22として更に機能させ、用紙発行手段22は、通信接続権限の購入に関する情報を受け付けると、通信接続権限に関するコードが印字された用紙を用紙発行部72に発行させる。あるいは、表示制御手段20は、通信接続権限の購入に関する情報を受け付けると、通信接続権限に関するコードをモニタ74に表示させてもよい。
次に、本実施の形態による情報処理システム1bの構成の第3の態様について図3を用いて説明する。
図3に示すように、第3の態様に係る情報処理システム1bは、サーバ10bと、現場に設置される通信装置50bとを備えている。サーバ10bは、インターネット回線等の通信ネットワークを通じて利用できるサーバである。サーバ10bはインターネット回線等の通信ネットワークを介して通信装置50bと通信可能に接続されている。通信装置50bは現場において例えば自動販売機等に設置されるものである。通信装置50bはルーター70を有しており、このルーター70により周囲の機器に無線通信環境を提供するようになっている。また、本実施の形態の情報処理システム1bにおいて、サーバ10bとは別に工事管理システム80が設けられており、サーバ10bおよび工事管理システム80はインターネット回線等の通信ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。
このような第3の態様に係る情報処理システム1bの各構成要素の詳細について以下に述べる。なお、以下の説明では、第1の態様に係る情報処理システム1や第2の態様に係る情報処理システム1aと同じ構成要素については同じ参照符号を付けてその説明を省略する。
サーバ10bは、制御部12bと、記憶部30と、通信部32とを有している。制御部12bは、CPU(中央演算処理装置)等で構成され、サーバ10bの動作を制御する。具体的には、制御部12bは、記憶部30に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段14、送信手段16、ルーター制御手段18および権限販売手段24として機能する。受付手段14は、外部装置(例えば、工事管理システム80、通信装置50b、個人端末94等)から様々な情報を受け付けるようになっている。本実施の形態では、受付手段14は、工事管理システム80から建設機器90や事務所端末92の識別情報、建設機器90の作動スケジュール、現場スケジュール等を受け付けるようになっている。また、送信手段16は外部装置(例えば、通信装置50b)に対して様々な情報を送信するようになっている。ルーター制御手段18は、通信装置50bのルーター70を制御することによって、建設機器90、事務所端末92および個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことができるようにし、このことにより無線通信環境をこれらの機器に提供する。権限販売手段24は、作業員が所持する個人端末94を介して通信接続権限を作業員に販売する。これらの各手段14、16、18、24の機能の詳細については後述する。
記憶部30には、制御部12bにより実行されるプログラム、工事管理システム80から送信された建設機器90の作動スケジュールや現場スケジュールの情報、建設機器90や事務所端末92の識別情報等が記憶されている。通信部32は、無線または有線により外部装置(例えば、例えば、工事管理システム80、通信装置50a、個人端末94等)との信号の送受信を行うための通信インターフェースを含む。
通信装置50bは、制御部52bと、ルーター70と、記憶部78を有している。制御部52bは、CPU(中央演算処理装置)等で構成され、通信装置50bの動作を制御する。具体的には、制御部52bは、記憶部78に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段54として機能する。受付手段54は、外部装置(例えば、サーバ10b等)から様々な情報を受け付けるようになっている。
次に、第3の態様に係る情報処理システム1bによる情報処理方法について図4および図5に示すチャート図やフローチャートを用いて説明する。なお、以下に示す動作は、サーバ10bにおいて記憶部30に記憶されているプログラムを制御部12bが実行するとともに通信装置50bにおいて記憶部78に記憶されているプログラムを制御部52bが実行することにより行われる。なお、以下の説明では、第1の態様に係る情報処理システム1や第2の態様に係る情報処理システム1aと同じ動作についてはその説明を省略する。
現場の作業員が通信接続権限を購入する動作について図4に示すフローチャートを用いて説明する。第3の態様に係る情報処理システム1bでは、作業員は通信装置50bではなく自分が所持する個人端末94により通信接続権限を購入することができるようになっている。具体的には、通信接続権限を購入しようとする作業員はアプリ販売サイトまたは情報処理システム1bの管理会社が運営するウエブサイト等から専用のアプリを個人端末94にダウンロードしてこの個人端末94に専用のアプリをインストールする。そして、個人端末94の専用のアプリにおいて作業員が通信接続権限の購入ボタンを押すと、個人端末94のモニタに図6、図7に示すような通信接続権限の販売画面100が表示される。具体的には、制御部12aの権限販売手段24は、通信接続権限の販売画面100を個人端末94に表示させるよう当該個人端末94に表示指示信号を送信する。そして、作業員が個人端末94により通信接続権限の購入を行うと、個人端末94からサーバ10bに通信接続権限の購入情報が送信される。このことにより、権限販売手段24は、通信接続権限の購入情報と、個人端末94の識別情報や個人端末94にインストールされた専用のアプリにおける会員ID等とを紐付ける。このようにして、現場の作業員は、通信接続権限を購入することができるようになる。
次に、通信接続権限を購入した現場の作業員が自分の個人端末94でインターネット等を利用する場合の動作について説明する。ルーター制御手段18は、個人端末94に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境を個人端末94に提供するにあたり、個人端末94のモニタに表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する個人端末94に対して電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。このことにより、作業員はルーター70から提供される無線通信環境によって個人端末94によりインターネット等を利用することができるようになる。
また、本実施の形態では、ルーター制御手段18は、建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先させるようルーター70を制御する。ルーター70と個人端末94との間での電波の送受信におけるデータ通信量が多くなることにより建設機器90や事務所端末92とルーター70との間での電波の送受信におけるデータ通信量が少なくなってしまい、建設機器90や事務所端末92と工事管理システム80との間で通信速度が遅くなったり通信不良が発生したりしてしまうおそれがあるからである。
以上のような構成からなる本実施の形態の第3の態様に係るプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法によれば、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12b)を受付手段14と、ルーター制御手段18として機能させ、受付手段14は、優先権が割り当てられている建設機器90や事務所端末92(第1機器)の識別情報を受け付ける。また、ルーター制御手段18は、第1機器としての建設機器90や事務所端末92および優先権が割り当てられていない個人端末94(第2機器)の各々に対してルーターが電波の送受信を行うことにより無線通信環境を建設機器90、事務所端末92および個人端末94の各々に提供するにあたり、受付手段14が識別情報を受け付けている建設機器90や事務所端末92に対する電波の送受信を個人端末94に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する。この場合には、優先権が割り当てられている機器(具体的には、建設機器90や事務所端末92)に対してより確実に無線通信環境を提供することができる。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法においては、ルーター制御手段18が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第1機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らさず第2機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量を減らすようルーター70を制御してもよい。あるいは、ルーター制御手段18が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第1機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合が第2機器に対する電波の送受信におけるデータ通信量の所定量からの減少量または減少割合よりも小さくなるようルーター70を制御してもよい。あるいは、ルーター制御手段18が、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御する際に、第2機器に対して電波の送受信を行わないようルーター70を制御してもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法においては、受付手段14は、第1機器が使用される期間に関する情報も受け付け、ルーター制御手段18は、受付手段14が受け付けた期間内において第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御してもよい。また、受付手段14は、第1機器の作動スケジュールに関する情報を受け付け、ルーター制御手段18は、受付手段14が受け付けた作動スケジュールに基づいて演算される第1機器が使用される期間内において第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するようルーター70を制御してもよい。また、ルーター制御手段18は、ルーター70と第1機器との間での電波の送受信におけるデータ通信量に基づいて、第1機器に対する電波の送受信を第2機器に対する電波の送受信よりも優先するか否かを決めるようになっていてもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法においては、第1機器の識別情報は、ルーター70を介して無線信号を受信することにより作動する建設機器90の識別情報を含んでいてもよい。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法においては、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12b)を更に権限販売手段24として機能させ、権限販売手段24は、通信接続権限を販売し、ルーター制御手段18は、第2機器として、販売された通信接続権限を有する機器(具体的には、個人端末94)に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供してもよい。
また、以上のような構成からなる本実施の形態の第3の態様に係るプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法によれば、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12b)をルーター制御手段18と、権限販売手段24として機能させ、権限販売手段24は、通信接続権限の販売を行う。また、ルーター制御手段18は、個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供するにあたり、権限販売手段24により販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。この場合には、販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可することにより、Wifi機器により無線通信環境が提供される携帯端末(具体的には、個人端末94)等の数を規制することができる。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法においては、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の販売画面を個人端末94のモニタに表示させる信号であり、ルーター制御手段18は、個人端末94等の機器に対してルーター70が電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供するにあたり、個人端末94のモニタに表示される販売画面100で販売された通信接続権限を有する機器に対して販売された通信可能期間において電波の送受信を許可するようルーター70を制御する。また、表示指示信号は、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方に関する販売画面を個人端末94のモニタに表示させる信号である。また、プログラムはプロセッサ(具体的には、制御部12b)を受付手段14として更に機能させ、受付手段14は、現場スケジュールに関する情報を受け付け、権限販売手段24は、受付手段14が受け付けた現場スケジュールに関する情報に基づいて、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方を設定する。また、通信接続権限の複数の通信可能期間が設定されており、権限販売手段24は、通信可能期間の長さに基づいて、通信接続権限の通信可能期間毎の金額および販売数量のうち少なくとも何れか一方を設定する。
また、本実施の形態のプログラム、通信装置50b、情報処理システム1bおよび情報処理方法においては、権限販売手段24は、通信接続権限の購入に関する情報を受け付けると、通信接続権限に関するコードを個人端末94に表示させてもよい。
なお、本発明に係るプログラム、通信装置、情報処理システムおよび情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、本発明に係る通信装置は工事現場に設置されるものに限定されることはない。また、本発明に係る情報処理システムは工事現場で用いられるものに限定されることはない。本発明に係る通信装置や情報処理システムとして、工事現場とは別の種類の現場で用いられるようになっていてもよい。
また、通信接続権限が販売された個人端末に関する情報(具体的には、例えば、個人端末の識別情報や個人端末にインストールされた専用のアプリの識別情報)が外部装置からサーバに送信されるようになっていてもよい。この場合は、サーバの制御部がプログラムを実行することにより機能するルーター制御手段または通信装置の制御部がプログラムを実行することにより機能するルーター制御手段は、機器に対してルーターが電波の送受信を行うことにより無線通信環境をこの機器に提供するにあたり、外部装置から送信された、通信接続権限が販売された個人端末に関する情報に基づいて、販売された通信接続権限を有する機器に対して電波の送受信を許可するようルーターを制御してもよい。
また、上記の説明では、優先権が割り当てられている第1機器および優先権が割り当てられていない第2機器について説明することにより電波の送受信を優先する段階が2段階である場合について述べたが、他の態様として電波の送受信を優先する段階が3段階以上であってもよい。ルーター制御手段がルーターを制御する際に、例えば、建設機器に対する電波の送受信を最も優先し、次に事務所端末に対する電波の送受信を優先し、個人端末に対する電波の送受信は優先しないようにしてもよい。