JP7323195B2 - 搬送乾燥装置 - Google Patents
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Description
このうち、処理方法として多用されている洗浄については、食物をコンベアで搬送しながら水等の洗浄液を吹き付けたり、食物を液槽内へ潜らせたりするという方法が良く知られている。そして、このような方法で洗浄された食物は、その後、段ボール箱等で梱包されて所定の消費地へ出荷される。
また、梱包された食物は消費地に到着するまでほぼ密封された状態となることも多い。そのため、洗浄された食物が十分に乾燥処理されていない場合には、食物は付着していた水分により形成された高湿環境下に長時間置かれてしまうことになる。このような環境下では土壌菌等の雑菌が繁殖し易くなり、食物が腐敗してしまうことも予想され、最悪の場合、食物の商品価値がゼロになってしまうという問題もある。このような問題は、雑菌の繁殖が進み易い食物(例えば、里芋等)を取り扱う者にとって無視できるものではない。このため、里芋等のように保管環境にデリケートな食物を取り扱う農業従事者は徹底した湿度管理を行い、食物の価値低下を抑制しているのである。
さらに、このような乾燥技術に加えて、野菜の種に合わせて最適な温度条件で乾燥させる技術を求める声も強くなっている。なぜなら、このような技術があれば、例えば熱に弱く変色し易い食物を扱う農業従事者にとって熱劣化を抑えるような乾燥条件を設定するのに好都合だからである。
特許文献1では、「果実等の乾燥装置」という名称で、洗浄した果実等をコンベアにより搬送しながら乾燥させることができ、かつ果実の全周に対し迅速に乾燥させることが可能な乾燥装置に関する考案が開示されている。
この特許文献1に開示される考案は、間隙を有し、果実等を載せて移送するコンベアの上下いずれかの一方の側に、果実を乾燥するための乾燥風を吹き当てる送風口又は送風機を設けるとともに、他方の側にはこの乾燥風を排出する排気口が設けられ、このコンベアの排気口側には送風口又は送風機側から吹出される乾燥風をコンベアの他側に向けて誘導する風導板が設けられていることを特徴としている。
以上の作用により、特許文献1に開示される考案によれば、コンベアに搬送される果実等を上下方向からの乾燥風で曝すことができ、果実等を迅速かつ効率良く乾燥させることが可能になる。
特許文献2に開示されている発明は、コンベアにより搬送されてきた麺が列状に複数配置された乾燥室を通過するものであって、各乾燥室は空気を加熱するヒータと、このヒータにより加熱された空気を乾燥室内に送り出す送風装置と、この送風装置から送られる熱風を層流とし、かつ乾燥に最適な風量及び風速に設定して麺に均一に吹き付ける熱風整流手段とを備え、隣接する一対の乾燥室は、一方の乾燥室が麺に対して上方から熱風を吹き付ける熱風整流手段を備え、他方の乾燥室は麺に対して下方から熱風を吹き付ける熱風整流手段を備えていることを特徴としている。
また、特許文献1に開示される考案は、乾燥風槽を1つしか持たない装置であるため、処理温度を最適値にコントロールしながら乾燥させるのに適しているとは言い難かった。
さらに、特許文献2に開示される発明の場合、1つの乾燥室で熱風の吹き出す方向が1つと決まっているため、上下方向から熱風を被乾燥物に当てたり、かつ温度条件をコントロールしたりする場合には装置が大掛かりになり易く、それに応じて価格も高価になり易い。すなわち、市場に普及させる面での課題もあった。
ここで、乾燥室内を流れる温風は、上述する吹出し口、第1の吸気口、ベルトコンベア、仕切り板、反射部の各構成に関連しながら、大きく3つの流路に分かれて乾燥室内を流れるという作用を有する。そして、これら3つの流路の各温風はそれぞれ異なる作用を有する。以下では、これら3つの温風について、それぞれの具体的な流路と作用について説明する。
なお、ここでは温風ファンの吹出し口がベルトコンベアの上方に設置されている場合について説明するものである。この吹出し口がベルトコンベアの下方に設置されている場合には、上記の1つ目の温風は食物の表面に当たる前にベルトコンベアを通過する温風となり、2つ目の温風は食物の間を通過する前にベルトコンベアを通過する温風となる。しかしながら、ベルトコンベアに当たる順序が異なる点以外は、吹出し口が上方に配置している場合と同じである。加えて、吹出し口の配置によらず、上述する食物の面の名称である「表(おもて)面」、及び後述の「裏(うら)面」は共通の名称とする。
上述した吹出し口の周囲に滞留する温風は、食物の表面に当たることで当該表面の温度を上昇させたり、当該表面付近の空気中の水分量を減少させたりするという作用を有する。一方、反射部において反射しベルトコンベア側に向かって流れる温風は、食物の第1の吸気口側の面(以下、裏(うら)面とする)に当たることで、当該裏面の温度を上昇させたり、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させたりするという作用を有する。さらに、食物と接触することなく仕切り板を通過して第1の吸気口へ流れる温風は、乾燥室内を通過する過程で室内の空気と置換されるため、乾燥室内の温度を上昇させたり乾燥室内の水分率の上昇を抑えたりするという作用を有する。詳細は後述するが、これら3つの温風のそれぞれの作用が組み合わされることで、乾燥室内の食物の表裏面に付着する水分がムラなく除去されるという効果を発現させる。
このような構成の第2の発明であれば、第1の発明の作用に加えて、吹出し口から吹出された温風は、整流器を通過することで、例えば層流のような互いに離隔した2つ以上の温風要素に分割されるという作用を有する。そして、これら温風要素は離隔した状態でベルトコンベアに向かって流れるという作用も有する。さらに、分割された温風要素のそれぞれにおいて、第1の発明において述べた3つの温風が形成されるという作用を有する。なお、3つの流路の各温風は第1の発明と同じ作用を有するが、厳密に言えば差異点を有する。次に、第2の発明における温風の、第1の発明との差異点について説明する。
そして、整流器により形成された各温風要素から形成される3つ目の温風は、反射部に当たって反射面の周囲に向かって流れ、その後仕切り板を通過して排気される温風となる。なお、反射部において反射した際に温風要素間の隙間を通過してくる成分については、上述する吹出し口周辺に滞留する温風、反射部において反射した後にベルトコンベアに向かう温風の場合にも同様に存在する。
このような構成の第3の発明であれば、上述する第1又は第2の発明の作用に加え、反射部に到達してベルトコンベアの方向に反射せず仕切り板へと向かう温風の一部が、導風部に当たりベルトコンベアに向かう新たな温風に変化するという作用を有する。そして、この新たに形成された温風は、食物の裏面に当たり、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させたり温度上昇させたりするという作用を有する。
なお、この導風部について仕様上の指定はなく、上述する作用を生じるのであれば特に形状・配置に制限はない。
このような構成の第4の発明であれば、上述する第1乃至第3の発明の作用に加えて、第2の吸気口による吸引力が反射部に到達した温風に影響して、その温風の一部をベルトコンベア側に向くように変化させるという作用を有する。
なお、本願における「搬送方向の上流側及び/又は下流側」とは、搬送方向の上流側と搬送方向の下流側のいずれか一方かあるいはその両方を意味している。
このような構成の第5の発明であれば、上述する第1又は第2の発明の作用に加えて、反射部が、反射部に到達し反射部に沿って流れて仕切り板側を通過していた温風の全てをその凹面に沿って流し、その多くをベルトコンベアに向かう新たな温風に変化させるという作用を有する。そして、このように形成された温風は、食物の裏面に当たることで、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させたり温度上昇させたりするという作用を有する。
このような構成の第6の発明であれば、上述する第1乃至第5の発明の作用に加えて、食物は段差に引っ掛かることなく通過するとともに、通過する段差の数だけ食物が転動し、転動する度にその姿勢並びにベルトコンベア上の配置が変わるという作用を有する。
このような構成の第7の発明であれば、上述の第1乃至第6の発明のいずれかの作用に加えて、各乾燥室の乾燥条件が個別に設定可能になるという作用を有する。
まず、食物に当たって吹出し口の周囲に滞留する温風により、食物の表面を乾燥させるという効果を有する。さらに、反射部に当たりベルトコンベアに流れる温風により、食物の裏面を乾燥させることができる。すなわち、本発明の搬送乾燥装置であれば、食物に二方向から温風が当てられることで、乾燥ムラの発生が抑制されるという効果がある。この結果、これまで乾燥ムラを抑制するために行っていた長時間の乾燥処理が不要となり、食物の変質が抑えられ、乾燥処理のコストの低減にも繋がると考えられる。そして、反射部により反射した後仕切り板を通過して排気される温風により、乾燥室内が乾燥され易い状態に維持されることで、乾燥室内の乾燥処理を一層促進させることができる。
なお、吹出し口から吹出す温風を一層効率的に食物に当てるために、ダクトを用いて吹出し口を食物の付近に配置させてもよい。これにより、吹出し口から吹出した温風が食物に当たるまでに周囲に拡散してしまうことを防ぐことが可能となる。この結果、食物の表面を効率的に乾燥させることができるようになる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置の外観図である。なお、搬送乾燥装置の内部の状態を把握し易くするため、内部の構成を破線により示すとともに、図面を視覚的に把握し易くするために複数ある同じ構成については、その一部のみに符号を付している。一方、一点鎖線で示した矢印は食物が搬送される方向を示し、点線で描かれた円で囲む部分は後述する段差の設置された場所を示している。
一方、図2は図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置のX-X線矢視断面図である。なお、内部の状態を見易くするため、図1と同様に複数ある同じ構成についてはその一部のみに符号を付している。
また、ここで図示する本発明の第1の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置1とする)は例として挙げたものであり、後述する作用・効果が生じる範囲内であれば、乾燥室の台数、構成部材の形状等は任意に決めることが可能である。この点については、本願明細書に記載される他の実施例においても同様である。
ここで、上述するベルト3cは高い通気性を有する以外に仕様上制限はなく、使用者の行う乾燥の条件に合わせて任意に仕様を決めることができる。なお、現在様々なベルトが市販されているが、例えばステンレスメッシュ製等の金属製ベルトであれば、強度も高く腐食等し難いため搬送乾燥装置用としては好適である。一方、ベルト3cを支持する複数のローラ3aは、一部がベルト3cを下方から支持する板状部材(受け板等)に置き替えられていてもよい。ベルトコンベア3が搬送機能を発揮できるのであれば、ベルトコンベア3は使用者の所望の部材を用いて構成されていてもよい。
図1、図2より、乾燥室2bの内部には、温風が吹出される温風ファン4の吹出し口4cがベルトコンベア3の上方に設置されている。そして、乾燥室2の下方には第1の排気ダクト5の第1の吸気口5aが配置されている。さらに、この第1の吸気口5aとベルト3cの間には、孔2f(図3参照)が複数形成され乾燥室2bを上下に分割する仕切り板2eが設置されている。なお、この仕切り板2eは、既にベルト3cの説明において例示したステンレス製のメッシュであっても良く、例えば図3に示すような複数の孔2fが形成された多孔板を用いたものであってもよい。
さらに、この仕切り板2e上には、吹出し口4cと対向し、この吹出し口4cから吹出す温風が当たる位置に断面視凹凸状の反射部2gが設置され、この反射部2gに対して上流側及び下流側に断面L字状の導風部2hが立設されている(図1参照)。このような構成を有する乾燥室2bの内部を分かり易く描いた概略図を図3に示す。
図3に示すように、吹出し口4cの下方には、上から順にベルト3c(ベルトコンベア3)、反射部2g、仕切り板2eが配置され、さらに反射部2gの上流側と下流側には断面L字状の導風部2hが反射部2gを挟むように立設されている。このような配置であるため、吹出し口4cから吹出した温風はベルト3c(ベルトコンベア3)を通過した後反射部2gに当たって反射し、反射部2gの周囲に拡散される。ここで反射された温風は、その後周囲に流れながら、最終的に仕切り板2eの孔2fを通過して第1の吸気口5a(図示せず)に吸い込まれて外部に排出される。なお、反射部2gの形状については特に限定しておらず、同一の作用・効果が得られるのであれば平板でもよく、適宜使用者が調整を加えた形状であってもよい。加えて、設置する方法についても特に指定はなく、平板や波板を仕切り板2e上に載置するだけであってもよい。また、反射部2g及び導風部2hは仕切り板2e上に載置されているが、いずれか少なくとも一方が仕切り板2eと一体化していてもよい。
図4(a)の場合、吹出し口4cから吹出され、食物Vの吹出し口4c側の表面に当たって反射し、吹出し口4cの周囲に滞留するような温風Aが存在する。一方、食物Vの間と、ベルトコンベア3(ベルト3c)を通過した温風は、仕切り板2eにほとんど反射されることなく孔2fを抜け第1の吸気口5aから排気される。この温風は反射部2gを経由していない以外は、図4(b)の搬送乾燥装置1における温風Cと類似の流路を形成することから、反射部2gを通過しない上記温風も以下では温風Cと見なしている。
なお、一対の導風部2h,2hが設置されていない場合、温風Cが通過できる孔2fが多く存在することになるため、反射部2gに沿って水平方向に移動して、仕切り板2eの下方へ移動する温風Cの量は増加する。そして、仕切り板2eの下方へ移動する温風Cが増加するほど、温風B,Dは形成され難くなることも考えられる。これに対し、一対の導風部2h,2hが設置されている場合には、温風が通過できる孔2fの数が制限されるとともに、導風部2h,2hに当たって上方に流れるようになる。この結果、反射部2gに沿って水平方向に移動し仕切り板2eの下方へ移動する温風Cの量が少なくなる。すなわち、当該温風が孔2fを通って仕切り板2eの下方へ移動することを規制することで、温風B,Dが形成され易くなるという作用を有している。なお、このような作用を実現する方法として、孔2fの数及び径を小さくするといった調整を行うことも可能である。
図5は、図1における搬送乾燥装置の点線円内の、段差における食物の通過時の動きを説明するための概略図である。なお、図中の矢印は食物Vの搬送方向を示しており、図5(b)は図5(a)から時間が経過した状態を示している。すなわち、図5(b)に示した食物Vは図5(a)に示した食物Vが矢印の方向へ段差2dを超えて転動した状態を表している。すなわち、この時間の経過の間に食物Vは段差2dを通過したものとなる。また、食物Vに付した破線は、食物Vの向きを把握し易くするために付した線である。
なお、図5に示す段差2dのようにベルト3cが上方から押さえローラ3eにより押さえられ、かつ乗り継ぎ板3dを設置するものでなくてもよい。例えばベルト3cの幅方向に所定の間隔で並べられた車輪が、ベルト3cを上から押さえることで形成されているものでもよい。このような車輪等により形成された段差であっても、上述する乗り継ぎ板3dの設置された段差2dと同様の作用・効果を発揮することができる。
まず初めに、搬送乾燥装置1は食物Vをベルトコンベア3により搬送させながら、連続的に大量の食物Vを乾燥処理することができる。また、食物Vが通過する乾燥室2a,2b,2c内では、温風ファン4からの温風が食物Vに付着した水分を奪い第1の排気ダクト5より排出するため、各乾燥室内の水分量の増加が抑えられ、乾燥能力を低下させることなく乾燥処理を行うことができる。加えて、上述した流路の異なる4つの温風A,B,C,Dの作用により、以下の効果を有する。
また、温風Cにより、各乾燥室内が乾燥に適した状態に維持されることで、温風A,Bによる乾燥の効果を一層高めることが可能となる。さらに、導風部2h,2hによる温風の風向制御及び孔2fへの通過抑制により、ベルトコンベア3側に向かう温風Dの量が増加するため、食物Vの裏面を一層乾燥させることができるようになるのである。
また、乾燥室を3つ連結しているため、乾燥室毎に異なる乾燥条件で食物Vを処理することができ、乾燥条件設定の自由度を広げることができる。これにより、様々な食物に対し、適切な乾燥条件で効率的に乾燥させることができるようになる。
図6より、本発明の第2の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置6)は、吹出し口4cとベルトコンベア3の間に、複数の風向板7aが搬送方向に対し垂直に並んだ整流器7が設置され、この整流器7の下方には順にベルトコンベア3(ベルト3c)、反射部2g、仕切り板2eが配置され、さらに反射部2gの上流側と下流側には断面L字状の導風部2h,2hが反射部2gを挟むように立設されている。このように、搬送乾燥装置6は図3に示す搬送乾燥装置1と比べ、整流器7が設置されている点のみが異なる。
なお、整流器7の形状について本願発明の作用・効果を発揮するものであれば特に指定はない。例えば、吹出し口4cから整流器7の間に温風の通路となるダクトを設置したり、吹出し口4cと整流器7を囲む側壁を乾燥室2bの天板に立設したりして、吹出し口4cから吹出す温風を効率的に整流器7へ流すものであってもよい。
搬送乾燥装置6において、吹出し口4cから吹出される温風は整流器7を通過することで互いが離隔された2つ以上の温風要素に分割され、そのままベルトコンベア3及び反射部2gに向けて流れるという作用を有する。これにより、分割された温風要素のそれぞれにおいて、4つの流路の温風が生じるという作用を有する。次に、これらの4つの温風について、温風要素から生じるという点から、温風A´,B´,C´,D´と表示し、図7ではこれらの温風の流路と作用について詳細に説明する。
そして、整流器7により形成された各温風要素より生じる温風C´は、上述する温風Cと同様に、反射部2gに当たって反射面の周囲に向かって流れ、そのまま仕切り板2eの孔2fを通過して排気される。
図8より、本発明の第3の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置8)では、吹出し口4cに対して搬送方向の上流側及び下流側において、ベルトコンベア3に対して同じ側に第2の排気ダクト9(図示せず)の第2の吸気口9a,9aが設置されている。
このような構成であれば、搬送乾燥装置8に設置された第2の吸気口9aによる排気による吸引力が、反射部2gにおいて反射した後、仕切り板2eを通過する温風C´の一部に影響して、ベルトコンベア3側への流れ(温風E´)に変化させるという作用を有する。
なお、整流器7の側面を塞ぐとともに、整流器7と第2の吸気口9aの間に図示しない遮蔽板を設けてもよい。これにより吹出し口4cから出た温風を効率的にベルト3c側へ流すことが可能となり、温風E´も増加させることができる。
図9より、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置(以下、搬送乾燥装置10)は、吹出し口4cの下方において、順にベルトコンベア3(ベルト3c)、断面視U字状の板である反射部11、仕切り板2eが配置され、反射部11の凹面11aはベルトコンベア3(ベルト3c)と対向するように設置されている。
図10より、本発明の第4の実施の形態に係る搬送乾燥装置10では、搬送乾燥装置1と同様に、吹出し口4cから吹出され、食物Vの吹出し口4c側の表面に当たって反射し、その後吹出し口4cの周囲に滞留するような温風Aが存在する。一方、食物Vの間とベルトコンベア3を通過して反射部11により反射され、ベルトコンベア3側に向かって流れる温風Bも、搬送乾燥装置1と同様に存在する。さらに、反射部11で反射され、その後凹面11aに沿ってベルトコンベア3に流れる温風Fが存在することになる。
温風Fは、ベルトコンベア3側に向かって流れる温風となるため、温風Bと同様に食物Vの第1の裏面の温度を上昇させ、当該裏面付近の空気中の水分量を減少させるという作用を有する。また、温風Fは、反射部11で反射された温風のうち温風Bを除した残分に等しくなるという作用も有する。
なお、本発明の実施の形態に係る搬送乾燥装置10は、いずれも温風ファン4の吹出し口4cがベルトコンベア3の上方に設置された場合であるが、上述したように吹出し口4cはベルトコンベア3の下方に設置されていてもよい。この場合には、温風ファン4の吹出し口4cから上方に向かうにつれて、ベルトコンベア3、仕切り板2e、第1の吸気口5a(第1の排気ダクト5)の順に並ぶものとなる。また、反射部2g(搬送乾燥装置1,6,8)又は反射部11(搬送乾燥装置10)は、吹出し口4cと対向する仕切り板2eの面上で、かつ吹出し口4cから吹出される温風が当たる位置に設置される。さらに、搬送乾燥装置1,6,8に備わる導風部2hは、反射部2gと同じ仕切り板2e上において反射部2gに対し上流側及び下流側に立設される。加えて、搬送乾燥装置8の場合は、吹出し口4cに対して搬送方向の上流側及び下流側に、ベルトコンベア3に対して吹出し口4cと同じ側に第2の吸気口9a,9a(第2の排気ダクト9)が設置されることとなる。そして、搬送乾燥装置6,8に関しては、吹出し口4cとベルトコンベア3の間に整流器7も設置される。
以上から、いずれの搬送乾燥装置においても、食物を除けば各構成要素の相対的な配置自体は変わっていない。このため、吹出し口4cから吹出される温風は、吹出し口4cがベルトコンベア3の下方に配置される場合には食物に当たる前にベルトコンベア3を通過することになるものの、形成される温風の流路は吹出し口がベルトコンベア3の上方にある場合と同じである。このため、吹出し口4cの配置により、上述する各搬送乾燥装置の作用と効果が変化することもない。
Claims (6)
- 食物を搬送しながら乾燥させる搬送乾燥装置であって、
前記食物を乾燥させる乾燥室と、
前記食物を載置して前記乾燥室内を通過するベルトコンベアと、
前記乾燥室内に温風を供給する温風ファンと、
前記ベルトコンベアの上方又は下方に設置された前記温風ファンの吹出し口と、
前記乾燥室内の空気を排出する第1の排気ダクトと、
前記吹出し口に対し前記ベルトコンベアを挟むように設置されている前記第1の排気ダクトの第1の吸気口と、
前記第1の吸気口と前記ベルトコンベアとの間に設置された仕切り板と、
この仕切り板上に設置され前記吹出し口と対向する反射部と、を備え、
前記ベルトコンベアのベルト及び前記仕切り板は通気性を有し、
前記反射部は波板であることを特徴とする搬送乾燥装置。 - 前記仕切り板上において、前記反射部の周囲に導風部が立設されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送乾燥装置。
- 前記吹出し口には、1枚以上の風向板を備え前記吹出し口より吹出される前記温風を前記反射部に向く2つ以上の温風要素に分割する整流器が設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送乾燥装置。
- 前記吹出し口に対して搬送方向の上流側及び/又は下流側で、かつ前記ベルトコンベアに対して前記吹出し口と同じ側に第2の吸気口を備えた第2の排気ダクトを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の搬送乾燥装置。
- 前記ベルトコンベアには搬送方向の上流側から下流側に向かって前記ベルトコンベアの高さが低くなる段差が少なくとも1ヶ所以上設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の搬送乾燥装置。
- 前記ベルトコンベアが通過する前記乾燥室が一列に2つ以上並んで配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の搬送乾燥装置。
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