JP7323173B2 - 給湯制御の方法、システム、プログラム、記録媒体、および貯湯システム - Google Patents
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Description
複数の給湯器を備えた給湯システムに関し、タンク式給湯とタンクレス給湯器を備え、給湯を開始したとき、または給湯負荷が増加したとき、給湯運転を実行していないタンク式給湯器のうち、タンクの蓄熱量が所定熱量を超えれば、該タンク式給湯器で非燃焼給湯運転をすることが開示されている(たとえば、特許文献1)。
斯かる現状から発明者は、給湯需要に必要な給水量が不足する場合、給水の増量補完が給湯部に生じる給湯変動を抑制でき、給湯の利便性が高められるとの知見を得た。
また、本開示の他の目的は上記課題および上記知見に鑑み、フィルター詰まりなどによる予熱給水の流量の異常時、非加熱給水による補完給水を実現するとともに、アラート告知を実現することにある。
この給湯制御方法において、さらに、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定する工程を含んでよい。
この給湯制御方法において、さらに、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更する工程を含んでよい。
この給湯制御方法において、さらに、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成する工程を含んでよい。
この給湯制御システムにおいて、さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定してよい。
この給湯制御システムにおいて、さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更してよい。
この給湯制御システムにおいて、さらに、前記制御部は、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成してよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
上記目的を達成するため、本開示の記録媒体によれば、前記プログラムを格納している。
この貯湯システムにおいて、さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定してよい。
この貯湯システムにおいて、さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更してよい。
この貯湯システムにおいて、さらに、前記制御部は、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成してよい。
(1) 給湯需要に対して予熱給水の流量が不足する場合には、給湯需要に応じて非加熱給水を給湯部に供給するので、給湯需要に対して安定した給湯を実現できる。
(2) 予熱給水の流量の変動に起因する給湯変動を抑制でき、給湯の信頼性を高めることができる。
(3) 給水フィルターの目詰まりなど、予熱給水部の予熱給水の流量に異常が生じたとき、予熱給水の不足を非加熱給水で補完することができ、給湯量の低下を防止できる。
(4) 予熱給水部からの予熱給水の流量に異常が生じたとき、その異常をアラートによって告知でき、迅速な対応を促すことができる。
図1は、第1の実施の形態に係る給湯制御工程を示している。この給湯制御工程は、本発明の給湯制御方法の一例であり、図1の構成に本発明が限定されるものではない。なお、各図を通じて共通部分には同一符号を付してある。
この給湯制御工程には温水PHWの貯湯(S101)、タンクユニット(以下、単に「TU」と称する)8の出湯順位の設定(S102)、給湯および温水PHWの供給(S103)、温水PHWの流量判定(S104)、バイパス管20の流量調整弁22の開閉制御(S105)、給湯部6に対する給水Wの供給(S106)、給湯需要を充足する給湯(S107)が含まれる。
TU8の出湯順位の設定(S102): 予熱給水部4に二以上のTU8が備えられる場合には、TU8に出湯順位を設定する。タンクユニット制御部(TU制御部)68は、各TU8の蓄熱量を比較し、蓄熱量の多いTU8から出湯させる出湯順位とする。ただし、蓄熱量の差が小さい場合たとえば、1000kcal以内であれば、TU8に設置されたHP10の運転時間の短い順にTU8の出湯順位とすればよい。これにより、TU8に出湯順位が設定される。
温水PHWの流量判定(S104): TU制御部68は、各TU8の流量センサー30の検出流量を比較し、その比較結果としてたとえば、最大流量LmaxのTU8を判定する。
バイパス管20の流量調整弁22の開閉制御(S105): TU制御部68は給湯需要を受け、流量センサー30の検出流量を比較し、その比較結果に応じ、たとえば、最大流量Lmaxに応じてバイパス管20の流量調整弁22の開閉制御が行われる(S105)。
給湯部6に対する給水Wの供給(S106): 流量調整弁22を開弁すれば、バイパス管20を通して給水Wが給湯部6に供給される。つまり、温水PHWの流量の不足分が給水Wによって補完される。
給湯需要に応じた給湯(S107): 給水Wの補完により、給湯部6は給湯需要を充足する給湯を実現する。
TU8の出湯順位の設定は、TU8の何れを優先的に出湯させるかの順位設定であり、予熱給水部4に二以上のTU8が含まれる場合に必要である。この出湯順位の設定には、一例としてTU制御部68-1、68-2、68-3、68-4が用いられ、たとえば、TU制御部68-1を親機、TU制御部68-2、68-3、68-4を子機とした両者の連携制御を行う。この場合、親機は自機の蓄熱量情報、子機の蓄熱量情報を統合的に管理し、それらの比較結果を用いて何れのTU8-1、8-2、8-3、8-4から出湯させるかの出湯順位を決定する。
そして、斯かる出湯順位の決定に対し、TU8間の蓄熱量の差が小さい場合、親機は、蓄熱情報の管理に加え、親機がHP制御部70から取得した運転時間の情報管理によっても、TU8の出湯順位を決定する。
図2は、TU8の出湯順位の変更処理を示している。この補正処理には、温水PHWの流量情報の取得(S201)、温水PHWの流量の比較(S202)、最低流量のTU8の判定(S203)、TU8の出湯順位の変更(S204)が含まれる。
温水PHWの流量情報の取得(S201): TU制御部68は、既述の親機として、予熱給水部4の各TU8の温水PHWの流量情報を取得する。
温水PHWの流量の比較(S202): TU制御部68は各TU8の温水PHWの流量を比較し、TU8の温水PHWの流量の状態を把握する。
最低流量のTU8の判定(S203): 制御部TU68は、各TU8の温水PHWの流量より最低流量のTU8を判定する。
TU8の出湯順位の変更(S204): TU制御部68は、最低流量のTU8の出湯順位を最下位にするなど、出湯順位を変更する。これにより、温水PHWの流量の低減による出湯量の低下を防止できる。
図3は、給水フィルターの目詰まりなど、TU8の異常判定およびアラート生成の処理手順を示している。この処理手順には、温水PHWの流量情報の取得(S301)、温水PHWの流量の比較(S302)、温水PHWの流量の判定(S303)、異常判定(S304)、アラート生成(S305)が含まれる。
温水PHWの流量情報の取得(S301): TU制御部68は、予熱給水部4の各TU8の温水PHWの流量を表す流量情報を取得する。
温水PHWの流量の比較(S302): TU制御部68は各TU8の温水PHWの流量を比較し、TU8の温水PHWの流量の状態を把握する。
温水PHWの流量の判定(S303): TU制御部68は各TU8の温水PHWの流量が所定値以下かを判定する。
異常判定(S304): TU制御部68は、出湯可能な温水PHWの流量が所定値以下のTU8を異常と判定する。
アラート生成(S305): TU制御部68は、TU8の何れかまたは全部が異常であると判定した場合、アラートを生成し、情報提示部88に提示する。
第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 給湯需要に対して温水PHW(予熱給水)の流量が不足しても、給湯需要に応じて給水Wを給湯部6側に供給でき、給湯需要に対して安定した給湯が得られる。
(2) 予熱給水の流量の変動に起因する給湯変動を抑制できる。
(3) 給水フィルター40の目詰まりなどにより予熱給水部4の予熱給水の流量に異常が生じたとき、予熱給水の流量の不足を非加熱給水の供給で補完でき、給湯量の低下を防止できる。
(4) 予熱給水の流量に異常が生じたとき、その異常をアラートによって告知できる。
図4は、第2の実施の形態に係る給湯制御システム2を示している。この給湯制御システム2はマルチ給湯システムの一例であり、この給湯制御システム2には予熱給水部4および給湯部6が含まれる。
各給湯機14は給湯需要に応じて選択的または全部を動作させる。給湯需要に応じ、給湯部6から給湯管16より給湯が行われ、この給湯に連動して給湯部6に給水管18を通して給水が行われる。
図5は各TU8の一例を示している。各TU8には貯湯タンク24、分配弁26、水規制弁28、流量センサー30、ポンプ32、HP切替弁34、逆止弁35-1、35-2、温度センサー36-1、36-2、36-3、36-4、36-5、36-6、36-7、36-8、36-9、36-10、36-11が備えられる。
貯湯タンク24にはHP10で加熱後の温水PHWが貯湯される。つまり、貯湯タンク24の下層側から取り出された給水Wはポンプ32を通してHP10に循環させ、HP10で加熱された温水PHWがHP切替弁34を介して貯湯タンク24の上層側に戻される。貯湯タンク24に貯湯された温水PHWの温度は、上層部より下層部に特定の間隔で配置されている温度センサー36-3、36-4、36-5、36-6、36-7で検出される。
給湯必要時、貯湯タンク24の温水PHWは、貯湯タンク24の上層側より取り出され、水規制弁28を通して給水管18より出湯し、給湯部6に供給される。分配弁26と水規制弁28の間にはバイパス管27が設けられ、分配弁26で分配された給水Wが温水PHWと混合される。給水管18に流れる温水PHWの温度が温度センサー36-10で検出される。
図6は各HP10の一例を示している。各HP10には熱交換器44、コンプレッサー46、熱交換器48、空気熱交換器50、膨張弁52、温度センサー36-12、36-13、36-14、36-15、36-16が含まれる。
熱交換器44は、熱媒45の熱を給水Wまたは加熱前の温水PHWに熱交換することにより、温水PHWに加熱する。温度センサー36-12は熱交換器44の入側温度を検出し、温度センサー36-13は熱交換器44の出側温度を検出する。
図7は各給湯機14の一例を示している。各給湯機14には熱交換器54、バーナー56、分配弁58、水規制弁60、バイパス管62、流量センサー64、温度センサー36-17、36-18、36-19が含まれる。
給水管18から供給された温水PHWまたは給水Wは、分配弁58を経て熱交換器54に流れ、バーナー56の燃焼熱との熱交換により加熱される。この加熱によって得られた温水HWは、水規制弁60を経て下流側の給湯管16に流れる。給湯機14に入る温水PHWまたは給水Wの温度は温度センサー36-17で検出され、その流量は流量センサー64で検出される。
分配弁58で分配された温水PHWまたは給水Wは、バイパス管62から水規制弁60に流れ、温水HWと混合される。温水HWは、給湯管16より需要箇所に供給される。
図8のAは、給湯制御システム2の制御系統を示している。給湯部6に生じた給湯需要に対し、予熱給水部4は供給される温水PHWを制御し、また温水PHWの不足分を給水Wで補完するための制御つまり、流量調整弁22の開閉制御も含まれる。この予熱給水部4の制御には、たとえば親機であるTU8-1のTU制御部68-1が用いられる。
このTU制御部68-1には、たとえば子機であるTU制御部68-2、68-3、68-4(以下、TU制御部を特定しない場合、単に「TU制御部68」と称する)やヒートポンプ(HP)制御部70-1、70-2、70-3、70-4、予熱リモコン74の予熱リモコン制御部76が連係されるとともに流量調整弁制御部66が接続されている。
給湯部6は、予熱給水部4と仕様の異なる給湯機制御部72-1、72-2、72-3、72-4が設置されるので、流量調整弁制御部66と連係されない。
流量調整弁制御部66は、予熱給水部4におけるTU8の最大流量情報により流量調整弁22の開閉制御を行う。
図8のBは、TU制御部68のハードウエアの一例を示している。TU制御部68には通信機能を備えるコンピュータが用いられ、プロセッサ78、記憶部80、通信部82、入出力部(I/O)84が含まれる。
プロセッサ78は、記憶部80にあるOS(Operating System)や、給湯制御プログラムなどの各種のプログラムの実行を含む情報処理を行う。記憶部80は、本発明の給湯制御に用いられるOSや各種のプログラムを格納する記録媒体の一例である。この記憶部80にはROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などの記憶素子が用いられる。
I/O84は、図示しない温度センサー、流量センサー、分配弁、HP切替弁、水規制弁、ポンプが接続され、プロセッサ78の制御により、制御情報の入出力を行う。
なお、図示しないが、TU制御部68と連係されるHP制御部70、予熱リモコン制御部76、流量調整弁制御部66には、TU制御部68と同様のハードウエアが用いられるので、その説明を割愛する。
図9は、TU8の制御系統を示している。TU制御部68には、通信機能を備えるコンピュータが含まれる。このTU制御部68には流量センサー30、温度センサー36-1、36-2、・・・36-11の各検出情報が取り込まれる。分配弁26、水規制弁28、ポンプ32またはHP切替弁34の制御情報がTU制御部68により生成される。
流量センサー30の検出情報には、TU8が出湯する温水PHWの流量情報を含んでいる。
図10は、予熱リモコン74の制御系統を示している。予熱リモコン制御部76には、通信機能を備えるコンピュータが含まれる。この予熱リモコン制御部76には予熱スイッチ(SW)86が接続されている。予熱SW86は予熱給水部4の予熱稼働の開始を指示するために用いられる。情報提示部88は、制御情報やアラートの提示に用いられる。
なお、予熱リモコン制御部76にはTU制御部68と同様のハードウエアが用いられるので、その説明を割愛する。
図11は、HP10の制御系統を示している。HP制御部70には、通信機能を備えるコンピュータが含まれる。このHP制御部70には温度センサー36-12、36-13、・・・、36-16の検出情報が取り込まれる。コンプレッサー46の制御情報がHP制御部70により生成される。
なお、HP制御部70にはTU制御部68と同様のハードウエアが用いられるので、その説明を割愛する。
図12は、給湯機14の制御系統を示している。給湯機制御部72には、通信機能を備えるコンピュータが含まれる。この給湯機制御部72には温度センサー36-17、36-18、36-19、流量センサー64の検出情報が取り込まれる。分配弁58または水規制弁60の制御情報が給湯機制御部72により生成される。この給湯機制御部72は、リモコン制御部77と接続されているが、予熱リモコン制御部76、TU制御部68とは独立した形態である。
なお、給湯機制御部72にはTU制御部68と同様のハードウエアが用いられるので、その説明を割愛する。
流量調整弁22の開閉制御は流量調整弁制御部66で行う。親機に設定されたTU制御部68から給水Wの調整情報が出力され、この調整情報を流量調整弁制御部66で受け、流量調整弁22の開閉が行われる。この制御ではたとえば、4mA(閉)~20mA(開)の電流値により固定弁開度、つまり閉弁ないし開弁、または特定の開度に切り替えられる。
図13のAは、横軸に経過時間(t)、縦軸にTU8の出湯台数を取り、TU8の出湯台数の推移を示している。出湯するTU8間にヒステリシスが設定され、チャタリングを防止している。
図13のBは、横軸に経過時間(t)、縦軸に単位時間当たりの総流量(L/min)を取り、総流量の推移を示している。
図13のCは、横軸に経過時間(t)、縦軸にTU1台当たりの流量(L/min)を取り、流量の推移を示している。TUの出湯台数および総流量の時間的推移に従ってTU1台の流量(L/min)が変化している。通水路の圧力損失が同一である場合、流量は均一に分配される。流量の変化は出湯順位〔1〕→〔2〕→〔3〕→〔4〕を示している。出湯順位はたとえば、〔1〕=TU8-1、〔2〕=TU8-2、〔3〕=TU8-3、〔4〕=TU8-4である。
図13のEは、TU8の稼働台数の推移を示している。
図13のFは、TU8の稼働台数に応じた総流量の推移を示している。TU8の出湯順位〔2〕の通水路の圧力損失が大きい場合、流量は不均一に分配される。
図13のGは、TU1台の流量の推移を示している。流量の変化はたとえば、出湯順位は〔1〕=TU8-1、〔3〕=TU8-3、〔4〕=TU8-4を示している。この場合、出湯順位〔2〕=TU8-2である。
図14のAは、横軸に経過時間(t)、縦軸に総流量を取り、総流量の推移を示している。流量調整弁22を動作させる総流量は、30L/min×4台=120L/minである。このとき、出湯順位〔2〕の流量が増えない。このため、流量調整弁22が開弁しない。
図14のBは、横軸に経過時間(t)、縦軸にTU1台当たりの流量を取り、TU1台当たりの流量の推移を示している。出湯順位〔2〕のTU8は、出湯順位〔1〕、〔3〕、〔4〕のTU8の4分の1の流量である。ただし、水規制弁28の動作前(t6)までである。
図14のCは、総流量の推移を示している。
図14のDは、TU出湯台数を示している。
図15のAは、横軸に経過時間(t)、縦軸に総流量を取り、総流量の推移を示している。
図15のBは、横軸に経過時間(t)、縦軸にTU1台当たりの流量を取り、TU1台当たりの流量の推移を示している。出湯順位〔1〕、〔3〕、〔4〕のTU8の何れか流量の多い順で判断する。最大流量LmaxのTU8の流量≧30L/minとなるt5以降、流量調整弁22が開となっている。
図15のCは、総流量の推移を示している。
図15のDは、TU出湯台数を示している。
TU8の出湯制御では、TU8-1、8-2、8-3、8-4に出湯順位〔1〕~〔4〕が設定され、給湯需要に応じてTU8の出湯台数が切替えられる。つまり、出湯順位〔1〕、出湯順位〔1〕+〔2〕、出湯順位〔1〕+〔2〕+〔3〕、出湯順位〔1〕+〔2〕+〔3〕+〔4〕のTU8が選択され、給湯需要に応ずる。
図16は、TU8の出湯制御の処理手順を示している。この処理手順は、各TU8に出湯順位〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕を設定した後、各TU8の出湯制御を示している。
TU制御部68は、予熱リモコン74の予熱SW86がONであるかを判断する(S401)。予熱SW86がONでなければ(S401のNO)、TU制御部68は、全てのTU8の水規制弁28を全開状態に制御する(S402)。
TU制御部68は、蓄熱量の多い順に全てのTU8の出湯の出湯順位〔1〕~〔4〕を決定する(S404)。この場合、蓄熱量の差が一定量たとえば、1000kcal以内であれば、蓄熱量を同等と判断し、出湯順位の決定に蓄熱量を用いない。この蓄熱量による出湯順位に代え、各HP10の運転時間が短い順に各TU8の出湯順位〔1〕~〔4〕を決定する。この出湯順位を決定から所定時間たとえば、1分が経過するまで、出湯順位を決定するための再計算は行わない。
TU制御部68は、出湯順位〔1〕のTU8の検出流量が所定流量たとえば、1.9L/min以上か判定する(S406)。
検出流量が1.9L/min未満であれば(S406のNO)、TU制御部68は、次の出湯順位〔2〕、〔3〕、〔4〕の各TU8の水規制弁28を閉状態に制御する(S407)。
検出流量が1.9L/min以上であれば(S406のYES)、TU制御部68は、出湯順位〔1〕のTU8の出湯制御を行う(S408)。
総流量が12L/min以上であれば(S409のYES)、TU制御部68は、総流量が24L/min以上かを判断する(S410)。総流量が24L/min未満であれば(S410のNO)、次の出湯順位〔2〕のTU8の水規制弁28を開状態にして出湯制御を行う(S411)。この場合、TU制御部68は総流量が6L/min未満か判断する(S412)。総流量が6L/min未満でなければ(S412のNO)、現状を維持し、6L/min未満であれば(S412のYES)、出湯順位〔2〕TU8の水規制弁28を閉状態に制御し(S413)、S401に戻る。
S414において、総流量が36L/min以上であれば(S414のYES)、次の出湯順位〔2〕、〔3〕、〔4〕の各TU8の水規制弁28を開状態にして出湯制御を行う(S418)。この場合、TU制御部68は総流量が24L/min未満か判断する(S419)。総流量が24L/min未満でなければ(S419のNO)、現状を維持し、24L/min未満であれば(S419のYES)、出湯順位〔4〕のTU8の水規制弁28を閉状態に出湯制御をする(S420)。
図17は、流量調整弁22の制御の処理手順を示している。
TU制御部68は、予熱リモコン74の予熱SW86がONであるかを判断する(S501)。予熱SW86がONでなければ(S501のNO)、TU制御部68は、流量調整弁22を全開状態に制御する(S502)。
予熱SW86がONであれは(S501のYES)、TU制御部68は、最大流量値であるTU8の流量≧30L/minであるかを判断する(S503)。
このTU8の流量≧30L/minであれば(S503のYES)、TU制御部68は、流量調整弁22を開動作(高速)とし(S504)、最大流量値であるTU8の流量≦24L/minであるかを判断する(S505)。このTU8の流量>24L/minであれば(S505のNO)、S504に戻り、TU制御部68は、流量調整弁22を開動作(高速)する(S504)。このTU8の流量≦24L/minであれば(S505のYES)、S501に戻る。
図18は、TU8の異常検出およびアラート出力の生成の処理手順を示している。
TU制御部68は、出湯順位〔1〕のTU8以外のTU8の水規制弁28が開状態かを判断する(S601)。
TU制御部68は、水規制弁28が開状態(S601のYES)であれば、その開状態が所定時間たとえば、10秒が経過したかを判断する(S602)。
TU制御部68は、水規制弁28が開状態で10秒が経過すれば(S602のYES)、水規制弁28が開状態にある各TU8を判定し(S603)、最大流量LmaxのTU8を判定し(S604)、最大流量Lmax×50%を算出する(S605)。
TU制御部68は、最大流量Lmaxでない各TU8の流量Ln(n=1、2、3)が最大流量Lmax×50%より小であるかを判定し(S606)、この状態が所定時間たとえば、10秒間継続したかを各TU8について判定する(S607)。
最大流量Lmax×50%>Lnが10秒間継続すれば(S607のYES)、最大流量Lmax×50%>Lnが成立したTU8の何れかの出湯順位を降格させ、たとえば最下位の出湯順位〔4〕に変更し(S608)、異常状態たとえば、フィルター詰まりを表すアラートを出力する(S609)。
第2の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、複数のTUを備えた利便性を拡大し、給湯需要に対する温水PHWの変動を非加熱給水で補完し、安定した給湯を実現できる。
(2) TU8およびHP10を含む予熱給水部4とともに給湯部6を備える給湯制御システム2において、常時、温水PHW予熱給水の貯湯および供給を行い、給湯部6側に生じる給湯需要に応ずることができる。
(3) 給水フィルター40の目詰まりなどで、流量センサー30が流量を検出できない不測の事態に陥った場合でも、給湯需要に応ずることができる。給水フィルター40の目詰まりなどで、流量センサー30が流量を検出できない不測の事態に対し、修理などの対応が必要となるが、その修理開始までの間においても、必要な給湯需要に対応でき、修理をするまで給湯不足が生じるといった不都合を回避できる。
第2の実施形態では複数のTU制御部68から親機と子機を設定し、温水PHWの出湯制御を行っているがたとえば、図19に示すように、親機を構成するTU制御部68に割り当てられたマルチ制御機能を果たすマルチ給湯制御部89を備えてもよい。この場合、たとえばTU制御部68-1(親機)側に残し、流量調整弁制御部66はマルチ給湯制御部89と連係させて行う。
また、図20に示すように、マルチ給湯制御部89に流量調整弁22の開閉制御機能を持たせてもよい。
第2の実施の形態では、予熱給水部4に4台のTU8およびHP10を備えた給湯制御システム2としているが、図21に示すように、2台のTU8およびHP10を備えた給湯制御システム2としてもよく、TU8およびHP10は3台構成または5台以上の構成としてもよい。
第2の実施の形態では、給湯制御システム2に予熱給水部4を設置したが、この予熱給水部4はバイパス管20および流量調整弁22を備える貯湯システムを構成し、給湯制御システム2と分離し、または独立して用いることができる。また、斯かる貯湯システムは給湯部6以外の給湯需要に対応させてもよい。
第2の実施の形態では予熱リモコン74と給湯機リモコン75とを別個に構成しているが、これらをたとえば、単一の筐体に設置し、予熱リモコン機能および給湯機リモコン機能を単一のリモコンで実現してもよい。この場合、給湯部6に設定される給湯設定温度に対して一定温度(たとえば、-5℃)だけ低く予熱出湯温度(温水PHWの出湯温度)を設定すればよい。
4 予熱給水部
6 給湯部
8、8-1、8-2、8-3、8-4、92 TU(タンクユニット)
10、10-1、10-2、10-3、10-4 HP(ヒートポンプ)
12 給水管
14、14-1、14-2、14-3、14-4 給湯機
16 給湯管
30、64 流量センサー
18 給水管
20 バイパス管
22 流量調整弁
24、90 貯湯タンク
26、58 分配弁
27、62 バイパス管
28 水規制弁
32 ポンプ
34 HP切替弁
35-1、35-2 逆止弁
36-1、36-2、・・・、36-20 温度センサー
38 給水ポート
40 給水フィルター
41 分岐管
44、48、54 熱交換器
45 熱媒
46 コンプレッサー
50 空気熱交換器
52 膨張弁
56 バーナー
60 水規制弁
66 流量調整弁制御部
68-1、68-2、68-3、68-4 TU制御部
70-1、70-2、70-3、70-4 HP制御部
72-1、72-2、72-3、72-4 給湯機制御部
74 予熱リモコン
76 予熱リモコン制御部
78 プロセッサ
80 記憶部
82 通信部
84 入出力部
86 予熱スイッチ
88 情報提示部
89 マルチ給湯制御
96、98、100、102 ポート
Claims (17)
- 二以上のタンクユニットを含む予熱給水部に予熱給水を貯湯し、前記タンクユニットに設定された出湯順位により前記タンクユニットの各タンクユニットから前記予熱給水を出湯させる工程と、
給湯需要に応じて給湯部から給湯する工程と、
前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量を比較し、最大の前記予熱給水の流量に応じてバイパス路から非加熱給水を前記給湯部に供給または非供給にする工程と、
を含むことを特徴とする給湯制御方法。 - さらに、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の給湯制御方法。
- さらに、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更する工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯制御方法。
- さらに、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の給湯制御方法。
- 二以上のタンクユニットを備えて予熱給水を貯湯し、前記タンクユニットに設定された出湯順位により前記タンクユニットの各タンクユニットから前記予熱給水を出湯させる予熱給水部と、
給湯需要に応じて給湯部から給湯する給湯部と、
前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量を比較し、最大の前記予熱給水の流量に応じてバイパス路から非加熱給水を前記給湯部に供給または非供給にする制御部と、
を備えることを特徴とする給湯制御システム。 - さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定することを特徴とする、請求項5に記載の給湯制御システム。
- さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の給湯制御システム。
- さらに、前記制御部は、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成することを特徴とする請求項5ないし請求項7の何れかの請求項に記載の給湯制御システム。
- コンピュータに実現させるためのプログラムであって、
二以上のタンクユニットを含む予熱給水部に予熱給水を貯湯し、前記タンクユニットに設定された出湯順位により前記タンクユニットの各タンクユニットから前記予熱給水を出湯させる制御機能と、
給湯需要に応じて給湯部から給湯する制御機能と、
前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量を比較し、最大の前記予熱給水の流量に応じてバイパス路から非加熱給水を前記給湯部に供給または非供給にする制御機能と、
を前記コンピュータに実現させるためのプログラム。 - さらに、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項9に記載のプログラム。
- さらに、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項9または請求項10に記載のプログラム。
- さらに、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項9ないし請求項11の何れかの請求項に記載のプログラム。
- 請求項9ないし請求項12のいずれかの請求項に記載のプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
- 二以上のタンクユニットを含む予熱給水部に予熱給水を貯湯し、前記タンクユニットに設定された出湯順位により前記タンクユニットの各タンクユニットから前記予熱給水を出湯させる予熱給水部と、
前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量を比較し、最大の前記予熱給水の流量に応じてバイパス路から非加熱給水を供給または非供給にする制御部と、
を含むことを特徴とする貯湯システム。 - さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットの蓄熱量を比較し、または、前記各タンクユニットの予熱熱源部の運転時間を比較し、前記タンクユニットに出湯順位を設定することを特徴とする、請求項14に記載の貯湯システム。
- さらに、前記制御部は、前記各タンクユニットからの前記予熱給水の流量に基づいて前記タンクユニットの出湯順位を変更することを特徴とする請求項14または請求項15に記載の貯湯システム。
- さらに、前記制御部は、前記予熱給水の流量が所定値以下のタンクユニットを異常と判定し、該異常時、アラート出力を生成することを特徴とする請求項14ないし請求項16の何れかの請求項に記載の貯湯システム。
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