JP7323042B2 - 光iq変調器 - Google Patents
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Description
本発明は、高階調な信号生成が可能な光IQ変調器に関するものである。
信号の振幅および位相を2値変調あるいは多値変調するIQ変調方式を用いた光コヒーレント通信技術は、その実用化が近年さらに進展し、基幹通信の大容量化を支えている。IQ変調方式には様々なフォーマットが存在する。したがって、各フォーマットに対応した専用あるいは汎用の光トランシーバ、いわゆる光IQ変調器が数多く提案、開発、利用されている。これら光IQ変調器の多くは、複数のマッハツェンダー干渉計(MZI:Mach-Zehnder Interferometer)を並列に接続した構成、あるいは直列に接続した構成である。
Siフォトニクスの台頭、成熟により、多数の光スイッチをオンチップ集積する動きが活発化している。例えば、32×32以上の規模をもつマトリクス光スイッチなどを高い精度で集積化した光回路が開発されている。また、このような大規模集積化の流れを受け、光通信応用のみならず、光を演算に利用する動きが世界で同時多発的に見受けられるようになった。
光を演算に用いるメリットは次のとおりである。
(a)信号の伝搬速度が光速であり、演算遅延(レイテンシ)が小さいシステムを実現できる可能性があること。
(b)電気回路で高コストとなるベクトル演算やフーリエ変換を、線形光回路内での光信号の伝搬のみによって高効率に実施できること。
(a)信号の伝搬速度が光速であり、演算遅延(レイテンシ)が小さいシステムを実現できる可能性があること。
(b)電気回路で高コストとなるベクトル演算やフーリエ変換を、線形光回路内での光信号の伝搬のみによって高効率に実施できること。
電気回路においては、微細化を極めることで集積度を高め、チップ面積当たりのスループットを向上させてきた。しかしながら、電気回路の微細化の副作用として配線抵抗や容量が増大するため、CR遅延が甚大になることでレイテンシが増大の一途をたどっている。
一方、光回路においては、CR遅延が存在しないこと、近年のフォトニクス技術の進歩により光スイッチの小型化が進んでいることなどから、レイテンシを小さくすることができる。このため、光演算は、低レイテンシ性に特化した応用を目指す上で重要になると考えられる。
近年、AI(Artificial Intelligence)ブームにより世間で持て囃されているニューラルネットワークアクセラレータにおいては、消費電力の90%程度がベクトル演算で占められていることが知られている。このベクトル演算を光を用いて高効率に実施するために、アナログ光スイッチを縦続接続した光ニューラルネットワーク(ONN:Optical Neural Network)アクセラレータが提案されている。
ONNアクセラレータは、初期的な音声認識などの分野で原理実証研究が行われている。さらに、ONNは複素NN(Neural Network)の一種であるため、振幅と位相、もしくはI軸とQ軸の2成分を利用することで、1つの入力につき2つのアナログ情報を含ませることができる。
ONNの入力には入力チャンネル数分の光IQ変調器が必要になる。光IQ変調器で生成される光アナログ信号は、任意の振幅と位相、もしくは任意のI成分とQ成分がそれぞれ指定できることが理想的だが、現実の光IQ変調器の出力するアナログ信号の階調は有限である。演算精度を確保するためには、ONNに入力する光アナログ信号の階調がある程度必要である。例えば、極めて基本的な文字認識用画像セットであるMNIST(Mixed National Institute of Standards and Technology database)ですら256階調のグレースケール画像からなる。
光アナログ信号の階調がそれぞれの応用分野でどれほど演算精度に影響を与えるかは別途検証する必要があるが、入力側が演算精度を引き下げるボトルネックにならないためにもONNへの高階調な入力が可能な光IQ変調器を実現する意義はある。
通信用途における光IQ変調器の歴史は古く、様々な構成が数多く提案されている。代表的な変調方式は、振幅位相変調(APSK:Amplitude Phase Shift Keying)と直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)である。ONNへの高次入力が必要とされる場合、APSKは、振幅値の大きな値ほど位相の設定が粗くなるためバランスが悪く、ONNの入力フォーマットとして適切ではない。QAMは、振幅値が大きな値ほど位相の設定が細かくでき、また信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise ratio)の均一性と維持の面で優れている。本発明では、光IQ変調器を用いてQAMを実現することを前提とする。
通信用途では高次の多値変調として16QAM、32QAM、64QAMが用いられる。64QAM以上の高次QAMについては、そもそもSNRの要求レベルが跳ね上がっていくので、光の減衰や環境雑音の大きな状況を想定している通信用途ではほとんど検討されていないのが現状である。しかし、チップ間やチップ上といったごく短い距離の通信あるいは演算においては、SNRの低減がほとんど無視できるので、より高階調な通信フォーマットの利用検討が進み、重要度が増す可能性が大いにある。
高次QAMを実現する光IQ変調器はさまざまな構成が提案されている(非特許文献1参照)。現状では一つの構成で複数の通信フォーマットに対応するため、再構成性を重視した構成が多い傾向にある。そもそも現状以上の多値変調を光回路側で実施することは想定外であり、高階調化は電気側のデジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)ならびにデジタル・アナログ変換器(DAC:Digital to Analog converter)を用いて多値化することが前提である。
仮に現状で知られている光IQ変調器の構成、例えば光IQ変調器を縦続接続した構成によって多値変調を実施すると、高階調化に伴って光の減衰、つまり挿入損失が増大するばかりか、入力側の電気的な雑音が蓄積してしまう。つまり現状の構成を用いる限り、短距離スケールでの単位電力あたりの通信容量の劇的な改善は望めない。ONN応用においても、DSPならびにDACの多用が前提となれば、結局非効率な構成となり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)によるNNと差別化できないことが懸念される。
Guo-Wei Lu,Takahide Sakamoto,Akito Chiba,Tetsuya Kawanishi,Tetsuya Miyazaki,Kaoru Higuma,Masaaki Sudo,and Junichiro Ichikawa,"Reconfigurable multilevel transmitter using monolithically integrated quad Mach-Zehnder IQ modulator for optical 16-QAM and 8-PSK generation",OPTICS EXPRESS,Vol.19,No.6,5596-5601,2011
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、低損失かつ高雑音耐性の高次のQAM変調器を実現することができる光IQ変調器を提供することを目的とする。
本発明の光IQ変調器は、入力光を2等分するように構成された1入力2出力のN個(Nは2以上の整数)の第1のY分岐素子と、前記N個の第1のY分岐素子によって分岐されたN個の連続光をそれぞれQPSK変調して信号光を生成するように構成されたN個の第1の変調器と、前記N個の第1の変調器によって生成された信号光をそれぞれ入力とする2入力1出力のN個の第1のY合流素子とを備え、前記N個の第1のY分岐素子は、単一の連続光を入力とする最上流の第1のY分岐素子を除く各第1のY分岐素子が、上流の第1のY分岐素子の2つの光出力ポートのうち第1の光出力ポートから出力される光を入力とするように縦続接続され、前記N個の第1のY分岐素子の第2の光出力ポートから得られた出力光を前記N個の第1の変調器への入力光とし、前記N個の第1の変調器は、それぞれ入力された連続光を、N×2ビットの電気デジタル信号のうちのI成分生成のためのビットとQ成分生成のためのビットとに応じてQPSK変調し、前記N個の第1のY合流素子は、最上流の第1のY合流素子を除く(N-1)個の第1のY合流素子が、上流の第1のY合流素子の光出力ポートから出力された光を第1の光入力ポートへの入力光とし、かつ最上流の第1のY合流素子を含むN個の第1のY合流素子が、前記N個の第1の変調器によって生成された信号光を第2の光入力ポートへの入力光とするように縦続接続され、最下流の前記第1のY合流素子から得られた出力光をQAM信号光として出力することを特徴とするものである。
また、本発明の光IQ変調器は、入力光を2等分するように構成された1入力2出力の第1のY分岐素子と、前記第1のY分岐素子によって分岐された一方の連続光を入力とし、Nビット(Nは2以上の整数)デジタル・アナログ演算の結果となる光を出力するように構成された第1のデジタル・アナログ変換器と、前記第1のY分岐素子によって分岐された他方の連続光を入力とし、Nビットデジタル・アナログ演算の結果となる光を出力するように構成された第2のデジタル・アナログ変換器と、前記第2のデジタル・アナログ変換器の出力光の位相をπ/2ずらすように構成された移相器と、前記第1のデジタル・アナログ変換器の出力光と前記移相器の出力光とを合流させて出力するように構成された2入力1出力の第1のY合流素子とを備え、前記第1のデジタル・アナログ変換器は、I成分生成のためのNビット電気デジタル信号に応じてNビットデジタル・アナログ演算を行い、前記第2のデジタル・アナログ変換器は、Q成分生成のためのNビット電気デジタル信号に応じてNビットデジタル・アナログ演算を行い、前記第1のY合流素子から得られた出力光をQAM信号光として出力することを特徴とするものである。
本発明によれば、1入力2出力のN個の第1のY分岐素子を縦続接続すると共に、2入力1出力のN個の第1のY合流素子を縦続接続し、N個の第1のY分岐素子によって分岐された連続光をそれぞれQPSK変調して第1のY合流素子の第2の光入力ポートへの信号光を生成するN個の第1の変調器を設けることにより、従来よりも低損失かつ高雑音耐性の高次のQAM変調器を実現することができる。
また、本発明では、1入力2出力の第1のY分岐素子と、第1のY分岐素子によって分岐された一方の連続光を入力とする第1のデジタル・アナログ変換器と、第1のY分岐素子によって分岐された他方の連続光を入力とする第2のデジタル・アナログ変換器と、第2のデジタル・アナログ変換器の出力光の位相をπ/2ずらす移相器と、第1のデジタル・アナログ変換器の出力光と移相器の出力光とを合流させる2入力1出力の第1のY合流素子とを設けることにより、従来よりも低損失かつ高雑音耐性の高次のQAM変調器を実現することができる。
本発明は、高階調化、つまり入力ビット数の増大に対してむしろ挿入損失が低減するものである。さらに、本発明では、電気光学変調器を縦続接続しないため、雑音の蓄積が抑えられ、SNRを改善することができる。一般的に光IQ変調器の多値変調にはDSPならびにDACを必要とするものが多いが、本発明ではDACの部分を光回路側が吸収している。つまり、電気デジタル信号から直接、光QAM信号を生成するため、DSPならびにDACを無くすことができる。したがって、本発明によれば、消費電力および回路面積の縮小が期待できる。
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る光IQ変調器の構成を示すブロック図、図2は光I/Q変調器の光出力信号をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。本実施例の光IQ変調器1は、256QAM信号を生成する256QAM変調器として機能する。光IQ変調器1は、特開2019-152848号公報に開示された光DACにおける位相変調器(PM:Phase Modulator)をQPSK変調器に置き換えたものである。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る光IQ変調器の構成を示すブロック図、図2は光I/Q変調器の光出力信号をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。本実施例の光IQ変調器1は、256QAM信号を生成する256QAM変調器として機能する。光IQ変調器1は、特開2019-152848号公報に開示された光DACにおける位相変調器(PM:Phase Modulator)をQPSK変調器に置き換えたものである。
具体的には、光IQ変調器1は、縦続接続された1入力2出力のN個のY分岐素子10-1~10-N(Nは2以上の整数で、本実施例ではN=4)と、初段のY分岐素子10-1の光入力ポートに接続された光導波路11-1と、(M-1)段目のY分岐素子10-(M-1)の一方の光出力ポートとM段目のY分岐素子10-Mの光入力ポートとを接続して、Y分岐素子10-(M-1)から出力された光をY分岐素子10-Mに入力する光導波路11-Mと(Mは2以上N以下の整数)、Y分岐素子10-1~10-Nの他方の光出力ポートに接続された光導波路12-1~12-Nと、一方の光入力ポートが光導波路12-N~12-1に接続され、他方の光入力ポートが前段のY合流素子の光出力ポートに接続されるように縦続接続された2入力1出力のN個のY合流素子15-1~15-Nと、初段のY合流素子15-1の他方の光入力ポートに接続された光導波路13-1と、(M-1)段目のY合流素子15-(M-1)の光出力ポートとM段目のY合流素子15-Mの他方の光入力ポートとを接続して、Y合流素子15-(M-1)から出力された光をY合流素子15-Mに入力する光導波路13-Mと、最終段のY合流素子15-Nの光出力ポートに接続された光導波路14と、光導波路12-1~12-Nに設けられ、入力された連続光を、N×2ビットの電気デジタル信号のうちのI成分生成のためのビットXとQ成分生成のためのビットYとに応じて変調するQPSK(Quadrature Phase shift Keying)変調器16-1~16-Nとを備えている。
Y分岐素子10-1~10-N、光導波路11-1~11-N,12-1~12-N,13-1~13-N,14およびY合流素子15-1~15-Nとしては、例えばPLC(Planar Lightwave Circuit)などの誘電体光配線、またはSi細線などの半導体光配線を用いることができる。
各Y分岐素子10-i(iは1~Nの整数)は、光導波路11-iの伝播光を2等分する(分岐比1:1)。このように、各Y分岐素子10-iは、単一の連続光を入力とする最上流のY分岐素子10-1を除く各Y分岐素子が、上流のY分岐素子の2つの光出力ポートのうち一方の光出力ポートから出力される光を入力とするように縦続接続されている。
これにより、単一の連続レーザ光源(不図示)から最上流のY分岐素子10-1に入力された連続光をN個の連続光に分岐させる。また、各光導波路12-k(kは1~N-1の整数)を伝搬する(N-1)個の連続光がそれぞれ隣接する下位ビット側の光導波路12-(k+1)を伝搬する連続光に対して2倍(3dB)の光強度を有するように、N個の連続光に光強度差を付与することができる。
QPSK変調器16-i(i=1~N)は、それぞれ対応する電気デジタル信号の2ビット入力Xi,Yiに応じて、光導波路12-iを伝搬する連続光の位相に4つの値を持たせるように変調する。
図3はQPSK変調器16-iの構成を示すブロック図、図4はQPSK変調器16-iの光出力信号をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。QPSK変調器16-iは、光入力ポートが光導波路12-iに接続された1入力2出力のY分岐素子160と、Y分岐素子160の一方の光出力ポートに接続された光導波路161と、Y分岐素子160の他方の光出力ポートに接続された光導波路162と、一方の光入力ポートが光導波路161に接続され、他方の光入力ポートが光導波路162に接続された2入力1出力のY合流素子163と、光導波路161に設けられた位相変調器164と、光導波路162に設けられた位相変調器165と、光導波路162に設けられた移相器166とから構成される。
Y分岐素子160は、光導波路12-iの伝播光を2等分する。位相変調器164は、対応する電気デジタル信号のビットXiが“0”の場合は光導波路161を伝播する連続光の位相を変化させずに出力し(同相)、ビットXiが“1”の場合は光導波路161を伝播する連続光の位相をπだけずらして出力する(逆相)。こうして、光導波路161を伝播する連続光に、電気デジタル信号のビットXiに応じて同相(0)または逆相(π)の位相が個別に割り当てられる。
同様に、位相変調器165は、対応する電気デジタル信号のビットYiが“0”の場合は光導波路162を伝播する連続光の位相を変化させずに出力し、ビットYiが“1”の場合は光導波路162を伝播する連続光の位相をπだけずらして出力する。
移相器166は、位相変調器165によって変調された光の位相をπ/2だけずらして出力する。
移相器166は、位相変調器165によって変調された光の位相をπ/2だけずらして出力する。
Y合流素子163は、光導波路161の伝搬光と光導波路162の伝播光とを等しい比率で合流させて出力する。
こうして、QPSK変調器16-iは、Y合流素子15-iの一方の光入力ポートへの信号光を生成する。
こうして、QPSK変調器16-iは、Y合流素子15-iの一方の光入力ポートへの信号光を生成する。
光導波路13-1は、ゼロ入力に対応する。すなわち、光導波路13-1には光を入力しない。
Y合流素子15-iは、光導波路13-iの伝搬光と光導波路12-j(j=N-i+1)の伝播光とを等しい比率(合流比1:1)で合流させて出力する。このように、各Y合流素子15-iは、QPSK変調器16-jによって変調された信号光を一方の光入力とし、最上流のY合流素子15-1を除く各Y合流素子が、上流のY合流素子の光出力ポートから出力された光を他方の光入力とするように縦続接続されている。
Y合流素子15-Nの出力をI成分、Q成分それぞれについてコヒーレント検波し、IQ平面についてプロットすると、図2に示したような256QAM信号となる。
QPSK変調器16-i(i=1~N)は、2つのアームを構成する光導波路161,162の出力光の相対位相差がゼロである必要がある。このような位相関係に調整するために以下の4とおりの入力を用いる。
(I)Xi,Yiの全てが“1”。
(II)Xi,Yiの全てが“0”。
(III)全てのXiが“1”かつ全てのYiが“0”。
(IV)全てのXiが“0”かつ全てのYiが“1”。
(I)Xi,Yiの全てが“1”。
(II)Xi,Yiの全てが“0”。
(III)全てのXiが“1”かつ全てのYiが“0”。
(IV)全てのXiが“0”かつ全てのYiが“1”。
これら(I)~(IV)の4とおりの入力は図2のIQ平面の4隅の出力に対応する。したがって、これら4とおりの入力に対して光IQ変調器1の出力光のI成分およびQ成分の振幅値の絶対値が全て等しく、なおかつ最大化されるように、全てのQPSK変調器16-i中の位相変調器164,165と移相器166の相対位相を予め調整しておけばよい。調整が完了すると、各位相変調器164,165への入力“1”,“0”は、相対位相が0(同相)もしくはπ(逆相)に調整されたことになる。
こうして、本実施例では、従来よりも低損失の高次のQAM変調器を実現することができる。
なお、本実施例ではN=4としているが、本発明はN=4に限るものではない。本実施例では、Nをより高い値に設定することで、256QAM以上の高次のQAMを実現することが可能である。
なお、本実施例ではN=4としているが、本発明はN=4に限るものではない。本実施例では、Nをより高い値に設定することで、256QAM以上の高次のQAMを実現することが可能である。
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図5は本発明の第2の実施例に係る光IQ変調器の構成を示すブロック図、図6は光I/Q変調器の光出力信号をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。本実施例の光IQ変調器1aは、256QAM信号を生成する256QAM変調器として機能する。光IQ変調器1aは、図3に示したQPSK変調器の位相変調器164,165を特開2019-152848号公報に開示された光DACに置き換えたものである。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図5は本発明の第2の実施例に係る光IQ変調器の構成を示すブロック図、図6は光I/Q変調器の光出力信号をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。本実施例の光IQ変調器1aは、256QAM信号を生成する256QAM変調器として機能する。光IQ変調器1aは、図3に示したQPSK変調器の位相変調器164,165を特開2019-152848号公報に開示された光DACに置き換えたものである。
具体的には、光IQ変調器1aは、1入力2出力のY分岐素子20と、Y分岐素子20の光入力ポートに接続された光導波路21と、Y分岐素子20の一方の光出力ポートに接続された光導波路22と、Y分岐素子20の他方の光出力ポートに接続された光導波路23と、一方の光入力ポートが光導波路22に接続され、他方の光入力ポートが光導波路23に接続された2入力1出力のY合流素子24と、Y合流素子24の光出力ポートに接続された光導波路25と、光導波路22に設けられ、Nビット(Nは2以上の整数で、本実施例ではN=4)デジタル・アナログ演算の結果となる光を出力するNビット光DAC26と、光導波路23に設けられ、Nビットデジタル・アナログ演算の結果となる光を出力するNビット光DAC27と、光導波路23に設けられた移相器28とを備えている。Nビット光DAC26はI成分の信号生成に対応し、Nビット光DAC27はQ成分の信号生成に対応している。
Y分岐素子20は、単一の連続レーザ光源(不図示)から入力された連続光を2等分する。
Nビット光DAC26は、I成分生成のためのNビット電気デジタル信号X1,X2.X3,X4に応じた強度の光信号を出力する。
Nビット光DAC27は、Q成分生成のためのNビット電気デジタル信号Y1,Y2.Y3,Y4に応じた強度の光信号を出力する。
Nビット光DAC26は、I成分生成のためのNビット電気デジタル信号X1,X2.X3,X4に応じた強度の光信号を出力する。
Nビット光DAC27は、Q成分生成のためのNビット電気デジタル信号Y1,Y2.Y3,Y4に応じた強度の光信号を出力する。
図7はNビット光DAC26の構成を示すブロック図、図8はNビット光DAC26の光出力信号をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。Nビット光DAC26は、縦続接続された1入力2出力のN個のY分岐素子260-1~260-Nと、初段のY分岐素子260-1の光入力ポートに接続された光導波路261-1と、(M-1)段目のY分岐素子260-(M-1)の一方の光出力ポートとM段目のY分岐素子260-Mの光入力ポートとを接続して、Y分岐素子260-(M-1)から出力された光をY分岐素子260-Mに入力する光導波路261-Mと(M=2~N)、Y分岐素子260-1~260-Nの他方の光出力ポートに接続された光導波路262-N~262-1と、一方の光入力ポートが光導波路262-1~262-Nに接続され、他方の光入力ポートが前段のY合流素子の光出力ポートに接続されるように縦続接続された2入力1出力のN個のY合流素子263-1~263-Nと、初段のY合流素子263-1の他方の光入力ポートに接続された光導波路264-1と、(M-1)段目のY合流素子263-(M-1)の光出力ポートとM段目のY合流素子263-Mの他方の光入力ポートとを接続して、Y合流素子263-(M-1)から出力された光をY合流素子263-Mに入力する光導波路264-Mと、最終段のY合流素子263-Nの光出力ポートに接続された光導波路265と、光導波路262-1~262-Nに設けられたN個の位相変調器266-1~266-Nとから構成される。
各Y分岐素子260-i(i=1~N)は、光導波路261-iの伝播光を2等分する。このように、各Y分岐素子260-iは、単一の連続光を入力とする最上流のY分岐素子260-1を除く各Y分岐素子が、上流のY分岐素子の2つの光出力ポートのうち一方の光出力ポートから出力される光を入力とするように縦続接続されている。
これにより、光導波路22からの連続光をNビット電気デジタル信号の各ビットX1,X2.X3,X4に対応するN個の連続光に分岐させると共に、Nビット電気デジタル信号の最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)X1を除く各ビットに対応する(N-1)個の連続光がそれぞれ隣接する下位ビットに対応する連続光に対して2倍(3dB)の光強度を有するように、N個の連続光に光強度差を付与することができる。
Nビット電気デジタル信号の最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)X4から数えてi番目のビットに対応する光は、最上流からi番目のY分岐素子260-iの2つの光出力ポートのうち後段のY分岐素子が接続されていない光出力ポートから出力される。光導波路262-iへの光入力は、LSBから数えてi番目のビットの入力に対応する。
Nビット電気デジタル信号のビット毎に設けられた位相変調器266-1~266-Nは、それぞれ対応する電気デジタル信号のビットX1,X2.X3,X4が“0”の場合は光導波路262-1~262-Nを伝播する連続光の位相を変化させずに出力する。また、位相変調器266-1~266-Nは、それぞれビットX1,X2.X3,X4が“1”の場合は光導波路262-1~262-Nを伝播する連続光の位相をπだけずらして出力する。
光導波路264-1は、ゼロ入力に対応する。すなわち、光導波路264-1には光を入力しない。
Y合流素子263-iは、光導波路264-iの伝搬光と光導波路262-iの伝播光とを等しい比率で合流させて出力する。このように、各Y合流素子263-iは、位相変調器266-iによって変調された信号光を一方の光入力とし、最上流のY合流素子263-1を除く各Y合流素子が、上流のY合流素子の光出力ポートから出力された光を他方の光入力とするように縦続接続されている。
これにより、位相変調器266-1~266-Nによって変調されたN個の信号光を1つに合流させると共に、Nビット電気デジタル信号の最下位ビットX1を除く各ビットに対応する(N-1)個の信号光がそれぞれ隣接する下位ビットに対応する連続光に対して2倍(3dB)の光強度を有するように、N個の信号光に光強度差を付与することができる。
以上のNビット光DAC26の構成は、特開2019-152848号公報に開示されている。
Nビット光DAC27の構成と動作は、Nビット電気デジタル信号X1,X2.X3,X4の代わりに、Nビット電気デジタル信号Y1,Y2.Y3,Y4が入力されること以外はNビット光DAC26と同じである。
Nビット光DAC27の構成と動作は、Nビット電気デジタル信号X1,X2.X3,X4の代わりに、Nビット電気デジタル信号Y1,Y2.Y3,Y4が入力されること以外はNビット光DAC26と同じである。
光IQ変調器1aの移相器28は、Nビット光DAC27によって変調された光の位相をπ/2だけずらして出力する。
光IQ変調器1aのY合流素子24は、光導波路22の伝搬光と光導波路23の伝播光とを等しい比率で合流させて出力する。
光IQ変調器1aのY合流素子24は、光導波路22の伝搬光と光導波路23の伝播光とを等しい比率で合流させて出力する。
Y合流素子24の出力をI成分、Q成分それぞれについてコヒーレント検波し、IQ平面についてプロットすると、図6に示したような256QAM信号となる。
調整方法は第1の実施例と同様である。具体的には、上記の(I)~(IV)の4とおりの入力に対して光IQ変調器1aの出力光のI成分およびQ成分の振幅値の絶対値が全て等しく、なおかつ最大化されるように、Nビット光DAC26,27中の位相変調器266-1~266-Nと移相器28の相対位相を予め調整しておけばよい。
調整方法は第1の実施例と同様である。具体的には、上記の(I)~(IV)の4とおりの入力に対して光IQ変調器1aの出力光のI成分およびQ成分の振幅値の絶対値が全て等しく、なおかつ最大化されるように、Nビット光DAC26,27中の位相変調器266-1~266-Nと移相器28の相対位相を予め調整しておけばよい。
第1の実施例と本実施例に性能差はない。第1の実施例と本実施例の違いは、第1の実施例ではI成分の信号生成のためのビットXとQ成分の信号生成のためのビットYとが各QPSK変調器に並列に入力され、第2の実施例ではビットXとビットYが別々のNビット光DACに分離して入力されることである。第1の実施例と本実施例のどちらを利用するかは、電気回路側の都合で決定すればよい。
第1の実施例と同様に、本実施例ではN=4としているが、本発明はN=4に限るものではない。本実施例では、Nをより高い値に設定することで、256QAM以上の高次のQAMを実現することが可能である。
第1、第2の実施例の光IQ変調器1,1aのQPSK変調器数に対する最大出力振幅を図9に示す。横軸のQPSK変調器数は、入力ビット数(N×2)の半数に対応する。したがって、QPSK変調器数が多ければ多いほど、より多ビットの高階調出力が可能になることを意味する。なお、第2の実施例の光IQ変調器1aの場合は、図9の横軸はNビット光DAC26,27中の位相変調器数となる。図9の縦軸は、従来の光IQ変調器の最大出力振幅で規格化した光IQ変調器1,1aの振幅を示している。
図10は従来の光IQ変調器の構成を示すブロック図、図11は光I/Q変調器の光出力信号をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。従来の光IQ変調器3は、光導波路30,32,33,36~39,42,43,45と、1入力2出力のY分岐素子31,34,35と、2入力1出力のY合流素子40,41.44と、光導波路36~39に設けられたQPSK変調器46-4~46-1と、光導波路38に設けられた6dBの損失の固定光減衰器47と、光導波路37に設けられた12dBの損失の固定光減衰器48と、光導波路36に設けられた18dBの損失の固定光減衰器49とから構成される。
図10の例は、QPSK変調器数を4(N=4)とした例であり、256QAM変調器として機能する。従来の光IQ変調器3では、光の分岐・合流でビットの重み付けが一切なされないため、光導波路38~36に挿入されている固定光減衰器47~49により重み付けを実施する。したがって、第1、第2の実施例よりも挿入損失が増大する。また、シンボル数が増えると挿入損失がさらに増大する。
図9より、第1、第2の実施例の光IQ変調器1,1aはいずれも従来の構成よりも高階調化に適していることが分かる。
図9より、第1、第2の実施例の光IQ変調器1,1aはいずれも従来の構成よりも高階調化に適していることが分かる。
第1、第2の実施例の光IQ変調器1,1aと従来の光IQ変調器3の3種類の構成について動作検証のために数値シミュレーションを実施した。ここでは、Optiwave社のソフトウェアであるOptisystemを利用してシミュレーションを実施した。動作検証に用いた光回路の構成を図12に示す。
図12の光回路は、連続レーザ光源50と、光導波路51,53,54,57~60,65~68と、1入力2出力のY分岐素子52,55,56と、光導波路58と光導波路59を立体交差させる交差光導波路61と、光導波路60の伝搬光の位相をπ/2ずらす移相器62と、光導波路57と光導波路59の伝播光を合流させ2等分して出力する2×2カプラ63と、光導波路58と光導波路60の伝播光を合流させ2等分して出力する2×2カプラ64と、2×2カプラ63の一方の出力光を電気信号に変換する検出器69と、2×2カプラ63の他方の出力光を電気信号に変換する検出器70と、検出器69,70から出力された電気信号の差分を求める減算器71と、2×2カプラ64の一方の出力光を電気信号に変換する検出器72と、2×2カプラ64の他方の出力光を電気信号に変換する検出器73と、検出器72,73から出力された電気信号の差分を求める減算器74とを備えている。
第1、第2の実施例の光IQ変調器1,1aと従来の光IQ変調器3のうちいずれか1つが、光導波路53内の75の部分に挿入される。
図12はいわゆるコヒーレント検波をする場合の光回路を示している。図12の例では、連続レーザ光源50からの連続光をY分岐素子52によって2等分して、一方の連続光を光IQ変調器に入力する。Y分岐素子52によって分岐された他方の連続光は、光導波路54とY分岐素子56と光導波路59を伝搬し、参照光として2×2カプラ63に入力される。
図12はいわゆるコヒーレント検波をする場合の光回路を示している。図12の例では、連続レーザ光源50からの連続光をY分岐素子52によって2等分して、一方の連続光を光IQ変調器に入力する。Y分岐素子52によって分岐された他方の連続光は、光導波路54とY分岐素子56と光導波路59を伝搬し、参照光として2×2カプラ63に入力される。
2×2カプラ63は、参照光と光IQ変調器の出力光とを等しい比率で合流させ2等分して出力する。検出器69.70は、それぞれ2×2カプラ63の2つの出力光を電気信号に変換する。減算器71は、検出器69,70から出力された2つの電気信号の差分を求める。こうして、検出器69.70と減算器71とからなるバランスド検出器(Balanced receivers)の構成を用いることにより、I成分を検出することができる。
一方、2×2カプラ64は、移相器62によってπ/2だけ位相シフトされた参照光と光IQ変調器の出力光とを等しい比率で合流させ2等分して出力する。検出器72.73は、それぞれ2×2カプラ64の2つの出力光を電気信号に変換する。減算器74は、検出器72,73から出力された2つの電気信号の差分を求める。こうして、検出器72,73と減算器74とからなるバランスド検出器の構成を用いることにより、Q成分を検出することができる。
図13Aは第1の実施例の光IQ変調器1を図12の光回路の光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。図13Bは従来の光IQ変調器3を光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。
図12の光回路を用いたシミュレーションでは、シンボルレートを10GS/sとしている。レーザ光源50については、波長を1550nm、光強度を10dBmとしている。光IQ変調器1,1a,3で用いる各位相変調器への雑音スペクトルパワー密度(NSPD:Noise Spectral Power Density)は、-120dBm/Hzである。検出器69,70,72,73としては、Optilab社製のInGaAs系光検出器であるPD-40を用いることを仮定した。この光検出器の変換効率は0.8A/W、RF(Radio Frequency)帯域は40GHzである。また、全ての受動素子の挿入損失を0dBと仮定している。
図13A、図13Bを比較すると、図13Aの方が振幅値が大きく、信号がより明瞭である。振幅の違いが凡そ2倍、すなわち挿入損失で6dBの差があることから、従来の光IQ変調器3よりも第1の実施例の光IQ変調器1の方がSNRの向上に有利であることが分かる。
第1、第2の実施例では、N=4とし、256QAM変調器を実現しているが、さらに高次のQAM変調器を実現することも可能である。
図14Aは第1の実施例においてN=6とした光IQ変調器を図12の光回路の光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。図14Bは図9の従来の構成においてQPSK変調器を6つ並列に接続した光IQ変調器を光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。図15A、図15Bはそれぞれ図14A、図14Bを拡大した図である。
図14Aは第1の実施例においてN=6とした光IQ変調器を図12の光回路の光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。図14Bは図9の従来の構成においてQPSK変調器を6つ並列に接続した光IQ変調器を光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。図15A、図15Bはそれぞれ図14A、図14Bを拡大した図である。
第1の実施例においてN=6とし、従来の構成においてQPSK変調器を6つ並列に接続することにより、4096QAM変調器を実現することができる。シミュレーションの条件は、NSPDを-130dBm/Hzと小さく設定したこと以外は、256QAM変調器の場合と同じである。
図14A、図14Bを比較すると、図14Aの方が振幅値が大きく、信号がより明瞭である。高次のQAM変調器になると、第1の実施例と従来の構成の挿入損失の差が広がる。高次のQAMになるほど従来の構成では損失が増大するが、第1の実施例ではむしろ損失が減少する。図15A、図15Bからも分かるとおり、第1の実施例の方が同じ入力パワーに対してSNRが良くなることは明白である。
図16Aは第1の実施例の光IQ変調器1を図12の光回路の光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。図16Bは第2の実施例の光IQ変調器1aを光導波路53内に挿入した場合のシミュレーション結果をIQ平面上にコンスタレーション表示した図である。
シミュレーションの条件は、図13A、図13Bの場合と同一である。図16A、図16Bから明らかなとおり、光IQ変調器1,1aのSNRは同等で、光IQ変調器1,1aに性能差がないことが分かる。
第1、第2の実施例の光IQ変調器1,1aを光アクセラレータに用いる場合の利用形態を図17A、図17Bに示す。図17A、図17Bの例では、光アクセラレータ回路102の入力数n(nは2以上の整数)の個数だけ光IQ変調器1または1aを接続する。
図17Aに示すように、光源100が1つの場合は1:nのスプリッタ101を利用して同じ光を各光IQ変調器に供給することにより、安定したベクトル演算などのコヒーレントな演算が可能になる。ただし、各光IQ変調器への入力光強度が低下するという問題がある。
一方、図17Bに示すようにn個の光源100-1~100-nを用いる場合は、各光IQ変調器への入力光強度が増大する。ただし、各光源の波長のモニタリングおよび波長のフィードバック補正などが必要になるという問題がある。
光アクセラレータ回路102の演算の結果は、m個(mは2以上の整数)の検出器103-1~103-mで取り出す。あるいは、m組のバランスド検出器を用いてもよいし、シングルの検出器103とバランスド検出器とを組み合わせてもよい。
本発明は、光IQ変調器に適用することができる。
1,1a…光IQ変調器、10,20,160,260…Y分岐素子、11~14,21~23,25,161,162,261,262,264,265…光導波路、15,24,163,263…Y合流素子、16…QPSK変調器、26,27…光DAC、28,166…移相器、164,165,266…位相変調器。
Claims (4)
- 入力光を2等分するように構成された1入力2出力のN個(Nは2以上の整数)の第1のY分岐素子と、
前記N個の第1のY分岐素子によって分岐されたN個の連続光をそれぞれQPSK変調して信号光を生成するように構成されたN個の第1の変調器と、
前記N個の第1の変調器によって生成された信号光をそれぞれ入力とする2入力1出力のN個の第1のY合流素子とを備え、
前記N個の第1のY分岐素子は、単一の連続光を入力とする最上流の第1のY分岐素子を除く各第1のY分岐素子が、上流の第1のY分岐素子の2つの光出力ポートのうち第1の光出力ポートから出力される光を入力とするように縦続接続され、
前記N個の第1のY分岐素子の第2の光出力ポートから得られた出力光を前記N個の第1の変調器への入力光とし、
前記N個の第1の変調器は、それぞれ入力された連続光を、N×2ビットの電気デジタル信号のうちのI成分生成のためのビットとQ成分生成のためのビットとに応じてQPSK変調し、
前記N個の第1のY合流素子は、最上流の第1のY合流素子を除く(N-1)個の第1のY合流素子が、上流の第1のY合流素子の光出力ポートから出力された光を第1の光入力ポートへの入力光とし、かつ最上流の第1のY合流素子を含むN個の第1のY合流素子が、前記N個の第1の変調器によって生成された信号光を第2の光入力ポートへの入力光とするように縦続接続され、
最下流の前記第1のY合流素子から得られた出力光をQAM信号光として出力することを特徴とする光IQ変調器。 - 請求項1記載の光IQ変調器において、
前記N個の第1の変調器のそれぞれは、
入力光を2等分するように構成された1入力2出力の第2のY分岐素子と、
前記第2のY分岐素子によって分岐された一方の連続光を、N×2ビットの電気デジタル信号のうちのI成分生成のためのビットに応じて位相変調するように構成された第2の変調器と、
前記第2のY分岐素子によって分岐された他方の連続光を、N×2ビットの電気デジタル信号のうちのQ成分生成のためのビットに応じて位相変調するように構成された第3の変調器と、
前記第3の変調器の出力光の位相をπ/2ずらすように構成された移相器と、
前記第2の変調器の出力光と前記移相器の出力光とを合流させて出力するように構成された2入力1出力の第2のY合流素子とを備えることを特徴とする光IQ変調器。 - 入力光を2等分するように構成された1入力2出力の第1のY分岐素子と、
前記第1のY分岐素子によって分岐された一方の連続光を入力とし、Nビット(Nは2以上の整数)デジタル・アナログ演算の結果となる光を出力するように構成された第1のデジタル・アナログ変換器と、
前記第1のY分岐素子によって分岐された他方の連続光を入力とし、Nビットデジタル・アナログ演算の結果となる光を出力するように構成された第2のデジタル・アナログ変換器と、
前記第2のデジタル・アナログ変換器の出力光の位相をπ/2ずらすように構成された移相器と、
前記第1のデジタル・アナログ変換器の出力光と前記移相器の出力光とを合流させて出力するように構成された2入力1出力の第1のY合流素子とを備え、
前記第1のデジタル・アナログ変換器は、I成分生成のためのNビット電気デジタル信号に応じてNビットデジタル・アナログ演算を行い、
前記第2のデジタル・アナログ変換器は、Q成分生成のためのNビット電気デジタル信号に応じてNビットデジタル・アナログ演算を行い、
前記第1のY合流素子から得られた出力光をQAM信号光として出力することを特徴とする光IQ変調器。 - 請求項3記載の光IQ変調器において、
前記第1のデジタル・アナログ変換器は、
入力光を2等分するように構成された1入力2出力のN個の第2のY分岐素子と、
前記N個の第2のY分岐素子によって分岐されたN個の連続光をそれぞれ位相変調して信号光を生成するように構成されたN個の第1の変調器と、
前記N個の第1の変調器によって生成された信号光をそれぞれ入力とする2入力1出力のN個の第2のY合流素子とを備え、
前記N個の第2のY分岐素子は、前記第1のY分岐素子からの連続光を入力とする最上流の第2のY分岐素子を除く各第2のY分岐素子が、上流の第2のY分岐素子の2つの光出力ポートのうち第1の光出力ポートから出力される光を入力とするように縦続接続され、
前記N個の第2のY分岐素子の第2の光出力ポートから得られた出力光を前記N個の第1の変調器への入力光とし、
前記N個の第1の変調器は、それぞれ入力された連続光を、I成分生成のためのNビット電気デジタル信号のうちの対応するビットに応じて位相変調し、
前記N個の第2のY合流素子は、最上流の第2のY合流素子を除く(N-1)個の第2のY合流素子が、上流の第2のY合流素子の光出力ポートから出力された光を第1の光入力ポートへの入力光とし、かつ最上流の第2のY合流素子を含むN個の第2のY合流素子が、前記N個の第1の変調器によって生成された信号光を第2の光入力ポートへの入力光とするように縦続接続され、
最下流の前記第2のY合流素子から得られた出力光をNビットデジタル・アナログ演算の結果として出力し、
前記第2のデジタル・アナログ変換器は、
入力光を2等分するように構成された1入力2出力のN個の第3のY分岐素子と、
前記N個の第3のY分岐素子によって分岐されたN個の連続光をそれぞれ位相変調して信号光を生成するように構成されたN個の第2の変調器と、
前記N個の第2の変調器によって生成された信号光をそれぞれ入力とする2入力1出力のN個の第3のY合流素子とを備え、
前記N個の第3のY分岐素子は、前記第1のY分岐素子からの連続光を入力とする最上流の第3のY分岐素子を除く各第3のY分岐素子が、上流の第3のY分岐素子の2つの光出力ポートのうち第1の光出力ポートから出力される光を入力とするように縦続接続され、
前記N個の第3のY分岐素子の第3の光出力ポートから得られた出力光を前記N個の第2の変調器への入力光とし、
前記N個の第2の変調器は、それぞれ入力された連続光を、Q成分生成のためのNビット電気デジタル信号のうちの対応するビットに応じて位相変調し、
前記N個の第3のY合流素子は、最上流の第3のY合流素子を除く(N-1)個の第3のY合流素子が、上流の第3のY合流素子の光出力ポートから出力された光を第1の光入力ポートへの入力光とし、かつ最上流の第3のY合流素子を含むN個の第3のY合流素子が、前記N個の第2の変調器によって生成された信号光を第3の光入力ポートへの入力光とするように縦続接続され、
最下流の前記第3のY合流素子から得られた出力光をNビットデジタル・アナログ演算の結果として出力することを特徴とする光IQ変調器。
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