JP7322996B2 - 印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラム - Google Patents

印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7322996B2
JP7322996B2 JP2022063250A JP2022063250A JP7322996B2 JP 7322996 B2 JP7322996 B2 JP 7322996B2 JP 2022063250 A JP2022063250 A JP 2022063250A JP 2022063250 A JP2022063250 A JP 2022063250A JP 7322996 B2 JP7322996 B2 JP 7322996B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
liquid agent
stirring
information
reservoir
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022063250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023008806A (ja
Inventor
文裕 刑部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to US17/838,912 priority Critical patent/US20230001720A1/en
Priority to CN202210773438.8A priority patent/CN115624687A/zh
Publication of JP2023008806A publication Critical patent/JP2023008806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7322996B2 publication Critical patent/JP7322996B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラムに関するものである。
人の肌に化粧を施す場合には、スポンジやブラシ等の化粧用具を用いて、人が化粧料を肌に塗布するが、近年、このような人による塗布作業に替えて、肌色等の液剤(化粧用インク)を肌に塗布(印刷)する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この装置によれば、インクジェット方式でノズルから肌用の液剤(処置用組成物)を噴射させて肌表面に塗布し、肌において偏差のある部分に被膜を形成することができる。
特開2019-141684号公報
しかしながら、印刷に用いられるインク等の液剤は、溶媒に各種の溶質が溶け込んだ混合物である。溶質の比重が溶媒の比重よりも大きい場合、液剤を静状態(振動などの運動が殆ど無い状態)とさせておくと次第に溶媒と溶質とが分離して容器の底部に溶質が沈降する。
このような分離・沈降が生じている液剤で印刷を行おうとすると、液剤を吐出させるノズルが目詰まりして吐出不良を起こしたり、溶質の混合割合の多い状態で液剤が吐出され、本来予定された色よりも濃くなって色むらを生じてしまう等の問題があった。
この点、液剤が貯留されている容器(貯留部)をユーザが振ることによって容器内の液剤を撹拌し、溶媒と溶質との分離を解消することも考えられる。
しかし、ユーザにとっては、どの程度容器(貯留部)を振ればいいのかが分からず、撹拌が足りなかったり、逆に振り過ぎて液剤が泡立ったり装置等に影響を与えてしまうおそれもある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、液剤を適切に分散させることのできる印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラムを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、
液剤を貯留する貯留部を保持可能な自装置本体と、
少なくとも前記貯留部の運動の状態を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記貯留部の運動の状態に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を使用可能な状態となるようにするための、ユーザにより前記貯留部に対して行われる撹拌動作を示す分散情報を出力する情報出力部と、
を備えることを特徴としている。
本発明によれば、液剤を適切に分散させることができるとの効果を奏する。
本実施形態に係る印刷装置の装置本体の外観構成を示す要部斜視図である。 本実施形態に係る印刷装置の前後方向に垂直な面での要部断面図であり、印刷装置の要部内部構成を模式的に示す図である。 本実施形態に係る印刷装置及びこれと連携する端末装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 貯留部内の液剤の状態を模式的に示した貯留部の断面図であり、(a)は、均一に撹拌された状態を示し、(b)~(d)は、徐々に液剤の分離が進んでいく様子を示している。 貯留部の静状態時間と貯留部内の液剤の分離の傾向を示すグラフである。 (a)~(c)は、撹拌動作の動作パターン例を示す図である。 本実施形態における撹拌処理を示すフローチャートである。
図1から図7を参照しつつ、本発明に係る印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラムの一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態における印刷装置(装置本体)の要部外観構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す印刷装置の模式的な要部断面図である。
なお、以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、図1に示した向きをいうものとする。また、X方向、Y方向、Z方向は、各図に示した方向をいうものとする。
また本実施形態では印刷装置1が外部装置である端末装置と連携して動作するようになっている。図3は、印刷装置及びこれと連携する端末装置の機能的構成を示す要部ブロック図である。
本実施形態の印刷装置1(後述の装置本体(自装置本体)100)は、片手で持つことができる程度の大きさ(図6(a)~図6(c)参照)に形成され、手で持ったまま使用することのできるハンディタイプの印刷装置(塗布装置)である。
印刷装置1は、例えば人の肌表面を印刷対象(塗布対象)とし、肌色等の液剤3(化粧用インク、図4(a)~図4(d)参照)を肌表面に塗布(印刷)するものであって、ユーザにより印刷対象(塗布対象)上に持ち運ばれて使用される。なお、本発明における印刷装置1の印刷対象(塗布対象)は人の肌表面に限るものではない。例えば爪の上に白色等の下地用インクを塗布するもの等であってもよい。
図2に示すように印刷装置1は、装置本体100と、不使用時(非印刷時)に装置本体100が載置される、スタンド(載置部)200(図2参照)とを有している。
スタンド200には後述の印刷ヘッド41の吐出部(吐出面)412を覆って保護するキャップ機構201等が設けられており、印刷装置1は、不使用時(非印刷時)には装置本体100をスタンド200に載置するよう推奨されている。
スタンド200には装置本体100が載置されているか否かを検出する本体検出部75(図3参照)が設けられている。
本体検出部75は、例えば接触センサや圧力センサ等で構成されている。なお、本体検出部75はスタンド200上の装置本体100の有無を検出可能であればよく、その構成は特に限定されない。
図1等に示すように、印刷装置1(装置本体100)は、ほぼ箱形に形成された筐体2を有している。
筐体2の下面には、図2に示すように、前後方向の前方寄りであって左右方向の中程の位置に開口部21が設けられている。
開口部21は、後述の印刷ヘッド41の吐出部412を外部に露出させることができる程度の大きさに形成されている。なお開口部21の具体的な形状や大きさ等は特に限定されない。
また筐体2の上面には、操作部11や各種ランプ部16等が設けられている。
操作部11は、ユーザが各種入力を行うものであって、電源ボタン111と印刷ボタン112とを含む。電源ボタン111は、印刷装置1の電源をON/OFFする電源スイッチボタンであり、印刷ボタン112は印刷開始を指示する印刷開始ボタン等、各種の入力を行うための操作ボタンである。例えばユーザが電源ボタン111の押下操作を行うと、操作に応じた指示信号が後述の制御装置7(図3参照)に出力されて、印刷装置1の電源がON/OFFされる。
ランプ部16は、電源LED(Light Emitting Diode)161と、無線LAN(Local Area Network)LED162と、を有する。電源LED161は、光源としてのLEDを有し、装置本体100の電源オンの状態でLEDが点灯され、電源オフの状態でLEDが消灯される。また、後述するように電源LED161は撹拌情報に応じた点灯を行っても良い。無線LANLED162は、光源としてのLEDを有し、装置本体100と後述する端末装置8との無線LAN通信の通信接続中の状態でLEDが点灯され、無線LAN通信の通信接続中でない状態でLEDが消灯される。
本実施形態においてランプ部16は、ユーザに対して各種の報知を行う報知部としても機能する。
例えば、ランプ部16は、各種の色で点灯させたり、各種のパターンで点滅させたりすることができ、こうした点灯色や点滅の具合等によって、様々な情報等をユーザに報知する。
例えば貯留部411内の液剤3(図4(a)~図4(d)参照)に対する撹拌情報(すなわち、貯留部411内の液剤3を分散させる動作を示す「分散情報」)が、短時間の軽度の解消動作(本実施形態において、以下「撹拌動作」又は単に「撹拌」という。)で足りるというものである場合には、電源LED161を例えば0.5秒間隔等で点滅させる。また激しい撹拌動作を長時間行う必要があるという場合には、電源LED161を例えば0.1秒間隔等で点滅させる等、点灯(点滅)させるパターンで分散情報としての「撹拌情報」を報知する。
さらに、撹拌動作が行われている場合、例えばまだ撹拌が不十分である場合には電源LED161を点滅させ続け、撹拌し過ぎているため直ちに撹拌動作を止めるべき場合には電源LED161の点滅を止める(点灯した状態のままにする)等、撹拌状況に応じて、撹拌に関する動作指示(指示内容)をユーザに報知する。
なお、電源LED161に替えて又は電源LED161とともに、図示しないインジケータや表示部等が設けられていてもよく、この場合にはインジケータや表示部等が報知部として機能してもよい。
また、撹拌情報に応じて、電源LED161ではなく、無線LANLED162を点灯させるパターンを変えても良いし、電源LED161と無線LANLED162との点灯パターンを組み合わせても良い。
また、電源LED161と無線LANLED162とは同じ色のLEDであっても良いし、異なる色のLEDであっても良い。異なる色のLEDである場合には、撹拌情報に応じていずれか一方を点灯(点滅)させても良い。また、電源LED161及び無線LANLED162は、単色のLEDであっても良いし、マルチカラーのLEDであっても良い。
また、筐体2各部の形状、操作部11及びランプ部16の数や配置等は図示例に限定されない。例えば操作部11やランプ部16は筐体2の側面等に設けられていてもよい。
筐体2の内部には、印刷部4、撮影部5等が設けられている。
印刷部4は、印刷ヘッド41と、印刷ヘッド41を装置の前後方向(図1、図2におけるX方向)に移動させるためのヘッド移動機構45(図3参照)等を備えている。
印刷ヘッド41は、印刷対象(本実施形態では肌表面)に印刷を行うものである。
印刷ヘッド41としては、液剤3(本実施形態では肌色等の化粧用インク)を貯留する貯留部411と、この液剤3(インク)を吐出させる吐出部412(図示しないノズルが設けられた吐出面)とを備えるカートリッジ一体型の印刷ヘッドが想定される。
吐出部412は、印刷ヘッド41の下面(印刷対象である肌表面と対向する面)に設けられており、吐出部412は常態において筐体2の開口部21から下方に露出されている。
なお、印刷ヘッド41は、貯留部411と吐出部412(吐出機構部分)とが一体となった構成のものに限定されない。例えば、貯留部411が液剤3を吐出させる吐出部412(吐出機構部分)とは別に構成さられ、印刷の際には貯留部411を、供給管等を介して吐出部412(吐出機構部分)と接続する構成のものであってもよい。
本実施形態の印刷ヘッド41は、吐出部412から微滴化した液剤3(インク)を印刷対象(肌表面)に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式のインクジェットヘッドである。
本実施形態における液剤3(図4(a)~図4(d)参照)は、溶媒31に各種の溶質32が溶け込んだ混合物である。
液剤3は、具体的には水等を溶媒31とし、酸化チタン等を溶質32とする化粧用インクであり、白色から肌色若しくはこれに近い色(例えば薄いピンク色や薄い黄色、薄いオレンジ色等)の液剤である。なお、印刷ヘッド41は、各種の色や溶質32の配合割合の異なる液剤3を貯留する貯留部411を有するものが複数種類用意されていてもよい。この場合には、ユーザが好み等に応じて印刷に用いる印刷ヘッド41を適宜選択して印刷装置1に装着する。
なお、液剤3については、のちに詳述する。
印刷ヘッド41(印刷ヘッド41の貯留部411)は、保持部としてのキャリッジ42に搭載(保持)された状態で、当該キャリッジ42をX方向(装置の前後方向)に移動(走査)させるためのX方向移動ステージに支持されている。
ヘッド移動機構45(図3参照)は、印刷ヘッド41(キャリッジ42)をX方向に適宜移動させる駆動部としてのX方向移動モータ46(図3参照)等を備えて構成されている。X方向移動モータ46が駆動することにより、キャリッジ42に搭載された印刷ヘッド41が、X方向移動ステージに設けられたX方向ガイド43に沿ってX方向に移動する。
撮影部5は、印刷対象(本実施形態では、肌表面)を撮影するものであり、撮影装置51と、照明装置52とを備えている。
図2に示すように、撮影部5は、筐体2内であって開口部21の上方に配置され、当該開口部21から印刷対象を照明装置52で照明しつつ撮影装置51で撮影し、その画像を取得する。
撮影装置51は、例えば、200万画素以上の画素を有するCCD(Charge Coupled Device)型やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型等の固体撮影素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。また、照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。
その他、印刷装置1は通信部73を有している。
通信部73は、印刷装置1と連携して動作する後述の端末装置8との間で情報の送受信が可能に構成されたものである。
印刷装置1と端末装置8との間での通信は、例えば無線LAN等により行われる。なお、印刷装置1と端末装置8との間での通信はこれに限定されず、いかなる方式によるものでもよい。例えば、インターネット等のネットワーク回線を使うものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等の近距離無線通信規格に基づく無線通信を行うものであってもよい。また、この通信は無線に限定されず、有線接続により両者間で各種データの送受信が可能な構成としてもよい。通信部73は端末装置8の通信方式に対応するアンテナチップ等を備えている。
また本実施形態の印刷装置1(装置本体100)には、検出部6が設けられている。
検出部6は、印刷装置1(装置本体100)の移動方向(例えば前後、左右、上下の3方向)や移動速度(加速度)等の力学的な運動(動き)を検出することのできる加速度センサ、加速度センサとジャイロセンサ等を合わせた6軸センサ等である。このジャイロセンサは印刷装置1の向きや傾き、回転(角速度)を検出するために用い、加速度センサと合わせることで印刷装置1及び貯留部411の僅かな運動(動き)も検出することができる。
印刷装置1が印刷に使用されている状態等では、印刷装置1(装置本体100)は多少なりとも運動(動き、以下において、これを「振動」ともいう。)する。これに対して印刷装置1が使用されずにスタンド200上や机の上等に置かれている状態であれば振動は殆ど発生しない。検出部6は、印刷装置1(装置本体100)に生じるこのような振動(動き)の有無を検出する。
また本実施形態では、印刷装置1の装置本体100をユーザが手に持って振ることが想定されており、検出部6は、印刷装置1(装置本体100)がどのような方向にどのように(どの程度)振られているか等の状況も検出する。
なお検出部6は、印刷装置1(装置本体100)の振動(運動、動き)を検出することのできるものであればよく、その具体的な構成や配置される位置等は特に限定されない。
さらに印刷装置1は、制御装置7を備えている。
制御装置7は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される制御部71と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部72とを備えるコンピュータである。
なお、記憶部72の一部又は全部は別構成とし、制御装置7の外部に設けるようにしてもよい。
記憶部72には、印刷装置1を動作させるための各種プログラム(例えば印刷処理等を行うためのプログラム等)や各種データ等が格納されており、制御部71がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、プログラムが制御部71において実行されることによって、印刷装置1の各部が統括制御されるようになっている。
特に本実施形態では、制御部71は、印刷部4を制御して印刷動作等を行わせ、撮影部5を制御して印刷対象等を撮影させるほか、静状態時間取得部、情報出力部、撹拌状況取得部等として機能する。こうした制御部71の各機能は、制御部71のCPUと記憶部72のROMに記憶されたプログラムとの協働によって実現される。
静状態時間取得部としての制御部71は、貯留部411の「静状態時間」を取得する。
制御部71には前述の検出部6の検出結果や本体検出部75の検出結果が出力されており、制御部71は、検出部6が検出した運動(「振動」、貯留部411を含む印刷装置1の動き)の情報や本体検出部75の検出結果に基づいて、貯留部411の「静状態時間」を計測する。
ここで「静状態」とは、運動(動き、振動)の殆どない状態であり、印刷装置1(装置本体100)がスタンド200や机の上等、どこかに置かれる等することで検出部6の検出した貯留部411の運動(動き、振動)が所定の閾値以下となった状態、又は印刷装置1の装置本体100がスタンド200に載置されて、本体検出部75がこれを検出した状態である。運動(動き、振動)についての所定の閾値は適宜設定されるが、例えば液体(貯留部411内の液剤3)の表面が殆ど揺れない程度の値である。
また「静状態時間」とは、上記「静状態」の継続時間である。
制御部71はタイマー機能を有しており、貯留部411が「静状態」となってからの経過時間をカウントする。
具体的には、検出部6の検出した貯留部411(貯留部411を備える印刷装置1)の運動(動き、振動)が所定の閾値以下となったとき、又は本体検出部75が印刷装置1の装置本体がスタンドに載置されたことを検出したときに、制御部71はタイマーを起動させて、「静状態時間」のカウントを開始する。
そして制御部71は、検出部6が所定の閾値を超える運動(動き、振動)を検出したときにタイマーを停止させ、「静状態時間」を確定させる。
なお、装置本体100がスタンド200から外されたことを本体検出部75が検出したときにタイマーを停止させてもよいが、装置本体100がスタンド200から外されてもそのまま机の上等に放置されることもあり得る。このため、検出部6が所定の閾値を超える運動(動き、振動)を検出した場合にタイマーを停止させる方がより正確に「静状態」の終了を検出でき、好ましい。また、検出部6が所定の閾値を超える運動(動き、振動)を、予め定めた時間(例えば、1~2秒程度)検出した場合にタイマーを停止させるとしても良い。
なお、制御部71のタイマー機能は、電源がオフとなった後にも、静状態時間を反映できるように、電源オフ後にも図示しない電源部(例えば電池等)からの僅かな電源でカウント動作(すなわち静状態の継続時間の計測)を継続可能に構成されている。
なお、制御部71のタイマー機能は、電源がオフとなると同時に静状態計測を開始し、その継続時間を不揮発性のメモリ等で構成される記憶部72等に記憶させてもよい。
また制御部71は、少なくとも「静状態時間」に基づいて、貯留部411内の液剤3に対する「撹拌情報(分散情報)」を出力する情報出力部としても機能する。
ここで「撹拌情報」は、貯留部411を振動させることで貯留部411内の液剤3を撹拌する撹拌動作(分散動作)の方法(すなわち動作パターン(図6(a)から図6(c)参照)の種類や組み合わせ等)、撹拌動作の回数、撹拌動作の継続時間の少なくともいずれか一つを含んでいる。
制御部71が情報出力部として「撹拌情報」を出力する出力先は、ランプ部16等、印刷装置1に設けられた報知部であってもよいし、端末装置8の表示部85等であってもよい。
「撹拌情報」がランプ部16や表示部85等の報知部に出力されることで、ユーザは、現状の貯留部411内の液剤3を使用に適した状態まで撹拌するために、どのような動作をどの程度行えばよいかを知ることができる。
貯留部411内の液剤3は、前述のように溶媒31に各種の溶質32が溶け込んだ混合物である。酸化チタン等の溶質32は、水等である溶媒31よりも比重が大きく、液剤3を「静状態」(すなわち、液剤3を貯留する貯留部411に振動を加えずにいる状態)とさせておくと次第に溶媒31と溶質32とが分離して貯留部411の底部に溶質32が沈降する。
図4(a)から図4(d)は、貯留部411内の液剤3の様子を模式的に示したものである。なお、図4(a)から図4(d)において「≒」「<」「>」は各層に含まれる溶媒31と溶質32との含有割合の大小関係を示している。
図4(a)は、液剤3が撹拌されて溶媒31と溶質32とが均一になっている状態(溶質32が溶媒31中に分散している状態、図中「31≒32」と示す。)である。液剤3はこのように全体が均一となった状態で使用されることが好ましい。
これに対して、図4(b)から図4(d)は、貯留部411が「静状態」とされることで溶媒31と溶質32との分離、溶質32の沈降が徐々に進んでいく様子を示している。言い換えると、時間経過に伴って溶媒31が主に含まれる層(すなわち、図4(b)から図4(d)において「31>32」と示す層)と溶質32が主に含まれる層(すなわち、図4(b)から図4(d)において「31<32」と示す層)とに分離していく様子を示している。
図5は、横軸に時間経過tをとり、縦軸に溶媒31と溶質32との分離の程度(分離した溶媒31の比率R(%))をとり、時間経過に伴う溶媒31と溶質32との分離の傾向を示したグラフである。ここでの分離した溶媒31の比率とは、例えば液剤全体積に対する、溶媒31が主に含まれる層の体積の比率である。
図5に示すように、液剤3が撹拌された直後(すなわち経過時間0秒)では分離した溶媒31の比率は約0%である。そして時間が経過するにしたがい、溶媒31と溶質32との分離が進行して分離した溶媒31の比率が大きくなっていき、一定時間経過後は分離の程度があまり変化しなくなる(溶媒31と溶質32とが殆ど分離しきった状態となる)、との傾向を示す。
図4(b)は、例えば図5のグラフ中「A」の範囲に該当する液剤3の状態を模式的に示したものである。この状態では、多少溶媒31と溶質32との分離、溶質32の沈降が見られるが分離・沈降の程度は軽微である。
図4(c)は、例えば図5のグラフ中「B」の範囲に該当する液剤3の状態を模式的に示したものである。この状態では、溶媒31と溶質32との分離、溶質32の沈降が「A」の場合よりも進行している。
さらに図4(d)は、例えば図5のグラフ中「C」の範囲に該当する液剤3の状態を模式的に示したものである。この状態では、溶媒31と溶質32とが殆ど分離しており、溶質32が沈降して貯留部411の底の方に溜まった状態となっている。
なお、どの程度の時間、貯留部411を「静状態」とすると(すなわち「静状態時間」がどの程度となると)、貯留部411内の液剤3がどのレベルの分離・沈降状態となるかは、液剤3の種類(例えば溶媒31の種類や溶媒31に混合されている溶質32の種類(溶質32の粒子径や粘度等)、それぞれの配合割合等)によって異なる。
液剤3の分離・沈降状態レベルは、例えば「ストークスの式」によって液剤3の種類と「静状態時間」からある程度予測することが可能である。
このため、本実施形態では、情報出力部としての制御部71は、「静状態時間」に加え液剤3に関する情報(液剤3の種類等)を加味して、「撹拌情報」を出力するようになっている。
なお、静状態の開始時であってもインクの状態が必ずしも図4(a)のような状態であるとは限らない。このため、このような場合にも6軸センサ等である検出部6によって検出された結果に基づいて、残りどの程度の撹拌動作を行えばよいかといった「撹拌情報」を出力するとしてもよい。
制御部71が具体的な「撹拌情報」を導き出す手法は特に限定されないが、例えば、印刷装置1で用いられる液剤3に応じた(異なる種類の液剤3を貯留する複数の印刷ヘッド41が用意されている場合には、各液剤3に応じた)、「静状態時間」(「静状態」の継続時間)と溶媒31と溶質32との分離、溶質32の沈降具合との対応関係(すなわち、図5にグラフで示すような対応関係)を、制御装置7の記憶部72等に予め記憶させておく。
また液剤3がどの程度の分離・沈降状態レベルにある場合にどのような「撹拌動作」を行えば分離・沈降状態が解消されるのかについても、事前に予想することが可能である。
本実施形態では、液剤3の分離・沈降の程度と液剤3を撹拌して再分散化させ、再び図4(a)のような状態に戻すために必要な「撹拌動作」の内容との対応関係等についても、制御装置7の記憶部72等に予め記憶されている。
図6(a)、図6(b)、図6(c)は、「撹拌動作」の動作パターン例を示したものである。
例えば図6(a)は、印刷装置1の装置本体100を手に持って、前後方向(図中X方向)に振る動作(これを以下「第1の動作」とする。)を示している。
図6(b)は、図6(a)に示す「第1の動作」に加えて、装置本体100を上下方向(図中Z方向)に振る動作(これを以下「第2の動作」とする。)を行うことを示している。
図6(c)は、図6(a)に示す「第1の動作」及び図6(b)に示す「第2の動作」に加えて、装置本体100を左右方向(図中Y方向)に回転させる動作(これを以下「第3の動作」とする。)を行うことを示している。
本実施形態において、情報出力部としての制御部71は、これら「第1の動作」~「第3の動作」のうち、どの動作をそれぞれ何回(又はどの程度の時間)繰り返すか、動作の種類と回数・時間の組み合わせを示す情報を「撹拌情報」として出力する。
また「第1の動作」~「第3の動作」における振り幅や速度(動作の速度)等も撹拌の効果に影響を与える。このため、「撹拌情報」には、各動作の振り幅(振幅)や動作を行う速度等に関する情報が含まれていてもよい。つまり、「撹拌情報」は、「第1の動作」~「第3の動作」のような動作の方法(種類)と、動作の回数、動作の継続時間、動作の振幅、動作の速度のうち少なくとも一つと、の組み合わせを示す情報として出力されても良い。
なお、「撹拌動作」の動作パターンは図示例に限定されない。例えばこの他に装置本体100を左右方向(図中Y方向)に振る動作等があってもよい。
「第1の動作」~「第3の動作」のうち、どの動作を何回ずつ繰り返すかについても適宜設定される事項である。例えば動作パターンとしては「第3の動作」のみとし、液剤3の分離・沈降の程度によってこの動作を繰り返す回数を変えることで対応してもよい。
また液剤3の種類や貯留部411内に貯留されている量、貯留部411の形状等によって撹拌においてより効果的な動作があるような場合には、液剤3の種類や量、貯留部411の形状等によって「第1の動作」~「第3の動作」のうちどの動作を行うかを適宜使い分けてもよい。
例えば種類αの液剤3を貯留する貯留部411を1時間以上10時間未満静状態としておくと貯留部411内の液剤3が、図5のグラフ中「A」のレベルの分離・沈降状態(例えば、図4(b)に示す状態)となる、という対応関係がある場合、制御部71に「種類αの液剤3を貯留する貯留部411を4時間静状態とした」との検出情報が与えられると、情報出力部としての制御部71は以下のような出力を行う。
すなわち、まず、制御部71は「A」のレベルの分離・沈降状態にある液剤3を使用可能な正常な状態(図4(a)に示すような均一な状態)となるように撹拌するためにはどのような撹拌動作が必要であるかの「撹拌情報」を、記憶部72等から導き出す。
そして、この場合、「前後方向に5回程度印刷装置1(装置本体100)を振って貯留部411に運動(動き、振動)を与えることが必要」である場合には、「撹拌情報」として、「印刷装置1(装置本体100)を前後方向に5回程度振る」(すなわち、図6(a)に示すような撹拌動作をする)ことを意味する表示等をランプ部16や表示部85等に出力し、ユーザに報知する。
また例えば種類αの液剤3を貯留する貯留部411を10時間以上24時間未満静状態としておくと貯留部411内の液剤3が、図5のグラフ中「B」のレベルの分離・沈降状態(例えば、図4(c)に示す状態)となる、という対応関係がある場合、制御部71に「種類αの液剤3を貯留する貯留部411を15時間静状態とした」との検出情報が与えられると、情報出力部としての制御部71は以下のような出力を行う。
すなわち、まず、制御部71は「B」のレベルの分離・沈降状態にある液剤3を使用可能な正常な状態(図4(a)に示すような均一な状態)となるように撹拌するためにはどのような撹拌動作が必要であるかの「撹拌情報」を、記憶部72等から導き出す。
そして、この場合、「前後方向に5回程度、上下方向に5回程度印刷装置1(装置本体100)を振って貯留部411に運動(動き、振動)を与えることが必要」である場合には、「撹拌情報」として、「印刷装置1(装置本体100)を前後方向に5回程度+上下方向に5回程度振る」(すなわち、図6(b)に示すような撹拌動作をする)ことを意味する表示等をランプ部16や表示部85等に出力し、ユーザに報知する。
さらに例えば種類αの液剤3を貯留する貯留部411を24時間以上静状態としておくと貯留部411内の液剤3が、図5のグラフ中「C」のレベルの分離・沈降状態(例えば、図4(d)に示す状態)となる、という対応関係がある場合、制御部71に「種類αの液剤3を貯留する貯留部411を72時間静状態とした」との検出情報が与えられると、情報出力部としての制御部71は以下のような出力を行う。
すなわち、まず、制御部71は「C」のレベルの分離・沈降状態にある液剤3を使用可能な正常な状態(図4(a)に示すような均一な状態)となるように撹拌するためにはどのような撹拌動作が必要であるかの「撹拌情報」を、記憶部72等から導き出す。
そして、この場合、「前後方向に5回程度、上下方向に5回程度振る動作+5回程度の回転動作を印刷装置1(装置本体100)に加えて貯留部411に運動(動き、振動)を与えることが必要」である場合には、「撹拌情報」として、「印刷装置1(装置本体100)を前後方向に5回程度、上下方向に5回程度振る動作+5回程度の回転動作を行う」(すなわち、図6(c)に示すような撹拌動作をする)ことを意味する表示等をランプ部16や表示部85等に出力し、ユーザに報知する。
なお、液剤3の分離・沈降状態のレベル分けは、3段階に限定されない。
例えば「静状態時間」が20時間未満の場合と20時間以上の場合とで液剤3の分離・沈降状態のレベルの変化が大きく異なるような場合には、0時間以上20時間未満の場合には図6(b)に示すような「第1の動作」と「第2の動作」の組み合わせを3セット行い、「静状態時間」が20時間以上の場合には図6(c)に示すような「第1の動作」と「第2の動作」と「第3の動作」の組み合わせを5セット行う、というように、2段階にレベル分けされてもよい。
また、液剤3の分離・沈降状態のレベルを4段階以上に細かく分けて、それぞれに適した動作パターン(すなわち、「第1の動作」、「第2の動作」、「第3の動作」)の組み合わせが設定されていてもよい。
また制御部71は、撹拌動作中における運動(動き、振動)の情報に基づいて「撹拌状況」を取得する撹拌状況取得部(すなわち、「分散状況」を取得する分散状況取得部)としても機能する。
すなわち、検出部6は、撹拌動作中における運動(動き、振動)も検出(すなわち、分散動作中における運動も検出)するものであり、検出結果としての「撹拌状況(分散状況)」が制御部71に出力される。
「撹拌状況」とは、撹拌動作が足りない、又は撹拌動作が過剰である、等の状況を意味する。
撹拌動作が足りない場合には、「第1の動作」~「第3の動作」のうち、どの動作がどの程度足りないか(振り幅の程度や動作回数等)まで検出部6が検出し、制御部71に出力することが好ましい。
また撹拌動作が過剰である場合とは、例えばユーザが印刷装置1(装置本体100)を激しく振り過ぎている場合である。この場合には、装置各部に破損等、不具合を生じるおそれや、貯留部411内の液剤3が激しく撹拌され過ぎて気泡を生じたりするおそれがある。
「撹拌状況」を取得すると、撹拌状況取得部としての制御部71は、「撹拌状況」に応じて、撹拌に関する動作指示を出力する。
具体的には、撹拌動作が足りない場合には、例えばどの動作をどの程度さらに行うべきかを意味する表示等をランプ部16や表示部85等に出力し、ユーザに報知する。
また撹拌動作が過剰である場合には、例えば直ちに撹拌動作を中止するべきであることを意味する表示等をランプ部16や表示部85等に出力し、ユーザに報知する。
また本実施形態の印刷装置1は、端末装置8等の外部装置と連携し、端末装置8等から入力された指示に従って動作する。
端末装置8としては、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末装置が想定されるが、これに限定されない。端末装置8は、印刷装置1と通信可能なものであれば特に限定されず、例えばノート型又は定置型のパソコンや、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
具体的に、端末装置8は、操作部83、通信部84、表示部85、制御装置80等を備えている。
操作部83は、ユーザの操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、操作部83が操作されると、当該操作に対応する入力信号が制御装置80に送信される。なお、本実施形態では表示部85の表面にタッチパネルが一体的に設けられており、ユーザはタッチパネルへのタッチ操作によっても各種の入力・設定等の操作を行うことができるようになっている。
なお、各種の入力・設定等の操作を行う操作部83はタッチパネルである場合に限定されない。例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部83として設けられていてもよい。
操作部83を操作することで、印刷装置1において各種の入力・設定等が行われてもよい。例えばユーザが操作部83を操作することで、印刷装置1の印刷動作をスタートさせることができてもよい。
通信部84は、印刷装置1の通信部73との間で通信を行う。例えば、印刷装置1から各種の画像等のデータが送信されたときには、これを受信する。通信部84は、印刷装置1の通信部73との間で通信可能な無線通信モジュール等を備えている。
なお、通信部84は、印刷装置1との間で通信を行うことのできるものであればよく、印刷装置1の通信部73の通信規格と合致するものが適用される。
表示部85は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において表示部85には、例えば印刷装置1から送信された画像等が表示可能となっている。
なお、前述のように、表示部85の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合にはタッチパネルが操作部83等としても機能する。
また表示部85は、制御部81の制御にしたがって各種の案内画面、警告表示画面等を表示可能となっている。表示部85は、印刷装置1の報知部として、例えば「撹拌情報」、撹拌動作の状況(撹拌状況)に基づく各種の「動作指示」(撹拌に関する動作指示)等を表示させて、ユーザに対して報知してもよい。
さらに、撮影装置51がライブビュー表示可能な動画像を撮影可能なものである場合には、表示部85は、撮影装置51によって撮影された動画像を随時ライブビュー表示してもよい。
制御装置80は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等により構成される制御部81と、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
記憶部82には、端末装置8の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。
具体的には、本実施形態のROM等には、端末装置8の各部を統括制御するための動作プログラムの他、印刷装置1を用いた印刷処理を行うための印刷処理アプリケーションプログラム等の各種プログラム(いずれも図示せず)等が格納されており、制御装置80がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して実行することによって、端末装置8が制御されるようになっている。
制御部81は、端末装置8の各部の動作を統合的に制御する。制御部81は、記憶部82に記憶されたプログラム(印刷処理アプリケーションプログラム等)との協働により、印刷装置1が印刷対象(肌表面)に対して印刷を行うための各種機能を実現する。
以下、図7等を参照しつつ、本実施形態における液剤3を分散させる液剤分散方法としての撹拌方法について説明する。
本実施形態では、印刷装置1を用いて印刷を行う際、ユーザが印刷装置1(装置本体100)を手で持って印刷対象である人の肌の表面(例えば頬や額等の顔表面)上を移動させながら印刷動作を行う。
具体的には、まず制御部71が撮影部5の撮影装置51及び照明装置52を制御し、撮影装置51により、印刷対象である肌表面の画像を撮影させる。撮影部5により取得された画像データは、通信部73を介して端末装置8に送信される。
端末装置8では、制御部81が印刷装置1から受信した画像データを解析して、肌表面において色の濃淡等に偏差のある部分(例えばシミ部分等)を検出し、この部分に印刷を施すための印刷データを生成する。
生成された印刷データは、通信部84を介して印刷装置1に送信される。
印刷装置1では、制御部71が端末装置8から受信した印刷データに基づいて印刷部4に制御信号を出力し、肌表面の対応部分に対してこの印刷データにしたがった印刷を施すように印刷部4のX方向移動モータ46、印刷ヘッド41等を制御する。
印刷部4による印刷動作が終了すると、図7に示すように、制御部71はスタンド200側で装置本体100が検出されたか否かを判断する(ステップS1)。本実施形態では、スタンド200側に設けられている本体検出部75によって、装置本体100がスタンド200に載置されたことが検出されたか否かを判断する。
なお本実施形態では、印刷動作が終了した際には装置本体100をスタンド200に載置させて吐出部412を保護するよう推奨されている。このため、印刷データに基づく印刷が終了したのにスタンド200に装置本体100が載置されたことが検出できない場合には、スタンド200に装置本体100を載置するよう促すメッセージ等を表示部85等に表示させてもよい。
制御部71には、検出部6からも随時検出結果が出力されている。
スタンド200側で装置本体100が検出されない場合(ステップS1;NO)には、制御部71は、検出部6によって検出される運動(動き、振動)が所定の閾値以下であるか否かをさらに判断する(ステップS2)。
振動が閾値以下でない場合(ステップS2;NO)には、制御部71はステップS1に戻って判断を繰り返す。
一方、スタンド200側で装置本体100が検出された場合(ステップS1;YES)、又は検出部6により検出された振動が所定の閾値以下である場合(ステップS2;YES)には、制御部71は、印刷装置1(装置本体100)の貯留部411が「静状態」となったと判断し、「静状態時間」をカウントするタイマーをスタートさせる(ステップS3)。
制御部71は、所定の閾値を超える振動が検出部6によって検出されたか否かを随時判断しており(ステップS4)、検出部6が検出した振動が閾値を超えるまでステップS4の判断を繰り返す。
検出部6が検出した振動が所定の閾値を超えると(ステップS4;YES)、制御部71はタイマーを停止させ、「静状態時間」を確定させる(ステップS5)。
そして、「静状態時間」に応じた「撹拌情報」を出力し、ユーザにその内容を報知する(ステップS6)。なお、本実施形態では、制御部71は「静状態時間」に加え、液剤3の種類も考慮して「撹拌情報」を設定する。液剤3の種類は、ユーザが設定してもよいし、装置側で印刷ヘッド41や貯留部411の情報を読み取る等により自動的に取得してもいい。
前者の場合は、例えば印刷装置1(装置本体100)にセットされた印刷ヘッド41の貯留部411内にどのような種類の液剤3が貯留されているかを、ユーザが操作部11や端末装置8の操作部83等から設定する。
また後者の場合には、例えば印刷ヘッド41に各種バーコード等を付しておき、印刷装置1(装置本体100)に印刷ヘッド41がセットされた際に、これを読み取らせることで、どのような液剤3を貯留する貯留部411を有する印刷ヘッド41であるかが装置側において把握されるように構成する。
そして制御部71は「静状態時間」に液剤3の種類も加味して、液剤3の撹拌が適切に行われるように「撹拌情報」を設定、出力する。
具体的には、例えば液剤3が溶媒31よりもかなり比重の重い溶質32を多く含むもの(種類βの液剤3)である場合には、分離・沈降が進行しやすい。このため、「静状態時間」が2時間程度であっても、例えば「第1の動作」と「第2の動作」とを組み合わせて「前後方向に3回程度+上下方向に3回程度振る」との内容を「撹拌情報」とする。そしてこれをランプ部16や端末装置8の表示部85に出力して、どのような撹拌動作を行えばよいかをユーザに報知する。ランプ部16による報知の場合は、予めユーザに撹拌情報に対応する点灯パターン等を表示部85等に報知しているとしても良い。
また、例えば液剤3が溶媒31よりも多少比重の重い溶質32を含むが、多少液剤3を放置しておいても分離・沈降が進行しにくいようなもの(種類γの液剤3)である場合には、種類βの液剤3よりも撹拌動作の程度は小さくて足りる。このため、「静状態時間」が2時間程度であれば、例えば「「第1の動作」である前後方向に振る動作を1~2回程度行う」との内容の「撹拌情報」をランプ部16や端末装置8の表示部85に出力して、どのような撹拌動作を行えばよいかをユーザに報知する。
なお、報知の仕方は特に限定されない。例えばランプ部16の色や点滅の仕方等で報知してもよいし、端末装置8の表示部85に文字による説明を表示させたり、イラストや動画等によって具体的な動作の様子を表示させてもよい。
また、印刷装置1や端末装置8にスピーカ等の音声出力部を有している場合には、「撹拌情報」を音声出力部に出力して、音声案内等によって「撹拌情報」をユーザに報知してもよいし、ブザーやアラート等によって報知してもよい。
ユーザによる撹拌動作が開始されると、検出部6はこの動作による振動の状況も随時検出し、どのような方向に何回装置本体100が振られたか等の動作内容(すなわち「撹拌状況」)を検出結果として制御部71に出力する。
制御部71は検出部6の検出結果に基づいて、「撹拌状況」が適切であるか否か、すなわち、「撹拌情報」にしたがって正しく印刷装置1(装置本体100)を振る動作が行われたか否かを判断する(ステップS7)。
検出部6の検出結果から、「撹拌状況」が適切でないと判断される場合(ステップS7;NO)には、制御部71はさらに撹拌に関する動作指示を出力し、ユーザにその内容を報知して(ステップS8)、ステップS7以降の処理を繰り返す。
「撹拌状況」が適切でない場合としては、撹拌が足りない場合と撹拌が過剰な場合とが考えられる。
例えば、「撹拌情報」にしたがった撹拌動作が正しく行われず、撹拌が足りない場合には、さらにどのような動作を行うべきかを、ランプ部16の点滅や表示部85への表示等により指示する。
すなわち、例えば「撹拌情報」が「前後方向に3回程度+上下方向に3回程度振る」との内容である場合に、検出部6が検出した動作内容が「前後方向に1回、上下方向に1回振る動作が行われた」というものである場合には、制御部71は、装置本体100をさらに前後方向に2回、上下方向に2回振る動作を行うようにユーザに動作指示する。
また例えば「撹拌情報」が「前後方向に3回程度+上下方向に3回程度振る」との内容である場合に、検出部6が検出した動作内容が「前後方向に5回振る動作が行われた」場合のように、「撹拌情報」にしたがった適切な撹拌動作が行われていない場合には、制御部71は、装置本体100を前後方向に振る動作を止めて、上下方向に3回振る動作を行うようにユーザに動作指示する。
また振り方(振り幅)が小さすぎて貯留部411に十分な振動(動き)が与えられていない場合には、制御部71は、装置本体100をもっと大きく振るようにユーザに動作指示する。
また例えばユーザが一般的に想定される以上の激しい勢いで装置本体100を振っている場合(加速度が大きすぎる場合等)や、「撹拌情報」において指示された回数よりも多く撹拌動作を行っている場合のように、撹拌が過剰な場合には、印刷装置1(装置本体100)の破損や、印刷部41(キャリッジ42等)のがたつきの原因となり得る。さらに、貯留部411内の液剤が泡立ってしまい、印刷に適さない状態となる可能性もある。
このため、検出部6によってこのような状況が検出された場合には、制御部71は、直ちに撹拌動作を止めるように動作指示する。
他方、検出部6の検出結果から、「撹拌状況」が適切である(すなわち「撹拌情報」にしたがった適切な撹拌動作が行われた)と判断される場合(ステップS7;YES)には、制御部71は、ランプ部16の点滅や表示部85への表示等により、撹拌が完了した旨をユーザに報知する(ステップS9)。
撹拌が終了すると、ユーザが印刷装置1(装置本体100)を適宜顔等の肌表面(印刷対象)に当てて、印刷動作に移行する。なお、適切な撹拌を行わないまま印刷動作に移行しようとするとランプ部16や表示部85等によって警告等が報知され、印刷動作に移行できないように印刷装置1が制御されてもよい。
これにより、貯留部411内の液剤3が均一に混ざり合った状態で印刷を行うことができ、吐出不良や色むら等の印刷不良を起こさずに、肌表面等の印刷対象に美しい仕上がりの印刷を施すことができる。
なお、肌表面等における印刷対象箇所(すなわち、例えばシミ等、印刷によってカバーしたい箇所)が複数ある場合、本実施形態では1箇所印刷動作が終わると、一旦装置本体100をスタンド200に戻すことが想定されている。このため、1箇所の印刷動作が終了するごとに、再び図7のステップS1からの処理が繰り返される。この場合、「静状態時間」がごく短時間となることも想定される。ステップS5において確定された「静状態時間」が液剤3の分離・沈降をさほど生じない程度の短時間(例えば20~30分等、1時間以下)であるような場合には、制御部71は「撹拌情報」として、「撹拌動作なし」をユーザに報知し、すぐに印刷動作に移行するよう指示してもよい。
印刷動作を行う際には、印刷装置1(装置本体100)を肌表面に当てる際に装置を軽く上下動させたり、傾けたりする動作が行われる。これにより、貯留部411には多少なりとも振動(動き)が加えられる。液剤3の分離・沈降がごく僅かであるような場合には、この程度の少ない振動でも貯留部411内の液剤3が撹拌され、印刷に適した状態となる。
なお、印刷は1箇所ずつ行う場合に限定されない。例えば、印刷対象(例えば顔の肌表面)の全体を順次撮影部5で撮影し、一旦印刷を開始したら、撮影画像から色の偏差が検出された印刷対象箇所について連続的に印刷を行ってもよい。
この場合には、印刷対象(例えば顔の肌表面)に複数の印刷対象箇所がある場合にも、全ての印刷対象箇所の印刷が終了したのちに装置本体100をスタンド200に載置する。
以上のように、本実施形態の印刷装置1は、液剤3を貯留する貯留部411を保持する保持部としてのキャリッジ42と、貯留部411の運動(動き、振動)の状態を検出する検出部6と、検出部が検出した運動(動き、振動)の状態に基づいて貯留部411の静状態時間を取得する静状態時間取得部として機能するとともに、少なくとも静状態時間に基づいて、貯留部411内の液剤3に対する撹拌情報(すなわち、貯留部411内の液剤3を分散させる動作を示す分散情報)を出力する情報出力部として機能する制御部71と、を備えている。
これにより、貯留部411の静状態時間から貯留部411内の液剤3を均一な状態とするのにどのような撹拌(分散動作)を行えばいいかの「撹拌情報(分散情報)」を取得して、ユーザに知らせることのできる状態とすることができる。このため、液剤3が、例えば白色や肌色の化粧用インクのように溶質32として酸化チタン等を含み、溶媒31と溶質32との分離を生じやすく溶質32が沈降しやすいものである場合でも、液剤3を再分散化して、印刷に適した状態にしてから印刷を行うことができる。
液剤3が分離・沈降を生じている状態で印刷を行おうとすると、液剤3を吐出させる吐出部412(吐出部412に形成されているノズル)が目詰まりして吐出不良を起こしたり、溶質32の混合割合の多い状態で液剤が吐出され、本来予定された色よりも濃くなって色むらを生じてしまい、美しい仕上がりの印刷を行うことができない。
液剤3が貯留されている貯留部411(貯留部411を内部に有する印刷装置1の装置本体100)をユーザが振ることによって貯留部411内の液剤3を撹拌すれば、溶媒31と溶質32との分離を解消することができる。
しかし、貯留部411内の様子は外部から確認することができないため、ユーザは、どの程度振ればいいのかが分からず、撹拌が足りなかったり、逆に振り過ぎて装置等に影響を与えてしまうおそれもある。
この点、本実施形態では、制御部71が適切な撹拌を行うための「撹拌情報」を取得し、出力させる。このため、ユーザは、過不足のない撹拌動作を行うことができる。
また本実施形態では貯留部411の振動を検出する検出部6を備え、静状態時間取得部としての制御部71は、検出部6が検出した振動の情報に基づいて、貯留部411の「静状態時間」を計測する。
貯留部411を内蔵する印刷装置1の装置本体100は、非使用時にスタンド200に載置されることが推奨されており、スタンド200に載置されたことは本体検出部75によって検出される。しかし、必ずしも非使用時にユーザが装置本体100をスタンド200に載置するとは限らず、またスタンド200から取り外した後も机の上に放置したり、装置本体100を手で持ったまま静止している場合等も考えられる。
この点、例えば6軸センサ等で構成される検出部6によって貯留部411の振動を検出すれば、正確に「静状態時間」を取得することができる。
また本実施形態の情報出力部としての制御部71は、「静状態時間」に加え液剤3に関する情報を加味して、「撹拌情報」を出力する。
液剤3の分離・沈降の状況は、液剤3中の溶媒31と溶質32との混合割合や溶質32の種類等によっても異なる。
この点、「静状態時間」と液剤3に関する情報とに基づいて「撹拌情報」を取得し、出力させることで、液剤3ごとの種類(性質)等に応じた撹拌動作を適切に行うことができる。
これにより、貯留部411にどのような液剤3が貯留されている場合でも、液剤3全体が均一で、印刷に適した状態とすることができる。
また本実施形態の「撹拌情報」は、貯留部411を振動させることで液剤3を撹拌する撹拌動作の方法、撹拌動作の回数、撹拌動作の継続時間の少なくともいずれか一つを含んでいる。
撹拌の効果は、撹拌動作のパターンや動作回数、動作時間によって左右される。
このため、これらを適宜組み合わせてユーザに示すことで、液剤3の分離・沈降の状況に応じた効果的な撹拌を行うことが可能となる。
また本実施形態の静状態時間取得部としての制御部71は、検出部6が検出した振動が所定の閾値以下となったときに「静状態時間」の計測を開始する。
このように、「静状態」となったか否かを判断する際の振動の閾値を持つことによって、仮に微細な振動がある場合でも液剤3が撹拌されるには足りないレベルであれば「静状態」となったと判断して、適切に「静状態時間」を把握することができる。
また本実施形態の検出部6は、ユーザによる撹拌動作中における振動も検出するものであり、制御部71は、撹拌動作中における振動の情報に基づいて「撹拌状況」を取得する撹拌状況取得部としても機能する。そして、この「撹拌状況」に応じて、適宜撹拌に関する動作指示を出力する。
これにより、ユーザによって行われている撹拌動作が不十分である場合や、逆に振る動作が過剰であって装置や液剤3にかえって悪影響を与えてしまうような場合には、適切な撹拌動作を行うようにユーザに求めることができる。このため、ユーザが気付かずに撹拌不足のまま印刷を行ったり、過度な撹拌動作によって装置を破損させたりするおそれを回避することができる。
また本実施形態では、ユーザに対して報知を行う報知部としてのランプ部16をさらに備えている。
これにより、どのような撹拌動作を行うべきか、自分の行っている撹拌動作が適切であるか否か等をユーザが容易に把握することができる。
このため、装置側に撹拌のための機構を設けずにユーザ自身に液剤3を撹拌するための動作を行わせる構成としても、過不足なく適切な撹拌動作を行うことができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、貯留部411を含む印刷ヘッド41を印刷装置1(装置本体100)にセットした状態で、印刷装置1(装置本体100)ごと貯留部411を振ることで貯留部411内の液剤3を撹拌する場合(すなわち、印刷装置1(装置本体100)自体が撹拌用の装置(液剤3を分散させる液剤分散装置としての「撹拌装置」)である場合)を例示したが、液剤3を撹拌する方法(液剤3を分散させる液剤分散方法)はこのような印刷装置1(装置本体100)ごと振る場合に限定されない。
例えば液剤3を貯留する貯留部411を保持する保持部と、貯留部411の静状態時間を取得する静状態時間取得部と、少なくとも「静状態時間」に基づいて、貯留部411内の液剤3に対する「撹拌情報」を出力する情報出力部と、を備える撹拌装置(液剤分散装置)によって貯留部411内の液剤3の撹拌(液剤3の分散)を実現してもよい。
この場合には、液剤3を貯留する貯留部411や、これを含む印刷ヘッド41のみを印刷装置1から取り出して、撹拌用の装置(撹拌装置)の保持部に保持させる。そしてこの撹拌用の装置(撹拌装置)をユーザが手に持って振ることで貯留部411内の液剤3の撹拌を行うことができる。なお、撹拌用の装置(撹拌装置)は、ユーザが手に持って振ることのできる大きさ及び重さのものであればよく、具体的な構成は特に限定されない。
この場合、貯留部411の「静状態時間」(貯留部411が撹拌用の装置(撹拌装置)にセットされるまでに「静状態」とされていた時間)は、撹拌用の装置(撹拌装置)や端末装置8の操作部83等からユーザが入力し、入力された情報を静状態時間取得部としての撹拌装置の制御部が取得する。なお、液剤3の種類等の情報が入力されたときには、制御部はこれらの情報についても取得する。
そして、制御部は情報出力部として、取得した「静状態時間」や液剤3の種類等に基づき、貯留部411内の液剤3に対する「撹拌情報(分散情報)」を出力する。
印刷装置1がハンディタイプでない場合には、装置自体をユーザが手に持って振ることは難しい。
また撹拌が必要となるような液剤3を貯留する貯留部411を有する印刷ヘッド41と、撹拌せずに使用可能な液剤3を貯留する貯留部411を有する印刷ヘッド41と、が1つの印刷装置1にセットされている場合等も考えられる。例えば、印刷装置が、化粧用インクを液剤3として印刷を行うコンシーラ等の用途で用いられるものでなく、液剤3として各種のカラーインクを有し、デザイン等を印刷するもの(例えばネイルプリント装置等)である場合には、分離・沈降を生じやすいインク(液剤3)のみ撹拌を行いたい場合がある。さらにネイルプリント装置等の印刷装置が、液剤3としてカラーインクと、白色等の下地用インクを有する場合も考えられ、この場合には、下地用インクのみを撹拌したいという要望もあり得る。
この点、貯留部411(貯留部411を有する印刷ヘッド41)を撹拌用の装置(撹拌装置)にセットして撹拌動作を行う構成とすれば、撹拌を要する液剤3を貯留する貯留部411のみを振って液剤3を撹拌することができる。
この場合にも、具体的にどのような動作をどの程度行えばよいかは、「撹拌情報」としてユーザに提示されるため、ユーザは「静状態時間」等に応じた適切な撹拌動作を行うことができる。
なお、この場合、撹拌動作中における運動(動き、振動)振動を検出する検出部を撹拌装置に備えることが好ましい。
これにより、制御部は、振動の情報を検出部から「撹拌状況」として取得することができ、撹拌状況取得部として、「撹拌状況」に応じた動作指示(撹拌に関する動作指示)を出力することができる。
すなわち、撹拌動作が足りない場合には、どのような動作をどの程度行えばよいかを出力し、振動の程度が大きすぎる場合には、直ちに撹拌動作をやめるように動作指示を出力する。
撹拌状況取得部としての制御部から出力された動作指示は、適宜各種表示部やランプ部、音声出力部等から出力されてユーザに報知される。
このため、ユーザは過不足なく、適切な撹拌動作を行うことができる。
さらに、上記実施形態では、液剤3を分散(溶媒31と溶質32とが分離した状態を解消)させる手法が「撹拌」による場合を例示したが、液剤3を分散させる手法はこれに限定されない。
液剤3を貯留する貯留部411を運動(振動)させて、液剤3を分散させ、溶媒31と溶質32とがほぼ均一になっている状態(溶質32が溶媒31中に分散している状態、図4(a)に「31≒32」として示した状態)とすることができる手法であれば、液剤3を分散させる手法として採用することができる。
また、本実施形態では、印刷装置1の装置本体100が載置されたことを検出する本体検出部75をスタンド200側に備える構成としたが、装置本体100がスタンド200に載置されたことを検出する検出部は、装置本体100側に設けられていてもよい。
例えばスタンド200側に識別部を設け、装置本体100側の検出部で識別部が検出されたときに装置本体100がスタンド200に載置されたと検出してもよい。
また例えば装置本体100の撮影装置51等でスタンド200を撮影して、その位置関係等から装置本体100がスタンド200に載置されたことを検出してもよい。
また、本実施形態では、印刷装置1が端末装置8と連携して印刷を行う場合を例示したが、印刷装置1はここに示すようなものに限定されず、単体で印刷動作が完結するように構成されたものであってもよい。
例えば、本実施形態では、印刷開始指示の入力や印刷対象箇所の設定等を端末装置8側の操作部83や制御部81で行う場合を例としたが、各種指示の入力や設定等を印刷装置1側の操作部11や制御部71において行う構成としてもよい。この場合、印刷装置1にタッチパネル式の操作部を備えてもよい。また、印刷装置1に表示部を備えてもよく、この場合には当該表示部にタッチパネルが一体的に設けられていてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
液剤を貯留する貯留部を保持可能な自装置本体と、
少なくとも前記貯留部の運動の状態を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記貯留部の運動の状態に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を、前記自装置本体を運動させることによって分散させる動作を示す分散情報を出力する情報出力部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
<請求項2>
前記貯留部の運動が閾値以下の状態の時間である静状態時間を取得する静状態時間取得部をさらに備え、
前記情報出力部は、前記静状態時間取得部によって取得された前記静状態時間に基づいて前記分散情報を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項3>
前記情報出力部は、前記静状態時間と、前記液剤の種類に関する情報と、に基づいて、前記分散情報を出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
<請求項4>
前記静状態時間取得部は、前記検出部が検出した前記貯留部の運動が閾値以下となったときに前記静状態時間の計測を開始する、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
<請求項5>
前記分散情報は、前記動作の方法と、前記動作の回数、前記動作の継続時間、前記動作の振幅、前記動作の速度の少なくとも一つと、の組み合わせを示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項6>
前記検出部は、前記動作中における前記貯留部の運動も検出するものであり、
前記動作中における前記貯留部の運動の情報に基づいて分散状況を取得する分散状況取得部をさらに備え、
前記分散状況取得部は、前記分散状況に応じて前記動作に関する指示を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項7>
前記分散情報の報知を行う報知部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項8>
前記分散情報は、前記貯留部内の前記液剤に対する撹拌情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
<請求項9>
液剤を貯留する貯留部を保持可能な保持部と、
前記貯留部の運動が閾値以下の状態の時間である静状態時間を取得する静状態時間取得部と、
前記静状態時間取得部によって取得された前記静状態時間に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を、自装置を運動させることによって分散させる動作を示す分散情報を出力する情報出力部と、
を備えることを特徴とする液剤分散装置。
<請求項10>
コンピュータが、
液剤を貯留し印刷装置に保持される貯留部の運動の状態を少なくとも検出し、
検出した前記貯留部の運動の状態に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を、印刷装置本体を運動させることによって分散させる動作を示す分散情報を出力する、
ことを特徴とする液剤分散情報出力方法。
<請求項11>
コンピュータに、
液剤を貯留し印刷装置に保持される貯留部の運動の状態を少なくとも検出する検出機能と、
前記検出機能が検出した前記貯留部の運動の状態に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を、印刷装置本体を運動させることによって分散させる動作を示す分散情報を出力する情報出力機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
1 印刷装置
16 ランプ部
100 装置本体(自装置本体)
2 筐体
3 液剤
31 溶媒
32 溶質
21 開口部
4 印刷部
41 印刷ヘッド
411 貯留部
412 吐出部
6 検出部
7 制御装置
71 制御部
72 記憶部
75 本体検出部
8 端末装置

Claims (12)

  1. 液剤を貯留する貯留部を保持可能な自装置本体と、
    少なくとも前記貯留部の運動の状態を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した前記貯留部の運動の状態に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を使用可能な状態となるようにするための、ユーザにより前記貯留部に対して行われる撹拌動作を示す分散情報を出力する情報出力部と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記貯留部の運動が閾値以下の状態の時間である静状態時間を取得する静状態時間取得部をさらに備え、
    前記情報出力部は、前記静状態時間取得部によって取得された前記静状態時間に基づいて前記分散情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記情報出力部は、前記静状態時間と、前記液剤の種類に関する情報と、に基づいて、
    前記分散情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記静状態時間取得部は、前記検出部が検出した前記貯留部の運動が閾値以下となったときに前記静状態時間の計測を開始する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  5. 前記分散情報は、前記動作の方法と、前記撹拌動作の回数、前記撹拌動作の継続時間、前記撹拌動作の振幅、前記撹拌動作の速度の少なくとも一つと、の組み合わせを示す情報を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  6. 前記検出部は、前記撹拌動作中における前記貯留部の撹拌動作中運動状態も検出するものであり、
    前記撹拌動作中運動状態に基づいて分散状況を取得する分散状況取得部をさらに備え、
    前記分散状況取得部は、前記分散状況に応じて前記動作に関する指示を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  7. 前記分散情報の報知を行う報知部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  8. 前記検出部は、前記撹拌動作によって運動する前記貯留部の撹拌動作中運動状態を検出し、
    前記報知部は、前記撹拌動作中運動状態に基づいて、前記撹拌動作が過剰であるか又は不足しているかをユーザに報知する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
  9. 前記分散情報は、前記貯留部内の前記液剤に対する撹拌情報である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  10. 液剤を貯留する貯留部を保持可能な保持部と、
    前記貯留部の運動が閾値以下の状態の時間である静状態時間を取得する静状態時間取得部と、
    前記静状態時間取得部によって取得された前記静状態時間に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を使用可能な状態となるようにするための、ユーザにより前記貯留部に対して行われる撹拌動作を示す分散情報を出力する情報出力部と、
    を備えることを特徴とする液剤分散装置。
  11. コンピュータが、
    液剤を貯留し印刷装置に保持される貯留部の運動の状態を少なくとも検出し、
    検出した前記貯留部の運動の状態に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を使用可能な状態となるようにするための、ユーザにより前記貯留部に対して行われる撹拌動作を示す分散情報を出力する、
    ことを特徴とする液剤分散情報出力方法。
  12. コンピュータに、
    液剤を貯留し印刷装置に保持される貯留部の運動の状態を少なくとも検出する検出機能と、
    前記検出機能が検出した前記貯留部の運動の状態に基づいて、前記貯留部内の前記液剤を使用可能な状態となるようにするための、ユーザにより前記貯留部に対して行われる撹拌動作を示す分散情報を出力する情報出力機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
JP2022063250A 2021-07-01 2022-04-06 印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラム Active JP7322996B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/838,912 US20230001720A1 (en) 2021-07-01 2022-06-13 Printing apparatus, information processing method, and storage medium
CN202210773438.8A CN115624687A (zh) 2021-07-01 2022-07-01 印刷装置、液剂分散装置、液剂分散信息输出方法及记录介质

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021109804 2021-07-01
JP2021109804 2021-07-01

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023008806A JP2023008806A (ja) 2023-01-19
JP7322996B2 true JP7322996B2 (ja) 2023-08-08

Family

ID=85112832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022063250A Active JP7322996B2 (ja) 2021-07-01 2022-04-06 印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7322996B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012139850A (ja) 2010-12-28 2012-07-26 Brother Industries Ltd インクカートリッジ及びプリンタ
WO2017217001A1 (ja) 2016-06-17 2017-12-21 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェット式記録装置
JP2019141684A (ja) 2014-07-25 2019-08-29 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーThe Procter & Gamble Company 角質表面を改質するための手持ち式処置装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012139850A (ja) 2010-12-28 2012-07-26 Brother Industries Ltd インクカートリッジ及びプリンタ
JP2019141684A (ja) 2014-07-25 2019-08-29 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーThe Procter & Gamble Company 角質表面を改質するための手持ち式処置装置
WO2017217001A1 (ja) 2016-06-17 2017-12-21 ローランドディー.ジー.株式会社 インクジェット式記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023008806A (ja) 2023-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10022984B2 (en) Drawing apparatus and drawing method for drawing apparatus
US20230001720A1 (en) Printing apparatus, information processing method, and storage medium
JP2017169954A (ja) 描画装置及び描画装置の描画方法
JP2015116429A (ja) ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷制御方法
JP7322996B2 (ja) 印刷装置、液剤分散装置、液剤分散情報出力方法及びプログラム
JP2017113317A (ja) 描画装置及び描画装置の描画方法
JP7375966B2 (ja) 印刷装置
US20220241742A1 (en) Agitation device and agitation method
US20230188663A1 (en) Printing apparatus, printing apparatus controlling method, and storage medium
JP2023045916A (ja) 撹拌装置、端末装置、印刷装置及び制御方法
US11760100B2 (en) Printing apparatus, printing control method, and storage medium
JP7484112B2 (ja) 印刷装置、印刷方法及びプログラム
JP6331538B2 (ja) 描画装置及び描画装置の描画方法
JP7459807B2 (ja) 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム
JP7444195B2 (ja) 塗布システム、塗布支援方法及びプログラム
CN113511009B (zh) 印刷装置、印刷系统、印刷控制方法以及记录介质
US20230001693A1 (en) Printing apparatus, stand and movement control method
JP2024042741A (ja) 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム
JP2022107880A (ja) 撹拌装置、印刷装置、制御方法及びプログラム
JP2024078776A (ja) 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム
JP2024043240A (ja) 制御装置、印刷制御方法及びプログラム
JP2023022876A (ja) 印刷装置、印刷装置の印刷制御方法及びプログラム
JP2023032455A (ja) 印刷装置、情報処理装置、印刷装置の制御方法及び制御プログラム
JP2021145892A (ja) 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム
JP2024071809A (ja) 電子機器、制御方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7322996

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150