JP2024078776A - 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】より容易かつ安定して濃度むらを抑制することのできる印刷装置、印刷制御方法及びプログラムを提供する。【解決手段】印刷装置は、爪面に印刷を行う印刷動作部と、爪面を撮影した撮影画像を取得する取得部と、制御部と、を備える。制御部は、印刷動作部による下地印刷が行われた爪面における印刷濃度を撮影画像から特定する。制御部は、特定した印刷濃度に基づいて、爪面に対する印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う。【選択図】図3
Description
この発明は、印刷装置、印刷制御方法及びプログラムに関する。
爪や爪に取り付けるネイルシール、ネイルチップなどの対象表面に対して模様などを印刷する印刷装置がある。印刷には、主にインクを吐出して対象表面に塗布するインクジェット方式が用いられている。
インクジェット方式では、吐出されるインクには、その色に応じた顔料や染料などが含まれる。これらの成分が溶剤などと均等に混ざらずに沈降、分離すると、吐出されたインク部分の成分比などに応じて印刷画像の色が所望の色から外れて濃度むらが生じたり、インクが適正に吐出されなかったりするという問題がある。特許文献1では、ヘッドタンクとインクカートリッジとの間でインクを循環させる動作や、ノズル内のインクを吸引したり加圧排出させたりすることでノズル内をクリーニングする動作や、ユーザにインクカートリッジを振るように報知する動作などが沈降、分離に対する対応動作として挙げられている。
しかしながら、濃度むらが生じない頻度で上記対応動作を実施するのは、手間がかかったり、装置としても大掛かりになったりしやすいという課題があった。
この発明の目的は、より容易かつ安定して濃度むらを抑制することのできる印刷装置、印刷制御方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、
爪面に印刷を行う印刷動作部と、
前記爪面を撮影した撮影画像を取得する取得部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面における印刷濃度を前記撮影画像から特定し、前記印刷濃度に基づいて、前記爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う
ことを特徴とする印刷装置である。
あるいは、本発明は、
爪面に印刷を行う印刷動作部と、
前記爪面に対して光を照射可能な照明部と、
前記爪面を撮影して撮影画像を生成可能な撮影部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面に対して前記照明部により光を照射させ、
前記光が照射された前記爪面を前記撮影部により撮影させ、
前記撮影部により生成された前記撮影画像における前記爪面の輝度値に基づいて当該爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う
ことを特徴とする印刷装置である。
爪面に印刷を行う印刷動作部と、
前記爪面を撮影した撮影画像を取得する取得部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面における印刷濃度を前記撮影画像から特定し、前記印刷濃度に基づいて、前記爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う
ことを特徴とする印刷装置である。
あるいは、本発明は、
爪面に印刷を行う印刷動作部と、
前記爪面に対して光を照射可能な照明部と、
前記爪面を撮影して撮影画像を生成可能な撮影部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面に対して前記照明部により光を照射させ、
前記光が照射された前記爪面を前記撮影部により撮影させ、
前記撮影部により生成された前記撮影画像における前記爪面の輝度値に基づいて当該爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う
ことを特徴とする印刷装置である。
本発明に従うと、より容易かつ安定して印刷時の濃度むらを抑制することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。
印刷装置1は、制御装置10と、印刷動作部20と、撮影装置30などを備えるネイルプリンタである。
図1は、本実施形態の印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。
印刷装置1は、制御装置10と、印刷動作部20と、撮影装置30などを備えるネイルプリンタである。
印刷動作部20は、吐出ヘッド21と、駆動部22と、ヘッド移動部23などを有し、爪面へインクを吐出して印刷を行う。吐出ヘッド21は、複数のノズル、当該ノズルからインクを吐出させるための吐出機構、及びインクをインクカートリッジからノズルへ供給するインク流路などを有する。ノズルは、吐出するインク色ごとに各々複数が適宜な配列パターンで並んでいる。吐出機構は、特には限られないが、例えばピエゾ式である。ピエゾ式の吐出機構は、インク流路(圧力室を含む)に沿って位置する圧電素子(ピエゾ素子)を有する。圧電素子は、駆動電圧の印加により変形してインク流路を変形させることで、インク流路内のインクに圧力変動を付与する。駆動部22は、印刷対象画像のデータなどに基づいて、吐出機構を駆動させる電気信号を生成、出力する。駆動部22は、上記圧電素子に対してインクの吐出有無に応じて適切な波形で電圧を印加する。
インクは、爪面にカラー画像(立体的であってもよい)を形成するための複数色のインクである。インクには、主に下地に用いられる白色インクが含まれる。白色インクには、ここでは、酸化チタンを成分として含む。
各色のインクを供給するインクカートリッジは、印刷装置1の特定の位置(ホルダ)に着脱可能となっている。インクカートリッジが取り付けられた状態では、インクがインクカートリッジから吐出ヘッド21内のインク流路へ当該インク流路内のインクの不足分に応じて流出可能となっている。インクカートリッジの着脱有無は、例えば電気的に検出可能な構成であってもよい。また、インクカートリッジは、インク色(製品種別)ごとに固有の電気信号などを出力可能なものであってもよい。また、インクカートリッジは、そのインク残量が基準量を下回った場合には、報知信号を出力可能であってもよい。
ヘッド移動部23は、X軸モータ231とY軸モータ232とを有する。ヘッド移動部23は、吐出ヘッド21(ノズル)を爪面に対して平行な面内で相対的に二次元移動させて、インクの吐出箇所を調整する。また、ヘッド移動部23は、吐出ヘッド21のメンテナンス動作時などに爪面と対向する位置からノズルを退避させる。なお、インクカートリッジは、吐出ヘッド21に対して相対的に固定されて、吐出ヘッド21とともに移動可能であってもよい。モータの種別は、印刷の解像度に比して必要な位置精度が得られるものであれば特には限られない。また、ヘッド移動部23は、吐出ヘッドをガイドレールやベルトなどを介して移動させるものであってもよい。
撮影装置30は、撮影部31と、照明部32とを有する。撮影部31は、可視光帯域の光を検出するCMOSセンサなどの撮像素子が二次元配列されて、各撮像素子に入射する光量を輝度値として取得し、撮影画像を生成するカメラである。撮影部31は、輝度値が取得可能であれば、可視光帯域の入射光を単一センサで取得するものであってもよいし、一部の波長帯の光のみを検出可能であってもよい。あるいは、撮影部31は、フルカラーでの撮影が可能であってもよい。撮影部31は、図示略の指載置台上に載置される指先部分(爪面を含む)を撮影可能である。これにより、撮影部31は、指先部分の撮影画像を生成可能である。特には限られないが、印刷時及び撮影時には、ユーザは、指挿入口に指載置台をセットして、当該指載置台上に指先(爪部分)やネイルチップなどの印刷対象を載置する。これにより、印刷対象が吐出ヘッド21に対して適正な範囲内にほぼ静止する。
照明部32は、撮影対象の爪面を含む指先が指載置台上にある場合に、爪面をある明るさで照明する(光を照射する)ことができる。照明部32が一定の明るさで爪面を照明することで、撮影部31の計測する輝度値をそのままインク濃度に対応付けることができる。照明部32は、特に限定されるものではないが、例えば、発光体としてLED(Light Emitting Diode)ランプを有する。また、照明部32は、必要に応じてレンズ、ミラー、フィルタなどの光学部品を有していてもよい。光の出射面は、爪面の曲面状態や局所的な凹凸により影や濃淡が生じにくいことがより好ましい。すなわち、特に限られないが、発光体や光学部品を介した出射光は、面発光であるとよい。LEDの発光強度は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)などにより制御されてもよい。上記一定の明るさを維持するために、経時的に発光量(供給電力)が計測されて、計測結果に応じてPWMによるデューティ比が調整されてもよい。
制御装置10は、印刷装置1の全体動作を制御する本実施形態のコンピュータである。制御装置10は、CPU11(Central Processing Unit)(制御部、取得部)と、RAM12(Random Access Memory)などを備える。
CPU11は、演算処理を行い、制御装置10の動作を制御するプロセッサである。CPU11は、単一のプロセッサを有していてもよいし、並列に又は用途に応じて独立に動作する複数のプロセッサを有していてもよい。CPU11は、印刷対象画像をインク吐出用データとして変換、調整する処理が実行可能であってもよい。また、CPU11は、印刷動作時に印刷動作部20の動作を制御して、駆動部の動作制御やヘッド移動部23による吐出ヘッド21の移動量などを制御する。また、CPU11は、爪面などの撮影時に撮影装置30を制御して、照明部32に光を出射させ、撮影部31に撮影動作及び撮影画像データの生成などを行わせる。
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供して一時データを記憶する。RAM12は、例えば、DRAMであるが、これに限られない。
記憶部13は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを有し、プログラム131や設定データなどを記憶保持する。設定データには、後述の重ね印刷設定132が含まれる。記憶部13は、印刷装置1の基幹制御プログラムや初期設定などをマスクROMに記憶保持していてもよい。
その他、印刷装置1は、表示部、操作受付部、通信部などを備えていてもよい。表示部は、電力供給状態や動作状況を示すためのランプや、メッセージ(ステータス、異常、操作などの案内)、メニュー、印刷デザイン(印刷対象画像)などを表示可能なディスプレイなどを有していてもよい。ランプは、特には限られないが、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。ディスプレイは、特には限られないが、例えば液晶ディスプレイ(LCD)である。ランプの点消灯(点灯色、点滅動作など)、及びLCDへの表示内容は、CPU11により制御される。
操作受付部は、動作のオンオフを切り替えるスイッチ(押しボタンスイッチ、ロッカースイッチやスライドスイッチなど適宜なものであってよい)の他、各種操作ボタンなどを有する。また、操作受付部は、LCDに重なって位置するタッチパネルなどを有していてもよい。操作受付部は、受け付けた操作内容に応じた操作信号をCPU11へ出力する。
通信部は、外部機器と通信を行い、印刷対象画像データや印刷設定などを外部機器から受信したり、印刷状況のステータスなどを外部機器に送信したりしてもよい。外部機器は、特には限られないが、スマートフォンなどの携帯型電子機器であってもよい。すなわち、印刷装置1の印刷画像や設定などは、外部機器で生成されて、印刷装置1は、当該印刷画像や設定に従った印刷動作を行うのであってもよい。通信部は、例えば、LAN(Local Area Network)(有線及び/又は無線)などによるネットワーク通信を制御するものであってもよい。これらに加えて又は代えて、通信部は、USB(Universal Serial Bus)やブルートゥース(登録商標)(近距離無線通信)などにより外部機器に直接通信接続されるものであってもよい。
また、印刷装置1は、RTC(Real Time Clock)などを有し、現在日時を計数することができる。印刷装置1の動作時には、CPU11がRTCから現在日時を取得して計数を行う。印刷装置1の停止時には、CPU11は、RTCの現在日時を自身が計数する値に修正して、自身での現在日時の計数を終了する。CPU11は、必要に応じて通信部などを介して外部からより正確な日時を取得して、計数している現在日時を修正することができる。
次に、白色インクによる下地印刷動作について説明する。
爪面は、一般的に凹凸などを有するので、ネイル印刷では、白色インクにより爪面に下地層を印刷形成(下地印刷)してから当該下地層上にカラー印刷を行う。また、白色インクの顔料として用いられる酸化チタンは、安定性が高く、爪面の保護にも用いられ得る。なお、ここでいう下地層の全体に対して、必ずしも重ねて他色インクなどにより印刷される必要はない。白色を含む画像を印刷したい場合には、下地層が露出されてもよい。すなわち、ここでいう「下地層」は、最終的に最上層として露出される部分を含む。
爪面は、一般的に凹凸などを有するので、ネイル印刷では、白色インクにより爪面に下地層を印刷形成(下地印刷)してから当該下地層上にカラー印刷を行う。また、白色インクの顔料として用いられる酸化チタンは、安定性が高く、爪面の保護にも用いられ得る。なお、ここでいう下地層の全体に対して、必ずしも重ねて他色インクなどにより印刷される必要はない。白色を含む画像を印刷したい場合には、下地層が露出されてもよい。すなわち、ここでいう「下地層」は、最終的に最上層として露出される部分を含む。
一方で、酸化チタンは、溶媒に比較して比重が顕著に大きい(約4)。したがって、インクカートリッジが静置されると、早い時間で溶媒内で沈降して分離する。
図2は、インクカートリッジの静置時間に応じた白色の度合の変化を模式的に示す図である。
インクがインクカートリッジの下方からノズルへ供給される場合、顔料が沈降すると、顔料の割合の高いインクが供給、吐出されることになり、当初のインク(白色)濃度が高くなる。撮影部31により下地層を撮影すると、インク濃度が高く白色であるほど、照明部32による照射光が反射して、輝度値が高くなる。よって、ここでは、下地層の濃度と輝度値とを等価として記載する。なお、フルカラー撮影などの場合には、各波長の輝度値をまとめて明度(L*)などとして表現してもよい。また、輝度値がより正確に濃淡の階調値に変換されてもよい。なお、顔料の沈降が著しく進むと、駆動部22による通常の圧力変動ではインクの吐出が正確になされなくなり、更に顔料が沈降すると、顔料がノズルに詰まりやすくなる。
インクがインクカートリッジの下方からノズルへ供給される場合、顔料が沈降すると、顔料の割合の高いインクが供給、吐出されることになり、当初のインク(白色)濃度が高くなる。撮影部31により下地層を撮影すると、インク濃度が高く白色であるほど、照明部32による照射光が反射して、輝度値が高くなる。よって、ここでは、下地層の濃度と輝度値とを等価として記載する。なお、フルカラー撮影などの場合には、各波長の輝度値をまとめて明度(L*)などとして表現してもよい。また、輝度値がより正確に濃淡の階調値に変換されてもよい。なお、顔料の沈降が著しく進むと、駆動部22による通常の圧力変動ではインクの吐出が正確になされなくなり、更に顔料が沈降すると、顔料がノズルに詰まりやすくなる。
したがって、インクは、適宜撹拌されて分離が抑制される必要がある。撹拌は、例えば、インクカートリッジが適宜振動などを加えられたり、インクカートリッジ内でかき混ぜる部材を動作させたり、インクカートリッジ内とノズルへのインク流路との間でインクを循環させたりすることで行われ得る。上記では示していないが、印刷装置1は、これらをCPU11の制御により自動で行う構成を有していてもよい。あるいは、ある基準時間以上の時間インクカートリッジが静置された場合には、印刷装置1がインクカートリッジを手動で振るなどにより撹拌させるように報知動作がなされてもよい。しかしながら、白色顔料を一律な濃度で分散させ続けるには、これらの撹拌動作を継続的又は頻繁に行う必要が生じ、手間や動作コストなどが大きくなりやすい。
また、上記のように、白色インクの顔料濃度が高いと、多少の沈降、分離でもノズルが詰まるなどの問題が生じやすくなるので、顔料は、十分に分散した状態であっても薄めの濃度となっている。したがって、印刷装置1では、一度のインク吐出(印刷)では、爪面を十分に白くできる濃度が得られない。通常、爪面の色は非白色であるので、印刷が足りないと、爪の色が残って非白色となる。このため、印刷装置1では、白色インクを複数回重ねて下地を印刷(重ね印刷、追加印刷)することで所望の白色濃度(印刷濃度)を得る。
印刷装置1では、白色インクにおいて顔料がある程度分離することを前提として、分離度合、すなわち吐出されるインクの濃度に応じて重ね印刷の回数などを調整することで、適切な白色濃度を得る。
図3は、白色インクの印刷回数と輝度値との関係を示すグラフである。
下地印刷として、印刷対象面全面にインクを吐出するベタ印刷が複数回行われることで、爪面の輝度値、すなわち白色の度合が上昇していく。細線白丸の例では、3回のベタ印刷により輝度値が基準値に到達する。なお、白色濃度が上昇するほど新たに吐出されたインクの顔料が既に顔料により被覆されている部分と重複する確率が上昇するので、上昇の度合が低下する。
下地印刷として、印刷対象面全面にインクを吐出するベタ印刷が複数回行われることで、爪面の輝度値、すなわち白色の度合が上昇していく。細線白丸の例では、3回のベタ印刷により輝度値が基準値に到達する。なお、白色濃度が上昇するほど新たに吐出されたインクの顔料が既に顔料により被覆されている部分と重複する確率が上昇するので、上昇の度合が低下する。
一方、太線黒丸の例では、3回のベタ印刷では輝度値が基準値に到達しないが、4回目のベタ印刷を行うと、黒三角で示すように、輝度値が基準値を超過する。この場合には、4回目の印刷では、印字率(インクによる被覆率、濃度階調)を調整した下地印刷が行われることで、基準値程度の輝度値が得られる。印字率の調整では、例えば、ハーフトーン処理などによりノズルからのインク吐出率(インクを吐出するノズルの割合や、複数回の吐出動作のうち実際にインクを吐出させる回数)を低下させる。ハーフトーン処理の具体的なパターンは特には限られない。なお、印字率(濃度階調)とインク吐出率とは、対応関係を有するものの、通常は単純に比例しないので、別途これらの対応関係が定められていてもよい。この場合、明示的に印字率を規定せずに、データとしては最終回の重ね印刷による基準値の超過度合とインク吐出率とが直接対応付けられるだけであってもよい。このように印字率を直接的に用いない調整も本実施形態の印字率の調整に含まれる。
上記のように、ある程度の白色の顔料の分離を前提としてインクカートリッジからインクを供給させると、沈降した白色の顔料成分が先にノズルから供給されることになる。その結果、相対的にインクカートリッジ内に残る白色の顔料成分が少なくなっていく。したがって、同じ静置時間で同一回数のベタ印刷では、使用(吐出)回数が多いインクカートリッジほど爪面のインク(白色)濃度が上がらなくなる。すなわち、相対的にインクのインクカートリッジからの供給が少ない状態(未使用を含む)では、上記細線白丸の例のようになりやすい。また、上記太線黒丸の例が相対的にインクのインクカートリッジからの供給(インクの使用)が進んだ状態に該当しやすい。
これらの要因により、重ね印刷による濃度の上昇度合は、インクカートリッジの使用状況及び最初の白色の顔料成分の分離状態の組み合わせによって定まる。すなわち、この組み合わせによって、基準値の濃度を得るため必要な重ね印刷の回数及び最後の印刷における印字率が定められる。なお、例えば、毎回きちんと撹拌した状態で短時間印刷を行うユーザであれば、使用状況に応じた印刷濃度の変化(低下)は緩やかになる。すなわち、使用状況は、過去の印刷時の分離状態の累積状況に依存し得る。
印刷装置1は、上記のように、記憶部13に重ね印刷設定132を記憶保持している。重ね印刷設定132は、初回の下地印刷における白色濃度(輝度)及び現在利用されているインクカートリッジの使用状況と、重ね印刷の回数及び最後の印刷における印字率と、の間の対応関係を示すデータである。印刷装置1では、インクカートリッジの交換からのインク吐出回数(クリーニングなどのための吐出を含む。加圧排出などの場合には、1回の排出を通常の複数回分と定めてもよい)を計数し、使用状況のデータとして記憶部13に記憶させておく。印刷装置1は、下地印刷時に現在のインクカートリッジの使用状況のデータを取得する。そして、印刷装置1は、重ね印刷設定132を参照し、1回目の下地印刷による白色濃度と使用状況とに応じて、下地印刷における重ね印刷回数及び最後の印刷時の印字率を定める。
なお、下地層の濃度は、小さなずれでは最終的な画質に大きな影響は生じにくい。したがって、重ね印刷回数及び最後の印刷時の印字率は、概算でよく、厳密になされなくてもよい。例えば、ハーフトーン処理におけるノズルからのインク吐出率は、10%~25%単位で定められてもよい。
図4は、本実施形態の印刷装置1で実行される下地印刷制御処理のCPU11による制御手順のフローチャートである。本実施形態の印刷制御方法であるこの下地印刷制御処理は、ユーザによる下地印刷命令に応じて、又は全体の印刷命令に応じた処理の一環として呼び出されて実行される。
CPU11は、印刷対象範囲を設定する(ステップS101)。CPU11は、撮影装置30により指載置台上の指を撮影させて、又は既に撮影済みの指画像データを参照して、爪の輪郭を特定することで、印刷対象範囲を定める。
CPU11は、前回のインク撹拌日時を記憶部13から取得し、現在日時までの経過時間を算出する(ステップS102)。CPU11は、経過時間が上限値以上であるか否かを判別する(ステップS103)。経験時間が上限値以上ではない(未満である)と判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS105へ移行する。
経過時間が上限値以上であると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU11は、インクの撹拌動作を行うか、又は撹拌を行うようにユーザに知らせる報知動作を行う(ステップS104)。ユーザが手動で撹拌を行う場合には、CPU11は、撹拌されたインクカートリッジが印刷装置1に再度セットされるまで待機する。CPU11は、インク撹拌日時の記憶データを更新し、経過時間を初期化する。それから、CPU11の処理は、ステップS105へ移行する。
ステップS105の処理へ移行すると、CPU11は、印刷動作部20により爪面に対して1回ベタ印刷で下地を印刷する(最初の印刷)(ステップS105)。CPU11は、照明部32を動作させて、指搭載台上の爪面を照明させる(ステップS106;照射ステップ、照射制御手段)。なお、この照明部32の動作は、最後の重ね印刷が終了するまで継続されてもよい。あるいは、印刷動作ごとに照明部32の動作がオンオフされてもよい。CPU11は、撮影部31により指載置台上の爪面(指)を撮影させてその撮影画像を取得し、当該撮影画像から爪面の白色濃度(輝度値)を特定する(ステップS107;撮影ステップ、撮影制御手段、取得手段)。輝度値の取得は、爪面全体の平均である必要はなく、複数のサンプル点の平均値などであってもよい。複数のサンプル点は、照射光の反射方向を考慮して、爪の左右方向中心付近に並んで定められてもよい。
CPU11は、インクカートリッジの使用状況を記憶部13から取得する(ステップS108)。CPU11は、重ね印刷設定132を参照して、ステップS107で取得した爪面の白色濃度(輝度値)及びステップS108で取得した使用状況に応じた重ね印刷の回数(最初の1回を差し引いた回数であってもよい)及び最後の印刷時の印字率を設定(回数の決定及び最後の印字率の調整制御)する(ステップS109)。CPU11は、上記設定に従って印刷動作部20により重ね印刷を行わせる(ステップS110;(追加印刷の制御動作、追加制御ステップ、追加制御手段)。そして、CPU11は、下地印刷制御処理を終了する。
[変形例1]
上記では、最初の1回の下地印刷後の爪面の白色濃度を取得したが、ユーザによって元の爪面の白色濃度が大きく異なることで、不完全な1回目の下地印刷後の爪面の白色濃度にも差が生じ得る。変形例1の下地印刷制御では、最初の下地印刷前の爪面の撮影データを取得し、最初の下地印刷前後の爪面の白色濃度に基づいて、重ね印刷の回数及び最後の印刷時の印字率を定める。これらの設定には、例えば元の爪面の白色濃度と、1回目の下地印刷後の爪面の白色濃度との2回取得した白色濃度の差分が用いられてもよい。あるいは、1回目の下地印刷によって爪面の白色濃度が基準値へどの程度接近したのかを表す接近率などが考慮されてもよい。あるいは、2回の白色濃度の組み合わせに対してそれぞれ重ね印刷の回数及び最後の印刷時の印字率が設定されてもよい。
上記では、最初の1回の下地印刷後の爪面の白色濃度を取得したが、ユーザによって元の爪面の白色濃度が大きく異なることで、不完全な1回目の下地印刷後の爪面の白色濃度にも差が生じ得る。変形例1の下地印刷制御では、最初の下地印刷前の爪面の撮影データを取得し、最初の下地印刷前後の爪面の白色濃度に基づいて、重ね印刷の回数及び最後の印刷時の印字率を定める。これらの設定には、例えば元の爪面の白色濃度と、1回目の下地印刷後の爪面の白色濃度との2回取得した白色濃度の差分が用いられてもよい。あるいは、1回目の下地印刷によって爪面の白色濃度が基準値へどの程度接近したのかを表す接近率などが考慮されてもよい。あるいは、2回の白色濃度の組み合わせに対してそれぞれ重ね印刷の回数及び最後の印刷時の印字率が設定されてもよい。
重ね印刷設定132は、これら2回の白色濃度(輝度)及び現在利用されているインクカートリッジの使用状況と、重ね印刷の回数及び最後の印刷における印字率と、の間の対応関係を示すデータであってよい。
図5は、変形例1の下地印刷制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この変形例1の下地印刷制御処理は、図4に示した下地印刷制御処理に対してステップS111の処理が追加されている。また、ステップS109で参照される重ね印刷設定132は、上記の通り、変形例1の内容に合わせたものである。その他の処理は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
この変形例1の下地印刷制御処理は、図4に示した下地印刷制御処理に対してステップS111の処理が追加されている。また、ステップS109で参照される重ね印刷設定132は、上記の通り、変形例1の内容に合わせたものである。その他の処理は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
ステップS103で“NO”に分岐した場合、及びステップS104の処理の後に、ステップS111の処理に移行する。CPU11は、下地印刷前の撮影画像から元の爪色(輝度値)を取得する(ステップS111)。この撮影画像は、ステップS101で印刷対象範囲の設定に用いられる撮影画像と同一であってもよいし、別途撮影されたものであってもよい。それから、CPU11の処理は、ステップS105へ移行する。
[変形例2]
あるいは、下地印刷が行われるごとに毎回次の下地印刷の可否及び印字率を設定してもよい。すなわち、直近の下地印刷後における下地層の輝度値(白色濃度)が基準値を超えている場合には、次の下地印刷は中止される。直近の下地印刷後における下地層に更に1回ベタ印刷をしても輝度値が基準値を超えない見込まれる場合には、次回もベタ印刷が設定される。直近の下地印刷後における下地層の輝度値が基準値を超えていないが、次にベタ印刷がなされると基準値を明らかに超えると見込まれる場合には、次のハーフトーン印刷などにより基準値程度の輝度値が見込まれる印字率での印刷が設定される。
あるいは、下地印刷が行われるごとに毎回次の下地印刷の可否及び印字率を設定してもよい。すなわち、直近の下地印刷後における下地層の輝度値(白色濃度)が基準値を超えている場合には、次の下地印刷は中止される。直近の下地印刷後における下地層に更に1回ベタ印刷をしても輝度値が基準値を超えない見込まれる場合には、次回もベタ印刷が設定される。直近の下地印刷後における下地層の輝度値が基準値を超えていないが、次にベタ印刷がなされると基準値を明らかに超えると見込まれる場合には、次のハーフトーン印刷などにより基準値程度の輝度値が見込まれる印字率での印刷が設定される。
この変形例2の場合も、直近の下地印刷前後における下地層の輝度値の変化などから、次の階調印刷又はベタ印刷が定められてもよい。あるいは、上記変形例1と同様に、初回の下地印刷の前後における輝度値の変化及びインクカートリッジの使用状況による判断を基準としつつ、各回の下地印刷による輝度値と想定値とのずれに基づく調整がなされるのであってもよい。
図6は、変形例2の下地印刷制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
この変形例2の下地印刷制御処理では、変形例1の下地印刷制御処理におけるステップS110の処理がステップS110aの処理に変更されている。また、変形例2の下地印刷制御処理には、ステップS121~S123の処理が追加されている。その他の処理は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
この変形例2の下地印刷制御処理では、変形例1の下地印刷制御処理におけるステップS110の処理がステップS110aの処理に変更されている。また、変形例2の下地印刷制御処理には、ステップS121~S123の処理が追加されている。その他の処理は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
ステップS109の処理の後、CPU11は、印刷動作部20により上記設定で次の(最初の)重ね印刷を行わせる(ステップS110a)。CPU11は、直近の重ね印刷後の爪面を撮影部31により撮影させて、その爪面の白色濃度(輝度値)を取得する(ステップS121)。CPU11は、得られた白色濃度(輝度値)に基づいて(上記のように、一回前の白色濃度などが併せて参照されてもよい)、次回の重ね印刷の要否及び次回の重ね印刷を行う場合の印字率(インク吐出率)を設定する(ステップS122)。
CPU11は、次回の重ね印刷を行うか否かを判別する(ステップS123)。次回の重ね印刷を行うと判別された場合には(ステップS123で“YES”)、CPU11の処理は、ステップS110aへ戻る。次回の重ね印刷を行わないと判別された場合には(ステップS123で“NO”)、CPU11は、下地印刷制御処理を終了する。
以上のように、本実施形態の印刷装置1は、爪面に印刷を行う印刷動作部20と、CPU11と、を備える。CPU11は、取得部として、爪面を撮影した撮影画像を取得する。CPU11は、制御部として、印刷動作部20による印刷が行われた爪面における印刷濃度を撮影画像から特定し、得られた印刷濃度に基づいて、爪面に対する印刷動作部20による重ね印刷の制御を行う。
このように、印刷装置1は、一回の印刷結果で得られるインク濃度、及び不足している白色濃度の度合などを考慮して、どの程度の重ね印刷により所望の白色濃度が得られるかを見積もる。よって、印刷装置1は、顔料の沈降などによりインク濃度に多少のむらがあっても、爪面上に容易に適切なインク濃度の下地層を得ることができる。したがって、印刷装置1は、より容易かつ安定して濃度むらを抑制することができる。特に、顔料の沈降の速いインクなどでも頻繁に撹拌動作を行う必要がなくなるので、ユーザの手間をかけたり、ユーザに撹拌が終了するまで待機を強いたり、使用頻度に比して頻繁な撹拌動作による電力消費が増大したりといった問題を抑制することができる。
このように、印刷装置1は、一回の印刷結果で得られるインク濃度、及び不足している白色濃度の度合などを考慮して、どの程度の重ね印刷により所望の白色濃度が得られるかを見積もる。よって、印刷装置1は、顔料の沈降などによりインク濃度に多少のむらがあっても、爪面上に容易に適切なインク濃度の下地層を得ることができる。したがって、印刷装置1は、より容易かつ安定して濃度むらを抑制することができる。特に、顔料の沈降の速いインクなどでも頻繁に撹拌動作を行う必要がなくなるので、ユーザの手間をかけたり、ユーザに撹拌が終了するまで待機を強いたり、使用頻度に比して頻繁な撹拌動作による電力消費が増大したりといった問題を抑制することができる。
また、この印刷装置1が撮影部31を備えていてもよい。一体構成とすることで、容易に爪面上の下地層のインク濃度を特定することができる。
あるいは、印刷装置1は、爪面に印刷を行う印刷動作部20と、爪面に対して光を照射可能な照明部32と、爪面を撮影して撮影画像を生成可能な撮影部31と、制御部としてのCPU11と、を備える。CPU11は、印刷動作部20による印刷が行われた爪面に対して照明部32により光を照射させる。CPU11は、光が照射された爪面を撮影部31により撮影させる。CPU11は、撮影部31により生成された撮影画像における爪面の輝度値に基づいて当該爪面に対する印刷動作部20による追加印刷の制御を行う。このように、爪面を照明して爪面を印刷可能な印刷装置1によれば、容易に適切なインク濃度の下地層を安定して少ないむらで形成することができる。
また、CPU11は、最初の下地層の印刷が行われた爪面の撮影画像に基づいて、重ね印刷を行う回数を決定する。最初の印刷により概ねその後の印刷による白色濃度の増し方の見通しが立つ。したがって、印刷装置1は、これにより重ね印刷の回数を定めることで、簡便な処理で下地層の白色濃度を適宜な値に近付けることができる。
また、CPU11は、重ね印刷のうち最後の印刷における印字率を調整制御する。すなわち、単純にベタ印刷による重ね印刷の回数だけでは、適切な濃度が得られない場合がある。このような場合に、ハーフトーン処理などを用いて重ね印刷の印字率を制御をすることで、より柔軟かつより確実に下地層の白色濃度を適切な値に近付けることができる。
また、印刷動作部20は、爪面に対してインクを吐出することで印刷を行い、CPU11は、重ね印刷のうち最後の印刷におけるインクのインク吐出率を調整制御する。インクジェット方式の印刷装置1では、インク吐出率も適切な濃度を得るのに直接関係し得る。ハーフトーン処理などにより重ね印刷の濃度調整をする際に、インク吐出率を制御することでも、印刷装置1では、より柔軟かつ確実に下地層の白色濃度を適切な値に近付けることができる。
また、CPU11は、ある下地印刷の前後の爪面の撮影画像を取得し、当該撮影画像に基づいて、当該下地印刷より後の重ね印刷を制御してもよい。上記のように一回の撮影で重ね印刷の制御を行うと、元々の爪の色の影響や、各下地印刷時のインクの撹拌状況の累積的影響などにより若干のばらつきが残り得る。したがって、ある下地印刷の前後の撮影画像による白色濃度の変化度合を取得することで、より適切に白色濃度を適切な値に近付けるように重ね印刷を制御することができる。
また、ある印刷は、最初の印刷を含み、その前の撮影画像には、爪面への最初の印刷の前の撮影画像が含まれる。最初の印刷前の爪面の撮影画像を参照することで、爪の地色が容易に特定できる。これにより、地色から所望の白色濃度へ変化させるための重ね印刷をより適切に見積もることができる。
また、ある印刷は、直近の印刷である。CPU11は、重ね印刷の各々を含む印刷をそれぞれ行うごとに直近の印刷の前後の撮影画像に基づいて、その後の追加印刷を制御してもよい。すなわち、一回の下地印刷の前後だけではなく、重ね印刷中の各下地印刷でもそれぞれ前後の撮影画像により白色濃度の変化及び到達度合を特定する。したがって、印刷装置1は、最初の1回で全ての重ね印刷を定める場合に比較して、より精度よく所望の白色濃度へ近づけるように調整していくことができる。
また、本実施形態の爪面に印刷を行う印刷動作部20を備える印刷装置1の印刷制御方法は、爪面を撮影した撮影画像を取得する取得ステップ、印刷動作部20による印刷が行われた爪面における印刷濃度を撮影画像から特定し、印刷濃度に基づいて、爪面に対する印刷動作部20による重ね印刷の制御を行う追加制御ステップ、を含む。
このような印刷制御方法では、インクの濃度が均一ではなくても、印刷面を適切な色濃度とすることができる。したがって、この印刷制御方法によれば、インクを頻繁に撹拌せずとも、印刷面のインク濃度(白色濃度)の色むらを容易に抑制することができる。
このような印刷制御方法では、インクの濃度が均一ではなくても、印刷面を適切な色濃度とすることができる。したがって、この印刷制御方法によれば、インクを頻繁に撹拌せずとも、印刷面のインク濃度(白色濃度)の色むらを容易に抑制することができる。
また、上記の印刷制御方法に係るプログラム131をインストールして実行することで、特殊な制御機構や構成を必要とせずに容易に色むらを抑制することができる。
あるいは、爪面に印刷を行う印刷動作部20と、爪面に対して光を照射可能な照明部32と、爪面を撮影して撮影画像を生成可能な撮影部31と、を備える印刷装置1の本実施形態の印刷制御方法は、照明部32が印刷動作部20による印刷が行われた爪面に対して光を照射する照射ステップ、撮影部31が光が照射された爪面を撮影する撮影ステップ、撮影ステップで生成された撮影画像における爪面の輝度値に基づいて当該爪面に対する印刷動作部20による追加印刷の制御を行う追加制御ステップ、を含む。
この印刷制御方法によれば、印刷装置が備える照明部32と撮影部31とによって容易に爪面の白色濃度を特定することができる。したがって、この印刷制御方法は、白色濃度が不足している段階の撮影画像に基づいて、どの程度追加で重ね印刷をすれば所望の白色濃度を得ることができるかを見積もることができる。よって、この印刷制御方法では、多少吐出するインク濃度にむらがあっても、容易に最終的に色むらを抑えた画像を得ることができる。
この印刷制御方法によれば、印刷装置が備える照明部32と撮影部31とによって容易に爪面の白色濃度を特定することができる。したがって、この印刷制御方法は、白色濃度が不足している段階の撮影画像に基づいて、どの程度追加で重ね印刷をすれば所望の白色濃度を得ることができるかを見積もることができる。よって、この印刷制御方法では、多少吐出するインク濃度にむらがあっても、容易に最終的に色むらを抑えた画像を得ることができる。
また、上記の印刷制御方法に係るプログラム131をインストールして実行することでも、印刷装置1のコンピュータは、特殊な制御機構や構成を用いずに容易に色むらの発生を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態で示した吐出ヘッド21のノズル配列及び吐出ヘッド21の移動方向は任意であってもよい。また、印刷は、マルチパスで行われてもよいし、シングルパスであってもよい。
例えば、上記実施の形態で示した吐出ヘッド21のノズル配列及び吐出ヘッド21の移動方向は任意であってもよい。また、印刷は、マルチパスで行われてもよいし、シングルパスであってもよい。
また、上記実施の形態では、白色の下地印刷を前提として説明したが、必ずしも下地の色が白色に限られなくてもよい。また、顔料成分は、酸化チタンに限られなくてもよい。溶媒との比重の差を有するものであれば、成分の分離が生じ得るので、上記技術を適用することができる。
また、上記実施の形態では、照明部32の発光体であるLEDの発光により爪面を一定の照度とするものとして説明したが、これに限られるものではない。外光と併用して全体として規定の照度が得られるように発光制御がなされてもよい。また、発光体はLED以外のものであってもよい。また、PWM制御ではなく、発光強度の絶対値が調整されてもよい。
また、比較対象とされる印刷前後の撮影画像は、最初の下地印刷の前後に撮影されたものではなくてもよい。最初の印刷後と2回目の印刷後、すなわち、2回目の印刷前後の撮影画像に基づいて重ね印刷の制御がなされてもよい。
また、複数回の印刷後に重ね印刷の設定制御がなされる場合、必ずしも全ての印刷後に毎回重ね印刷の設定制御がなされなくてもよい。例えば、最初の印刷後と、予定された最後の印刷前(最後の1回前の印刷後)に設定制御がなされてもよい。
また、下地印刷を行う部分とインク濃度(白色濃度)を撮影取得する部分とが異なる構成、装置であってもよい。異なる装置で撮影された撮影画像のデータは、通信部などを介して当該異なる装置から印刷装置1送られることで、CPU11により取得されてもよい。また、印刷装置1内で、印刷位置とは異なる位置で、白色濃度の撮影がなされてもよい。
また、上記実施の形態では、複数回の重ね印刷のうち最終回の印字率をハーフトーン処理で調整するものとして説明した。しかしながら、最終回の吐出以外の途中でハーフトーン処理などによる印字率の調整がなされてもよい。
また、上記実施の形態では、ノズルからインク液滴を吐出するか否かの2値制御であるものとして説明したが、これに限られない。ノズルからは、小液滴と大液滴など、複数種類の液量の液滴を吐出可能であってもよい。印字率の設定が、ハーフトーン処理の代わりに、一部のインク吐出が小液滴に変更されるなどの液滴サイズの変更によってなされてもよい。
また、以上の説明では、本発明の下地印刷制御に係るプログラム131を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部13を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、MRAMなどの他の不揮発性メモリやHDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1 印刷装置
10 制御装置
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
132 重ね印刷設定
20 印刷動作部
21 吐出ヘッド
22 駆動部
23 ヘッド移動部
231 X軸モータ
232 Y軸モータ
30 撮影装置
31 撮影部
32 照明部
10 制御装置
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
132 重ね印刷設定
20 印刷動作部
21 吐出ヘッド
22 駆動部
23 ヘッド移動部
231 X軸モータ
232 Y軸モータ
30 撮影装置
31 撮影部
32 照明部
Claims (13)
- 爪面に印刷を行う印刷動作部と、
前記爪面を撮影した撮影画像を取得する取得部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面における印刷濃度を前記撮影画像から特定し、前記印刷濃度に基づいて、前記爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。 - 爪面に印刷を行う印刷動作部と、
前記爪面に対して光を照射可能な照明部と、
前記爪面を撮影して撮影画像を生成可能な撮影部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面に対して前記照明部により光を照射させ、
前記光が照射された前記爪面を前記撮影部により撮影させ、
前記撮影部により生成された前記撮影画像における前記爪面の輝度値に基づいて当該爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う
ことを特徴とする印刷装置。 - 前記爪面を撮影する撮影部を備えることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 前記制御部は、最初の前記下地印刷が行われた前記爪面の前記撮影画像に基づいて、前記追加印刷を行う回数を決定することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記追加印刷のうち最後の印刷における印字率を調整制御することを特徴とする請求項4記載の印刷装置。
- 前記印刷動作部は、前記爪面に対してインクを吐出することで印刷を行い、
前記制御部は、前記追加印刷のうち最後の印刷における前記インクのインク吐出率を調整制御することを特徴とする請求項4記載の印刷装置。 - 前記制御部は、ある印刷の前後の前記爪面の撮影画像を取得し、当該撮影画像に基づいて、前記ある印刷後の前記追加印刷を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記ある印刷は、最初の下地印刷を含み、当該ある印刷の前の撮影画像には、前記爪面への前記最初の下地印刷の前の撮影画像が含まれることを特徴とする請求項7記載の印刷装置。
- 前記ある印刷は、直近になされた印刷であり、
前記制御部は、前記爪面に対して前記追加印刷の各々を含む印刷をそれぞれ行うごとに前記直近の印刷の前後の撮影画像に基づいて、その後の前記追加印刷を制御する
請求項7記載の印刷装置。 - 爪面に印刷を行う印刷動作部を備える印刷装置の印刷制御方法であって、
前記爪面を撮影した撮影画像を取得する取得ステップ、
前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面における印刷濃度を前記撮影画像から特定し、前記印刷濃度に基づいて、前記爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う追加制御ステップ、
を含むことを特徴とする印刷制御方法。 - 爪面に印刷を行う印刷動作部と、前記爪面に対して光を照射可能な照明部と、前記爪面を撮影して撮影画像を生成可能な撮影部と、を備える印刷装置の印刷制御方法であって、
前記照明部が前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面に対して光を照射する照射ステップ、
前記撮影部が前記光が照射された前記爪面を撮影する撮影ステップ、
前記撮影ステップで生成された前記撮影画像における前記爪面の輝度値に基づいて当該爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う追加制御ステップ、
を含むことを特徴とする印刷制御方法。 - 爪面に印刷を行う印刷動作部を備える印刷装置のコンピュータを、
前記爪面を撮影した撮影画像を取得する取得手段、
前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面における印刷濃度を前記撮影画像から特定し、前記印刷濃度に基づいて、前記爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う追加制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。 - 爪面に印刷を行う印刷動作部と、前記爪面に対して光を照射可能な照明部と、前記爪面を撮影して撮影画像を生成可能な撮影部と、を備える印刷装置のコンピュータを、
前記印刷動作部による下地印刷が行われた前記爪面に対して前記照明部により光を照射させる照射制御手段、
前記光が照射された前記爪面を前記撮影部により撮影させる撮影制御手段、
前記撮影部により生成された前記撮影画像における前記爪面の輝度値に基づいて当該爪面に対する前記印刷動作部による下地の追加印刷の制御を行う追加制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022191321A JP2024078776A (ja) | 2022-11-30 | 2022-11-30 | 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム |
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