JP7321655B2 - 被膜の耐候性を評価する方法、該被膜の製膜方法及び該被膜を有する物品 - Google Patents

被膜の耐候性を評価する方法、該被膜の製膜方法及び該被膜を有する物品 Download PDF

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Description

本発明は、被膜の耐候性を評価する方法、該被膜の製膜方法及び該被膜を有する物品に関し、詳細には、パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを含む、撥水撥油性、耐候性及び密着性に優れた被膜の耐候性を評価する方法、該被膜の製膜方法及び該被膜を有する物品に関する。
一般に、フルオロポリエーテル基を有する化合物は、その表面自由エネルギーが非常に小さいために、撥水撥油性、耐薬品性、潤滑性、離型性、防汚性などを有する。このフルオロポリエーテル基を有する化合物は、その性質を利用して、工業的には紙・繊維などの撥水撥油防汚剤、磁気記録媒体の滑剤、精密機器の防油剤、離型剤、化粧料、保護膜など、幅広く利用されている。しかし、その性質は同時に他の基材に対して非粘着性、非密着性であることを意味しており、フルオロポリエーテル基を有する化合物そのものを基材表面に塗布することはできても、該化合物を含む被膜を基材に密着させることは困難であった。
一方、ガラスや布などの基材表面と有機化合物とを結合させるものとして、シランカップリング剤が良く知られており、各種基材表面のコーティング剤として幅広く利用されている。シランカップリング剤は、1分子中に有機官能基と反応性シリル基(一般にはアルコキシシリル基等の加水分解性シリル基)を有する。加水分解性シリル基が、空気中の水分などによって自己縮合反応を起こして被膜を形成する。該被膜は、加水分解性シリル基が、ガラスや金属などの表面と化学的・物理的に結合することにより、耐久性を有するものとなる。
そこで、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物に加水分解性シリル基を導入したパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを用いることによって、基材表面に密着し易く、且つ基材表面に、撥水撥油性、耐薬品性、潤滑性、離型性、防汚性等を有する被膜を形成しうる組成物が開示されている(国際公開WO2017/038832号公報(特許文献1)、特開2019-131807公報(特許文献2)、特開2019-119747号公報(特許文献3))。
このパーフルオロポリエーテル基を有する化合物に加水分解性シリル基を導入したパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを含有する組成物で表面処理したレンズや反射防止膜等の硬化被膜は、滑り性、撥水撥油性に優れるものの、耐候性については十分に性能を発揮できていなかった。
国際公開第2017/038832号 特開2019-131807号公報 特開2019-119747号公報
したがって、本発明は、パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを含む被膜であって、撥水撥油性、耐候性及び密着性に優れた被膜を提供するための被膜の耐候性を評価する方法、該被膜の製膜方法及び該被膜を有する物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、被膜形成後の硬化を適切に行い、該被膜の膜密度を所定の範囲とすることで、被膜の耐候性が向上することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の被膜の耐候性を評価する方法、該被膜の製膜方法及び該被膜を有する物品を提供するものである。
[1]
パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの硬化物からなる被膜の耐候性を評価する方法であって、基材表面に適用したパーフルオロポリエーテル基を有するポリマー被覆層を、X線反射率法により膜密度を測定し、該膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下であると判定する工程を有する、パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの硬化物からなる被膜の耐候性を評価する方法。

[2]
パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーが、1分子中に
-(CF2d-O-(CF2O)p(CF2CF2O)q(CF2CF2CF2O)r(CF2CF2CF2CF2O)s(CF(CF3)CF2O)t-(CF2d
(式中、p、q、r、s、tはそれぞれ独立に0~200の整数であり、かつ、p+q+r+s+t=3~500であり、括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよく、dは独立に0~8の整数であり、該単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。)で示される2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基を有し、かつ、1分子中の少なくとも1個の末端に加水分解性基を少なくとも1個有するパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーである[1]に記載の被膜の耐候性を評価する方法。

[3]
パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーが、下記一般式(1)~(5)で表されるフッ素含有加水分解性有機ケイ素化合物から選ばれる少なくとも1種である[1]又は[2]に記載の被膜の耐候性を評価する方法。
(A-Rf)α-ZWβ (1)
Rf-(ZWβ)2 (2)
Z’-(Rf-ZWβ)γ (3)
〔式中、Rfは-(CF2d-O-(CF2O)p(CF2CF2O)q(CF2CF2CF2O)r(CF2CF2CF2CF2O)s(CF(CF3)CF2O)t-(CF2d-で示される2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基であり、p、q、r、s、tはそれぞれ独立に0~200の整数であり、かつ、p+q+r+s+t=3~500であり、括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよく、dは独立に0~8の整数であり、該単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。Aはフッ素原子、水素原子、又は末端が-CF3基、-CF2H基もしくは-CH2F基である1価のフッ素含有基であり、Z、Z’は独立に単結合、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよく、フッ素置換されていてもよい2~8価の有機基であり、Wは末端に加水分解性基を有する1価の有機基である。α、βはそれぞれ独立に1~7の整数であり、かつ、α+β=2~8の整数である。γは2~8の整数である。〕
A-Rf-Q-(Y)δ-B (4)
Rf-(Q-(Y)δ-B)2 (5)
(式中、Rf、Aは前記と同じであり、Qは単結合又は2価の有機基であり、δはそれぞれ独立に1~10の整数であり、Yは加水分解性基を有する2価の有機基であり、Bは水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又はハロゲン原子である。)

[4]
前記Zが、シルフェニレン基又は環状シロキサン構造を有するものである[3]に記載の被膜の耐候性を評価する方法。

[5]
前記Qが、シルフェニレン基又は環状シロキサン構造を有するものである[3]に記載の被膜の耐候性を評価する方法。

[6]
[1]~[5]のいずれかに記載の被膜の耐候性を評価する方法において用いられるパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの硬化物からなる被膜を製膜する方法であって、基材表面に適用したパーフルオロポリエーテル基を有するポリマー被覆層を、X線反射率法により求めた膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下となるように硬化・製膜する工程を含むものである方法。

[7]
パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの硬化物からなりX線反射率法により求めた膜密度が1.40g/cm 3 以上かつ2.50g/cm 3 以下である被膜を有する物品。
本発明の評価方法における評価対象の被膜は、パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを含み、このポリマーの硬化物の膜密度が所定の範囲であることから、撥水撥油性、耐候性に優れる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の評価方法における評価対象の被膜は、パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを含む被膜(硬化物)であって、X線反射率法により求めた膜密度が、1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下となるものである。
本発明における評価方法における評価対象の被膜の膜密度は、1.40g/cm3から2.50g/cm3、好ましくは1.45g/cm3から2.30g/cm3、より好ましくは1.50g/cm3から2.00g/cm3である。膜密度が1.40g/cm3より低い被膜は、十分な撥水撥油性を示さない。また膜密度が2.50g/cm3より高い被膜は、原材料となるパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーのバルク密度を大幅に超えるため、このような被膜の製造は困難である。
本発明の評価方法における被膜の膜密度は、X線反射率法により測定することができ、例えば、下記に示す条件にて被膜のX線の反射率を測定し、これより求めた全反射臨界角度により算出することができる。

・測定装置:X線回折装置ATX-G(リガク株式会社製)
・X線発生装置:回転対陰極型Cu
・出力:50kV・300mA
・測定範囲:0.3-4.0°
・ステップ幅:0.001°
・走査速度:0.2°/min
本発明においては、パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを含む被膜を製膜した後、硬化条件を適宜設定して被膜を硬化させることで、膜密度を上記に示す範囲に規定できる。
前記パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーとしては、好ましくは、1分子中にフルオロオキシアルキレン基(即ち、1価又は2価のパーフルオロポリエーテル残基)を有する化合物であるものが挙げられる。フルオロオキシアルキレン基は、-Cj2jO-で示される繰り返し単位が複数、直鎖状に(直列に)結合した(ポリ)フルオロオキシアルキレン構造(2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基)を有する化合物である(該構造においてjは1以上、好ましくは1~6、より好ましくは1~4の整数である)。前記パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーとしては、特に、前記繰り返し単位を3~500個、好ましくは15~200個、さらに好ましくは20~100個、より好ましくは25~80個有するものが挙げられる。
上記繰り返し単位-Cj2jO-自体は、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。例えば下記の単位が挙げられ、これらの繰り返し単位の2種以上が結合されたものであってもよい。
-CF2O-
-CF2CF2O-
-CF2CF2CF2O-
-CF(CF3)CF2O-
-CF2CF2CF2CF2O-
-CF2CF2CF2CF2CF2O-
-C(CF32O-
上記(ポリ)フルオロオキシアルキレン構造(2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基)は、特には、-(CF2d-O-(CF2O)p(CF2CF2O)q(CF2CF2CF2O)r(CF2CF2CF2CF2O)s(CF(CF3)CF2O)t-(CF2d-であり、p、q、r、s、tはそれぞれ独立に0~200の整数であり;好ましくは、pは5~100の整数、qは5~100の整数、rは0~100の整数、sは0~50の整数、tは0~100の整数であり、かつ、p+q+r+s+t=3~500の整数であり;好ましくは10~105の整数である。なお、括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。dは独立に0~8の整数、好ましくは0~5の整数、さらに好ましくは0~2の整数であり、該繰り返し単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。特には、下記構造で表すことができる。
Figure 0007321655000001
(式中、p’、q’、r’、s’、t’はそれぞれ独立に1~200の整数であり、かつ、p’、q’、r’、s’、t’の合計は3~500である。括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。d’は独立に0~5の整数であり、該繰り返し単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。)
本発明にかかるパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーは、より好ましくは下記一般式(1)~(5)のいずれかで表されるフッ素含有加水分解性有機ケイ素化合物(含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物)である。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A-Rf)α-ZWβ (1)
Rf-(ZWβ) (2)
Z’-(Rf-ZWβ)γ (3)
A-Rf-Q-(Y)δ-B (4)
Rf-(Q-(Y)δ-B) (5)
式(1)~(5)中、Rfは-(CF2d-O-(CF2O)p(CF2CF2O)q(CF2CF2CF2O)r(CF2CF2CF2CF2O)s(CF(CF3)CF2O)t-(CF2d-で示される2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基であり、p、q、r、s、tはそれぞれ独立に0~200の整数であり、かつ、p+q+r+s+t=3~500であり、括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよく、dは独立に0~8の整数であり、該単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。
Aはフッ素原子、水素原子、又は末端が-CF3基、-CF2H基もしくは-CH2F基である1価のフッ素含有基であり、Z、Z’は独立に単結合、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよく、フッ素置換されていてもよい2~8価の有機基、好ましくは、シルフェニレン基又は環状シロキサン構造を含むものであり、Wは末端に加水分解性基を有する1価の有機基である。α、βはそれぞれ独立に1~7の整数、好ましくは、αは1~3の整数、より好ましくは1、βは1~3の整数であり、かつ、α+β=2~8の整数、好ましくは2~4の整数である。γは2~8の整数、好ましくは2又は3である。
また、Qは単結合又は2価の有機基、好ましくは、シルフェニレン基又は環状シロキサン構造を含むものであり、δはそれぞれ独立に1~10の整数であり、Yは加水分解性基を有する2価の有機基であり、Bは水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又はハロゲン原子である。
上記式(1)~(5)において、Rfは上述した(ポリ)フルオロオキシアルキレン構造(2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基)の-(CF2d-O-(CF2O)p(CF2CF2O)q(CF2CF2CF2O)r(CF2CF2CF2CF2O)s(CF(CF3)CF2O)t-(CF2d-であり、上記と同様の構造のものが例示できる。
上記式(1)及び(4)において、Aはフッ素原子、水素原子、又は末端が-CF3基、-CF2H基もしくは-CH2F基である1価のフッ素含有基である。末端が-CF3基、-CF2H基もしくは-CH2F基である1価のフッ素含有基としては、具体的には、-CF3基、-CF2CF3基、-CF2CF2CF3基、-CH2CF(CF3)-OC37基、-CH2OCF2CFH-OC37基等が例示できる。Aとしては、中でも、-CF3基、-CF2CF3基、-CF2CF2CF3基、-CH2OCF2CFH-OC37基が好ましい。
上記式(1)~(3)において、Z、Z’は、独立に単結合、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよく、フッ素置換されていてもよい2~8価の有機基である。該有機基は(L)e-M(eは1~7の整数、好ましくは1~3の整数である)で表すことができる。
ここで、Lは単結合、又は酸素原子、硫黄原子、もしくは2価の有機基であり、上記式(1)~(3)において、ZのLはいずれもRfとM(又はW)との連結基であり、Z’のLはM(又はRf)とRfとの連結基である。2価の有機基として、好ましくは、アミド結合、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、又はジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基、-Si[OH][(CH2fSi(CH33]-(fは2~4の整数)で示される基からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでよい非置換又は置換の炭素数2~12の2価有機基であり、より好ましくは前記構造を含んでよい非置換又は置換の炭素数2~12の2価炭化水素基である。
前記非置換又は置換の炭素数2~12の2価炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、又はこれらの基の2種以上の組み合わせ(アルキレン・アリーレン基等)が挙げられる。さらに、これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、ヨウ素等のハロゲン原子で置換した基であってもよい。中でも、非置換又は置換の炭素数2~4のアルキレン基又はフェニレン基が好ましい。
Lの2価の有機基としては、例えば、下記構造で示される基、又はこれらの2種以上が結合した基が挙げられる。
Figure 0007321655000002
Figure 0007321655000003
Figure 0007321655000004
Figure 0007321655000005
Figure 0007321655000006
Figure 0007321655000007
(式中、fは2~4の整数であり、bは2~6の整数、好ましくは2~4の整数であり、u、vはそれぞれ1~4の整数であり、gは2~4の整数であり、Meはメチル基である。)
また、(L)e-M(eは1~7の整数、好ましくは1~3の整数である)で表される有機基において、Mは、単結合、又は窒素原子、ケイ素原子、炭素原子、リン原子あるいはこれらを含む基、もしくは2~8価(上記(e+1)価)の有機基である。具体的には、単結合、-R1 2C-で示される2価の基、-R3 2Si-で示される2価の基、-NR4-で示される2価の基、-N=で示される3価の基、-P=で示される3価の基、-PO=で示される3価の基、-R1C=で示される3価の基、-R3Si=で示される3価の基、-C≡で示される4価の基、-O-C≡で示される4価の基、及び-Si≡で示される4価の基から選ばれる基、又は2~8価のシロキサン残基であり、上記式(1)~(3)において、ZのMはいずれもL(又はRf)とWとの連結基であり、Z’のMはLを介してRfと(又はRf同士を)連結する基である。
上記において、R1は互いに独立に、好ましくは炭素数1~3のアルキル基、ヒドロキシル基、ケイ素原子数2~51個のジオルガノシロキサン構造を介在していてもよい炭素数1~3のオキシアルキレン基の繰り返し単位を有する基、又はR2 3SiO-で示されるシリルエーテル基であり、R2は互いに独立に、水素原子、好ましくは炭素数1~3のアルキル基、フェニル基等のアリール基、又は炭素数1~3のアルコキシ基である。
3は互いに独立に、好ましくは炭素数1~3のアルキル基、炭素数2又は3のアルケニル基、炭素数1~3のアルコキシ基、又はクロル基である。
4は炭素数1~3のアルキル基、フェニル基等の炭素数6~10のアリール基である。
Mがシロキサン残基の場合には、ケイ素原子数2~51個、好ましくはケイ素原子数2~13個、より好ましくはケイ素原子数2~11個、さらに好ましくはケイ素原子数2~5個の直鎖状、分岐状又は環状のオルガノポリシロキサン構造を有することが好ましい。該オルガノポリシロキサンは、炭素数1~8のメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びC37-C36-等の非置換もしくはフッ素置換アルキル基、又はフェニル基を有するものがよい。また、2個のケイ素原子がアルキレン基で結合されたシルアルキレン構造、即ちSi-(CH2n-Siを含んでいてもよい。前記式においてnは2~6の整数であり、好ましくは2~4の整数である。
このようなMとしては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0007321655000008
Figure 0007321655000009
Figure 0007321655000010
Figure 0007321655000011
Figure 0007321655000012
Figure 0007321655000013
Figure 0007321655000014
(式中、iは1~20の整数であり、cは1~50の整数であり、Meはメチル基である。)
上記式(1)~(3)において、Wは末端に加水分解性基を有する1価の有機基であり、好ましくは下記式で表される基である。
Figure 0007321655000015
(式中、Rは炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、aは2又は3であり、mは0~10の整数である。)
上記式において、Xの加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの炭素数1~12、特に炭素数1~10のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基などの炭素数2~12、特に炭素数2~10のアルコキシアルコキシ基、アセトキシ基などの炭素数1~10のアシロキシ基、イソプロペノキシ基などの炭素数2~10のアルケニルオキシ基、クロル基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基、アミノ基などが挙げられる。中でもメトキシ基及びエトキシ基が好適である。
また、Rは、炭素数1~4のメチル基、エチル基等のアルキル基、又はフェニル基であり、中でもメチル基が好適である。
aは2又は3であり、反応性、基材に対する密着性の観点から、aは3が好ましい。mは0~10の整数であり、好ましくは2~8の整数であり、より好ましくは2又は3である。
式(1)~(3)において、-ZWβで表される構造としては、下記の構造が挙げられる。
Figure 0007321655000016
Figure 0007321655000017
Figure 0007321655000018
(式中、L、R、X、f、c及びaは上記の通りであり、m1は0~10の整数、好ましくは2~8の整数であり、m2は1~10の整数、好ましくは2~8の整数であり、Meはメチル基である。)
上記式(4)及び(5)において、Qは単結合又は2価の有機基であり、RfとYとの連結基である。該Qの2価の有機基として、好ましくは、アミド結合、エーテル結合、エステル結合、又はジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基、-Si[OH][(CH2fSi(CH33]-(fは2~4の整数)で示される基からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでよい非置換又は置換の炭素数2~12の2価有機基であり、より好ましくは前記構造を含んでよい非置換又は置換の炭素数2~12の2価炭化水素基である。
前記非置換又は置換の炭素数2~12の2価炭化水素基としては、上記Lで例示した非置換又は置換の炭素数2~12の2価炭化水素基と同様のものを例示することができる。
Qの2価の有機基としては、例えば、下記構造で示される基が挙げられる。
Figure 0007321655000019
Figure 0007321655000020
Figure 0007321655000021
Figure 0007321655000022
(式中、fは2~4の整数であり、bは2~6の整数、好ましくは2~4の整数であり、u、vはそれぞれ1~4の整数であり、gは2~4の整数であり、Meはメチル基である。)
上記式(4)及び(5)において、Yは、互いに独立に加水分解性基を有する2価の有機基であり、好ましくは下記式で表される構造のものである。
Figure 0007321655000023
(式中、R、X及びaは上記の通りである。kは0~10の整数、好ましくは1~10の整数、より好ましくは2~8の整数である。hは1~6の整数、好ましくは1又は2であり、M’は非置換又は置換の3~8価、好ましくは3価又は4価の炭化水素基であり、該炭化水素基における炭素原子の一部又は全部がケイ素原子に置き換わっていてもよく、また、該炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子等のハロゲン原子に置き換わっていてもよい。)
M’として、好ましくは下記構造で表される基である。
Figure 0007321655000024
(上記において、M1は単結合、炭素数1~6の非置換もしくは置換の2価炭化水素基又はジメチルシリレン基等のジオルガノシリレン基であり、M2は-R1C=で示される3価の基又は-R3Si=で示される3価の基であり、R1、R3は上記と同じである。R5は水素原子又は炭素数1~6のメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基などの1価炭化水素基である。)
1としては、単結合、フェニレン基、ジメチルシリレン基、テトラフルオロエチレン基等が例示できる。また、M2としては、下記に示すものが挙げられる。
Figure 0007321655000025
(式中、Meはメチル基である。)
このようなYとしては、例えば下記の基が挙げられる。
Figure 0007321655000026
Figure 0007321655000027
(式中、Xは上記と同じであり、k1は0~10の整数、好ましくは1~8の整数であり、k2は2~10の整数、好ましくは2~8の整数であり、Meはメチル基である。)
上記式(4)及び(5)において、δはそれぞれ独立に1~10の整数、好ましくは1~4の整数である。
また、Bは互いに独立に、水素原子、炭素数1~4のメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等のアルキル基、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子である。
上記式(1)~(5)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有するポリマー(含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物)として、例えば、下記化合物が挙げられる。
Figure 0007321655000028
Figure 0007321655000029
Figure 0007321655000030
Figure 0007321655000031
Figure 0007321655000032
Figure 0007321655000033
Figure 0007321655000034
Figure 0007321655000035
Figure 0007321655000036
Figure 0007321655000037
Figure 0007321655000038
Figure 0007321655000039
Figure 0007321655000040
Figure 0007321655000041
Figure 0007321655000042
Figure 0007321655000043
Figure 0007321655000044
Figure 0007321655000045
Figure 0007321655000046
Figure 0007321655000047
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Figure 0007321655000049
Figure 0007321655000050
Figure 0007321655000051
Figure 0007321655000052
Figure 0007321655000053
Figure 0007321655000054
Figure 0007321655000055
Figure 0007321655000056
Figure 0007321655000057
Figure 0007321655000058

(式中、Meはメチル基であり、p1、q1、r1、s1、t1はそれぞれ独立に1~200の整数であり、かつ、p1、q1、r1、s1、t1の合計は3~500であり、括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよい。)
なお、本発明にかかる一般式(1)~(5)で表されるパーフルオロポリエーテル基を有するポリマー(含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物)は、上記加水分解性基(X)の一部又は全部が加水分解されている化合物(XがOH基である化合物)を含んでいてもよく、これらOH基の一部又は全部が縮合している化合物を含んでいてもよい。
上記含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物は、予め溶剤によって希釈しておくことが望ましく、このような溶剤としては、上記含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物を均一に溶解させるものであれば特に限定されない。例えば、フッ素変性脂肪族炭化水素系溶剤(パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタンなど)、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤(1,3-トリフルオロメチルベンゼンなど)、フッ素変性エーテル系溶剤(メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロ(2-ブチルテトラヒドロフラン)など)、フッ素変性アルキルアミン系溶剤(パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリペンチルアミンなど)、炭化水素系溶剤(石油ベンジン、トルエン、キシレンなど)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)が挙げられる。これらの中でも、溶解性及び安定性などの点で、フッ素変性された溶剤が望ましく、特には、フッ素変性エーテル系溶剤、フッ素変性芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
上記溶剤は1種を単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。溶剤は撥水撥油剤(含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物と溶剤を含む溶液)中における含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物が0.01~50質量%、好ましくは0.03~10質量%、さらに好ましくは0.05~1質量%になるように含有することが望ましい。
上記含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物を含有する撥水撥油剤は、ウェット塗工法(浸漬法、刷毛塗り、スピンコート、スプレー、グラビアコート、ダイコート、バーコート、スリットコート)、蒸着法など公知の方法で基材に施与することができる。
なお、含フッ素加水分解性有機ケイ素化合物を含有する撥水撥油剤を塗工する前に、基材上のプライマー層表面を、プラズマ処理、UV処理、オゾン処理等の洗浄や表面を活性化させる処理を施してもよい。
本発明の評価方法における被膜からなる撥水撥油部材のフッ素層(撥水撥油層)の膜厚は、0.5~30nmが好ましく、特に1~20nmが好ましい。
本発明の被膜には、必要に応じて、加水分解縮合触媒、例えば、有機錫化合物(ジブチル錫ジメトキシド、ジラウリン酸ジブチル錫など)、有機チタン化合物(テトラn-ブチルチタネートなど)、有機酸(酢酸、メタンスルホン酸、フッ素変性カルボン酸など)、無機酸(塩酸、硫酸など)を添加してもよい。これらの中では、特に酢酸、テトラn-ブチルチタネート、ジラウリン酸ジブチル錫、フッ素変性カルボン酸などが望ましい。
加水分解縮合触媒の添加量は触媒量であり、通常、フルオロポリエーテル基を有するポリマー及び/又はその部分(加水分解)縮合物100質量部に対して0.01~5質量部、特に0.1~1質量部である。
本発明の被膜で処理される基材は特に制限されず、紙、布、金属及びその酸化物、ガラス、プラスチック、セラミック、石英など各種材質のものであってよい。本発明の被膜は、前記基材に撥水撥油性を付与することができる。本発明の被膜は、特に、SiO2処理されたガラスやフイルムの表面処理材として好適に使用することができる。
本発明の被膜で処理される物品としては、カーナビゲーション、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、PDA、ポータブルオーディオプレーヤー、カーオーディオ、ゲーム機器、眼鏡レンズ、カメラレンズ、レンズフィルター、サングラス、胃カメラ等の医療用器機、複写機、PC、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、保護フイルム、反射防止フイルムなどの光学物品が挙げられる。本発明の被膜は、前記物品に指紋及び皮脂が付着するのを防止し、更に傷つき防止性を付与することができるため、特にタッチパネルディスプレイ、反射防止フイルムなどの撥水撥油層として有用である。
また、本発明の被膜は、浴槽、洗面台のようなサニタリー製品の防汚コーティング、自動車、電車、航空機などの窓ガラス又は強化ガラス、ヘッドランプカバー等の防汚コーティング、外壁用建材の撥水撥油コーティング、台所用建材の油汚れ防止用コーティング、電話ボックスの防汚及び貼り紙・落書き防止コーティング、美術品などの指紋付着防止付与のコーティング、コンパクトディスク、DVDなどの指紋付着防止コーティング、金型用に離型剤あるいは塗料添加剤、樹脂改質剤、無機質充填剤の流動性改質剤又は分散性改質剤、テープ、フイルムなどの潤滑性向上剤としても有用である。
被膜の製造方法
本発明の耐候性評価方法における評価対象の被膜は、X線反射率法により求められる膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下であればよく、該被膜を製造するためのパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの基材表面への適用方法(塗工方法)、硬化方法は特に限定されず従前の方法を用いることができるが、適用するパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの種類(分子構造)に応じて、X線反射率法により求められる膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下となるような適用方法(塗工方法)でパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを基材表面に適用し、かつ、X線反射率法により求められる膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下となるような硬化方法(温度、湿度、時間等の条件下)で硬化、製膜して被覆層を形成することにより、本発明の評価方法に適用する被膜を製造することができる。なお、X線反射率法による被膜の膜密度の測定方法は、上述のとおりである。
被膜の形成及び硬化
[塗工方法]
(A)真空蒸着
まず、強化ガラス(コーニング社製、Gorilla3)の表面を下記条件にてプラズマ処理洗浄した。
次に、実施例1-6、9-11、13、14、比較例1-3、5で得られたパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを、濃度20質量%になるようにNovec 7200(3M社製、エチルパーフルオロブチルエーテル)に溶解させて表面処理剤を調製した後、処理剤4μLを膜厚が約10nmとなるように各強化ガラス上に塗工し、被膜を得た(処理条件は、圧力:2.0×10-2Pa、加熱温度:700℃)。
[プラズマ処理の条件]
・装置:プラズマドライ洗浄装置PDC210
・ガス:O2ガス80cc、Arガス10cc
・出力:250W
・時間:30秒
(B)スプレー
まず、上記と同様の条件にて、強化ガラス(コーニング社製、Gorilla3)の表面をプラズマ処理洗浄した。
次に、実施例7、8、12、15、比較例4、6で得られたパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーを、濃度0.1質量%になるようにNovec 7200(3M社製、エチルパーフルオロブチルエーテル)に溶解させて表面処理剤を調製し、スプレー塗工装置(株式会社ティーアンドケー製、NST-51)を用いて、膜厚が約10nmとなるように各強化ガラス上に塗工し、被膜を得た。
(C)ディップ
まず、上記と同様の条件にて、強化ガラス(コーニング社製、Gorilla3)の表面をプラズマ処理洗浄した。
次に、比較例7で得られた化合物を、濃度0.1質量%になるようにNovec 7200(3M社製、エチルパーフルオロブチルエーテル)に溶解させて表面処理剤を調製した。強化ガラスを、表面処理剤に30秒浸漬後、150mm/分の速度で引上げ、被膜を得た。
[硬化方法]
下記に示す被膜の硬化方法の内、いずれか一つの方法を選択して被膜を硬化させた。
(a)温度: 40℃ 湿度:80% 硬化時間:12時間
(b)温度:150℃ 硬化時間: 5時間
(c)温度:200℃ 硬化時間: 1時間
(d)温度: 25℃ 湿度:50% 硬化時間:12時間
(e)温度:120℃ 硬化時間:30分間
(f)温度:200℃ 硬化時間:30分間
(g)温度: 25℃ 硬化時間: 1時間
実施例1
下記に示す化合物(I)を、塗工方法(A)で強化ガラスに塗工し、硬化方法(a)で硬化させ、被膜を得た。
Figure 0007321655000059
実施例2
硬化方法を(d)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被膜を得た。
実施例3
化合物を、下記に示す化合物(II)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして被膜を得た。
Figure 0007321655000060
実施例4
硬化方法を(a)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして被膜を得た。
実施例5
化合物を、下記に示す化合物(III)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被膜を得た。
Figure 0007321655000061
実施例6
化合物を、下記に示す化合物(IV)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被膜を得た。
Figure 0007321655000062
実施例7
化合物(IV)を、塗工方法(B)で強化ガラスに塗工し、得られた被膜を硬化方法(b)で硬化させた。
実施例8
硬化方法を硬化方法(e)に変更したこと以外は、実施例7と同様にして被膜を得た。
実施例9
化合物を、下記に示す化合物(V)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被膜を得た。
Figure 0007321655000063
実施例10
硬化方法を硬化方法(d)に変更したこと以外は、実施例9と同様にして被膜を得た。
実施例11
化合物を、国際公開第2017/038832号に記載の方法に従い合成した、下記に示す化合物(VI)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被膜を得た。
Figure 0007321655000064
実施例12
塗工方法を塗工方法(B)に変更し、硬化方法を硬化方法(c)に変更したこと以外は、実施例11と同様にして被膜を得た。
実施例13
化合物を、特開2019-131807号公報に記載の化合物(VII)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被膜を得た。
Figure 0007321655000065
実施例14
硬化方法を硬化方法(c)に変更したこと以外は、実施例13と同様にして被膜を得た。
実施例15
塗工方法を塗工方法(B)に変更したこと以外は、実施例14と同様にして被膜を得た。
比較例1
硬化方法を硬化方法(d)に変更したこと以外は、実施例6と同様にして被膜を得た。
比較例2
硬化方法を硬化方法(d)に変更したこと以外は、実施例5と同様にして被膜を得た。
比較例3
硬化方法を硬化方法(d)に変更したこと以外は、実施例11と同様にして被膜を得た。
比較例4
硬化方法を硬化方法(e)に変更したこと以外は、実施例12と同様にして被膜を得た。
比較例5
硬化方法を硬化方法(d)に変更したこと以外は、実施例13と同様にして被膜を得た。
比較例6
硬化方法を硬化方法(f)に変更したこと以外は、実施例15と同様にして被膜を得た。
比較例7
下記に示す化合物(VIII)を、塗工方法(C)で強化ガラスに塗工し、硬化方法(g)で硬化させ、被膜を得た。
Figure 0007321655000066
硬化被膜の評価
[膜密度の測定]
下記に示す条件にてX線の反射率を測定し、これより求めた全反射臨界角度により、膜密度(g/cm3)を算出した。結果を表1に示す。
・測定装置:X線回折装置ATX-G(リガク株式会社製)
・X線発生装置:回転対陰極型Cu
・出力:50kV・300mA
・測定範囲:0.3-4.0°
・ステップ幅:0.001°
・走査速度:0.2°/min
[撥水性の評価]
接触角計DropMaster(協和界面科学社製)を用いて、実施例及び比較例で作製した硬化被膜の水に対する接触角(撥水性)を測定した。結果を表1に示す。
[耐候性の評価(UV試験)]
下記に示す条件にて実施例及び比較例で作製した硬化被膜にUV光を照射した。その後、硬化被膜の水に対する接触角(撥水性)を上記と同様にして測定した。結果を表1に示す。
・装置:ウエザオメータCi4400(ATLAS社製)
・光源:メタルハライドランプ
・放射照度:770W/m2
・波長範囲:300-400nm
・ブラックパネル温度:63℃
・照射時間:180時間
Figure 0007321655000067
表1より、X線反射率法により求めた膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下である被膜を有する実施例1-15は、良好な耐候性を示した。また、基材との接着性についても良好であった。

Claims (6)

  1. パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの硬化物からなる被膜の耐候性を評価する方法であって、基材表面に適用したパーフルオロポリエーテル基を有するポリマー被覆層を、X線反射率法により膜密度を測定し、該膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下であると判定する工程を有する、パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの硬化物からなる被膜の耐候性を評価する方法。
  2. パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーが、1分子中に
    -(CF2d-O-(CF2O)p(CF2CF2O)q(CF2CF2CF2O)r(CF2CF2CF2CF2O)s(CF(CF3)CF2O)t-(CF2d
    (式中、p、q、r、s、tはそれぞれ独立に0~200の整数であり、かつ、p+q+r+s+t=3~500であり、括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよく、dは独立に0~8の整数であり、該単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。)で示される2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基を有し、かつ、1分子中の少なくとも1個の末端に加水分解性基を少なくとも1個有するパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーである請求項1に記載の被膜の耐候性を評価する方法。
  3. パーフルオロポリエーテル基を有するポリマーが、下記一般式(1)~(5)で表されるフッ素含有加水分解性有機ケイ素化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の被膜の耐候性を評価する方法。
    (A-Rf)α-ZWβ (1)
    Rf-(ZWβ)2 (2)
    Z’-(Rf-ZWβ)γ (3)
    〔式中、Rfは-(CF2d-O-(CF2O)p(CF2CF2O)q(CF2CF2CF2O)r(CF2CF2CF2CF2O)s(CF(CF3)CF2O)t-(CF2d-で示される2価のパーフルオロオキシアルキレンポリマー残基であり、p、q、r、s、tはそれぞれ独立に0~200の整数であり、かつ、p+q+r+s+t=3~500であり、括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに結合されていてよく、dは独立に0~8の整数であり、該単位は直鎖状であっても分岐状であってもよい。Aはフッ素原子、水素原子、又は末端が-CF3基、-CF2H基もしくは-CH2F基である1価のフッ素含有基であり、Z、Z’は独立に単結合、又は窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよく、フッ素置換されていてもよい2~8価の有機基であり、Wは末端に加水分解性基を有する1価の有機基である。α、βはそれぞれ独立に1~7の整数であり、かつ、α+β=2~8の整数である。γは2~8の整数である。〕
    A-Rf-Q-(Y)δ-B (4)
    Rf-(Q-(Y)δ-B)2 (5)
    (式中、Rf、Aは前記と同じであり、Qは単結合又は2価の有機基であり、δはそれぞれ独立に1~10の整数であり、Yは加水分解性基を有する2価の有機基であり、Bは水素原子、炭素数1~4のアルキル基、又はハロゲン原子である。)
  4. 前記Zが、シルフェニレン基又は環状シロキサン構造を有するものである請求項3に記載の被膜の耐候性を評価する方法。
  5. 前記Qが、シルフェニレン基又は環状シロキサン構造を有するものである請求項3に記載の被膜の耐候性を評価する方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の被膜の耐候性を評価する方法において用いられるパーフルオロポリエーテル基を有するポリマーの硬化物からなる被膜を製膜する方法であって、基材表面に適用したパーフルオロポリエーテル基を有するポリマー被覆層を、X線反射率法により求めた膜密度が1.40g/cm3以上かつ2.50g/cm3以下となるように硬化・製膜する工程を含むものである方法。

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