JP7321601B1 - マグネシウム合金、マグネシウム合金成形体およびその製造方法、ならびにマグネシウム合金部材 - Google Patents

マグネシウム合金、マグネシウム合金成形体およびその製造方法、ならびにマグネシウム合金部材 Download PDF

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【課題】成形性に優れ、成形体の熱伝導性および機械特性を両立することができる、チクソモールド用マグネシウム合金や、マグネシウム合金成形体を提供する。【解決手段】マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有する、チクソモールド用のマグネシウム合金。マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有するマグネシウム合金成形体であり、組織中に、断面積が200μm2以上の粗大α相を含有する、マグネシウム合金成形体。【選択図】図5

Description

本発明は、マグネシウム合金、これを用いたマグネシウム合金成形体およびその製造方法に関する。また、本発明は、マグネシウム合金成形体を含むマグネシウム合金部材に関する。
自動車等の輸送機器のEV(電気自動車)化、PHV(プラグインハイブリッド)化に伴って電装系部品が非常に多くなり、ヒートシンクなどの放熱部材の重要性が高まっている。ヒートシンクなどの放熱部材として、従来、ADC12などのアルミニウム合金が用いられている。
一方、近年、放熱部材の軽量化も求められており、軽量で高い比強度を有するマグネシウムが注目されている。代表的なマグネシウム合金として、例えば、AZ91Dなどのマグネシウム合金が知られている。しかし、このAZ91Dは、熱伝導率が低い。そこで、マグネシウムの熱伝導率の向上を目的とした開発が進められている。
例えば、特許文献1には、質量%で、Znを2~15%含有するマグネシウム-亜鉛系合金からなり、全体のZn含有量よりもZn含有量が低い固相粒子を0.5~50体積%で含むことを特徴とするマグネシウム-亜鉛系合金部材が開示されている。
また、特許文献2には、亜鉛を含有するマグネシウム合金からなる基材の表面に中間層及び表面層が形成されてなるマグネシウム合金成形品が開示されており、基材のマグネシウム合金が、亜鉛を30~20質量%、マグネシウム及び亜鉛以外の元素を5質量%以下含有し、残部がマグネシウムであることが開示されている。
特開2016-204678号公報 特開2020-045507号公報
しかしながら、特許文献1や2に記載のマグネシウム(Mg)と亜鉛(Zn)の合金は、機械特性や成形性に改善の余地があった。
また、本発明者らは、Mg(マグネシウム)-Zn(亜鉛)合金は、熱伝導率と成形性、機械特性と成形性がトレードオフの関係にあり、成形性と、熱伝導率や機械特性との両立が困難であるという知見を得た。例えば、MgにZnを10質量%添加したものに比べて、Znを5質量%添加したものは、熱伝導率や機械特性が向上する傾向にある一方、Znを5質量%添加すると成形性が悪くなり、実用的な製造において課題があることがわかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明は、成形性に優れ、成形体の熱伝導性および機械特性(引張強度や伸び特性)を両立することができる、チクソモールド用マグネシウム合金を提供することを目的とする。また、本発明は、熱伝導性および機械特性に優れたマグネシウム合金成形体およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記マグネシウム合金成形体を含むマグネシウム部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有する、チクソモールド用のマグネシウム合金。
<2> 亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物の含有量が0.1質量%以下である、前記<1>に記載のマグネシウム合金。
<3> 亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%、炭素を0.05~0.15質量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物の含有量が0.1質量%以下である、前記<1>に記載のマグネシウム合金。
<4> マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有するマグネシウム合金成形体であり、組織中に、断面積が200μm2以上の粗大α相を含有する、マグネシウム合金成形体。
<5> 前記粗大α相の占有率が、0.3~30面積%である、前記<4>に記載のマグネシウム合金成形体。
<6> 熱伝導率が、80~120W/m・Kである、前記<4>または<5>に記載のマグネシウム合金成形体。
<7> 引張強度が200MPa以上であり、かつ、破断伸びが5%以上である、前記<4>から<6>のいずれかに記載のマグネシウム合金成形体。
<8> JIS Z 2248:2022の押曲げ法で曲げ試験を行い、90°に曲げたときに割れを生じない、前記<4>から<7>のいずれかに記載のマグネシウム合金成形体。
<9> 前記<4>から<8>のいずれかに記載のマグネシウム合金成形体を含むマグネシウム合金部材。
<10> ヒートシンク、電子機器の筐体、冷却ファンおよびヘッドランプからなる群から選択されるいずれかである、前記<9>に記載のマグネシウム合金部材。
<11> マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有する合金を用い、チクソモールド法により成形する成形工程を有する、マグネシウム合金成形体の製造方法。
本発明によれば、成形性に優れ、成形体の熱伝導性および機械特性(引張強度や伸び)を両立することができる、チクソモールド用マグネシウム合金が提供される。また、本発明は、熱伝導性および機械特性に優れたマグネシウム合金成形体およびその製造方法が提供される。さらに、本発明は、前記マグネシウム合金成形体を含むマグネシウム部材が提供される。
本発明の製造方法を実施することのできる射出成形装置の一例である。 本発明のマグネシウム合金成形体の断面のSEM画像の一例である。 粗大α相の占有率の算出方法を説明するための図である。 曲げ試験後の各サンプルの写真である。 放熱試験における時間の経過に伴うサーモグラフの画像である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
<チクソモールド用のマグネシウム合金>
本発明は、マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有する、チクソモールド用のマグネシウム合金(以下、「本発明のマグネシウム合金」と記載する場合がある。)に関するものである。
上記の通り、本発明者らは、MgにZnを5質量%添加したものは、成形性が悪く、実用的な製造において課題があるという知見を得た。そこで、鋭意検討した結果、Mg合金において、Znに加えて、Alを微量添加することで、成形性を確保でき、引張強度を向上でき、さらに、良好な伸びを実現できることが分かった。
また、一般的に、伸びは、Zn添加では減少傾向であり、Alの微量添加(3%程度以下の添加)では横ばい傾向である。そのため、Zn添加およびAlの微量添加をした場合、純マグネシウムの伸び(約6%)よりも低下することが予想される。しかし、本発明のマグネシウム合金の組成とすることで、予想に反して、純マグネシウムと同等以上の伸びを実現できることがわかった。
本発明のマグネシウム合金は、後述するように、チクソモールド法による成形に用いることができる。本発明のマグネシウム合金を用いることで、成形時にクラックや割れなどが発生しにくく、熱伝導率および機械特性を両立した、種々の形状のマグネシウム合金成形体を安定して製造することができる。
(マグネシウム)
本発明のマグネシウム合金は、マグネシウム(Mg)が主成分であり、その含有量が90.0~95.3質量%である。
(亜鉛)
本発明のマグネシウム合金は、亜鉛(Zn)を含む。亜鉛の含有量は、4.0~7.0質量%であり、好ましくは、4.3~6.0質量%であり、より好ましくは4.5~5.5質量%である。亜鉛の含有量が4.0質量%未満であると、機械特性や成形性が低下する。また、亜鉛の含有量が7.0質量%を超えると熱伝導性が低下する。
(アルミニウム)
本発明のマグネシウム合金は、アルミニウム(Al)を含む。アルミニウムの含有量は、0.7~3.0質量%であり、好ましくは、0.7~2.5質量%であり、より好ましくは0.9~2.1質量%である。アルミニウムの含有量が0.7質量%未満であると、機械特性や成形性が低下する。また、アルミニウムの含有量が3.0質量%を超えると、マグネシウム合金の熱伝導率が低下する。
本発明のマグネシウム合金は、マグネシウム、亜鉛およびアルミニウム以外のその他の元素を含んでもよいが、その他の元素の含有量が多すぎると、熱伝導性や成形性が低下する。そのため、その他の元素の含有量は適宜調整され、本発明のマグネシウム合金における、マグネシウム、亜鉛およびアルミニウムの合計の含有量は、99.50質量%以上や、99.55質量%以上、99.60質量%以上、99.65質量%以上、99.70質量%以上、99.75質量%以上、99.80質量%以上、99.85質量%以上、99.90質量%以上などとすることができる。
例えば、本発明のマグネシウム合金は、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%、炭素を0.05~0.15質量%含有し、残部が、マグネシウムおよび不可避的不純物からなるものとすることができる。このとき、本発明のマグネシウム合金における、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムおよび炭素の合計の含有量は、99.90質量%以上や、99.93質量%以上、99.95質量%以上などとすることができる。また、機械特性をさらに向上させることができるため、99.96質量%以上が好ましく、99.97質量%以上がより好ましい。
本発明のマグネシウム合金は、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有し、残部が、マグネシウムおよび不可避的不純物からなることが好ましい。このとき、発明のマグネシウム合金における、マグネシウム、亜鉛およびアルミニウムの合計の含有量は、99.90質量%以上や、99.93質量%以上、99.95質量%以上などとすることができる。また、機械特性をさらに向上させることができるため、99.96質量%以上が好ましく、99.97質量%以上がより好ましい。
不可避的不純物としては、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。不可避的不純物の合計の含有量は、0.10質量%以下や、0.07質量%以下、0.05質量%以下、0.04質量%以下、0.03質量%以下の順で小さいほど好ましい。特に、引張強度や、伸び、曲げ性などの機械特性の観点から、不可避的不純物は少ないほど好ましい。
例えば、不可避的不純物として、マンガン(Mn)を含む場合、マンガンの含有量は、0.05質量%以下や、0.04質量%以下、0.03質量%以下、0.02質量%以下の順で小さいほど好ましい。
不可避的不純物として、ケイ素(Si)を含む場合、ケイ素の混入量が多すぎると、成形性が低下し、クラックが発生しやすくなるなどあるため、ケイ素の含有量は、0.030質量%以下、0.025質量%以下、0.020質量%以下、0.015質量%以下、0.010質量%以下、0.008質量%以下、0.006質量%以下の順で小さいほど好ましい。
不可避的不純物として、鉄(Fe)を含む場合、鉄の含有量は、0.005質量%以下、0.004質量%以下、0.003質量%以下、0.002質量%以下、0.001質量%以下の順で小さいほど好ましい。
不可避的不純物として、銅(Cu)を含む場合、銅の含有量は、0.005質量%以下や、0.004質量%以下、0.003質量%以下、0.002質量%以下、0.001質量%以下の順で小さいほど好ましい。
不可避的不純物として、ニッケル(Ni)を含む場合、ニッケルの含有量は、0.005質量%以下や、0.004質量%以下、0.003質量%以下、0.002質量%以下、0.001質量%以下の順で小さいほど好ましい。
<マグネシウム合金成形体>
本発明は、マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有するマグネシウム合金成形体であり、組織中に、断面積が200μm2以上の粗大α相を含有する、マグネシウム合金成形体(以下、「本発明のマグネシウム合金成形体」と記載する場合がある。)に関するものである。
(製造方法)
本発明のマグネシウム合金成形体は、本発明のマグネシウム合金を用いて、チクソモールド法により成形することで得ることができる。詳しくは、本発明のマグネシウム成形体は、マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有する合金を用い、チクソモールド法により成形する成形工程を有する製造方法(以下、「本発明の製造方法」と記載する場合がある。)によって製造することができる。このような製造方法とすることで、薄肉な部分を有する複雑な形状であっても、欠陥が少なく、精度よく成形することが容易であるため、熱伝導率や機械特性に優れた、種々の形状のマグネシウム合金成形体を製造することができる。
(成形工程)
チクソモールド法は、軽金属又はその合金のインゴットを2~5mm程度のチップ状にした原料チップを射出成形機のシリンダ内で加熱して半溶融状態にし、シリンダの先端に設けられたノズルから金型内に射出して成形する方法である。すなわち、成形工程では、マグネシウムを90.0~95.3質量%、亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有する本発明のマグネシウム合金の合金チップを射出成形機に投入し、シリンダ内で半溶融状にし、シリンダの先端に設けられたノズルから金型に射出して、マグネシウム合金成形体を成形する。
図1は、本発明の製造方法を実施することのできる成形装置の一例である。図1に示される成形装置は、成形機本体と金型とホッパとフィーダとを備える。ホッパは、合金チップを一時貯留するものであり、フィーダの受入口と連結される。フィーダはホッパから供給された合金チップを成形機本体に移送するものであり、フィーダの排出口は成形機本体の投入口に連結される。成形機本体は、投入口を有するシリンダと、シリンダ前方に設けられたノズルと、シリンダを加熱するヒーターと、シリンダ内で原料を撹拌するスクリューと、ノズルより半溶融状態のマグネシウム合金を金型のキャビティへ射出させるための回転装置とを備える。
ホッパからフィーダで移送され投入口を通って成形機本体のシリンダ内に投入された合金チップは、ヒーターによってシリンダ内で所定の成形温度に加熱され、液相と固相が共存した半溶融状態となる。半溶融状態のマグネシウム合金はノズルより金型に注入されて所定の形状に成形される。
ホッパに投入する合金チップは、本発明のマグネシウム合金と同一組成のインゴットを切削、切断、破砕などして、2~6mm程度に細かくしたものである。特に、不可避的不純物が0.1質量%以下、好ましくは不可避的不純物が0.05質量%以下、より好ましくは不可避的不純物が0.03質量%以下の組成のインゴットを準備し、これを細かくした合金チップを用いることで、成形温度や金型温度などを複雑に制御することなく、クラックや割れを抑えて、所望の形状の部材をより安定して製造することができる。
成形温度(シリンダ温度)は、特に制限はないが、620~650℃が好ましく、625~640℃がより好ましい。また、成形温度が高すぎると、ボイドや気孔が生じやすくなり、熱伝導率や機械強度が低下する傾向にある。また、成形温度が低すぎると、流動性が低下し、金型への充填がしにくくなる。
金型温度は、特に制限はないが、180~250℃が好ましい。金型温度が高すぎると、成形体の表面に微少クラックやポーラスが発生しやすくなる。また、金型温度が低すぎると、熱間割れが発生しやすくなる。
また、成形条件は、成形体の粗大α相の占有率が0.3~50面積%となるように調整して成形することが好ましい。
(金属組織)
図2は、本発明のマグネシウム合金成形体の断面のSEM画像(表面から中心部近傍までの領域)の一例である。図2に示すように、本発明のマグネシウム合金成形体は、断面積が200μm2以上の粗大α相(以下、単に、「粗大α相」と称する場合がある。)とα-β共晶相とからなる。α-β共晶相は、Mg-Zn-Al合金相であるβ相と微小α相とからなる相である。微小α相は、マグネシウム合金全体のZnの平均の含有量よりもZnの含有量%が低く、マグネシウム合金全体のAlの平均の含有量よりもAlの含有量%が低いMg固相であり、かつ、Mg-Zn-Al共晶を粒界とした断面積が200μm2未満のMg固相である。
(粗大α相)
粗大α相は、マグネシウム合金全体のZnの平均の含有量よりもZnの含有量%が低く、マグネシウム合金全体のAlの平均の含有量よりもAlの含有量%が低いMg固相であり、かつ、Mg-Zn-Al共晶を粒界とした断面積が200μm2以上のものである。このような粗大α相は、チクソモールド法に特有の固相であり、本発明のマグネシウム合金成形体は、チクソモールド法により成形されるチクソモールド成形体といえる。
粗大α相の有無は、マグネシウム合金成形体の厚さ方向の断面を、走査型顕微鏡(SEM)を用いて観察することで判断することができる。成形体の厚みが一定でない場合は、厚さが1mm以上の任意の箇所の断面を観察し、粗大α相の有無を判断することができる。倍率は、粗大α相とα-β共晶相との粒界が解析できる倍率(例えば、100倍)が選択される。この際に、エネルギー分散型X線分析を行うことで、α相の成分組成を確認することができる。また、α相の断面積は、マグネシウム合金成形体の断面のSEM画像から算出することができる。
粗大α相は、マグネシウム合金成形体の表面や内部に均一に分布している必要はなく、不均一な分布であってよい。粗大α相は、マグネシウム合金成形体の表面近傍など、存在しない部分があってもよいが、少なくとも成形体の内部(例えば、表面から0.5mm以上の部分)には粗大α相が存在する。通常、粗大α相は、断面の中心部分(内部)から表面側に向けて、粗大α相の数や占有率が小さくなるように分布している。
粗大α相は、断面積が200μm2以上のMg固相であれば、その大きさは特に限定されず、種々の大きさの粗大α相を含む。粗大α相の大きさは、チクソモールド法による成形時の成形温度等によって制御することができる。例えば、図2に示す断面のSEM画像では、粗大α相として、断面積200μm2以上4000μm2未満のMg固相(粗大α相の中でも断面積が小さいもの)と、断面積4000μm2以上60000μm2未満のMg固相(粗大α相の中でも断面積が大きいもの)が混在している。このような成形体は、本発明のマグネシウム合金を、成形温度を比較的低温(例えば、625~630℃程度)で成形することで得ることができる。
また、650℃程度の高温の成形温度で本発明のマグネシウム合金を成形すると、断面積4000μm2以上60000μm2未満のMg固相(断面積が大きいもの)はほぼ存在せずに、200μm2以上4000μm2未満のMg固相(断面積が小さいもの)が粗大α相のほぼ全体を占める成形体とすることができる。
本発明のマグネシウム合金成形体は、粗大α相の占有率に特に制限はないが、粗大α相の占有率は0.3~50面積%であることが好ましく、0.4~40面積%や0.5~30面積%などとしてもよい。粗大α相の占有率は、高温で成形するほど低くなり、低温で成形するほど高くなる。粗大α相の占有率が低すぎる場合、成形時の温度が高すぎるといえ、成形時にボイドや気孔が生じやすくなるため、熱伝導率や機械強度が低下する傾向がある。また、粗大α相の占有率が高すぎる場合、成形時の温度が低すぎるといえ、金型に充填しにくくなるため、密度が低下し、熱伝導率や機械強度が低下する傾向がある。
一方で、粗大α相の占有率が0.3~50面積%の範囲であれば、実施例にて示すように、粗大α相の占有率が熱伝導率や引張強度、伸びに与える影響は小さい。そのため、本発明のマグネシウム合金を用いれば、金属組成や成形温度などの成形条件の制約が少なく、粗大α相の大きさや占有率を任意に調整することができ、硬度などの設計に対する自由度が高い。
粗大α相の占有率は、成形体の厚さ方向の断面の中心部を含む2mm2の領域における粗大α相の合計面積の割合である。厚さ方向の中心部は、厚さ方向において、中心より0.5mm下側の位置から、中心より0.5mm上側の位置までの部分である。具体的には、成形体の厚さ方向の断面の中心部を含む2mm2(例えば、縦2mm×横1mm~縦1mm×横2mm)の領域を走査型顕微鏡(SEM)で観察し、観察された解析領域の解析画像を、画像処理ソフトを用いて2値化し、粗大α相(白色部分)の合計面積を測定し、解析画像の全面積に対する粗大α相の合計面積の割合を百分率で示した値である。倍率は、粗大α相とα-β共晶相との粒界が解析できる倍率(例えば、100倍)が選択される。倍率によって、1回の撮影領域が、2mm2の領域より小さくなる場合には、解析領域を分割して分割画像を撮影し、分割画像を画像処理ソフトで結合して解析画像とする。
(熱伝導率)
本発明のマグネシウム合金成形体は、熱伝導率が80~120W/m・Kであることが好ましい。熱伝導率が80W/m・K以上であることで、放熱部材用として好適である。本発明のマグネシウム合金成形体は、マグネシウムの特徴である軽量性を維持しつつ、熱伝導率を向上させることができる。熱伝導率は、85W/m・K以上がより好ましい。
(引張強度および破断伸び)
本発明のマグネシウム合金成形体は、引張強度が200MPa以上であり、かつ、破断伸びが5%以上であることが好ましい。このような機械強度を有することで、耐久性に優れたものとすることができる。
(曲げ強度)
本発明のマグネシウム合金成形体は、JIS Z 2248:2022の押曲げ法で曲げ試験を行い、90°に曲げたときに割れを生じない、曲げ強度を有することが好ましい。このような曲げ強度を有することで、耐久性に優れたものとすることができる。曲げ強度は、120°に曲げたときに割れを生じないことが好ましく、150°に曲げたときに割れを生じないことがより好ましく、180°に曲げたときに割れを生じないことがさらに好ましい。
<マグネシウム合金部材>
本発明のマグネシウム部材は、上記の本発明のマグネシウム合金成形体を含むものである。例えば、本発明のマグネシウム合金成形体そのものや、その表面にめっき処理や化成処理や陽極酸化処理などの表面処理を施した、表面処理膜(めっき膜、化成処理膜、陽極酸化処理膜)を有するマグネシウム合金成形体などを、本発明のマグネシウム合金部材とすることができる。
本発明のマグネシウム合金部材は、本発明のマグネシウム合金成形体を含み、熱伝導性に優れるため、放熱性を求められる部材とすることが好ましい。また、機械特性に優れるため、種々の形状の部材とすることができる。例えば、ヒートシンクや、電子機器の筐体、冷却ファン、ヘッドランプ等の放熱部材が挙げられる。電子機器の筐体としては、ECU(Electronic Control unit)ケースなどが挙げられる。
本発明のマグネシウム合金成形体や部材の形状は特に限定されず、平板状や、曲板状、円柱状、筒状、各種部材形状など用途に応じて適宜選択することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<金属組織評価>
[粗大α相の有無]
厚さ2mmの板状のマグネシウム成形体の断面をエポキシ樹脂に包埋し鏡面研磨後に観察した。研磨には耐水研磨紙及びアルミナペーストを使用した。得られた断面から走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製FlexSEM1000)を用いてα相の断面積を確認し、粗大α相の有無を判定した。また、この際エネルギー分散型X線分析を行うことで、α相の成分組成を確認した。
[粗大α相の占有率]
厚さ2mmの板状のマグネシウム成形体の断面を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製FlexSEM1000)を用いて、倍率100倍で上端から下端までの3分割画像を撮影し(図3の(a))、粗大α相のマッチングから3分割画像を合成した画像を得た(図3の(b))。次いで、余剰部分をトリミングして2mm×1mmの範囲とし、二値化処理(粗大α相を白、その他を黒とする処理)して、粗大α相を抽出した(図3の(d))。なお、分割画像の合成やα相を視認しやすいように、適宜、画像のコントラストなどを調整し、画像処理した(図3の(c))。
得られた二値画像からImageJ(Wayne Rasband (NIH)製、オープンソースの画像処理ソフト)を用いて、粗大α相(白色部分)面積を算出し、占有率(粗大α相の合計の面積(μm2)/全体面積(μm2)×100(%))を算出した。
<物性値評価>
[比熱容量の測定(1)]
示差走査熱量測定装置(日立ハイテク製DSC7020)を用いて、α-アルミナを標準物質として、DSC法にて比熱容量を測定した。測定温度は26.85℃とした。
[比熱容量の測定(2)]
厚み2mmの板状試験片からΦ9.8mmの円状試験片を作製後、熱拡散率測定装置(NETZSCH製LFA-457)を用いて、室温で、レーザーフラッシュ(LF)法にて比熱容量を測定した。
[熱拡散率の測定]
厚み2mmの板状試験片からΦ9.8mmの円状試験片を作製後、熱拡散率測定装置(NETZSCH製LFA-457)を用いて、室温で、レーザーフラッシュ(LF)法にて熱拡散率を測定した。
[密度の測定]
厚み2mmの板状試験片からΦ9.8mmの円状試験片を作製後、体積と重量から密度を算出した。円状試験片の直径(2r)と厚み(t)はマイクロメータ、重量(g)は精密天秤で測定し、g/(r2×π×t)で密度を計算した。
[熱伝導率の測定]
前記方法で測定された比熱容量、熱拡散率、密度を用いて、以下の式より熱伝導率を算出した。
熱伝導率(W/m・K)=密度(g/cm3)×比熱容量(J/g・K)×熱拡散率(mm2/s)
[引張強度および破断伸びの測定]
万能材料試験機(Instron製 Instron3382)を用いて、JIS Z 2241:2022に準じて測定をした。測定条件は、温度:25℃、ロードセル移動速度:1mm/min、伸び測定:伸び計による標点間距離測定(測定顕微鏡)とした。試験片は、縦140mm、横40mm、厚み2mmの板状成形体から13B号試験片を切り出して使用した。
<成形性評価(クラック)>
成形した板状のマグネシウム合金成形体に対して目視にてクラックの有無を確認した。10枚中何枚でクラックが発生しているかを確認し、以下の基準で評価した。
○:10枚中、クラックが発生しているものはない。
△:10枚中、1~8枚でクラックが発生している。
×:10枚中、9~10枚でクラックが発生している。
<マグネシウム合金>
マグネシウム合金として、表1に示すNo.1~No.12を用いた。なお、No.1~2とNo.5~10が、本発明のマグネシウム合金であり、No.3~4とNo.11~12が、比較のマグネシウム合金である。また、合金No.3は、代表的なマグネシウム合金であるAZ91Dである。
Figure 0007321601000002
[実施例1-1~実施例1-4、比較例1-1~比較例1-3]
表2に示すマグネシウム合金の合金チップ(2~5mm程度のチップ状)を用い、チクソモールド法(株式会社日本製鋼所製成形機:JLM220-MG)により、縦140mm、横40mm、厚み2mmの長方形の板状のマグネシウム合金成形体を得た。各実施例の成形温度および金型温度は、表2に示す温度とした。
表2に、成形性および得られたマグネシウム合金成形体の粗大α相の占有率を評価した結果を示す。また、表3に、得られたマグネシウム合金成形体の比熱容量の測定方法(1)による比熱容量、熱拡散率、密度、熱伝導率、引張強度および破断伸びを評価した結果を示す。また、各合金のアルミニウム(Al)と亜鉛(Zn)の含有量を合わせて示した。
Figure 0007321601000003
Figure 0007321601000004
表2、3に示す通り、実施例1-1~実施例1-4の成形体は、代表的なマグネシウム合金であるAZ91D(比較例1-1)と引張強度は同等以上であり、熱伝導率および破断伸びは大幅に向上している。また、実施例1ー1~実施例1-4の成形体は、比較例1-2、比較例1-3に比べて、引張強度および破断伸びが大幅に向上している。さらに、実施例1-1、実施例1-3、比較例1-2の比較から成形性は改善していることがわかる。
[実施例2-1~実施例2-6、比較例2-1~比較例2-3]
表4に示すマグネシウム合金の合金チップ(2~5mm程度のチップ状)を用い、チクソモールド法(株式会社日本製鋼所製成形機:JLM220-MG)により、縦140mm、横40mm、厚み2mmの長方形の板状のマグネシウム合金成形体を得た。各実施例の成形温度および金型温度は、表4に示す温度とした。
表4に、成形性の評価結果を示す。また、表5に、マグネシウム合金成形体の比熱容量の測定方法(2)による比熱容量、熱拡散率、密度、熱伝導率、引張強度および破断伸びを評価した結果を示す。また、各合金のアルミニウム(Al)と亜鉛(Zn)の含有量を合わせて示した。
Figure 0007321601000005
Figure 0007321601000006
[実施例3-1~実施例3-2、比較例3-1]
合金No.1(Alの含有量:1質量%)の合金チップから合金No.4(Alの含有量:0質量%)の合金チップ(2~5mm程度のチップ状)に順次材料を混合置換しながら、チクソモールド法により以下の条件で成形し、Alの含有量が1質量%,0.7質量%,0.3質量%の板状成形体(縦140mm、横40mm、厚さ2mmの長方形)を得た。
・成形機:株式会社日本製鋼所製成形機:JLM650-MG
・成形温度(℃/実温):635℃
・金型温度(℃):200℃
表6に、Alの含有量が0.7質量%と0.3質量%の成形体について、Alの含有量から混合比を算出し、不純物量の割合を求めた結果を示す。なお、実施例3-1のAlの含有量が1質量%の成形体は、合金No.1の組成である。また、表7に、成形性と、マグネシウム合金成形体の比熱容量の測定方法(2)による比熱容量、熱拡散率、密度および熱伝導率を評価した結果を示す。
Figure 0007321601000007
Figure 0007321601000008
[実施例4(曲げ試験)]
(実施例4-1~実施例4-4、比較例4-1~比較例4-3)
表8に示す条件でマグネシウム成形体を製造し、曲げ試験を行った。曲げ試験は、万能試験機(島津製作所製、R-50)を用いてJIS Z 2248:2022の押曲げ法に従い曲げ試験を行い、サンプルに割れが発生した時点の角度を評価した。サンプルは、縦140mm、横40mm、厚み2mmの板状の成形体を用いた。
Figure 0007321601000009
図4に曲げ試験後の各サンプルの写真を示す。図4は、曲げ試験後の各サンプルを曲げ角度がわかるように方眼目盛上に置いて撮影した写真である。比較例のサンプルは、割れが途中で発生したため、これらのサンプルは、割れが発生した時点の角度でサンプルを揃えた写真である。比較例のサンプルはいずれも、90°以下の曲げ時点で割れが発生した。
合金No.1とNo.2は、630℃成形品、650℃成形品共に、180°に曲げても割れが発生せず、高い曲げ性を示した。なお、これらの成形品は、最大曲げ角度は180°であったが、靭性のために試験機から取り外すと少々戻り、図4の写真では、曲げ角度が180°より開いた角度となっている。
[実施例5(放熱試験)]
放熱試験用のサンプルとして、実施例1-1と同じ条件で成形体を作製した。また、比較サンプルとして、比較例2-1と同じ条件で成形体を作製した。各サンプルの一部を98℃の水中に浸漬し、サーモグラフィ(FLIR製FLIR ONE pro)を用いて大気中への熱伝達の様子(高温部である白色部分からの熱の伝わり)を撮影し、比較した。図5に、時間の経過に伴うサーモグラフの画像を示す。(1)から(5)の順で数字が大きいほど時間が経過している画像である。
図5から、合金No.1の成形品は、水中に浸漬していない部分の白色(カラー画像では橙色)への変化が速く、速く昇温していることがわかる。また、(5)の合金No.1の成形品を見ると、水中に浸漬していない部分が全体的に薄い白色(カラー画像では全体的に橙色)であり、より高温の強い白色部分(カラー画像では白色部分)は少ないことがわかる。すなわち、合金No.1の成形品は速やかに放熱されていることがわかる。一方、(5)の合金No.3(AZ91D)の成形品を見ると、水面付近の白色性が、合金No.1の成形品に比べて強い。すなわち、合金No.3(AZ91D)の方が、熱伝導性が低く、蓄熱しやすいことがわかる。
本発明は、自動車や電子機器などの放熱部材に用いることができ産業上有用である。

Claims (9)

  1. 亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.9~2.1質量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避的不純物からなるマグネシウム合金成形体であり、
    前記不可避的不純物の含有量が0.1質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のマンガンの含有量は、0.05質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のケイ素の含有量は、0.030質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の鉄の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の銅の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のニッケルの含有量は、0.005質量%以下であり、
    組織中に、断面積が200μm2以上の粗大α相を含有し、
    前記粗大α相の占有率が、0.3~50面積%である、マグネシウム合金成形体。
  2. 亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%、炭素を0.05~0.15質量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避的不純物からなるマグネシウム合金成形体であり、
    前記マグネシウムの含有量が90.0質量%以上であり、
    前記不可避的不純物の含有量が0.1質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のマンガンの含有量は、0.05質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のケイ素の含有量は、0.030質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の鉄の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の銅の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のニッケルの含有量は、0.005質量%以下であり、
    組織中に、断面積が200μm2以上の粗大α相を含有し、
    前記粗大α相の占有率が、0.3~50面積%である、マグネシウム合金成形体。
  3. 熱伝導率が、80~120W/m・Kである、請求項1または2に記載のマグネシウム合金成形体。
  4. 引張強度が200MPa以上であり、かつ、破断伸びが5%以上である、請求項1または2に記載のマグネシウム合金成形体。
  5. JIS Z 2248:2022の押曲げ法で曲げ試験を行い、90°に曲げたときに割れを生じない、請求項1または2に記載のマグネシウム合金成形体。
  6. 請求項1または2に記載のマグネシウム合金成形体を含むマグネシウム合金部材。
  7. ヒートシンク、電子機器の筐体、冷却ファンおよびヘッドランプからなる群から選択されるいずれかである、請求項に記載のマグネシウム合金部材。
  8. 亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避的不純物からなる合金を用い、チクソモールド法により成形する成形工程を有する、マグネシウム合金成形体の製造方法であって、
    前記合金は、
    前記不可避的不純物の含有量が0.1質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のマンガンの含有量は、0.05質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のケイ素の含有量は、0.030質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の鉄の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の銅の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のニッケルの含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記成形工程における成形温度が、620~650℃であり、
    前記成形工程における金型温度が、180~250℃である、マグネシウム合金成形体の製造方法。
  9. 亜鉛を4.0~7.0質量%、アルミニウムを0.7~3.0質量%、炭素を0.05~0.15質量%含有し、残部がマグネシウムおよび不可避的不純物からなる合金を用い、チクソモールド法により成形する成形工程を有する、マグネシウム合金成形体の製造方法であって、
    前記合金は、
    前記マグネシウムの含有量が90.0質量%以上であり、
    前記不可避的不純物の含有量が0.1質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のマンガンの含有量は、0.05質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のケイ素の含有量は、0.030質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の鉄の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中の銅の含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記不可避的不純物中のニッケルの含有量は、0.005質量%以下であり、
    前記成形工程における成形温度が、620~650℃であり、
    前記成形工程における金型温度が、180~250℃である、マグネシウム合金成形体の製造方法。
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