JP7321100B2 - 電極用触媒含有分散組成物及びそれによる物品 - Google Patents

電極用触媒含有分散組成物及びそれによる物品 Download PDF

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Description

電極用触媒含有組成物が、そのような組成物の製造方法と共に開示される。この触媒含有組成物を含む電極は、高い転極許容度を示す。
プロトン交換膜燃料電池、センサ、電解装置、塩素-アルカリ分離膜などを含む電気化学装置は、膜電極接合体(membrane electrode assembly、MEA)から構築されている。このようなMEAは、典型的には、2つの電極、すなわちカソード及びアノードの間に挟まれたイオン伝導膜を含み、3層MEAを形成している。イオン伝導膜は、一方の電極で形成されたイオンを他方に輸送し、電極同士を接続している外部回路に電流を流す。
水素/酸素燃料電池は、水素及び酸素が供給されると電力を発生させる電気化学装置の一種である。水素/酸素燃料電池は、典型的には、ガス拡散層(gas diffusion layer、GDL)と呼ばれる2つの多孔質の導電性要素の間に3層MEAを設置することによって形成され、5層MEAを形成している。水素/酸素燃料電池で使用するための典型的な5層MEAは、第1のGDL、第1の電極部分、プロトン交換電解質を含有するイオン伝導膜、第2の電極部分、及び第2のGDLを含み得る。このような5層MEAを使用して、水素ガスを酸化し、酸素ガスを還元することにより、電気を発生させることができる。
典型的な動作では、燃料電池は、水素などの燃料と、空気からの酸素などの酸化剤とを供給されたときに、電力を生成する。この電力は、必要な電流を設定し、セル電圧を発生させることによって作り出すことができる。水素などの燃料がないときに電流が引き出されると、セル転極として知られる状態が発生し、アノードセル電位が臨界限界を超えて上昇し、燃料電池に永久的な損傷を引き起こし得る。様々な状況が、燃料電池にセル転極を引き起こし得る。例としては、投入燃料(水素など)の予期せぬ遮断、燃料電池スタック内の1つ以上のセルが、デブリ、液体の水又は氷によって閉塞する場合があり、アノードへの燃料の流れを妨害すること、及び燃料が供給される前に又はアノードに燃料がないときに電流を要求することが挙げられる。米国特許第6,936,370号(Knights et al.)は、炭素に支持された白金にイリジウムを添加し、転極許容度を向上させることを教示している。米国特許第8,637,193号(Steinbach et al.)は、耐食性支持体に支持された白金へのイリジウムの添加は、炭素支持体に堆積したイリジウム及び白金と比較して、転極許容度を更に向上させることを教示している。しかしながら、耐食性支持触媒を利用する場合、炭素支持触媒と比較して、燃料電池性能が低下する。したがって、性能を低下させることなく、米国特許第8637193号に実証されているレベル、又はそれを超える転極許容度を達成することが望まれている。
一態様では、
(a)複数の針状粒子であり、針状粒子が、微細構造化コアを含み、微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に触媒材料の層を有し、微細構造化コアが、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含み、触媒材料が、(i)白金、並びに(ii)イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含む、複数の針状粒子と、
(b)アイオノマー結合剤(ionomer binder)と、
(c)溶媒と、
(d)複数の炭素粒子と
を含み、
複数の針状粒子が配向されていない、組成物が記載される。
別の態様では、
(a)第1及び第2の複数の針状粒子を含む複数の針状粒子であり、第1の複数の針状粒子が第1の微細構造化コアを含み、第1の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第1の触媒材料の層を有し、第1の触媒材料の層が白金を含み、第2の複数の針状粒子が第2の微細構造化コアを含み、第2の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第2の触媒材料の層を有し、第2の触媒材料の層がイリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含み、第1及び第2の微細構造化コアが、独立して、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含む、複数の針状粒子と、
(b)アイオノマー結合剤と、
(c)溶媒と、
(d)複数の炭素粒子と
を含み、
複数の針状粒子が配向されていない、組成物が記載される。
一態様では、物品が提供される。コーティングを有する基材を含む物品であって、コーティングが、
(a)複数の針状粒子であり、針状粒子が微細構造化コアを含み、微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に触媒材料の層を有し、微細構造化コアが、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含み、触媒材料が、(i)白金、並びに(ii)イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方
を含む、物品。
一態様では、物品が提供される。コーティングを有する基材を含む物品であって、コーティングが、(a)第1及び第2の複数の針状粒子を含む複数の針状粒子であり、第1の複数の針状粒子が第1の微細構造化コアを含み、第1の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第1の触媒材料の層を有し、第1の触媒材料の層が白金を含み、第2の複数の針状粒子が第2の微細構造化コアを含み、第2の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第2の触媒材料の層を有し、第2の触媒材料の層がイリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含み、第1及び第2の微細構造化コアが、独立して、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含む、複数の針状粒子と、
(b)アイオノマー結合剤と、
(c)溶媒と、
(d)複数の炭素粒子と
を含み、
複数の針状粒子が配向されていない、物品。
更に別の態様では、本開示の組成物は、電気の発生に使用される。
以上の発明の概要は、各実施形態について説明することを意図するものではない。本発明における1つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明にも記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
比較例A~C及び実施例1~2についての、セル出力電圧対燃料中の水素パーセントのプロットである。
比較例A~C及び実施例1~2についての、セル出力電圧対電流密度のプロットである。
比較例A~B並びに実施例1、2、4~5及び8についての、セル出力電圧対転極モードにおいて経過した秒単位の累積時間の量のプロットである。
比較例B及び実施例5~7についての、セル出力電圧対転極モードにおいて経過した秒単位の累積時間量のプロットである。
本明細書で使用する場合、用語
「及び/又は」は、述べられた事柄の一方又は両方が起こり得ることを示すために使用され、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)並びに(A又はB)を含み、
「高度にフッ素化された」とは、C-H結合の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、又は更には99%がC-F結合により置換され、C-H結合の残部がC-H結合、C-Cl結合、C-Br結合、及びこれらの組み合わせから選択される化合物を指し、
「ペルフルオロ化」とは、すべての水素原子がフッ素原子に置換されている、炭化水素から誘導される基又は化合物を意味する。しかしながら、ペルフルオロ化合物は、酸素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子のような、フッ素及び炭素原子以外の原子を依然含有してもよく、ポリマーの「当量重量」(equivalent weight、EW)は、1当量の塩基を中和するポリマーの重量を意味し、
「置換され」は、化学種について、所望の生成物又はプロセスを阻害しない慣用の置換基によって置換されていることを意味し、例えば置換基は、アルキル、アルコキシ、アリール、フェニル、ハロ(F、Cl、Br、I)、シアノ、ニトロなどであってよく、
「ナノスケール触媒粒子」は、標準的な2θX線回折スキャンにおいて回折ピーク半値幅として測定して、約10nm以下の少なくとも1つの寸法を有する又は約10nm以下の結晶サイズを有する触媒材料の粒子を意味し、「別個の」は、別々のアイデンティティを有するが、要素が互いに接触していることを除外しない、区別される要素を指す。
また、本明細書において、端点による範囲の記載は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(例えば、1~10は、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98などを含む)。
また、本明細書において、「少なくとも1つ」の記載は、1以上のすべての数(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100など)を含む。
本開示は、電極用触媒含有分散組成物、及びそれから製造される物品に関する。このような電極用触媒含有分散組成物は、複数のランダムに配向された針状粒子、アイオノマー結合剤、及び複数の炭素粒子を含む。本明細書で使用するとき、「配向されていない」とは、それらの長軸のランダムな配向を有し、パターンが観察されない針状粒子を指す。
針状粒子
本明細書に開示される針状粒子は、複数の微細構造化コアを含む別個の細長い粒子であり、微細構造化コアの表面の少なくとも一部分が、触媒材料の層を含む。
微細構造化コアは、その上に配置された触媒材料の支持体として機能する有機化合物を含む、細長い粒子である。本開示の微細構造化コアは細長いが、必ずしも形状が直線状ではなく、構造の端部で屈曲して、巻かれて、若しくは湾曲していてもよく、又は構造自体が全長に沿って、屈曲して、巻かれて、若しくは湾曲していてもよい。
微細構造化コアは、有機化合物から製造される。有機化合物としては、π電子密度が広範に非局在化した鎖又は環を含む平面分子が挙げられる。この開示において使用するのに適した有機化合物は、一般に、ヘリンボーン構成で結晶化する。好ましい化合物としては、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物として広く分類され得るものが挙げられる。多核芳香族化合物は、Morrison and Boyd,Organic Chemistry,Third Edition,Allyn and Bacon,Inc.(Boston:1974),Chapter 30に記載されており、複素環式芳香族化合物は、Morrison and Boyd,supra,Chapter 31に記載されている。多核芳香族炭化水素の部類の中でも、ナフタレン、フェナントレン、ペリレン、アントラセン、コロネン、ピレン、及び前述の部類の化合物の誘導体が、この開示に好ましい。好ましい有機化合物は、市販のペリレンレッド顔料、N,N’-ジ(3,5-キシリル)ペリレン-3,4:9,10-ビス(ジカルボキシイミド)であり、以後はペリレンレッドと称する。複素環式芳香族化合物の部類の中でも、フタロシアニン、ポルフィリン、カルバゾール、プリン、プテリン、及び前述の部類の化合物の誘導体が、この開示に好ましい。この開示に特に有用なフタロシアニンの代表例は、フタロシアニン及びその金属錯体、例えば銅フタロシアニンである。この開示に有用なポルフィリンの代表例は、ポルフィリンである。
針状要素を製造する方法は、当該技術分野において公知である。例えば、有機微細構造要素を製造する方法は、Materials Science and Engineering,A158(1992),pp.1-6;J.Vac.Sci.Technol.A,5,(4),July/August,1987,pp.1914-16;J.Vac.Sci.Technol.A,6,(3),May/August,1988,pp.1907-11;Thin Solid Films,186,1990,pp.327-47;J.Mat.Sci.,25,1990,pp.5257-68;Rapidly Quenched Metals,Proc.of the Fifth Int.Conf.on Rapidly Quenched Metals,Wurzburg,Germany(Sep.3-7,1984),S.Steeb et al.,eds.,Elsevier Science Publishers B.V.,New York,(1985),pp.1117-24;Photo.Sci.and Eng.,24,(4),July/August,1980,pp.211-16;並びに、発明の開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第4,568,598号(Bilkadi et al.)、及び同4,340,276号(Maffitt et al.)、K.Robbie,et al,「Fabrication of Thin Films with Highly Porous Microstructures」、J.Vac.Sci.Tech.A,Vol.13 No.3,May/June 1995,pages 1032-35、並びにK.Robbie,et al.,「First Thin Film Realization of Bianisotropic Medium」、J.Vac.Sci.Tech.A,Vol.13,No.6,November/December 1995,pages 2991-93に開示されている。
例えば、有機化合物は、例えば、真空蒸着(例えば、真空蒸発、昇華、及び化学蒸着)、並びに溶液コーティング又は分散コーティング(例えば、ディップコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ブレード又はナイフコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、及び注入コーティング(すなわち、液体を表面に注ぎ、液体を表面上で流動させること))を含む、当該技術分野において公知の技術を使用して、基材にコーティングされる。次いで、有機化合物の層は、層が物理的変化を受けるように処理され(例えば、アニーリング、プラズマエッチング)、有機化合物の層が成長し、別個の配向された単結晶又は多結晶の微細構造化コアの高密度配列を含む微細構造層を形成する。この方法の後、微細構造化コアの長軸の配向は、通常、基材表面に対して垂直である。
一実施形態では、有機化合物が基材に蒸気コーティングされる。基材は変更することができ、加熱プロセスに適合するように選択される。例示的な基材としては、ポリイミド及び金属箔が挙げられる。蒸着中の基材の温度は、選択した有機化合物に応じて変化させることができる。ペリレンレッドについては、室温付近の基材温度(25℃)が良好である。真空蒸着の速度は変化させることができる。堆積する有機化合物の層の厚さは変化させることができ、選択された厚さは、アニーリング工程が実行された後に得られる微細構造の主寸法を決定する。層の厚さは、典型的には約1nm~約1マイクロメートルの範囲であり、好ましくは約0.03マイクロメートル~約0.5マイクロメートルの範囲である。次いで、有機化合物の層を、堆積した有機化合物が物理的変化を受け、純粋な単結晶又は多結晶の微細構造化コアを含む微細層の生成をもたらすように、十分な温度及び時間、所望により減圧下で、加熱する。これらの単結晶又は多結晶の微細構造は、本開示の針状粒子を形成し、触媒材料の層を支持するために使用される。
本開示の触媒材料は、(i)白金、並びに(ii)イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含む。イリジウムは、酸化イリジウム、IrOなどのイリジウム含有化合物であってもよく、xは0~2の範囲であり得る。ルテニウムは、酸化ルテニウムなどのルテニウム含有化合物であってもよい。白金、並びにイリジウム及び/又はルテニウムは、それらの合金、及びそれらの均質混合物を含む。白金、イリジウム、及び/又はルテニウムは、第IV族、VIb族、VIIb族、及びVIIIb族(Pt、Ir、及びRu以外)からなる遷移金属などの金属との、合金又は均質混合物であってもよい。例示的な金属としては、ニッケル、コバルト、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、及びマンガンが挙げられる。
白金、並びにイリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方は、同じ微細構造化コアに配置されてもよく、又は別々の微細構造化コアに配置されてもよい。
一実施形態では、微細構造化コアが、白金、並びにイリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方の、合金又は均質混合物を含む層でコーティングされる。例示的な合金としては、白金-イリジウム合金、白金-ルテニウム合金、及び白金-イリジウム-X合金が挙げられ、Xはハフニウム、チタン、及びジルコニウムであり得る。例示的な触媒材料としては、白金とイリジウムとの混合物、白金とイリジウム-X合金との混合物、イリジウムと白金-X合金との混合物、白金-チタン合金とイリジウムとの混合物、白金-X合金とイリジウム-Y合金との混合物が挙げられ、Xは金、ハフニウム、チタン、及びジルコニウムであり得、Yは金、ハフニウム、チタン、及びジルコニウムである。
一実施形態では、微細構造化コアが、触媒材料の層を含む複合層でコーティングされる。例えば、白金を含む第1の層と、イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含む第2の層とを含む。このような層は、米国特許第5,879,827号(Debe et al.)及び同第6,482,763号(Haugen et al.)に開示されている。別の実施形態では、複合層が、白金を含有する少なくとも第1の層と、イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含有する少なくとも第2の層と、所望により、高融点金属を含有する少なくとも第3の層とを含み、第3の層が、第1の層と第2の層との間にある。高融点金属としては、ハフニウム、ニオブ、オスミウム、レニウム、ロジウム、タンタル、チタン、タングステン、及びジルコニウムが挙げられる。高融点金属は、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、高融点金属炭化物、高融点金属窒化物、又は高融点金属ケイ化物であってよい。高融点金属としては、化学量論的及び非化学量論的形態の酸化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、及びこれらの組み合わせ(例えば、オキシ炭化物、オキシ窒化物、オキシホウ化物、炭窒化物、炭ホウ化物、ホウ窒化物、ホウケイ化物、炭ケイ化物、及びニトロケイ化物)を挙げることができる。更に、2種以上の高融点金属を組み合わせ、二元、三元、四元などの混合物にすることができる(例えば、M-M-O-B-C-N-Si(ここで、Mは高融点金属である))。
例示的なHf酸化物及び亜酸化物としては、HfO、Hf、及びHfOが挙げられる。例示的なHfホウ化物としては、HfB及びHfBが挙げられる。例示的なHf炭化物としては、HfC及びHfCが挙げられる。例示的なHf窒化物としては、Hf及びHfNが挙げられる。例示的なHfケイ化物としては、HfSi及びHfSiが挙げられる。
例示的なNb酸化物としては、NbO、NbO、及びNbが挙げられる。例示的なNbホウ化物としては、NbB、Nb、NbB、Nb、Nb、及びNbBが挙げられる。例示的なNb炭化物としては、NbC及びNbCが挙げられる。例示的なNb窒化物としては、NbN、NbN、及びNb炭窒化物が挙げられる。例示的なNbケイ化物としては、NbSiが挙げられる。
例示的なOs酸化物としては、OsO及びOsOが挙げられる。例示的なOsとホウ化物しては、OsB及びOsBが挙げられる。例示的なOs炭化物としては、OsC、OsC、及びOsCが挙げられる。例示的なOs窒化物としては、OsN、OsN、及びOsNが挙げられる。例示的なOsケイ化物としては、OsSi、OsSi、及びOsSiが挙げられる。
例示的なRe酸化物としては、ReO、ReO、Re、及びReが挙げられる。例示的なReホウ化物としては、ReB、Re、ReB、ReB、Re、Re、Re、及びReBが挙げられる。例示的なRe炭化物としては、ReCが挙げられる。例示的なRe窒化物としては、ReN、ReN、及びReNが挙げられる。例示的なReケイ化物としては、ReSi及びReSiが挙げられる。
例示的なRh酸化物としては、RhO、RhO、及びRhが挙げられる。例示的なRhホウ化物としては、ZrRhB、NbRhB、及びRhBが挙げられる。
例示的なRh炭化物としては、RhC、RhC、RhC、及びRhCが挙げられる。例示的なRh窒化物としては、RhN、RhN、及びRhNが挙げられる。例示的なRhケイ化物としては、CeRhSi及びCeRhSiが挙げられる。
例示的なTa酸化物としては、TaO及びTaが挙げられる。例示的なTaホウ化物としては、TaB、Ta、TaB、Ta、Ta、及びTaBが挙げられる。例示的なTa炭化物としては、TaC、Ta、及びTaCが挙げられる。例示的なTa窒化物としては、TaN、TaN、Ta、及びTaが挙げられる。例示的なTaケイ化物としては、TaSi、TaSi、及びTa5Si6が挙げられる。
例示的なW酸化物としては、W及びWOが挙げられる。例示的なWホウ化物としては、WB、WB、WB、W、及びWBが挙げられる。例示的なW炭化物としては、WC及びWCが挙げられる。例示的なW窒化物としては、WN、WN、及びWNが挙げられる。例示的なWケイ化物としては、WSi及びWSiが挙げられる。
例示的なZr酸化物としては、ZrO、Zr、及びZrOが挙げられる。結晶構造の安定剤として作用する金属酸化物でドーピングされた例示的なZr酸化物又はジルコニアとしては、イットリア-、カルシア-、マグネシア-、アルミナ-及びセリア-安定化ジルコニア、又はジルコニア-ハフニアが挙げられる。例示的なZrホウ化物としては、ZrBが挙げられる。例示的なZr炭化物としては、ZrC、Zr、及びZrが挙げられる。例示的なZr窒化物としては、Zr及びZrNが挙げられる。例示的なZrケイ化物としては、ZrSi、ZrSi、ZrSi、ZrSi、及びZrSiが挙げられる。
典型的には、この第3の層は、少なくとも0.3、0.5、1、又は更には2nm、かつ5、10、20、40、60、又は更には100nm以下の厚さを有する。
一実施形態では、白金が第1の複数の微細構造化コアに配置され、イリジウム及び/又はルテニウムが第2の複数の微細構造化コアに配置される。白金層は、白金と別の金属(イリジウム又はルテニウム以外)との均質混合物又は合金を含んでもよい。このような金属としては、金、ハフニウム、チタン、及び/又はジルコニウムを挙げることができる。第2の複数の微細構造化コアのイリジウム及び/又はルテニウム層は、イリジウム及び/又はルテニウムと、白金以外の別の金属との均質混合物又は合金を含んでもよい。例示的な混合物又は合金としては、イリジウム-Z、ルテニウム-Z、イリジウム-ルテニウム、イリジウム-ルテニウム-Zが挙げられ、ここで、Zは金、ハフニウム、チタン、及び/又はジルコニウムである。第1の微細構造化コアに位置する白金と、第2の微細構造化コアに位置するイリジウム及び/又はルテニウムとを有することにより、電極の特性を調整する柔軟性が可能になり得る。
いくつかの実施形態では、触媒材料中、Pt、Ir、及びRuを合わせたものの、他の遷移金属に対する原子比が、5:95~99.9:0.1、5:95~95:5、10:90~90:10、20:80~80:20、30:70~70:30、又は更には40:60及び60:40である。いくつかの実施形態では、触媒材料中、白金の、イリジウム及び/又はルテニウムの総重量に対する重量比が、1000:1~1:5、100:1~1:5、25:1~1:5、10:1~1:3、1000:1~1:1、500:1~1:1、250:1~1:1、100:1~1:1、50:1~1:1、25:1~4:1、25:1~1:1、10:1~1:1、10:1~1:1、5:1~1:1、2.5:1~1:1、1000:1~2.5:1、1000:1~10:1、1000:1~25:1、1000:1~50:1、1000:1~100:1、1000:1~250:1、1000:1~500:1、及び10:3~4:3の範囲であってもよい。これらの触媒材料は、効率的な水素酸化反応及び転極保護(容易な酸化進展反応)を含む、良好な燃料電池の動作をもたらす。
触媒材料は、複数の微細構造化コアの少なくとも1つの表面(より好ましくは、少なくとも2つ、又は更には3つの表面)に配置される。触媒材料は、電子が針状粒子の一部分から針状粒子の別の部分へ連続的に移動することができるように、表面にわたる連続層として配置される。有機化合物の表面の触媒材料の層は、水素酸化及び酸素発生を含む反応を生じるための、多数の反応部位を作り出す。
一実施形態では、触媒材料が有機化合物の表面に堆積して、まずナノ構造触媒層を作り出し、この層がナノスケール触媒粒子又は触媒薄膜を含む。一実施形態では、ナノスケール触媒粒子が、標準的な2θX線回折スキャンにおいて回折ピーク半値幅として測定して、約10nm以下の少なくとも1つの寸法を有する又は約10nm以下の結晶サイズを有する粒子である。触媒材料を有機化合物の表面に更に堆積させ、ナノスケール触媒粒子を含む薄膜を形成することができ、触媒粒子は互いに接触していても、接触しなくてもよい。
一実施形態では、有機化合物の表面の触媒材料の層の厚さを変化させることができるが、典型的には、微細構造化コアの側面で、少なくとも0.3、0.5、1、又は更には2nm、かつ5、10、20、40、60、又は更には100nm以下の範囲である。
一実施形態では、触媒材料が、真空蒸着、スパッタリング、物理蒸着、又は化学蒸着によって微細構造化コアに適用される。
一実施形態では、本開示の針状粒子は、まず上に記載したように基材上で微細構造化コアを成長させ、微細構造化コアに触媒材料の層を適用し、次いで、触媒コーティングされた微細構造化コアを基材から取り外して、ばらばらの針状粒子を形成することによって、形成される。このような微細構造化コアの製造方法、及び/又はこれを触媒材料でコーティングする方法は、例えば、米国特許第5,338,430号(Parsonage et al.)、同第5,879,827号(Debe et al.)、同第5,879,828号(Debe et al.)、同第6,040,077号(Debe et al.)、及び第6,319,293号(Debe et al.)、同第6,136,412号(Spiewak et al.)、並びに同第6,482,763号(Haugen et al.)に開示されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
複数の針状粒子は、様々な形状を有することができるが、個々の針状粒子の形状は、好ましくは均一である。形状としては、ロッド、円錐、円筒、及びラス(lath)が挙げられる。一実施形態では、針状粒子が大きなアスペクト比を有し、アスペクト比は、長さ(長軸寸法)の、直径又は幅(短軸寸法)に対する比として定義される。一実施形態では、針状粒子が、少なくとも3、5、7、10、又は更には20、かつ多くとも60、70、80、又は更には100の平均アスペクト比を有する。一実施形態では、針状粒子が、250、300、400、又は更には500nm(ナノメートル)を超え、かつ750nm、1ミクロン、1.5ミクロン、2ミクロン、又は更には5ミクロン未満の平均長さを有する。一実施形態では、針状粒子が、15、20、又は更には30nmを超え、かつ100nm、500nm、750nm、1ミクロン、1.5ミクロン、又は更には2ミクロン未満の平均直径(又は幅)を有する。このような長さ及び直径(又は幅)の測定値は、透過電子顕微鏡(transmission electron microscopy、TEM)によって得ることができる。
針状粒子のサイズ、すなわち長さ及び断面積は、粒子同士で概ね均一である。本明細書で使用するとき、サイズに関して「均一」という用語は、個々の針状粒子の断面の長軸寸法が、長軸寸法の平均値から約23%以下で変化し、個々の針状粒子の断面の短軸寸法が、短軸寸法の平均値から約28%以下で変化することを意味する。針状粒子の均一性は、針状粒子を含有する物品の特性及び性能の均一性をもたらす。このような特性としては、光学、電気、及び磁気特性が挙げられる。例えば、電磁波の吸収、散乱、及び捕捉は、微細層の均一性に大きく依存する。
アイオノマー結合剤
アイオノマー結合剤はポリマー電解質材料であり、電気化学セルの膜のポリマー電解質材料と、同じであってもなくてもよい。
有用なポリマー電解質材料は、ポリマー主鎖に結合したスルホネート基、カーボネート基、又はホスホネート基などのアニオン性官能基、並びにこれらの組み合わせ及び混合物を含むことができる。一実施形態では、アニオン性官能基が、好ましくはスルホネート基である。ポリマー電解質材料は、イミド基、アミド基、又は別の酸性官能基を、これらの組み合わせ及び混合物と共に含むことができる。
有用なポリマー電解質材料の例は、高度にフッ素化され、典型的にはペルフルオロ化された、フルオロカーボン材料である。このようなフルオロカーボン材料は、テトラフルオロエチレンと1種以上のフッ素化酸性官能性コモノマーとのコポリマーであり得る。フルオロカーボン樹脂は、ハロゲン、強酸、及び塩基に対して高い化学的安定性を有するため、有益に使用することができる。例えば、高い耐酸化性又は耐酸性が望ましい場合、スルホネート基、カーボネート基、又はホスホネート基を有するフルオロカーボン樹脂、特にスルホネート基を有するフルオロカーボン樹脂を、有益に使用することができる。
スルホネート基を含む例示的なフルオロカーボン樹脂としては、ペルフルオロスルホン酸(例えば、ナフィオン)、ペルフルオロスルホンイミド酸(perfluorosulfonimid-acid、PFIA)、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリトリフルオロスチレン、スルホン化炭化水素ポリマー、ポリスルホン、及びポリエーテルスルホンが挙げられる。市販のポリマー電解質材料としては、例えば、3M Company,St.Paul,MNから「ダイニオン」の商品名、DuPont Chemicals,Wilmington,DEから「ナフィオン」の商品名、旭硝子株式会社、東京、日本から「フレミオン」の商品名、旭化成ケミカルズ株式会社、東京、日本から「アシプレックス」の商品名で入手可能なもの、並びにElectroChem,Inc.,Woburn,MA、及びAldrich Chemical Co.,Inc.,Milwaukee,WIから入手可能なものが挙げられる。
一実施形態では、ポリマー電解質材料は、ペルフルオロ-X-イミドから選択され、ここでXは、メチル、ブチル、プロピル、フェニルなどであり得るが、これらに限定されない。
典型的には、イオン伝導性ポリマーの当量重量は、少なくとも約400、500、600、又は更には700、かつ約825、900、1000、1200、又は更には1500以下である。
一実施形態では、アイオノマー結合剤の針状粒子に対する比は、0.01:1~1:10、より好ましくは0.1:1~1:1である。
炭素粒子
本開示において、触媒組成物は、複数の針状粒子とアイオノマー結合剤とに加えて、複数の炭素粒子を含む。
本明細書に開示される炭素粒子は、バルク中に主に(例えば、90、95、99%モルを超える)元素状炭素を含む材料である。
理論に束縛されることを望むものではないが、これらの炭素粒子は、触媒組成物の伝導性を向上させ、より少ない針状粒子で使用することが可能になり、これに加えて又はこれに代えて、これらの炭素粒子が細孔を作り出し、例えばガス及び水の輸送を強化することができると考えられる。
炭素粒子は、非晶質炭素、結晶性炭素、黒鉛化炭素、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、炭素粒子中の炭素原子の少なくとも10、25、50、75、90、95、又は更には99%が、規則的(すなわち、結晶性)である。一実施形態では、炭素粒子中の炭素原子の30、20、10、又は更には5%未満が規則的である。
例示的な炭素としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、グラフェン、黒鉛化炭素、カーボンナノチューブ、TKK F型炭素、P型炭素、黒鉛化Vulcan、並びにCabot Corp,Billerica,MAから「VULCAN XC 72」の商品名で入手可能なもの及びその黒鉛化版などの特別なカーボンブラック、並びにAkzoNobel Chemicals Co.,Amersterdam,Netherlandsによる「KETJENBLACK EC-600JD」の商品名で入手可能なもの及びその黒鉛化版が挙げられる。一実施形態では、炭素粒子が実質的に金属を含まず、これは、炭素粒子が1.0、0.5、0.1、又は更には0.05重量%未満の金属を含むことを意味する。
本開示における有用な炭素粒子の範囲は、上述した特定の例に限定されることを意図するものではなく、例えば粉末、板、ロッド、発泡体、フェルト、繊維、分枝状繊維、布などのすべての有用な炭素の物理的形態を含むことを意図する。
一実施形態では、炭素粒子が低アスペクト粒子(3又は更には2未満のアスペクト比を有する)であり、一次粒子の長軸の平均長さによるサイズが、直径100、75、又は更には50nm未満である。一実施形態では、炭素粒子が、10、15、又は更には20nmを超え、かつ70、60、又は更には50nm未満の長軸の平均長さを有する。
一実施形態では、炭素粒子が、本質的に不可逆的に互いに結合されて凝集体の形態になった一次粒子から構成され、この凝集体からは個々の一次粒子のサイズを簡単に抽出することはできない。これらの凝集炭素粒子は、電極の厚さ未満の長軸の平均長さ、概ね電極の厚さの20%未満の長さを有することになる。凝集粒子の長軸の例示的な平均長さは、200、400、又は更には800nmを超え、かつ2マイクロメートル、又は更には1マイクロメートル未満である。
一実施形態では、炭素粒子がカーボンナノチューブであり、カーボンナノチューブが、1マイクロメートル未満、又は更には0.5マイクロメートル未満の長さを有する。
一実施形態では、炭素粒子の針状粒子に対する比が、1:100~100:1である。
一実施形態では、炭素粒子のアイオノマー結合剤に対する比が、5:1~0.1:1、より好ましくは2:1~0.5:1である。
疎水性ポリマー
一実施形態では、フッ素化ポリマーなどの疎水性の粒子又はポリマーが、触媒組成物に添加される。例示的なフッ素化ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、FEP(ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー)、ポリフッ化ビニリデン、ペルフルオロアルコキシポリマー、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロエチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー、及びThe Chemours Co.,Wilmington,DEから「テフロン AF」の商品名で入手可能なものなどのテトラフルオロエチレンとノルベン(norbene)とのコポリマーが挙げられる。一実施形態では、疎水性の粒子又はポリマーの針状粒子に対する比が、0.01:1~10:1、より好ましくは0.01:1~0.5:1である。一実施形態では、疎水性の粒子又はポリマーのアイオノマー結合剤に対する比が、0.01:1~100:1、より好ましくは0.01:1~2:1である。
溶媒
典型的には、複数の微細構造要素は、アイオノマー結合剤、複数の炭素粒子、様々な溶媒、及び所望により疎水性ポリマーと共に、分散体、例えばインク又はペーストの形態で適用される。
一実施形態では、複数の針状粒子、アイオノマー結合剤、複数の炭素粒子、及び所望により疎水性ポリマーが、溶媒中に分散している。溶媒としては、水、ケトン(アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンなど)、アルコール(メタノール、イソプロパノール、プロパノール、エタノール、及びプロピレングリコールブチルエーテルなど)、ポリアルコール(グリセリン及びエチレングリコールなど)、炭化水素(シクロヘキサン、ヘプタン、及びオクタンなど)、ジメチルスルホキシド、並びにヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸、及び部分フッ素化又はペルフルオロ化されたアルカン又は三級アミンなどのフッ素化溶媒(3M Co.,St.Paul,MNから「3M NOVEC」又は「3M FLUORINERT」流体の商品名で入手可能なものなど)を挙げることができる。一実施形態では、触媒組成物が、所望により追加の溶媒及び/又は分散剤を含む、水性分散体である。
一実施形態では、触媒組成物が、5~30重量%の固体(すなわち、複数の針状粒子、アイオノマー結合剤、複数の炭素粒子、及び所望により疎水性ポリマー)、より典型的には10~25重量%の固体を含有する。
一実施形態では、触媒組成物が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2009/0169949号(Hicks et al.)に開示されているものなどの、少量の高沸点溶媒を含んでもよい。これらの溶媒は、120、140、160、又は更には180℃を超える沸点を有する高沸点化合物である。有用な高沸点溶媒としては、所望により置換されていてもよい、アルカン、アルケン、アミン、エーテル、又は芳香族化合物を挙げることができる。有用な高沸点溶媒としては、所望により置換されていてもよく、部分的に、高度に又は完全にフッ素化された、アルカン、アルケン、アミン、エーテル又は芳香族化合物を挙げることができる。有用な高沸点溶媒としては、3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能な、「3M NOVEC ENGINNERED FLUID」若しくは「3M FLUOROINERT ELECTRONIC LIQUID」の商品名で入手可能なものなどの、部分的に若しくは完全にフッ素化されたアルカン若しくは第三級アミンなどのフッ素化溶媒、又はプロピレングリコールブチルエーテルなどの非フッ素化エーテルを挙げることができる。いくつかの実施形態では、本開示による触媒組成物が、0.1~50重量%、より好ましくは1~10重量%の高沸点溶媒を含有する。
物品
一実施形態では、触媒組成物が、ポリマー電解質膜(polymer electrolyte membrane、PEM)又はガス拡散層(GDL)などの基材に適用され、又は転写基材上に適用され、続いてPEM又はGDL上に転写される。
PEMは、当該技術分野で公知である。PEMは、任意の適したポリマー電解質を含んでもよい。ポリマー電解質は、典型的には、共通の主鎖に結合したアニオン性官能基を有し、これは、典型的にはスルホン酸基であるが、カルボン酸基、イミド基、アミド基、又は他の酸性官能基も含んでよい。ポリマー電解質は、典型的には、高度にフッ素化されており、最も典型的には、ペルフルオロ化されている。例示的なポリマー電解質としては、アイオノマー結合剤について上で言及したものが挙げられる。ポリマー電解質は、典型的には、50ミクロン未満、より典型的には40ミクロン未満、より典型的には30ミクロン未満、いくつかの実施形態では25ミクロン未満、いくつかの実施形態では約15ミクロンの厚さを有するフィルム(すなわち膜)としてキャストされる。PEMはポリマー電解質からなってもよく、又はポリマー電解質が多孔質支持体(PTFEなど)に吸収されてもよい。公知のPEMの例としては、E.I.du Pont de Nemours and Co.,Wilmington,DEによる「ナフィオンPFSA膜」の商品名、W.L.Gore&Associates,Inc.,Newark、DEによる「ゴアセレクトメンブレン」の商品名、及び旭化成株式会社、東京、日本による「アシプレックス」の商品名で入手可能なもの、並びに3M Co.,St.Paul,MNから3M膜が挙げられる。
GDLも、当該技術分野において公知である。典型的には、GDLは、織布及び不織布炭素繊維構成体から選択される炭素繊維シート材料である。本開示の実施において有用であり得る炭素繊維構成体としては、「TORAY CARBON PAPER」、「SPECTRACARB CARBON PAPER」、「AFN」不織布カーボンクロス、「ZOLTEK CARBON CLOTH」、三菱レイヨン社カーボンペーパーなどの商品名で入手可能なものを挙げることができる。GDLは、様々な材料によってコーティング又は含浸することができ、炭素粒子コーティング、親水化処理、及びポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)によるコーティングなどの疎水化処理などが挙げられる。
転写基材は、電極としての最終用途を意図しない一時的な支持体であり、製造中又は保管中に電極を支持及び/又は保護するために使用される。転写基材は、使用前に電極物品から取り外される。転写基材は、多くの場合剥離コーティングでコーティングされた、バッキングを含む。電極は剥離コーティング上に配置され、これにより、転写基材から電極を容易にきれいに取り外すことができる。このような転写基材は、当該技術分野において公知である。バッキングは、多くの場合、剥離剤コーティングを有する又は有しない、PTFE、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene naphthalate、PEN)、ポリエステル、及び同様の材料から構成される。
剥離剤の例としては、カルバメート、ウレタン、シリコーン、フルオロカーボン、フルオロシリコーン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。カルバメート剥離剤は、通常、長い側鎖を有し、比較的高い軟化点を有する。例示的なカルバメート剥離剤は、Adrian,MichのAnderson Development Co.から「ESCOAT P20」の商品名で入手可能な、並びにNorcross,Ga.のMayzo Inc.から、RA-95H、RA-95HS、RA-155、及びRA-585Sとして様々な等級で市販されている、ポリビニルオクタデシルカルバメートである。
表面適用される(すなわち、局所用)剥離剤の例示的な例としては、米国特許第2,532,011号(Dahlquist et al.)に開示されているものなどのポリビニルカルバメート、反応性シリコーン、フルオロケミカルポリマー、米国特許第4,313,988号(Bany et al.)及び同第4,482,687号(Kessel et al.)に開示されているものなどのエポキシシリコーン、欧州特許出願第250,248号(Leir et al.)に開示されているものなどのポリオルガノシロキサン-ポリウレアブロックコポリマー等が挙げられる。
シリコーン剥離剤は、通常、少なくとも2個の架橋性反応基、例えば、2個のエチレン性不飽和有機基を有するオルガノポリシロキサンポリマーを含む。いくつかの実施形態では、シリコーンポリマーが、2個の末端架橋性基、例えば、2個の末端エチレン性不飽和基を有する。いくつかの実施形態では、シリコーンポリマーが、ペンダント官能基、例えば、ペンダントエチレン性不飽和有機基を有する。いくつかの実施形態では、シリコーンポリマーが、1当量当たり20,000グラム以下、例えば、1当量当たり15,000グラム以下、又は更には10,000グラム以下のビニル当量重量を有する。いくつかの実施形態では、シリコーンポリマーが、1当量当たり少なくとも250グラム、例えば、1当量当たり少なくとも500グラム、又は更には少なくとも1000グラムのビニル当量重量を有する。いくつかの実施形態では、シリコーンポリマーが、1当量当たり500~5000グラム、例えば、1当量当たり750~4000グラム、又は更には1当量当たり1000~3000グラムのビニル当量重量を有する。
市販のシリコーンポリマーとしては、Gelest Inc.から「DMS-V」の商品名で入手可能なもの、例えば、DMS-V05、DMS-V21、DMS-V22、DMS-V25、DMS-V31、及びDMS-V33が挙げられる。平均で少なくとも2個のエチレン性不飽和有機基を有する他の市販のシリコーンポリマーとしては、「SYL-OFF 2-7170」及び「SYL-OFF 7850」(Dow Corning Corporationから入手可能)、「VMS-T11」及び「SIT7900」(Gelest Inc.から入手可能)、「SILMER VIN 70」、「SILMER VIN 100」及び「SILMER VIN 200」(Siltech Corporationから入手可能)、並びに2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン(Aldrichから入手可能)が挙げられる。
剥離剤はまた、フルオロシリコーンポリマーを含み得る。市販のエチレン性不飽和フルオロシリコーンポリマーは、Dow Corning Corp.(Midland,Mich.)から、例えば、「SYL-OFF FOPS-7785」及び「SYL-OFF FOPS-7786」を含む、SYL-OFFシリーズの商品名で入手可能である。他のエチレン性不飽和フルオロシリコーンポリマーは、General Electric Co.(Albany,N.Y.)及びWacker Chemie(Germany)から市販されている。更なる有用なエチレン性不飽和フルオロシリコーンポリマーは、米国特許第5,082,706号(Tangney)のカラム5、67行~カラム7、27行にて成分(e)として記載されている。フルオロシリコーンポリマーは、適した架橋剤と組み合わせたとき、剥離コーティング組成物の形成に特に有用である。1つの有用な架橋剤は、Dow Corning Corp.から「SYL-OFF Q2-7560」の商品名で入手可能である。他の有用な架橋剤は、米国特許第5,082,706号(Tangney)及び同第5,578,381号(Hamada et al.)に開示されている。
電極組成物は、あらかじめ、インク、ペースト又は分散体中に一緒に混合されてもよい。以上のように、電極組成物は次いで、1つ又は複数の層においてPEM、GDL又は転写物品に適用され得るが、各層は同じ組成を有し、又はいくつかの層が異なる組成を有する。当該技術分野において公知のコーティング技法を使用して、電極組成物を基材にコーティングすることができる。例示的なコーティング方法としては、ナイフコーティング、バーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等が挙げられる。
コーティング後、典型的には、コーティングされた基材を乾燥させて、少なくとも部分的に溶媒を電極組成物から除去し、電極層が基材に残る。
電気化学セル
触媒コーティングされたPEM又は触媒コーティングされたGDLは、燃料電池などの電気化学セルにおいて有用であり得る。具体的には、本開示の触媒組成物は、水素を燃料とする燃料電池のアノード部分において、特定の用途に使用することができる。
本開示の一実施形態では、燃料電池アセンブリが、本開示の組成物から製造されたアノード電極を備える。MEAは、水素燃料電池などのプロトン交換膜燃料電池の中心的要素である。燃料電池は、水素などの燃料と酸素などの酸化剤とを触媒的に組み合わせることによって使用可能な電気を生み出す、電気化学セルである。典型的には、イオン伝導膜の一方の面がアノード電極層と接触しており、反対側の面はカソード電極層と接触している。典型的な使用では、水素ガスが燃料電池のアノード側に供給され、一方で、空気、つまり酸素源がカソード側に供給される。使用中、水素酸化によってアノードにプロトンが形成される。プロトンは、イオン伝導膜を越えてカソードに輸送され、酸素と反応し、両電極を接続している外部回路に電流を流す。イオン伝導膜は、反応物質である両ガスの間に、耐久性のある、非多孔性で非導電性の機械的障壁を形成するが、しかしHイオンを容易に通過させもする。ガス拡散層(GDL)は、アノード及びカソード電極材料を出入りする反応物質及び生成する水の輸送を促進して、電流を伝導する。GDLは、多孔質及び導電性の両方であり、典型的には、炭素繊維から構成される。GDLはまた、流体輸送層、又は拡散体/集電体と呼ばれることもある。いくつかの実施形態では、アノード及びカソード電極層がGDLに適用され、触媒コーティングバッキング層(catalyst coated backing、CCB)を形成し、得られたCCBがPEMで挟まれ、5層MEAを形成する。5層MEAの5層は、順に、アノードGDL、アノード電極層、PEM、カソード電極層、及びカソードGDLである。他の実施形態では、アノード及びカソード電極層が、PEMのいずれかの側に適用され、得られた触媒コーティング膜(catalyst-coated membrane、CCM)が、2つのGDLの間に挟まれ、5層MEAを形成する。動作中、5層MEAは2つの流場プレートの間に位置してアセンブリを形成し、いくつかの実施形態では、2つ以上のアセンブリが一緒に積層され、燃料電池スタックを形成する。
名目上の動作では、アノード電位は理想的には、高電流密度で動作中に、可逆水素電極に対してゼロボルト付近である、又はせいぜい十分の数ボルトだけ正である。カソード電圧は、典型的には、可逆水素電極電位に対して0.6~1.23ボルト(V)の正電圧である。しかしながら、様々な現実の動作シナリオに起因して、燃料電池の電極は、必要となる反応物の濃度を奪われ得る。これがアノードで発生すると、燃料電池が要求する電流を発生させて提供するために、燃料電池のアノード電気触媒は、利用可能なあらゆる水素に加えて、他のものを酸化することになる。
時として、燃料電池から電流が要求され、カソード側には酸化剤(空気など)が供給されている一方で、アノードでは燃料(典型的には水素)が欠乏する。このとき、酸化される燃料の代替供給源が見出されるまで、アノード電位が上昇する。ポリマー電解質燃料電池において通例見出される代替の燃料としては、炭素及び水が挙げられる。典型的には、水素燃料電池において、GDL及び/又は電極中に、カーボンブラック担持触媒として炭素が存在し得る。可逆水素電極電位に対して約0.8V(ボルト)を上回ると、炭素酸化(腐食)が始まり、一酸化炭素ガス及び二酸化炭素ガスを生成し、これらが燃料電池から出ていく。炭素が酸化されると、電極及び/又はGDL内の電子伝導性の減少により、ガス多孔性の減少により、並びに電極及び/又はGDLの疎水特性及び/又は親水特性の変化のため、アノード電極が損傷し得る。アノード電位が更に上昇するにつれて、炭素腐食速度が上昇し得る。ポリマー電解質膜燃料電池に見出される一般的な炭素材料では、1.2Vを上回ると炭素腐食が著しくなり、1.5Vを上回ると数分で炭素腐食が有害となる場合がある。酸化電流の第2の供給源は、水の電気分解由来の酸素発生である。1.23Vを上回ると、アノードで水の電気分解が開始し、水が酸化されて酸素ガス、水素イオン、及び電子を生成する。炭素の腐食及び水の電気分解の速度は、使用した材料(炭素の種類、触媒の種類)及び到達したアノード電位に依存する。アノード転極中、燃料電池から要求される電流全てが、炭素の腐食及び水の電気分解によって集合的に発生するまで、アノード電位が上昇する。要求される電流を発生させるため、アノード電極電位が上昇して1.5Vを上回ると、損傷量の炭素腐食が生じ得る。白金を既に含有するアノード電極に、イリジウム及び/又はルテニウムを、Ptとの合金化により、Ptとの積層により又は離れた別個の粒子としてのいずれかで、添加することによって、水の電気分解の速度が向上することが示されている。続いて、転極下では、水の電気分解速度が上昇すると、要求される電流を満たすのに必要となるアノード電位が低下し、それにより、炭素腐食速度及びPEM燃料電池のアノードに生じうる損傷が低減される。
燃料欠乏事象の場合、電流の要求に応じるのに十分な速度で、炭素、白金及び水が酸化される電位に達するまで、アノード電位が迅速に上昇する。炭素の酸化は、炭素支持触媒層及びガス拡散層の劣化をもたらすため、抵抗が増加し、質量輸送が減少する。白金の酸化は、可溶性白金酸化物種の形成をもたらし、電極表面積が減少する場合がある。これらの効果はいずれも不可逆的な場合があり、経時的に、蓄積による燃料電池性能の劣化を引き起こす場合がある。
本開示では、電極中の複数の炭素粒子と共に分散した針状粒子の組み合わせは、性能を犠牲にすることなく良好な転極許容度を有することが認識されている。一実施形態では、実施例のセクションに記載されるように、転極後の性能をセル毎に試験したとき、10000、15000、20000、又は更には30000秒を超えて転極条件に曝露した場合、GDSによって特性評価したとき、性能が0.4ボルトを下回って低下しなければ、電極は良好な転極許容度を有する。一実施形態では、実施例のセクションに開示される水素感受性試験によって試験したとき、電極が、同様の(10%以内)面積触媒担持量を有する炭素支持電極を使用して製造された電極と同様に機能する場合、電極は良好な性能を有する。同様の性能とは、N中、40%Hにおいて、セル電圧が0.1ボルト、又は更には0.05ボルト以内であることを意味する。一実施形態では、実施例のセクションに開示されるGDS試験によって試験したとき、電極が、同様の(10%以内)面積触媒担持量を有する炭素支持電極を用いて製造された電極と同様に機能する場合、電極は良好な性能を有する。この状況では、同様の性能とは、1A/cmにおいて、セル電圧が20ミリボルト、又は更には10ミリボルト以内であることを意味する。
理論に束縛されるものではないが、電極内に針状粒子が分散することによって、より多くの触媒が存在し、したがって、より多くの触媒面積(及びより多くの触媒反応部位)により、性能が向上すると考えられる(例えば、水素感受性試験及び/又はGDSにおける、所与の電流密度についての電圧の上昇によって観察されるように)。炭素が存在しない場合、電極の細孔は、比較的親水性である金属によって画定される。したがって、水は、触媒の表面に蓄積する傾向があり得る。炭素の添加は、転極条件下では腐食すると予想されるが、本出願では、炭素粒子が存在することにより、疎水性細孔が提供され、これが触媒の表面付近の含水量を減少させ、反応物質ガスを反応物質部位に到達させると考えられる。更に、従来の炭素支持触媒(TKK 10EA50Eなど)とは異なり、金属触媒は、炭素腐食を加速することが知られている、炭素粒子上への直接配置ではない。炭素粒子を金属触媒から分離することにより、電極をより長く使用することができ、すなわち、寿命が延びる。
本開示の例示的な実施形態としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
実施形態1.(a)複数の針状粒子であり、針状粒子が微細構造化コアを含み、微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に触媒材料の層を有し、微細構造化コアが、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含み、触媒材料が、(i)白金、及び(ii)イリジウム、ルテニウム、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、複数の針状粒子と、
(b)アイオノマー結合剤と、
(c)溶媒と、
(d)複数の炭素粒子と
を含み、
複数の針状粒子が配向されていない、組成物。
実施形態2.触媒材料の層が、(i)白金、イリジウム、及びXの合金又は均質混合物、(ii)白金、ルテニウム、及びXの合金又は均質混合物、並びに(iii)白金、イリジウム、ルテニウム、及びXの合金又は均質混合物、のうちの少なくとも1つを含み、Xが、ニッケル、コバルト、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施形態1に記載の組成物。
実施形態3.触媒材料の層が、白金を含有する第1の層と、イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含有する第2の層とを含む複合層である、実施形態1に記載の組成物。
実施形態4.第1の層と第2の層との間に配置した第3の層を更に含み、第3の層が高融点金属を含む、実施形態3に記載の組成物。
実施形態5.高融点金属が、高融点金属、高融点金属酸化物、高融点金属ホウ化物、高融点金属炭化物、高融点金属窒化物、及び高融点金属ケイ化物のうちの少なくとも1つを含む、実施形態4に記載の組成物。
実施形態6.高融点金属が、ハフニウム、ニオブ、オスミウム、レニウム、ロジウム、タンタル、チタン、タングステン、ジルコニウム、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施形態4又は5のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態7.第1の層が、白金と、ニッケル、コバルト、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つとの合金又は均質混合物を含む、実施形態3~6のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態8.第2の層が、(i)イリジウム、(ii)ルテニウム、又は(iii)イリジウム及びルテニウムと、ニッケル、コバルト、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つとの合金又は均質混合物を含む、実施形態3~7のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態9.(a)第1及び第2の複数の針状粒子を含む複数の針状粒子であり、第1の複数の針状粒子が第1の微細構造化コアを含み、第1の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第1の触媒材料の層を有し、第1の触媒材料の層が白金を含み、第2の複数の針状粒子が第2の微細構造化コアを含み、第2の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第2の触媒材料の層を有し、第2の触媒材料の層がイリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含み、第1及び第2の微細構造化コアが、独立して、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含む、複数の針状粒子と、
(b)アイオノマー結合剤と、
(c)溶媒と、
(d)複数の炭素粒子と
を含み、
複数の針状粒子が配向されていない、組成物。
実施形態10.第1の触媒材料の層が、白金とYとの均質混合物又は合金を含み、Yが、金、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施形態9に記載の組成物。
実施形態11.第2の触媒材料の層が、(i)白金-Y、(ii)ルテニウム-Y、(iii)イリジウム-ルテニウム、(iv)イリジウム-ルテニウム-Yの均質混合物又は合金を含み、Yが、金、ハフニウム、チタン、チタン、ジルコニウム、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施形態9又は10のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態12.イリジウムが酸化イリジウムである、実施形態1~11のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態13.触媒材料の層が触媒材料の1つ以上の薄膜を含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態14.触媒材料の層がナノ構造触媒層を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態15.触媒材料中、白金の、イリジウム及び/又はルテニウムの総重量に対する重量比が、少なくとも1000:1かつ多くとも1:1である、実施形態1~14のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態16.触媒材料中、白金の、イリジウム及び/又はルテニウムの総重量に対する重量比が、少なくとも1000:1かつ多くとも1:5である、実施形態1~15のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態17.触媒材料中、Pt、Ir、及びRuを合わせたものの、他の遷移金属に対する原子比が、少なくとも5:95かつ多くとも95:5である、実施形態1~16のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態18.触媒材料中、Pt、Ir、及びRuを合わせたものの、他の遷移金属に対する原子比が、少なくとも5:95かつ多くとも99.9:0.1である、実施形態1~17のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態19.多核芳香族炭化水素がペリレンレッドを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態20.針状粒子が少なくとも3のアスペクト比を有する、実施形態1~19のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態21.炭素粒子が、カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、黒鉛化炭素、カーボンナノチューブ、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態22.炭素粒子が、250nm未満の平均粒子長軸を有する、実施形態1~21のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態23.アイオノマー結合剤が、ペルフルオロスルホンイミド酸、イミド、ポリエーテルスルホン、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態24.アイオノマー結合剤が、1000以下の当量重量を有する、実施形態1~23のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態25.溶媒が、アルコール、ポリアルコール、ケトン、水、フッ素化溶媒、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態26.組成物が、疎水性の粒子又はポリマーを更に含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態27.組成物が1~40重量%の固体を含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態28.コーティングを有する基材を含む物品であって、コーティングが、
(a)複数の針状粒子であり、針状粒子が微細構造化コアを含み、微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に触媒材料の層を有し、微細構造化コアが、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含み、触媒材料が、(i)白金、並びに(ii)イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方
を含む、複数の針状粒子と、
(b)アイオノマー結合剤と、
(c)複数の炭素粒子と
を含み、
複数の針状粒子が配向されていない、物品。
実施形態29.コーティングを有する基材を含む物品であって、コーティングが、(a)第1及び第2の複数の針状粒子を含む複数の針状粒子であり、第1の複数の針状粒子が第1の微細構造化コアを含み、第1の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第1の触媒材料の層を有し、第1の触媒材料の層が白金を含み、第2の複数の針状粒子が第2の微細構造化コアを含み、第2の微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に第2の触媒材料の層を有し、第2の触媒材料の層がイリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含み、第1及び第2の微細構造化コアが、独立して、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含む、複数の針状粒子と、
(b)アイオノマー結合剤と、
(c)複数の炭素粒子と
を含み、
複数の針状粒子が配向されていない、物品。
実施形態30.基材が、ガス拡散層、ライナー、又はイオン伝導膜である、実施形態28又は29のいずれか1つに記載の物品。
実施形態31.アノード部分及びカソード部分、並びにこれらの間にイオン伝導膜を含み、アノードが実施形態28~30のいずれか1つに記載の物品を含む、燃料電池を準備することと、
燃料電池のアノード部分に水素を添加することと
を含む、
電気を発生させる方法。
特に明記しない限り、実施例及び本明細書の他の部分におけるすべての部、百分率、比率等は、重量によるものであり、実施例において使用されたすべての試薬は、例えば、Sigma-Aldrich Company,Saint Louis,Missouri等の、一般の化学物質製造業者から入手した、若しくは入手可能なものであるか、又は従来の方法によって合成できるものである。
以下の実施例では、これらの略称が使用される。A=アンペア、cm=センチメートル、g=グラム、℃=摂氏度、RH=相対湿度、mA=ミリアンペア、mol=モル、sccm=標準立方センチメートル/分、及びV=ボルト。
Figure 0007321100000001
微細構造ペリレンレッドの調製
ペリレンレッドが堆積する基材として、ポリイミドフィルムのロール品(roll-good)ウェブを使用した。ポリイミドフィルムは、約6マイクロメートル間隔で約3マイクロメートルの高さのピークを有するV字状外形を含む、テクスチャー化表面を有していた。米国特許第6,136,412号に記載されるように、公称100nmの厚さのクロム(Cr)の層を、DCマグネトロン平面スパッタリングターゲット、並びに所望のウェブ速度でターゲットの下のウェブに単回の通過でCrを堆積させるのに十分であると当業者に知られている、典型的なアルゴン背圧及びターゲット電力を使用して、テクスチャー化表面にスパッタ堆積させた。
次いで、Crコーティングポリイミドウェブを、ペリレンレッドを含有する昇華源上を続けて通過させた。ウェブが昇華源上を単回通過して、0.022mg/cm又は約220nmの厚さのペリレンレッドの層を堆積させるのに十分な蒸気圧フラックスを発生させるように、ペリレンレッドを500℃近くの制御温度まで加熱した。昇華物の質量又は厚さ堆積速度は、フィルムの厚さを感知する光学的方法又は質量を感知する水晶発振子装置を含む、当業者に公知の任意の適した方法で測定することができる。次いで、堆積層としてのペリレンレッドを、配向された結晶性ウィスカーの層に変換するのに十分な温度分布を有する真空に、ペリレンレッドコーティングウェブを所望のウェブ速度で通過させることにより、ペリレンレッドコーティングを熱アニーリングによって微細構造材料に変換した。ウィスカー層は、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscopy、SEM)画像から決定して、1平方マイクロメートル当たり68ウィスカーの平均ウィスカー面積数密度を有しており、平均長さは0.6マイクロメートルであった。
針状粒子の調製
針状粒子1について、上に記載した微細構造ペリレンレッドのロール品を、米国特許第5,879,827号(Debe et al.)の図4Aに記載されているものと同様であるがロール品基材ウェブ上のコーティングを可能にする追加機能を備える、DCマグネトロン真空スパッタ堆積システムに装填した。DCマグネトロンシステムに、5インチ×15インチ(13cm×38cm)のPtスパッタリングターゲット(Materion,Mayfield Heights,OH)、及び5インチ×15インチ(13cm×38cm)のIrスパッタリングターゲット(Materion,Mayfield Heights,OH)を装備した。スパッタリングガスとして約5mTorrの圧力で超高純度アルゴンを使用することによって、触媒コーティングをスパッタ堆積させた。DCマグネトロンスパッタリングターゲットの堆積速度は、当業者に公知の標準的な方法により測定した。DCマグネトロンスパッタリングプロセスを使用して、まず、ロール品の全セクションに、連続層のPt含有材料をスパッタコーティングした。ロール品ウェブを、エネルギー印加された平面Ptスパッタリングターゲットに繰り返し曝露した。Pt堆積速度、ウェブがスパッタターゲットの下を通過する速さ、及びエネルギー印加されたPtターゲットにウェブが曝露される回数を制御して、所望の1cm当たり50マイクログラムのPtの面積担持量を得た。次に、Ir含有材料の連続層を、微細構造ペリレンレッドのPtコーティングロール品の全セクションに堆積させた。ロール品ウェブを、エネルギー印加された平面Irスパッタリングターゲットに繰り返し曝露した。Ir堆積速度、ウェブがスパッタターゲットの下を通過する速さ、及びエネルギー印加されたIrターゲットにウェブが曝露される回数を制御して、所望の1cm当たり15マイクログラムのIrの面積担持量を得た。次いで、針状粒子を含有するロール品ウェブを、堆積システムから取り外した。
針状粒子2は、針状粒子1について記載したように、ただし面積Ir担持量が1cm当たり40マイクログラムとなるようにIr堆積プロセスを変更して製造した。
針状粒子3は、針状粒子1について記載したように、ただし面積Pt及びIr担持量が、それぞれ1cm当たり20及び15マイクログラムとなるように、Pt及びIr堆積プロセスを変更して製造した。
針状粒子4は、針状粒子1について記載したように、ただし面積Pt担持量が1cm当たり25マイクログラムとなり、Ir堆積を実行しないように、Pt堆積プロセスを変更して製造した。
針状粒子5は、針状粒子1について記載したように、ただし面積Ir担持量が1cm当たり25マイクログラムとなり、Pt堆積を実行しないように、Ir堆積プロセスを変更して製造した。
一般的な電気化学セルの構成
以下に記載するすべての試験は、同じ種類のイオン交換膜及びカソード構成を使用して、同じ電気化学セルで行った。アノード構成は、各特定の実施例又は比較例において、以下に記載するように変化させた。
カソード触媒層デカールの調製
触媒4及びPFSAアイオノマーを含む分散触媒組成物を製造した。触媒4において、アイオノマーの炭素の量に対する比は、11/10であった。触媒インク溶液を、メイヤーロッドによって、シリコーンコーティングされたポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)剥離ライナーフィルムのシリコーン側にコーティングし、次いで130℃で10分間乾燥させ、カソード触媒層デカールを形成した。
触媒コーティング膜(CCM)の調製
アイオノマー膜を、上で調製したカソード触媒層デカールと、アノード触媒層デカール(以下の比較例及び実施例に記載)との間に設置し、ライナーは構成体の外側にあり、触媒はアイオノマー膜に面していた。この構成体を、325°F(163℃)に加熱した鋼製の直径6インチ(15.2cm)のローラーを使用して、ローラー同士を、アイオノマー膜の幅から計算して、線長さ1インチ当たり625ポンド(線長さ1cm当たり110キログラム)の力で圧縮しながら、1.2フィート毎分(0.37m/s)のローラー速度で熱間ロール積層した。シリコーンコーティングされたPET剥離ライナーを、積層後、直ちに構成体から取り外し、CCMを形成した。
単電池燃料試験ステーションの組み立て
CCMを2つのGDLの間に取り付け、4つの蛇行黒鉛流場と、ガス拡散層に10%の圧縮を与えるように選択されたガスケットとを有する、50cmの単一燃料電池(Fuel Cell Technologies,Albuquerque,NMから「50 CM CELL HARDWARE」(50SCH)の商品名で入手した)に直接設置した。組み立て後、試験セルを試験ステーション(Fuel Cell Technologies,Inc.から「SINGLE FUEL CELL TEST STATION」の商品名で入手)に接続した。水素ガスの供給をアノード側にもたらし、カソード側に空気を供給した。試験ステーションを使用して、印加されるセル電圧又は電流密度、水素ガス及び空気のガス圧、流速、及び水蒸気含有率(相対湿度)、並びに試験セル温度を制御した。
試験手順
セルのコンディショニング
試験セルを組み立て、試験ステーションに接続した後、性能試験の前に、各CCMをコンディショニング又は「ブレークイン」期間に供した。試験セルのアノード側に水素流を接続し、試験セルのカソード側に空気を接続した。試験セルを、H及び空気流の両方について60℃及び100%相対湿度で、800sccmの水素流量及び1800sccmの流速において動作させた。0.9V~0.3Vのセル電圧の動電位スキャンを、定常状態電力出力に達するまで繰り返し行った。
水素感受性
指定されたCCMを含有する単電池燃料電池試験ステーションを、40℃、1A/cmのセル電流密度、2/3.5の水素対空気化学量論で動作させ、アノード側の投入は水素と窒素との様々な混合物からなり、100%相対湿度において、乾燥ガスベースで33%~100mol%Hの範囲であった。測定する燃料中のHの各パーセンテージについて、セル出力電圧を2分間測定した。図1にプロットしたデータの点は、測定の最後の1分にわたって遭遇する平均電圧である。
分極曲線(ガルバノダイナミックスキャン、Galvanodynamic scan、GDS)
指定のCCMについての分極曲線を、水素燃料電池のセル出力電圧対電流密度を測定することによって得た。100%相対湿度で、水素及び空気投入ガス流の両方を用いて、セルを70℃で動作させ、水素対空気流速の化学量論を1.7/2.5とし、両側でセル出口を大気圧とした。電圧測定は、0.1アンペア/cmの電流密度設定値で開始する。電流密度は、2.0アンペア/cmの最大電流密度、又は0.2ボルトの最小測定セル電圧のいずれか先となる方まで、0.1アンペア/cm刻みで増加させた。この限界に達した後、0.1アンペア/cmに達するまで、電流密度設定値を0.1アンペア/cm刻みで減少させ、試験を終了した。各サンプルについてのリバーススキャンを図2に示す。電圧は、各電流密度設定値において、60秒の時間、測定した。最終30秒にわたる電圧を平均して、図2に報告する、各電流密度におけるデータ点を生成した。
転極後のセル性能
セルのコンディショニング及び最初の水素感受性試験の後、指定のCCMを含む試験セルを転極条件に供し、特性評価した。セル特性評価は、上に記載したGDSスキャンからなっていた。転極中、セルを70℃及び100%RHにおいて動作させた。セルが転極モードにあるときは、300sccmの純粋Nのアノードガス流速及び4000sccmの空気のカソード流速を使用し、セルを200mA/cmで動作させた。最初に、試験セルを転極条件下で100秒間運転した後、通常の燃料電池動作に戻し、続いて上に記載したようにGDSによって特性評価した。次いで、試験セルを、今度は500秒間、再び転極させ、通常動作に戻し、GDSによって特性評価した。試験セルを、今度は1000秒間、再び転極させ、通常動作に戻し、GDSによって特性評価した。試験セルを、今度は3600秒間、再び転極させ、通常動作に戻し、GDSによって特性評価した。それ以降、試験セルを、3600秒の増分で転極させ、通常動作に戻し、GDSによって特性評価した。それぞれの転極時間の後に、1アンペア/cmにおける先のGDSにおけるスキャンからの平均セル電圧を、図3及び4に示す。図中のx軸は、試験セルを転極条件下で運転した累積時間である。
比較例A
比較例Aで使用したアノード触媒層デカールは、針状粒子1を使用して製造し、針状粒子1は、そこから延長している配向されたペリレンレッドウィスカーを有するポリイミドフィルムを含み、ペリレンレッドウィスカーは、0.050mg/cmの白金及び0.015mg/cmのイリジウムの平面当量担持量を有する、ナノ構造薄膜触媒でコーティングされていた。アノード触媒層デカールは、アイオノマー膜の片側に直接積層され、添加された炭素粒子又はアイオノマーを含有しなかった。ポリイミドフィルムを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
比較例B
比較例Bは、プロトン交換膜(PEM)燃料電池用の従来の燃料電池アノードであり、炭素支持白金触媒と、非支持酸化イリジウム粉末とを含有していた。比較例Bにおいて使用したアノード触媒層デカールは、コーティングされた触媒インクであった。触媒1、触媒3、及びPFSAアイオノマーを溶媒と混合して、12重量%固体の懸濁液を形成した。懸濁液中のアイオノマーの炭素に対する重量比は、4/5であった。金属対炭素の重量比は1/1(Pt/C)であり、((Pt+Ir)/C)については1.4/1(すなわち、7/5)であった。溶媒は、米国特許出願第2009-0169949号の実施例8における触媒インクについて記載されているものなどの、水-アルコール混合物であった。触媒インクは、すべての成分を合わせた後、6mmセラミックZrOビーズ(Glen Mills Inc.,Clifton,NJから)を用いて、48時間ボールミル粉砕することによって混合した。この触媒インク溶液を、メイヤーロッドによって、シリコーンコーティングされたPET剥離ライナーフィルムにコーティングし、次いで130℃で10分間乾燥させ、アノード触媒層デカールを形成した。シリコーンコーティングされたPET剥離ライナーフィルムを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
比較例C
比較例Cは、プロトン交換膜(PEM)燃料電池用の従来の燃料電池アノードであり、炭素支持白金触媒を含有し、イリジウムを含有していなかった。比較例Cにおいて使用したアノード触媒層デカールは、コーティングされた触媒インクであった。触媒2、及びPFSAアイオノマーを溶媒と混合して、12重量%固体の懸濁液を準備した。懸濁液中のアイオノマーの炭素に対する重量比は、4/5であった。金属対炭素の重量比は、1/4(Pt/C)であった。溶媒は、米国特許出願第2009-0169949号の実施例8における電極インクについて記載されているものなどの、水-アルコール混合物であった。インクは、すべての成分を合わせた後、6mmセラミックZrOビーズを用いて、48時間ボールミル粉砕することによって混合した。この触媒インク溶液を、ノッチバーコーターによってシリコーンコーティングされたPET剥離ライナーフィルムにコーティングし、次いで130℃で10分間乾燥させ、アノード触媒層デカールを形成した。シリコーンコーティングされたPET剥離ライナーフィルムを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
調製例A
10グラムのカーボンブラックを、41.93グラムのPFSAアイオノマー溶液(19.1重量%の固体、残部は60:40のn-プロピルアルコール:水)、及び15重量%固体の懸濁液を製造するのに十分な溶媒に添加することによって、アノードインクマスターバッチを調製した。溶媒は3つの化合物からなり、すなわち、17:28.1:59.6の比の水、n-プロピルアルコール及びt-ブタノールであった。インクマスターバッチを、6mmセラミックZrOビーズ(Glen Mills Inc.)を用いて48時間ボールミル粉砕することによって混合し、次いで、使用するまでポリエチレンボトル中に窒素下で保管した。
調製例B
3グラムの非黒鉛化炭素を、12.58グラムのPFSAアイオノマー溶液(19.1重量%の固体、残部は60:40のn-プロピルアルコール:水)、及び8.0重量%固体の懸濁液を製造するのに十分な溶媒に添加することによって、アノードインクマスターバッチを調製した。溶媒は3つの化合物からなり、すなわち、10.4:28.8:22.8の比の水、n-プロピルアルコール及びt-ブタノールであった。インクマスターバッチを、6mmセラミックZrOビーズ(Glen Mills Inc.)を用いて48時間ボールミル粉砕することによって混合し、次いで、使用するまでポリエチレンボトル中に窒素下で保管した。
調製例C
5グラムの黒鉛化炭素を、20.96グラムのPFSAアイオノマー溶液(19.1重量%の固体、残部は60:40のn-プロピルアルコール:水)、及び15重量%固体の懸濁液を製造するのに十分な溶媒に添加することによって、アノードインクマスターバッチを調製した。溶媒は3つの化合物からなり、すなわち、10.2:12.1:38.9の比の水、n-プロピルアルコール及びt-ブタノールであった。インクマスターバッチを、6mmセラミックZrOビーズ(Glen Mills Inc.)を用いて48時間ボールミル粉砕することによって混合し、次いで、使用するまでポリエチレンボトル中に窒素下で保管した。
調製例D
上の「ナノ構造薄膜(NSTF)触媒の調製」のセクションに記載したように調製した針状粒子2を、小さなブラシによってポリイミドフィルムから取り外し、後で使用するために収集した。これらの針状粒子は、50:40:22のPt:Ir:ペリレンレッドの重量比を有していた。
調製例E
上の「ナノ構造薄膜(NSTF)触媒の調製」のセクションに記載したように調製した針状粒子3を、小さなブラシによってポリイミドフィルムから取り外し、後で使用するために収集した。針状粒子3は、調製例Dに対してより低い担持量を有し、ペリレンレッド上により薄い触媒コーティングを備え、触媒の単位質量当たりの表面積はより大きかった。これらの針状粒子は、20:15:22のPt:Ir:ペリレンレッドの重量比を有していた。
実施例1
調製例Aのインクマスターバッチを、ペリレンレッド上の貴金属(Pt+Ir)の、インクマスターバッチ中のカーボンブラックに対する重量比が3/2となるような量で、調製例Eの支持触媒粒子と合わせた。アイオノマーの炭素粒子(カーボンブラック)に対する比は、4/5であった。すべての成分を合わせた後、得られたインク混合物を磁気撹拌棒で24時間撹拌した。次いで、0.052mg/cmの白金担持量を有する触媒層をもたらす(及びウィスカー上のPt/Irの比を4/3に固定したため、0.039mg/cmのIr担持量が得られる)ように、コーティング層の湿潤厚さを調整し、インクを剥離ライナー上にコーティングした。次いで、インクを乾燥させて、アノード触媒層デカールを形成した。剥離ライナーを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
実施例2
6mg/cmのIrとなるように、インクコーティングの厚さを調整したことを除いて、実施例1の場合のように実施例2を調製し、試験した。
実施例3
調製例Aのインクマスターバッチを、ペリレンレッド上の貴金属(Pt+Ir)の、インクマスターバッチ中のカーボンブラックに対する重量比が3/2となるような量で、調製例Dの触媒担持ウィスカーと合わせた。アイオノマーの、炭素(すなわち、カーボンブラック)に対する比は、4/5であった。すべての成分を合わせた後、得られたインク混合物を磁気撹拌棒で24時間撹拌した。次いで、0.079mg/cmの白金担持量を有する触媒層をもたらす(及びウィスカー上のPt/Irの比を5/4に固定したため、0.063mg/cmのIr担持量が得られる)ように、コーティング層の湿潤厚さを調整し、インクを剥離ライナー上にコーティングした。次いで、インクを乾燥させて、アノード触媒層デカールを形成した。剥離ライナーを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
実施例4
アノード触媒層デカールの触媒担持量が、0.043mg/cmのPt及び0.032mg/cmのIrとなるように、インクコーティング厚さを調整したことを除いて、実施例1の場合のように実施例4を調製し、試験した。
実施例5
調製例Bのインクマスターバッチを、ペリレンレッド上の貴金属(Pt+Ir)の、インクマスターバッチ中の非黒鉛化炭素に対する重量比が3/2となるような量で、調製例Dと合わせた。アイオノマーの、炭素粒子(非黒鉛化炭素)に対する比は、4/5であった。すべての成分を合わせた後、得られたインク混合物を磁気撹拌棒で24時間撹拌した。次いで、0.101mg/cmの白金担持量を有する触媒層をもたらす(及びウィスカー上のPt/Irの比を5/4に固定したため、0.081mg/cmのIr担持量が得られる)ように、コーティング層の湿潤厚さを調整し、インクを剥離ライナー上にコーティングした。次いで、インクを乾燥させて、アノード触媒層デカールを形成した。剥離ライナーを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
実施例6
調製例Cのインクマスターバッチを、ペリレンレッド上の貴金属(Pt+Ir)の、インクマスターバッチ中の黒鉛化炭素に対する重量比が3/2となるような量で、調製例Dの支持触媒と合わせた。アイオノマーの、炭素粒子(黒鉛化炭素)に対する比は、4/5であった。すべての成分を合わせた後、得られたインク混合物を磁気撹拌棒で24時間撹拌した。次いで、0.151mg/cmの白金担持量を有する触媒層をもたらす(及びウィスカー上のPt/Irの比を5/4に固定したため、0.121mg/cmのIr担持量が得られる)ように、コーティング層の湿潤厚さを調整し、インクを剥離ライナー上にコーティングした。次いで、インクを乾燥させて、アノード触媒層を形成した。剥離ライナーを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
実施例7
調製例Aのインクマスターバッチを、ペリレンレッド上の貴金属(Pt+Ir)の、インクマスターバッチ中のカーボンブラックに対する重量比が3/2となるような量で、調製例Dの支持触媒と合わせた。アイオノマーの、炭素粒子(カーボンブラック)に対する比は、4/5であった。すべての成分を合わせた後、得られたインク混合物を磁気撹拌棒で24時間撹拌した。次いで、0.154mg/cmの白金担持量を有する触媒層をもたらす(及びペリレンレッド上のPt/Irの比を5/4に固定したため、0.123mg/cmのIr担持量が得られる)ように、コーティング層の湿潤厚さを調整し、インクを剥離ライナー上にコーティングした。次いで、インクを乾燥させて、アノード触媒層を形成した。剥離ライナーを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
実施例8
調製例Aのインクマスターバッチを、ペリレンレッド上の貴金属(Pt+Ir)の、インクマスターバッチ中のカーボンブラックに対する重量比が3/2となるような量で、10/3のPt/Ir重量比のPtベース針状粒子4及びIrベース針状粒子5と合わせた。アイオノマーの、炭素粒子(カーボンブラック)に対する比は、4/5であった。すべての成分を合わせた後、得られたインク混合物を磁気撹拌棒で24時間撹拌した。次いで、0.083mg/cmの白金担持量、及び0.025mg/cmのIr担持量を有する触媒層をもたらし、10/3のPt/Irの比が得られるように、コーティング層の湿潤厚さを調整し、インクを剥離ライナー上にコーティングした。次いで、インクを乾燥させて、アノード触媒層デカールを形成した。剥離ライナーを積層後に除去してCCMを形成し、次いで、単電池燃料試験ステーションに組み立て、上に記載したように試験した。
比較例A~C及び実施例1~8で使用したアノード電極について、Pt及びIr金属の電極面積担持量、金属の炭素粒子に対する重量比((Pt+Ir)/C)、並びにアイオノマーの炭素粒子に対する重量比(アイオノマー/C)を、下の表1にまとめる。
Figure 0007321100000002
比較例A~C及び実施例1~2についての、水素感受性試験の結果を図1に示す。
比較例A~C及び実施例1~2についての、ガルバノダイナミックスキャン(GDS)極性曲線を図2に示す。
比較例A及びB並びに実施例1、2、4、5及び8についての、セル出力電圧対転極モードにおいて経過した時間量の結果を、図3に示す。図4は、3つの異なる種類の炭素を含有する分散NSTFアノード(実施例5~7)の転極許容度を、比較例Bと比較している。
1.0A/cmで運転した場合に、試験セルの性能が0.4ボルト未満に低下するまでに、転極条件下で試験セルが経過した累積時間量を、下の表2に示す。
Figure 0007321100000003
本発明の範囲及び趣旨を逸脱することのない、本発明の予見可能な改変及び変更が、当業者には明らかであろう。本発明は、例示目的のために本出願に記載されている実施形態に限定されるものではない。本明細書の記述と本明細書に述べられ参照により組み込まれる任意の文書中の開示との間に何らかの不一致及び矛盾が存在する場合、本明細書の記述が優先される。

Claims (8)

  1. アノード及びカソードを含む燃料電池であって、
    前記アノードが、コーティングを有する基材を含み、前記コーティングが、(a)複数の針状粒子であり、前記針状粒子が微細構造化コアを含み、前記微細構造化コアがその表面の少なくとも一部分に触媒材料の層を有し、前記微細構造化コアが、多核芳香族炭化水素及び複素環式化合物のうちの少なくとも一方を含み、前記触媒材料が、(i)白金、並びに(ii)イリジウム又はルテニウムのうちの少なくとも1つ以上を含む、複数の針状粒子と、
    (b)アイオノマー結合剤と、
    (c)溶媒と、
    (d)複数の炭素粒子と
    を含み、
    前記複数の針状粒子が配向されておらず、
    前記アノードの組成及び前記カソードの組成が異なる、
    燃料電池。
  2. 前記触媒材料の層が、(i)白金、イリジウム及びXの合金又は均質混合物、(ii)白金、ルテニウム及びXの合金又は均質混合物、並びに(iii)白金、イリジウム、ルテニウム及びXの合金又は均質混合物のうちの少なくとも1つを含み、Xが、ニッケル、コバルト、ハフニウム、チタン、ジルコニウム、及びマンガンのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記触媒材料の層が、白金を含有する第1の層と、イリジウム及びルテニウムのうちの少なくとも一方を含有する第2の層とを含む複合層である、請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記第1の層と前記第2の層との間に配置された第3の層を更に含み、前記第3の層がハフニウム、ニオブ、オスミウム、レニウム、ロジウム、タンタル、チタン、タングステン、又はジルコニウムのうちの少なくとも1つを含む金属を含む、請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記触媒材料の層が触媒材料の1つ以上の薄膜を含む、請求項1~4のいずれ一項に記載の燃料電池。
  6. 前記触媒材料中、白金の、イリジウム及び/又はルテニウムの総重量に対する重量比が、少なくとも1000:1かつ多くとも1:5である、請求項1~5のいずれか一項に記載の燃料電池。
  7. 前記触媒材料中、前記Pt、Ir及びRuを合わせたものの、他の遷移金属に対する原子比が、少なくとも5:95かつ多くとも95:5である、請求項1~6のいずれか一項に記載の燃料電池。
  8. 前記カソードが、前記複数の針状粒子を含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の燃料電池。
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