JP7320109B2 - 断熱建具 - Google Patents
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Description
しかし近年、サッシにおいて、さらに高い断熱性能が求められている。
以下、具体的に説明する。
第1の実施形態の断熱建具について、図1及び図2に示す、枠体1の内周に障子2が開閉自在に配置されてなるすべり出し窓を用いて説明する。
枠体1は、合成樹脂材料からなる上枠11、下枠12及び左右の竪枠13,13を有している。上枠11、下枠12及び左右の竪枠13,13は断面形状が同じ枠材であり、各枠材の端部が45度の角度で切断され、端面同士を当接させて溶接することで四周にわたる枠体1が形成されている。
枠体1の上枠11は、図1(a)に示すように、複数の中空部を有する上枠本体部111と、上枠本体部111の室内側内周面から内周方向に延設される室内側壁部112と、上枠本体部111の室内側端から室内方向に延びるアングル部113を有している。上枠本体部111の一部もしくはすべての中空部内には、真空断熱材等の断熱材66が収容されていてもよい。
室外側壁部212の室内側面の外周端には、上枠11の上枠本体部111の室外側面に当接する気密材s2が配置されている。また、枠体1の上枠本体部111の内周面と障子2の上框本体部211の外周面との間には、障子2のすべり出し開閉を可能にするリンク機構41が配置されている。
また、ケース体51の内周壁部51dの室外側から室外側方向に向かって突片51gが形成されている。なお、突片51gは、ケース体51と同じ硬質の合成樹脂材料によって形成されてもよいが、軟質の合成樹脂材料によって形成されていてもよい。
この時、室内側壁部112の室内側下端の内周凸部112aに対して固定壁部51fの室内側端が当接することで、安定した取付状態を維持することができる。
そして、内周壁部51dに形成された突片51gが上框21の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、上框21の室内側面とケース体51の内周側室外壁部51eの室外側面との間に断熱空間Aを形成している。
すなわち、下枠12は、図1(a)に示すように、下枠本体部121、室内側壁部122及びアングル部123を備えており、下框22は、複数の中空部を有する下框本体部221と、下框本体部221の室外側外周面から外周方向に延設される室外側壁部222を有しており、下框本体部221の室外側内周部分に押縁223が取り付けられ、複層ガラス25の外周を保持するガラス間口221aが形成されている。
そして、内周壁部52dに形成された突片52gが下框22の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、下框22の室内側面とケース体52の内周側室外壁部52eの室外側面との間に断熱空間を形成している。
また、内周壁部53dに形成された突片53gが竪框23の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、竪框23の室内側面とケース体53の内周側室外壁部53eの室外側面との間に断熱空間を形成している。
そして、本実施形態におけるケース体5は、断熱材6を収容する収容空間に連続する開口部aを長手方向に沿って有しているので、収容空間Sに対して断熱材6を簡単に出し入れすることができ、断熱材6が劣化した際の交換を容易に行うことできるとともに、収容空間内での断熱材の配置状況を確認しながら作業ができるので、施工性が良い。
また、ケース体5は、開口部aを有することで変形追従性を備えることができ、ケース体5を取り付ける枠体が変形している場合であっても、枠体の表面に密着するように取り付けることができる。
なお、本実施形態におけるケース体5は、一部に開口部aを有するものであるが、開口部を有さずに中空構造として、該中空部を断熱材を収容する収容空間とするものであってもよい。
第2の実施形態の断熱建具について、図3及び図4に示す、枠体1の内周に障子2が開閉自在に配置されてなる、横開き窓の例を用いて説明する。
本実施形態の断熱建具において、枠体1は、合成樹脂材料からなり断面形状が同じ枠材である上枠11、下枠12及び左右の竪枠13,13を有し、各枠材の端部が45度の角度で切断され、端面同士を当接させて溶接することで四周にわたる枠体1が形成されている。
枠体1の上枠11は、図3(a)に示すように、複数の中空部を有する上枠本体部111と、上枠本体部111の室内側内周面から内周方向に延設される室内側壁部112と、上枠本体部111の室内側端から室内方向に延びるアングル部113を有している。なお、上枠本体部111の中空部内には、真空断熱材等の断熱材が収容されていてもよい。
室内側壁部112の室外側面の内周端には、障子2の上框21の室内側面に当接する気密材s1が配置されている。また、上枠11の室内側壁部112は、室内側下端に内周凸部112aを有している。
室外側壁部212の室内側面の外周端には、上枠11の上枠本体部111の室外側面に当接する気密材s2が配置されている。枠体1の上枠本体部111の内周面と障子2の上框本体部211の外周面との間には、必要に応じて障子2の横開きを補助するリンク機構41が配置されている。
ケース体51の室内壁部51iは、外周側が外周壁部51hよりも外周側に突出しており、外周壁部51hの室内側には、上枠11の室内側壁部112の内周凸部112aが係合する係合凹部51mが形成されている。
ケース体51の外周壁部51hを室内側壁部112の内周面に当接させた状態では、上枠11の室内側壁部112の内周凸部112aがケース体51の係合凹部51mに係合することで、ケース体51の位置ずれを防止しており、安定した取付状態を維持することができる。
そして、内周壁部51dに形成された突片51gが上框21の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、上框21の室内側面とケース体51の室外壁部51jの室外側面との間に断熱空間Aを形成している。
すなわち、下枠12は、図3(a)に示すように、下枠本体部121、室内側壁部122及びアングル部123を備えており、下框22は、複数の中空部を有する下框本体部221と、下框本体部221の室外側外周面から外周方向に延設される室外側壁部222を有しており、下框本体部221の室外側内周部分に押縁223が取り付けられ、複層ガラス25の外周を保持するガラス間口221aが形成されている。
下枠12に取り付けられたケース体52は、内周端が障子2の下框22の内周端とほぼ同じ高さ位置となって下框22の室内側面を覆い、障子2の下框22の室内側面が室内に露出することを防止している。
また、内周壁部52dに形成された突片52gが下框22の室内側下端部分に対して近接もしくは当接することで、下框22の室内側面とケース体52の室外壁部52jの室外側面との間に断熱空間を形成している。
竪枠13に取り付けられたケース体53は、内周端が障子2の竪框23の内周端とほぼ同じ位置となって竪框23の室内側面を覆い、障子2の竪框23の室内側面が室内に露出することを防止している。
なお、障子2の右の竪框23にハンドル46が取り付けられており、右の竪枠13のケース体53はハンドル46の取付部分において一部切り欠かれている。
第3の実施形態の断熱建具について、図6(a),(b)に示す、上枠部分の竪断面の図面を用いて説明する。なお、第3の実施形態の断熱建具の枠体1及び障子2自体の構成は、第1の実施形態の断熱建具の枠体1及び障子2と同様であって、ケース体51及び断熱材61の構成において違いが存在する。
また、第3の実施形態の建具は、第1及び第2の実施形態の建具と同様に、枠体1を構成する各枠材は同一の断面形状を有しており、各枠においてケース体51を取り付けてなる断熱構造に差異はないので、本実施形態の説明においては、下枠部分及び竪枠部分については省略する。
そして、収容空間Sの中には、真空断熱材61が規制片51nに沿って内周側に曲げられて収容されている。
このため断熱材61の内周端部を障子2に近接させて配置することができるので、障子2の室内側を通って冷熱が伝達することを抑制することができ、断熱性を向上させることができる。
上枠1に取り付けられたケース体51は、収容空間Sによって上枠11の室内側面及び障子2の上框21の室内側面を覆っている。
第4の実施形態の断熱建具について、図6(c),(d)に示す、上枠部分の竪断面の図面を用いて説明する。なお、第4の実施形態の断熱建具の枠体1及び障子2自体の構成は、第1の実施形態の断熱建具の枠体1及び障子2と同様であって、ケース体51及び断熱材61の構成において違いが存在する。
また、第4の実施形態の建具は、第1及び第2の実施形態の建具と同様に、枠体1を構成する各枠材は同一の断面形状を有しており、各枠においてケース体51を取り付けてなる断熱構造に差異はないので、本実施形態の説明においては、下枠部分及び竪枠部分については省略する。
なお、内周側の収容空間S2の中に配置される断熱材61bは、真空断熱材とは異なる切断加工が可能な発泡プラスチック系断熱材等を配置してもよい。
上枠1に取り付けられたケース体51は、外周側に形成される収容空間S1部分によって上枠11の室内側面を覆い、内周側に形成される収容空間S2部分によって障子2の上框21の室内側面を覆っている。
なお、ケース体51の内周壁部51dの室外側から室外側方向に向かって突片51gが形成されていてもよく、突片51gの構成については、第1の実施形態と同様である。
第3の実施形態の断熱建具の右の竪框23においては、図7(a),(b)に示すように、ハンドル部分においてケース体53の内周側が切りかかれており、切り欠き部分を塞ぐようにハンドル46が配置されている。
ケース体53の外周側の収容空間S1に収容された真空断熱材等の断熱材63aは、ハンドル部分においても上下に連続して配置されており、ケース体53の内周側の収容空間S2に収容された断熱材63bは、ハンドル部の上方位置及び下方位置まで収容されており、ハンドル部分には収容されていない。
特に、枠体1の内周面から内周方向に突出するように断熱材6を収容したケース体5を配置することで、ケース体5によって障子2の框体の室内側面を覆って、断熱性を高めるとともに、意匠的にも優れた建具を提供することができる。
その際には、ケース体55の収容空間は、ひとつの大きな収容空間Sでもよいが、図8(b)に示すように、見付け方向に分割した複数の収容空間S1,S2によって形成されていてもよい。
また、ケース体5の断面形状も各枠体に応じて異なる断面形状のものであってもよい。
また、収容する断熱材61は、収容空間Sの形状に合わせて形成されたものでもよいが、所定の寸法を有する断熱材を適宜個数収容してもよく、その際に、寸法及び材質の異なる複数種類の断熱材を配置してもよい。収容する断熱材61所定の寸法とすることで、コストダウンができ、また、開口部から収容することで施工性も良い。さらに、真空断熱材以外の切断可能な断熱材を用いることによっても、施工性を向上させることができる。
さらに、断熱材61は、開口部aからケース体51の内面に発泡断熱剤を吹き付けることによって形成(収容)してもよい。
なお、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
11 :上枠
12 :下枠
13 :竪枠
2 :障子
21 :上框
22 :下框
23 :竪框
5 :ケース体
51~53:ケース体
6 :断熱材
61~63:断熱材
S :収容空間
S1 :収容空間
S2 :収容空間
a :開口部
Claims (1)
- 枠体と、障子と、枠体に取り付けられるケース体とを備え、
枠体は、室内側に内周方向に突出して障子の戸当たり部を形成し内周側に見込み壁を有する突出部を有しており、
ケース体は、枠体の突出部の内周側に設けられ、枠体の突出部の内周側の見込み壁に当接する見込み壁部を有し、且つ見込み壁部の室外側端から内周方向に向かって突出する室外壁部を有し、室外壁部の室内側に中空部が形成されており、障子の框体の室内側面を覆っている断熱建具。
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