JP7319623B2 - 量子光学装置 - Google Patents

量子光学装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7319623B2
JP7319623B2 JP2019012160A JP2019012160A JP7319623B2 JP 7319623 B2 JP7319623 B2 JP 7319623B2 JP 2019012160 A JP2019012160 A JP 2019012160A JP 2019012160 A JP2019012160 A JP 2019012160A JP 7319623 B2 JP7319623 B2 JP 7319623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
light
optical window
gas
gas cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019012160A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020120069A (ja
Inventor
基揚 原
雄一郎 矢野
雅稔 梶田
哲也 井戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Information and Communications Technology
Original Assignee
National Institute of Information and Communications Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Information and Communications Technology filed Critical National Institute of Information and Communications Technology
Priority to JP2019012160A priority Critical patent/JP7319623B2/ja
Publication of JP2020120069A publication Critical patent/JP2020120069A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7319623B2 publication Critical patent/JP7319623B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、レーザと原子との相互作用を利用して安定した標準周波数信号を取得する原子時計や原子コンパス、原子ジャイロ等に用いることが可能な量子光学装置に関する。
原子時計のような量子光学装置では、レーザと原子との相互作用を利用して、ガス状のアルカリ金属元素、希ガスまたは不活性ガスより、安定した標準周波数信号を取得する。量子光学装置では、ガスを封入・密閉したガス充填容器(ガスセル)が必要不可欠であり、例えばガラス管を利用したガスセルが一般に用いられている。また、標準周波数信号となる原子の吸収線は磁場や角加速度に感度を持つことが知られており、この性質を運動量の高感度検知に利用することで、原子コンパスや原子ジャイロを構成することも出来る。近年は、量子光学装置に対する小型化への強い要望から、陽極接合やプラズマエッチングなどのウェハープロセスを使用した小型のガスセルの開発も多数、報告されている。
上述したような量子光学装置の一例として、CPT(Coherent Population Trapping)方式の量子光学装置100の概略構成を図9に示す。電流ドライバ101より供給される定電流は、バイアス・ティ102を介して、マイクロ波発信器103よりの高周波変調信号と共に発光素子4へ供給される。発光素子104に定電流を印加することで、発光素子104は一定振動数ν0にて発光する。この印加される電流にマイクロ波発振器103から振動数νmodなる高周波変調信号を重畳すると、発光素子104からはν0-νmod、ν0mod、ν0+νmodの振動数を有する光が生成され、ガスセル5に入力され、光路OPを経た出力光を受光素子106で受信する。なお、実際にはνmodの高次項も生成されるが、その影響は無視できる程度であるから、以下では、強勢に生成される三つの振動数のみに着目する。
ガスセル5には、ガス状のアルカリ金属元素が緩衝ガスとなる不活性な希ガス類とともに充填されており、光と原子との相互干渉によってCPT現象が生ずる。CPT現象は、図10に示すように、相互に禁制帯にある二つの基底準位(<1|と<2|)と一つの励起準位(<3|)とからなる3準位系で観測される共鳴現象である。この3準位系を呈するガスセル105に<3|と<1|とのエネルギー差に相当する第1励起光ExL1を導入すると、誘導吸収と誘導放出に伴う吸発光現象が観測される。同様に、<3|と<2|とのエネルギー差に相当する第2励起光ExL2をガスセル105に導入すると、誘導吸収と誘導放出に伴う吸発光現象が観測される。ここで、第1励起光ExL1と第2励起光ExL2が同時にガスセル105へ導入されると、各々のエネルギー準位間の誘導吸収と誘導放出とが相殺され、励起光との相互作用が起こらない暗共鳴が観測される。これをCPT現象、またはCPT共鳴と呼ぶ。
したがって、図10のようなエネルギー準位を有するガスセル105に入力する複数の振動数のうち、二つが第1励起光ExL1および第2励起光ExL2に合致したとき、CPT現象が発現する。このことから、発光素子105の定常状態での出力振動数ν0を適切に選定することで、外部入力となるマイクロ波発振器103の出力振動数νmodを用いてCPT現象の発現を制御できることがわかる。
CPT現象の発現は、ガスセル105を透過する光量を最大化し、受光素子106の出力を最大化する。また、ガスセル105に封入されているガス成分が気体状態を保持するように、ヒータ等の昇温手段107によって高温に温度管理されると共に、支持手段108によって定位置に支持される。支持手段108の一例を図11に示す。主フレーム1081によって第1テザー1082aと第2テザー1082bを支持し、第1,第2テザー1082a,1082bによってガスセル105、発光素子104、受光素子106を定位置に固定する。
支持手段108によって、発光素子104の発光部から受光素子106の受光部に向けて、光路OPを経てガスセル105内をレーザ光が通過する配置を安定的に保持する。そして、受光素子105の出力を、判別器109とループフィルタ110とを用いて常に出力ピークを捕捉するようにマイクロ波発振器103の出力振動数をフィードバック制御する。すなわち、マイクロ波発振器103の出力となる高周波変調信号が所望の出力振動数となるよう、ガスセル105内原子のエネルギー準位によって安定化が図られる。このように、CPT共鳴の捕捉を行う機能手段は、半導体製造プロセスにより微細化した1つ以上の半導体素子で構成できる。なお、全ての機能をパッケージングして1つの半導体素子で構成することも可能である。上述した量子光学部やCPT共鳴捕捉機能は、減圧された密閉容器111内に収納される。
量子光学装置100の量子光学部は、磁気シールドなどによってガスセル105が遮蔽されており、また、装置全体に加速度運動が加えられていないことを前提として、標準周波数信号を得られる装置である。しかしながら、磁気や慣性運動が加わった場合は、エネルギー準位も鋭敏に反応し、出力周波数はそれに応じて変動する。そこで、図12に示す量子光学装置100′のように、外部磁気を作用させた出力信号Sを取り出すことで、原子コンパスとして利用することができる。また、図13に示す量子光学装置100″のように、加速度運動が加えられた標準周波数信号と基準クロック源112からの基準クロックとを比較器113で比較し、差分波長の出力信号Sを取り出すことで、原子ジャイロとして利用することができる。
量子光学部におけるガスセル105は、封入されたアルカリ金属元素を気体状に保持するため、60~90℃程度に温度管理される必要がある。これは、分子運動論的に、原子の運動量を上げ、光と相互干渉する原子の数を増大させるためである。
また、陽極接合やプラズマエッチングなどのウェハープロセスを使用した小型ガスセルの開発も多数、報告されている。ガスセル105の小型化は熱容量の抑制にも有効であり、温度に対する応答性が大幅に改善される。そのため、小型ガスセルを用いた量子光学装置では、常に時計動作を行わず、間欠的に原子発振器を動作させたり(例えば、特許文献1を参照)、GPS受信機と交互に水晶発振器WP動作させたりすることで(例えば、特許文献2を参照)、消費電力を抑制する手法が提案されている。
特開2018-093271号公報 特開2017-118276号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された量子光学装置では、ガスセルの昇温機能までも間欠動作させるものではなく、必ずしも十分な省電力化を図れているとはいえない。ガスセルを非動作時にも所定温度に保持しておくと、加熱による電力消費が増大してしまうからである。
なお、消費電力抑制の観点からすれば、ガスセルの加熱も間欠動作させることが望ましいのであるが、単純にガスセル加熱を停止するだけでは、セル温度の下降によってアルカリ金属元素の固化・再凝集を誘引するという問題が生ずる。アルカリ金属原子の凝集は、再加熱によって、再び気化させることが可能であるものの、ガスセル内面に付着したアルカリ金属原子の凝集サイズによっては、間欠的な加熱動作中にアルカリ金属原子を十分に気化できない可能性がある。気体状のアルカリ金属原子の数が減少すると、光と相互干渉する原子の数も減ってCPT共鳴の捕捉が困難になり、量子光学装置としての動作が不安定になってしまう。
加えて、ガスセルへの加熱をオフにしたとき、ガスセル内の封入ガスが凝集して光学窓に付着してしまい、再加熱しても光学窓に残渣物が出て光路OPを遮り、受光素子が受光できなくなる可能性もある。このように、ガスセルに対する加熱を間欠的に行う場合、封入ガスの凝集・気化のサイクルが光学窓の透過性を低下させる大きな要因となる可能性が懸念される。このような不具合は、ガスセルや昇温手段の構造、間欠動作のサイクル等によって引き起こされる可能性があるもので、必ず生ずる不具合とは言えないが、このような不具合に対処できることは有用である。
本発明は、CPT共鳴捕捉動作を間欠的に行う量子光学装置の更なる省電力化を図ることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明にかかる量子光学装置は、アルカリ金属元素の吸収波長帯で複数周波数の励起光を出射する発光素子と、前記発光素子からの励起光を透明な窓部より受ける位置に配置され、ウェハープロセスにより作成された微細な内空部にアルカリ金属元素とバッファガスが封入された小型のガス充填容器と、前記ガス充填容器に封入されているガス成分が気体状態を保持するよう、ガス充填容器を加熱する昇温手段と、前記ガス充填容器を通過した光を受信する位置に配置され、受信光の光強度を検出する受光素子と、前記受光素子で検出される光強度を最大化させるCPT共鳴を発生させるように、発光素子から出力させる励起光の周波数差を、アルカリ金属元素における基底順位間の周波数差に一致させるCPT共鳴捕捉を間欠的に行わせるCPT共鳴捕捉制御手段と、前記CPT共鳴捕捉制御手段によるCPT共鳴捕捉動作と同じタイミングで前記昇温手段を作動させ、ガス充填容器を加熱する昇温動作を行う温度管理手段と、を備えることを特徴とする
また、前記構成において、前記昇温手段は、光が透過する光学窓を加熱するための光学窓用加熱部と、その他の部位を加熱するための他部位加熱部と、を備えていても良い。
また、前記構成において、前記昇温手段は、通電により発熱するヒータ線で構成し、前記光学窓用加熱部におけるヒータ線の配置は、前記他部位加熱部におけるヒータ線の配置より高密度に設定しても良い。
また、前記構成において、前記昇温手段は、通電により発熱するヒータ線で構成し、前記光学窓用加熱部におけるヒータ線の抵抗は、前記他部位加熱部におけるヒータ線の抵抗よりも高く設定しても良い。
また、前記構成において、前記ガス充填容器は、内空部における光路長Lよりも、光が透過する光学窓の開口寸法Dが大きくなるように設定し、前記昇温手段は、光が透過する光学窓を加熱するための光学窓用加熱部のみで構成しても良い。
また、前記構成において、前記温度管理手段は、昇温動作の開始時および/または終了時に、少なくとも光学窓用加熱部に対してフラッシュ加熱を行うことで、光学窓に対する瞬間的な加熱量を高めるようにしても良い。
本発明に係る量子光学部によれば、CPT共鳴捕捉制御手段によるCPT共鳴捕捉動作と同じタイミングで、温度管理手段が昇温手段を作動させ、ガス充填容器を加熱する昇温動作を行う。したがって、CPT共鳴捕捉動作を行っていない間は、ガス充填容器の加熱も行わないので、CPT共鳴捕捉動作を間欠的に行う量子光学装置の更なる省電力化を図ることが可能となる。
実施形態に係る量子光学装置の概略構成図である。 第1改変例のガスセルを示し、(A)は外観斜視図、(B)は図2(A)のIIB-IIB線の矢視断面図、(C)は図2(A)のIIC-IIC線の矢視断面図である。 第2改変例のガスセルを示し、(A)は外観斜視図、(B)は図3(A)のIIIB-IIIB線の矢視断面図、(C)は図3(A)のIIIC-IIIC線の矢視断面図である。 第3改変例のガスセルを示し、(A)は外観斜視図、(B)は図4(A)のIVB-IVB線の矢視断面図、(C)は図4(A)のIVC-IVC線の矢視断面図である。 (A)は第1改変例のガスセルにおけるガス封入空部を増大させた概略断面図である。(B)は第2改変例のガスセルにおけるガス封入空部を増大させた概略断面図である。(C)は第3改変例のガスセルにおけるガス封入空部を増大させた概略断面図である。 (A)は対向する二面に光学窓を有するガスセルの構造説明図である。(B)は一面のみに光学窓を有するガスセルの構造説明図である。 (A)は間欠的に行われる時計動作のタイミングチャートである。(B)は温度管理手段が行う間欠温度制御のタイミングチャートである。(C)は温度管理手段が行う第1フラッシュ加熱制御のタイミングチャートである。(D)は温度管理手段が行う第2フラッシュ加熱制御のタイミングチャートである。 (A)は光学窓用加熱部のみで温度制御可能なガスセルの正面図である。(B)は光学窓用加熱部のみで温度制御可能なガスセルの概略縦断面図である。 原子時計に適用可能な従来の量子光学装置を示す機能ブロック図である。 CPT現象の原理説明図である。 従来の量子光学装置の概略構成図である。 原子コンパスに適用可能な従来の量子光学装置を示す機能ブロック図である。 原子ジャイロに適用可能な従来の量子光学装置を示す機能ブロック図である。
次に、添付図面に基づき、量子光学装置の実施形態について詳述する。
図1に示す量子光学装置1は、減圧された密閉容器2内に量子光学部3を備える構造である。量子光学部3の支持手段10は、アルカリ金属元素が封入されたガス充填容器であるガスセル20を所定位置に保持する。ガスセル20の周囲には、封入されたガスを気体状に保持(例えば、60~90℃の高温を保持)するための加熱ヒータ等で構成できる昇温手段(後に詳述する第1光学窓用加熱部31と、第2光学窓用加熱部32と、側面加熱部33より構成)を配置してある。
支持手段10は、主フレーム11の適所に第1テザー12aを、第1テザー12aから適宜離隔させた主フレーム11の適所に第2テザー12bを備える構造である。そして、ガスセル20の第1面板23a側を第1テザー12aに固定し、ガスセル20の第2面板23b側を第2テザー12bに固定する。
また、主フレーム11は、第1テザー12aから第2テザー12bとは逆方向(図1においては上方)に適宜離隔させて第3テザー13を、第2テザー12bから第1テザー12aとは逆方向(図1においては下方)に適宜離隔させて第4テザー14を、それぞれ備える。第3テザー13によって発光素子41を保持し、第4テザーによって受光素子42を保持し、発光素子41からの照射光がガスセル20を経て受光素子42の受光部へ至る光路OPが形成される。
このように、支持手段10によってガスセル20、発光素子41および受光素子42を離隔させて保持する構造とすれば、昇温手段によって高温に温度管理されるガスセル20からの熱は、第1,第2テザー12a,12bより主フレーム11を介して第3,第4テザー13,14へ伝導しなければ、発光素子41および受光素子42の昇温化させることはない。すなわち、第1,第2テザー12a,12bおよび第3,第4テザー13,14でガスセル20、発光素子41および受光素子42を支持する支持手段10は、発光素子41および受光素子42の昇温化を防ぐ断熱手段としても機能する。よって、発光素子41と受光素子42は、ガスセル20の温度管理とは異なる独自の温度制御系(例えば、40~60℃程度の低温)で温度管理を実施することも可能である。そこで、発光素子41と受光素子42は、ガスセル20とは異なる独自の温度制御系で温度管理を行えるように、発光素子41には第1加熱手段51を、受光素子42には第2加熱手段52を、それぞれ設けても良い。
ガスセル20は、ベース体21の二面(図1においては、上面と下面)を貫通するガス封入空部22を設け、透光性の第1面板23aと第2面板23bにて封止した構造である。例えば、ガスセル20の第1面板23aが発光素子41に対向する配置とすることで、こちらを入射面とし、第2面板23bが受光素子42に対向する配置とすることで、こちらを出射面とする。ガスセル20のガス封入空部22内に封入されたガスを気体状に保持するために加熱する昇温手段は、第1光学窓用加熱部31と、第2光学窓用加熱部32と、側面加熱部33に分割してある。
第1光学窓用加熱部31は、光が入射する光学窓となる第1面板23aの外面(図1においては上面)を加熱するためのヒータ線である。第2光学窓用加熱部32は、光が出射する光学窓となる第2面板23bの外面(図1においては下面)を加熱するためのヒータ線である。側面加熱部33は、入射用の光学窓と出射用の光学窓を除くその他の部位(実質的に、ガスセル20の四側壁面)を加熱するためのヒータ線である。なお、第1面板23aの入射用の光学窓と、第2面板23bの出射用の光学窓は、第1,第2光学窓用加熱部31,32によって塞がれることがないよう、光路を避けてレイアウトするような配慮が必要である。あるいは、レーザ光の波長に対して透明な透明導電膜(ITO膜)で構成したヒータを配置して、光路OPを妨げることがないようにしても良い。
上述したガスセル20のベース体21は、既存のガラス管を所要長さに切って、その単一ガラス管の内空をガス封入空部22に利用することもできるが、そのような作成法ではガスセル20の小型化に限界がある。シリコン等の基材をウェハープロセスによる微細加工してベース体21を作成すれば、ガスセル20本体を数ミリ以下の小型に形成できる。ウェハープロセスを使えると言うことは、半導体チップのように、小型のガスセル20を大量に生産できることを意味する。しかも、半導体生産技術を活用できれば、露光装置を利用したパターン転写によって、ガスセル20を更に微細化する道も開ける。加えて、平滑なウェハーでガスセル20のベース体20を作るなら、ウェハーレベルパッケージングと呼ばれる手法を用いて、ウェハーレベルで組立を行い、最期にダイシングを行って個片化するという技術も適用可能である。
また、小型のガスセル20は、上述した構造に限定されるものではない。例えば、図2に示す第1改変例のガスセル20Aは、所要形状(たとえは、略四角形)で平板な一対のベース体24,24によって、透光性の光透過体25の内空部開口面を封止して、ガス封入空部22を設けた構造である。光透過体25はガラス等の透光性材料で形成した略四角枠状で、対向する一対の透光壁部25a,25bと、これら透光壁部25a,25bの端部を繋ぐ一対の連結壁部25c,25dを備える。図2に示すガスセル20Aにおいては、透光壁部25aが出射側、透光壁部25bが入射側となるので、透光壁部25a,25bにおける外面と内面は、光路OPに直交する平面としておく必要がある。一方、連結壁部25c,25dにおける外面と内面には、そのような精度が要求されないので、外面と内面が平行になっていなくても構わない(例えば、図2(C)を参照)。なお、光透過体25における四側壁が全て透光壁部として機能する構造とすれば、四側壁の何れでも入射面あるいは出射面として使えるので、ガスセル20Aを配置するときの向きが限定されず、自由度の高いものとなる。
図3に示す第2改変例のガスセル20Bは、所要形状(たとえは、略四角形)で平板な一対のベース体24と、透光性の面板26とで、透光性の光透過体25の内空部開口面を封止して、ガス封入空部22を設けた構造である。このように、シリコン等の構造材料からウェハープロセスによって作成するベース体24を片側にだけ用い、このベース体24に対して光透過体25と面板26を組み付けることでも、ガス充填容器としてのガスセル20Bを作製できる。
図4に示す第3改変例のガスセル20Cは、透光性の面板26,26により、ベース体27の内空部開口面を封止して、ガス封入空部22を設けた構造である。ベース体27の内空部は、エッチング等の半導体加工プロセスにより形成すると、内空縁部27aが均一にならい場合がある(図4(C)を参照)。しかしながら、ベース体27における内空縁部27aが、一方の面板26の入射窓部から他方の面板26の出射窓部に至る光路OPを妨げなければ、多少歪な形状のガス封入空部22となっても構わない。
図5(A)に示すのは、第1改変例のガスセル20Aに対して、ガス封入空部22の容積を増大させるようにしたガスセル20A′である。ガスセル20A′においては、各ベース体24′,24′の内面側に凹部24aを設けることで、ガス封入容積を増大させたガス封入空部22′を形成した。図5(B)に示すのは、第2改変例のガスセル20Bに対して、ガス封入空部22の容積を増大させるようにしたガスセル20B′である。ガスセル20B′においては、ベース体24′の内面側に凹部24aを設けると共に、面板26′の内面側にも凹部26aを設けることで、ガス封入容積を増大させたガス封入空部22′を形成した。図5(C)に示すのは、第3改変例のガスセル20Cに対して、ガス封入空部22の容積を増大させるようにしたガスセル20C′である。ガスセル20C′においては、各面板26′,26′の内面側に凹部26aを設けることで、ガス封入容積を増大させたガス封入空部22′を形成した。
上述した各種のガスセル20では、図6(A)に示すガスセル20Dのように、発光素子41に対向する面に光入射用の第1光学窓28aが形成され、受光素子42に対向する面に光出射用の第2光学窓28bが形成される。しかしながら、図6(B)に示すガスセル20Eのように、反射光学系29を内部に設けおき、光入射と光出射で共用できる共用光学窓28cを光往路OP1と光復路OP2が通過する構造でも良い。かかる構造のガスセル20Eを用いれば、発光素子41と受光素子42を同じ側に配置できるので、量子光学装置の更なる小型化を期待することができる。
また、図1においては省略したが、量子光学装置1には、CPT共鳴捕捉制御手段としての機能を、1つあるいは複数の半導体素子にて構成し、発光素子41や受光素子42と同様にガスセル20から熱的に離隔して配置してある。なお、CPT共鳴捕捉制御手段は、受光素子42で検出される光強度を最大化させるCPT共鳴を発生させるように、発光素子41から出力させる励起光の周波数差を、アルカリ金属元素における基底順位間の周波数差に一致させるCPT共鳴捕捉を間欠的に行わせる。例えば、原子時計として標準周波数信号を取得する場合、CPT共鳴捕捉制御手段は間欠的に時計動作をONにし、その間は時計動作をOFFにする(図7(A)を参照)。
さらに、量子光学装置1には、CPT共鳴捕捉制御手段による時計動作と同じタイミングで昇温手段を作動させ、ガスセル20を加熱する昇温動作を行う温度管理手段60を設ける。温度管理手段60は、例えば、第1給電線L1を介して第1光学窓用加熱部31へヒータ電流を供給し、第2給電線L2を介して第2光学窓用加熱部32へヒータ電流を供給し、第3給電線L3を介して側面加熱部33へヒータ電流を供給する。なお、温度管理手段60に発光素子41と受光素子42の温度管理を行う機能を持たせることもできる。例えば、温度管理手段60から第4給電線L4(図1中、破線で示す)を介して第1加熱手段51へヒータ電流を供給し、第5給電線L5(図1中、破線で示す)を介して第2加熱手段52へヒータ電流を供給し、発光素子41と受光素子42の温度管理を行う。
ガスセル20の温度管理を行う温度管理手段60が間欠動作を実施しない場合、ガスセル20は連続的に恒温制御されるため、アルカリ金属原子は内空部22の内壁に凝集することはないが、常時ヒータ電流が必要となり、電力消費が嵩んでしまう。一方、CPT共鳴捕捉制御手段による時計動作と同じタイミングでヒータ電流をON/OFFする間欠温度制御を温度管理手段60が行えば(図7(B)を参照)、消費電力を抑制できる。
しかしながら、温度管理手段60によって間欠温度制御を行うと、ヒータ電流OFFによる温度低下に伴ってアルカリ金属原子が内空部22の内壁に凝集する可能性がある。アルカリ金属原子の凝集が光学窓に発生して、光路OPを遮るような場合、レーザと原子との相互干渉の計測が阻害され、CPT共鳴捕捉制御を行えなくなり、量子光学装置1の動作が不安定となる。
そこで、温度管理手段60は、少なくとも、第1光学窓用加熱部31と第2光学窓用加熱部32へのヒータ電流供給に際しては、フラッシュ加熱を行うことで、各光学窓に対する瞬間的な加熱量を高めるようにする。具体的には、時計動作がOFFからONに変わったとき、所定のフラッシュ加熱時間Tfの期間だけ、通常の電流値である第1電流値Lev1よりも高い第2電流値Lev2に上げ、フラッシュ加熱時間Tf経過後に第1電流値Lev1に戻す(図7(C)を参照)。すなわち、間欠動作の開始直後に、ガスセル20の光学窓をフラッシュ加熱する第1フラッシュ加熱制御を温度管理手段60が行うことで、CPT共鳴捕捉の阻害要因となる凝集物を光学窓から効率良く除去できる。その後、時計動作がONからOFFに変わるまでの通常加熱時間Tnは、第1電流値Lev1を保持しておけば、ガスセル20内のアルカリ金属原子を気体状に維持できる。なお、第1フラッシュ加熱制御は、光学窓ではないその他の部位である側面加熱部33に対して適用しても良い。
あるいは、第1光学窓用加熱部31と第2光学窓用加熱部32へのヒータ電流停止に際して、温度管理手段60がフラッシュ加熱を行わせることで、各光学窓に対する瞬間的な加熱量を他部位よりも高めるようにする。具体的には、時計動作がONに変わって通常加熱時間Tnが経過するまで第1電流値Lev1を保持し、その後、時計動作をOFFにするまでのフラッシュ加熱時間Tfの期間だけ、ヒータ電流を第2電流値Lev2に上げる(図7(D)を参照)。すなわち、間欠動作の終了直前に、ガスセル20の光学窓をフラッシュ加熱する第2フラッシュ加熱制御を行うことで、光学窓が他部位よりも高温に保たれる期間を長くし、CPT共鳴捕捉の阻害要因となる凝集物が光学窓に付着しないようにする。なお、温度管理手段60が時計動作OFFのタイミングを事前に把握できない場合、時計動作がOFFになって側面加熱部33への通電を遮断した後、第1,第2光学窓用加熱部31,32への通電を所定時間だけ継続させるようにしても良い。
また、温度管理手段60は、第1フラッシュ加熱制御か第2フラッシュ加熱制御の一方を行う場合に限らず、両方を行う第3フラッシュ加熱制御を行うようにしても良い。具体的には、時計動作がOFFからONに変わってからフラッシュ加熱時間Tfの期間と、時計動作をOFFにするまでのフラッシュ加熱時間Tfの期間には、第2電流値Lev2に上げ、その間は通常の電流値である第1電流値Lev1を保持する。温度管理手段60により第3フラッシュ加熱制御を行えば、光学窓からの凝集物除去と光学窓への凝集物付着抑制を同時に行うことができる。ただし、側面加熱部33に対して第2フラッシュ加熱制御を行うと、光学窓ではない他部位が光学窓よりも早く冷えなくなるため、上述した第2フラッシュ加熱制御と同様に、第3フラッシュ加熱制御は第1,第2光学窓用加熱部31,32に対してのみ行う。
本実施形態では、ガスセル20の光学窓に付着した凝集物を選択的に除去したり、光学窓への凝集を選択的に防いだりするため、第1,第2光学窓用加熱部31,32と側面加熱部33のヒータ線を並列分岐させた。しかしながら、消費電力の観点からは、第1,第2光学窓用加熱部31,32と側面加熱部33のヒータ線を直列接続することが好ましい。そこで、第1,第2光学窓用加熱部31,32におけるヒータ線の配置は、他部位加熱部としての側面加熱部33におけるヒータ線の配置より高密度に設定しておく。或いは、第1,第2光学窓用加熱部31,32におけるヒータ線の抵抗は、他部位加熱部としての側面加熱部33におけるヒータ線の抵抗よりも高く設定(例えば、抵抗率の高い線材を用いる、ヒータ線の断面を小さくして抵抗率を上げる等)しておく。かくすれば、第1,第2光学窓用加熱部31,32と側面加熱部33のヒータ線を直列接続して用いても、選択的に光学窓の温度を他部位よりも上昇させることができるので、光学窓からの凝集物除去や光学窓への凝集物付着抑制が可能となる。
また、図8に示すように、ウェハープロセスで形成されるガスセル20′では、光学窓の開口寸法Dが、内空部22の光路長L(ベース体21の厚さに相当)に対して大きくなる(例えば、D/L>1となる)場合が多い。このようなガスセル20′の場合、光学窓にのみヒータの配線を行うだけで(例えば、第1面板23aに設ける第1光学窓用加熱部31と、第2面板23bに設ける第2光学窓用加熱部32のみで)、光学窓の選択的温度上昇と、動作時のセル内温度の一様性とを実現できる。よって、ヒータ配線の構造を簡素化できる上に、第1,第2光学窓用加熱部31,32に対して通常の間欠温度制御を行えば良いことから、省電力化はもちろん、製造コストの削減にも有効である。
以上、本発明に係る量子光学装置を実施形態に基づき説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りにおいて実現可能な全ての量子光学装置を権利範囲として包摂するものである。
1 量子光学装置
2 密閉容器
20 ガスセル
31 第1光学窓用加熱部
32 第2光学窓用加熱部
33 側面加熱部
41 発光素子
42 受光素子
60 温度管理手段

Claims (3)

  1. アルカリ金属元素の吸収波長帯で複数周波数の励起光を出射する発光素子と、
    前記発光素子からの励起光を透明な入射用の光学窓より受ける位置に配置され、ウェハープロセスにより作成された微細な内空部にアルカリ金属元素とバッファガスが封入された小型のガス充填容器と、
    前記ガス充填容器に封入されているガス成分が気体状態を保持するよう、前記ガス充填容器を加熱する昇温手段と、
    前記ガス充填容器における出射用の光学窓を通過した光を受信する位置に配置され、受信光の光強度を検出する受光素子と、
    前記受光素子で検出される光強度を最大化させるCPT共鳴を発生させるように、前記発光素子から出力させる励起光の周波数差を、前記アルカリ金属元素における基底順位間の周波数差に一致させるCPT共鳴捕捉を間欠的に行わせるCPT共鳴捕捉制御手段と、
    前記CPT共鳴捕捉制御手段によるCPT共鳴捕捉動作と同じタイミングで前記昇温手段を作動させ、前記ガス充填容器を加熱する昇温動作を行う温度管理手段と、
    を備え、
    前記昇温手段は、前記CPT共鳴捕捉の阻害要因となる凝集物を前記入射用の光学窓および前記出射用の光学窓から除去するように加熱できる光学窓用加熱部と、その他の部位を加熱するための他部位加熱部と、を備え
    前記温度管理手段は、前記昇温動作の開始時および/または終了時に、少なくとも前記光学窓用加熱部に対してフラッシュ加熱を行うことで、前記入射用の光学窓および前記出射用の光学窓に対する瞬間的な加熱量を高めるようにしたことを特徴とする量子光学装置。
  2. 前記昇温手段は、通電により発熱するヒータ線で構成し、前記光学窓用加熱部における前記ヒータ線の配置は、前記他部位加熱部における前記ヒータ線の配置より高密度に設定したことを特徴とする請求項1に記載の量子光学装置。
  3. 前記昇温手段は、通電により発熱するヒータ線で構成し、前記光学窓用加熱部における前記ヒータ線の抵抗は、前記他部位加熱部における前記ヒータ線の抵抗よりも高く設定したことを特徴とする請求項1に記載の量子光学装置
JP2019012160A 2019-01-28 2019-01-28 量子光学装置 Active JP7319623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019012160A JP7319623B2 (ja) 2019-01-28 2019-01-28 量子光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019012160A JP7319623B2 (ja) 2019-01-28 2019-01-28 量子光学装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020120069A JP2020120069A (ja) 2020-08-06
JP7319623B2 true JP7319623B2 (ja) 2023-08-02

Family

ID=71892185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019012160A Active JP7319623B2 (ja) 2019-01-28 2019-01-28 量子光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7319623B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023079767A1 (ja) * 2021-11-02 2023-05-11 株式会社多摩川ホールディングス ガスセル及びその製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007036555A (ja) 2005-07-26 2007-02-08 Seiko Epson Corp 発振器における加熱構造、発振器、及び、電子機器
JP2010028794A (ja) 2008-06-18 2010-02-04 Epson Toyocom Corp 原子発振器
JP2016021455A (ja) 2014-07-14 2016-02-04 株式会社リコー アルカリ金属セル及び原子発振器
JP2017123511A (ja) 2016-01-05 2017-07-13 セイコーエプソン株式会社 量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007036555A (ja) 2005-07-26 2007-02-08 Seiko Epson Corp 発振器における加熱構造、発振器、及び、電子機器
JP2010028794A (ja) 2008-06-18 2010-02-04 Epson Toyocom Corp 原子発振器
JP2016021455A (ja) 2014-07-14 2016-02-04 株式会社リコー アルカリ金属セル及び原子発振器
JP2017123511A (ja) 2016-01-05 2017-07-13 セイコーエプソン株式会社 量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020120069A (ja) 2020-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9319056B2 (en) Quantum interference device, atomic oscillator, electronic apparatus, and moving object
US7999626B2 (en) Physical section of atomic oscillator
JP6291768B2 (ja) 原子共鳴遷移装置、原子発振器、電子機器および移動体
US7944317B2 (en) Cold atom micro primary standard
JP6171748B2 (ja) 原子セル、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体
JP2007178272A (ja) 原子周波数取得装置および原子時計
JP6484922B2 (ja) 原子セル、量子干渉装置、原子発振器および電子機器
US9755654B2 (en) Atomic cell, quantum interference device, atomic oscillator, electronic device and moving object
JP2007173445A (ja) 原子周波数取得装置および原子時計
JP6476751B2 (ja) 原子セルの製造方法、原子セル、量子干渉装置、原子発振器および電子機器
JP2015231053A (ja) 原子セル、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体
JP2007178274A (ja) 原子周波数取得装置および原子時計
JP2015119443A (ja) ガスセル、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体
US10133095B2 (en) Quantum interference device, atomic oscillator, electronic apparatus, and moving object comprising FM-modulated adjustment light
JP7319623B2 (ja) 量子光学装置
CN105306055A (zh) 原子共振跃迁装置、原子振荡器、电子设备以及移动体
JP6361129B2 (ja) ガスセル、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体
JP2007178273A (ja) 原子周波数取得装置および原子時計
JP6520039B2 (ja) 量子干渉装置、原子発振器および電子機器
JP7232510B2 (ja) 量子光学装置
US9454135B2 (en) Manufactureable long cell with enhanced sensitivity and good mechanical strength
JP6442969B2 (ja) 量子干渉装置、原子発振器および電子機器
JP2020113616A (ja) 量子光学装置
JP2016015363A (ja) 量子干渉装置、原子発振器
JP2010003944A (ja) 原子発振器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7319623

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150