JP7319153B2 - 保持装置 - Google Patents
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Description
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の保持装置は、絶縁体及び前記絶縁体の内部又は表面に配された発熱体を有するヒータ部材と、前記ヒータ部材の下方に配されたベース部材と、前記ヒータ部材と前記ベース部材を接合するボンド材と、前記ボンド材に隣り合う配置で前記ヒータ部材と前記ベース部材との間をシールする環状のシール部材と、を備える、保持装置であって、前記シール部材は、前記ボンド材と離間して配置され、前記ヒータ部材に接触するシール上面と、前記ベース部材に接触するシール下面と、前記シール上面と前記シール下面との間を接続し前記ボンド材とは反対側に配される第1面と、前記シール上面と前記シール下面との間を接続し前記ボンド材側に配される第2面と、を有し、前記シール上面及び前記シール下面を通る断面視で、前記第1面と前記第2面との間に、前記シール上面及び前記シール下面の幅よりも小さく、前記シール部材の最小幅となる部分が形成されている、保持装置である。
上記の保持装置によると、シール上面及びシール下面を通る断面視で、第1面と第2面との間に、シール部材の最小幅となる部分が形成されているから、この最小幅となる部分が律速となる。したがって、最小幅となる部分が、シール上面及びシール下面の幅よりも小さい場合、伝熱速度を小さくできる。よって、シール部材による接触面積を小さくすることなく、熱引きを低減できる。
第2面は凹んでおり、シール部材とボンド材は互いに離間しているから、ボンド材がヒータ部材とベース部材の間に挟まれてシール部材側に膨らんだとしても、シール部材とボンド材が干渉することはない。
また、第1面は凹んでいるから、シール部材がヒータ部材とベース部材の間に挟まれて第1面が膨らんだとしても、シール部材と他の部材が干渉することはない。
例えばプラズマが貫通孔を通ってボンド材に侵入することが、第1シール部材によって抑制される。
例えばプラズマがヒータ部材の外周からボンド材に侵入することが、第2シール部材によって抑制される。
本開示の保持装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示の保持装置は、半導体ウェハ、ガラス基板など(以下「ウェハ80」という)を吸着保持できる静電チャック10である。静電チャック10は、図1に示すように、図示上方に向けられたチャック面21にて加熱対象(ワーク)であるウェハ80を吸着できるものであり、(例えば直径300mm×厚み3mmの)円盤状のヒータ部材20と、(例えば直径340mm×厚み20mmの)円盤状のベース部材50とが、ボンド材70およびシール部材60によって接合されたものである。
ヒータ部材20は、絶縁体からなるセラミック基板30と、セラミック基板30の内部に配されたヒータ電極40と、セラミック基板30の内部においてヒータ電極40とチャック面21との間に配されたチャック電極41と、を有する。ヒータ電極40とチャック電極41は上下方向に並んで配置され、チャック面21に近い側にチャック電極41が配置され、チャック電極41の下側にヒータ電極40が配置されている。
セラミック基板30は、アルミナ、窒化アルミニウム、イットリア、またはアルミナと炭化珪素の複合材などを主成分として構成されている。セラミック基板30の熱膨張係数は、6から8ppm/℃の範囲(例えば7.6ppm/℃)であり、その熱伝導率は、18W/m・Kである。
ヒータ電極40は、タングステン、モリブデン、またはこれらの合金、またはこれらの炭化物を主成分として構成されている。本開示のヒータ電極40はセラミック基板30の内部に配置されているものの、セラミック基板30の表面やセラミック基板30とは別体のヒータ部材(ポリイミドヒータ)の内部に配置されているものでもよい。本開示のヒータ電極40としては、導体ペーストを印刷した導体層が焼結したメタライズを使用しているものの、金属箔、金属メッシュなどを使用してもよい。
ベース部材50は、アルミニウム、アルミニウム合金、金属とセラミックスの複合体(Al-SiC)、またはセラミックス(SiC)を主成分として構成されている。本開示のベース部材50はAl-SiCを主成分として構成され、アルミニウム成分(重量%)が、30≦Al≦90の範囲(例えば30重量%)であり、シリカ成分(重量%)が、10≦Si≦70の範囲(例えば70重量%)である。ベース部材50は、ヒータ部材20の全体を載置できるように、ヒータ部材20より大径とされている。ベース部材50は、冷媒を流す冷媒流路51と、セラミック基板30のガス流路31と連通するガス導入路52と、を有している。
ベース部材50の上面とセラミック基板30の下面との間には、ボンド材70が配置されている。ボンド材70は、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂を主成分として構成されている。本開示のボンド材70は、ペースト状やシート状のシリコーン接着剤を使用したものである。ボンド材70は、セラミック基板30とベース部材50を接着する役割以外に、セラミック基板30とベース部材50との間の熱伝導を行う役割と、セラミック基板30とベース部材50の熱膨張に起因する応力を緩和する役割と、を果たしている。
シール部材60は、フッ素樹脂またはエポキシ樹脂を主成分として構成されている。本開示のシール部材60は、フッ素樹脂製のOリングである。シール部材60は、ボンド材70の外周に配置され、ボンド材70のプラズマによる浸食抑制のために用いられている。シール部材60は環状をなし、ボンド材70に隣り合うように配置されている。
上述した静電チャック10を使用する場合には、チャック用電源を用いてチャック電極41に電圧を印加し、これにより、ウェハ80を吸着する静電吸着力を発生させ、この静電吸着力を用いてウェハ80をチャック面21に吸着して固定する。また、エッチングなどの加工を行う場合には、ヒータ用電源を用いてヒータ電極40に電流を流してヒータ電極40の温度を上昇させ、ヒータ電極40からセラミック基板30を介してウェハ80を加熱する。
以上のように本実施形態の静電チャック10は、セラミック基板30及びセラミック基板30の内部に配されたヒータ電極40を有するヒータ部材20と、ヒータ部材20の下方に配されたベース部材50と、ヒータ部材20とベース部材50を接合するボンド材70と、ボンド材70に隣り合う配置でヒータ部材20とベース部材50との間をシールする環状のシール部材60と、を備える、静電チャック10であって、シール部材60は、ボンド材70と離間して配置され、ヒータ部材20に接触するシール上面63と、ベース部材50に接触するシール下面64と、シール上面63とシール下面64との間を接続しボンド材70とは反対側に配される第1面61と、シール上面63とシール下面64との間を接続しボンド材70側に配される第2面62と、を有し、シール上面63及びシール下面64を通る断面視で、第1面61と第2面62との間に、シール上面63及びシール下面64の幅よりも小さく、シール部材60の最小幅となる部分が形成されている。
第2面62は凹んでおり、シール部材60とボンド材70は互いに離間しているから、ボンド材70がヒータ部材20とベース部材50の間に挟まれてシール部材60側に膨らんだとしても、シール部材60とボンド材70が干渉することはない。
また、第1面61は凹んでいるから、シール部材60がヒータ部材20とベース部材50の間に挟まれて第1面61が膨らんだとしても、シール部材60と他の部材が干渉することはない。
例えばプラズマがガス流路31を通ってボンド材70に侵入することが、第1シール部材60Aによって抑制される。
例えばプラズマがヒータ部材20の外周からボンド材70に侵入することが、第2シール部材60Bによって抑制される。
実施形態2は、実施形態1のシール部材60の形状を一部変更したものであって、その他の構成については実施形態1と同じである。実施形態2のシール部材90は、図6および図7に示すように、第1シール部材90Aと第2シール部材90Bとを備える。第1シール部材90Aと第2シール部材90Bは同じ構成であるため、以下においてはシール部材90としてまとめて説明を行う。また、実施形態1のシール部材60と同じ構成については、その説明を省略するものとし、実施形態1のシール部材60と対応する構成については、符号の数字部分を6から9に変更した符号を用いるものとする。
(1)実施形態1では第1面61と第2面62の双方が凹んだ形状とされているものの、第1面61と第2面62のいずれか一方のみが凹んだ形状であってもよい。
10…静電チャック(保持装置)
11…ピン挿通孔 12…リフトピン
20…ヒータ部材 21…チャック面
30…セラミック基板(絶縁体) 31…ガス流路(貫通孔) 32…噴出口 33…外周縁部 34…開口縁部
40…ヒータ電極(発熱体) 41…チャック電極 42…端子
50…ベース部材 51…冷媒流路 52…ガス導入路(貫通孔) 53…開口縁部
60…シール部材 60A…第1シール部材 60B…第2シール部材 61…第1面 62…第2面 63…シール上面 64…シール下面 65…幅狭部
70…ボンド材
80…ウェハ
90…シール部材 90A…第1シール部材 90B…第2シール部材 91…第1面 92…第2面93…シール上面 94…シール下面 95…くびれ部
S…空間
Claims (4)
- 絶縁体及び前記絶縁体の内部又は表面に配された発熱体を有するヒータ部材と、
前記ヒータ部材の下方に配されたベース部材と、
前記ヒータ部材と前記ベース部材を接合するボンド材と、
前記ボンド材に隣り合う配置で前記ヒータ部材と前記ベース部材との間をシールする環状のシール部材と、を備える、保持装置であって、
前記シール部材は、前記ボンド材と離間して配置され、前記ヒータ部材に接触するシール上面と、前記ベース部材に接触するシール下面と、前記シール上面と前記シール下面との間を接続し前記ボンド材とは反対側に配される第1面と、前記シール上面と前記シール下面との間を接続し前記ボンド材側に配される第2面と、を有し、
前記シール上面及び前記シール下面を通る断面視で、前記第1面と前記第2面との間に、前記シール上面及び前記シール下面の幅よりも小さく、前記シール部材の最小幅となる部分が形成されている、保持装置。 - 前記第1面は前記シール部材の内部に向けて凹んでおり、前記第2面は前記シール部材の内部に向けて凹んでいる、請求項1に記載の保持装置。
- 前記ヒータ部材と前記ベース部材の双方を貫く貫通孔が設けられており、
前記シール部材は、前記ヒータ部材の貫通孔及び前記ベース部材の貫通孔と連通する空間を画定する第1シール部材を有する、請求項1または請求項2に記載の保持装置。 - 前記シール部材は、前記ボンド材の外周を取り囲む第2シール部材を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保持装置。
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