JP7318232B2 - 静電容量結合方式タッチスイッチ - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 公開日:平成30年9月28日 公開場所:https://twitter.com/WACCA_official?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Eembeddedtimeline%7Ctwterm%5Eprofile%3AWACCA_official&ref_url=https%3A%2F%2Fwacca.marv.jp%2F 公開日:平成30年10月4日 公開場所:https://wacca.marv.jp/ 公開日:平成30年10月19日他(別紙参照) 公開場所:ロケテスト、セガ秋葉原3号館(東京都千代田区外神田1-11-11外神田1丁目ビルディング)他(別紙参照) 公開日:平成30年11月30日 公開場所:Amusement Journal、第18巻、第12号、通巻212号、2018年12月号、第16頁、第25頁、第57頁、及び、第125頁 株式会社アミューズメント・ジャーナル 公開日:平成30年10月16日~平成30年10月19日 公開場所:CEATEC JAPAN 2018 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1) 公開日:平成30年10月4日 公開場所:株式会社マーベラス 新アミューズメントマシン 発表会 渋谷DAIA(東京都渋谷区道玄坂2-23-12 フォンティスビルB1) 公開日:平成30年10月4日 公開場所:https://www.youtube.com/watch?v=aw2iIyEfYjE(新アミューズメントマシン 発表会 の同時放送) 公開日:平成30年10月30日 公開場所:Amusement Journal、第18巻、第11号、通巻211号、2018年11月号、第15頁、第58~59頁、及び、第121頁 株式会社アミューズメント・ジャーナル 公開日:平成31年1月23日~平成31年1月25日 公開場所:組込みシステム開発技術展 インテックス大阪(大阪府大阪市住之江区南港北1-5-102) 公開日:平成30年10月4日 公開場所:https://youtu.be/Os-wPTLxAgY 公開日:平成31年1月25日~平成31年1月27日 公開場所:ジャパン アミューズメント エキスポ2019 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)
本開示は、静電容量結合方式タッチスイッチに関する。
静電容量結合方式を採用した入力装置として、静電容量結合方式タッチスイッチが知られている。静電容量結合方式タッチスイッチは、指等の導体が触れたときの電極における静電容量変化に基づいてタッチ操作を検出するタッチスイッチであり、特に、電極の背後にある発光体、表示器が視認できるようにする場合には、透明電極が用いられる。例えば特許文献1には、導体との間における静電容量の変化を検出するための透明電極を基材上に設けて構成されたタッチスイッチの一例が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005-84982号公報
従来の静電容量結合方式タッチスイッチでは、上記のように人体の指による接触を検出するために、採用される透明電極サイズは指(特に第一関節)に対応したものになっている。その一方で、静電容量結合方式タッチスイッチの用途は、アミューズメント分野をはじめとする様々な分野に広がりを見せており、その過程で、検出対象である指に比べて大きな検出範囲を有するタッチスイッチ(例えば、従来のタッチスイッチに比べて大幅に広い検出範囲を有し、当該検出範囲において指等の導体の接触を検出可能なタッチスイッチ)の需要が生じている。
大きな検知範囲を有する静電容量結合方式タッチスイッチを実現するためには、透明電極の面積サイズを大きくすることが考えられる。しかしながら、透明電極の面積サイズが大きくなると、透明電極の電気抵抗値が大きくなるため、タッチ認識用の信号値が小さくなり、検知感度が低下してしまう。また、このような検知感度の低下を回避するために、透明電極の膜厚を厚くしたり、導電性材料として導電性に優れた金属材料を用いたりすることで電極の導電性能を増加させることが考えられるが、これらの対策では電極の透明性が損なわれてしまう。
本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、十分な透明性を確保しながら、広い検知範囲と良好な感度が得られる静電容量結合方式タッチスイッチを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る静電容量結合方式タッチスイッチは上記課題を解決するために、
導電性材料で形成した導電膜の端部の全周に、前記導電膜に用いたものより高い導電性の高導電性材料を、電気的に接触するように配置したタッチ認識用電極を有する。
上記(1)の構成によれば、導電性材料で形成した導電膜の端部の全周に、前記導電膜に用いたものより高い導電性の高導電性材料を、電気的に接触するように配置したことで、タッチ認識用電極全体の導電性を均一に高くすることができるため、高導電性材料のみで電極を構成せずに信号値の大きな静電容量結合方式タッチスイッチを得ることができる。
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の構成において、
前記導電膜を、透明性のある導電性材料で形成した。
上記(2)の構成によれば、比較的高抵抗な透明性導電材料で形成した導電膜の端部の全周に、前記導電膜に用いるものより高い導電性の高導電性材料を、電気的に接触するよう設置したことで、透明性導電材料の光の透過性をなるべく阻害することなく、タッチ認識用電極全体の導電性を均一に高くすることができるため、信号値の大きな静電容量結合方式タッチスイッチとすることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、十分な透明性を確保しながら、広い検知範囲と良好な感度が得られる静電容量結合方式タッチスイッチを提供できる。
本発明の一実施形態に係る静電容量結合方式タッチスイッチを利用したタッチスイッチシステムのブロック図である。 図1のタッチスイッチの上面図である。 図2のタッチスイッチにおける送信電極及び受信電極を個別に示す上面図である。 図2のタッチスイッチの分解斜視図である。 図2のB-B線断面図の一例である。 図2のB-B線断面図の他の例である。 図2の変形例である。 第1変形例に係るタッチスイッチの平面図である。 第2変形例に係るタッチスイッチの平面図である。 第3変形例に係るタッチスイッチの平面図である。 第4変形例に係るタッチスイッチの平面図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の一実施形態に係る静電容量結合方式タッチスイッチ(以下、適宜「タッチスイッチ10」と称する)を利用したタッチスイッチシステム100のブロック図である。タッチスイッチシステム100は、タッチスイッチ10と、タッチスイッチ10へのタッチ操作を検出するためのタッチスイッチコントローラ50とを備える。タッチスイッチコントローラ50は、タッチスイッチ10へのタッチ操作を検出したときに、当該タッチ操作による入力指示を外部機器70に伝達する。これにより、外部機器70が、タッチスイッチ10へのタッチ操作に基づいて制御される。
尚、外部機器70は、例えばアミューズメント機器、家電、医療機器、セキュリティ関連機器、現金自動預け払い機、券売機等である。
図2は図1のタッチスイッチ10の上面図であり、図3は図2のタッチスイッチ10における送信電極11及び受信電極12を個別に示す上面図である。タッチスイッチ10は、その外接円の直径Rが15mmより大きなサイズに形成される。従来のタッチスイッチにおける電極パターンは、その外接円の直径が、人体における指の第一関節の典型的な面積に対応する15mm以内に収められるが、それに対して本実施形態に係るタッチスイッチ10は従来に比べて大きなサイズを有する。
尚、タッチスイッチ10の外接円の直径Rは、60mm(例えば、片手の5本指のうち親指を除く4本の指の接触面積に相当する指標)より大きくしてもよく、120mm(例えば、手のひらの接触面積に相当する指標)より大きくしてもよい。
またタッチスイッチ10の外接円の直径Rの大きさに関わらず、送信電極11及び受信電極12の間における隙間の大きさは、スイッチとしての機能を達成するために、指の接触面積に相当する15mmより小さく設定される。
タッチスイッチ10は、送信電極11及び受信電極12を備える、相互容量方式の静電容量方式タッチスイッチである。送信電極11は、接続線11aによって、後述する増幅回路53(図1を参照)に接続される。また受信電極12は、接続線12aによって、後述する電流電圧変換回路55(図1を参照)に接続される。送信電極11及び受信電極12の具体的な電極パターンは、後に詳述する。
図4は図2のタッチスイッチ10の分解斜視図である。タッチスイッチ10は、送信電極11を配置した透明なシート11bと、受信電極12を配置した透明なシート12bとを備えて構成される。これらのうち、送信電極11は、シート11bの紙面手前側の表面に配置される。また、受信電極12は、シート12bの紙面手前側の表面に配置される。そして、タッチスイッチ10は、送信電極11を配置したシート11bと、受信電極12を配置したシート12bとを重ね合わせることで構成される。そのため、図2のようにシート11b,12bを重ね合わせた際には、送信電極11と受信電極12とは、シート12bを介して異なる面に配置される。
尚、基材であるシート11b、12bは透明シートであり、例えばPETから形成される。
図1に戻って、タッチスイッチコントローラ50は、交流信号送信部50Aと交流信号受信部50Bとを備える。交流信号送信部50Aは、タッチスイッチ10の送信電極11に交流信号を送信するためのものであり、発振回路52と、増幅回路53とを備える。交流信号受信部50Bは、タッチスイッチ10の受信電極12から交流信号を受信するためのものであり、位相シフト回路54と、電流電圧変換回路55と、増幅回路56と、バンドパスフィルタ57と、掛算回路58,61と、ローパスフィルタ59,62と、AD変換回路60,63(アナログデジタル変換回路)とを備える。
またタッチスイッチコントローラ50は、AD変換回路60,63の出力に基づいてタッチスイッチ10に対するタッチ操作の有無、つまりタッチスイッチ10のON/OFFを判定し、判定結果に基づいて外部機器70を制御する演算制御部51を備える。ここで演算制御部51におけるタッチスイッチ10に対するタッチ操作の判定手法について簡潔に説明する。
まず、演算制御部51は、発振回路52に対し、交流信号として正弦波(sinωt)を出力すべき旨の指令を送信する。同時に、演算制御部51は、位相シフト回路54に対し、発振回路52からの正弦波の位相をm及び(m+π/2)ずらして変更すべき旨の指令を送信する。即ち、位相シフト回路54では、周波数が同じであるが異なる位相の交流信号が2つ生成される。発振回路52から増幅回路53に送信された正弦波は、振幅が増幅された後、タッチスイッチ10の送信電極11(図2~図4を参照)に送信される。増幅回路53によって増幅された振幅の信号を送信電極11に送信することにより、タッチスイッチ10でのタッチ操作により生じる小さな静電結合を感度良く検出できる。
一方、位相シフト回路54では、発振回路52から送信された正弦波の位相が、上記のように、m及び(m+π/2)だけずらされる。位相をmずらされた正弦波(sin(ωt+m))は、掛算回路58に送信され、位相を(m+π/2)ずらされた正弦波、即ち、余弦波(cos(ωt+m)は掛算回路61に送信される。このように位相をmずらすことで、タッチ操作が行われたときの信号変化を検出し易くすることができる。尚、位相シフト回路54と、掛算回路58,61とは回路基板内で直接接続されているため、位相シフト回路54の正弦波及び余弦波は、増幅されずにそのまま掛算回路58,61に入力される。
受信電極12(図2~図4を参照)では、送信電極11から、位相差角αだけずれた正弦波(sin(ωt+α))が伝達される。位相差角αは、送信電極11と受信電極12との間の静電結合等に起因して生じるものである。位相差角αは、タッチスイッチ10へのタッチ操作が行われると変化し、また、例えばタッチスイッチ10の構成等の条件によっては位相差角αが発生しない(α=0)の場合もあり得る。
受信電極12で受信された正弦波は、静電結合によって受信電極12に誘導された微弱な電流として、電流電圧変換回路55に入力される。電流電圧変換回路55では、入力された電流信号が電圧信号に変換されて出力される。そして、電流電圧変換回路55から電圧信号として出力された正弦波(sin(ωt+α))は、増幅回路56で振幅を増幅されて振幅Aの正弦波(Asin(ωt+α))に変換された後、バンドパスフィルタ57で信号処理される。
バンドパスフィルタ57の出力は、掛算回路58、61にそれぞれ入力される。掛算回路58では、バンドパスフィルタ57の出力と位相シフト回路54から入力された正弦波と掛け合わされ、ローパスフィルタ59を通過することにより直流信号に変換される。掛算回路61では、バンドパスフィルタ57の出力と位相シフト回路54から入力された余弦波と掛け合わされ、ローパスフィルタ62を通過することにより直流信号に変換される。ローパスフィルタ59、62から出力される直流信号は、A/D変換回路60、63によってそれぞれA/D変換され、演算制御部51に入力される。演算制御部51では、A/D変換回路60、63から入力された各直流電圧に基づいて、タッチスイッチ10におけるタッチ操作の有無が判定される。
<タッチスイッチ10の内部構成>
続いて図2~図4を参照して、タッチスイッチ10が備える送信電極11及び受信電極12の具体的な電極パターンについて、詳しく説明する。
送信電極11及び受信電極12の一方は、図2に示すように、基材(図4のシート11b又は12bを参照)の法線方向から見て、他方を囲むように形成される。本実施形態では、送信電極11が受信電極12を囲むように構成されている。このように受信電極12を送信電極11の内側に配置することにより、受信電極12に対する外部ノイズの侵入が送信電極11によって遮蔽されるため、良好なノイズ耐性が得られる(尚、送信電極11におけるノイズ耐性は、送信電極11に印加される信号から予めノイズを除去しておくことで容易に確保可能である)。
尚、本実施形態とは逆に、受信電極12が送信電極11を囲むように構成してもよい。
送信電極11は、例えば図2、図3(a)及び図4に示すように、多角形状の外輪郭を有する。本実施形態では四角形状(矩形状)の外輪郭を有する送信電極が例示されている。また送信電極11は、内側に受信電極12の形状に対応する開口部13を有する。開口部13は、内側に配置される受信電極12との間に形成される隙間が所定値になるように形成される。
送信電極11は、主要部を構成する透明電極15と、透明電極の縁部16(外縁16a、内縁16bを含む)に沿っている導電電極17から構成されている。透明電極15は、導電電極に比べて高い光透過性を有する導電性材料から形成され、例えば、金属系材料(酸化スズ、アンチモンを添加した酸化スズ(ATO)、酸化インジウム、スズを添加した酸化インジウム(ITO)、亜鉛を添加した酸化インジウム(IZO)、フッ素を添加した酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛、酸化アンチモン等の金属酸化物)、有機系材料(ポリチオフェン(PEDOT等)、オリゴチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン)、その他の材料(Agワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェン)などから形成される。
導電電極17は、透明電極15に用いられる材料に比べて導電性が高く、且つ、透明性が低い材料から形成され、例えば、貴金属(金、銀、白金)、銅、アルミニウム、ニッケル、カーボン等から形成される。透明電極15と導電電極17に使用される材料特性としての抵抗比率は、例えば500~1000:1である。尚、導電電極17との導電性の高さの違い及び位置関係を維持するものであれば、透明電極15に替えて、光透過性が低い又は不透明な電極としてもよく、該電極は、前記導電性材料を含んだ材料から形成することができる。
導電電極17は、導電性材料で形成した導電膜である透明電極15の端部の全周にわたって形成されている。ここで端部の全周とは、透明電極15の形状を規定する全ての縁部をいう。具体的に説明すると、本実施形態の送信電極11は、透明電極15の形状を規定する縁部として、外輪郭を規定する外縁16aと、内輪郭(開口部13)を規定する内縁16bとを有する。本実施形態では、外縁16aと内縁16bの両方に沿って、すなわち、透明電極15の端部の全周にわたって、導電電極17が設けられている。つまり、導電電極17は、外縁16aに沿って形成された外側導電電極17aと、内縁16bに沿って形成された内側導電電極17bとを含んで構成される。導電電極17は、透明電極15の縁部16に沿って線状に連続的に形成される。
このような導電電極17は、透明電極15に対して電気的に接触するように構成される。電気的接触は、透明電極15と導電電極17とが物理的に接触することで行われてもよく、例えば半田付けのような合金的接合によって行われてもよいし、溶接によって行われてもよい。また透明電極15及び導電電極17は、互いの電気的接触が機能的に実現可能な範囲において、互いに物理的に離間していてもよい。このように外縁16a及び内縁16bの両方に導電電極17を形成することで、送信電極11の膜厚を薄く保つことで透明性を確保しつつ、電気抵抗値をより効果的に低く抑えることができる。
尚、外側導電電極17aと内側導電電極17bとは、導電電極17と同じ又は類似の導電性材料からなる連結電極を用いて互いに電気的に接続してもよい。
尚、導電電極17は送信電極11の外縁16a又は内縁16bのいずれか一方のみに設けられていてもよい。すなわち導電電極17は、外縁16a又は内縁16bの少なくとも一方に形成されていればよい。
尚、送信電極11の縁部16に形成される導電電極17は断続的に形成されてもよい(言い換えると、縁部16に沿って所定長さを有する複数のセグメントが、縁部16に沿って所定間隔を介して配列されてもよい)。これらのセグメントは、上述の導電電極17を構成し、各セグメントの間隔又は長さを調整することにより、送信電極11における電気抵抗値を所望の値に調整することができる。
一方、受信電極12は、図2、図3(b)及び図4に示すように、透明電極15及び導電電極17を含む送信電極11とは異なり、導電電極18のみから形成される。受信電極12は、枝分かれ形状(いわゆる櫛型形状)を有しており、タッチスイッチ10に占める面積が送信電極11に比べて小さい。そのため、透明性が少ない導電電極18のみから形成したとしても、タッチスイッチ10における透明性を良好に確保できる。
尚、タッチスイッチ10における透明電極15が占める割合は、タッチスイッチ10の透明率が所定値を達成可能なように設定されるとよい。
上記構成を有するタッチスイッチ10を用いた検証試験では、送信電極11が透明電極15のみからなる比較例と比較した場合、比較例では信号レベルが286であるのに対して、本実施形態に係るタッチスイッチ10では信号レベルが787であった。このように、送信電極11又は受信電極12の少なくとも一方を透明電極と導電電極の組み合わせとして構成することで、感度が高いタッチスイッチが実現されることが実験的にも検証された。
尚、送信電極11又は受信電極12において、基材に対する透明電極又は導電電極の形成は、スパッタ法(上述の有機系材料及びその他の材料は除く)、印刷法、めっき法又は塗装法(上述の有機系材料及びその他の材料は除く)等を含む各種製造手法を採用可能である。
また基材(図4のシート11b又は12bを参照)上に透明電極15及び導電電極17を形成する際には、透明電極15を作成したのちに導電電極17を形成してもよい。図5は図2のB-B線断面図の一例である。この例では、基材であるシール材11b上に透明電極15が形成されており、当該透明電極15のさらに上層側に導電電極17が積層及びパターニングされることで形成されている。
また基材上に透明電極15及び導電電極17を形成する際には、例えば、導電電極17を作成したのちに透明電極15を形成してもよい。図6は図2のB-B線断面図の他の例である。この例では、まず基材であるシール材11b上に導電電極17が形成されたのちにパターニングされることで、導電電極17が形成される。このように形成された導電電極17に対して上層側から透明電極15が形成される。透明電極15は、典型的には液状の材料を固化することで形成されるため、基材上に予め導電電極17を所定の間隔を経て設けておくことで、その間に対して透明電極15の液状材料を流し込むことで、効率的に電極パターンを形成することができる。
尚、図5及び図6では送信電極11を例に説明したが、上述のように、受信電極12を透明電極及び導電電極の組み合わせとして構成した場合には、同様の製造方法を適用可能である。
ここで図7は図2の変形例である。図7では、図2と同様に送信電極の外縁16a及び内縁16bに沿って導電電極17が形成されているが、送信電極11を構成する透明電極15の一部に切り欠き部19を設けることで、外縁16a及び内縁16bが連続するように構成されている。そのため、図2における外側導電電極17aと内側導電電極17bとが一体的に連続して形成されている。
ここで図8は第1変形例に係るタッチスイッチ10の平面図である。第1変形例では、受信電極12もまた送信電極11と同様に、透明電極18と、透明電極18の縁部に沿って形成された導電電極19との組み合わせによって構成される。すなわち、透明電極と導電電極との組み合わせ構造は、送信電極11及び受信電極12の少なくとも一方に採用すればよい。そして、送信電極11及び受信電極12の一方のみを透明電極と導電電極との組み合わせで構成する場合には、タッチスイッチ10において占有面積が大きな電極において、透明電極と導電電極との組み合わせとの組み合わせ構成を優先的に採用することで、タッチスイッチ10の透明性と導電性を効果的に得られる。
図9は第2変形例に係るタッチスイッチ10の平面図である。第2変形例では、タッチスイッチ10のうち送信電極11が略六角形の外輪郭形状を有する。そして、送信電極11及び受信電極12の組み合わせからなるタッチスイッチ10が複数マトリクス状に配置されることで、より認識範囲が広範囲に及ぶタッチスイッチを構成している。
尚、このタッチスイッチでは、紙面横方向に並ぶタッチスイッチ10における送信電極11同士が互いに共通の接続線11aによって増幅回路53(図1を参照)に接続されており、同様の構成が紙面縦方向に複数配列されている。各接続線11aで接続された送信電極11は、不図示の選択回路によって個別に選択することで、各接続線11aで接続された送信電極11に対して順次交流信号を印加できる。
また、このタッチスイッチでは、紙面縦方向に並ぶタッチスイッチ10における受信電極12同士が互いに共通の接続線12aによって電流電圧変換回路55(図1を参照)に接続されており、同様の構成が紙面横方向に複数配列されている。各接続線12aで接続された受信電極12は、不図示の選択回路によって個別に選択することで、各接続線12aで接続された受信電極12で順次交流信号を受信できる。
図10は第3変形例に係るタッチスイッチ10の平面図である。第3変形例では、送信電極11及び受信電極12がそれぞれダイヤモンド形状を有する外輪郭を有する。また送信電極11は、透明電極15と、透明電極15の縁部に設けられた導電電極16とを備え、受信電極12は、透明電極18と、透明電極18の縁部に設けられた導電電極19とを備える。
尚、紙面横方向に並ぶ送信電極11同士は互いに共通の接続線11aによって増幅回路53(図1を参照)に接続されており、同様の構成が紙面縦方向に複数配列されている。各接続線11aで接続された送信電極11は、不図示の選択回路によって個別に選択することで、各接続線11aで接続された送信電極11に対して順次交流信号を印加できる。
また紙面縦方向に並ぶ受信電極12同士が互いに共通の接続線12aによって電流電圧変換回路55(図1を参照)に接続されており、同様の構成が紙面横方向に複数配列されている。各接続線12aで接続された受信電極12は、不図示の選択回路によって個別に選択することで、各接続線12aで接続された受信電極12で順次交流信号を受信できる。
図11は第4変形例に係るタッチスイッチ10の平面図である。第4変形例では、タッチスイッチ10を構成する送信電極11及び受信電極12が互いに同心状に配置される。図10では、互いに径が異なる六角形状の外輪郭及び内輪郭を有する送信電極11及び受信電極12の組み合わせが、径方向に沿って同心状に複数配置されている。そして、各組み合わせの送信電極11は互いに共通の接続線11aによって増幅回路53(図1を参照)に接続されている。また各組み合わせの受信電極12は互いに共通の接続線12aによって電流電圧変換回路55(図1を参照)に接続されている。これにより、複数のタッチスイッチ10を限られたエリアに配置させ、感度のよいタッチ認識が可能となる。
これにより、図11では、それぞれ接続線11a及び12a及びに接続された送信電極11と受信電極12とが交互に同心配置された構成が形成されている。
以上説明したように上記実施形態によれば、タッチ認識用の電極が、透明電極と、その縁部に形成された導電電極とによって構成される。このように透明電極の縁部に導電電極を設けることにより、透明電極の面積を大きく形成した場合においても、透明電極の厚さを薄く抑えながら(透明電極の透明性を十分に確保しながら)電極の抵抗値を低くすることができる。本構成では、このような電極構造を採用することにより、外接円の直径が15mmより大きなサイズの電極において、十分な透明性を確保しながら、感度に優れたタッチスイッチを実現できる。その結果、十分な透明性を確保しながら、広い検知範囲と良好な感度が得られる静電容量結合方式タッチスイッチを提供することが可能となる。
尚、上述の実施形態ではタッチスイッチ10が相互容量式である場合について記載したが、自己容量式のタッチスイッチにおいても同様の電極構造を採用することで同様の作用効果が得られる。すなわち、自己容量式のタッチスイッチが備える少なくとも一つの電極が、透明電極と、透明電極の縁部に沿って形成された導電電極とを含むことで、十分な透明性を確保しながら、感度に優れた自己容量式のタッチスイッチを実現できる。この場合もまた、タッチスイッチが備える電極の外接円の直径が15mmより大きいような大サイズの自己容量式のタッチスイッチにおいても、十分な透明性を確保しながら、感度に優れたタッチスイッチを実現できる。
本発明の少なくとも一実施形態は、静電容量結合方式を採用した静電容量結合方式タッチスイッチに利用可能である。
10 タッチスイッチ
11 送信電極
12 受信電極
13 開口部
15 透明電極
16 縁部
17 導電電極
50 タッチスイッチコントローラ
50A、50B 交流信号送信部
51 演算制御部
52 発振回路
53,56 増幅回路
54 位相シフト回路
55 電流電圧変換回路
57 バンドパスフィルタ
58,61 掛算回路
59,62 ローパスフィルタ
60,63 変換回路
70 外部機器
100 タッチスイッチシステム

Claims (10)

  1. 基材上に、
    第一電極が配置された第一シートと、
    前記基材の法線方向から見て、前記第一電極を少なくとも部分的に囲む第二電極が配置された第二シート
    を備え、
    前記第一シート及び前記第二シートが重ね合わせられた際に、前記第一電極及び前記第二電極は異なる面に配置され、
    前記第二電極は、導電性材料で形成した導電膜の端部の全周に、前記導電膜に用いたものより高い導電性の高導電性材料を、電気的に接触するように配置された導電電極を有する静電容量結合方式タッチスイッチ。
  2. 前記導電膜を、透明性のある導電性材料で形成した請求項1に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  3. 前記導電電極は、
    前記第二電極の外輪郭を規定する外縁に沿って形成された外側導電電極と、
    前記第二電極の内輪郭を規定する内縁に沿って形成された内側導電電極と、
    を含む請求項1又は2に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  4. 前記外側導電電極と前記内側導電電極とを電気的に接続する連結電極を備える、請求項3に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  5. 前記第二電極は、前記導電膜の一部に設けられた切り欠き部を有し、
    前記外側導電電極及び前記内側導電電極は前記切り欠き部を介して連続するように構成される、請求項3又は4に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  6. 前記導電電極は、前記部に沿って断続的に形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  7. 前記第二電極を外部に電気的に接続するための接続線は、前記導電電極と一体的に構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  8. 前記第一電極及び前記第二電極は、相互容量式タッチスイッチを構成する一対の送信電極及び受信電極である、請求項1から7のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  9. 外接円の直径が15mmより大きい、請求項1から8のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ。
  10. 基材上に、
    第一電極と、
    前記基材の法線方向から見て、前記第一電極を少なくとも部分的に囲む第二電極と
    を備え、
    前記第二電極は、導電性材料で形成した導電膜の端部の全周に、前記導電膜に用いたものより高い導電性の高導電性材料を、電気的に接触するように配置された導電電極を有し、
    前記導電電極は、前記端部に沿って断続的に形成される静電容量結合方式タッチスイッチ。
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