JP7317866B2 - オキサボリニン環を含む新規ベンズイミドアミド化合物 - Google Patents

オキサボリニン環を含む新規ベンズイミドアミド化合物 Download PDF

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Description

本発明は、4-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド誘導体、及び異常に高レベルのプロテアーゼ活性(特に、カリクレイン等のセリンプロテアーゼ)によって引き起こされる皮膚の疾患及び病態(例えば、ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒)の処置におけるその使用に関する。更に、本発明は、該誘導体を含有する組成物及びそれを調製するためのプロセスに関する。
背景技術
ネザートン症候群は、異常な落屑及び慢性的な皮膚の炎症を特徴とする遺伝性皮膚疾患である。皮膚のバリア機能が失われると、深刻な脱水症状に陥り、感染症に罹りやすくなる。出生後死亡率が高く、一般に幼少期に成長障害が起こる。患者は、しつこい掻痒症(掻痒)に悩まされる。紅皮症が一般的であり、魚鱗癬を発症することが多い。全ての患者がアトピーになり、皮膚においても、食物アレルギーとしても現れる。
ネザートン症候群は、SPINK-5遺伝子の突然変異によって引き起こされ、常染色体劣性遺伝する。40を超える既知の突然変異が存在するが、その全てが、遺伝子産物であるリンパ上皮カザール型関連阻害因子(LEKTI)の皮膚における発現を部分的に又は完全に失わせる(Chavanas et al, Nature genetics (2000), 25(2), 141-2)。
LEKTIは、カリクレイン5、7、及び14(KLK-5、-7、及び-14)等のセリンプロテアーゼと共に、表皮の最も分化した層において発現するセリンプロテアーゼ阻害剤である。正常条件下では、LEKTIは、より下層の表皮でプロテアーゼ活性を阻害するが、この阻害はより酸性の外層である角質層では失われるので、コルネオデスモソームが切断され、最外層が失われる(落屑)。LEKTIが存在しないと角質層におけるプロテアーゼ活性が増大し、その結果、デスモソームタンパク質が不適切に切断され、外皮層全体が失われる。
表皮内の異常なプロテアーゼ活性によってPAR-2も活性化され、TSLP等のTh-2型サイトカインの増加を特徴とする炎症反応がトリガーされる。これは、紅皮症の観察、及びこの疾患に特徴的な深在性掻痒症につながる。生後間もなくは免疫系がTH2反応に偏っていることも、これら患者にアトピーの有病率が高いことの説明になる。
皮膚のより外層におけるKLK-5活性を阻害すると、ネザートン症候群を駆動するLEKTIの部分的又は完全な欠如が妨げられる。これにより、異常な落屑が減少することによって皮膚のバリア機能が回復し、またPAR-2受容体の活性化が阻止され、その後の炎症駆動が減少することによって紅皮症及び掻痒が減少する。
酒さは、30歳を超える米国人口の3%が罹患していると推定される炎症性皮膚疾患であり、紅斑、膿疱性丘疹、及び毛細血管拡張症を特徴とする。酒さでは皮膚におけるプロテアーゼ活性の増大が報告されている(Yamasaki K, et al. Nat. Med. (2007) 13: 975-80)。多数の研究によって、酒さにおけるKLK-5の発現増加の病態生理学的役割が確認されている(Two A, et al., J Clin Aesthet Dermatol (2014) 7(1): 20-25)。また、アゼライン酸等の酒さの処置についての活性成分は、KLK-5を阻害する処置的作用を有することが示されている(Coda A. et al., J Am Acad Dermatol (2013) 69(4): 570-577)。これらデータは、カリクレインプロテアーゼ経路の阻害剤、特にKLK-5の阻害剤が、酒さの処置に有用であることを示している。
アトピー性皮膚炎(AD)は、湿疹、掻痒症及び環境因子に対する皮膚の過敏性を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患である。臨床的に影響を受けていないADの皮膚は、皮膚バリア機能の低下を示し、微生物及びアレルゲンが侵入しやすくなる。ADはほとんどの場合5歳前の幼少期に始まり、小児の約25%が成人期までこの病態に悩まされ続ける。SPINK-5の多型がアトピー性皮膚炎と関連している(Walley et al, Nature Genetics 29 (2001))ので、KLK経路の阻害がADの処置に有効である可能性がある。
乾癬は、ケラチノサイトの増殖及び分化の障害を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患であり、これにより、痛みや掻痒を伴うことがある銀色の鱗屑に覆われた、赤く、鱗状の、硬化した皮膚の斑が引き起こされる。斑の程度は、小さく且つ局所的なものから全身を覆うものまで、様々な重症度であり得る。乾癬病変では、T細胞及び樹状細胞の活性化が異常なプロテアーゼ活性を引き起こす(Komatsu, N. et al, British Journal of Dermatology (2007) 156(5): 875-883)ので、KLK経路の阻害が乾癬の処置において有効である可能性がある。
デスモソームタンパク質の切断においてKLK-5等のセリンプロテアーゼ酵素が果たす役割に鑑みて、KLK-5活性を阻害する化合物であって、KLK-5経路によって媒介される疾患及び症候群の処置において有用でありうる化合物を調製することが望ましい。
発明の概要
第1の態様によれば、本発明は、式(I):
Figure 0007317866000001

(式中、R、R及びRは、本明細書に定義の通りである)
の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
本発明の更なる態様は、
i)式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩を用いて、KLK-5経路によって媒介される疾患及び病態を処置する方法;例示的な疾患及び病態は、ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒を含むが、これらに限定されない;
ii)a)式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩、及びb)薬学的に許容し得る担体又は賦形剤を含む医薬組成物;並びに
iii)KLK-5によって媒介される疾患及び病態を処置するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩の使用
を含む。
発明を実施するための形態
第1の態様によれば、本発明は、式(I):
Figure 0007317866000002

(式中、
はHであり、RはCFであり、Rは3-ピリジルメトキシ、3-クロロベンジルオキシ、若しくはHである;
はClであり、RはFであり、Rは3-ピリジルメトキシである;又は
はHであり、RはHであり、Rは3-ピリジルメトキシである)
の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
一実施態様では、式(I)の化合物は、
4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド(化合物1);
2-((3-クロロベンジル)オキシ)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド(化合物5);
4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド(化合物6);
4-(6-クロロ-7-フルオロ-1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド(化合物7);及び
4-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド(化合物8);
又はその薬学的に許容し得る塩からなる群から選択される。
一実施形態では、式(I)の化合物は、4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000003

又はその薬学的に許容し得る塩である。
一実施形態では、式(I)の化合物は、2-((3-クロロベンジル)オキシ)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000004

又はその薬学的に許容し得る塩である。
一実施形態では、式(I)の化合物は、4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000005

又はその薬学的に許容し得る塩である。
一実施形態では、式(I)の化合物は、4-(6-クロロ-7-フルオロ-1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000006

又はその薬学的に許容し得る塩である。
一実施形態では、式(I)の化合物は、4-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000007

又はその薬学的に許容し得る塩である。
第1の態様で定義された式(I)の化合物は、塩基性中心を含有し、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、及びリン酸等の無機酸、カルボン酸、又は有機スルホン酸と共に形成される非毒性の酸付加塩を形成し得る。例としては、4-アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、酪酸塩、カルシウムエデト酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストル酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エストル酸塩(ラウリル硫酸塩)、エタン-1,2-ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’-ジ(デヒドロアビエチル)-エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン-2-スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p-アミノベンゼンスルホン酸塩、p-アミノサリチル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビツール酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8-クロロテオフィリネート)、チオシアン酸塩、トリエチオジド、ウンデカン酸塩、ウンデシレン酸塩、及び吉草酸塩が挙げられる。薬学的に許容し得る塩は、とりわけ、Berge, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19に記載されているもの、又はP H Stahl and C G Wermuth, editors, Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection and Use, Second Edition Stahl/Wermuth: Wiley- VCH/VHCA, 2011(http://www.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-3906390519.htmlを参照)に列挙されているものを含む。
塩は、式(I)の化合物の最終的な単離及び精製中にその場で調製され得る。あるいは、塩は、無機酸又は有機酸で処理することを含む、当技術分野で公知の方法によって調製することもできる。
式(I)の化合物が2つ以上の塩基性部分を含有する場合、塩形成の化学量論組成は、1当量、2当量、又はそれ以上の酸を含んでいてもよいことが理解されるであろう。このような塩は、1、2、又はそれ以上の酸対イオンを含有するであろう(例えば二塩酸塩)。
例えば、対イオンが1超の酸性プロトンを含有する場合の準化学量論的塩を含む、式(I)の化合物の薬学的に許容し得る塩の化学量論的及び非化学量論的な形態は、本発明の範囲内に含まれる。
最後の脱保護段階の前に作製され得る、第1の態様で定義された化合物の特定の保護された誘導体は、それ自体は薬理学的活性を有していない場合もあるが、特定の実施形態では、経口的又は非経口的に投与され、その後体内で代謝されて、薬理学的に活性のある、第1の態様で定義された化合物を形成することができることを、当業者であれば理解するであろう。したがって、このような誘導体は、「プロドラッグ」と記載される場合もある。第1の態様で定義された化合物の保護された誘導体及びプロドラッグは全て、本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物のための好適なプロドラッグの例は、Drugs of Today, Volume 19, Number 9, 1983, pp 499 - 538、及びTopics in Chemistry, Chapter 31, pp 306 - 316、及び“Design of Prodrugs” by H. Bundgaard, Elsevier, 1985, Chapter 1に記載されている(これら文書における開示は、参照により本明細書に組み入れられる)。更に、第1の態様において定義された化合物内に適切な官能基が存在する場合、そのような官能基に、当業者には「プロ部分」として知られている特定の部分(例えば、“Design of Prodrugs”(この文書における開示は、参照により本明細書に組み入れられる)においてH. Bundgaardによって記載されているもの)を配置してもよいことを、当業者であれば理解するであろう。したがって、更なる態様において、本発明は、第1の態様で定義された化合物のプロドラッグを提供する。
第1の態様で定義された化合物、その薬学的に許容し得る塩又はプロドラッグは、溶媒和又は水和の形態で存在していてもよい。したがって、更なる態様では、本発明は、第1の態様で定義された化合物、又はその薬学的に許容し得る塩の溶媒和物若しくは水和物を提供する。
第1の態様で定義された化合物、その薬学的に許容し得る塩、又は溶媒和物若しくは水和物は、1つ以上の多形の形態で存在していてもよい。したがって、更なる態様では、本発明は、第1の態様で定義された化合物又はその薬学的に許容し得る塩の多形、あるいは第1の態様で定義された化合物又はその薬学的に許容し得る塩の、溶媒和物若しくは水和物の多形を提供する。
以下、第1の態様で定義された化合物、その塩及びプロドラッグ、任意の塩又はプロドラッグの任意の溶媒和物又は水和物、並びに任意の化合物、塩、溶媒和物、又は水和物の任意の多形を「本発明の化合物」と呼ぶ。「本発明の化合物」という用語は、第1の態様について記載された全ての実施形態も含む。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有している場合があるので、いくつかの立体異性体形態で存在し得る。立体異性体及びその混合物は全て、本発明の範囲に含まれる。ラセミ化合物は、分取HPLC又は分取SFCとキラル固定相を有するカラムとを用いて分離することもでき、当業者に公知の方法を利用して分割し、個々の鏡像異性体を得ることもできる。更に、ラセミ中間体化合物を分割し、本発明のキラル化合物を調製するために使用してもよい。更に、本発明のキラル化合物は、キラル合成により調製することもできる。
一実施形態では、式(I)の化合物は、(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000008

又はその薬学的に許容し得る塩である。
一実施形態では、式(I)の化合物は、(S)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000009

又はその薬学的に許容し得る塩である。
本発明の化合物は、1つ以上の互変異性体形態で存在していてもよい。互変異性体及びその混合物は全て、本発明の範囲に含まれる。例えば、2-ヒドロキシキノリニルに関する請求項は、その互変異性体形態であるα-キノリノニルも包含するであろう。
本発明はまた、本発明の化合物の全ての好適な同位体変化型を含む。本発明の化合物の同位体変化型とは、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが、自然界に通常見られる原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置換されているものと定義される。本発明の化合物に取り込むことができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、及び塩素の同位体を含み、例えば、それぞれ、H、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、及び36Cl等である。本発明の特定の同位体変化型、例えば、H又は14C等の放射性同位体が組み込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織分布研究において有用である。トリチウム化、すなわちH及び炭素-14、すなわち14Cの同位体は、調製が容易であり、検出可能であるため特に好ましい。更に、ジュウテリウム、すなわちH等の同位体で置換すると、より高い代謝安定性から得られる特定の処置上の利点、例えば、in vivoにおける半減期の延長又は投与量要件の低減等を与えることができるので、状況によっては好ましい場合がある。本発明の化合物の同位体変化型は、一般に、好適な試薬の適切な同位体変化型を用い、従来の手順、例えば、例示的な方法によって、又は以下の実験の章に記載される調製によって、調製することができる。
本発明の化合物は、様々な方法で調製することができる。以下の反応スキーム及び下記において、R~Rは、特に断りのない限り、第1の態様で定義された通りである。これらプロセスは、本発明の更なる態様を形成する。
本明細書全体を通して、一般式は、ローマ数字(I)、(II)、(III)、(IV)等で表記される。これら一般式のサブセットは、(Ia)、(Ib)、(Ic)等...(IVa)、(IVb)、(IVc)等と定義される。
一般式(I)の化合物は、反応スキーム1に従って式(II)の化合物から調製することができる。好適な反応条件は、式(II)の化合物を低温(例えば-78℃)において塩化水素ガスで処理し、続いて、メタノールアンモニアで処理することを含む。
Figure 0007317866000010
式(I)の化合物の塩酸塩は、式(I)の化合物をメタノール塩酸で処理することによって調製することができる。
一般式(II)の化合物は、反応スキーム2に従って一般式(III)の化合物から調製することができる。好適な反応条件は、式(III)の化合物を、1,4-ジオキサン中、130℃で5,5,5’,5’-テトラメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボリナン)、酢酸カリウム、及びPdCl2(dppf)と混合することを含む。
Figure 0007317866000011
一般式(III)の化合物は、反応スキーム3に従って一般式(IV)の化合物から調製することができる。好適な条件は、エタノール中水素化ホウ素ナトリウムで処理することを含む。
Figure 0007317866000012
式(IIIa)の化合物、すなわち、ヒドロキシ基に結合している炭素原子がキラルである一般式(III)の化合物は、スキーム4に示す3段階手順に従って調製することができる。適切な不斉水素化剤で処理して、鏡像異性的に濃縮されたアルコールの混合物(IIIb)を与える。(IIIb)をキラル酸(V)で処理して、クロマトグラフィー又は結晶化によって分離することができるエステル(VI)のジアステレオマー混合物を与える。脱エステル化により、所望のキラルアルコール(IIIa)が出現する(reveals)。
Figure 0007317866000013
式(IV)の化合物は、いくつかの方法を介して調製することができる。例えば、式(IV)の化合物は、反応スキーム5に従って式(VII)及び(VIII)の化合物から調製することができる。好適な反応条件は、(VII)、(VIII)、キサントホス、Pd2(dba)3、及び塩基(例えば、ナトリウムtert-ブトキシド又は炭酸セシウム)の乾燥1,4-ジオキサン溶液を、高温で加熱することを含む。
Figure 0007317866000014
あるいは、式(IV)の化合物は、反応スキーム6に従って式(IX)及び(X)の化合物から調製することもできる。好適な条件は、THF中NaHMDSで処理することを含む。
Figure 0007317866000015
式(Xa)の化合物、すなわち、Rが3-クロロベンジルオキシ又は3-ピリジルメトキシである一般式(X)の化合物は、反応スキーム7に従って式(XI)の化合物から調製することができる。好適な条件は、3-クロロベンジルアルコール又は3-ピリジルメチルアルコール(それぞれ)を、好適な溶媒(例えば、DMF)中低温(例えば、0℃)にて水素化ナトリウムで処理し、続いて、好適な溶媒中の(XI)を滴下することを含む。
Figure 0007317866000016
化合物(XI)は、反応スキーム8に従って式(XII)の化合物から調製することができる。好適な反応条件は、(XII)、シアン化亜鉛、テトラメチルエチレンジアミン、Pd2(dba)3、及びキサントホスを高温(例えば、120℃)で反応させることを含む。
Figure 0007317866000017
化合物(XII)は、反応スキーム9に従って化合物(XIII)から調製することができる。好適な反応条件は、好適な溶媒(例えば、THF)中、(XIII)を0℃で塩化メチルマグネシウムと反応させることを含む。
Figure 0007317866000018
化合物(XIII)は、反応スキーム10に従って化合物(XIV)から調製することができる。好適な反応条件は、(XIV)を塩化オキサリル/DMFと反応させて対応する塩化アシルを形成し、続いて、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩及びトリメチルアミンと反応させることを含む。
Figure 0007317866000019
化合物(XIV)は、当技術分野において公知であり、市販されている。
あるいは、式(Xa)の化合物は、反応スキーム11に従って化合物(XV)から調製することもできる。好適な条件は、トリフェニルホスフィン及び(E)-ビス(2-メトキシエチル)ジアゼン-1,2-ジカルボキシラートの存在下で(XV)を3-クロロベンジルアルコール若しくは3-ピリジルメチルアルコールと反応させるか、又は、例えば炭酸カリウム等の塩基の存在下で、(XV)を3-クロロベンジルブロミド若しくは3-ピリジルメチルブロミドと反応させることを含むアルキル化条件を介することを含む。
Figure 0007317866000020
化合物(XV)は、反応スキーム12に従って化合物(XVI)から調製することができる。好適な反応条件は、(XVI)をジメチルアセトアミド中高温(例えば、140℃)にてフェロシアン化カリウム三水和物、炭酸ナトリウム、及び酢酸パラジウム(II)で処理することを含む。
Figure 0007317866000021
化合物(XVI)は、当技術分野において公知であり、市販されている。
本発明の化合物は、KLK-5経路によって媒介される疾患又は病態の処置において有用であり得る。
本明細書で使用するとき、疾患又は病態についての「治療する」、「治療すること」、又は「治療」とは、(1)疾患若しくは病態、又は該疾患若しくは病態の生物学的徴候のうちの1つ以上を寛解させること、(2)(a)疾患若しくは病態につながる、又は該疾患若しくは病態に関与する生物学的カスケードにおける1つ以上のポイント、あるいは(b)疾患若しくは病態の生物学的徴候のうちの1つ以上に干渉すること、(3)疾患又は病態に関連する症状又は作用のうちの1つ以上を緩和すること、(4)疾患若しくは病態、又は疾患又は病態の生物学的徴候のうちの1つ以上の進行を遅らせること、及び/あるいは(5)疾患若しくは病態、又は疾患若しくは病態の生物学的徴候の重症度(severity)の可能性を減少させることを意味する。
本発明の化合物は、通常(ただし必ずではない)、適切な経路で患者に投与する前に医薬組成物に製剤化される。したがって、別の態様では、本発明は、本発明の化合物及び1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本明細書で使用するとき、「薬学的に許容し得る賦形剤」とは、本発明の化合物以外の、医薬組成物又は剤形中に存在する任意の薬学的に許容し得る材料を意味する。典型的には、該材料は、医薬組成物に形態、稠度、及び性能を与える。
本発明の医薬組成物は、典型的には、1つの本発明の化合物を含有する。しかし、特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、1つを超える本発明の化合物を含有する。更に、本発明の医薬組成物は、1つ以上の追加の薬学的に活性な化合物を含んでいてもよい。
本発明のこのような医薬組成物は、安全且つ有効な量の本発明の化合物を調剤することができるバルク形態で調製及び包装され、次いで、散剤又はシロップ剤等で患者に与えられてよい。あるいは、本発明の医薬組成物は、物理的に別個の各剤形が安全且つ有効な量の本発明の化合物を含有する剤形として調製及び包装されてもよい。したがって、別の態様では、本発明は、本発明の医薬組成物を含む剤形を提供する。各別個の剤形は、典型的には、本発明の化合物 0.1mg~3000mgを含有する。
本発明の組成物は、典型的には、所望の投与経路による患者への投与に適合した剤形に製剤化される。例えば、剤形としては、(1)錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、ロゼンジ剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、液剤、乳剤、サシェ剤、及びカシェ剤等の経口投与;(2)滅菌液剤、懸濁剤、植込錠、及び再構成用の粉末等の非経口投与;(3)経皮パッチ等の経皮投与;(4)座剤、膣坐剤、フォーム剤等の直腸内及び膣内への投与;(5)乾燥散剤、エアゾール剤、懸濁剤、及び液剤(スプレー剤及び滴下剤)等の吸入及び経鼻;(6)クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、液剤、ペースト剤、スプレー剤、フォーム剤、及びゲル剤等の局所投与;(7)ロゼンジ剤、パッチ剤、スプレー剤、滴下剤、チューインガム、及び錠剤等の頬側及び舌下への投与に適合したものが挙げられる。
好適な薬学的に許容し得る賦形剤は、選択された具体的な剤形に応じて異なる。更に、好適な薬学的に許容し得る賦形剤は、それが組成物中で発揮し得る具体的な機能について選択してよい。例えば、特定の薬学的に許容し得る賦形剤は、均一な剤形の製造を容易にする能力について選択され得る。特定の薬学的に許容し得る賦形剤は、安定な剤形の製造を容易にする能力について選択され得る。特定の薬学的に許容し得る賦形剤は、患者に投与されたときの、本発明の化合物の身体のある器官又は部分から身体の別の器官又は部分への運搬又は輸送を容易にする能力について選択され得る。特定の薬学的に許容し得る賦形剤は、患者のコンプライアンスを高める能力について選択され得る。特定の薬学的に許容し得る賦形剤は、病態を処置するのに適切な速度で本発明の化合物の放出させるのを容易にする能力について選択され得る。
好適な薬学的に許容し得る賦形剤としては、以下の種類の賦形剤が挙げられる:希釈剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、コーティング剤、湿潤剤、溶媒、共溶媒、懸濁剤、乳化剤、甘味料、着香剤、匂いマスキング剤、着色剤、固化防止剤、保水剤、キレート剤、可塑剤、増粘剤、速度調節剤、酸化防止剤、防腐剤、安定剤、界面活性剤、及び緩衝剤。当業者は、特定の薬学的に許容し得る賦形剤が1超の機能を発揮し得、また製剤中に存在する賦形剤の量がどの程度か及び製剤中に存在する他の成分が何であるかに応じて、別の機能を発揮し得ることを理解するであろう。
当業者は、本発明の化合物と共に使用するのに適切な量の、好適な薬学的に許容し得る賦形剤を決定することができる、当技術分野における知識及び技能を有している。更に、薬学的に許容し得る賦形剤について記載しており、好適な薬学的に許容し得る賦形剤を選択するのに有用であり得る、当業者が利用可能な多くの資源が存在する。例としては、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)、The Handbook of Pharmaceutical Additives (Gower Publishing Limited)、及びThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。本発明の医薬組成物は、当業者に公知の技術及び方法を用いて調製することができる。当技術において一般的に使用されている方法のいくつかは、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)に記載されている。
一実施形態では、剤形は、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、液剤、ペースト剤、スプレー剤、フォーム剤、及びゲル剤等の、局所投与に適合しているものである。
局所投与に好適な製剤は、皮膚への投与に好適なリニメント剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、及びペースト剤等の、皮膚を通して炎症部位に浸透するのに好適な液体又は半液体の調製品を含む。
本発明に係るローションは、皮膚への塗布に好適なものを含む。皮膚に塗布するためのローション剤又はリニメント剤は、乾燥を促進し、皮膚を冷却するための薬剤、例えば、アルコール若しくはアセトン、及び/又はグリセロール等の保湿剤、又はヒマシ油若しくはラッカセイ油等の油を含み得る。
本発明に係るクリーム剤、軟膏剤、又はペースト剤は、外用するための活性成分の半固体製剤である。これらは、微粉化又は粉末化された形態の活性成分を、単独で、又は水性若しくは非水性流体中の溶液若しくは懸濁液として、好適な機械を用いて、脂肪性又は非脂肪性の基剤と混合することによって製造することができる。基剤は、硬質、軟質、又は流動パラフィン等の炭化水素、グリセロール、蜜蝋、金属石鹸;植物粘液質(mucilage);アーモンド油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、又はオリーブ油等の天然由来の油;羊毛脂若しくはその誘導体、又はステアリン酸若しくはオレイン酸(steric or oleic acid)等の脂肪酸を、プロピレングリコール等のアルコール又はマクロゲルと共に含み得る。製剤には、ソルビタンエステル又はそのポリオキシエチレン誘導体等のアニオン性、カチオン性、又は非イオン性の界面活性剤等の、任意の好適な表面活性剤を組み込んでもよい。また、天然ガム等の懸濁剤、セルロース誘導体、又は珪質(silicaceous)シリカ等の無機物、及びラノリン等の他の成分を含んでいてもよい。
局所投与の場合、本発明の化合物は、製剤の0.001%w/w~10%w/w、例えば1重量%~2重量%を構成し得る。しかし、製剤の最大10%w/wを構成してもよいが、好ましくは、5%w/w未満、より好ましくは、0.1%~3%w/wを構成する。
本発明は、以下の更なる態様を含むことが理解されるであろう。上述の疾患及び病態は、適切であれば、これら更なる態様にも及ぶ。更に、第1の態様に関連して上で定義された実施形態は、これら更なる態様にも及ぶ。
i)KLK-5経路によって媒介される疾患又は病態を処置するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用。一実施態様では、該疾患又は状態は、ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒からなる群から選択される。
ii)有効量の本発明の化合物を投与することを含む、ヒトにおけるKLK-5受容体によって媒介される疾患又は病態を処置する方法。一実施態様では、該疾患又は状態は、ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒からなる群から選択される。
iii)a)本発明の化合物及びb)1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物。
iv)a)本発明の化合物 0.05~3000mg及びb)1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤 0.1~100gを含む医薬組成物。
v)KLK-5経路によって媒介される疾患又は病態を処置するための医薬組成物。一実施態様では、該疾患又は状態は、ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒からなる群から選択される。
vi)治療において使用するための本発明の化合物。
vii)KLK-5経路によって媒介される疾患又は病態の処置において使用するための、本発明の化合物。一実施態様では、該疾患又は状態は、ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒からなる群から選択される。
支持化合物(supporting compounds)
本発明の化合物および中間体は、a)ACD/Name PRO 6.02化学命名ソフトウェア(Advanced Chemistry Development Inc., Toronto, Ontario, M5H2L3, Canada);又はb)MarvinSketch.NET.5.11.4(ChemAxon Kft. Zahony u. 7, Building HX 1031 Budapest, Hungary)のいずれかを使用して命名された。
略称
ACN - アセトニトリル
CHAPS - コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート)
DMAP - N,N-ジメチルピリジン-4-アミン
DMF - N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO - ジメチルスルホキシド
DMAP - 4-ジメチルアミノピリジン
EDC - 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
ES - エレクトロスプレー
GCMS - ガスマトグラフィー-質量分析
HPLC - 高圧液体クロマトグラフィー
IPA - イソプロピルアルコール
LCMS - 液体クロマトグラフィー-質量分析
MS - 質量分析
rt - 保持時間
SFC - 超臨界流体クロマトグラフィー
TFA - トリフルオロ酢酸;
THF - テトラヒドロフラン
UPLC - 超高性能液体クロマトグラフィー
LCMS法:
方法1:
分析HPLCは、X-Select CSH C18 XPカラム(2.5μm 30×4.6mm id)にて、水中0.1% ギ酸(溶媒A)及びアセトニトリル中0.1% ギ酸(溶媒B)で、以下の溶出勾配:0~3分:5%→100% B、3~4分:100% Bを使用して溶出して、40℃において流速1.8mL/分で実施した。質量スペクトル(MS)は、Waters ZQ質量分析計(スキャン200~900uma)にて、20Vコーン電圧で、エレクトロスプレー陽イオン化[ES+、MH+分子イオンを与える]、又はエレクトロスプレー陰イオン化[ES-、(M-H)-分子イオンを与える]モードを使用して記録した。
方法2:
分析HPLCは、X-Select CSH C18 XPカラム(2.5μm 30×4.6mm id)にて、水中0.1% ギ酸(溶媒A)及びアセトニトリル中0.1% ギ酸(溶媒B)で、以下の溶出勾配:0~6分:5%→100% B、6~7分:100% Bを使用して溶出して、40℃において流速1.8mL/分で実施した。質量スペクトル(MS)は、Waters ZQ質量分析計(スキャン200~900uma)にて、20Vコーン電圧で、エレクトロスプレー陽イオン化[ES+、MH+分子イオンを与える]、又はエレクトロスプレー陰イオン化[ES-、(M-H)-分子イオンを与える]モードを使用して記録した。
Figure 0007317866000022

Figure 0007317866000023
Figure 0007317866000024
Figure 0007317866000025
Figure 0007317866000026
支持化合物/中間体
以下の手順では、典型的には、各出発物質の後に中間体に言及される。これは単に、化学分野の当業者を支援するために提供されるものである。出発物質は、必ずしも言及されるバッチから調製されたものでなくてもよい。
化合物1
4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド塩酸塩
Figure 0007317866000027

4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体1、150mg、0.354mmol)を封管内のエタノール(20mL)に溶解させ、-78℃まで冷却した。この溶液に塩化水素(g)を10分間ゆっくりと吹き込んだ。反応物を周囲温度まで上昇させ、その温度で一晩静置した。得られた溶液を、30℃で加熱した水浴を用いて減圧下で濃縮した。イミダートをメタノールアンモニア(7N、過剰)に溶解させ、封管内で一晩撹拌した。反応物を減圧下で濃縮し、残渣を水、メタノール、及び酢酸エチルに取り、副生成物を排除した。残留白色粉状物を塩酸(1M)に溶解させ、減圧下で濃縮した。残渣を減圧下、40℃で3時間乾燥させて、表記化合物(20mg)を与えた。1H NMR (D6-DMSO): δH 9.26 (s, 2H), 9.12 (s, 2H), 8.91 (s, 1H), 8.78 (d, J = 4.6Hz, 1H), 8.31 (d, J = 7.2Hz, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.80 (d, J = 6.6Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.49 (m, 2H), 7.29 (d, J = 8.0Hz, 1H), 5.41 (m, 3H), 3.27 (m, 1H), 3.18 (m, 1H). LCMS:保持時間1.59分、MH+442(方法1)。
中間体1
4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000028

4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-ヒドロキシエチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体2、200mg、0.419mmol)5,5,5’,5’-テトラメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボリナン)(284mg、1.257mmol)、及びPdCl2(dppf)(3.68mg、5.03μmol)を、封管内の1,4-ジオキサン(15mL)中で混合した。この懸濁液を脱気し、窒素でバックフィルした。酢酸カリウム(82mg、0.838mmol)を添加し、反応容器を密閉し、マイクロ波照射下、130℃で25分間加熱した。反応混合物をセライト床で濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣を40gシリカカラムに直接ロードし、シクロヘキサン中0→30%(酢酸エチル/エタノール3:1)で溶出した。適切な画分を合わせ、減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリルに取り、濾過して、表記化合物を白色の固形物(150mg)として与えた。1H NMR (D6-DMSO): δH 9.15 (s, 1H), 8.74 (d, J = 1.7Hz, 1H), 8.60 (dd, J = 4.7Hz, J = 1.5Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.93 (dt, J = 7.8Hz, J = 1.9Hzx2, 1H), 7.80 (m, 2H), 7.56 (m, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.26 (d, J = 8.0Hz, 1H), 5.38 (m, 3H), 3.25 (m, 1H)を含む. LCMS:保持時間2.46分、MH+425(方法1)。
中間体2
4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-ヒドロキシエチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000029

4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体3、480mg、1.010mmol)のエタノール溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(38.2mg、1.01mmol)を添加し、反応物を20℃で1時間撹拌した。実験を塩酸(1M)でクエンチした。混合物を周囲温度で5分間撹拌した後、pHが8に達するまで水酸化ナトリウム溶液(1M)を添加した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空中で濃縮した。残渣を40gシリカカラムにロードし、シクロヘキサン中0→30%(酢酸エチル/エタノール3:1)の勾配で溶出した。適切な画分を合わせ、真空中で濃縮して、表記化合物をクリーム色の固形物(200mg)として与えた。1H NMR (D6-DMSO): δH 8.72 (d, J = 1.7Hz, 1H), 8.59 (dd, J = 4.8Hz, J = 1.6Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.91 (dt, J = 7.9Hz, J = 1.9Hz x2, 1H), 7.71 (m, 2H), 7.53 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 7.9Hz, J = 4.8Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.08 (d, J = 8.0Hz, 1H), 5.77 (d, J = 5.1Hz, 1H), 5.35 (d, J = 11.8Hz, 1H), 5.28 (d, J = 12.0Hz, 1H), 3.08 (m, 2H).LCMS:保持時間2.55分、MH+477/479(方法1)。
中間体3
4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000030

等分量の2本の封管(それぞれに4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル 450mg)内で反応を実施した。2-ブロモ-1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1391mg、3.57mmol)、4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体4、900mg、3.57mmol)、キサントホス(74.3mg、0.128mmol)、Pd2(dba)3(49.0mg、0.054mmol)、及びナトリウムtert-ブトキシド(1029mg、10.70mmol)の乾燥1,4-ジオキサン(8mL)溶液を、Biotage Initiatorマイクロ波中、80℃で60分間加熱した。反応物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空中で濃縮した。残渣を80gシリカカラムにロードし、シクロヘキサン中0→20%(酢酸エチル/エタノール3:1)の勾配で溶出した。適切な画分を合わせ、真空中で濃縮して、表記化合物をクリーム色の固形物(510mg)として与えた。1H NMR (D6-DMSO): δH 8.75 (s, 1H), 8.60 (d, J = 3.8Hz, 1H), 8.03 (m, 2H), 7.94 (m, 2H), 7.86 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.80 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.66 (d, J = 7.8Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 7.6 Hz, J = 4.9Hz, 1H), 5.49 (s, 2H), 4.80 (s, 2H).LCMS:保持時間2.71分、MH+475/477(方法1)。
中間体4
4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000031

4-アセチル-2-ヒドロキシベンゾニトリル(中間体5、1000mg、6.21mmol)をピリジン-3-イルメタノール(745mg、6.83mmol)、トリフェニルホスフィン(2441mg、9.31mmol)、及び(E)-ビス(2-メトキシエチル)ジアゼン-1,2-ジカルボキシラート(2180mg、9.31mmol)に添加した。反応物を20℃で3日間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、水酸化ナトリウム(1N)溶液及び水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣を80gシリカカラムにロードし、シクロヘキサン中0→20%(酢酸エチル/エタノール3:1)の勾配で溶出した。適切な画分を合わせ、真空中で濃縮して、表記化合物を白色の固形物(900mg)として与えた。1H NMR (D6-DMSO): δH 8.74 (s, 1H), 8.60 (d, J = 3.4Hz, 1H), 7.95 (m, 2H), 7.79 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 7.7Hz, J = 4.8Hz, 1H), 5.45 (s, 2H), 2.66 (s, 3H).LCMS:保持時間1.48分、MH+253(方法1)。
中間体5
4-アセチル-2-ヒドロキシベンゾニトリル
Figure 0007317866000032

不活性条件下で、フェロシアン化カリウム三水和物(1.179g、2.79mmol)及び炭酸ナトリウム(1.971g、18.60mmol)を微粉末に粉砕し、60℃で3時間、真空下で乾燥させた。フラスコに1-(4-ブロモ-3-ヒドロキシフェニル)エタノン(2g、9.30mmol)、ジメチルアセトアミド(20mL、9.30mmol)、及びフェロシアン化カリウム/炭酸ナトリウム混合物を仕込み、次いで、排気し、窒素(×2)を充填した。酢酸パラジウム(II)(0.104g、0.465mmol)を添加し、反応物を140℃で2時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈した。得られたスラリーを濾過し、濾液を酢酸エチルで洗浄した。塩酸(1M)を濾液に添加し、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。この溶液を活性炭(charcoal)で処理し、シリカ床で濾過して黄色の液状物を与えた。溶媒を蒸発させ、残った淡黄色の固形物(1.1g)を、更に精製することなく次の反応に使用した。1H NMR (D6-DMSO): δH 11.48 (s, 1H), 7.79 (d, J= 8.0Hz, 1H), 7.50 (m, 2H), 2.58 (s, 3H).LCMS:保持時間1.73分、MH+160(方法1)。
化合物2
(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド塩酸塩
Figure 0007317866000033
(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド(化合物3、21g、47.51mmol)の撹拌されているメタノール(42mL)懸濁液に、不活性雰囲気下、0℃でメタノール中4N HCl(42mL)を添加した(透明な溶液が観察された)。30分間撹拌した後、減圧下でメタノールを蒸発させ、残渣を9日間凍結乾燥した。残渣をアセトニトリル(200mL)中で24時間撹拌し、濾過により固形物を単離した。固形物をメタノール(50mL)に溶解させ、ジエチルエーテル(800mL)をゆっくりと加えた。濾過及び48時間の凍結乾燥によって固形物を単離して、表記化合物(20.3g;99.4% ee)をオフホワイトの固形物として与えた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.25 (br s, 2 H; D2O exchangeable), 9.16 (br s, 2 H; D2O exchangeable), 8.93 (s, 1 H), 8.78 (d, J = 5.0 Hz, 1 H), 8.36 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 8.08 (s, 1 H), 7.88 - 7.75 (m, 2 H), 7.58 (d, J = 7.7 Hz, 1 H), 7.52 - 7.44 (m, 2 H), 7.28 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 5.45 - 5.34 (m, 3 H), 3.33 - 3.23 (m, 1 H), 3.21 - 3.11 (m, 1 H).LCMS(ESI):保持時間2.45分、MH+442;99.3%(方法N)。UPLC:保持時間3.56分、98.90%(方法C)。キラルHPLC:保持時間3.77分、99.71%(方法C)。SOR=+80.42(c=0.5、MeOH中)。
化合物3
(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000034

新たに調製したアンモニアのメタノール溶液(溶液中約7M;1.5L)を、0℃で粗メチル(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミダート(中間体6、50g)に添加した。反応物を室温で撹拌した。24時間後、アンモニアのメタノール水溶液(500mL)を添加し、室温で48時間撹拌した。濾過により固形物を単離し、アンモニアのメタノール溶液(300mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。固形物を水(1L)に取り、3時間撹拌した。固形物を濾別し、真空下で乾燥させて、表記化合物(21g)をオフホワイトの固形物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6; VT-90 °C): δ ppm 8.69 (s, 1 H), 8.54 - 8.53 (d, J = 3.5 Hz, 1 H), 8.04 (s, 1 H), 7.86 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.71 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 7.51 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.47 - 7.34 (m, 2 H), 7.29 (s, 1 H) 7.10 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 5.30 (dd, J = 10.1, 3.7 Hz, 1 H), 5.21 (s, 2 H), 3.19 - 3.29 (m, 1 H), 3.14 - 3.09 (m, 1 H). LCMS(ESI):保持時間3.60分;MH+442;95.5%(方法M)。UPLC:保持時間3.63分、97.88%(方法C)。
中間体6
メチル(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミダート
Figure 0007317866000035

(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体7、40g、94.33mmol)の撹拌されているメタノール(1.6L)溶液を、完全な飽和が観察されるまで、-10℃で乾燥HClガスをパージした(乾燥HClガスを~9時間パージした)。反応物を室温で16時間撹拌した。反応溶液を不活性雰囲気条件下、減圧下(~35℃未満)で濃縮して、粗表記化合物(50g)を淡黄色の粘着性固形物として与え、これをそのまま次の反応に供した。LCMS(ESI):保持時間1.46分;MH+457;78.2%(方法K)。
中間体7
(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000036

(R)-4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-ヒドロキシエチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体8、125g、0.262mol)及びビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン(296g、1.31mol)の、撹拌されている脱気1,4-ジオキサン(3.125L、25vol)溶液に、tert-ブチルジフェニルホスフィン(6.48g、26.2mmol)及びPd(OAc)2(8.82g、13.10mmol)を逐次添加し、混合物を10分間脱気した。最後に、酢酸カリウム(103g、1.048mol)を添加し、混合物を10分間脱気した。反応物を75℃で3時間撹拌した。酢酸エチル(2.5L)を用い、セライトパッドを通して反応混合物を濾過した。濾液を水(5×2L)、ブライン(2×2L)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、12時間放置した。沈殿した固形物を濾過により単離し、真空下で乾燥させて、表記化合物(純度96%) 85gをオフホワイトの固形物として与えた。
Pdスカベンジャー処理:酢酸エチル(3L)中3% メタノール中の、(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(106g)の透明な溶液に、65℃で、Siliamet(登録商標)-DMT(10.6g;0.1w/w)を添加し、同温度で3時間撹拌した。得られた高温の不均一混合物を、セライトパッドで濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をアセトニトリル(1L)中で一晩撹拌し、濾過により固形物を単離し、乾燥させて、表記化合物(85g)をオフホワイトの固形物として与えた。
HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.12 (s, 1 H), 8.73 (s, 1 H), 8.59 (d, J = 4.6 Hz, 1 H), 8.06 (s, 1 H), 7.92 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.79 - 7.77 (m, 2 H), 7.54 (s, 1 H), 7.51 - 7.44 (m, 2 H), 7.26 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 5.42 - 5.30 (m, 3 H), 3.28 - 3.22 (m, 1 H), 3.17 - 3.09 (m, 1 H). LCMS(ESI):保持時間1.87分;MH+425;99.63%(方法K)。UPLC:99.15%保持時間4.48分(方法C)。キラルHPLC:99.99%保持4.28分(方法B)。
中間体8
(R)-4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-ヒドロキシエチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000037

(R)-2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(4-シアノ-3-(ピリジン-3-イルメトキシ)フェニル)エチル(S)-2-アセトキシ-2-フェニルアセテート(中間体9、230g、352.2mmol)の撹拌されているメタノール(2.3L)溶液に、炭酸カリウム(24.3g、176mmol)を添加し、反応混合物を35℃で30分間撹拌した。反応溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(2.5L)に溶解させ、水(2L)、ブライン(2L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をn-ペンタン(500mL)を用いて1時間トリチュレートし、濾過により固形物を単離し、真空下で乾燥させて、表記化合物(155g、92%収率;99.35% ee)を淡黄色の固形物として与えた。1HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 8.71 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.58 (dd, J = 4.7, 1.4 Hz, 1 H), 7.95 (s, 1 H), 7.91 - 7.89 (m, 1 H), 7.74 - 7.65 (m, 2 H), 7.52 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.48 - 7.46 (m, 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.08 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 5.75 (br s, 1 H), 5.37 - 5.25 (m, 2 H), 4.93 (br s, 1 H), 3.12 - 3.06 (m, 2 H). LCMS(ESI):保持時間2.27分;MH+477;98.62%(方法B)。キラルHPLC:99.67%、保持時間9.13分(方法A)。
中間体9
(R)-2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(4-シアノ-3-(ピリジン-3-イルメトキシ)フェニル)エチル(S)-2-アセトキシ-2-フェニルアセタート
Figure 0007317866000038

(R)-4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-ヒドロキシエチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体10、300g、0.628mol)の撹拌されているTHF(3L)溶液に、室温で(S)-(+)-O-アセチル-マンデル酸(220g、1.132mol)、EDC.HCl(264g、1.382mol)、及びDMAP(23g、188.6mmol)を添加し、4時間撹拌を続けた。反応物を酢酸エチル(2L)で希釈し、水(2×2L)、ブライン(2L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。石油エーテル中45% 酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ100~200メッシュ)によって残渣を精製して、ジアステレオマー混合物(340g)を淡黄色の固形物として与えた。HPLC:所望のジアステレオマー61.8%(保持時間5.85分、方法C)及び他のジアステレオマー18.9%(保持時間5.74分、方法C)。イソプロパノール(10.2L、30体積)中のジアステレオマー混合物(340g)を68℃で加熱して、透明な溶液を得た。次いで、溶液を室温に冷却し、所望の生成物(前のバッチから得られた)を用いて種晶添加を行い(seeded)、18時間放置した。沈殿した固形物を濾過により単離し、イソプロパノール(3×300mL)、n-ペンタン(3×300mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、ジアステレオマー的に純粋な表記化合物(190g)を淡黄色の固形物として与えた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 8.73 (s, 1 H), 8.61 - 8.60 (m, 1 H), 7.92 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.84 - 7.76 (m, 2 H), 7.49 (dd, J = 7.7, 4.8 Hz, 1 H), 7.44 - 7.25 (m, 8 H), 7.18 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 6.05 - 6.03 (m, 1 H), 5.94 (s, 1 H), 5.42 - 5.29 (m, 2 H), 3.27 - 3.25 (m, 2 H), 2.07 (s, 3 H). LCMS(ESI):保持時間2.46分、MH+653;97%(方法L)。HPLC:95.67%保持時間5.87分(方法C)。
中間体10
(R)-4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-ヒドロキシエチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000039

DMF:イソプロパノール:H2O(3L:3L:300mL)混合物中の、4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体11、300g、0.632mol)の撹拌されている溶液に、ギ酸カリウム(266g、3.160mol)及びRuCl[(R,R)-Tsdpen]メシチレン(7.08g、11.39mmol)を添加し、反応物を窒素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。イソプロパノールを減圧下で除去した。得られた反応混合物を氷冷水に注いだ。得られたガム状固形物を濾過により単離し、冷水(6×1L)で洗浄し、乾燥させた。得られた遊離固形物をペンタン中10% ジエチルエーテル(3×400mL)で洗浄し、乾燥させて、表記化合物(300g、収率99%、69.27% ee)を黄色の固形物として与えた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 8.71 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.58 (dd, J = 4.7, 1.4 Hz, 1 H), 7.95 (s, 1 H), 7.91 - 7.89 (m, 1 H), 7.74 - 7.65 (m, 2 H), 7.52 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.48 - 7.46 (m, 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.08 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 5.75 (br s, 1 H), 5.37 - 5.25 (m, 2 H), 4.93 (br s, 1 H), 3.12 - 3.06 (m, 2 H). LCMS (ESI): 保持時間 2.21分;MH+477、93.1%(方法B)。キラルHPLC:保持時間16.4分;84.54%(方法A)。
中間体11
4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000040

4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体12、70g、278mmol)及び2-ブロモ-1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(116.3g、333mmol)の撹拌されている1,4-ジオキサン(1.05L)溶液に、炭酸セシウム(181g、556mmol)を添加し、混合物を10分間脱気した。これにキサントホス(8.64g、16.7mmol)を添加し、混合物を10分間脱気した。Pd2(dba)3(7.63g、8.33mmol)を添加し、混合物を10分間脱気した。反応混合物を90℃で4時間加熱した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、酢酸エチル(200mL)で洗浄した。濾液を水(200mL)で希釈し、酢酸エチル(2×1L)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。石油エーテル中40% 酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ100~200メッシュ)によって、得られた粗生成物を精製して、黄色の固形物(55g)を与えた。4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体12、350g、1.38mol)及び2-ブロモ-1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(581.6g、1.66mol)の撹拌されている1,4-ジオキサン(5.25L)溶液に、炭酸セシウム(905.2g、2.77mol)を添加し、混合物を10分間脱気した。これにキサントホス(43.2g、83.3mmol)を添加し、混合物を10分間脱気した。Pd2(dba)3(38.1g、41.6mmol)を添加し、混合物を10分間脱気した。反応混合物を90℃で4時間加熱した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、酢酸エチル(3L)で洗浄した。濾液を水(2L)で希釈し、酢酸エチル(2×4L)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗生成物を、石油エーテル中40% 酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ100~200メッシュ)によって精製して、黄色の固形物(325g)を与えた。固形物を合わせ、ジエチルエーテル(500mL)で洗浄して、表記化合物(370g、合計収率46%)を淡黄色の固形物として与えた。
1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 8.71 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.63 (dd, J = 4.7, 1.2 Hz, 1 H), 7.92 -7.83 (m, 2 H), 7.78 - 7.75 (m, 1 H), 7.73 - 7.69 (m, 1 H), 7.67 (s, 1 H), 7.58 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.40 - 7.34 (m, 2 H), 5.30 (s, 2 H), 4.49 (s, 2 H);LCMS(ESI):保持時間2.25分、MH+475、99.1%(方法K)。
中間体12
4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000041

水素化ナトリウム(鉱油中60%;215g、5.36mol)の撹拌されているDMF(3L)懸濁液に、0℃で、ピリジン-3-イルメタノール(627mL、6.44mol)を30分間かけて滴下した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物に、4-アセチル-2-フルオロベンゾニトリル(中間体13、350g、2.15mol)のDMF(500mL)溶液を0℃で滴下した。次いで、反応物を室温で3時間撹拌した。冷水(7L)を添加した。形成された固形物を濾過により単離し、ジエチルエーテル(2.5L)で洗浄し、真空下で乾燥させて、表記化合物(450g)を淡褐色の固形物として与え、これを更に精製することなく次の反応にそのまま供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 8.71 (s, 1 H), 8.63 - 8.62 (m, 1 H), 7.89 - 7.87 (m, 1 H), 7.72 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.64 (s, 1 H), 7.61 - 7.59 (m, 1 H), 7.38 - 7.36 (m, 1 H), 5.29 (s, 2 H), 2.63 (s, 3 H).LCMS(ESI):保持時間1.78分、MH+253、76%(方法J)。
中間体13
4-アセチル-2-フルオロベンゾニトリル
Figure 0007317866000042

オートクレーブ内で、1-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)エタン-1-オン(450g、2.07mol)の撹拌されているDMF(3.6L)溶液に、シアン化亜鉛(607.5g、5.18mol)、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、342mL、2.07mol)を添加し、混合物をアルゴンで10分間脱気した。これにPd2(dba)3(56.7g、62.1mmol)及びキサントホス(36g、62.1mmol)を添加し、再びアルゴンで10分間脱気した。反応混合物を120℃に加熱し、4時間撹拌した。反応物をセライトパッドで濾過した。濾液を水(6L)で希釈し、酢酸エチル(2×5L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2L)で洗浄し、減圧下で濃縮して、褐色のガム状物として粗生成物を与えた。オートクレーブ内で、1-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)エタン-1-オン(430g、1.98mol)の撹拌されているDMF(3.44L)溶液に、シアン化亜鉛(580.6g、4.95mol)及びテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA、327mL、1.98mol)を添加し、混合物をアルゴンで10分間脱気した。これにPd2(dba)3(54.2g、59.4mmol)及びキサントホス(34.4g、59.4mmol)を添加し、混合物を再びアルゴンで脱気した。反応混合物を120℃に加熱し、4時間撹拌した。反応物をセライトパッドで濾過した。濾液を冷水(5L)で希釈し、酢酸エチル(2×3L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1.5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を与えた。
両バッチの粗物質を合わせ、石油エーテル中酢酸エチル(25→50% 酢酸エチル)の勾配で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ100~200メッシュ)によって精製して、表記化合物(630g、94%)を黄色の固形物として与えた。
1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.84 - 7.80 (m, 1 H), 7.79 - 7.73 (m, 2 H), 2.64 (s, 3 H).GCMS:保持時間7.33分、M163、92%(方法A)。
中間体14
1-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)エタン-1-オン
Figure 0007317866000043

4-ブロモ-3-フルオロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(中間体15、1.17kg、4.46mol)の撹拌されているTHF(11.7L)溶液に、0℃でMeMgCl(3M THF溶液;2.53L、7.59mol)を滴下した。反応物を室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)を滴下することによって、反応混合物をクエンチした。得られた溶液を水(6L)で希釈し、酢酸エチル(2×5L)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。石油エーテル中8% 酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ100~200メッシュ)によって残渣を精製して、表記化合物(890g、91.8%)を淡黄色の固形物として与えた。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.72 - 7.65 (m, 2 H), 7.63 - 7.59 (m, 1 H), 2.59 (s, 3 H).GCMS:保持時間7.38分、M216、96%(方法A)。
中間体15
4-ブロモ-3-フルオロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド
Figure 0007317866000044

4-ブロモ-3-フルオロ安息香酸(1.0kg、4.566mol)の撹拌されているジクロロメタン(5L)溶液に、0℃で塩化オキサリル(587.2mL、6.849mol)を添加し、続いて、0℃で乾燥DMF(20mL、0.02vol)を滴下した。反応物を室温で3時間撹拌した。減圧下及びアルゴン雰囲気下で反応溶媒を蒸発させて、黄色の液状物(1.08Kg)を与え、これを次の反応にそのまま供した。N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.532kg、5.46mol)の撹拌されているジクロロメタン(10L)溶液に、0℃でトリエチルアミン(2.53L、18.19mol)を添加し、反応物を15分間撹拌した。この混合物に、上記で調製した液状物(1.08Kg)のジクロロメタン(1L)溶液を滴下した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(4L)で希釈し、ジクロロメタン(2×4L)で抽出した。合わせた有機抽出物を1N 塩酸(5L)、次いで、飽和NaHCO3溶液(5L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、表記化合物(1.17kg、98%)を淡褐色の液状物として与え、これを更に精製することなく使用した。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 7.61 - 7.59 (m, 1 H), 7.51 -7.49 (m, 1 H), 7.42 - 7.40 (m, 1 H), 3.55 (s, 3 H), 3.36 (s, 3 H);LCMS(ESI):保持時間3.29分、MH+262、93.3%(方法I)。
化合物2(別の調製法)
(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド塩酸塩
Figure 0007317866000045

(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド(化合物3、1.7g、3.85mmol)の撹拌されているメタノール(5mL)溶液に、0℃でメタノール(4mL)中3N HClを添加し、20分間撹拌した。減圧下、25℃で溶媒を蒸発させた。残渣をmilliQ超純水(5mL)に溶解させ、凍結乾燥によって乾燥させた。残留ギ酸のため塩形成を繰り返して、表記化合物をオフホワイトの固形物として与えた(1.745g、100%)。LCMS(ESI):保持時間1.99分、MH+442;99.5%(方法A)。キラルHPLC:保持時間3.67分、e.e.99.85%(方法C)。
化合物3(別の調製法)
(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
Figure 0007317866000046

(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体6、2.6g、5.70mmol)に、0℃でメタノールアンモニア(150mL)を添加した。反応物を室温で24時間撹拌した。反応溶液を、窒素雰囲気下25℃で濃縮した。残渣を分取HPLC(カラム:Atlantis T3 C18(250×19mm、5μ、溶出液:水中0.1% ギ酸(A)/アセトニトリル(B)、勾配:0/10、10/45、12.2/45、13/100、16/100、16.5/10、20/10、流速:18mL/分)によって精製して、表記化合物を白色の固形物(1.7g、63%)として与えた。LCMS(ESI):保持時間1.99分;MH+442;99.1%(方法O)。
中間体6(別の調製法)
メチル(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミダート
Figure 0007317866000047

(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体7、2.5g、5.89mmol)の撹拌されているメタノール(1.6L)溶液を、-10℃にてHClガスで飽和させた。反応物を室温で24時間撹拌した。反応溶液を減圧下及びアルゴン雰囲気下25℃で濃縮して、粗表記化合物(2.7g)を淡黄色の粘着性固形物として与え、これをそのまま次の反応に供した。
LCMS(ESI):保持時間2.06分;MH+457;78%(方法O)。
中間体7(別の調製法)
(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 0007317866000048

4-(2-(2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-ヒドロキシエチル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル(中間体2、5g、10.47mmol)の撹拌されている1,4-ジオキサン(150mL)溶液に、tert-ブチルジフェニルホスフィン(253mg、1.04mmol)を添加し、混合物を脱気した。Pd(OAc)2(352mg、0.52mmol)を添加し、混合物を脱気した。ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン(11.78g、52.38mmol)を添加し、混合物を脱気した。最後に、酢酸カリウム(4.11g、41.9mmol)を添加し、混合物を脱気した。反応物を封管内において75℃で2時間撹拌した。反応混合物をセライトパッドで濾過し、活性炭で処理し、セライトで濾過した。濾液を水(5×2L)、ブライン(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、オフホワイトの固形物としてラセミ化合物(5.2g)を与えた。
この物質を、同様に調製した更なる粗ラセミ化合物 8.0gと合わせた。合わせたサンプルをエーテルで洗浄し、濾過により単離し、乾燥させた(6.13g)。
2つの鏡像異性体をキラルSFC(カラム:CHIRALCEL OD-H 280×4.6mm、5μ、溶媒:CO2 75%、30mmメタノールアンモニア25%、流速:3.0g/分、背圧:100bar、温度:30℃、紫外線検出210nm)によって分離した。サンプルを真空下20℃で蒸留することによって単離した。
ピーク1:(R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル、オフホワイトの固形物(2.5g)、LCMS保持時間2.74分;MH+425;78%(方法O);キラルHPLC保持時間4.27分、99.9% e.e.(方法D)。ピーク2:(S)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリル、オフホワイトの固形物(2.5g)、LCMS保持時間2.73分;MH+425;78%(方法O);キラルHPLC保持時間6.19分、98.9% e.e.(方法D)。
一般的な反応スキーム1~12を用いて、化合物4~8(表を参照)を調製した。化合物4~8は、対応する出発物質から、化合物1~3の調製について記載した手順(又は類似の手順)を用いて調製することもできる。
例えば、化合物4は、(S)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリルから、化合物3(別の調製法)と類似の方法で調製することができる[中間体7(別の調製法)の調製を参照]。
例えば、化合物5は、中間体3の調製において、4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリルを4-アセチル-2-(3-クロロベンズオキシ)ベンゾニトリルに置き換えることにより、化合物1と類似の方法で調製することができる。
例えば、化合物6は、中間体3の調製において、4-アセチル-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンゾニトリルを4-アセチルベンゾニトリルに置き換えることにより、化合物1と類似の方法で調製することができる。
例えば、化合物7は、中間体3の調製において、2-ブロモ-1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンを2-ブロモ-5-クロロ-4-フルオロ-1-ヨードベンゼンに置き換えることにより、化合物1と類似の方法で調製することができる。
例えば、化合物8は、中間体3の調製において、2-ブロモ-1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンを2-ブロモ-1-ヨードベンゼンに置き換えることにより、化合物1と類似の方法で調製することができる。
反応条件、反応時間、及び後処理手順の任意の必要な変形例は、化学分野の当業者にはよく知られているであろう。表中の化合物は、指定されている場合を除き、鏡像異性体のラセミ混合物として単離された。
Figure 0007317866000049
生物学的アッセイ
KLK5タンパク質の調製
BAC-TO-BAC系(INVITROGEN)(pFastBac_hKLK5_6His-Q-FLAG)を用いて、ウイルス感染率1.0のヨトウガ(Spodoptera frugiperda)Super 9昆虫細胞 5Lで発現させた組換えKLK5タンパク質を、組換えバキュロウイルスから生成させた。タンパク質をHYCLONE SFX増殖培地(GE HEALTHCARE)に分泌させ、そこから5mL HISTRAP EXCELカラム(GE HEALTHCARE)に抽出した。カラムを500mM NaCl、20mM Tris pH7.4バッファで洗浄し、250mM NaCl、20mM Tris pH7.4バッファ中の500mM イミダゾールを用いてタンパク質を溶出させた。溶出液を5mL ANTI-FLAG M2 Affinity Gelカラム(SIGMA)で捕捉した。50mM NaCl、20mM Tris-HCl pH7.4バッファ中の0.2mg/mL FLAGペプチド(SIGMA)を用いて、結合したタンパク質から競合によりKLK5を溶出させた。プールされた画分に1M CaCl2を最終濃度2mMになるように添加し、これらを標的タンパク質 1μgあたり0.1Uのエンテロキナーゼ(NOVAGEN)で処理した。タンパク質を室温で約48時間インキュベーションした。次いで、切断されたタンパク質を、20mM MOPS、pH6.8バッファ中の1mL Heparin HP HITRAPカラム(GE HEALTHCARE)で更に精製し、2 0mM MOPS、pH6.8バッファ中100mM NaClで洗浄し、このバッファ中の700mM NaClで溶出させた。KLK5を含有する画分をプールし、分子量カットオフ10000DaのAMICON濃縮器を用いて濃縮した。凍結保護のために、最終濃度50%になるようにグリセロールを添加した。全ての精製は、GE HEALTHCARE製の半自動化されたAKTAシステムを用いて実施した。
カイネティックFLINT KLK5アッセイ
各支持化合物の11点3倍連続希釈液をDMSO中で調製し、これら溶液 50nLを、ECHO555アコースティックディスペンサー(LABCYTE, Sunnnyvale, CA)を用いて黒色LV384ウェルプレート(GREINER BIO-ONE、Stonehouse、UK)に分注した。これにより、最終アッセイ体積 5μL中に10μM~0.5nMの最終アッセイ濃度範囲が得られた。高対照及び低対照のために、DMSO 50nLをそれぞれカラム6及び18に分注した。アッセイプレートを密閉し、必要になるまで4℃で保存した。
ヒトカリクレイン5組換え酵素(KLK5)のアッセイのための条件は、総反応体積 5μL中、100mM リン酸ナトリウム、pH8、1mM CHAPS、7.5nM KLK5酵素(調製については上記を参照)、9μM ペプチド基質((Tos-Gly-Pro-Arg)2[R110].2TFA)であった。
最初に酵素溶液(リン酸ナトリウム、pH8、1mM CHAPS中15nM KLK5) 2.5μLをアッセイプレートの全てのウェル(カラム18を除く)に分注した後、(低対照を生成するため)バッファ 2.5μLをカラム18に分注することによって、アッセイを行った。基質溶液[リン酸ナトリウム、pH8、1mM CHAPS中18μM (Tos-Gly-Pro-Arg)2[R110].2TFA(Cambridge Research Biochemicals)] 2.5μLを全ウェルに添加することにより、反応を開始させた。プレートを直ちに1000rpmに達するまで遠心分離した後、リーダーに移した。全ての添加は、MULTIDROP COMBIディスペンサー(THERMO FISHER SCIENTIFIC)を使用して行った。アッセイプレートをPERKIN ELMER VIEWLUXに移した。KLK5による基質の切断に続いて、プレートを485nmで励起し、535nmでRhodamine 110蛍光発光の変化量(rates)を測定した。読み取り間隔30秒間で5分間にわたって10回測定を行った。
データ解析
データ解析はACTIVITYBASE(ID BUSINESS SOLUTIONS LTD, Surrey, UK)内で行った。
生データから、相対蛍光単位(RFU)として酵素反応速度を計算した。1ウェルあたり10個の収集した読み取り値(reads)を使用して、直線をデータにフィッティングさせた。反応進行曲線の傾きから初期速度を算出した。速度データを、カラム6の高対照(0%阻害)とカラム18の低対照(100%阻害)との間の阻害率%に対して正規化した。IDBS Primaryモジュールフィッティングを用いて用量応答曲線をフィッティングさせた。4パラメータフィットロジスティックによってデータをフィッティングさせた。
Figure 0007317866000050

式中、xは阻害剤濃度であり、yは阻害率(%)であり、Aは最小応答であり、Dは最大応答であり、Cは曲線のIC50であり、Bはヒル勾配である。-log(IC50)からpIC50が得られる。
全ての支持化合物を上記アッセイで試験した。各化合物を1回超試験した。各化合物の平均pIC50は以下の通りである:
化合物1は、pIC50 8.5を与えた。
化合物2は、pIC50 8.4を与えた。
化合物3は、pIC50 7.4を与えた。
化合物4は、pIC50 8.4を与えた。
化合物5は、pIC50 8.1を与えた。
化合物6は、pIC50 8.0を与えた。
化合物7は、pIC50 8.1を与えた。
化合物8は、pIC50 8.2を与えた。

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 0007317866000051

    (式中、
    はHであり、RはCFであり、Rは3-ピリジルメトキシ、3-クロロベンジルオキシ、若しくはHである;
    はClであり、RはFであり、Rは3-ピリジルメトキシである;又は
    はHであり、RはHであり、Rは3-ピリジルメトキシである)
    の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  2. 4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド;
    2-((3-クロロベンジル)オキシ)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド;
    4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド;
    4-(6-クロロ-7-フルオロ-1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド;及び
    4-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド;
    からなる群から選択される、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  3. 4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
    Figure 0007317866000052

    である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  4. 2-((3-クロロベンジル)オキシ)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド
    Figure 0007317866000053

    である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  5. 4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)ベンズイミドアミド
    Figure 0007317866000054

    である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  6. 4-(6-クロロ-7-フルオロ-1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
    Figure 0007317866000055

    である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  7. 4-(1-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
    Figure 0007317866000056

    である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  8. (R)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
    Figure 0007317866000057

    である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  9. (S)-4-(1-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[c][1,2]オキサボリニン-3-イル)-2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ベンズイミドアミド
    Figure 0007317866000058

    である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  10. KLK-5経路によって媒介される疾患又は病態を処置するための医薬の製造における、請求項1~9のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の使用。
  11. 前記疾患又は病態が、ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒からなる群から選択される、請求項10記載の使用。
  12. a)請求項1~9のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩、及びb)1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物。
  13. 治療において使用するための、請求項1~9のいずれか一項記載の化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  14. KLK-5経路によって媒介される疾患又は病態の処置において使用するための、請求項12記載の医薬組成物
  15. ネザートン症候群、酒さ、アトピー性皮膚炎、乾癬、及び掻痒からなる群から選択される疾患又は病態の処置において使用するための、請求項12記載の医薬組成物
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