JP7317398B2 - セルロース系成形体及びヒドロゲル並びにこれらの製造方法 - Google Patents

セルロース系成形体及びヒドロゲル並びにこれらの製造方法 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 平成31年3月4日 ウェブサイトのアドレス http://conference.wdc-jp.com/jwrs2019/index.html 〔刊行物等〕 開催日 平成31年3月15日 集会名 第69回日本木材学会大会(函館大会)
本開示は、セルロース系成形体及びヒドロゲル並びにこれらの製造方法に関する。
近年、石油由来のプラスチックによる海洋汚染が顕在化している。石油由来のプラスチックを代替する材料として、ポリ乳酸及び微生物産生ポリエステル等の生分解性プラスチックが注目されている。しかし、生分解性プラスチックの海洋における分解速度は概して遅く、結果として石油由来のプラスチックと変わらない汚染(例えば、生物体内への蓄積、動物による誤食)をもたらし得ることが指摘されている。
可食性多糖類であるセルロース系化合物は、石油由来のプラスチックを代替する材料となり得る。従来、セルロース系化合物を利用して膜又は成形体を製造することが検討されている。例えば、特許文献1はセルロース類の粉末を加圧成形することによって成形体を製造する方法を開示している。特許文献2は、再生セルロースが有する湿度感受性を利用したガス透過膜を開示している。
特開昭62-74609号公報 特開2015-208874号公報
ところで、セロファンはセルロースからなるフィルムである。セロファンは、厚さ50μm程度と薄く且つ透明性を有する。しかし、セロファンの透明性を維持したまま、より厚みのあるセロファンを製造する技術はこれまでに確立されていない。例えば、特許文献1に記載の方法によれば、ある程度の厚さを有する成形体を製造できるものの、当該成形体は透明性を有するものではない。
本開示は、ある程度の厚さを有し且つ透明性を有するセルロース系成形体及びその製造方法を提供する。また、本開示は、上記セルロース系成形体の製造に有用なヒドロゲル及びその製造方法を提供する。
本開示の一側面はヒドロゲルの製造方法に関する。この製造方法は以下の工程を含み、被処理物のセルロース系化合物の含有率が10質量%以上になるまで、工程(B1)から工程(C1)までの一連の工程を繰り返す。
(A1)水溶性のセルロース系化合物と、水とを含む被処理物を準備する工程
(B1)被処理物を加熱することによって被処理物から水を分離する工程
(C1)工程(B1)における処理を経てセルロース系化合物の含有率が高まった被処理物を冷却する工程
この製造方法によれば、水溶性のセルロース系化合物と、水とを含み、セルロース系化合物の含有率が10質量%以上であるヒドロゲルが得られる。この製造方法は、工程(B1)から工程(C1)までの一連の工程を繰り返すことによって、被処理物に含まれる水を徐々に低減させることができる、換言すれば、被処理物のセルロース系化合物含有率を徐々に高めることができるという本発明者の独自の知見に基づくものである。
本開示の一側面は上記ヒドロゲルからセルロース系成形体を製造する方法に関する。この製造方法は以下の工程を含む。
(a)上記ヒドロゲルを準備する工程
(b)上記ヒドロゲルの成形体に押圧力を加えた状態で加熱する工程
(c)工程(b)における加熱処理を経てセルロース系化合物の含有率が95質量%以上のセルロース系成形体を得る工程
この製造方法によれば、ある程度の厚さ(例えば、厚さ0.5mm以上)を有し且つ透明性(例えば、ヘイズ20%以下)を有し、セルロース系化合物の含有率が95質量%以上であるセルロース系成形体を得ることができる。
本開示の一側面は、臭化リチウム水溶液及びセルロースを使用してセルロース系成形体を製造する方法に関する。この製造方法は以下の工程を含む。
(A2)100℃以上の温度条件下、臭化リチウム水溶液にセルロースを溶解させることによってセルロース含有液を得る工程
(B2)セルロース含有液から成形体を得る工程
(C2)成形体を洗浄することによって成形体から臭化リチウムを除去する工程
(D2)臭化リチウム除去後の成形体に押圧力を加えた状態で加熱する工程
(E2)工程(D2)における加熱処理を経てセルロースの含有率が95質量%以上のセルロース系成形体を得る工程
この方法によれば、臭化リチウム除去後の成形体に押圧力を加えた状態で加熱することで、ある程度の厚さ(例えば、厚さ0.5mm以上)を有し且つ透明性(例えば、ヘイズ50%以下)を有し、セルロース系化合物の含有率が95質量%以上であるセルロース系成形体を得ることができる。
本開示によれば、ある程度の厚さを有し且つ透明性を有するセルロース系成形体及びその製造方法が提供される。また、本開示によれば、上記セルロース系成形体の製造に有用なヒドロゲル及びその製造方法が提供される。
図1は本開示の一実施形態に係るセルロース系成形体によって構成されたセルロース系構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図2は被処理物のメチルセルロース(セルロース系化合物)の含有率が徐々に高くなる過程の一例を示すグラフである。
以下、本開示の複数の実施形態について詳細に説明する。本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。本願明細書において、ヒドロゲルとは、水を含有する分散系の組成物であって固体状のものを意味する。
[第一実施形態]
(ヒドロゲル及びその製造方法)
本実施形態に係るヒドロゲルの製造方法は以下の工程を含み、被処理物のセルロース系化合物の含有率が10質量%以上になるまで、工程(B1)から工程(C1)までの一連の工程を繰り返す。
(A1)水溶性のセルロース系化合物と、水とを含む被処理物を準備する工程
(B1)被処理物を加熱することによって被処理物から水を分離する工程
(C1)工程(B1)における処理を経てセルロース系化合物の含有率が高まった被処理物を冷却する工程
以下、各工程及び製造されるヒドロゲルについて説明する。
<工程(A1)>
工程(A1)は、水溶性のセルロース系化合物と、水とを含む被処理物を準備する工程である。水溶性のセルロース系化合物は、25℃において水100質量部に対して0.5質量部以上溶解し、セルロースに含まれるヒドロキシ基の水素原子の一部又は全部を水素原子以外の置換基で置換した化合物である。このようなセルロース系化合物としては、例えば、メチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が挙げられる。メチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースは、公知のものを適宜使用することができる。メチルセルロースの市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製の「食品添加物用メトローズMCE-4000」が挙げられる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製の「食品添加物用メトローズSFE-4000」が挙げられる。
水溶性のセルロース系化合物における置換度は、被処理物を加熱した際の相分離を促進する観点から、45%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、水に対する溶解性を高める観点から、65%以下であることが好ましく、63%以下であることがより好ましい。なお、本願明細書において、水溶性のセルロース系化合物における置換度は、セルロース系化合物に含まれる水酸基及び導入された置換基の総量に対する、導入された置換基の割合を意味する。
水溶性のセルロース系化合物の重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば、100000~200000である。本願明細書において、重量平均分子量は、GPC法標準ポリスチレン換算により求められる重量平均分子量を意味する。
この工程で準備する被処理物における水溶性のセルロース系化合物の含有量は、特に制限されないが、例えば、被処理物の全量を基準として、0.5~4.0質量%である。被処理物は、水溶性のセルロース系化合物及び水以外の成分を含有していてもよい。そのような成分としては、例えば、カーボンナノファイバーが挙げられる。そのような成分の含有量は、特に制限されないが、例えば、被処理物の全量を基準として、0.01~15質量%である。
被処理物の調製方法は、特に制限されないが、例えば、水溶性のセルロース系化合物と、水と、必要に応じて、水溶性のセルロース系化合物及び水以外の成分とを混合することにより得られる。混合手段は、特に制限されないが、例えば、マグネチックスターラーが挙げられる。
<工程(B1)>
工程(B1)は、被処理物を加熱することによって被処理物から水を分離する工程である。被処理物を加熱することにより、被処理物はセルロース系化合物を含むゲルと、水とに相分離する。被処理物の加熱温度は、セルロース系化合物を含むゲルと、水とに相分離させることが可能な温度であれば特に制限されないが、例えば、60~150℃であり、80~120℃であってもよい。被処理物の加熱時間は、特に制限されないが、例えば、0.5~24時間である。
工程(B1)において、被処理物が容器内に収容した状態で被処理物を加熱してよい。これにより、セルロース系化合物を含むゲルと、水とに被処理物を相分離させた後、容器から水を排出することで被処理物から水を分離することができる。被処理物が容器内に収容した状態で被処理物を加熱する場合、得られるセルロース系化合物を含むゲルの表面の乾燥を防ぐ観点から、容器は密閉されていることが好ましい。被処理物の加熱手段は、特に制限されないが、例えば、オーブンが挙げられる。
<工程(C1)>
工程(C1)は、工程(B1)における処理を経てセルロース系化合物の含有率が高まった被処理物を冷却する工程である。被処理物の冷却温度は、被処理物が水溶液又はゾルになる温度であれば特に制限されないが、例えば、-10~25℃である。被処理物の冷却時間は、特に制限されないが、例えば、0.5~24時間である。被処理物の冷却手段は、特に制限されないが、例えば、冷蔵庫を用いることができる。被処理物が容器内に収容した状態で被処理物を冷却してよい。
工程(B1)から工程(C1)までの一連の工程を繰り返すことで、被処理物のセルロース系化合物の含有率を徐々に高めることができる(図2参照)。工程(B1)から工程(C1)までの一連の工程の回数は、特に制限されないが、被処理物のセルロース系化合物の含有率を高める観点から、例えば、2~15回又は2~5回であり、4回以上であることが好ましい。
<ヒドロゲル>
上記製造方法によれば、水溶性のセルロース系化合物と、水とを含み、セルロース系化合物の含有率が10質量%以上であるヒドロゲルが製造される。このヒドロゲルにおけるセルロース系化合物の含有率は、ゲルからゾルへの相転移温度を低下させる観点から、10質量%以上であることが好ましく、12.5質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましい。ヒドロゲルの25℃における圧縮弾性率は、5kPa以上であることが好ましく、10kPa以上であることがより好ましく、30kPa以上であることが更に好ましい。圧縮弾性率は、25℃において力学試験機を用いた圧縮試験において弾性領域の傾きとして測定される値を意味する。
本実施形態のヒドロゲルは、自己修復性を有することが好ましい。本願明細書において、ヒドロゲルが自己修復性を有するとは、ヒドロゲルを切断した後、切断面を癒着させた場合であっても、ヒドロゲルの切断を行わなかった場合のヒドロゲルの圧縮弾性率及び破断ひずみの値を基準として、ヒドロゲルの圧縮弾性率及び破断ひずみの値が95%以上であることを意味する。ヒドロゲルを癒着させる方法としては、特に制限されないが、例えば、下記の方法が挙げられる。すなわち、ヒドロゲルの切断面に蒸留水又はイオン交換水を塗布する。次いで、切断面を貼り合わせた状態でヒドロゲルを固定する。固定したヒドロゲルを冷却し、冷却後にヒドロゲルを加熱する。本願明細書において、ヒドロゲルの破断ひずみは、25℃において力学試験機を用いた圧縮試験において試験片破断時のひずみ値として測定される値を意味する。
本実施形態のヒドロゲルのゲルからゾルへの相転移温度は、20℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましく、5℃以下であることが更に好ましい。本願明細書において、ヒドロゲルのゲルからゾルへの相転移温度は、所定の温度に対象物を調温し、対象物を手で掴めるか否かで判定できる。
(セルロース系成形体及びその製造方法)
本実施形態に係るセルロース系成形体の製造方法は以下の工程を含む。
(a)本実施形態に係るヒドロゲルを準備する工程
(b)ヒドロゲルの成形体に押圧力を加えた状態で加熱する工程
(c)工程(b)における加熱処理を経てセルロース系化合物の含有率が95質量%以上のセルロース系成形体を得る工程
以下、各工程及び製造されるセルロース系成形体について説明する。
<工程(a)>
工程(a)は、本実施形態に係るヒドロゲルを準備する工程である。ヒドロゲル及びその製造方法は上述のとおりである。
<工程(b)>
工程(b)は、ヒドロゲルの成形体に押圧力を加えた状態で加熱する工程である。ヒドロゲルの成形体は、例えば、上述したヒドロゲルを容器又は型に入れた状態で、ヒドロゲルを冷却することで流動性を有するゾルへと相転移させた後、これを加熱してゲルへと相転移させることで得られる。
ヒドロゲルの成形体に加える押圧力は、後述する加熱温度及び加熱時間等により適宜設定されてよい。ヒドロゲルの成形体に加える押圧力は、加熱で乾燥されるヒドロゲル表面の平滑性を保ち、且つ、密実なセルロース系成形体を得る観点から、例えば、10g/cm以上であり、20~1000g/cm又は30~100g/cmであってもよい。ヒドロゲルの成形体の加熱温度は、加熱処理後のセルロース系化合物の含有量が95質量%以上となるように適宜設定すればよく、例えば、60~150℃である。ヒドロゲルの成形体の加熱時間は、加熱処理後のセルロース系化合物の含有量が95質量%以上となるように適宜設定すればよく、例えば、0.5~48時間である。ヒドロゲルの成形体の加熱手段は、特に制限されないが、例えば、オーブンが挙げられる。
<工程(c)>
工程(c)は、工程(b)における加熱処理を経てセルロース系化合物の含有率が95質量%以上のセルロース系成形体を得る工程である。セルロース系成形体におけるセルロース系化合物の含有率は、例えば、95質量%以上又は100質量%である。セルロース系成形体における水の含有率は、例えば、5質量%以下であり、1質量%以下又は0質量%であってもよい。
<セルロース系成形体>
上記製造方法によれば、0.5mm以上の厚さを有し且つ20%以下のヘイズを有し、セルロース系化合物の含有率が95質量%以上であるセルロース系成形体が製造される。セルロース系成形体の用途として、例えば、包装材料、梱包材料及び構造材料が挙げられる。セルロース系成形体の形態として、例えば、プレート、所定の形状を有する物品が挙げられる。セルロース系成形体の厚さは、セルロース系成形体の用途又は形態に応じて適宜設定すればよく、例えば、0.5mm以上であり、1~5mm又は1~10mmであってもよい。
セルロース系成形体のヘイズは、18%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。本願明細書において、セルロース系成形体のヘイズは、厚さ0.5mm以上のセルロース系成形体に対して、ヘイズメーターにより測定される値を意味する。
セルロース系成形体の全光透過率は、60%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。本願明細書において、セルロース系成形体の全光透過率は、入射光量及び全透過光量を測定し、全光線透過率=(全透過光量)/(入射光量)×100として算出される値を意味する。入射光量及び全透過光量は、ヘイズメーターにより測定される値を意味する。
セルロース系成形体の曲げ弾性率は、1GPa以上であることが好ましく、5GPa以上であることがより好ましい。本願明細書において、曲げ弾性率は、力学試験機を用いて三点曲げ試験を行うことにより測定される値を意味する。
(セルロース系構造体及びその製造方法)
本実施形態のセルロース系構造体は、上記セルロース系成形体を二つ以上準備し、これらを癒着させた後、絶乾することで得られる。より具体的には、本実施形態のセルロース系構造体は、例えば、以下の工程を経て製造される。まず、セルロース系成形体における貼り合わせる部分に蒸留水又はイオン交換水を塗布する。水を介してセルロース系成形体を貼り合わせる。貼り合わせたセルロース系成形体を冷却することで癒着を進行させる。冷却したセルロース系成形体を加熱することで絶乾する。
本実施形態のセルロース系構造体の形状は、例えば、容器、及び積層体である。図1は、セルロース系構造体の一例を示す斜視図である。図1に示すセルロース系構造体10は容器であり、5枚のセルロース系成形体1,2,3,4,5で構成されている。セルロース系成形体1,2,3,4が容器の側面をなし、セルロース系成形体5が底面をなしている。
[第二実施形態]
(セルロース系成形体及びその製造方法)
上記第一実施形態においては、水溶性を有するセルロース系化合物を使用してヒドロゲルを調製した後、このヒドロゲルからセルロース系成形体を製造する態様を説明したが、水溶性を有しないセルロースを原料として使用してもよい。すなわち、本実施形態に係るセルロース系成形体の製造方法は以下の工程を含む。
(A2)100℃以上の温度条件下、臭化リチウム水溶液にセルロースを溶解させることによってセルロース含有液を得る工程
(B2)セルロース含有液から成形体を得る工程
(C2)成形体を洗浄することによって成形体から臭化リチウムを除去する工程
(D2)臭化リチウム除去後の成形体に押圧力を加えた状態で加熱する工程
(E2)工程(D2)における加熱処理を経てセルロースの含有率が95質量%以上のセルロース系成形体を得る工程
以下、各工程及び製造されるセルロース系成形体について説明する。
<工程(A2)>
工程(A2)は、100℃以上の温度条件下、臭化リチウム水溶液にセルロースを溶解させることによってセルロース含有液を得る工程である。セルロースとしては、公知のものを適宜使用することができる。セルロースの市販品としては、例えば、旭化成株式会社製の「ベンコット」が挙げられる。セルロースの重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば、5000~1500000である。臭化リチウム水溶液の臭化リチウムの濃度は、例えば、臭化リチウム水溶液の全量に対して、例えば、55~60質量%であり、50~65質量%であってもよい。
臭化リチウム水溶液にセルロースを溶解させる際の温度は、例えば、100~160℃であり、90~180℃であってもよい。臭化リチウム水溶液にセルロースを溶解させる際のセルロースの配合量は、臭化リチウム水溶液100質量部に対して、例えば、0.5~10質量部であり、0.1~25質量部であってもよい。
セルロース含有液には、セルロース、臭化リチウム及び水以外の成分が含まれていてもよい。そのような成分としては、例えば、カーボンナノファイバーが挙げられる。かかる成分の含有量は、セルロース含有液の全量を基準として、例えば、0.01~25質量%である。
<工程(B2)>
工程(B2)は、セルロース含有液から成形体を得る工程である。成形体を得る方法は、特に制限されないが、例えば、工程(A2)において加熱したセルロース含有液をそのまま容器内に収容した状態で冷却する方法が挙げられる。そのような容器の形状は、特に制限されず、目的とするセルロース系成形体の形状に合わせて適宜変更することができる。セルロース含有液を冷却する際の温度は、セルロース含有液がゾルからゲルへと相変化する温度であれば特に制限されない。
<工程(C2)>
工程(C2)は、成形体を洗浄することによって成形体から臭化リチウムを除去する工程である。成形体を洗浄する際に用いる洗浄液としては、成形体から臭化リチウムを除去することができるものであれば、特に制限されないが、例えば、蒸留水及びイオン交換水が挙げられる。成形体を洗浄する方法は、特に制限されないが、例えば、上述した洗浄液に成形体を浸漬させる方法が挙げられる。成形体が十分に洗浄されたか否かは、例えば、洗浄に使用した水に溶出する臭化リチウムの濃度に基づいて判断することができる。
<工程(D2)>
工程(D2)は、臭化リチウム除去後の成形体に押圧力を加えた状態で加熱する工程である。工程(D2)の処理条件及び加熱手段等は第一実施形態における工程(b)と同様とすることができる。
<工程(E2)>
工程(E2)は、工程(D2)における加熱処理を経てセルロースの含有率が95質量%以上のセルロース系成形体を得る工程である。セルロース系成形体におけるセルロースの含有率は、95質量%以上又は100質量%であってもよい。セルロース系成形体における水の含有率は、例えば、5質量%以下であり、1質量%以下又は0質量%であってもよい。
<セルロース系成形体>
上記製造方法によれば、0.5mm以上の厚さを有し且つ50%以下のヘイズを有し、セルロースの含有率が95質量%以上であるセルロース系成形体が製造される。本実施形態に係るセルロース系成形体のヘイズは、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。本実施形態に係るセルロース系成形体のその他の物性及び用途等は、第一実施形態に係るセルロース系成形体と同様とすることができる。
(セルロース系構造体及びその製造方法)
本実施形態のセルロース系構造体は、上記セルロース系成形体を二つ以上準備し、これらを接着させることで得られる。セルロース系成形体を接着させる手段としては、特に制限されないが、例えば、木工用ボンド及び瞬間接着剤が挙げられる。本実施形態のセルロース系構造体の形状は、第一実施形態のセルロース系構造体の形状と同様であってよい。
以下、本開示について実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
第一実施形態に係るヒドロゲル及びセルロース系成形体を以下のようにして製造した。
[ヒドロゲルの製造]
<実施例1a>
(工程(A1))
水溶性のセルロース系化合物として粉末状のメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:「食品添加物用メトローズMCE-4000」)を蒸留水に溶解させ、メチルセルロースが2質量%溶解した被処理物を調製した。次いで、得られた被処理物1000gを耐熱容器(縦12cm×横12cm×高さ10cm)に注ぎ込んだ。
(工程(B1))
被処理物が入った耐熱容器を110℃のオーブンで3時間加熱することによって、被処理物をメチルセルロースゲルと、離水した水とに相分離させた。その後、離水した水を耐熱容器から排出した。
(工程(C1))
メチルセルロースゲルを室温になるまで室温で放冷した。次いで、庫内温度4℃の冷蔵庫にメチルセルロースゲルを1時間冷却し、メチルセルロースと、水とを含む被処理物を得た。
工程(A1)の後、被処理物に対して工程(B1)及び工程(C1)の処理を7回行うことで、メチルセルロースを含むヒドロゲル(縦8cm×横8cm×厚さ1cm)を得た。図2は被処理物のメチルセルロース含有率が徐々に高くなる様子を示すグラフである。得られたヒドロゲルには、割れ及び亀裂はなく、流動性もないため、室温(25℃)でも自立し、安定に存在した。得られたヒドロゲルは、手で掴むことが可能であった。得られたヒドロゲルの組成を表1に示した。
<実施例1b>
被処理物に対して工程(B1)及び工程(C1)の処理を7回行う代わりに、4回行ったことの他は実施例1aと同様にしてヒドロゲルを得た。得られたヒドロゲルには、割れ及び亀裂はなく、流動性もないため、室温(25℃)でも自立し、安定に存在した。得られたヒドロゲルは、手で掴むことが可能であった。得られたヒドロゲルの組成を表1に示した。
<実施例1c>
水溶性のセルロース系化合物としてメチルセルロースを使用する代わりにヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:「食品添加物用メトローズSFE-4000」)を使用したことの他は、実施例1aと同様にしてヒドロゲルを得た。得られたヒドロゲルには、割れ及び亀裂はなく、流動性もないため、室温(25℃)でも自立し、安定に存在した。得られたヒドロゲルは、手で掴むことが可能であった。得られたヒドロゲルの組成を表1に示した。
<比較例1a>
工程(B1)及び工程(C1)の処理を7回行う代わりに、1回行ったことの他は、実施例1aと同様に被処理物に対して処理を施した。得られる被処理物は、室温(25℃)においてメチルセルロースゾルであり、ヒドロゲルとはならなかった。得られた被処理物の組成を表1に示した。
Figure 0007317398000001
[ヒドロゲルの圧縮弾性率の測定]
実施例に係るヒドロゲルをくり抜き、円柱(直径25mm×厚さ10mm)の試験片を得た。得られた試料について、25℃における圧縮弾性率を測定した。力学試験機(株式会社島津製作所製、商品名:「EZ-TEST」)を用い、円柱の試験片に対して圧縮試験を行うことで圧縮弾性率を測定した。実施例1aに係るヒドロゲルの圧縮弾性率は、50kPaであった。
[ヒドロゲルの貯蔵弾性率の測定]
実施例のヒドロゲルについて、20℃、40℃及び60℃における貯蔵弾性率を測定した。測定には、レオメータ(Anton Paar MCR501)を用いた。測定条件は、昇温速度1℃/分、せん断ひずみ0.001%、周波数スキャン(0.1~100rad/秒)モードとした。実施例1aに係るヒドロゲルの20℃、40℃及び60℃における貯蔵弾性率は、それぞれ30kPa、40kPa及び60kPaであった。
[ヒドロゲルの自己修復性の評価]
実施例に係るヒドロゲルをくり抜き、円柱(直径25mm×厚さ10mm)の試料を二つ得た。一方の試料を二つの半円柱となるようにナイフで切断した。次いで、綿棒を用いて切断面に蒸留水を塗布した。その後、切断面同士を貼り合わせ、ビニールテープを外周に巻くことで、二つの半円柱を貼り合わせた状態で固定した。固定された二つの半円柱を庫内の温度を4℃にした冷蔵庫に1時間保管し、次いで、オーブンにより110℃で15分間加熱し、加熱後に室温にて放冷した。放冷後、二つの半円柱の切断面は、癒着しており、切断を行わなかった他方の試料と同じ形状をしていた。また、切断を行い、癒着させた試料と、切断を行わなかった試料について、ヒドロゲルの圧縮弾性率の測定と同様にして圧縮弾性率を測定した。また、両方の試料について、25℃における破断ひずみを測定した。測定には、力学試験機(株式会社島津製作所製、商品名:「EZ-TEST」)を用い、円柱の試験片に対して圧縮試験を行うことで圧縮弾性率を測定した。切断を行わなかった試料の圧縮弾性率及び破断ひずみの値を基準として、切断を行い、癒着させた試料の圧縮弾性率及び破断ひずみの値が95%以上であれば、ヒドロゲルは自己修復性を有すると判断した。
実施例1aに係るヒドロゲルについて、切断を行い癒着させた試料と、切断を行わなかった試料の圧縮弾性率はいずれも50kPaであり、破断ひずみはいずれも40%であった。つまり、実施例1aに係るヒドロゲルヒドロゲルは自己修復性を有するものであった。
[ヒドロゲルの相転移温度の測定]
実施例に係るヒドロゲルの相転移温度は、実施例に係るヒドロゲルを所定の温度に調温し、対象物を手で掴めるか否かで判定した。実施例1a及び1bに係るヒドロゲルの相転移温度は、それぞれ、10℃及び20℃であった。
[セルロース系成形体の製造]
実施例に係るヒドロゲルに対して下記工程(b)及び工程(c)を行うことで、セルロース系成形体を得た。
(工程(b)及び工程(c))
各実施例に係るヒドロゲルを容器内に収容した。ヒドロゲルの上面にプレートを介して錘を置くことで、ヒドロゲルに対して30g/cmの押圧力を加えた。この状態で110℃に加熱したオーブンで絶乾となるまでヒドロゲルを乾燥させた。これにより、セルロース系成形体(厚さ2mm)を得た。得られたセルロース系成形体には、割れ及び亀裂はなく密実であり、密度は1.3g/cmであった。実施例1a及び1bに係るセルロース系成形体におけるメチルセルロースの含有率はいずれも100質量%であった。
[セルロース系成形体のヘイズの測定]
各実施例に係るセルロース系成形体の厚み方向におけるヘイズを測定した。測定には、ヘーズメーターHZ-V3(装置名、スガ試験機株式会社製)を用いた。測定は、ダブルビーム方式(光源:C光)で行った。実施例1a及び1bに係るセルロース系成形体のヘイズはいずれも15%であった。
[セルロース系成形体の全光透過率]
各実施例に係るセルロース系成形体の厚み方向における全光透過率を測定した。全光透過率は、入射光量及び全透過光量を測定し、全光線透過率=(全透過光量)/(入射光量)×100として算出した。測定には、ヘーズメーターHZ-V3(装置名、スガ試験機株式会社製)を用いた。実施例1a及び1bに係るセルロース系成形体の全光透過率はいずれも80%であった。
[セルロース系成形体の曲げ弾性率の測定]
各自実施例に係るセルロース系成形体について、力学試験機(株式会社島津製作所製、商品名:「EZ-TEST」)を用いて三点曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。測定条件は、支点間距離40mm、試験速度1mm/分とした。実施例1a及び1bに係るセルロース系成形体の曲げ弾性率はいずれも2.5GPaであった。
[セルロース系構造体の製造]
各実施例に係るセルロース系成形体をそれぞれ五枚ずつ準備し、これらのセルロース系成形体の主面上に綿棒を用いて蒸留水を塗布した。次いで、それぞれのセルロース系成形体を、主面同士が水を介して対向するように貼り合わせることで、五枚のセルロース系成形体を積層した。次いで、貼り合わせた五枚のセルロース系成形体を庫内温度4℃の冷蔵庫にて1時間保管し、セルロース系成形体同士の癒着を進行させた。その後、五枚のセルロース系成形体を110℃のオーブンで10分間加熱し、セルロース系成形体の貼り合わせた面を白濁させた。次いで、五枚のセルロース系成形体全体をセルロース系成形体の主面に垂直な方向に力が加わるように、クリップ(文房具用ダブルクリップ)で挟んだ状態で、110℃のオーブンで2時間加熱し、五枚のセルロース系成形体を絶乾させることで、五枚のセルロース系成形体が癒着したセルロース系構造体を得た。セルロース系構造体は、厚さが1cmであり、割れ及び亀裂なく密実で、鋸による切断加工、ドリルによる穿孔加工、及び釘の打ち込みが可能であった。
上記第二実施形態に係るセルロース系成形体及びセルロース系構造体を以下のようにして製造した。
[セルロース系成形体の製造]
<実施例2a>
下記の(A2)~(E2)の工程を行うことで、セルロース系成形体を得た。
(工程(A2))
蒸留水に臭化リチウムを溶解させ、臭化リチウムが60質量%溶解した臭化リチウム水溶液を調製した。調製した臭化リチウム水溶液に対して、セルロース(旭化成株式会社製、商品名:「ベンコット」)の濃度が2質量%となるようにセルロースを溶解させ、更に120℃以上に加熱しながら攪拌することで、セルロース含有液を調製した。
(工程(B2))
得られたセルロース含有液700gを耐熱容器(縦12cm×横12cm×高さ10cm)に注ぎ込み、25℃で放冷することでゲルである成形体を得た。
(工程(C2))
蒸留水に得られた成形体を浸漬させることで洗浄し、内包されている臭化リチウムを除去した。
(工程(D2)及び工程(E2))
臭化リチウムを除去した成形体を容器内に収容した。次いで、成形体の上面にプレートを介して錘を置くことで、成形体に対して30g/cmの押圧力を加えた。この状態で110℃に加熱したオーブンで絶乾となるまで成形体を乾燥させた。これにより、セルロース系成形体(厚さ2mm)を得た。得られたセルロース系成形体のセルロース含有率は、100質量%であった。得られたセルロース系成形体には、割れ及び亀裂はなく密実であり、密度は1.3g/cmであった。
[セルロース系成形体のヘイズ、全光透過率及び曲げ弾性率の測定]
得られたセルロース系成形体について、実施例1aと同様にしてヘイズ、全光透過率及び曲げ弾性率の測定を行った。その結果、ヘイズは50%、全光透過率は75%、曲げ弾性率は5.0GPaであった。
[セルロース系構造体の製造]
セルロース系成形体を五枚準備し、これらを用いて四つの側面と一つの底面を有する箱状の容器を組み立てた(図1参照)。すなわち、セルロース系成形体同士が接する場所には、綿棒を用いて木工用ボンドを塗布した。次いで、五枚のセルロース系成形体をテープで仮止めし、木工用ボンドが固まるまで放置することで、容器を得た。得られた容器は、割れ及び亀裂なく密実で、鋸による切断加工、ドリルによる穿孔加工、及び釘の打ち込みが可能であった。
本開示によれば、ある程度の厚さを有し且つ透明性を有するセルロース系成形体及びその製造方法を提供が提供される。また、本開示によれば、上記セルロース系成形体の製造に有用なヒドロゲル及びその製造方法が提供される。
1~5…セルロース系成形体、10…セルロース系構造体

Claims (9)

  1. (A1)水溶性のセルロース系化合物と、水とを含む被処理物を準備する工程と、
    (B1)前記被処理物を加熱することによって前記被処理物から水を分離する工程と、
    (C1)工程(B1)における処理を経て前記セルロース系化合物の含有率が高まった被処理物を冷却する工程と、
    を含み、
    前記被処理物の前記セルロース系化合物の含有率が10質量%以上になるまで、工程(B1)から工程(C1)までの一連の工程を繰り返す、ヒドロゲルの製造方法。
  2. 工程(B1)において、前記被処理物が容器内に収容した状態で前記被処理物を加熱する、請求項1に記載のヒドロゲルの製造方法。
  3. 前記セルロース系化合物がメチルセルロースである、請求項1又は2に記載のヒドロゲルの製造方法。
  4. 水溶性のセルロース系化合物と、水とを含み、
    前記セルロース系化合物の含有率が10質量%以上であり、
    ゲルからゾルへの相転移温度が20℃以下である、ヒドロゲル。
  5. 25℃における圧縮弾性率が5kPa以上である、請求項4に記載のヒドロゲル。
  6. 自己修復性を有する、請求項4又は5に記載のヒドロゲル。
  7. 前記セルロース系化合物の重量平均分子量が100000以上である、請求項4~6のいずれか一項に記載のヒドロゲル。
  8. (a)請求項4~7のいずれか一項に記載のヒドロゲルを準備する工程と、
    (b)前記ヒドロゲルの成形体に押圧力を加えた状態で加熱する工程と、
    (c)工程(b)における加熱処理を経て前記セルロース系化合物の含有率が95質量%以上のセルロース系成形体を得る工程と、
    を含む、セルロース系成形体の製造方法。
  9. 前記セルロース系成形体が、0.5mm以上の厚さを有し且つ20%以下のヘイズを有する、請求項8に記載のセルロース系成形体の製造方法。
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