JP7316727B2 - 水分計 - Google Patents

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Description

本発明は、水分計に関し、より詳細には、加熱乾燥式水分計に関する。
従来、試料の水分を測定する装置の一つとして、加熱乾燥式水分計が知られている(例えば特許文献1)。加熱乾燥式水分計は、試料を加熱することにより試料中の水分を蒸発させ、加熱前と加熱後の試料の質量の変化(減少)から、当該試料の水分率を計測する装置である。
加熱乾燥式水分計は、装置として比較的安価であり、また、幅広い試料について比較的短時間で水分率を計測可能である。このため、加熱乾燥式水分計は、水分計として広く利用されている。本明細書において、特に断らない限り、水分計は加熱乾燥式水分計を指すものとする。
特許文献1は、酒石酸ナトリウム二水和物(C4H4Na2O6・2H2O,以下、単に「酒石酸ナトリウム」という。)等の、予め水分率が判明している物質を、装置性能検査用の標準物質として用いて校正を行うように構成された水分計を開示する。酒石酸ナトリウムは約160℃の温度下、約10分間加熱することにより、結晶が不可逆的変化を起こし、水分を放出することが知られている。
特許文献1の水分計は、標準物質の実測水分率を、記憶部に予め記憶した該標準物質の理論水分率と比較して、比較結果を予め設定された評価基準に基づいて評価し、評価結果に基づいて、実測水分率が理論水分率と等しくなるように質量測定部を校正する。
特開2003-344255号公報
しかし、水分計の測定性能は、質量測定部の状態だけではなく、その他の要因、特に加熱部の状態にも影響される。
具体的には、加熱手段であるハロゲンランプや、試料を保護するためのガラスカバーが汚れていたり、ハロゲンランプ自体が故障していたりする不具合がある場合には、性能通りに加熱することができず、測定時間が長くなってしまう虞があるという問題があった。
このため、質量測定部以外の要因、特に加熱部の状態も考慮して、装置の状態を診断可能な水分計の開発が求められていた。
本発明は、係る事情を鑑みてなされたものであり、質量測定部以外の要因も考慮して、装置の状態を診断することができる加熱乾燥式水分計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様に係る水分計は、秤量皿に載置された試料の質量を計測する質量測定部と、開閉可能に構成され、内部に前記秤量皿が配置された加熱室と、前記加熱室内に配置され、前記試料を加熱する加熱部と、前記加熱部を制御して、前記試料の質量変化が所定の閾値以下となるまで加熱し、加熱前後における前記試料の質量変化から前記試料の水分率を算出する制御演算部と、加熱時間を計測する時計と、記憶部と、を備え、前記制御演算部は、前記試料として検査用の標準物質の水分率を測定し、加熱時間を計測する標準物質測定部と、実測水分率を、前記標準物質の理論水分率を基準として評価して、前記質量測定部の異常の有無を診断し、実測加熱時間を、記憶部に予め記憶された設定加熱時間である所定時間と比較して前記加熱部の異常の有無を診断する異常診断部を備えることを特徴とする。
上記態様において、前記異常診断部は、前記実測加熱時間が、前記所定時間よりも長い場合に、加熱部に異常があると判断することも好ましい。
また、上記態様において、前記標準物質は、酒石酸ナトリウム二水和物であることも好ましい。
また、上記態様において、表示部を備え、前記異常診断部が、診断結果として、異常の箇所と、原因に対する対応策を使用者に知らせるメッセージを前記表示部に表示することも好ましい。
加熱乾燥式水分計において、質量測定部以外の要因、特に加熱部の状態も考慮して、装置の状態を診断することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る水分計の構成を示すブロック図である。 同水分計の加熱室の蓋を開放した状態の斜視図である。 同水分計の試料測定モードにおける動作のフローチャートである。 同水分計の検査初期設定モードにおける動作のフローチャートである。 同水分計による標準物質測定の動作のフローチャートである。 同水分計の検査モードにおける動作のフローチャートである。 同水分計の検査モードにおける、異常診断結果の表示の例を示す図である。 同水分計の検査モードにおける、異常診断結果の表示の例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施の形態において、同一の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る水分計100の構成を示すブロック図、図2は、水分計100において、加熱室Cの蓋9を開放した状態を示す斜視図である。図1に示すように、水分計100は、質量測定部2、加熱部3、時計4、制御演算部5、入力部6、表示部7、および記憶部8を備える。
質量測定部2は、電磁平衡式質量センサ等のいわゆる質量計であり、試料を載置する秤量皿2aに接続されている。質量測定部2は、秤量皿2aに載置された試料の質量を測定する。また、質量測定部2は、水分計本体10の内部に格納されている。
秤量皿2aは、図2に示す開閉式の蓋9を閉じることで、密閉される加熱室C内に配置される。秤量皿2aは、取手2bを備え、質量測定部2から着脱可能に構成されている。加熱室Cは、水分計本体10の上部と蓋9により画成される空間として構成されて、秤量皿2aを格納する。
加熱部3は、ハロゲンランプやジュール発熱する抵抗線等の加熱手段3aと温度センサ(図示せず)とを備える。加熱手段3aは、温度センサからの出力に基づいて制御演算部5によって制御されて、試料を加熱する。
加熱手段3aは、加熱室Cの蓋9の内部に格納されている。蓋9は、試料と、加熱手段3aとの接触を防ぐために、秤量皿2aを覆う容器状のガラスカバー9aを備える。
時計4は、制御演算部5の制御により加熱部3が加熱を開始してから、加熱を停止するまでの加熱時間を計測する。なお、時計4は、例えば、システムクロックとして、制御演算部5に組み込まれていてもよい。
制御演算部5は、演算処理を行うCPU(Central・Processing・Unit)と、ROM(Read・Only・Memory)およびRAM(Randam・Access・Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。
制御演算部5は、質量測定部2、加熱部3、時計4、入力部6、表示部7、および記憶部8の各部と接続されており、水分計100の機能を発揮するための種々の動作を実行する。
制御演算部5は、各部を制御して、試料測定モード、検査初期設定モード、検査モードの測定を実行する。試料測定モードは、水分計100の通常の使用モードであり、水分率を知りたい試料の水分率を測定するモードである。検査モードは、水分計100の状態を診断するモードである。検査初期設定モードは、検査モードのための加熱時間の初期設定値(設定加熱時間)を取得するモードである。
制御演算部5はまた、試料測定部51、標準物質測定部52、および異常診断部53を備える。各機能部は、例えばプログラムによって実現される。
試料測定部51は、試料測定モードにおいて、加熱部3を制御して、試料を加熱しながら、試料の質量変化をモニターして、試料の質量変化率が所定の閾値以下になった時点で、加熱部3を停止させる。
また、試料測定部51は、試料の加熱前の質量測定値と、加熱後の質量測定値を用いて、以下の式1により、当該試料の水分率Mを算出する。
M(%)=[[(W1-W2)]/W1]×100 ・・・(式1)
(ここで、W1は、加熱前の質量測定値,W2は、加熱後の質量測定値である。)
標準物質測定部52は、検査初期設定モードおよび検査モードにおいて、試料測定部51と同様にして、検査用の標準物質(以下、単に「標準物質」という。)の水分率を測定するとともに、該標準物質の水分率の測定に要した加熱時間を測定する。
異常診断部53は、検査モードにおいて、標準物質の実測水分率Miが、該標準物質の理論水分率Mtを基準とする所定の範囲内であるか否かを判断し、質量測定部2の異常の有無を判断する。
また、異常診断部53は、検査モードにおいて、実測加熱時間Tiを、工場出荷時に記憶された検査初期設定モードでの設定加熱時間Tsと比較して、加熱部3の異常の有無を判断する。
入力部6は、開始ボタン、停止ボタン、上下ボタン、選択ボタン、決定ボタン等の操作ボタンであり、測定開始、測定停止の指示、モードの設定、動作の選択等を行う。
表示部7は、液晶ディスプレイであり、測定結果、モード選択用画面、メッセージ等を表示する。なお、入力部6と表示部7は、タッチパネルディスプレイとして、一体に構成されていてもよい。
記憶部8は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリである。記憶部8には、標準物質の理論水分率および標準物質に対応して、適正な検査が行える、加熱温度の設定および試料載置量が記憶されている。また、検査初期設定モードにおいて測定された、標準物質の加熱時間を記憶する。また、記憶部8には、異常診断部53が、診断結果を使用者に知らせるために表示部7に表示するメッセージが記憶されている。
次に、水分計100の異常診断に用いられる標準物質について説明する。標準物質としては、これらに限定されないが、例えば、表1に示す物質を用いることができ、酒石酸ナトリウムを用いると、安定性が高く、取り扱いが容易であるので特に好適である。これらの物質については、理論水分率および水分率の測定を行うために適切な加熱温度が知られている。
Figure 0007316727000001
標準物質は、少なくとも1つが設定されていればよいが、複数設定されていてもよい。この場合、記憶部8は、複数の標準物質の理論水分率、適切な加熱温度、および試料載置量を個々の物質に割り振られたコードに対応して記憶する。
次に、試料測定モード、検査初期設定モード、および検査モードにおける、水分計100の動作について説明する。
(試料測定モード)
図3は、水分計100の通常の使用状態、すなわち、試料測定モードにおける水分計100の動作のフローチャートである。
試料を測定する場合、ステップS101で、使用者は、入力部6より、水分計100を試料測定モードに設定する。予め、通常使用するモードを試料測定モードに設定している場合には、ステップS101を省略してもよい。
次に、ステップS102で、使用者は、秤量皿2aに試料を載置して蓋9を閉じ、入力部6から加熱温度を設定後、測定開始ボタンを押す。
次に、ステップS103で、試料測定部51は、加熱部3の加熱を開始する。加熱により試料の水分が徐々に蒸発し、質量測定部2で測定する試料の質量測定値は、時間の経過に伴って減少する。
試料測定部51は、この質量測定値の変化をモニターして、ステップS104で、質量測定値の変化が、予め定められた閾値以下となった時(Yesの場合)に、ステップS105に移行する。ステップS105で、試料測定部51は加熱部3の加熱を停止し、水分率Mを式1に従って算出し、算出結果を表示部7に表示して測定を終了する。
(検査初期設定モード)
図4は、検査初期設定モードにおける水分計100の動作を説明するフローチャートである。検査初期設定モードは、通常、工場出荷時に実施される。また、標準物質としては、酒石酸ナトリウムが設定されている。
ステップS201で、メーカにおける操作者が、入力部6から検査初期値設定モードを設定すると、ステップS202で、水分計100は、標準物質の測定を行う。
ステップS202、標準物質の測定の詳細な動作は、図5を参照しながら説明する。まず、標準物質の測定が開始すると、ステップS301で、標準物質測定部52は、酒石酸ナトリウムに対応して記憶部8に予め記憶されている、検査に適切な試料載置量および加熱温度設定を、表示部7に例えば次のようなメッセージとして表示する。
「標準物質:酒石酸ナトリウム
(a)加熱温度設定 160℃
(b)試料質量 約 5g」
次に、ステップS302で、操作者は、表示部7の指示に基づいて、秤量皿2aに約5gの酒石酸ナトリウムを載置し、蓋9を閉じてセットした後、加熱設定温度を160℃に設定して測定を開始させる。
加熱温度は、操作者が手動でセットする他、標準物質の種類に応じて水分計100が対応する加熱温度に自動設定するようになっていてもよい。
次に、ステップS303で、標準物質測定部52は、加熱部3の加熱を開始する。標準物質測定部52は、試料測定モードと同様にして、質量測定部2の質量測定値の変化をモニターすると同時に、加熱時間Tを計測する。
そして、ステップS304で、質量測定値の変化が、予め定められた閾値以下となった時に、ステップS305で、標準物質測定部52は、加熱部3の加熱を停止し、標準物質の水分率Mを式1に従って算出する。
同時に、ステップS306で、標準物質測定部52は、加熱開始から加熱停止までの時間、すなわち加熱時間Tを算出し、ステップS203に移行する。
ステップS203では、表示部7が、水分率Mおよび加熱時間Tを表示する。
次に、ステップS204で、記憶部8が、算出した加熱時間Tを設定加熱時間Tsとして記憶して処理を終了する。
(検査モード)
図6は、検査モードにおける水分計100の動作を説明するフローチャートである。検査モードは、水分計100の使用者が、水分計100の異常の有無を検査したいと思う任意の時に実行することができる。
ステップS401で、使用者が、入力部6から検査モードを設定すると、ステップS402で、標準物質測定部52が、ステップS301~S306と同様に、標準物質の実測水分率Miと、実測加熱時間Tiを算出する。
次に、ステップS403で、標準物質測定部52は、ステップS402で測定した、実測水分率Miおよび実測加熱時間Tiを一時的に保存する。
次に、ステップS404で、異常診断部53が異常診断を開始する。異常診断部53は、ステップS405で、ステップS402で算出した標準物質の実測水分率Miが、理論水分率Mtを基準とした所定の範囲内にあるか否かを判断する。例えば、酒石酸ナトリウムを使用した場合には、水分率が15.0~16.0の範囲内であるか否かを判断する。
理論水分率Mtを基準とした所定の範囲は、標準物質の種類に応じて定められる。例えば、理論水分率±1%というように設定されていてもよい。
ステップS405で、実測水分率Miが所定の範囲内である場合(Yes)、ステップS406で、異常診断部53は、質量測定部2に異常はないと判断する。
一方、ステップS405で、実測水分率Miが、所定の範囲外となる場合(No)、ステップS407で、異常診断部53は、質量測定部2に異常があると判断する。
次に、ステップS408で、異常診断部53は、ステップS402での実測加熱時間Tiと検査初期設定モードで記憶した設定加熱時間Tsである所定時間Tpとを比較して、実測加熱時間Tiが、所定時間Tp以下であるか否かを判断する。
なお、所定時間Tpは設定加熱時間Tsと厳密に同じ時間ではなく、設定加熱時間Ts±30秒など、ある程度の範囲を持った時間でもよい。
ステップS408で、実測加熱時間Tiが所定時間Tp以下である場合(Yes)、ステップS409で、異常診断部53は、加熱部3は異常なしと判断する。
ステップS408で、実測加熱時間Tiが所定時間Tpよりも大きい場合(No)、ステップS410で、異常診断部53は、加熱部3に異常ありと判断する。加熱部3の異常の原因としては、例えば、ガラスカバー9aの汚れ、加熱手段3aの汚れ、または、加熱手段3aの故障などが挙げられる。
次に、ステップS411で、異常診断部53は、表示部7に、診断結果を表示して処理を終了する。
図7,8は、表示部7に表示する診断結果の表示例を示す。各表示において、黒の矢尻7aで指す画像上のボタン(図中灰色に強調されている。)が現在選択中のボタンであり、このボタンを選択することで、表示画面が遷移する。
図7(A)は、ステップS407で質量測定部2が異常あり、ステップS409で加熱部3が異常なしと判断された場合の表示の例である。使用者は、図7(A)の状態で、「次へ」を選択すると、異常診断部53は、図7(B-1)のように、表示部7に校正したか否かを確認するメッセージを表示する。
校正をしていない場合、使用者は「No」を選択する。すると、異常診断部53は、校正が必要であると判断し、図7(B-2)のように、表示部7に校正の実行を促すメッセージを表示する。これを確認した使用者は、校正を実行して、終了ボタンを選択する。あるいは、自動的に校正を実行する様に構成してもよい。
校正実行後、使用者は再度、検査モードでの測定を実行することで、異常が解消されたかどうかを確認する。校正しても異常が解消されない場合には、図7(C-1)のように、使用者は「Yes」を選択する。
すると、異常診断部53は、校正を行ってもなお、質量測定部2の異常が解消せず、水分計100は修理が必要な状態であると判断し、図7(C-2)のように、修理を促すメッセージを表示する。使用者は、メッセージに従って修理を依頼する。
図8(A)は、ステップS406で質量測定部2が異常なし、ステップS410で加熱部3が異常ありと判断された場合の表示の例である。使用者が、図8(A)の状態で、「次へ」を選択すると、異常診断部53は、考えうる原因のうち、ガラスカバー9aの汚れについて、表示部7に、図8(B)のように、ガラスカバー9aの清掃を促すメッセージを表示する。メッセージを確認した使用者は、ガラスカバー9aを清掃し、「次へ」を選択する。
すると、異常診断部53は、考えうる原因のうち、加熱手段3aの汚れについて、図8(C)のように、表示部7に、ハロゲンランプ(加熱手段3a)の清掃を促すメッセージを表示する。メッセージを確認した使用者はハロゲンランプを清掃し、「次へ」を選択する。
すると、異常診断部53は、考えうる原因のうち、加熱手段3aの故障について、図8(D)のように、表示部7に、ハロゲンランプ(加熱手段3a)の交換を促すメッセージを表示する。これにより使用者は、ハロゲンランプの交換を依頼する。
なお、図7(A)~図8(D)の各段階で、表示部7は、「終了」ボタンを表示している。これにより、使用者が自己の判断に従って、診断結果の表示を途中で終了し、再度検査モードでの測定を実行してもよい。
例えば、図8(B)で、使用者が、ガラスカバー9aの汚れが原因であると確信し、ガラスカバー9aの清掃により、加熱部3の異常が解消すると確信する場合には、終了を選択し、再度検査モードでの測定を実行してもよい。この様にすれば、検査にかかる時間を短縮することができる。
本実施の形態に係る水分計100では、検査モードにおいて、標準物質の水分率を測定し、実測水分率Miを、該標準物質の理論水分率Mtを基準として評価して、質量測定部2の異常の有無を診断するとともに、標準物質の水分率の測定に要した加熱時間を測定し、実測加熱時間Tiと、工場出荷時の設定加熱時間Tsである所定時間Tpを比較して、加熱部3の異常を判断するように構成した。この結果、質量測定部2以外の原因、特に、加熱部3の状態も考慮して、水分計100の状態を診断することができる。
特に、加熱部3の異常診断において、実測加熱時間Tiと、設定加熱時間Tsである所定時間Tpを比較して、実測加熱時間Tiが所定時間Tpよりも長くなる時に加熱部3に異常があると判断するように構成した。この結果、ガラスカバー9aやハロゲンランプ(加熱手段3a)の汚れ、あるいはハロゲンランプ(加熱手段3a)の故障等、測定に要する時間が長くなる不具合の存在を診断することができる。
また、本実施の形態に係る水分計100では、異常診断部53が、表示部7に、診断結果として、異常の箇所と、原因に対する対応策を使用者に知らせるメッセージを順次表示するように構成した。この結果、使用者は、表示に従って行動することで、特別な知識を有しない場合であっても、異常に対する的確な処置を行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について述べたが、上記の実施の形態は本発明の一例であり、これらを当業者の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
2 :質量測定部
2a :秤量皿
3 :加熱部
4 :時計
5 :制御演算部
7 :表示部
8 :記憶部
52 :標準物質測定部
53 :異常診断部
100 :水分計
C :加熱室

Claims (5)

  1. 秤量皿に載置された試料の質量を計測する質量測定部と、
    開閉可能に構成され、内部に前記秤量皿が配置された加熱室と、
    前記加熱室内に配置され、前記試料を加熱する加熱部と、
    前記加熱部を制御して、前記試料の質量変化が所定の閾値以下となるまで加熱し、加熱前後における前記試料の質量変化から前記試料の水分率を算出する制御演算部と、
    加熱時間を計測する時計と、
    記憶部と、を備え、
    前記制御演算部は、前記試料として検査用の標準物質の水分率を測定し、加熱時間を計測する標準物質測定部と、実測水分率を、前記標準物質の理論水分率を基準として評価して、前記質量測定部の異常の有無を診断し、実測加熱時間を、記憶部に予め記憶された設定加熱時間である所定時間と比較して前記加熱部の異常の有無を診断する異常診断部と、を備えることを特徴とする水分計。
  2. 前記異常診断部は、前記実測加熱時間が、前記所定時間よりも長い場合に、加熱部に異常があると判断することを特徴とする請求項1に記載の水分計。
  3. 前記標準物質は、酒石酸ナトリウム二水和物であることを特徴とする請求項1または2に記載の水分計。
  4. 表示部を備え、
    前記異常診断部が、診断結果として、異常の箇所と、原因に対する対応策を使用者に知らせるメッセージを前記表示部に表示することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の水分計。
  5. 秤量皿に載置された試料の質量を計測する質量測定部と、
    開閉可能に構成され、内部に前記秤量皿が配置された加熱室と、
    前記加熱室内に配置され、前記試料を加熱する加熱部と、
    前記加熱部を制御して、前記試料の質量変化が所定の閾値以下となるまで加熱し、加熱前後における前記試料の質量変化から前記試料の水分率を算出する制御演算部と、
    加熱時間を計測する時計と、
    記憶部と、を備え、
    前記制御演算部は、前記試料として検査用の標準物質の水分率を測定し、加熱時間を計測する標準物質測定部と、実測加熱時間を、記憶部に予め記憶された設定加熱時間である所定時間と比較して前記加熱部の異常の有無を診断する異常診断部と、を備えることを特徴とする水分計
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