JP7316351B2 - 医療デバイス - Google Patents
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Description
本発明は、生体内に挿入され生体組織に対しアブレーションを行う医療デバイスに関する。
医療デバイスとして、不可逆電気穿孔法(IRE:Irreversible Electroporation)による治療を行うものが知られている。不可逆電気穿孔法は、非熱性であり、周囲の血管や神経への損傷を抑えることができることから、注目されている。例えば、外科手術での除去が困難ながんに対して、不可逆電気穿孔法を用いて治療を行う医療装置が知られている。
肺静脈壁の心筋スリーブで発生する異常興奮が原因となる心房細動に対して、肺静脈と左心房との接合部をアブレーションし、心筋細胞を破壊する肺静脈隔離術が行われることがある。肺静脈隔離術では、アブレーションカテーテルの遠位部から高周波を発生させて、心筋を点状に焼灼して壊死させる。アブレーションカテーテルは、肺静脈流入部を円周状に焼灼するように移動され、肺静脈を隔離する。
例えば特許文献1に記載の医療デバイスは、アブレーションを行う焼灼電極と、肺静脈隔離を検知するために電位を計測する計測電極とを有する拡張部材を備えている。焼灼電極は、拡張部材の近位側の径が大きい部位に配置され、計測電極は、拡張部材の遠位側の径が小さい部位に配置される。したがって、この医療デバイスは、肺静脈に挿入した計測電極を肺静脈に接触させて電位を計測しつつ、肺静脈と左心房との接合部に焼灼電極を接触させて、アブレーションを行うことができる。
特許文献1に記載の医療デバイスの焼灼電極および計測電極は、拡張部材に固定されているため、焼灼電極および計測電極の両方を、望ましい位置に接触させることは困難である。また、焼灼電極および計測電極の配線が、拡張部材に配置されているため、断線や短絡が生じる可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、生体組織にエネルギーを出力する電極を、目的部位へ良好に接触させることができる医療デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成する医療デバイスは、長尺なシャフト部と、前記シャフト部の遠位側に配置され、前記シャフト部の長軸方向に沿って延在し、前記シャフト部の径方向に変形可能である複数の帯部と、を有し、前記帯部の少なくとも1つは、生体組織にエネルギーを出力する第1電極と、前記第1電極よりも遠位側に配置され、曲げ剛性が遠位側および近位側の隣接部位よりも低い屈曲部と、を有する。
上記のように構成した医療デバイスは、エネルギーを出力する第1電極の遠位側の屈曲部が屈曲しやすい。このため、屈曲部をシャフト部に近づく方向へしなやかに曲げつつ、第1電極を、目的部位へ良好に接触させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。本明細書では、管腔に挿入する側を「遠位側」、操作する手元側を「近位側」と称することとする。
<第1実施形態>
<第1実施形態>
第1実施形態に係る医療デバイス10は、生体内腔へ経皮的に挿入され、目的部位の生体組織に接触して電気信号を印加し、不可逆電気穿孔法を実施するものである。本実施形態の医療デバイス10が対象とするのは、肺静脈隔離術において、肺静脈の入口部を全周に渡って電気穿孔する治療である。ただし、医療デバイス10は、その他の処置にも適用できる。
図1~3に示すように、医療デバイス10は、長尺なシャフト部20と、シャフト部20の遠位部に設けられる拡張部40と、シャフト部20の近位部に設けられるハブ60とを有している。さらに、医療デバイス10は、拡張部40の周囲に設けられる複数の帯部50と、帯部50へ電流を伝える導線70とを有している。帯部50は、生体組織にエネルギーを出力する第1電極57Aと、電位を計測する第2電極58Aとを有している。
シャフト部20は、図1、3に示すように、管状の外管21と、第2管体23の内側に配置される内管30とを有している。外管21および内管30は、同軸状に配置される。外管21および内管30は、相対的に軸方向へ移動可能である。外管21は、第1管体22と、第1管体22の外周面を覆う第2管体23と、第2管体23の外周面を覆って第2管体23に固定される第3管体24とを有している。
第1管体22および第2管体23の遠位端は、液密に固定されている。第1管体22の外部であって第2管体23の内部には、拡張ルーメン28が形成される。拡張ルーメン28には、拡張部40を拡張させるための拡張用流体を流通可能である。拡張用流体は気体でも液体でもよく、例えばヘリウムガス、CO2ガス、O2ガス、笑気ガス等の気体や、生理食塩水、造影剤、及びその混合剤等の液体を用いることができる。
第2管体23および第3管体24は、同軸状に配置される。第2管体23と第3管体24との間には、導線70が挟まれるように配置される。第1管体22および第2管体23は、第3管体24の遠位端面25よりも遠位側まで延在する段差部26を有している。段差部26は、円管形状を有している。段差部26の外周面には、拡張部40と、帯部50の近位部とが固定されている。第2管体23は、内部の拡張ルーメン28を外部へ連通させるための少なくとも2つの側孔27が形成されている。各々の側孔27は、後述する拡張部40の内部に連通する。
内管30は、第2管体23の先端よりさらに遠位側まで延在している。第2管体23よりも遠位側の内管30の外周面には、拡張部40の遠位部が固定されている。内管30は、拡張部40が固定されている位置よりも遠位側の外周面に、帯部50の遠位部を固定する固定部29が固定されている。内管30の内部には、長さ方向に沿うガイドワイヤルーメン31が形成される。ガイドワイヤルーメン31には、ガイドワイヤを挿入可能である。
シャフト部20の外径は、特に限定されないが、低侵襲であり、かつ挿入する一般的なシースやガイディングカテーテルとの互換性を満たすために大きすぎないことが好ましく、例えば4.0mm以内、好ましくは2.9mm以内である。
第1管体22、第2管体23、第3管体24および内管30の構成材料は、ある程度の可撓性を有することが好ましい。また、第1管体22、第2管体23、第3管体24および内管30の構成材料は、絶縁性を有することが好ましい。そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。
拡張部40は、柔軟に変形可能な第1バルーン41および第2バルーン42を有している。第1バルーン41は、第2管体23の段差部26の外周面を覆う柔軟に変形可能な弾性体である。第1バルーン41の遠位端および近位端は、段差部26に固着されている。第1バルーン41の内部には、側孔27の少なくとも1つが配置されている。このため、第1バルーン41の内部は、拡張ルーメン28と連通している。
第2バルーン42は、第1バルーン41よりも遠位側で段差部26の外周面を覆う柔軟に変形可能な弾性体である。第2バルーン42の遠位端および近位端は、段差部26に固着されている。第2バルーン42の内部には、側孔27の少なくとも1つが配置されている。このため、第2バルーン42の内部は、拡張ルーメン28と連通している。第1バルーン41は、第2バルーン42よりも、シャフト部20の径方向外側へ大きく拡張可能である。シャフト部20の長軸を通る断面において、第1バルーン41および第2バルーン42の形状は、特に限定されないが、例えば、略円筒、略楕円、略台形等である。第1バルーン41および第2バルーン42は、薄膜状であり、可撓性を有することが好ましい。また、第1バルーン41および第2バルーン42は、帯部50を確実に押し広げる程度の強度も必要とされる。第1バルーン41および第2バルーン42の構成材料は、シャフト部20について上で挙げたものを用いることができ、また、それ以外(例えば、水添スチレン系熱可塑性エラストマー(SEBS)などの各種エラストマー素材)を用いることもできる。
導線70は、線状であり、外管21の内部に埋設される埋設部72と、外管21の遠位端面25から遠位側へ突出する先端導線71と、近位側で外管21から外部へ導出される基端導線73とを有している。埋設部72は、第2管体23と第3管体24の間に挟まれている。導線70の数は、第1電極57Aの数と、第2電極58Aの数との合計数以上であることが好ましい。複数の導線70は、多状巻の螺旋構造で形成される。したがって、複数の導線70は、電気的に短絡せずに、独立した電流を伝えることができる。第1電極57Aへ電気を流す導線70の径は、第2電極58Aへ電気を流す導線70の径よりも大きいことが好ましい。これにより、第1電極57Aへ大電流を流すことができ、かつ多くの第2電極58Aを配置できる。したがって、第1電極57Aから高いエネルギーを出力でき、かつ第2電極58Aを多極化できる。
各々の導線70の先端導線71は、帯部50の端子に電気的に接続される。基端導線73は、第3管体24の近位部から基端方向へ引き出され、シャフト部20の外部に設けられる電源部12および診断装置13に接続されている。電源部12は、帯部50の第1電極57Aに対して電気を供給できる。診断装置13は、帯部50の第2電極58Aの電位を計測できる。
導線70の構成材料は、導電性が高いことが好ましく、例えば銅、金、白金、銀、アルミニウム、合金、または炭素繊維等である。導線70は、公知の導線を利用できる。
各々の帯部50は、図1~3に示すように、略一定の幅および厚さを有して、シャフト部20の長軸方向に延在している。帯部50は、例えば、フレキシブルプリント基板によって形成される。各々の帯部50は、可撓性を有している。各々の帯部50は、第1バルーン41および第2バルーン42の外周側に位置しており、第1バルーン41および第2バルーン42とは固定されていない。なお、帯部50は、第1バルーン41および/または第2バルーン42に部分的に固定されてもよい。複数の帯部50は、拡張部40の外周側に、拡張部40の周方向Zへ並んで配置されている。各々の帯部50は、シャフト部20の長軸方向に延在している。
各々の帯部50は、近位側に位置する近位固定部51と、遠位側に位置する遠位固定部52とを有している。近位固定部51は、外管21の段差部26の外周面に固定される。遠位固定部52は、内管30の遠位部の外周面に、固定部29によって固定される。近位固定部51および遠位固定部52が近接または離間することで、帯部50の近位固定部51および遠位固定部52の間に位置する部位が、シャフト部20の径方向外側へ向かって撓むように拡張または収縮する。
各々の帯部50は、図2に示すように、基板層53と、接着層54と、導電層55と、絶縁層56とにより構成される。基板層53は、シャフト部20の径方向の内側(以下、径方向内側と称する。)に位置する絶縁性の層である。基板層53は、他の層が付着される基礎となる層である。基板層53は、帯部50の遠位端から近位端までの全体に配置される。接着層54は、基板層53に対して、シャフト部20の径方向の外側(以下、径方向外側と称する。)に位置する層である。接着層54は、基板層53と導電層55を接着する層である。導電層55は、接着層54の径方向外側に位置する導電性を備えた層である。導電層55は、第1電極57Aを有する第1導電層57と、第2電極58Aを有する第2導電層58とを備えている。第1導電層57および第2導電層58は、同一平面上に位置している。なお、後に変形例として説明するが、第1導電層57および第2導電層58は、同一平面上に位置しなくてもよい。絶縁層56は、導電層55および接着層54の径方向外側を部分的に覆う絶縁性の層である。絶縁層56と導電層55との間に、他の接着層が設けられてもよい。
第1導電層57は、第1端子57Bと、第1配線部57Cと、第1電極57Aとを有している。第1端子57Bは、帯部50の近位部に位置し、絶縁層56に覆われずに径方向外側へ露出している。第1端子57Bは、導線70の先端導線71の1つが、はんだ等によって電気的に接続される。第1電極57Aは、帯部50の第1端子57Bよりも遠位側に位置し、絶縁層56に覆われずに径方向外側へ露出している。第1電極57Aは、第1バルーン41が拡張した際に、第1バルーン41の略中央部および/または中央部よりも遠位側の部位に対して、径方向外側に位置する(図4を参照)。第1配線部57Cは、第1端子57Bと第1電極57Aとを接続する。第1配線部57Cは、絶縁層56に覆われている。
第2導電層58は、第2端子58Bと、第2配線部58Cと、第2電極58Aとを有している。第2端子58Bは、帯部50の近位部に位置し、絶縁層56に覆われずに径方向外側へ露出している。第2端子58Bは、導線70の先端導線71の1つが、はんだ等によって電気的に接続される。第2電極58Aは、帯部50の第1電極57Aよりも遠位側に位置し、絶縁層56に覆われずに径方向外側へ露出している。第2電極58Aは、第2バルーン42が拡張した際に、第2バルーン42の拡張する部位の径方向外側に位置する(図4を参照)。第2配線部58Cは、第2端子58Bと第2電極58Aとを接続する。第2配線部58Cは、絶縁層56に覆われている。帯部50の近位固定部51および先端導線71は、絶縁材料からなる1つの保護チューブ75によりまとめて覆われる。したがって、第1端子57B、第2端子58Bおよび先端導線71は、外部へ露出しない。これにより、医療デバイス10の電気的安全性を向上できる。
第1導電層57および第2導電層58は、互いに接触せずに、基板層53上に配置されている。第1端子57Bおよび第2端子58Bは、帯部50の幅方向に並んでいる。なお、第1端子57Bおよび第2端子58Bの配置および形状は、先端導線71と接続できれば特に限定されない。例えば、第1端子57Bおよび第2端子58Bは、帯部50の長尺方向に並んで配置されてもよい。第1配線部57Cおよび第2配線部58Cは、帯部50の幅方向の異なる縁部に沿って延在する。これにより、第1配線部57Cが、第2導電層58と短絡しないとともに、第2配線部58Cが、第1導電層57と短絡しない。なお、第1配線部57Cおよび第2配線部58Cの配置および形状は、電気を第1電極57Aおよび第2電極58Aに伝えることができれば特に限定されない。例えば、第1配線部57Cは、第1端子57Bまたは第1電極57Aと同寸法の幅を有してもよい。
帯部50は、第1電極57Aおよび第2電極58Aの間に、部分的に曲げ剛性の低い屈曲部59を有している。屈曲部59は、幅方向の両側の縁部に凹状の切り込みが形成された括れ部59Aを有している。屈曲部59の曲げ剛性が部分的に低いとは、帯部50の厚さ方向への屈曲部59の曲げ剛性が、屈曲部59よりも遠位側の部位および近位側の部位よりも、相対的に低いことを意味する。屈曲部59は、括れ部59Aが形成されるため、部分的に低い曲げ剛性を有している。帯部50の厚さ方向は、基板層53、接着層54、導電層55および絶縁層56が積層される方向である。帯部50の幅方向は、帯部50の長尺方向および厚さ方向と直交する方向である。帯部50は、厚さ方向よりも幅方向へ長い寸法を有する。帯部50は、屈曲部59において、径方向内側へ向かって凸状となるように容易に屈曲できる構造を有している。帯部50の屈曲部59は、予め、径方向内側へ向かってある程度凸状に形状付けられてもよい。なお、後に変形例として説明するが、屈曲部59の形態は、屈曲部59の曲げ剛性が部分的に低ければ、特に限定されない。
第1電極57Aの外部へ露出している面積は、第2電極58Aの外部へ露出している面積よりも大きい。このため、第1電極57Aの広い面積から、エネルギーを生体組織へ出力できる。このため、第1電極57Aによる傷害範囲の広さ、深さおよび均質さを向上できる。また、第2電極58Aの面積が小さいことで、検出する電位の場所を高精度に特定できる。
帯部50の幅は、特に限定されないが、例えば0.1~4.0mmである。帯部50の厚さは、特に限定されないが、例えば0.3~1.0mmである。帯部50の長尺方向に沿う第1電極57Aの長さは、特に限定されないが、例えば1~20mmである。第1電極57Aの幅は、特に限定されないが、例えば0.3~0.5mmである。帯部50の長尺方向に沿う第2電極58Aの長さは、特に限定されないが、例えば0.5~5mm、好ましくは1mmである。第2電極58Aの幅は、特に限定されないが、例えば0.3~0.5mmである。
第2電極58Aおよび第1電極57Aは、ある程度離れていることが好ましい。第2電極58Aと第1電極57Aの間の距離は、特に限定されないが、例えば5~20mm、好ましくは10~15mmである。第2電極58Aおよび第1電極57Aが離れているため、第1電極57Aからの出力が、生体組織の抵抗によって減衰した後に、第2電極58Aに入力される。このため、第2電極58Aに接続されるEPS(Electrophysiology Study:電気生理学的検査)検査のための装置が電気によって破壊されることを抑制できる。
基板層53および絶縁層56の構成材料は、可撓性を有すれば特に限定されないが、例えばポリイミド、ポリエステル、液晶ポリマー等の樹脂材料を好適に使用できる。接着層54の構成材料は、接着可能であれば特に限定されないが、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤等を好適に使用できる。導電層55の構成材料は、導電性を有すれば特に限定されないが、例えば銅、カーボン銀等を好適に使用できる。第1電極57Aおよび第2電極58Aの表面は、導電性を備えるとともにX線造影性を備える材料により被覆されてもよい。被覆される層の厚さは、例えば5~10μmである。これにより、術者は、第1電極57Aおよび第2電極58Aの位置を、X線透視下で特定である。導電性およびX線造影性を備える材料は、例えば金、白金、タングステン等である。
複数の帯部50は、図1に示すように、シャフト部20の周方向に均等に配置される。電気信号は、隣接する帯部50間に印加されるが、体外に電極(あるいは対極板)を配置し、その体外の電極(あるいは対極板)と帯部50との間に電気信号を印加してもよい。
ハブ60は、図1に示すように、内管30の近位部が連結されている。内管30の外側に位置して内管30に対して軸方向へ移動可能な外管21は、ハブ60に対して摺動可能に連結されている。ハブ60は、ガイドワイヤルーメン31と連通する開口を有する第1ポート61と、拡張ルーメン28と連通する開口を有する第2ポート62とを有している。
次に、第1実施形態に係る医療デバイス10の作用および効果を説明する。
医療デバイス10は、ガイドワイヤルーメン31に挿入されるガイドワイヤに沿って、右心房側から左心房に押し込まれる。医療デバイス10は、図4に示すように、帯部50の遠位部を目的位置である肺静脈80の入口まで挿入される。すなわち、帯部50は、左心房の広い空間から、肺静脈80の狭い空間へ導入される。第2バルーン42は、肺静脈80の内部に配置され、第1バルーン41は、肺静脈80と左心房の接合部81の近傍に配置される。次に、第2ポート62、拡張ルーメン28および側孔27を介して、第1バルーン41および第2バルーン42内に拡張用流体が供給される。これにより、第1バルーン41および第2バルーン42が拡張し、帯部50が第1バルーン41および第2バルーン42によって押されて径方向外側に拡張する。このとき、外管21が内管30に対して相対的に遠位側へ移動し、帯部50の近位部が遠位側へ移動する。これにより、帯部50は、拡張部40の拡張に追従しながら変形できる。帯部50の遠位部は、第2バルーン42によって押されて径方向外側へ拡張する。このため、帯部50の第2電極58Aの少なくとも一部が、径方向外側を向いた状態で、第2バルーン42によって肺静脈80の内壁面に押し付けられる。したがって、第2電極58Aは、肺静脈80の電位を高精度に検出できる。
また、帯部50の近位部は、第1バルーン41によって径方向外側へ拡張する。このため、帯部50の第1電極57Aの少なくとも一部は、第1バルーン41の、遠位側へ向かって外径が減少する部位の外側に配置される。このため、第1電極57Aは、径方向外側および遠位側を向いた状態で、第1バルーン41によって肺静脈80と接合部81に押し付けられる。第1バルーン41の外径は、第2バルーン42の外径よりも大きいため、肺静脈80よりも大きい内径を有する接合部81へ、第1電極57Aを効果的に接触させることができる。そして、第1電極57Aと第2電極58Aとの間に位置する屈曲部59は、屈曲しやすいため、径方向内側へ向かって屈曲する。屈曲部59が径方向内側へ屈曲することで、帯部50の第1電極57Aおよび第2電極58Aの間の部位の一部が、生体組織に接触せず、若しくは強く接触しない。このため、帯部50は、第1電極57Aと第2電極58Aとの間に位置する生体組織の形状から影響を受け難くなる。したがって、第1電極57Aおよび第2電極58Aは、互いに異なる位置および角度に変形でき、各々の目的部位に良好に密着できる。さらに、帯部50は、フレキシブルプリント基板により形成されているため、第1電極57Aおよび/または第2電極58Aに断線や短絡等の不具合が生じ難い。
電源部12からは、導線70を介して、シャフト部20の周方向Zに隣接する一対の帯部50の第1電極57Aへ、パルス状の電気信号が印加される。これにより、周方向Zに隣接する一対の帯部50間に電流が流れる。次に、周方向Zに隣接する他の対の帯部50に対して、パルス状の電気信号が印加される。電気信号の印加は、周方向Zに隣接する全ての対となる帯部50に対して、順次行われる。印加される電気信号の一例を以下に挙げる。電源部12が印可する電界強度は、200~1500V/cmであり、電気信号のパルス幅は100μsecである。周方向Zに隣接する帯部50の全ての対に対する電気信号の印加は、1~5秒に1回のサイクルで、心室筋の不応期に合わせて、60~360回繰り返される。これによって、肺静脈の入口の細胞を全周に渡って壊死させる。なお、隣接に関係なく複数の帯部50の間で電気信号を印加してもよく、帯部50から体表に貼り付けられた対極板に対して電気信号を印加してもよい。
各々の第2電極58Aは、肺静脈電位を検出する。第2電極58Aは、検出した電位を、導線70を介して診断装置13へ送信する。診断装置13は、計測した電位から、第1電極57Aによる肺静脈乖離の状況を診断する。すなわち、肺静脈乖離が良好に行われると、肺静脈電位が消える、または減少する。したがって、診断装置13は、各々の第2電極58Aにおいて計測される肺静脈電位から、肺静脈の周方向に並ぶ各々の第2位置において、第1電極57Aによる肺静脈乖離の状況を診断できる。
診断装置13は、3次元電位マッピングシステムが組み込まれてもよい。3次元電位マッピングシステムは、受信した信号から、計測電極58Aの位置を特定できる。
拡張部40を収縮させると、帯部50は、自己の復元力によって径方向内側に収縮する。このとき、外管21が内管30に対して近位側へ移動し、帯部50の近位部が近位側へ移動する。これにより、帯部50は、拡張部40の収縮に追従しながら元の直線に近い形状に変形できる。
以上のように、第1実施形態に係る医療デバイス10は、長尺なシャフト部20と、シャフト部20の遠位側に配置され、シャフト部20の長軸方向に沿って延在し、シャフト部20の径方向に変形可能である複数の帯部50と、を有し、帯部50の少なくとも1つは、生体組織にエネルギーを出力する第1電極57Aと、第1電極57Aよりも遠位側に配置され、曲げ剛性が遠位側および近位側の隣接部位よりも低い屈曲部59と、を有する。
上記のように構成した医療デバイス10は、エネルギーを出力する第1電極57Aの遠位側の屈曲部59が屈曲しやすい。このため、屈曲部59をシャフト部20に近づく方向へしなやかに曲げつつ、第1電極57Aを、目的部位へ良好に接触させることができる。
また、医療デバイス10は、シャフト部20および帯部50の間に配置され、シャフト部20の径方向外側へ拡張可能な拡張部40を有する。これにより、帯部50に配置される第1電極57Aおよび第2電極58Aが、拡張する拡張部40により押されて、目的部位に確実に接触できる。拡張部40は、帯部50とは異なる部材であるため、帯部50とは異なる形状に変形できる。したがって、帯部50の変形は、拡張部40の変形可能な範囲に制限されない。したがって、帯部50に配置される第1電極57Aおよび第2電極58Aの各々は、拡張部40によって押されて、各々の目的部位に良好に接触できる。
また、帯部50は、屈曲部59よりも遠位側に配置され、電位を計測する第2電極58Aを有する。これにより、医療デバイス10は、第1電極57Aと第2電極58Aとの間の屈曲部59が屈曲しやすい。このため、屈曲部59をシャフト部20に近づく方向へ屈曲させつつ、第1電極57Aおよび第2電極58Aを、各々の目的部位へ良好に接触させることができる。したがって、本医療デバイス10は、第1電極57Aによるエネルギーの出力と、第2電極58Aによる計測の両方を1つのデバイスで良好に行うことができる。例えば、医療デバイス10は、広い左心房から狭い肺静脈80へ挿入されると、第2電極58Aが肺静脈80の壁面に接触し、第1電極57Aが肺静脈80と左心房との接合部81に接触しやすい。このため、第2電極58Aにより肺静脈80の電位を良好に計測しつつ、第1電極57Aにより接合部81を良好に処置(例えば、治療)できる。
また、拡張部40は、シャフト部20および第1電極57Aの間に配置される第1バルーン41と、シャフト部20および第2電極58Aの間に配置され、第1バルーン41よりも拡張可能な外径が小さい第2バルーン42と、を有する。これにより、第1バルーン41および第2バルーン42は、第1電極57Aおよび第2電極58Aを目的部位に押し付けるために最適な形状となるように、独立して拡張可能である。また、屈曲部59が、第1バルーン41と第2バルーン42との間で、シャフト部20に近づくように屈曲しやすい。このため、第1電極57Aおよび第2電極58Aは、各々の目的部位に良好に接触できる。
また、第1バルーン41および第2バルーン42が拡張した状態において、第1電極57Aは第1バルーン41の中央部よりも遠位側の部位の径方向外側に配置され、第2電極58Aは第2バルーン42の中央部を含む部位の径方向外側に配置される。なお、中央部とは、シャフト部20の長軸方向における中央である。したがって、例えば、医療デバイス10は、広い左心房から狭い肺静脈80へ挿入されると、第2電極58Aが肺静脈80の壁面に接触し、第1電極57Aが肺静脈80と左心房との接合部81に接触しやすい。このため、第2電極58Aにより肺静脈80の電位を良好に計測しつつ、第1電極57Aにより接合部81を良好に処置(例えば、治療)できる。
また、屈曲部59は、少なくとも1つの括れ部59Aを有し、当該括れ部59Aにおける帯部50の幅は、当該括れ部59Aの遠位側および近位側の隣接部位における帯部50の幅よりも短い。これにより、帯部50の曲げ剛性が、括れ部59Aが配置される屈曲部59において部分的に低くなる。このため、帯部50は屈曲部59において良好に屈曲できる。
<第2実施形態>
<第2実施形態>
第2実施形態に係る医療デバイス100は、図5に示すように、拡張部110が1つのバルーン111のみを有する点でのみ、第1実施形態と異なる。
バルーン111は、外管21の段差部26の外周面を覆う柔軟に変形可能な弾性体である。バルーン111の遠位端および近位端は、段差部26に固着されている。バルーン111の内部には、側孔27が配置されている。このため、バルーン111の内部は、拡張ルーメン28と連通している。バルーン111は、近位側に位置する第1の部位112と、遠位側に位置する第2の部位113と、第1の部位112および第2の部位113の間に位置する窪み部114とを有している。第1の部位112は、図6に示すように、第2の部位113よりも、シャフト部20の径方向外側へ大きく拡張可能である。窪み部114は、バルーン111の拡張時に、シャフト部20の長軸を通る断面において、第1の部位112と第2の部位113との間で、シャフト部20に向かって突出している。窪み部114は、シャフト部20の長軸を通る断面において、第1の部位112の径方向外側へ凸状の部位と、第2の部位113の径方向外側へ凸状の部位との間で、2つの変曲点115に挟まれて配置される。これにより、屈曲部59が、第1の部位112と第2の部位113との間の窪み部114に向かって、シャフト部20に近づくように屈曲しやすい。このため、第1電極57Aおよび第2電極58Aは、各々の目的部位に良好に接触できる。
第1電極57Aは、バルーンが拡張した際に、第1の部位112の略中央部および/または中央部よりも遠位側の部位に対して、径方向外側に位置する。第2電極58Aは、バルーンが拡張した際に、第2の部位113の径方向外側に位置する。
次に、第2実施形態に係る医療デバイス100の作用および効果を説明する。
医療デバイス100は、図6に示すように、帯部50の遠位部を目的位置である肺静脈80の入口まで挿入された状態で、第2ポート62、拡張ルーメン28および側孔27を介して、バルーン111に拡張用流体が供給される。これにより、バルーン111が拡張し、帯部50がバルーン111によって押されて径方向外側に拡張する。帯部50の遠位部は、第2の部位113によって押されて径方向外側へ拡張する。このため、帯部50の第2電極58Aの少なくとも一部は、径方向外側を向いた状態で、第2の部位113によって肺静脈80の内壁面に押し付けられる。このため、第2電極58Aは、肺静脈80の電位を高精度に検出できる。また、帯部50の近位部は、第1の部位112によって押されて径方向外側へ拡張する。帯部50の第1電極57Aの少なくとも一部は、第1の部位112の、遠位側へ向かって外径が減少する遠位部の外側に配置される。このため、第1電極57Aは、径方向外側および遠位側を向いた状態で、第1の部位112によって接合部81に押し付けられる。第1の部位112は、第2の部位113よりも大きいため、肺静脈80よりも内径が大きい接合部81へ、第1電極57Aを効果的に接触させることができる。そして、第1電極57Aと第2電極58Aの間に位置する屈曲部59は、径方向内側へ向かって屈曲する。このとき、バルーン111の第1の部位112と第2の部位113の間に、径方向内側へ凸状の窪み部114が形成されるため、屈曲部59は、径方向内側へ向かって屈曲しやすい。屈曲部59が径方向内側へ屈曲することで、帯部50の第1電極57Aおよび第2電極58Aの間の部位が、生体組織に接触せず、若しくは強く接触しない。このため、帯部50は、第1電極57Aと第2電極58Aの間に位置する生体組織の形状から影響を受け難くなる。したがって、第1電極57Aおよび第2電極58Aは、各々の目的部位に良好に密着できる。
以上のように、第2実施形態に係る医療デバイス100において、拡張部40は、シャフト部20および第1電極57Aの間に配置される第1の部位112と、シャフト部20および第2電極58Aの間に配置され、第1の部位112よりも拡張可能な径が小さい第2の部位113と、を備える1つのバルーン111を有する。これにより、第1電極57Aを第1の部位112によって目的部位へ押し付けるとともに、第2電極58Aを第2の部位113によって目的部位へ押し付けることができる。また、第1電極57Aおよび第2電極58Aを目的部位に接触させるために、1つのバルーン111を操作するのみでよいため、操作性が向上する。
また、拡張時のバルーン111は、シャフト部20の長軸を通る断面において、第1の部位112と第2の部位113との間に、2つの変曲点115に挟まれてシャフト部20に向かって突出する窪み部114を有する。これにより、屈曲部59が、第1の部位112と第2の部位113との間の窪み部114に向かって、シャフト部20に近づくように屈曲しやすい。このため、第1電極57Aおよび第2電極58Aは、各々の目的部位に良好に接触できる。
<第3実施形態>
<第3実施形態>
第3実施形態に係る医療デバイス120は、図7に示すように、拡張部130が1つのバルーン131のみを有し、帯部140が屈曲部141および近位屈曲部142を有する点で、第1実施形態と異なる。
バルーン131は、外管21の段差部26の外周面を覆う柔軟に変形可能な弾性体である。バルーン131の内部には、側孔27が配置されている。このため、バルーン131の内部は、拡張ルーメン28と連通している。バルーン131は、遠位移行部132と、筒状部133と、近位移行部134とを有している。バルーン131が拡張した状態において、遠位移行部132は、バルーン131の遠位端の段差部26に対する固定位置から近位側へ向かって、外径が大きくなっている。バルーン131が拡張した状態において、近位移行部134は、バルーン131の近位端の段差部26に対する固定位置から遠位側へ向かって、外径が大きくなっている。筒状部133は、遠位移行部132と近位移行部134との間に配置される。筒状部133は、バルーン131が拡張した状態において、略一定の外径を有する円筒形状である。
第1電極57Aおよび第2電極58Aは、筒状部133の径方向外側に配置される。第2電極58は、第1電極57Aよりも遠位側に配置される。
屈曲部141は、筒状部133よりも遠位側に配置される。すなわち、屈曲部141は、遠位移行部132の近傍に配置される。近位屈曲部142は、筒状部133よりも近位側に配置される。すなわち、近位屈曲部142は、近位移行部134の近傍に配置される。近位屈曲部142は、屈曲部141と同様に、遠位側および近位側の隣接部位よりも低い曲げ剛性を有する。近位屈曲部142は、屈曲部141と同様の構成であり得る。したがって、屈曲部141および近位屈曲部142は、柔軟であり、屈曲しやすい。
次に、第3実施形態に係る医療デバイス120の作用および効果を説明する。
医療デバイス120は、帯部140の略全体を、内径が略一定となる肺静脈80まで挿入される。この状態で、第2ポート62、拡張ルーメン28および側孔27を介して、バルーン131に拡張用流体が供給される。これにより、バルーン131が拡張し、帯部140がバルーン131によって押されて径方向外側に拡張する。第1電極57Aおよび第2電極58Aは、円筒部133によって、肺静脈80の内壁面に押し付けられる。このとき、屈曲部141は、柔軟であるため、シャフト部20から略垂直に立ち上がる遠位移行部132の近傍で、径方向内側へ向かって屈曲する。屈曲部141は、バルーン131の遠位移行部132における急激な外径の変化に対応して、大きく屈曲できる。また、近位屈曲部142は、シャフト部20から略垂直に立ち上がる近位移行部134の近傍で、径方向内側へ向かって屈曲する。近位屈曲部142は、バルーン131の近位移行部134における急激な外径の変化に対応して、大きく屈曲できる。このため、帯部140は、筒状部133が大きく拡張したバルーン131の形状に追従して変形しやすい。したがって、屈曲部141および近位屈曲部142の間に配置される第1電極57Aおよび第2電極58Aは、肺静脈80の内壁面に密着する。
以上のように、第3実施形態に係る医療デバイス120において、帯部140は、第1電極57Aよりも遠位側に配置され、屈曲部141よりも近位側に配置されて電位を計測する第2電極58Aと、第1電極57Aよりも近位側に配置され、曲げ剛性が遠位側および近位側の隣接部位よりも低い近位屈曲部142と、を有し、拡張した状態の拡張部130は、当該拡張部130の遠位側のシャフト部20に対する固定部位から近位側へ向かって外径が大きくなる遠位移行部132と、当該拡張部130の近位側のシャフト部20に対する固定部位から遠位側へ向かって外径が大きくなる近位移行部134と、遠位移行部132および近位移行部134の間に位置する筒状部133と、を有するバルーン131であり、第1電極57Aおよび第2電極58Aは、筒状部133の径方向外側に配置され、屈曲部141は、筒状部133よりも遠位側に配置され、近位屈曲部142は、筒状部133よりも近位側に配置される。これにより、バルーン131が拡張すると、屈曲部141は、シャフト部20から立ち上がる遠位移行部132の近傍で、径方向内側へ向かって屈曲する。さらに、近位屈曲部142は、シャフト部20から立ち上がる近位移行部134の近傍で、径方向内側へ向かって屈曲する。このため、屈曲部141および近位屈曲部142の間に配置される第1電極57Aおよび第2電極58Aは、各々の目的部位に良好に接触できる。また、屈曲部141および近位屈曲部142が屈曲することで、外径が急激に変化する遠位移行部132および近位屈曲部142の近傍で、帯部140に塑性変形や破損が生じることを抑制できる。また、第1電極57Aおよび第2電極58Aを目的部位に接触させるために、1つのバルーン111を操作するのみでよいため、操作性が向上する。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上述の実施形態の医療デバイス10、100は、肺静脈80の処置に用いるものを示したが、それ以外の部位、例えば、腎動脈、上行大静脈、心室などを処置するものであってもよい。
また、帯部50に形成される屈曲部59の形態は、特に限定されない。例えば、図8(A)に示す第1変形例のように、屈曲部59は、少なくとも1つの薄肉部59Bを有し、当該薄肉部59Bにおける帯部50の厚さは、当該薄肉部59Bの遠位側および近位側の隣接部位における帯部50の厚さよりも薄くてもよい。これにより、帯部50の曲げ剛性が、薄肉部59Bが配置される屈曲部59において部分的に低くなる。このため、帯部50は屈曲部59において良好に屈曲できる。薄肉部59Bは、帯部50の表面に帯部50の幅方向へ延在する溝部が形成されてもよい。これにより、薄肉部59Bの曲げ剛性を、溝部によって効果的に減少させることができる。また、溝部が帯部50の幅方向へ延在するため、帯部50が、溝部において厚さ方向へ屈曲しやすい。
また、図8(B)に示す第2変形例のように、屈曲部59は、帯部50の幅が短い括れ部59Aと、帯部50の厚さが薄い薄肉部59Bの両方が形成されてもよい。これにより、帯部50の曲げ剛性が、括れ部59Aおよび薄肉部59Bが配置される屈曲部59において相乗的に低くなる。このため、帯部50は屈曲部59において良好に屈曲できる。
また、図8(C)に示す第3変形例のように、剛性の高い導電体により形成される第1導電層57および第2導電層58の量によって、屈曲部59の曲げ剛性を、屈曲部59の遠位側および近位側の各々の隣接部位よりも低く設定してもよい。本変形例では、屈曲部59に第1導電層57は配置されず、第2導電層58が配置されている。なお、屈曲部59に、第1導電層57および第2導電層58の両方が配置されてもよく、または、第2導電層58が配置されずに第1導電層57が配置されてもよい。以上のように、帯部50は、第1電極57Aを含む第1導電層57と、第2電極58Aを含む第2導電層58と、を有し、帯部50の長尺方向と直交する断面において第1導電層57および第2導電層58の合計の面積を導電体面積と定義し、屈曲部59の導電体面積は、当該屈曲部59の遠位側および近位側の隣接部位の導電体面積よりも小さい。これにより、第1導電層57および第2導電層58の配置の工夫のみによって、帯部50に屈曲部59を容易に形成できる。
また、図8(D)に示す第4変形例のように、構成材料の柔軟性によって、屈曲部59の曲げ剛性を、屈曲部59の遠位側および近位側の隣接部位よりも低く設定してもよい。屈曲部59は、少なくとも1つの柔軟部59Cを有し、当該柔軟部59Cの構成材料は、柔軟部59Cの遠位側および近位側の隣接部位の構成材料よりも柔らかい。これにより、帯部50の曲げ剛性が、柔軟部59Cが配置される屈曲部59において部分的に低くなる。このため、帯部50は屈曲部59において良好に屈曲できる。図8(D)に示す柔軟部59Cは、薄肉部59Bが形成されるが、薄肉部59Bは形成されなくてもよい。柔軟部59Cに薄肉部59Bを形成することで、帯部50の曲げ剛性を、相乗的に低くすることができる。柔軟部59Cは、絶縁層56に形成されるが、基板層53、接着層54、または導電層55に形成されてもよい。
また、図8(E)に示す第5変形例のように、屈曲部59は、当該屈曲部59の近位側および/または遠位側の隣接部位から曲げ剛性が徐々に減少する傾斜物性部59Dを有してもよい。これにより、帯部50は、屈曲部59において滑らかに屈曲でき、応力が集中しすぎることを抑制できる。このため、屈曲部59が屈曲することによって破損することを抑制できる。
また、図9(A)に示す第6変形例のように、1つの帯部50が、複数の第2電極58Aを有してもよい。例えば、2つの第2電極58Aが、帯部50の長尺方向に並んでいる。各々の第2電極58Aは、各々の第2端子58Bによって異なる導線70に接続される。このため、1つの帯部50の2カ所で、電位を計測できる。したがって、1つの第2電極58Aでは検出できない電位を、検出することが可能となる。なお、第2電極58Aは、3つ以上設けられてもよい。また、図9(B)に示す第7変形例のように、複数の第2電極58Aは、帯部50の幅方向へ並んで配置されてもよい。
また、図10に示す第8変形例のように、第1電極57Aに接続される第1配線部57Cと、第2電極58Aに接続される第2配線部57Cは、積層されて異なる階層に配置されてもよい。第1配線部57Cと第1端子57Bとの間、および第1配線部57Cと第1電極57Aとの間は、スルーホールに蒸着された金等の導電部材57Dにより接続される。また、第2配線部58Cと第2端子58Bとの間、および第2配線部58Cと第2電極58Aとの間も、スルーホールに蒸着された金等の導電部材58Dにより接続される。これにより、第1配線部57Cおよび第2配線部58Cを、同一の面に形成する必要がなくなるため、第1電極57Aの幅を広げることができる。
また、医療デバイスは、拡張部を有さなくてもよい。医療デバイスは、拡張部を備えなくても、外管21および内管30をシャフト部20の長軸方向へ相対的に移動させることで、帯部50を径方向外側および内側へ撓むように変形させることができる。
また、帯部50は、屈曲部59と同様に曲げ剛性が部分的に低い部位を、第1電極57Aよりも近位側および/または第2電極58Aよりも遠位側に備えてもよい。これにより、第1電極57Aおよび/または第2電極58Aを、各々の目的部位へ確実に密着させることができる。
また、医療デバイスは、手元での操作で遠位部の向く方向を変更できる構造を備えてもよい。また、医療デバイスは、3Dマッピング用の磁気発生手段を有してもよい。また、医療デバイスの第2電極58Aは、第1電極としての機能を備えてもよい。この場合、例えば、同じ帯部50の第2電極58Aおよび第1電極57Aの間で電気を流すことで、アブレーションを行うことが可能である。また、異なる帯部の第2電極58Aおよび第1電極57Aの間で電気を流すことで、アブレーションを行ってもよい。また、帯部は、フレキシブルプリント基板でなくてもよい。
また、第1実施形態に係る医療デバイス10が、2つの拡張ルーメンを有し、第1バルーン41および第2バルーン42が、異なる拡張ルーメンに連通してもよい。これにより、第1バルーン41および第2バルーン42は、各々の望ましい異なるタイミングで拡張可能である。
なお、本出願は、2019年3月26日に出願された日本特許出願2019-58930号に基づいており、それらの開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
10、100、120 医療デバイス
20 シャフト部
21 外管
30 内管
40、110、130 拡張部
41 第1バルーン
42 第2バルーン
50、140 帯部
53 基板層
54 接着層
55 導電層
56 絶縁層
57 第1導電層
57A 第1電極
57B 第1端子
57C 第1配線部
58 第2導電層
58A 第2電極
58B 第2端子
58C 第2配線部
59、141 屈曲部
59A 括れ部
59B 薄肉部
59C 柔軟部
80 肺静脈
81 接合部
111、131 バルーン
112 第1の部位
113 第2の部位
114 窪み部
132 遠位移行部
133 筒状部
134 近位移行部
142 近位屈曲部
20 シャフト部
21 外管
30 内管
40、110、130 拡張部
41 第1バルーン
42 第2バルーン
50、140 帯部
53 基板層
54 接着層
55 導電層
56 絶縁層
57 第1導電層
57A 第1電極
57B 第1端子
57C 第1配線部
58 第2導電層
58A 第2電極
58B 第2端子
58C 第2配線部
59、141 屈曲部
59A 括れ部
59B 薄肉部
59C 柔軟部
80 肺静脈
81 接合部
111、131 バルーン
112 第1の部位
113 第2の部位
114 窪み部
132 遠位移行部
133 筒状部
134 近位移行部
142 近位屈曲部
Claims (13)
- 長尺なシャフト部と、
前記シャフト部の遠位側に配置され、前記シャフト部の長軸方向に沿って延在し、前記シャフト部の径方向に変形可能である複数の帯部と、を有し、
前記帯部の少なくとも1つは、
生体組織にエネルギーを出力する第1電極と、
前記第1電極よりも遠位側に配置され、曲げ剛性が遠位側および近位側の隣接部位よりも低い屈曲部と、を有する医療デバイス。 - 前記シャフト部および帯部の間に配置され、前記シャフト部の径方向外側へ拡張可能な拡張部を有する請求項1に記載の医療デバイス。
- 前記帯部は、前記屈曲部よりも遠位側に配置され、電位を計測する第2電極を有する請求項2に記載の医療デバイス。
- 前記拡張部は、前記シャフト部および第1電極の間に配置される第1バルーンと、前記シャフト部および第2電極の間に配置され、前記第1バルーンよりも拡張可能な外径が小さい第2バルーンと、を有する請求項3に記載の医療デバイス。
- 前記第1バルーンおよび第2バルーンが拡張した状態において、前記第1電極は前記第1バルーンの中央部よりも遠位側の部位の径方向外側に配置され、前記第2電極は前記第2バルーンの中央部を含む部位の径方向外側に配置される請求項4に記載の医療デバイス。
- 前記拡張部は、前記シャフト部および第1電極の間に配置される第1の部位と、前記シャフト部および第2電極の間に配置され、前記第1の部位よりも拡張可能な径が小さい第2の部位と、を備える1つのバルーンを有する請求項3に記載の医療デバイス。
- 拡張時の前記バルーンは、前記シャフト部の長軸を通る断面において、前記第1の部位と第2の部位との間に、2つの変曲点に挟まれて前記シャフト部に向かって突出する窪み部を有する請求項6に記載の医療デバイス。
- 前記帯部は、前記第1電極よりも遠位側に配置され、前記屈曲部よりも近位側に配置されて電位を計測する第2電極と、
前記第1電極よりも近位側に配置され、曲げ剛性が遠位側および近位側の隣接部位よりも低い近位屈曲部と、を有し、
拡張した状態の前記拡張部は、当該拡張部の遠位側の前記シャフト部に対する固定部位から近位側へ向かって外径が大きくなる遠位移行部と、当該拡張部の近位側の前記シャフト部に対する固定部位から遠位側へ向かって外径が大きくなる近位移行部と、前記遠位移行部および近位移行部の間に位置する筒状部と、を有するバルーンであり、
前記第1電極および第2電極は、前記筒状部の径方向外側に配置され、
前記屈曲部は、前記筒状部よりも遠位側に配置され、
前記近位屈曲部は、前記筒状部よりも近位側に配置される請求項2に記載の医療デバイス。 - 前記屈曲部は、少なくとも1つの括れ部を有し、当該括れ部における前記帯部の幅は、当該括れ部の遠位側および近位側の隣接部位における前記帯部の幅よりも短い請求項1~8のいずれか1項に記載の医療デバイス。
- 前記屈曲部は、少なくとも1つの薄肉部を有し、当該薄肉部における前記帯部の厚さは、当該薄肉部の遠位側および近位側の隣接部位における前記帯部の厚さよりも薄い請求項1~9のいずれか1項に記載の医療デバイス。
- 前記薄肉部は、前記帯部の表面に前記帯部の幅方向へ延在する溝部が形成される請求項10に記載の医療デバイス。
- 前記屈曲部は、少なくとも1つの柔軟部を有し、当該柔軟部の構成材料は、当該柔軟部の遠位側および近位側の隣接部位の構成材料よりも柔らかい請求項1~11のいずれか1項に記載の医療デバイス。
- 前記帯部は、電位を計測する第2電極を有し、
前記帯部は、前記第1電極を含む第1導電層と、前記第2電極を含む第2導電層と、を有し、
前記帯部の長尺方向と直交する断面において前記第1導電層および第2導電層の合計の面積を導電体面積と定義し、
前記屈曲部の導電体面積は、当該屈曲部の遠位側および近位側の隣接部位の導電体面積よりも小さい請求項1~12のいずれか1項に記載の医療デバイス。
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