JP7316011B2 - ガス供給システムおよびガス供給方法 - Google Patents

ガス供給システムおよびガス供給方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7316011B2
JP7316011B2 JP2022558953A JP2022558953A JP7316011B2 JP 7316011 B2 JP7316011 B2 JP 7316011B2 JP 2022558953 A JP2022558953 A JP 2022558953A JP 2022558953 A JP2022558953 A JP 2022558953A JP 7316011 B2 JP7316011 B2 JP 7316011B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
vaporization
gas
supply
supply device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022558953A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022091713A1 (ja
Inventor
貴紀 中谷
敦志 日高
和之 森崎
功二 西野
信一 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikin Inc
Original Assignee
Fujikin Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikin Inc filed Critical Fujikin Inc
Publication of JPWO2022091713A1 publication Critical patent/JPWO2022091713A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7316011B2 publication Critical patent/JP7316011B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F17STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
    • F17CVESSELS FOR CONTAINING OR STORING COMPRESSED, LIQUEFIED OR SOLIDIFIED GASES; FIXED-CAPACITY GAS-HOLDERS; FILLING VESSELS WITH, OR DISCHARGING FROM VESSELS, COMPRESSED, LIQUEFIED, OR SOLIDIFIED GASES
    • F17C9/00Methods or apparatus for discharging liquefied or solidified gases from vessels not under pressure
    • F17C9/02Methods or apparatus for discharging liquefied or solidified gases from vessels not under pressure with change of state, e.g. vaporisation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F17STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
    • F17CVESSELS FOR CONTAINING OR STORING COMPRESSED, LIQUEFIED OR SOLIDIFIED GASES; FIXED-CAPACITY GAS-HOLDERS; FILLING VESSELS WITH, OR DISCHARGING FROM VESSELS, COMPRESSED, LIQUEFIED, OR SOLIDIFIED GASES
    • F17C13/00Details of vessels or of the filling or discharging of vessels
    • F17C13/02Special adaptations of indicating, measuring, or monitoring equipment
    • F17C13/025Special adaptations of indicating, measuring, or monitoring equipment having the pressure as the parameter
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F17STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
    • F17CVESSELS FOR CONTAINING OR STORING COMPRESSED, LIQUEFIED OR SOLIDIFIED GASES; FIXED-CAPACITY GAS-HOLDERS; FILLING VESSELS WITH, OR DISCHARGING FROM VESSELS, COMPRESSED, LIQUEFIED, OR SOLIDIFIED GASES
    • F17C2227/00Transfer of fluids, i.e. method or means for transferring the fluid; Heat exchange with the fluid
    • F17C2227/03Heat exchange with the fluid
    • F17C2227/0302Heat exchange with the fluid by heating
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F17STORING OR DISTRIBUTING GASES OR LIQUIDS
    • F17CVESSELS FOR CONTAINING OR STORING COMPRESSED, LIQUEFIED OR SOLIDIFIED GASES; FIXED-CAPACITY GAS-HOLDERS; FILLING VESSELS WITH, OR DISCHARGING FROM VESSELS, COMPRESSED, LIQUEFIED, OR SOLIDIFIED GASES
    • F17C2250/00Accessories; Control means; Indicating, measuring or monitoring of parameters
    • F17C2250/04Indicating or measuring of parameters as input values
    • F17C2250/0404Parameters indicated or measured
    • F17C2250/043Pressure

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

本発明は、ガス供給システムおよびガス供給方法に関し、特に、気化供給装置を用いて生成したガスを比較的大流量で連続的に供給することができるように構成されたガス供給システムおよびガス供給方法に関する。
半導体製造設備又は化学プラント等において、原料ガスやエッチングガスなどの種々のプロセスガスがプロセスチャンバへと供給される。供給されるガスの流量を制御する装置としては、マスフローコントローラ(熱式質量流量制御器)や圧力式流量制御装置が知られている。
圧力式流量制御装置は、コントロール弁とその下流側の絞り部(例えばオリフィスプレートや臨界ノズル)とを組み合せた比較的簡単な構成によって、各種流体の質量流量を高精度に制御することができるので、広く利用されている(例えば、特許文献1)。圧力式流量制御装置は、コントロール弁の一次側の供給圧力が大きく変動しても安定した流量制御が行えるという、優れた流量制御特性を有している。
近年、半導体デバイスの製造において、シリコン窒化膜(SiNx膜)やシリコン酸化膜(SiO2膜)などの絶縁膜の形成のために、HCDS(Si2Cl6:Hexachlorodisilane)ガスが材料として用いられている。HCDSは、低温で分解・反応させることができる材料であり、約450~600℃での低温半導体製造プロセスを可能にする。
ただし、室温でHCDSは液体(沸点:約144℃)であるので、液体のHCDSをプロセスチャンバの手前で気化させてから供給することがある。本出願人による特許文献2および特許文献3には、HCDSや有機金属材料(例えばTEOS:オルトケイ酸テトラエチル)に利用可能な気化供給装置が開示されている。
上記の気化供給装置では、HCDSや有機金属の液体原料が原料タンクから気化部へと圧送され、気化部においてヒータによって加熱される。気化部で生成された原料ガスは、下流側のコントロール弁を用いて流量が制御されたうえで、プロセスチャンバへと供給される。
コントロール弁は、従来の圧力式流量制御装置と同様に、絞り部の上流側の圧力(上流圧力と称することがある)に基づいてその開度がフィードバック制御される。このようにしてコントロール弁を用いて上流圧力を制御することによって、気化部で生成した原料ガスを、絞り部の下流側に所望の流量で流すことができる。
特許第3546153号公報 国際公開第2019/021948号 国際公開第2021/054135号
ただし、上流圧力の制御を伴う圧力式の流量制御では、精度の良い流量制御を行えるものの、絞り部を介してガスを流出させるので、どうしても大流量のガスを流しにくいという不利点があった。絞り部を用いた場合、現状、最大でも1SLM(Standard Liter/Min)程度のHCDSガスを流すことしかできていなかった。
さらに、気化供給装置で生成したガスを大流量で供給しようとする場合、気化供給装置のガス生成能力も高いことが求められる。また、有機金属ガスやHCDSガスの供給を行うためには、再液化防止のため、供給路の全体が例えば200℃以上の高温に保持されており、システムが高温環境に対応できている必要がある。
したがって、気化供給装置を用いてガスの生成を行う場合において、システム全体として、高温のガスを大流量(例えば、2SLM以上の流量)で連続的に適切に供給するという要求があった。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、気化供給装置を用いて生成したHCDSガスや有機金属ガスを、比較的大流量で制御して流すことができるガス供給システムおよびガス供給方法を提供することをその主たる目的とする。
本発明の実施態様に係るガス供給システムは、原料が貯留されヒータを有する第1気化部と、前記第1気化部の下流側流路に設けられた第1バルブと、前記第1気化部と前記第1バルブとの間のガス圧力を測定する第1供給圧力センサとを備える第1気化供給装置と、原料が貯留されヒータを有する第2気化部と、前記第2気化部の下流側流路に設けられた第2バルブと、前記第2気化部と前記第2バルブとの間のガス圧力を測定する第2供給圧力センサとを備える第2気化供給装置と、前記第1気化供給装置および前記第2気化供給装置と接続された制御回路とを備え、前記第1気化供給装置の下流側流路と前記第2気化供給装置の下流側流路とが共通の流路に連通しており、前記制御回路は、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とを時間的にずらすように前記第1バルブおよび前記第2バルブの開閉を制御し、前記第1気化部からのガスと前記第2気化部からのガスとを前記共通の流路に順次的に流すことができるように構成されている。
ある実施形態において、前記第1供給圧力センサの出力が設定値以上のときに前記第1バルブを閉から開にして前記第1気化部から共通の流路へのガスを流し始め、前記第2供給圧力センサの出力が設定値以上のときに前記第2バルブを閉から開にして前記第2気化部から共通の流路へのガスを流し始めるように構成されている。
ある実施形態において、前記第1バルブの開放期間において、前記第2バルブは閉状態に維持され、前記第2バルブの開放期間において、前記第1バルブは閉状態に維持される。
ある実施形態において、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とにおいて、切り替え時の重複期間が設けられている。
ある実施形態において、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とが交互に繰り返すように設けられる。
ある実施形態において、前記第1気化部と前記第2気化部が同一の形状かつ同一の容積であり、前記第1バルブの開放時の開度と前記第2バルブの開放時の開度とが同一であり、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とが同じ長さである。
ある実施形態において、前記第1気化部および前記第2気化部に貯留される原料は、液体の有機金属材料または液体のSi2Cl6である。
ある実施形態において、原料が貯留されヒータを有する第3気化部と、前記第3気化部の下流側に設けられた第3バルブと、前記第3気化部と前記第3バルブとの間のガス圧力を測定する第3供給圧力センサとを備え、前記制御回路に接続されるとともに、その下流側流路が前記共通の流路に連通する第3気化供給装置をさらに備え、前記制御回路は、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間と前記第3バルブの開放期間とを時間的にずらすことによって、前記第1気化部からのガスと前記第2気化部からのガスと前記第3気化部からのガスとを前記共通の流路に順次的に流すことができるように構成されている。
本発明の実施形態に係るガス供給方法、原料が貯留されヒータを有する第1気化部と、前記第1気化部の下流側流路に設けられた第1バルブと、前記第1気化部と前記第1バルブとの間のガス圧力を測定する第1供給圧力センサとを備える第1気化供給装置と、原料が貯留されヒータを有する第2気化部と、前記第2気化部の下流側流路に設けられた第2バルブと、前記第2気化部と前記第2バルブとの間のガス圧力を測定する第2供給圧力センサとを備える第2気化供給装置と、前記第1気化供給装置および前記第2気化供給装置に接続された制御回路とを備え、前記第1気化供給装置の下流側流路と前記第2気化供給装置の下流側流路とが共通の流路に連通しているガス供給システムにおいて実行され、前記第1バルブを閉から開にした後、所定時間後に前記第1バルブを開から閉にするステップと、前記第1バルブを開から閉にするのと同時に前記第2バルブを閉から開にした後、所定時間後に前記第2バルブを開から閉にするステップと、前記第2バルブを開から閉にするのと同時に前記第1バルブを閉から開にした後、所定時間後に前記第1バルブを開から閉にするステップとを含む。
本発明の実施形態に係るガス供給システムおよびガス供給方法によれば、気化供給装置で生成したガスを比較的大流量で供給することができる。
本発明の実施形態に係るガス供給システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るガス供給システムで用いられる気化供給装置の例示的な構成を示す図である。 下流側のバルブを開閉したときのバルブ制御信号および気化供給装置で生成されるガスの圧力(供給圧力)の変化を示すグラフである。 第1気化供給装置および第2気化供給装置のそれぞれにおける、供給圧力、バルブ制御信号、ガス流量を示すグラフである。 図4に示した動作を行った時のプロセスチャンバに供給されるガスの流量を示すグラフである。 本発明の別の実施形態に係るガス供給システムの構成を示す図である。 本発明の別の実施形態に係るガス供給システムで採用されるバルブの動作制御を示す図である。
本出願人は、国際出願番号PCT/JP2021/011117号(国際出願日:2021年3月18日)において、気化供給装置で生成したガスをパルス的に供給するときの供給量を測定・制御する方法を開示している。ここで用いられる気化供給装置は、従来の圧力式流量制御装置とは異なり、絞り部を必須としておらず、コントロール弁の上流側のガス圧力、すなわち、気化部で生成されたガスの圧力(以下、供給圧力と称することがある)の測定結果に基づいてコントロール弁の制御を行う。この場合、絞り部を介さないガス供給が可能であり、比較的大流量でガスを流すことができる。
しかしながら、上記の気化供給装置では、比較的大流量でのパルス的なガス供給は可能なものの、ガス供給を行っている間にコントロール弁上流側の供給圧力は低下し続けるので、1パルス分のガス供給を行った後には、コントロール弁を閉じてガス生成を行って供給圧力を回復させないと、次の1パルス分のガス供給ができない。このため、ガス供給後の供給圧力の回復期間が必須であり、気化供給装置で生成したガスを連続的に供給することは困難であった。
これに対して、以下に説明する本発明の実施形態によるガス供給システムでは、プロセスチャンバにつながる共通の流路に対して並列に接続された複数の気化供給装置を用いて、ガスの連続供給を可能にしている。より具体的には、各気化供給装置のコントロール弁を時間的にずらして順次的に開放および閉鎖することによって、絞り部を用いずに、各気化供給装置から下流側に絶え間なく比較的大流量でガスを供給できる構成としている。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態によるガス供給システム100を示す。ガス供給システム100は、下流側の共通流路8に対して上流側で並列に接続された複数の気化供給装置、ここでは第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bの2つを備えている。第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bは、ともに制御回路20(または制御基板)に接続されており、制御回路20によって互いに独立して動作させることができる。
制御回路20は、図示する態様では、第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bの外部に設けられているが、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bの動作制御を独立して行える限り、任意の態様で設けられていてよい。
制御回路20は、例えば、第1気化供給装置10Aまたは第2気化供給装置10Bの一方に内蔵されていてもよく、あるいは、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bとに分散して配置されていてもよい。これらの場合、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bとが接続され、制御回路は、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bの動作を制御することができる。また、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bと制御回路20とは、一体的に設けられていてもよい。
第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bの上流側は、例えば貯液タンクに収容された液体原料である液体原料ソース2に接続されている。本実施形態において、液体原料ソース2は、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bとの両方に対して共通に接続されている。ただし、他の態様において、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bとに対して、個別に液体原料ソース2が設けられていてもよい。
液体原料としては、例えば、HCDS(Si2Cl6)や、TEOS(オルトケイ酸テトラエチル)、TMGa(トリメチルガリウム)、TMAl(トリメチルアルミニウム)などの有機金属が用いられる。以下の実施形態では、HCDSを気化させて供給する例について説明する。HCDSの沸点は約144℃であり、190℃における蒸気圧は約250kPa absである。
第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bの下流側は、共通流路8を介してプロセスチャンバ4に連通している。ガス供給システム100において、第1気化供給装置10Aで生成したガスと、第2気化供給装置10Bで生成したガスとの両方を、プロセスチャンバ4に供給可能である。プロセスチャンバ4には、真空ポンプ6が接続されており、プロセスチャンバ4や連通する流路内を真空引きすることができる。
次に、図1および図2を参照しながら、第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bについて説明する。なお、図2は、第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bとして用いられる例示的な気化供給装置10の具体構成を示し、特許文献3にも記載されている縦型の気化供給装置を示す。
図1に示すように、第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bは、それぞれ、第1および第2気化部12A、12Bと、第1および第2気化部12A、12Bの下流側に設けられた第1および第2バルブ14A、14Bと、第1および第2バルブ14A、14Bの上流側の供給圧力P0(すなわち気化部12A、12Bで生成されたガスの圧力)を測定する第1および第2供給圧力センサ16A、16Bとを有している。また、本実施形態の第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bは、第1および第2気化部12A、12Bの上流側に配置された第1および第2液体補充弁18A、18Bをそれぞれ有している。
なお、特に区別する必要がない場合、以下では、第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bを単に気化供給装置10と称し、第1および第2気化部12A、12Bを単に気化部12と称し、第1および第2バルブ14A、14Bを単にバルブ14と称し、第1および第2供給圧力センサ16A、16Bを単に供給圧力センサ16と称し、第1および第2液体補充弁18A、18Bを単に液体補充弁18と称することがある。
気化供給装置10の気化部12はヒータ13a(図2参照)を備えており、供給された液体原料をヒータ13aの制御によって適宜気化させることができる。バルブ14を閉じた状態で、液体原料の気化を行う場合、ガス圧力(すなわち供給圧力センサ16によって測定される供給圧力P0)がヒータ設定温度に対応する蒸気圧に達するまで原料が気化される。例えば、ヒータによってHCDSが190℃に加熱されているとき、供給圧力P0が当該温度の蒸気圧である約250kPaに達するまでHCDSが気化し、その後、飽和状態となって供給圧力P0は約250kPaに維持される。
本実施形態では、バルブ14は任意開度に調整可能な弁(すなわちコントロール弁)であり、開度調整によって気化部12で生成されたガスの流量を制御することができる。バルブ14は、例えば、ピエゾ素子駆動型バルブ(ピエゾバルブと称することがある)を用いて構成される。ピエゾバルブは、ピエゾ素子に印加する駆動電圧を制御することによって、ダイヤフラム弁体14a(図2参照)の弁座への押し付け力を変化させることができ、これによって任意の開度に開くことができる。
気化部12とバルブ14との間に設けられた供給圧力センサ16は、生成されたガスの圧力である供給圧力P0を測定することができ、例えば、ダイヤフラムに生じた歪の大きさから圧力を測定するタイプの圧力センサが用いられる。バルブ14および供給圧力センサ16は、150℃~250℃の高温環境下でも支障なく動作できることが好ましい。
また、図2に示すように、気化供給装置10は、液体補充弁18の上流側において、ヒータ(図示せず)を有する予加熱部11を備えていてもよい。予加熱部11は、気化部12における気化を補助するために設けられており、予加熱部11において、導入された液体原料Lを予め加熱しておくことによって、気化部12における必要熱量を低下させ、気化時の温度低下を抑制することができる。
気化供給装置10において、ヒータとしては、予加熱部11を側面から加熱するヒータと、気化部12を側面及び底面から加熱するヒータ13aと、バルブ14および下流側の流路を側面及び底面から加熱するヒータ13bとが設けられている。予加熱部11、気化部12及びバルブ14は、それぞれ独立して任意の温度に加熱することができる。通常、予加熱部11のヒータ温度は、気化部12のヒータ温度よりも低く設定され、バルブ14のヒータ温度は気化部12のヒータ温度よりも高く設定される。
気化供給装置10の各部に設けられるヒータは、伝熱部材とこれに固定される発熱素子とによって構成される。伝熱部材としては、例えばアルミニウム製の厚板材が用いられ、発熱素子としては例えばカートリッジヒータが用いられる。また、これ以外にも、ヒータとしては、ジャケットヒータを用いることもできる。
ヒータによる加熱を効率的に行うために、予加熱部11は、流路からの拡張部である予加熱室11aを有しており、主としてここでヒータによって加熱される。また、気化部12は、板状の気化室12aを有しており、気化室12aの下部に貯留された液体原料をヒータによって気化させて、上面のガス流出路からガスを流出させる構成となっている。
また、図2に示すように、気化供給装置10は、バルブ14の下流側に設けられたストップバルブ17や、液体補充弁18と気化部12との間に設けられたパージ用三方弁19aおよびストップバルブ17の下流側に設けられたパージ用三方弁19bなどを備えていても良い。ストップバルブ17は、気化供給装置10からのガスの供給の停止を確実に行うために用いられる。液体補充弁18およびストップバルブ17としては、AOV(空気駆動弁)などが好適に用いられる。
パージ用三方弁19a、19bは、パージガスを切り替えて流すためのものであり、AOVなどが好適に用いられる。パージ用三方弁19aでは、弁体を閉じるとパージガスの入口が閉じられ液体原料の流路が連通し、また、弁体を開くとパージガスの入口が開いて気化部内と連通しパージガスを流すことが可能になる。パージ用三方弁19bでは、弁体を閉じるとパージガスの入口が閉じられストップバルブ17の下流とプロセスチャンバとが連通し、また、弁体を開くとパージガスの入口が開いてプロセスチャンバと連通しパージガスを流すことが可能になる。
図2に示した本実施形態の気化供給装置10では、特許文献3と同様に、縦型構成が採用されている。具体的には、予加熱部11の上に気化部12が設けられ、気化部12の上にバルブ14やストップバルブ17が設けられている。ただし、気化供給装置10は、上記の縦型の構成に限られず、特許文献2などに示されるように予加熱部、気化部、バルブが横方向に一列に配置された構成を有していても良い。気化供給装置10は、気化部と、下流側のバルブ(典型的にはコントロール弁)と、気化部とバルブとの間の供給圧力センサとを有する限り、任意の態様で構成されていてよい。
また、本実施形態では、バルブ14の下流側は、通常のガスケット22を介してストップバルブ17に接続されている。従来の圧力式流量制御装置とは異なり、オリフィスプレートなどの絞り部を設けずに代わりに単なるガスケット22を配置しているので、大流量のガスを流しやすい。
この構成において、流量の制御は、基本的には供給圧力センサ16の出力に基づいて行われるが、図2に示すように、バルブ14の下流側の圧力を測定するための圧力センサ21が設けられていてもよい。この場合、供給圧力センサ16の出力と圧力センサ21の出力とからバルブ14の一次側と二次側との差圧を測定することができ、測定した差圧に基づいて流量を演算により求めることも可能である。
以上に説明した気化供給装置10において、液体原料ソース2から液体原料Lが気化供給装置10の気化部12または予加熱部11に供給される。液体原料Lは、例えば、加圧した不活性ガスを貯液タンクに供給して液体原料Lを一定圧力で押し出すことによって圧送される。気化部12への液体原料Lの供給量は、液体補充弁18の開閉時間などを制御することにより調整可能である。
また、気化部12においては、ヒータを用いて液体原料Lを加熱することで原料ガスGが生成される。バルブ14を閉じた状態でガスの生成を行うことによって、供給圧力P0は蒸気圧にまで上昇する。その後、バルブ14を開放すれば、開放状態のストップバルブ17を介して気化供給装置10の下流側に原料ガスGを流すことができる。
図3は、気化供給装置10において、供給圧力P0が蒸気圧(ここでは246kPa abs)に維持された状態から、設定流量に基づくバルブ制御信号SVに従ってバルブ14を所定期間(ここでは1秒間)だけ1パルス分開いたときの供給圧力P0の変化を示すグラフである。
バルブ制御信号SVに従ってパルス的にバルブ14が開かれると、上流にたまっていたガスがバルブ14を介して下流側に流出する。このとき、バルブ14は、バルブ制御信号SVに従って、例えば、最大設定開度(100%流量設定に対応する開度)にまで開かれる。
図3からわかるように、バルブ14を開いた後、バルブ14の下流側にガスが流出するとともに、供給圧力P0は初期圧力から時間と共に低下する。そして、1パルス分のガス供給が終了した後、バルブ制御信号SVが0%に戻ると、バルブ14は閉じられ、その後、バルブ14が閉じられた状態での気化部12でのガスの生成が行われるので、供給圧力P0は回復する。
また、回復期間が1秒である場合、図3に示す例では、供給圧力P0は例えば230kPa程度にまでしか回復せず、その後も蒸気圧である246kPaに到達するには、相当に長い時間がかかる。しかしながら、この程度まで回復すれば、次のガス供給を十分な流量で行うことが可能である。なお、上記の供給圧力P0はいずれも例示的なものであり、初期圧力(蒸気圧)やパルス開閉時間、あるいは、バルブ14の開度制御方式によって、種々の値を取り得ることは言うまでもない。ただし、通常、最初の1回目のガス供給量に比べて、2回目以降のガス供給量は少なくなることが想定される。
ガス供給量を統一するためには、例えば、1回目の開放時のピエゾバルブの開度を100%の完全開状態よりもわずかに小さい開度に設定し、2回目以降の開放時のピエゾバルブの開度を100%に設定することが考えられる。また、1回目のピエゾバルブの開放時間を、2回目以降のピエゾバルブの開放時間よりも短く設定しておくことも考えられる。あるいは、回復期間を経た後の供給圧力P0の大きさに応じて、次のパルスガス供給時のピエゾバルブの開度や開放時間を毎回調整することも考えられる。
ただし、気化供給装置10を単体で用いるときには、プロセスチャンバ4に連続的にガスを供給することは困難であり、パルス的なガス供給とならざるを得ない。一方、気化供給装置10では、ガス供給を行うときの供給圧力P0の測定結果から、バルブ14の下流側に流れたガス供給量を求めることはできる。したがって、パルス供給であれば、制御された供給量でのガス供給を行うことは可能である。
1パルスのガス供給におけるガス供給量の求め方は、本出願人による国際出願番号PCT/JP2021/011117号に開示されている。詳細には、まず、バルブ14を最大開度に開いたときのCv値(Coefficient of flow)が求められる。Cv値は、バルブにおける流体の流れやすさを示す一般的な指標であり、バルブの一次側圧力および二次側圧力が一定であるときの、バルブを流れるガスの流量に対応するものである。
一次側圧力が二次側圧力に対して十分に大きい、典型的には2倍以上大きい条件下において、ガスの流量Q(sccm)は、Cv値を用いて、例えば、Q=34500・Cv・P0/(Gg・T)1/2で表される。上記式において、Ggは気体の比重、P0は供給圧力すなわちバルブの一次側圧力(kPa abs)、Tは流体温度(K)である。
Cv値は、バルブの流路断面積Aと縮流係数(縮流比)αとを用いて表すことができ、ここで、ピエゾバルブを最大開度に開いたときの流路断面積Aを、シート径D(例えば、約6mm)、弁体リフト量L(例えば、約50μm)を用いてA=πDLと仮定すると、Cv=A・α/17=πDL・α/17で与えられる。
バルブ14のCv値がわかっていれば、上記のように供給圧力P0に基づく流量Qを求めることができる。そして、バルブ14を所定時間だけ開いたときの1パルスにおけるガス供給量(総体積または総物質量)は、供給圧力P0のサンプリングごとの時刻tn(nは自然数)における流量をQ(tn)とし、サンプリング周期をdtとすると、ΣQ(tn)・dt=Q(t1)・dt+Q(t2)・dt+・・・+Q(tn)・dtから求めることができる。
以上のように、各気化供給装置10は、パルスガス供給であれば、供給圧力センサ16を用いて制御した大流量または大供給量でガスを流すことができるので、これらを複数用意し、順次的にガス供給を行えば、制御した大流量でガスを連続的に供給することが可能である。
このために、本実施形態では、第1気化供給装置10Aからのガスのパルス的な供給動作と、第2気化供給装置10Bからガスのパルス的な供給動作とを交互に繰り返して行うことにより、プロセスチャンバ4への連続的なガス供給を行う。制御回路20は、第1バルブ14Aのパルス開放期間と、第2バルブ14Bのパルス開放期間とを時間的にずらすことによって、第1気化部12Aからのガスと第2気化部12Bからのガスとを共通流路8に順次的に流すことができる。
図4は、第1気化供給装置10Aにおける供給圧力P0Aの変化、第1バルブ14Aの開閉信号CVA、第1バルブ14Aの下流側に流れるガスの流量QAと、第2気化供給装置10Bにおける供給圧力P0Bの変化、第2バルブ14Bの開閉信号CVB、第2バルブ14Bの下流側に流れるガスの流量QBを示す。
図4からわかるように、最初に双方のバルブ14A、14Bが閉じられて蒸気圧(246kPa)に供給圧力P0A、P0Bが維持されている状態から、まず、第1バルブ14Aのみを所定期間(ここでは1秒間)だけパルス的に開く。このとき、第1バルブ14Aの下流側にガスが流れ、供給圧力P0Aは急激に減少し、流量QAは図示されるような初期にピークを持つ山形波形で変動する。ガス供給量は、流量QAのグラフの時間積分値に対応する。
一方、上記の期間において、第2バルブ14Bは閉じられたままであり、第2気化供給装置10Bからはガスが供給されない。したがって、この期間は、第1気化供給装置10Aのみからガス供給が行われる。
次に、第1バルブ14Aの開放期間(1回目)が終了すると、第1バルブ14Aが閉じられるとともに、第2バルブ14Bのみが所定期間(ここでは1秒間)だけパルス的に開かれる。このとき、第2バルブ14Bの下流側にガスが流れ、供給圧力P0Bは急激に減少し、流量QBは図示されるような初期にピークを持つ山形波形で変動する。ガス供給量は、流量QBのグラフの時間積分値に対応する。
一方、上記の期間において、第1バルブ14Aは閉じられたまま維持され、第1気化供給装置10Aからはガスが供給されない。また、第1バルブ14Aを閉じたときには82kPaまで低下していた供給圧力P0Aは、気化部12Aでのガスの生成が進み230kPaにまで回復する。
次に、第2バルブ14Bの開放期間(1回目)が終了すると、第2バルブ14Bが閉じられるとともに、第1バルブ14Aのみを所定期間(ここでは1秒間)だけパルス的に開く動作が再び行われる。このとき、1回目と同様に、第1バルブ14Aの下流側にガスが流れ供給圧力P0Aは低下する。一方で、第2バルブ14Bは閉じられたまま維持されるので、82kPaまで低下していた供給圧力P0Bは、気化部12Bでのガスの生成が進み230kPaにまで回復する。
その後も同様に、第1バルブ14Aの開放期間(2回目)が終了すると、第2バルブ14Bのみを所定期間だけパルス的に開く動作が再び行われる。このようにして、第1バルブ14Aのみを所定期間だけ開く動作と、第2バルブ14Bのみを所定期間だけ開く動作とが順次的に繰り返される。これにより、第1気化部12Aからのガスの供給と第2気化部12Bからのガスの供給とが交互に切り替えて繰り返し行われ、プロセスチャンバ4に連続的にガスを供給することができる。


図5は、図4に示した動作制御によってプロセスチャンバ4に供給されるガスの流量の時間変化を示す図である。図5からわかるように、第1気化供給装置10Aからのガス供給と、第2気化供給装置10Bからのガス供給とが繰り返して行われる結果、プロセスチャンバ4には絶え間なくガスが供給される。
各期間において、供給圧力P0の低下による流量の変動はあるものの、平均すれば目標とする2SLM(≒33cc/sec)程度でのガス供給を連続的に行うことができている。なお、初期圧力の違いにより、第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bの1回目のガス供給量は、2回目以降のガス供給量よりも多少多くなっている。
また、上述したように、ガス供給中に低下する供給圧力P0の測定結果から、1パルス分でのガス供給量を求めることができる。したがって、第1気化供給装置10Aと第2気化供給装置10Bとから交互にパルス的なガス供給を行うときにもガス供給量を求めることが可能であり、全体的なガス供給量が所望量とずれているときには、バルブ14として用いられるコントロール弁の開度や開放期間の調整を行うことによって、所望量でのガス供給を行うことができる。
ただし、上記のように複数の気化供給装置からのパルス的なガス供給を組み合わせて連続的なガス供給を行う場合、バルブ開放時の初期圧力が設定値(例えば200kPa abs)以上であることが求められる。このため、制御回路20は、第1供給圧力センサ16Aの出力が設定値以上のときに第1バルブ14Aを閉から開にして第1気化部12Aからガスを流し、同様に、第2供給圧力センサ16Bの出力が設定値以上のときに第2バルブ14Bを閉から開にして第2気化部12Bからガスを流すように構成されていてもよい。
以下、図6および図7を参照しながら、別の態様によるガス供給システムを説明する。図6および図7は、別の態様によるガス供給システムの構成および適用されるバルブの開閉信号を示す。なお、上述した実施形態と同様の要素には同じ参照符号を付すとともに詳細な説明を省略する。
図6に示す別のガス供給システム100では、第1気化供給装置10Aおよび第2気化供給装置10Bに加えて、第3気化供給装置10Cが設けられている。第3気化供給装置10Cも共通流路8に連通しており、第1~第3気化供給装置10A、10B、10Cは、並列に接続されている。
第3気化供給装置10Cも、第1および第2気化供給装置10A、10Bと同様に、ヒータを有する第3気化部12Cと、その下流側の第3バルブ14Cと、第3バルブ14C上流の供給圧力P0を測定する第3供給圧力センサ16Cと、第3気化部12Cへの液体の供給を制御する第3液体補充弁18Cとを備えている。制御回路20は、第1~第3気化供給装置10A、10B、10Cに接続されている。
図7に示すように、本実施形態のガス供給システム100では、各バルブ14A、14B、14Cに対して、時間をずらせて順次的に所定期間だけ開くパルス的な開閉信号CVA、CVB、CVCが与えられる。図示する例では、まず、第1バルブ14Aを開く期間A1が設けられ、次に、第2バルブ14Bを開く期間B1が設けられ、次に、第3バルブ14Cを開く期間C1が設けられる。
その後、第3バルブ14Cを閉じるタイミングで、再び第1バルブ14Aを開く期間A2が設けられ、順次、再び第2バルブ14Bを開く期間B2および再び第3バルブ14Cを開く期間C2が設けられる。このようにして、第1~第3の気化供給装置10A、10B、10Cから、順次的に繰り返しガスを供給することで、プロセスチャンバ4に制御された大流量でのガス供給を連続的に行うことが可能である。
また、図7に示すように、本実施形態では、各バルブ14を開くときにランプ制御が採用されており、時間とともにバルブ(ここではコントロール弁)の目標開度が増加する制御が行われる。また、このランプ制御によるバルブ14の開動作は、他のバルブの開放期間の最終段階に重複して実行されている。この場合、重複期間OLにおいては、2つのバルブが同時に開いた状態が実現される。
このように、バルブ14の開閉動作には、わずかな重複期間が設けられていてもよい。例えば、第1バルブ14Aを所定期間A1だけ開放状態とするとき、第2バルブ14Bは所定期間A1が終了する前のタイミングで閉状態から開状態にされ、その後、第2バルブ14Bは所定期間B1だけ開放状態に維持される。同様に、第3バルブ14Cは所定期間B1が終了する前のタイミングで閉状態から開状態にされ、その後、第3バルブ14Cは所定期間C1だけ開放状態に維持される。
図4等に示したように、各バルブの開放期間において、供給圧力P0は低下し続け、そのときの流量Qもピーク流量を迎えた後は徐々に低下する。すなわち、開放期間の終了間際では、供給圧力P0および流量Qは最初よりも低いものとなっている。このため、上記のように他のバルブを少しずつ開いていく制御を同時期に重複させて行えば、全体として供給圧力P0および流量Qの低下を抑制し得る。したがって、より流量が安定的に推移する制御をなし得る。
流量立ち上げ時のバルブの開度制御は、上記のランプ制御によるものに限られず、二次関数的または指数関数的に目標値が増加する制御など、種々の制御を採用し得る。また、流量立ち上げ時と同様に、流量立ち下げ時においても、時間と共に目標開度が減少する制御を採用することもできる。
ただし、上記のバルブ開放期間の重複期間が長すぎると、各気化供給装置からの順次的なガス供給の安定動作を妨げる可能性がある。このため、第2バルブの開放開始のタイミングは第1気化供給装置の出力流量を考慮した上で設定されることが好適である。
本明細書において、第1バルブと第2バルブとの開放期間が完全に切り替わるものではなく、上記のように少しの重複期間を含んでいる場合であっても、第1バルブを開いて第1気化部からのガスを所定期間だけ流す動作から後ろにずらして第2バルブを開いて第2気化部からのガスを所定期間だけ流す動作が設定されるというように表現する場合がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが種々の改変が可能である。例えば、ガス供給量を安定させるために、各バルブに与えられる制御信号は、供給圧力センサを用いて測定したガス供給量に基づいて随時補正されてもよい。具体的には、プロセス開始時の最初の1パルスガス供給の際に、所定のパルス流量制御信号(バルブ開閉指令)に基づいてバルブ14の開閉を行うとともに、上記のガス供給量測定方法によって1パルス分のガス供給量が測定される。そして、測定されたガス供給量が、所望の設定ガス供給量に対して有意な差を有する場合、次の1パルスガス供給からは、パルス流量制御信号を補正して、次回以降のバルブ14の開閉動作を制御する。
例えば、測定されたガス供給量が、予め設定された所望量に対して大きい場合、その大きさに応じて、バルブ14の開時間およびバルブ14の開度のうちの少なくともいずれか一方をより小さい値に設定する。これにより、次の1パルスガス供給におけるガス供給量を減少させることができ、所望量でのガス供給を行うことができる。一方、測定されたガス供給量が所望量に対して小さい場合、バルブ14の開時間およびバルブ14の開度のうちの少なくともいずれか一方をより大きい値に設定する。これにより、次の1パルスガス供給におけるガス供給量を増加させることができ、所望量でのガス供給を行うことができる。
上記のようにバルブ14として任意開度に調整可能なコントロール弁を用い、コントロール弁の開放時間における開度を任意に設定することで、全体の流量の制御や、流量の微調整を行いやすいという利点が得られる。ただし、開度調整による流量の微調整等が必要とされていない用途においては、開閉機能のみを持つオンオフ弁をバルブ14として用いることも可能である。
また、上記ではガス供給期間中に液体補充弁18が閉じられていることを前提として説明を行ったが、ガス供給が進むにつれ気化部12の内部の液体原料は消費されていく。このため、液体を補充しないと、同じ回復期間でも供給圧力P0が十分な大きさに戻らなくなってしまう。このため、供給圧力P0を監視して、例えば、回復期間後の供給圧力P0が設定された閾値を下回った時点で、液体補充弁18を所定期間だけ開いて気化部12に液体原料を補充するようにしてもよく、また気化部12に設けられた液面計の値や供給されたガス量に基づいて液体原料を補充することも考えられる。
また、上記には、並列接続された2つまたは3つの気化供給装置を用いてガス供給システムを構成する例を説明したが、4つ以上の気化供給装置を用いてガス供給システムを構成してもよいことはもちろんである。
本発明の実施形態によるガス供給システムは、半導体製造プロセスに用いられるガスを比較的大流量で連続的に供給するために好適に利用される。
2 液体原料ソース
4 プロセスチャンバ
6 真空ポンプ
8 共通流路
10 気化供給装置
10A 第1気化供給装置
10B 第2気化供給装置
12 気化部
12A 第1気化部
12B 第2気化部
14 バルブ
14A 第1バルブ
14B 第2バルブ
16 供給圧力センサ
16A 第1供給圧力センサ
16B 第2供給圧力センサ
18 液体補充弁
18A 第1液体補充弁
18B 第2液体補充弁
20 制御回路
100 ガス供給システム

Claims (8)

  1. 原料が貯留されヒータを有する第1気化部と、前記第1気化部の下流側流路に設けられた第1バルブと、前記第1気化部と前記第1バルブとの間のガス圧力を測定する第1供給圧力センサとを備える第1気化供給装置と、
    原料が貯留されヒータを有する第2気化部と、前記第2気化部の下流側流路に設けられた第2バルブと、前記第2気化部と前記第2バルブとの間のガス圧力を測定する第2供給圧力センサとを備える第2気化供給装置と、
    前記第1気化供給装置および前記第2気化供給装置と接続された制御回路と
    を備え、前記第1気化供給装置の下流側流路と前記第2気化供給装置の下流側流路とが共通の流路に連通しているガス供給システムであって、
    前記制御回路は、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とを時間的にずらすように前記第1バルブおよび前記第2バルブの開閉を制御し、前記第1気化部からのガスと前記第2気化部からのガスとを前記共通の流路に順次的に流すことができ
    前記第1供給圧力センサの出力が設定値以上のときに前記第1バルブを閉から開にして前記第1気化部から共通の流路へのガスを流し始め、前記第2供給圧力センサの出力が設定値以上のときに前記第2バルブを閉から開にして前記第2気化部から共通の流路へのガスを流し始めるように構成されている、ガス供給システム。
  2. 前記第1バルブの開放期間において、前記第2バルブは閉状態に維持され、前記第2バルブの開放期間において、前記第1バルブは閉状態に維持される、請求項1に記載のガス供給システム。
  3. 前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とにおいて、切り替え時の重複期間が設けられている、請求項1に記載のガス供給システム。
  4. 前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とが交互に繰り返すように設けられる、請求項1から3のいずれかに記載のガス供給システム。
  5. 前記第1気化部と前記第2気化部が同一の形状かつ同一の容積であり、前記第1バルブの開放時の開度と前記第2バルブの開放時の開度とが同一であり、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間とが同じ長さである請求項1から4のいずれかに記載のガス供給システム。
  6. 前記第1気化部および前記第2気化部に貯留される原料は、液体の有機金属材料または液体のSi2Cl6である、請求項1から5のいずれかに記載のガス供給システム。
  7. 原料が貯留されヒータを有する第3気化部と、前記第3気化部の下流側に設けられた第3バルブと、前記第3気化部と前記第3バルブとの間のガス圧力を測定する第3供給圧力センサとを備え、前記制御回路に接続されるとともに、その下流側流路が前記共通の流路に連通する第3気化供給装置をさらに備え、
    前記制御回路は、前記第1バルブの開放期間と前記第2バルブの開放期間と前記第3バルブの開放期間とを時間的にずらすことによって、前記第1気化部からのガスと前記第2気化部からのガスと前記第3気化部からのガスとを前記共通の流路に順次的に流すことができるように構成されている、請求項1に記載のガス供給システム。
  8. 原料が貯留されヒータを有する第1気化部と、前記第1気化部の下流側流路に設けられた第1バルブと、前記第1気化部と前記第1バルブとの間のガス圧力を測定する第1供給圧力センサとを備える第1気化供給装置と、
    原料が貯留されヒータを有する第2気化部と、前記第2気化部の下流側流路に設けられた第2バルブと、前記第2気化部と前記第2バルブとの間のガス圧力を測定する第2供給圧力センサとを備える第2気化供給装置と、
    前記第1気化供給装置および前記第2気化供給装置に接続された制御回路と
    を備え、前記第1気化供給装置の下流側流路と前記第2気化供給装置の下流側流路とが共通の流路に連通しているガス供給システムにおいて実行されるガス供給方法であって、
    前記第1バルブを閉から開にした後、所定時間後に前記第1バルブを開から閉にするステップと、
    前記第1バルブを開から閉にするのと同時に前記第2バルブを閉から開にした後、所定時間後に前記第2バルブを開から閉にするステップと、
    前記第2バルブを開から閉にするのと同時に前記第1バルブを閉から開にした後、所定時間後に前記第1バルブを開から閉にするステップと
    を含み、各ステップにおいて、
    前記第1バルブを閉から開にする動作は、前記第1供給圧力センサの出力が設定値以上のときに実行され、
    前記第2バルブを閉から開にする動作は、前記第2供給圧力センサの出力が設定値以上のときに実行される、ガス供給方法。
JP2022558953A 2020-10-31 2021-10-05 ガス供給システムおよびガス供給方法 Active JP7316011B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020183375 2020-10-31
JP2020183375 2020-10-31
PCT/JP2021/036783 WO2022091713A1 (ja) 2020-10-31 2021-10-05 ガス供給システムおよびガス供給方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2022091713A1 JPWO2022091713A1 (ja) 2022-05-05
JP7316011B2 true JP7316011B2 (ja) 2023-07-27

Family

ID=81382465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022558953A Active JP7316011B2 (ja) 2020-10-31 2021-10-05 ガス供給システムおよびガス供給方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20230324008A1 (ja)
JP (1) JP7316011B2 (ja)
KR (1) KR20230042729A (ja)
TW (1) TWI786880B (ja)
WO (1) WO2022091713A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010153757A (ja) 2008-12-26 2010-07-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 原子層成長装置
JP2016211021A (ja) 2015-04-30 2016-12-15 株式会社フジキン 気化供給装置
JP2019178691A (ja) 2018-03-30 2019-10-17 大阪瓦斯株式会社 空温式の液化天然ガス気化装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60188695A (ja) * 1984-03-03 1985-09-26 Hitachi Zosen C B I Kk 低温液化ガス気化設備における気化装置
US6779568B2 (en) * 2002-07-16 2004-08-24 General Hydrogen Corporation Gas distribution system
US7076970B2 (en) * 2004-01-19 2006-07-18 Air Products And Chemicals, Inc. System for supply and delivery of carbon dioxide with different purity requirements
US9934956B2 (en) * 2015-07-27 2018-04-03 Lam Research Corporation Time multiplexed chemical delivery system
WO2019021948A1 (ja) 2017-07-25 2019-01-31 株式会社フジキン 流体制御装置
US11976356B2 (en) 2019-09-19 2024-05-07 Fujikin Incorporated Vaporized feed device

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010153757A (ja) 2008-12-26 2010-07-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 原子層成長装置
JP2016211021A (ja) 2015-04-30 2016-12-15 株式会社フジキン 気化供給装置
JP2019178691A (ja) 2018-03-30 2019-10-17 大阪瓦斯株式会社 空温式の液化天然ガス気化装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20230324008A1 (en) 2023-10-12
WO2022091713A1 (ja) 2022-05-05
KR20230042729A (ko) 2023-03-29
TW202232022A (zh) 2022-08-16
TWI786880B (zh) 2022-12-11
JPWO2022091713A1 (ja) 2022-05-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009252760A (ja) 気化器を備えたガス供給装置
KR101567357B1 (ko) 반도체 제조 장치의 원료 가스 공급 장치
JP5174805B2 (ja) キャリアガス及び液体混合物を導入、注入または供給するための装置並びに上記装置を使用するための方法
US7846499B2 (en) Method of pulsing vapor precursors in an ALD reactor
JP3529731B2 (ja) 蒸気搬送システム
US6007330A (en) Liquid precursor delivery system
JP5703114B2 (ja) 原料の気化供給装置
US20110311726A1 (en) Method and apparatus for precursor delivery
JP5350824B2 (ja) 液体材料の気化供給システム
JP2016035103A5 (ja)
JP2012234860A5 (ja)
KR0158283B1 (ko) 기화유량제어기
KR101431290B1 (ko) 액체재료 기화장치
JP7316011B2 (ja) ガス供給システムおよびガス供給方法
TWI427182B (zh) 用於蒸發及傳遞原子層沈積用之溶液前驅物之方法及裝置
TW202229624A (zh) 基板處理裝置、半導體裝置的製造方法及程式
JP7376959B2 (ja) ガス供給量測定方法およびガス供給量制御方法
JP2022170043A (ja) ガス供給システムおよびガス供給方法
US11413556B2 (en) Reducing or eliminating liquid de-gassing
KR102593445B1 (ko) 가스공급장치 및 가스공급제어방법
JP7240770B2 (ja) 気化供給方法及び気化供給装置
KR100709035B1 (ko) 박막증착장치용 직접액체분사시스템
JP2023067758A (ja) 気化装置、気化装置の制御方法、気化装置用プログラム、及び、流体制御装置
JP2024058625A (ja) 蒸気送達装置および関連する気相反応器ならびに使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7316011

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150