JP7315304B2 - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、及び繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、及び繊維強化複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、及び繊維強化複合材料に関する。更に詳述すれば、樹脂硬化物の弾性率および耐吸水性、吸水時の物性が高いとともに、取扱性が高いエポキシ樹脂組成物;該エポキシ樹脂組成物を用いて作製するプリプレグ;該エポキシ樹脂組成物を用いて作製する繊維強化複合材料に関する。
繊維強化複合材料(以下、「FRP」という。)は、軽量かつ高強度、高剛性であるため、釣り竿やゴルフシャフト等のスポーツ・レジャー用途、自動車や航空機等の産業用途等の幅広い分野で用いられている。熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とする複合材料の成形方法としては、予め樹脂を強化材繊維に含浸させてシート状に形成したプリプレグ(中間基材)を成型する方法がある。その他の成型法としては、型内に配置した繊維強化基材に液状の樹脂組成物を含浸、硬化して繊維強化複合材料を得るレジン・トランスファー・モールディング(RTM)法等がある。
FRPの製造には、強化繊維等の長繊維からなる繊維補強材層に樹脂を含浸した中間材料(プリプレグ)を使用する方法が好適に用いられる。プリプレグを所望の形状に切断した後に賦形し、加熱加圧硬化させることによりFRPからなる成形品を得ることができる。
航空機分野では、耐熱、耐衝撃特性等の高い力学特性が要求される。一般にエポキシ樹脂を用いるプリプレグは、高い力学特性を有する成形体を得ることができる。しかし、エポキシ樹脂を用いるプリプレグは成形時間が長い。また、エポキシ樹脂を用いるプリプレグを硬化して得られる成形体は、耐吸水性が不十分であり、吸水時に耐熱性や耐衝撃特性等の力学特性が低下する場合があった。
短時間成形が可能なプレス成形では、通常、100~150℃、1~15MPaの高温高圧条件が用いられる(特許文献1)。この高温高圧条件は、プリプレグを構成する樹脂の硬化時間を短縮できる。また、金型内においてプリプレグを構成する樹脂を適度に流動させることにより、プリプレグ内に含まれるガスを排出することができる。しかし、高温高圧条件でプレス成形する場合、プリプレグを構成する樹脂の温度が上昇して樹脂粘度が著しく低下する。その結果、金型の構造によっては、シアエッジ部からの樹脂の流出が激しく生じる(以下、成形工程における加熱及び加圧により、プリプレグ内から樹脂が流出する現象を「樹脂フロー」ともいう)。そのため、得られるFRPは、樹脂組成物の未含浸部分(樹脂枯れ)や繊維蛇行のような外観不良、及びこれらに起因する性能不良が生じる。
特許文献2には、樹脂フローを抑制する方法として、高粘度のエポキシ樹脂を用いたり、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂を添加したりする方法が記載されている。しかし、高粘度のエポキシ樹脂を用いる場合、常温(25℃)における樹脂粘度も高くなる。そのため、積層作業が困難になる等、プリプレグの取扱性が著しく低い。
特許文献3~5には、常温時におけるプリプレグの取扱性を改善し、Tg及び硬化速度を低下させることなく、樹脂フローを抑制したハイサイクルプレス成形用のプリプレグが記載されている。特許文献3~5に記載のプリプレグに用いられる樹脂は、液状エポキシ樹脂に熱可塑樹脂を溶解させ、樹脂粘度を上昇させたものである。しかし、プリプレグ製造時における樹脂粘度も高くなるため、繊維強化基材層内への樹脂の含浸性が低下し、成形後のFRPにボイドを生じる場合がある。
航空機分野では、高い耐熱性、耐衝撃特性等の力学特性が必要であり、耐衝撃性、層間靭性を改良することを目的として種々の方法が提案されている。特に層間にマトリックス樹脂とは異なる材料を配置し、破壊エネルギーを吸収させる手法が多く提案されている(特許文献6)。しかし、樹脂の硬化時間は一般に120分以上かかり、短時間成形を行うことが困難である。
また、特許文献1~6においては、得られるFRPの耐吸水性については何も言及されていない。
国際公開第2004/48435号 特開2005-213352号 特開2009-292976号 特開2009-292977号 特開2010-248379号 特開2011-190430号
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、耐吸水性、耐熱性及び弾性率が高い硬化樹脂を製造することができ、且つ繊維強化基材への含浸性が高く、取扱性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の更なる目的は、このエポキシ樹脂組成物を使用して作製するプリプレグ、及び繊維強化複合材料(以下、「FRP」と略記する場合があり、特に繊維強化基材が炭素繊維である場合は「CFRP」と略記する場合がある)を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、所定のエポキシ樹脂と硬化剤との組み合わせから成るエポキシ樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を達成する本発明は、以下に記載のものである。
〔1〕 下記化学式(1)
Figure 0007315304000001
(ただし、化(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを表し、Xは-CH-、-O-、-S-、-CO-、-C(=O)O-、-O-C(=O)-、-NHCO-、-CONH-、-SO-から選ばれる1つを表す。)
で示されるエポキシ樹脂[A]と、
芳香族ポリアミンから成る硬化剤であって、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかの置換基を有する芳香族ポリアミンから成る硬化剤[B]と、
を含んで成ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
上記〔1〕に記載の発明は、エポキシ樹脂[A]と硬化剤[B]とが混合して成るエポキシ樹脂組成物である。
〔2〕 硬化剤[B]が芳香族ポリアミンから成る硬化剤であって、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの脂肪族置換基を有する芳香族ポリアミンから成る硬化剤である〔1〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔3〕 硬化剤[B]が4,4’-ジアミノジフェニルメタン誘導体である〔1〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔4〕 硬化剤[B]がフェニレンジアミン誘導体である〔1〕又は〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔5〕 前記エポキシ樹脂[A]がテトラグリシジル-3,4’-ジアミノジフェニルエーテルである〔1〕~〔4〕の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物。
〔6〕 繊維強化基材と、
前記繊維強化基材内に含浸された〔1〕~〔5〕の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物と、
から成ることを特徴とするプリプレグ。
〔7〕 繊維強化基材と、〔1〕~〔5〕の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物を、を複合化して硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
〔8〕 〔1〕~〔5〕の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して成る樹脂硬化物と、繊維強化基材と、を含んで構成される繊維強化複合材料。
〔9〕 〔6〕に記載のプリプレグを硬化して成る繊維強化複合材料。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、弾性率および耐吸水性が高く、かつ吸水時における物性が高い樹脂硬化物を製造することができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は繊維強化基材に対する含浸性や取扱性が高いため、優れた特性を有するFRPを作製することができる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料、及びそれらの製造方法の詳細について説明する。
1. エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂[A]と、硬化剤[B]とを含んで成る。本発明のエポキシ樹脂組成物は、これらの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、硬化剤、その他の添加剤を含んでいても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、100℃における粘度が、500Pa・s未満であることが好ましく、0.001~100Pa・sであることがより好ましい。500Pa・sを超える場合、プリプレグに未含浸部分が生じ易くなる。その結果、得られる繊維強化複合材料においてボイド等が形成され易くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂は、吸水時におけるガラス転移温度が150℃以上であることが好ましく、170~400℃であることがより好ましい。150℃未満である場合、耐熱性が不十分である。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂は、JIS K7171法で測定する曲げ弾性率が3.0GPa以上であることが好ましく、3.5GPa~30GPaであることがより好ましく、4.0~20GPaであることが更に好ましい。3.0GPa未満である場合、得られる繊維強化複合材料の特性が低下し易い。
(1-1) エポキシ樹脂[A]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記化学式(1)
Figure 0007315304000002
(ただし、化(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを表し、Xは-CH-、-O-、-S-、-CO-、-C(=O)O-、-O-C(=O)-、-NHCO-、-CONH-、-SO-から選ばれる1つを表す。)
で示されるエポキシ樹脂[A]を含む。R~Rが、脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基である場合、その炭素数は1~4であることが好ましい。
エポキシ樹脂[A]は4官能のエポキシ樹脂であり、2個のグリシジル基を有するアミノ基がジアミノジフェニル骨格にパラ位およびメタ位でそれぞれ結合されている。この構造により生じる硬化樹脂の特殊な立体構造に起因して、硬化樹脂の弾性率及び耐熱性が高くなると本発明者らは推定している。
エポキシ樹脂[A]としては、テトラグリシジル-3,4’-ジアミノジフェニルエーテルであることが好ましい。R~Rが水素原子である場合、硬化樹脂の特殊な立体構造形成が阻害されにくいため好ましい。また、当該化合物の合成が容易になるためXが-O-であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における、エポキシ樹脂の総量に対する、エポキシ樹脂[A]が占める割合は、20~100質量%であることが好ましく、40~100質量%であることがより好ましく、55~100質量%であることが更に好ましい。20質量%未満の場合、得られる硬化樹脂の耐熱性及び弾性率が低下する場合がある。その結果、得られるCFRPの各種物性が低下する場合がある。
(1-2) 硬化剤[B]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、芳香族ポリアミンから成る硬化剤であって、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかの置換基を有する芳香族ポリアミンから成る硬化剤[B]を含む。即ち、硬化剤[B]は下記化学式(2)や(3)
Figure 0007315304000003
(但し、化学式(2)中、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかであり、かつ少なくとも1つの置換基は炭素数1~6の脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかである。Xは-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-S-、-O-、-SO-、-CO-、-CONH-、-NHCO-、-C(=O)-、-O-C(=O)-のいずれかである。)
Figure 0007315304000004
(但し、化学式(3)中、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかであり、かつ少なくとも1つの置換基は炭素数1~6の脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかである。)
で表される化合物である。オルト位の置換基は、炭素数1~6の脂肪族置換基であることが好ましい。
なお、化学式(2)、(3)において、脂肪族置換基の炭素数は、1~6が好ましい。
脂肪族置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基などが例示される。
芳香族置換基としては、フェニル基、ナフチル基などが例示される。
硬化剤[B]は、エポキシ樹脂[A]を硬化させるとともに、硬化樹脂の弾性率や耐吸水性を向上させる。そのため、エポキシ樹脂[A]と硬化剤[B]とを組み合わせて用いることにより、耐熱性及び高弾性率を維持しつつ、耐吸水性を向上できる。
硬化剤[B]としては、上述の構造を有するポリアミンであれば良いが、具体的には4,4’-ジアミノジフェニルメタンや下記化学式(4)~(7)で示されるその誘導体;下記化学式(8)で示されるフェニレンジアミン及びその誘導体が例示される。
Figure 0007315304000005
Figure 0007315304000006
Figure 0007315304000007
Figure 0007315304000008
Figure 0007315304000009
本発明のエポキシ樹脂組成物における硬化剤[B]の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂[A]100質量部に対して20~100質量部であることが好ましく、30~80質量部であることがより好ましい。20質量部未満である場合、エポキシ樹脂組成物の硬化が不十分となり、硬化樹脂の物性を低下させ易い。100質量部を超える場合、エポキシ樹脂組成物の硬化が不十分となり、硬化樹脂の機械物性を低下させ易い。
(1-3) その他の任意成分
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂[A]を必須とするが、その他のエポキシ樹脂を含んでいても良い。
その他のエポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。具体的には、以下に例示されるものを用いることができる。これらの中でも芳香族基を含有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン構造、グリシジルエーテル構造のいずれかを含有するエポキシ樹脂が好ましい。また、脂環族エポキシ樹脂も好適に用いることができる。
グリシジルアミン構造を含有するエポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O-トリグリシジル-p-アミノフェノール、N,N,O-トリグリシジル-m-アミノフェノール、N,N,O-トリグリシジル-3-メチル-4-アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体などが例示される。
グリシジルエーテル構造を含有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が例示される。
また、これらのエポキシ樹脂は、必要に応じて、芳香族環構造などに、非反応性置換基を有していても良い。非反応性置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基やフェニルなどの芳香族基やアルコキシル基、アラルキル基、塩素や臭素などの如くハロゲン基などが例示される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の硬化剤[B]を必須とするが、その他の硬化剤を含んでいても良い。
その他の硬化剤としては、ジシアンジアミド、芳香族アミン系硬化剤の各種異性体(上記の硬化剤[B]を除く)、アミノ安息香酸エステル類が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の量は、エポキシ樹脂組成物中に配合されている全てのエポキシ樹脂を硬化させるのに適した量であり、用いるエポキシ樹脂や硬化剤[B]の種類や配合量に応じて適宜調節される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は熱可塑性樹脂を含んでいても良い。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂とエポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂とが挙げられる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂組成物の粘度を調整するとともに、得られるFRPの耐衝撃性を向上させる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂とは、FRPを成形する温度又はそれ以下の温度において、エポキシ樹脂に一部又は全部が溶解し得る熱可塑性樹脂である。ここで、エポキシ樹脂に一部が溶解するとは、エポキシ樹脂100質量部に対して、平均粒子径が20~50μmの熱可塑性樹脂10質量部を混合して190℃で1時間撹拌した際に粒子が消失するか、粒子の大きさが10%以上変化することを意味する。
一方、エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂とは、FRPを成形する温度又はそれ以下の温度において、エポキシ樹脂に実質的に溶解しない熱可塑性樹脂をいう。即ち、エポキシ樹脂100質量部に対して、平均粒子径が20~50μmの熱可塑性樹脂10質量部を混合して190℃で1時間撹拌した際に、粒子の大きさが10%以上変化しない熱可塑性樹脂をいう。なお、一般的に、FRPを成形する温度は100~190℃である。また、粒子径は、顕微鏡によって目視で測定され、平均粒子径とは、無作為に選択した100個の粒子の粒子径の平均値を意味する。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂が完全に溶解していない場合は、エポキシ樹脂の硬化過程で加熱されることによりエポキシ樹脂に溶解し、エポキシ樹脂組成物の粘度を増加させることができる。これにより、硬化過程における粘度低下に起因するエポキシ樹脂組成物のフロー(プリプレグ内から樹脂組成物が流出する現象)を防止することができる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、190℃でエポキシ樹脂に80質量%以上溶解する樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の具体的例としては、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量(Mw)が8000~100000の範囲のポリエーテルスルホン、ポリスルホンが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が8000よりも小さいと、得られるFRPの耐衝撃性が不十分となり、また100000よりも大きいと粘度が著しく高くなり取扱性が著しく悪化する場合がある。エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の分子量分布は均一であることが好ましい。特に、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である多分散度(Mw/Mn)が1~10の範囲であることが好ましく、1.1~5の範囲であることがより好ましい。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂と反応性を有する反応基又は水素結合を形成する官能基を有していることが好ましい。このようなエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂の硬化過程中における溶解安定性を向上させることができる。また、硬化後に得られるFRPに靭性、耐薬品性、耐熱性及び耐湿熱性を付与することができる。
エポキシ樹脂との反応性を有する反応基としては、水酸基、カルボン酸基、イミノ基、アミノ基などが好ましい。水酸基末端のポリエーテルスルホンを用いると、得られるFRPの耐衝撃性、破壊靭性及び耐溶剤性が特に優れるためより好ましい。
エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の含有量は、粘度に応じて適宜調整される。プリプレグの加工性の観点から、エポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂100質量部に対して、5~90質量部が好ましく、5~40質量部がより好ましく、15~35質量部がさらに好ましい。5質量部未満の場合は、得られるFRPの耐衝撃性が不十分となる場合がある。エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の含有量が高くなると、粘度が著しく高くなり、プリプレグの取扱性が著しく悪化する場合がある。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂には、アミン末端基を有する反応性芳香族オリゴマー(以下、単に「芳香族オリゴマー」ともいう)を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂組成物は、加熱硬化時にエポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応により高分子量化する。高分子量化により二相域が拡大することによって、エポキシ樹脂組成物に溶解していた芳香族オリゴマーは、反応誘起型の相分離を引き起こす。この相分離により、硬化後のエポキシ樹脂と、芳香族オリゴマーと、が共連続となる樹脂の二相構造をマトリックス樹脂内に形成する。また、芳香族オリゴマーはアミン末端基を有していることから、エポキシ樹脂との反応も生じる。この共連続の二相構造における各相は互いに強固に結合しているため、耐溶剤性も向上している。
この共連続の構造は、FRPに対する外部からの衝撃を吸収してクラック伝播を抑制する。その結果、アミン末端基を有する反応性芳香族オリゴマーを含むプリプレグを用いて作製されるFRPは、高い耐衝撃性及び破壊靭性を有する。
この芳香族オリゴマーとしては、公知のアミン末端基を有するポリスルホン、アミン末端基を有するポリエーテルスルホンを用いることができる。アミン末端基は第一級アミン(-NH)末端基であることが好ましい。
エポキシ樹脂組成物に配合される芳香族オリゴマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量が8000~40000であることが好ましい。重量平均分子量が8000未満である場合、マトリクス樹脂の靱性向上効果が低い。また、重量平均分子量が40000を超える場合、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、強化繊維層内に樹脂組成物が含浸しにくくなる等の加工上の問題点が発生しやすくなる。
芳香族オリゴマーとしては、「Virantage DAMS VW-30500 RP(登録商標)」(Solvay Specialty Polymers社製)のような市販品を好ましく用いることができる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の形態は、特に限定されないが、粒子状であることが好ましい。粒子状のエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、樹脂組成物中に均一に配合することができる。また、得られるプリプレグの成形性が高い。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の平均粒子径は、1~50μmであることが好ましく、3~30μmであることが特に好ましい。1μm未満である場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が著しく増粘する。そのため、エポキシ樹脂組成物に十分な量のエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂を添加することが困難となる場合がある。50μmを超える場合、エポキシ樹脂組成物をシート状に加工する際、均質な厚みのシートが得られ難くなる場合がある。また、エポキシ樹脂への溶解速度が遅くなり、得られるFRPが不均一となるため、好ましくない。
エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の他に、エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂を含有しても良い。エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の一部(硬化後のマトリクス樹脂において溶解せずに残存したエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂)は、その粒子がFRPのマトリクス樹脂中に分散する状態となる(以下、この分散している粒子を「層間粒子」ともいう)。この層間粒子は、FRPが受ける衝撃の伝播を抑制する。その結果、得られるFRPの耐衝撃性が向上する。
エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリベンズイミダゾールが例示される。これらの中でも、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドは、靭性及び耐熱性が高いため好ましい。ポリアミドやポリイミドは、FRPに対する靭性向上効果が特に優れている。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。また、これらの共重合体を用いることもできる。
特に、非晶性ポリイミドや、ナイロン6(登録商標)(カプロラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、ナイロン11(ウンデカンラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、ナイロン12(ラウリルラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、ナイロン1010(セバシン酸と1,10-デカンジアミンとの共重反応により得られるポリアミド)、非晶性のナイロン(透明ナイロンとも呼ばれ、ポリマーの結晶化が起こらないか、ポリマーの結晶化速度が極めて遅いナイロン)のようなポリアミドを使用することにより、得られるFRPの耐熱性を特に向上させることができる。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂の含有量は、エポキシ樹脂組成物の粘度に応じて適宜調整される。プリプレグの加工性の観点から、エポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂100質量部に対して、5~50質量部であることが好ましく、10~45質量部であることがより好ましく、20~40質量部であることがさらに好ましい。5質量部未満の場合、得られるFRPの耐衝撃性が不十分になる場合がある。50質量部を超える場合、エポキシ樹脂組成物の含浸性や、得られるプリプレグのドレープ性などを低下させる場合がある。
エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂の好ましい平均粒子径や形態は、エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂と同様である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、導電性粒子や難燃剤、無機系充填剤、内部離型剤が配合されてもよい。
導電性粒子としては、ポリアセチレン粒子、ポリアニリン粒子、ポリピロール粒子、ポリチオフェン粒子、ポリイソチアナフテン粒子及びポリエチレンジオキシチオフェン粒子等の導電性ポリマー粒子;、カーボン粒子;、炭素繊維粒子;、金属粒子;、無機材料又は有機材料から成るコア材を導電性物質で被覆した粒子が例示される。
難燃剤としては、リン系難燃剤が例示される。リン系難燃剤としては、分子中にリン原子を含むものであれば特に限定されず、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物、ポリリン酸塩などの有機リン化合物や赤リンが挙げられる。
無機系充填材としては、例えば、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、グラファイト、硫酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸塩鉱物が挙げられる。特に、ケイ酸塩鉱物を用いることが好ましい。ケイ酸塩鉱物の市販品としては、THIXOTROPIC AGENT DT 5039(ハンツマン・ジャパン株式会社 製)が挙げられる。
内部離型剤としては、例えば、金属石鹸類、ポリエチレンワックスやカルバナワックス等の植物ワックス、脂肪酸エステル系離型剤、シリコンオイル、動物ワックス、フッ素系非イオン界面活性剤を挙げることができる。これら内部離型剤の配合量は、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1~5質量部であることが好ましく、0.2~2質量部であることがさらに好ましい。この範囲内においては、金型からの離型効果が好適に発揮される。
内部離型剤の市販品としては、“MOLD WIZ(登録商標)” INT1846(AXEL PLASTICS RESEARCH LABORATORIES INC.製)、Licowax S、Licowax P、Licowax OP、Licowax PE190、Licowax PED(クラリアントジャパン社製)、ステアリルステアレート(SL-900A;理研ビタミン(株)製が挙げられる。
(1-4) エポキシ樹脂組成物の製造方法
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂[A]と、硬化剤[B]と、必要に応じて熱可塑性樹脂、硬化剤、その他の成分と、を混合することにより製造できる。これらの混合の順序は問わない。
エポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いてもよい。混合温度としては、40~120℃の範囲が例示できる。120℃を超える場合、部分的に硬化反応が進行して繊維強化基材層内への含浸性が低下したり、得られるエポキシ樹脂組成物及びそれを用いて製造されるプリプレグの保存安定性が低下したりする場合がある。40℃未満である場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混合が困難となる場合がある。好ましくは50~100℃であり、さらに好ましくは50~90℃の範囲である。
混合機械装置としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な例としては、ロールミル、プラネタリーミキサー、ニーダー、エクストルーダー、バンバリーミキサー、攪拌翼を備えた混合容器、横型混合槽などが挙げられる。各成分の混合は、大気中又は不活性ガス雰囲気下で行うことができる。大気中で混合が行われる場合は、温度、湿度が管理された雰囲気が好ましい。特に限定されるものではないが、例えば、30℃以下の一定温度に管理された温度や、相対湿度50%RH以下の低湿度雰囲気で混合することが好ましい。
2. プリプレグ
本発明のプリプレグは、繊維強化基材と、前記繊維強化基材内に含浸された上述の本発明のエポキシ樹脂組成物(以下、「本エポキシ樹脂組成物」ともいう)と、から成る。
本発明のプリプレグは、繊維強化基材の一部又は全体に本エポキシ樹脂組成物が含浸されたプリプレグである。プリプレグ全体における本エポキシ樹脂組成物の含有率は、プリプレグの全質量を基準として、15~60質量%であることが好ましい。樹脂含有率が15質量%未満である場合、得られる繊維強化複合材料に空隙などが発生し、機械物性を低下させる場合がある。樹脂含有率が60質量%を超える場合、強化繊維による補強効果が不十分となり、実質的に質量対比機械物性が低いものになる場合がある。樹脂含有率は、20~55質量%であることが好ましく、25~50質量%であることがより好ましい。
(2-1) 繊維強化基材
本発明で用いる繊維強化基材としては、特に制限はなく、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維などが挙げられる。
これらの強化繊維の中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。比強度、比弾性率が良好で、軽量かつ高強度の繊維強化複合材料が得られる点で、炭素繊維がより好ましい。引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維にPAN系炭素繊維を用いる場合、その引張弾性率は、100~600GPaであることが好ましく、200~500GPaであることがより好ましく、230~450GPaであることが特に好ましい。また、引張強度は、2000MPa~10000MPaであることが好ましく、3000~8000MPaであることがより好ましい。炭素繊維の直径は、4~20μmが好ましく、5~10μmがより好ましい。このような炭素繊維を用いることにより、得られる繊維強化複合材料の機械的性質を向上できる。
強化繊維はシート状に形成して用いることが好ましい。強化繊維シートとしては、例えば、多数本の強化繊維を一方向に引き揃えたシートや、平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙を挙げることができる。これらの中でも、強化繊維を連続繊維としてシート状に形成した一方向引揃えシートや二方向織物、多軸織物基材を用いると、より機械物性に優れた繊維強化複合材料が得られるため好ましい。シート状の繊維強化基材の厚さは、0.01~3mmが好ましく、0.1~1.5mmがより好ましい。
(2-2) プリプレグの製造方法
本発明のプリプレグの製造方法は、特に制限がなく、従来公知のいかなる方法も採用できる。具体的には、ホットメルト法や溶剤法が好適に採用できる。
ホットメルト法は、離型紙の上に、樹脂組成物を薄いフィルム状に塗布して樹脂組成物フィルムを形成し、繊維強化基材に該樹脂組成物フィルムを積層して加圧下で加熱することにより樹脂組成物を繊維強化基材層内に含浸させる方法である。
樹脂組成物を樹脂組成物フィルムにする方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いることもできる。具体的には、ダイ押し出し、アプリケーター、リバースロールコーター、コンマコーターなどを用いて、離型紙やフィルムなどの支持体上に樹脂組成物を流延、キャストをすることにより樹脂組成物フィルムを得ることができる。フィルムを製造する際の樹脂温度は、樹脂組成物の組成や粘度に応じて適宜決定する。具体的には、前述のエポキシ樹脂組成物の製造方法における混合温度と同じ温度条件が好適に用いられる。樹脂組成物の繊維強化基材層内への含浸は1回で行っても良いし、複数回に分けて行っても良い。
溶剤法は、エポキシ樹脂組成物を適当な溶媒を用いてワニス状にし、このワニスを繊維強化基材層内に含浸させる方法である。
本発明のプリプレグは、これらの従来法の中でも、溶剤を用いないホットメルト法により好適に製造することができる。
エポキシ樹脂組成物フィルムをホットメルト法で繊維強化基材層内に含浸させる場合の含浸温度は、50~120℃の範囲が好ましい。含浸温度が50℃未満の場合、エポキシ樹脂の粘度が高く、繊維強化基材層内へ十分に含浸しない場合がある。含浸温度が120℃を超える場合、エポキシ樹脂組成物の硬化反応が進行し、得られるプリプレグの保存安定性が低下したり、ドレープ性が低下したりする場合がある。含浸温度は、60~110℃がより好ましく、70~100℃が特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物フィルムをホットメルト法で繊維強化基材層内に含浸させる際の含浸圧力は、その樹脂組成物の粘度・樹脂フローなどを勘案し、適宜決定する。
具体的な含浸圧力は、0.01~250(N/cm)であり、0.1~200(N/cm)であることが好ましい。
3.繊維強化複合材料
繊維強化基材と、本発明のエポキシ樹脂組成物に各種硬化剤や熱可塑性樹脂を配合して成る樹脂組成物と、を複合化して硬化させることにより、繊維強化複合材料(FRP)を得ることができる。繊維強化基材と複合化する方法としては、特に制限はなく、本発明のプリプレグのように繊維強化基材と樹脂組成物を予め複合化してもよく、例えば、レジントランスファー成形法(RTM法)、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法などのように成形時に複合化してもよい。
繊維強化基材と、本発明のエポキシ樹脂組成物とを複合化した後、特定の条件で加熱加圧して硬化させることにより、繊維強化複合材料(FRP)を得ることができる。本発明のプリプレグを用いて、FRPを製造する方法としては、オートクレーブ成形やプレス成形等の公知の成形法が挙げられる。
(3-1) オートクレーブ成形法
本発明のFRPの製造方法としては、オートクレーブ成形法が好ましく用いられる。オートクレーブ成形法は、金型の下型にプリプレグ及びフィルムバッグを順次敷設し、該プリプレグを下型とフィルムバッグとの間に密封し、下型とフィルムバッグとにより形成される空間を真空にするとともに、オートクレーブ成形装置で、加熱と加圧をする成形方法である。成形時の条件は、昇温速度を1~50℃/分とし、0.2~0.7MPa、130~180℃で10~30分間、加熱及び加圧することが好ましい。
(3-2) プレス成形法
本発明のFRPの製造方法としては、プレス成形法が好ましく用いられる。プレス成形法によるFRPの製造は、本発明のプリプレグ又は本発明のプリプレグを積層して形成したプリフォームを、金型を用いて加熱加圧することにより行う。金型は、予め硬化温度に加熱しておくことが好ましい。
プレス成形時の金型の温度は、150~210℃が好ましい。成形温度が150℃以上であれば、十分に硬化反応を起こすことができ、高い生産性でFRPを得ることができる。また、成形温度が210℃以下であれば、樹脂粘度が低くなり過ぎることがなく、金型内における樹脂の過剰な流動を抑えることができる。その結果、金型からの樹脂の流出や繊維の蛇行を抑制できるため、高品質のFRPが得られる。
成形時の圧力は、0.05~2MPaであり、0.2~2MPaが好ましい。圧力が0.05MPa以上であれば、樹脂の適度な流動が得られ、外観不良やボイドの発生を防ぐことができる。また、プリプレグが十分に金型に密着するため、良好な外観のFRPを製造することができる。圧力が2MPa以下であれば、樹脂を必要以上に流動させることがないため、得られるFRPの外観不良が生じ難い。また、金型に必要以上の負荷をかけることがないため、金型の変形等が生じ難い。
成形時間は1~8時間が好ましい。
(3-3)レジントランスファー成形法(RTM)
複雑形状の繊維強化複合材料を効率よく得られるという観点から、RTM法を用いることも好ましい。ここで、RTM法とは型内に配置した繊維強化基材に液状のエポキシ樹脂組成物を含浸、硬化して繊維強化複合材料を得る方法を意味する。
本発明において、RTM法に用いる型は、剛性材料からなるクローズドモールドを用いてもよく、剛性材料のオープンモールドと可撓性のフィルム(バッグ)を用いることも可能である。後者の場合、繊維強化基材は、剛性材料のオープンモールドと可撓性フィルムの間に設置することができる。剛性材料としては、スチールやアルミニウムなどの金属、繊維強化プラスチック(FRP)、木材、石膏など既存の各種のものが用いられる。可撓性のフィルムの材料には、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが用いられる。
RTM法において、剛性材料のクローズドモールドを用いる場合は、加圧して型締めし、エポキシ樹脂組成物を加圧して注入することが通常行われる。このとき、注入口とは別に吸引口を設け、真空ポンプに接続して吸引することも可能である。吸引を行い、特別な加圧手段を用いることなく大気圧のみでエポキシ樹脂組成物を注入することも可能である。この方法は、複数の吸引口を設けることにより大型の部材を製造することができるため、好適に用いることができる。
RTM法において、剛性材料のオープンモールドと可撓性フィルムを用いる場合は、吸引を行い、特別な加圧手段を用いることなく大気圧のみでエポキシ樹脂を注入してもよい。大気圧のみでの注入で良好な含浸を実現するためには、樹脂拡散媒体を用いることが有効である。さらに、繊維強化基材の設置に先立って、剛性材料の表面にゲルコートを塗布することが好ましく行われる。
RTM法において、繊維強化基材にエポキシ樹脂組成物を含浸した後、加熱硬化が行われる。加熱硬化時の型温は、通常、エポキシ樹脂組成物の注入時における型温より高い温度が選ばれる。加熱硬化時の型温は80~200℃であることが好ましい。加熱硬化の時間は1分~20時間が好ましい。加熱硬化が完了した後、脱型して繊維強化複合材料を取り出す。その後、得られた繊維強化複合材料をより高い温度で加熱して後硬化を行ってもよい。後硬化の温度は150~200℃が好ましく、時間は1分~4時間が好ましい。
エポキシ樹脂組成物をRTM法で繊維強化基材に含浸させる際の含浸圧力は、その樹脂組成物の粘度・樹脂フローなどを勘案し、適宜決定する。
具体的な含浸圧力は、0.001~10(MPa)であり、0.01~1(MPa)であることが好ましい。RTM法を用いて繊維強化複合材料を得る場合、エポキシ樹脂組成物の粘度は、100℃における粘度が、5000mPa・s未満であることが好ましく、1~1000mPa・sであることがより好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例、比較例において使用する成分や試験方法を以下に記載する。
〔成分〕
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂[A]
・テトラグリシジル-3,4’-ジアミノジフェニルエーテル(合成例1の方法で合成、以下「3,4’-TGDDE」と略記する)
その他エポキシ樹脂
・トリグリシジル-p-アミノフェノール(ハンツマン社製 Araldite MY0510、以下「TG-pAP」と略記する)
・テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(ハンツマン社製 Araldite MY721、以下「TGDDM」と略記する)
・テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル (合成例2の方法で合成、以下「4,4’-TGDDE」と略記する)
(硬化剤)硬化剤[B]
・4,4’-ジアミノ-3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン(ロンザ社製 Lonzacure M-MIPA、以下「M-MIAP」と略記する)
・4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン(クミアイ化学社製、以下「MED-J」と略記する)
・ジエチルトルエンジアミン(ハンツマン社製 Aradure5200、以下「DETDA」と略記する)
その他の硬化剤
・4,4’-ジアミノジフェニルメタン(東京化成工業株式会社製、以下「DDM」と略記する)
・3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(小西化学工業株式会社製、以下「3,3’-DDS」と略記する)
(エポキシ樹脂不溶熱可塑性樹脂)
・ポリアミド12(エムスケミージャパン社製 TR-55、平均粒子径20μm、以下「PA12」と略記する)
(エポキシ樹脂可溶熱可塑性樹脂)
・ポリエーテルスルホン(住友化学工業株式会社製 スミカエクセルPES-5003P、平均粒子径20μm、以下「PES」と略記する)
(炭素繊維ストランド)
・“テナックス(登録商標)” IMS65 E23 830tex(炭素繊維ストランド、 引張強度5.8GPa、 引張弾性率290GPa、東邦テナックス(株)製)
〔合成例1〕3,4’-TGDDEの合成
温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、エピクロロヒドリン1110.2g(12.0mol)を仕込み、窒素パージを行いながら温度を70℃まで上げて、これにエタノール1000gに溶解させた3,4’-ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0mol)を4時間かけて滴下した。さらに6時間撹拌し、付加反応を完結させ、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル)-3,4’-ジアミノジフェニルエーテルを得た。続いて、フラスコ内温度を25℃に下げてから、これに48%NaOH水溶液500.0g(6.0mol)を2時間で滴下してさらに1時間撹拌した。環化反応が終わってからエタノールを留去して、400gのトルエンで抽出を行い5%食塩水で2回洗浄を行った。有機層からトルエンとエピクロロヒドリンを減圧下で除くと、褐色の粘性液体が361.7g(収率85.2%)得られた。主生成物である3,4’-TGDDEの純度は、84%(HPLC面積%)であった。
〔合成例2〕4,4’-TGDDEの合成
温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、エピクロロヒドリン1110.2g(12.0mol)を仕込み、窒素パージを行いながら温度を70℃まで上げて、これにエタノール1000gに溶解させた。4,4’-ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0mol)を4時間かけて滴下した。さらに6時間撹拌し、付加反応を完結させ、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル)-4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを得た。続いて、フラスコ内温度を25℃に下げてから、これに48%NaOH水溶液500.0g(6.0mol)を2時間で滴下してさらに1時間撹拌した。環化反応が終わってからエタノールを留去して、400gのトルエンで抽出を行い5%食塩水で2回洗浄を行った。有機層からトルエンとエピクロロヒドリンを減圧下で除くと、褐色の粘性液体が377.8g(収率89.0%)得られた。主生成物である4,4’-TGDDEの純度は、87%(HPLC面積%)であった。
[評価方法]
(1) 樹脂硬化物の物性
(1-1) エポキシ樹脂組成物の調製
表1に記載する割合でエポキシ樹脂に硬化剤を添加し、撹拌機を用いて80℃で30分間混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、表1に記載の組成においては、エポキシ樹脂のグリシジル基と硬化剤のアミノ基は当量となる。
(1-2) 樹脂硬化物の作成
(1-1)で調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、4mm厚のシリコン樹脂製スペーサーにより厚み4mmになるように設定したシリコン樹脂製モールド中に注入した。180℃の温度で2時間硬化させ、厚さ4mmの樹脂硬化物を得た。
(1-3) DMA-wet-Tg
SACMA 18R-94法に準じて、ガラス転移温度を測定した。樹脂試験片の寸法は50mm×6mm×2mmで準備した。プレッシャークッカー(エスペック社製、HASTEST PC-422R8)を用い、121℃、24時間の条件にて準備した樹脂試験片の吸水処理を行った。UBM社製動的粘弾性測定装置Rheogel-E400を用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、ひずみ0.0167%の条件で、チャック間の距離を30mmとし、50℃からゴム弾性領域まで、吸水処理した樹脂試験片の貯蔵弾性率G’を測定した。logG’を温度に対してプロットし、logG’の平坦領域の近似直線と、G’が転移する領域の近似直線との交点から求められる温度をガラス転移温度(Tg)として記録した。
(1-4) 曲げ弾性率
JIS K7171法に準じて、試験を実施した。その際の、樹脂試験片の寸法は80mm×10mm×h4mmで準備した。支点間距離Lは、16×h(厚み)、試験速度2m/minで曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。
(2) CFRP物性
(2-1) エポキシ樹脂組成物の調製
表2に記載する割合で、攪拌機を用いてエポキシ樹脂にエポキシ樹脂可溶熱可塑性樹脂を120℃で溶解させた。その後、80℃まで降温し、硬化剤およびエポキシ樹脂不溶熱可塑性樹脂を添加して30分間混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。
(2-2) プリプレグの作製
リバースロールコーターを用いて、離型紙上に、(2-1)で得られたエポキシ樹脂組成物を塗布して50g/m2目付の樹脂フィルムを作製した。次に、単位面積当たりの繊維質量が190g/m2となるように炭素繊維を一方向に整列させてシート状の繊維強化基材層を作製した。この繊維強化基材層の両面に上記樹脂フィルムを積重し、温度95℃、圧力0.2MPaの条件で加熱加圧して、炭素繊維含有率が65質量%の一方向プリプレグを作製した。
(2-3) OHC
(2-2)で得られたプリプレグを一辺が360mmの正方形にカット、積層し、積層構成[+45/0/-45/90]3Sの積層体を得た。通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃の条件で2時間成形した。得られた成形物を幅38.1mm × 長さ304.8mmの寸法に切断し、試験片中心に直径6.35mmの穴あけ加工を施し、有孔圧縮強度(OHC)試験の試験片を得た。
試験は、SACMA SRM3に則って実施し、最大点荷重から有孔圧縮強度を算出した。
(2-4) Hot-wet OHC
(2-2)で得られたプリプレグを一辺が360mmの正方形にカット、積層し、積層構成[+45/0/-45/90]3Sの積層体を得た。通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃の条件で2時間成形した。得られた成形物を幅38.1mm × 長さ304.8mmの寸法に切断し、試験片中心に直径6.35mmの穴あけ加工を施し、有孔圧縮強度(OHC)試験の試験片を得た。プレッシャークッカー(エスペック社製、HASTEST PC-422R8)を用い、121℃、24時間の条件にて準備したOHC試験片の吸水処理を行った。
試験は、SACMA SRM3に則って実施し、最大点荷重から有孔圧縮強度を算出した。なお、測定は121℃で行った。
〔実施例1~6、比較例1~6〕
表1に記載する成分を攪拌機を用いて混合してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を硬化させた樹脂硬化物の各種物性を表1に示した。実施例1~6は175℃以上の高DMA-wet-Tgおよび3.5GPa以上の高弾性率を示した。
〔実施例7~12、比較例7~12〕
表2に記載する成分を攪拌機を用いて混合してエポキシ樹脂組成物を得た。得られた各エポキシ樹脂組成物を用いてプリプレグを作製した。得られたプリプレグを用いて作製したCFRPの各種物性を表2に示した。実施例7~12は200MPa以上の高Hot-wet OHCを示した。
Figure 0007315304000010
Figure 0007315304000011
比較例1、2および7、8は硬化剤[B]を用いずにDDMまたは3,3’-DDSを用いてエポキシ樹脂組成物を作製したが、各種物性が低くなった。比較例3~6、9~12はエポキシ樹脂[A]を用いずにTGDDMまたは4,4’-TGDDEを用いてエポキシ樹脂組成物を作製したが、各種物性が低くなった。

Claims (9)

  1. 下記化学式(1)
    Figure 0007315304000012
    (ただし、化(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、ハロゲン原子からなる群から選ばれた1つを表し、Xは-O-を表す。)
    で示されるエポキシ樹脂[A]と、
    芳香族ポリアミンから成る硬化剤であって、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの脂肪族置換基、芳香族置換基、ハロゲン原子のいずれかの置換基を有する芳香族ポリアミンから成る硬化剤[B]と、
    を含んで成るエポキシ樹脂組成物であって、
    エポキシ樹脂の総量に対するエポキシ樹脂[A]が占める割合が70質量%以上であり、
    硬化剤[B]の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂[A]100質量部に対して40.1質量部以上733/7質量部以下であり、
    前記エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化樹脂の吸水時におけるガラス転移温度が170~400℃であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 硬化剤[B]が芳香族ポリアミンから成る硬化剤であって、アミノ基に対するオルト位に少なくとも1つの脂肪族置換基を有する芳香族ポリアミンから成る硬化剤である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 硬化剤[B]が4,4’-ジアミノジフェニルメタン誘導体である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 硬化剤[B]がフェニレンジアミン誘導体である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂[A]がテトラグリシジル-3,4’-ジアミノジフェニルエーテルである請求項1~4の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 繊維強化基材と、
    前記繊維強化基材内に含浸された請求項1~5の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物と、
    から成ることを特徴とするプリプレグ。
  7. 繊維強化基材と、請求項1~5の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を、を複合化して硬化させる繊維強化複合材料の製造方法。
  8. 請求項1~5の何れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して成る樹脂硬化物と、繊維強化基材と、を含んで構成される繊維強化複合材料。
  9. 請求項6に記載のプリプレグを硬化して成る繊維強化複合材料。
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