JP2020023630A - エポキシ化合物、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、及びこれらの製造方法 - Google Patents

エポキシ化合物、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグ、繊維強化複合材料、及びこれらの製造方法 Download PDF

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優 小澤
貴也 鈴木
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秀明 富永
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広明 桑原
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Abstract

【課題】 耐熱性が高い樹脂硬化物を製造することができ、且つ反応性が高いエポキシ化合物を提供する。【解決手段】エポキシ化合物を硬化させてなる樹脂硬化物の動的粘弾性測定において、SACMA18R−94法に準じて測定されるガラス転移温度として、低温側で検出される第1のガラス転移温度(Tg−1、℃)と、第1のガラス転移温度より高温側で検出される第2のガラス転移温度(Tg−2、℃)を有するとともに、第2のガラス転移温度における貯蔵弾性率が第1のガラス転移温度における貯蔵弾性率の50%以上である樹脂硬化物を与えることを特徴とするエポキシ化合物を用いることにより、上記課題を解決できる。【選択図】 図1

Description

本発明は、エポキシ化合物、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料、及びこれらの製造方法に関する。更に詳述すれば、所定構造を有するエポキシ化合物;このエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂;このエポキシ化合物を含んで成るエポキシ樹脂組成物;このエポキシ樹脂組成物が硬化されて成る樹脂硬化物;このエポキシ樹脂組成物を含むプリプレグ;この樹脂硬化物を含む繊維強化複合材料に関する。
エポキシ化合物は、医薬品、樹脂、塗料等の原料として広く用いられている。特に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物は、適切な硬化剤と反応させて硬化させることにより、耐熱性や耐薬品性、機械特性等に優れた樹脂硬化物が得られる。そのため、特に、繊維強化複合材料(FRP)のマトリクス樹脂としても広く利用されている。
繊維強化複合材料は、軽量かつ高強度、高剛性であるため、釣り竿やゴルフシャフト等のスポーツ・レジャー用途、自動車や航空機等の産業用途等の幅広い分野で用いられている。エポキシ樹脂をマトリクス樹脂とする複合材料の成形方法としては、予め樹脂を強化材繊維に含浸させてシート状に形成したプリプレグ(中間基材)を成型する方法がある。その他の成型法としては、型内に配置した強化繊維基材に液状の樹脂組成物を含浸、硬化して繊維強化複合材料を得るレジン・トランスファー・モールディング(RTM)法等がある。
FRPの製造には、強化繊維等の長繊維からなる繊維補強材層に樹脂を含浸した中間材料(プリプレグ)を使用する方法が好適に用いられる。プリプレグを所望の形状に切断した後に賦形し、加熱加圧硬化させることによりFRPからなる成形品を得ることができる。
しかし、一般にエポキシ樹脂を用いるプリプレグは、成形時間が長いため、成形時間の短縮が求められている。また、航空機分野では、耐熱、耐衝撃特性等の高い力学要求特性が必要であり、短時間成形で且つ、高性能の炭素繊維強化複合材料が必要とされている。
短時間成形が可能なプレス成形では、通常、100〜150℃、1〜15MPaの高温高圧条件が用いられる(特許文献1)。この高温高圧条件は、プリプレグを構成する樹脂の硬化時間を短縮できる。また、金型内においてプリプレグを構成する樹脂を適度に流動させることにより、プリプレグ内に含まれるガスを排出することができる。しかし、高温高圧条件でプレス成形する場合、プリプレグを構成する樹脂の温度が上昇して樹脂粘度が著しく低下する。その結果、金型の構造によっては、シアエッジ部からの樹脂の流出が激しく生じる(以下、成形工程における加熱及び加圧により、プリプレグ内から樹脂が流出する現象を「樹脂フロー」ともいう)。そのため、得られるFRPは、樹脂組成物の未含浸部分(樹脂枯れ)や繊維蛇行のような外観不良、及びこれらに起因する性能不良が生じる。
特許文献2には、樹脂フローを抑制する方法として、高粘度のエポキシ樹脂を用いたり、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂を添加したりする方法が記載されている。しかし、高粘度のエポキシ樹脂を用いる場合、常温(25℃)における樹脂粘度も高くなる。そのため、積層作業が困難になる等、プリプレグの取扱性が著しく低い。
特許文献3〜5には、常温時におけるプリプレグの取扱性を改善し、Tg及び硬化速度を低下させることなく、樹脂フローを抑制したハイサイクルプレス成形用のプリプレグが記載されている。特許文献3〜5に記載のプリプレグに用いられる樹脂は、液状エポキシ樹脂に熱可塑樹脂を溶解させ、樹脂粘度を上昇させたものである。しかし、プリプレグ製造時における樹脂粘度も高くなるため、強化繊維基材層内への樹脂の含浸性が低下し、成形後のFRPにボイドを生じる場合がある。
国際公開第2004/48435号 特開2005−213352号 特開2009−292976号 特開2009−292977号 特開2010−248379号
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、耐熱性が高い樹脂硬化物を製造することができ、且つ反応性が高いエポキシ化合物を提供することにある。また、本発明の更なる目的は、このエポキシ化合物を利用するエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、及び繊維強化複合材料(以下、「FRP」と略記する場合があり、特に強化繊維基材が炭素繊維である場合は「CFRP」と略記する場合がある)を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、所定の構造を有するエポキシ化合物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を達成する本発明は、以下に記載のものである。
〔1〕 下記化学式(1)で表されるエポキシ化合物。
Figure 2020023630
(但し、化(1)中、Xは、−CH−、−O−、−S−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−NHCO−、−CONH−、−SO−から選ばれる1つを表す。)
〔2〕 化(1)中、Xが−CH−である、〔1〕に記載のエポキシ化合物。
上記〔1〕及び〔2〕に記載の発明は、所定の構造を有するエポキシ化合物である。化(1)中のXは−CH−であることが好ましい。
〔3〕 エポキシ化合物を硬化させてなる樹脂硬化物の動的粘弾性測定において、SACMA18R−94法に準じて測定されるガラス転移温度として、低温側で検出される第1のガラス転移温度(Tg−1、℃)と、第1のガラス転移温度より高温側で検出される第2のガラス転移温度(Tg−2、℃)を有するとともに、
第2のガラス転移温度における貯蔵弾性率が第1のガラス転移温度における貯蔵弾性率の50%以上である樹脂硬化物を与えることを特徴とするエポキシ化合物。
上記〔3〕に記載の発明はエポキシ化合物に関する発明であり、該エポキシ化合物を硬化させてなる樹脂硬化物が動的粘弾性測定において第1のガラス転移温度及び第2のガラス転移温度を有することを特徴とする。即ち、第1のガラス転移温度に達した後の樹脂硬化物の弾性率は第2のガラス転移温度に達するまでに急激に低下しないため、ガラス転移温度に達した後であっても樹脂硬化物の耐熱性が持続する。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕の何れかに記載のエポキシ化合物を、HPLC測定における面積比率で50%以上の割合で含有するエポキシ樹脂。
上記〔4〕に記載の発明は、所定の構造を有するエポキシ化合物を所定の含有量で含有しているエポキシ樹脂である。このエポキシ樹脂は、〔1〕〜〔3〕に記載のエポキシ化合物を所定割合で含有していれば良く、〔1〕〜〔3〕に記載のエポキシ化合物は必ずしも単離されることを要しない。
〔5〕 少なくとも〔1〕〜〔3〕の何れかに記載のエポキシ化合物と、
硬化剤と、
を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
上記〔5〕に記載の発明は、少なくとも〔1〕〜〔3〕の何れかに記載のエポキシ化合物と、このエポキシ化合物と反応する硬化剤とを含む未反応ないし半硬化状態の硬化性組成物である。
〔6〕 少なくともエポキシ化合物と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の動的粘弾性測定において、SACMA18R−94法に準じて測定されるガラス転移温度として、低温側で検出される第1のガラス転移温度(Tg−1、℃)と、第1のガラス転移温度より高温側で検出される第2のガラス転移温度(Tg−2、℃)を有するとともに、第2のガラス転移温度における貯蔵弾性率が第1のガラス転移温度における貯蔵弾性率の50%以上である樹脂硬化物を与えることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
上記〔6〕に記載の発明はエポキシ化合物と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物に関する発明であり、該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物が動的粘弾性測定において第1のガラス転移温度及び第2のガラス転移温度を有することを特徴とする。即ち、第1のガラス転移温度に達した後の樹脂硬化物の弾性率は第2のガラス転移温度に達するまでに急激に低下しないため、ガラス転移温度に達した後であっても樹脂硬化物の耐熱性が持続する。
〔7〕 〔5〕または〔6〕のエポキシ樹脂組成物が硬化されて成ることを特徴とする樹脂硬化物。
上記〔7〕に記載の発明は、〔5〕または〔6〕のエポキシ樹脂組成物の硬化反応後に得られる樹脂硬化物である。
〔8〕 強化繊維基材と、
前記強化繊維基材内に含浸された〔5〕または〔6〕に記載のエポキシ樹脂組成物と、
から成ることを特徴とするプリプレグ。
〔9〕 前記強化繊維基材が炭素繊維から成る強化繊維基材である〔8〕に記載のプリプレグ。
〔10〕 エポキシ樹脂組成物を強化繊維基材内に含浸させることを特徴とする〔8〕に記載のプリプレグの製造方法。
上記〔8〕〜〔10〕に記載の発明は、強化繊維基材と、この強化繊維基材内に含浸されているエポキシ樹脂組成物とから成るプリプレグ及びその製造方法である。
〔11〕 〔7〕に記載の樹脂硬化物と、
強化繊維基材と、
を含んで成る繊維強化複合材料。
〔12〕 エポキシ樹脂組成物を強化繊維基材内に含浸して硬化させることを特徴とする〔11〕に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
〔13〕 〔8〕または〔9〕に記載のプリプレグを硬化させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
上記〔11〕〜〔13〕に記載の発明は、上記本発明の樹脂硬化物と、強化繊維基材と、から成る繊維強化複合材料及びその製造方法である。強化繊維基材とエポキシ樹脂組成物とを予め複合化してから成形しても良い(プリプレグ)。また、強化繊維基材と樹脂硬化物樹脂硬化物とは、プリプレグを経由することなく、成形と複合化とが同時に行われても良い。
本発明のエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組成物は、耐熱性が高い、即ちガラス転移温度が高い樹脂硬化物を製造することができる。また、ガラス転移温度に達した後の樹脂硬化物の貯蔵弾性率が急激に低下することがないため、耐熱持続性が高い樹脂硬化物を製造することができる。さらには、本発明のエポキシ化合物を所定割合で含む未硬化のエポキシ樹脂組成物は反応性が高く、低温硬化性や速硬化性が高い。
実施例1における動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 実施例2における動的粘弾性測定結果を示すグラフである。 比較例1における動的粘弾性測定結果を示すグラフである。
以下、本発明のエポキシ化合物、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、繊維強化複合材料、及びこれらの製造方法について説明する。
なお、本明細書においてエポキシ化合物とは、各化学式で表される化合物自体を意味する。また、エポキシ樹脂とは、該エポキシ化合物を含有する混合物を意味する。即ち、エポキシ樹脂は、エポキシ化合物の合成時に生成する各種副生成物や未反応物を含んでいても良い。エポキシ樹脂組成物とは、少なくともエポキシ化合物と、その硬化剤と、を含む未硬化乃至半硬化状態の組成物を意味する。樹脂硬化物とは、エポキシ樹脂組成物が硬化反応して得られる硬化体を意味する。
1. エポキシ化合物
本発明のエポキシ化合物は、下記化学式(1)で表されるエポキシ化合物である。
Figure 2020023630
(但し、化(1)中、Xは、−CH−、−O−、−S−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−NHCO−、−CONH−、−SO−から選ばれる1つを表す。)
上記化学式(1)で表される化合物の中でも、Xが−CH−であるエポキシ化合物が特に好ましい。
本発明のエポキシ化合物は、50℃における粘度が5.0Pa・s以下であることが好ましく、0.001〜5.0Pa・sであることがより好ましい。5.0Pa・sを超える場合、取扱性が低下する。また、このエポキシ化合物を用いてプリプレグを作製する場合、プリプレグに未含浸部分が生じ易くなる。その結果、得られる繊維強化複合材料においてボイド等が形成され易くなる。粘度(50℃)は、3.0Pa・s未満であることが好ましく、2.5Pa・s未満であることがより好ましく、2.0Pa・s未満であることが更に好ましい。
このようなエポキシ化合物としては、以下の化学式(2)〜(3)の化合物が例示される。
Figure 2020023630
Figure 2020023630
このようなエポキシ化合物は、どのような方法で合成しても良いが、例えば、原料である4価フェノールとエピクロロヒドリンなどのエピハロヒドリンとを塩基性触媒の存在下で反応させてテトラハロヒドリン体を得た後、アルカリ性化合物を用いて環化反応することにより得られる。より具体的には、後述の実施例の方法で合成することができる。
原料である4価フェノールとしては、2つの2価フェノール化合物が−CH−、−O−、−S−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−NHCO−、−CONH−、−SO−から選ばれる中間基を介して結合してなる4価フェノールであれば良い。この様な4価フェノールとしては、例えば中間基が−CH−の場合は、3,3’−ビス(1,2−ヒドロキシフェニル)メタン、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)メタン、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−3’−(1,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ビス(1,3−ヒドロキシフェニル)メタン、3−(1,4−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)メタン、3,3’−ビス(1,4−ヒドロキシフェニル)メタンが挙げられる。
中間基が−O−の4価フェノールとしては、3,3’−ビス(1,2−ヒドロキシフェニル)エーテル、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)エーテル、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−3’−(1,4−ジヒドロキシフェニル)エーテル、4,4’−ビス(1,3−ヒドロキシフェニル)エーテル、3−(1,4−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)エーテル、3,3’−ビス(1,4−ヒドロキシフェニル)エーテルが挙げられる。
中間基が−S−の4価フェノールとしては、3,3’−ビス(1,2−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)チオエーテル、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−3’−(1,4−ジヒドロキシフェニル)チオエーテル、4,4’−ビス(1,3−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、3−(1,4−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)チオエーテル、3,3’−ビス(1,4−ヒドロキシフェニル)チオエーテルが挙げられる。
中間基が−CO−の4価フェノールとしては、3,3’−ビス(1,2−ヒドロキシフェニル)ケトン、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)ケトン、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−3’−(1,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、4,4’−ビス(1,3−ヒドロキシフェニル)ケトン、3−(1,4−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)ケトン、3,3’−ビス(1,4−ヒドロキシフェニル)ケトンが挙げられる。
中間基が−C(=O)O−または−O−C(=O)−の4価フェノールとしては、2,3−ジヒドロキシ安息香酸−2’,3’−ジヒドロキシフェニル、2,3−ジヒドロキシ安息香酸−2’,4’−ジヒドロキシフェニル、2,3−ジヒドロキシ安息香酸−2’,5’−ジヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸−2’,3’−ジヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸−2’,4’−ジヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸−2’,5’−ジヒドロキシフェニル、2,5−ジヒドロキシ安息香酸−2’,3’−ジヒドロキシフェニル、2,5−ジヒドロキシ安息香酸−2’,4’−ジヒドロキシフェニル、2,5−ジヒドロキシ安息香酸−2’,5’−ジヒドロキシフェニルが挙げられる。
中間基が−NHCO−または−CONH−の4価フェノールとしては、N−2’,3’−ジヒドロキシフェニル−2,3−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,4’−ジヒドロキシフェニル−2,3−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,4’−ジヒドロキシフェニル−2,3−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,3’−ジヒドロキシフェニル−2,4−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,4’−ジヒドロキシフェニル−2,4−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,5’−ジヒドロキシフェニル−2,4−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,3’−ジヒドロキシフェニル−2,5−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,4’−ジヒドロキシフェニル−2,5−ジヒドロキシベンズアミド、N−2’,5’−ジヒドロキシフェニル−2,5−ジヒドロキシベンズアミドが挙げられる。
中間基が−SO−の4価フェノールとしては、3,3’−ビス(1,2−ヒドロキシフェニル)スルホン、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)スルホン、3−(1,2−ジヒドロキシフェニル)−3’−(1,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビス(1,3−ヒドロキシフェニル)スルホン、3−(1,4−ジヒドロキシフェニル)−4’−(1,3−ジヒドロキシフェニル)スルホン、3,3’−ビス(1,4−ヒドロキシフェニル)スルホンが挙げられる。
エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピフルオロヒドリンなどが挙げられる。これらの中でも、反応性や取扱性の観点から、エピクロロヒドリンおよびエピブロモヒドリンが特に好ましい。
4価フェノールとエピハロヒドリンとの重量比は1:1〜1:20が好ましく、1:3〜1:10がより好ましい。反応時に用いる溶媒としては、エタノールやn−ブタノールなどのアルコール系溶媒、メチルイソブチルケトンやメチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、アセトニトリルやN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒が例示される。特にエタノールやn−ブタノールなどのアルコール系溶媒、メチルイソブチルケトンやメチルエチルケトンなどのケトン系溶媒が好ましい。溶媒の使用量は4価フェノールに対して0.5〜10重量倍であることが好ましい。塩基触媒としてはブレンステッド塩基とルイス塩基のいずれも好適に用いることができ、特にブレンステッド塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。塩基触媒は固体として添加しても水溶液として添加しても良い。
反応時間は、0.1〜180時間であることが好ましく、0.5〜24時間がより好ましい。反応温度は、20〜100℃であることが好ましく、40〜80℃がより好ましい。
環化反応時に用いるアルカリ性化合物としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが例示される。アルカリ性化合物は固体として添加しても水溶液として添加しても良い。
環化反応時には相間移動触媒を用いても良い。相間移動触媒としては塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩、臭化トリブチルヘキサデシルホスホニウム、臭化トリブチルドデシルホスホニウムなどのホスホニウム化合物、18−クラウン−6−エーテルなどのクラウンエーテル類が例示される。
本発明のエポキシ化合物のもう一つの態様は、エポキシ化合物を硬化させてなる樹脂硬化物が2つのガラス転移温度を有し、より高温側で検出される第2のガラス転移温度における貯蔵弾性率が、低温側の第1のガラス転移温度における貯蔵弾性率の50%以上である樹脂硬化物を与えるエポキシ化合物である。このようなエポキシ化合物を用いると、第1のガラス転移温度に達した後の樹脂硬化物の弾性率は第2のガラス転移温度に達するまでに急激に低下しないため、ガラス転移温度に達した後であっても樹脂硬化物の耐熱性が持続する。
本発明において、樹脂硬化物のガラス転移温度はSACMA 18R−94法に準じて測定される。測定用の樹脂組成物は、エポキシ化合物と硬化剤である3,3’−ジメチルジアミノスルホン(3,3’−DDS)を、エポキシ化合物のエポキシ基の量と3,3’−DDSの活性水素基の量が当量となる割合で混合して調整する。樹脂試験片の寸法は50mm×6mm×2mmとし、試験片は硬化後、吸水などの処理を実施せずに(as−prepared)測定に用いる。動的粘弾性測定装置を用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、ひずみ0.0167%の条件で、チャック間の距離を30mmとし、50℃からゴム弾性領域まで貯蔵弾性率E’を測定する。logE’を温度に対してプロットし、logE’の平坦領域の近似直線と、E’が変位する領域の変曲点における接線との交点から求められる温度をガラス転移温度とし、低温側に現れるガラス転移温度を第1のガラス転移温度(Tg−1)とし、高温側に現れるガラス転移温度を第2のガラス転移温度(Tg−2)とする。
2. エポキシ樹脂
上記化学式(1)で表されるエポキシ化合物は合成後必ずしも単離される必要はなく、上記化学式(1)の合成時に生成する副生物や未反応物を含んだエポキシ樹脂として用いても良い。本発明のエポキシ樹脂は、上記化学式(1)で表されるエポキシ化合物をHPLC測定における面積比率で50%以上の割合で含有するエポキシ樹脂である。本発明のエポキシ樹脂は、上記化学式(1)で表されるエポキシ化合物を、HPLC測定における面積比率で60%以上の割合で含有することが好ましく、70%以上含有することが更に好ましい。50%以上の割合で含有することにより、本発明のエポキシ化合物の特長が発揮されるとともに、貯蔵安定性を高くすることができる。
本発明のエポキシ樹脂は、50℃における粘度が5.0Pa・s以下であることが好ましく、0.001〜5.0Pa・sであることがより好ましい。5.0Pa・sを超える場合、取扱性が低下する。また、このエポキシ樹脂を用いてプリプレグを作製する場合、プリプレグに未含浸部分が生じ易くなる。その結果、得られる繊維強化複合材料においてボイド等が形成され易くなる。粘度(50℃)は、3.0Pa・s未満であることが好ましく、2.5Pa・s未満であることがより好ましく、2.0Pa・s未満であることが更に好ましい。
3. エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも本発明のエポキシ化合物と、硬化剤とを含んで成る未硬化乃至半硬化状態の組成物である。本発明のエポキシ樹脂組成物は、これらの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、その他の添加剤を含んでいても良い。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化される際にエポキシ化合物と硬化剤がともにあれば良い。用いる成形方法に応じて、あらかじめエポキシ化合物と硬化剤を含む組成物を調整しても良いし、エポキシ化合物を含む組成物と硬化剤を含む組成物とを別に調整し、例えば成形型内などで混合しても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度は、成形方法に応じて適宜調整すれば良いが、例えば、プリプレグとして用いる場合、50℃における粘度が500Pa・s未満であることが好ましく、0.001〜100Pa・sであることがより好ましい。500Pa・sを超える場合、取扱性が低下する場合がある。また、このエポキシ樹脂組成物を用いてプリプレグを作製する場合、プリプレグに未含浸部分が生じ易くなる。その結果、得られる繊維強化複合材料においてボイド等が形成され易くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物における、上記化学式(1)で表されるエポキシ化合物の含有割合は、10〜90質量%であることが好ましく、15〜80質量%であることがより好ましく、20〜70質量%であることが更に好ましい。10質量%未満の場合、エポキシ樹脂組成物の取扱性が悪化したり、得られる樹脂硬化物の強度や耐熱性が低下したりする場合がある。90質量%よりも多い場合、硬化剤とのモルバランスが不適当となり、硬化物の力学物性など各種特性が低下する場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化開始温度は120〜180℃であり、130〜170℃であることが好ましく、140〜160℃であることがより好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の180℃におけるゲルタイムは6.0秒以下であることが好ましく、1.0〜5.0秒であることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させる公知の硬化剤である。硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させる物であれば良く、使用目的等に応じて適宜選択される。
具体的には、ジシアンジアミドなどの潜在性硬化剤、脂肪族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、アミノ安息香酸エステル類、酸無水物類が挙げられる。
ジシアンジアミドなどの潜在性硬化剤は、プリプレグの保存安定性に優れるため好ましい。
脂肪族ポリアミン類は反応性が高く、低温での硬化反応が可能となるため好ましい。脂肪族ポリアミン類としては4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、m−キシリレンジアミン等が例示される。
芳香族ポリアミンは耐熱性や各種力学特性に優れるため好ましい。芳香族ポリアミン類としてはジアミノジフェニルスルホン類、ジアミノジフェニルメタン類、トルエンジアミン誘導体が例示される。中でも、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン化合物及びこれらの非反応性置換基を有する誘導体は、耐熱性が高い硬化物を得ることができるため、より好ましい。特に、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンは、得られる樹脂硬化物の耐熱性や弾性率が高いため更に好ましい。非反応性置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどの芳香族基、アルコキシル基、アラルキル基、塩素や臭素などのようなハロゲン基が例示される。また、未硬化のエポキシ樹脂組成物の保存安定性を向上させるとともに樹脂硬化物の吸水特性を優れたものとするため、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルアニリン)などのヒンダードアミン系化合物も好適に用いられる。
アミノ安息香酸エステル類としては、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエートやネオペンチルグリコールジ−p−アミノベンゾエートが好ましく用いられる。これら硬化剤を用いて硬化させた複合材料は、ジアミノジフェニルスルホンの各種異性体を用いて硬化させた複合材料と比較して引張伸度が高い。
酸無水物類としては、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。これら硬化剤を用いた場合、未硬化樹脂組成物のポットライフが長く、電気的特性、化学的特性、機械的特性などに比較的バランスがとれた硬化物が得られる。複合材料の用途に応じて硬化剤は適宜選択される。
エポキシ樹脂組成物に含まれる硬化剤の量は、エポキシ樹脂組成物中に配合されている全てのエポキシ樹脂を硬化させるのに適した量であり、用いるエポキシ樹脂や硬化剤の種類に応じて適宜調節される。例えば、芳香族ジアミン化合物を硬化剤として用いる場合、全エポキシ樹脂量100質量部に対して25〜85質量部であることが好ましく、35〜75質量部であることがより好ましい。25質量部未満或いは85質量部を超える場合、エポキシ樹脂組成物の硬化が不十分となり、樹脂硬化物の物性を低下させ易い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ化合物とその硬化剤とを必須とするが、その他の成分を含んでいても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ化合物を必須とするが、その他本発明のエポキシ化合物以外のエポキシ樹脂を含んでいても良い。その他のエポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。具体的には、芳香族基を含有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン構造、グリシジルエーテル構造のいずれかを含有するエポキシ樹脂が好ましい。また、脂環族エポキシ樹脂も好適に用いることができる。化学式(1)で表されるエポキシ化合物と他のエポキシ樹脂を併用する場合、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂に占める化学式(1)で表されるエポキシ化合物の含有割合は、20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60〜100質量%であることが更に好ましい。
グリシジルアミン構造を含有するエポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−3−メチル−4−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体などが例示される。
グリシジルエーテル構造を含有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が例示される。
また、これらのエポキシ樹脂は、必要に応じて、芳香族環構造などに、非反応性置換基を有していても良い。非反応性置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基やフェニルなどの芳香族基やアルコキシル基、アラルキル基、塩素や臭素などの如くハロゲン基などが例示される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は熱可塑性樹脂を含んでいても良い。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂とエポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂とが挙げられる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂組成物の粘度を調整するとともに、得られるFRPの耐衝撃性を向上させる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂とは、FRPを成形する温度又はそれ以下の温度において、エポキシ樹脂に一部又は全部が溶解し得る熱可塑性樹脂である。ここで、エポキシ樹脂に一部が溶解するとは、エポキシ樹脂100質量部に対して、平均粒子径が20〜50μmの熱可塑性樹脂10質量部を混合して190℃で1時間撹拌した際に粒子が消失するか、粒子の大きさが10%以上変化することを意味する。
一方、エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂とは、FRPを成形する温度又はそれ以下の温度において、エポキシ樹脂に実質的に溶解しない熱可塑性樹脂をいう。即ち、エポキシ樹脂100質量部に対して、平均粒子径が20〜50μmの熱可塑性樹脂10質量部を混合して190℃で1時間撹拌した際に、粒子の大きさが10%以上変化しない熱可塑性樹脂をいう。なお、一般的に、FRPを成形する温度は100〜190℃である。また、粒子径は、顕微鏡によって目視で測定され、平均粒子径とは、無作為に選択した100個の粒子の粒子径の平均値を意味する。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂が完全に溶解していない場合は、エポキシ樹脂の硬化過程で加熱されることによりエポキシ樹脂に溶解し、エポキシ樹脂組成物の粘度を増加させることができる。これにより、硬化過程における粘度低下に起因するエポキシ樹脂組成物のフロー(プリプレグ内から樹脂組成物が流出する現象)を防止することができる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、190℃でエポキシ樹脂に80質量%以上溶解する樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の具体的例としては、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量(Mw)が8000〜100000の範囲のポリエーテルスルホン、ポリスルホンが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が8000よりも小さいと、得られるFRPの耐衝撃性が不十分となる場合があり、また100000よりも大きいと粘度が著しく高くなり取扱性が著しく悪化する場合がある。エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の分子量分布は均一であることが好ましい。特に、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である多分散度(Mw/Mn)が1〜10の範囲であることが好ましく、1.1〜5の範囲であることがより好ましい。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂と反応性を有する反応基又は水素結合を形成する官能基を有していることが好ましい。このようなエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂の硬化過程中における溶解安定性を向上させることができる。また、硬化後に得られるFRPに靭性、耐薬品性、耐熱性及び耐湿熱性を付与することができる。
エポキシ樹脂との反応性を有する反応基としては、水酸基、カルボン酸基、イミノ基、アミノ基などが好ましい。水酸基末端のポリエーテルスルホンを用いると、得られるFRPの耐衝撃性、破壊靭性及び耐溶剤性が特に優れるためより好ましい。
エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の含有量は、粘度に応じて適宜調整される。プリプレグの加工性の観点から、エポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂100質量部に対して、5〜90質量部が好ましく、5〜40質量部がより好ましく、15〜35質量部がさらに好ましい。5質量部未満の場合は、得られるFRPの耐衝撃性が不十分となる場合がある。エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の含有量が高くなると、粘度が著しく高くなり、プリプレグの取扱性が著しく悪化する場合がある。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂には、アミン末端基を有する反応性芳香族オリゴマー(以下、単に「芳香族オリゴマー」ともいう)を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂組成物は、加熱硬化時にエポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応により高分子量化する。高分子量化により二相域が拡大することによって、エポキシ樹脂組成物に溶解していた芳香族オリゴマーは、反応誘起型の相分離を引き起こす。この相分離により、硬化後のエポキシ樹脂と、芳香族オリゴマーと、が共連続となる樹脂の二相構造をマトリクス樹脂内に形成する。また、芳香族オリゴマーはアミン末端基を有していることから、エポキシ樹脂との反応も生じる。この共連続の二相構造における各相は互いに強固に結合しているため、耐溶剤性も向上している。
この共連続の構造は、樹脂硬化物に対する外部からの衝撃を吸収してクラック伝播を抑制する。その結果、アミン末端基を有する反応性芳香族オリゴマーを含むエポキシ樹脂組成物を用いて作製される樹脂硬化物は、高い耐衝撃性及び破壊靭性を有する。
この芳香族オリゴマーとしては、公知のアミン末端基を有するポリスルホン、アミン末端基を有するポリエーテルスルホンを用いることができる。アミン末端基は第一級アミン(−NH)末端基であることが好ましい。
エポキシ樹脂組成物に配合される芳香族オリゴマーは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量が8000〜40000であることが好ましい。重量平均分子量が8000未満である場合、マトリクス樹脂の靱性向上効果が低い。また、重量平均分子量が40000を超える場合、樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、強化繊維層内に樹脂組成物が含浸し難くなる等の加工上の問題点が発生しやすくなる。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の形態は、特に限定されないが、粒子状であることが好ましい。粒子状のエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂は、樹脂組成物中に均一に配合することができる。また、得られるプリプレグの成形性が高い。
エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の平均粒子径は、1〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることが特に好ましい。1μm未満である場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が著しく増粘する。そのため、エポキシ樹脂組成物に十分な量のエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂を添加することが困難となる場合がある。50μmを超える場合、エポキシ樹脂組成物をシート状に加工する際、均質な厚みのシートが得られ難くなる場合がある。また、エポキシ樹脂への溶解速度が遅くなり、得られるFRPが不均一となるため、好ましくない。
エポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の他に、エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂を含有しても良い。エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂の一部(硬化後のマトリクス樹脂において溶解せずに残存したエポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂)は、その粒子が樹脂硬化物中に分散する状態となる。この粒子は、樹脂硬化物が受ける衝撃の伝播を抑制する。その結果、得られる樹脂硬化物の耐衝撃性が向上する。
エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリベンズイミダゾールが例示される。これらの中でも、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドは、靭性及び耐熱性が高いため好ましい。ポリアミドやポリイミドは、樹脂硬化物に対する靭性向上効果が特に優れている。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、これらの共重合体を用いることもできる。
特に、非晶性ポリイミドや、ナイロン6(登録商標)(カプロラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、ナイロン11(ウンデカンラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、ナイロン12(ラウリルラクタムの開環重縮合反応により得られるポリアミド)、ナイロン1010(セバシン酸と1,10−デカンジアミンとの共重反応により得られるポリアミド)、非晶性のナイロン(透明ナイロンとも呼ばれ、ポリマーの結晶化が起こらないか、ポリマーの結晶化速度が極めて遅いナイロン)のようなポリアミドを使用することにより、得られる樹脂硬化物の耐熱性を特に向上させることができる。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂の含有量は、エポキシ樹脂組成物の粘度に応じて適宜調整される。エポキシ樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂100質量部に対して、5〜50質量部であることが好ましく、10〜45質量部であることがより好ましく、20〜40質量部であることがさらに好ましい。5質量部未満の場合、得られる樹脂硬化物の耐衝撃性が不十分になる場合がある。50質量部を超える場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、取扱性が低下する。
エポキシ樹脂不溶性熱可塑性樹脂の好ましい平均粒子径や形態は、エポキシ樹脂可溶性熱可塑性樹脂と同様である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、導電性粒子や難燃剤、無機系充填剤、内部離型剤が配合されても良い。
導電性粒子としては、ポリアセチレン粒子、ポリアニリン粒子、ポリピロール粒子、ポリチオフェン粒子、ポリイソチアナフテン粒子及びポリエチレンジオキシチオフェン粒子等の導電性ポリマー粒子;カーボン粒子;炭素繊維粒子;金属粒子;無機材料又は有機材料から成るコア材を導電性物質で被覆した粒子が例示される。
難燃剤としては、リン系難燃剤が例示される。リン系難燃剤としては、分子中にリン原子を含むものであれば特に限定されず、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物、ポリリン酸塩などの有機リン化合物や赤リンが挙げられる。
無機系充填材としては、例えば、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、グラファイト、硫酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸塩鉱物が挙げられる。特に、ケイ酸塩鉱物を用いることが好ましい。ケイ酸塩鉱物としては、具体的には、THIXOTROPIC AGENT DT 5039(ハンツマン・ジャパン株式会社 製)が挙げられる。
内部離型剤としては、例えば、金属石鹸類、ポリエチレンワックスやカルバナワックス等の植物ワックス、脂肪酸エステル系離型剤、シリコンオイル、動物ワックス、フッ素系非イオン界面活性剤を挙げることができる。これら内部離型剤の配合量は、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜2質量部であることがさらに好ましい。この範囲内においては、金型からの離型効果が好適に発揮される。
内部離型剤としては、具体的には、“MOLD WIZ(登録商標)” INT1846(AXEL PLASTICS RESEARCH LABORATORIES INC.製)、Licowax S、Licowax P、Licowax OP、Licowax PE190、Licowax PED(クラリアントジャパン社製)、ステアリルステアレート(SL−900A;理研ビタミン(株)製)が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、必要に応じてその他の成分と、を混合することにより製造できる。これらの混合の順序は問わない。
エポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いても良い。混合温度としては、40〜120℃の範囲が例示できる。120℃を超える場合、部分的に硬化反応が進行して強化繊維基材層内への含浸性が低下したり、得られるエポキシ樹脂組成物及びそれを用いて製造されるプリプレグの保存安定性が低下したりする場合がある。40℃未満である場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が高く、実質的に混合が困難となる場合がある。好ましくは50〜100℃であり、さらに好ましくは50〜90℃の範囲である。
混合機械装置としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な例としては、ロールミル、プラネタリーミキサー、ニーダー、エクストルーダー、バンバリーミキサー、攪拌翼を備えた混合容器、横型混合槽などが挙げられる。各成分の混合は、大気中又は不活性ガス雰囲気下で行うことができる。大気中で混合が行われる場合は、温度、湿度が管理された雰囲気が好ましい。特に限定されるものではないが、例えば、30℃以下の一定温度に管理された温度や、相対湿度50%RH以下の低湿度雰囲気で混合することが好ましい。
4. 樹脂硬化物
本発明の樹脂硬化物は、前述のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化体である。
硬化反応は、エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂や硬化剤などに応じて適宜決定されるが、通常20〜250℃で1分以上加熱することにより行われる。
本発明の樹脂硬化物は、耐熱性が高いことを特徴とする。本発明の樹脂硬化物の第1のガラス転移温度は160℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが更に好ましい。ガラス転移温度の上限値は特に限定されないが、通常250℃未満である。
本発明においてガラス転移温度は、SACMA18R−94法に準じる方法で動的粘弾性測定により測定され、本発明における第1のガラス転移温度とは、後述する動的粘弾性測定による第1変位点を示す温度を意味する。
本発明の樹脂硬化物は、第1ガラス転移温度よりも高い温度域で第2のガラス転移温度を示すことを特徴とする。本発明の樹脂硬化物の第2のガラス転移温度は170℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましく、210℃以上であることが更に好ましい。ガラス転移温度の上限値は特に限定されないが、通常260℃未満である。
本発明における第2のガラス転移温度とは、後述する動的粘弾性測定による第2変位点を示す温度を意味する。
第2変位点のおける貯蔵弾性率は、第1変位点における貯蔵弾性率の50%以上であり、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがより好ましい。
上述の特徴を有する樹脂硬化物は第1のガラス転移温度に達した後、第2のガラス転移温度に達するまでの間、急激に貯蔵弾性率が低下することがないため、耐熱持続性が高い。
本発明において、樹脂硬化物のガラス転移温度はSACMA 18R−94法に準じて測定される。樹脂試験片の寸法は50mm×6mm×2mmとし、試験片は硬化後、吸水などの処理を実施せずに(as−prepared)測定に用いる。動的粘弾性測定装置を用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、ひずみ0.0167%の条件で、チャック間の距離を30mmとし、50℃からゴム弾性領域まで貯蔵弾性率E’を測定する。logE’を温度に対してプロットし、logE’の平坦領域の近似直線と、E’が変位する領域の変曲点における直線との交点から求められる温度をガラス転移温度とし、低温側に現れるガラス転移温度を第1のガラス転移温度(Tg−1)とし、高温側に現れるガラス転移温度を第2のガラス転移温度(Tg−2)とする。
5. プリプレグ
本発明のプリプレグは、強化繊維基材と、前記強化繊維基材内に含浸された上述の本発明のエポキシ樹脂組成物と、から成る。
本発明のプリプレグは、強化繊維基材の一部又は全体に本エポキシ樹脂組成物が含浸されたプリプレグである。プリプレグ全体における本エポキシ樹脂組成物の含有率は、プリプレグの全質量を基準として、15〜60質量%であることが好ましい。樹脂含有率が15質量%未満である場合、得られる繊維強化複合材料に空隙などが発生し、機械物性を低下させる場合がある。樹脂含有率が60質量%を超える場合、強化繊維による補強効果が不十分となり、実質的に質量対比機械物性が低いものになる場合がある。樹脂含有率は、20〜55質量%であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましい。
本発明で用いる強化繊維基材としては、特に制限はなく、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維などが挙げられる。
これらの強化繊維の中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。比強度、比弾性率が良好で、軽量かつ高強度の繊維強化複合材料が得られる点で、炭素繊維がより好ましい。引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維にPAN系炭素繊維を用いる場合、その引張弾性率は、100〜600GPaであることが好ましく、200〜500GPaであることがより好ましく、230〜450GPaであることが特に好ましい。また、引張強度は、2000〜10000MPaであることが好ましく、3000〜8000MPaであることがより好ましい。炭素繊維の直径は、4〜20μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。このような炭素繊維を用いることにより、得られる繊維強化複合材料の機械的性質を向上できる。
強化繊維はシート状に形成して用いることが好ましい。強化繊維シートとしては、例えば、多数本の強化繊維を一方向に引き揃えたシートや、平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙を挙げることができる。これらの中でも、強化繊維を連続繊維としてシート状に形成した一方向引揃えシートや二方向織物、多軸織物基材を用いると、より機械物性に優れた繊維強化複合材料が得られるため好ましい。シート状の強化繊維基材の厚さは、0.01〜3mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましい。
本発明のプリプレグの製造方法は、特に制限がなく、従来公知のいかなる方法も採用できる。具体的には、ホットメルト法や溶剤法が好適に採用できる。
ホットメルト法は、離型紙の上に、樹脂組成物を薄いフィルム状に塗布して樹脂組成物フィルムを形成し、強化繊維基材に該樹脂組成物フィルムを積層して加圧下で加熱することにより樹脂組成物を強化繊維基材層内に含浸させる方法である。
樹脂組成物を樹脂組成物フィルムにする方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知のいずれの方法を用いることもできる。具体的には、ダイ押し出し、アプリケーター、リバースロールコーター、コンマコーターなどを用いて、離型紙やフィルムなどの支持体上に樹脂組成物を流延、キャストをすることにより樹脂組成物フィルムを得ることができる。フィルムを製造する際の樹脂温度は、樹脂組成物の組成や粘度に応じて適宜決定する。具体的には、前述のエポキシ樹脂組成物の製造方法における混合温度と同じ温度条件が好適に用いられる。樹脂組成物の強化繊維基材層内への含浸は1回で行っても良いし、複数回に分けて行っても良い。
溶剤法は、エポキシ樹脂組成物を適当な溶媒を用いてワニス状にし、このワニスを強化繊維基材層内に含浸させる方法である。
本発明のプリプレグは、これらの従来法の中でも、溶剤を用いないホットメルト法により好適に製造することができる。
エポキシ樹脂組成物フィルムをホットメルト法で強化繊維基材層内に含浸させる場合の含浸温度は、50〜120℃の範囲が好ましい。含浸温度が50℃未満の場合、エポキシ樹脂の粘度が高く、強化繊維基材層内へ十分に含浸しない場合がある。含浸温度が120℃を超える場合、エポキシ樹脂組成物の硬化反応が進行し、得られるプリプレグの保存安定性が低下したり、ドレープ性が低下したりする場合がある。含浸温度は、60〜110℃がより好ましく、70〜100℃が特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物フィルムをホットメルト法で強化繊維基材層内に含浸させる際の含浸圧力は、その樹脂組成物の粘度・樹脂フローなどを勘案し、適宜決定する。
具体的な含浸圧力は、0.01〜250N/cmであり、0.1〜200N/cmであることが好ましい。
6. 繊維強化複合材料(FRP)
本発明の繊維強化複合材料は、本発明の樹脂硬化物と、強化繊維基材と、を含んで成る。繊維強化複合材料は、強化繊維基材と、本発明のエポキシ樹脂組成物と、を複合化した状態で硬化させることにより作製される。繊維強化複合材料の作製方法としては、特に制限はなく、強化繊維基材とエポキシ樹脂組成物とが予め複合化されたプリプレグを用いて作製しても良い。また、レジントランスファー成形法(RTM法)、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法に例示されるように成形と同時に強化繊維基材とエポキシ樹脂組成物とを複合化しても良い。
本発明のプリプレグを用いて、FRPを製造する方法としては、オートクレーブ成形やプレス成形等の公知の成形法が挙げられる。
(6−1) オートクレーブ成形法
本発明のFRPの製造方法としては、オートクレーブ成形法が好ましく用いられる。オートクレーブ成形法は、金型の下型にプリプレグ及びフィルムバッグを順次敷設し、該プリプレグを下型とフィルムバッグとの間に密封し、下型とフィルムバッグとにより形成される空間を真空にするとともに、オートクレーブ成形装置で、加熱と加圧をする成形方法である。成形時の条件は、昇温速度を1〜50℃/分とし、0.2〜0.7MPa、120〜180℃で10〜300分間、加熱及び加圧することが好ましい。
(6−2) プレス成形法
本発明のFRPの製造方法としては、プレス成形法が好ましく用いられる。プレス成形法によるFRPの製造は、本発明のプリプレグ又は本発明のプリプレグを積層して形成したプリフォームを、金型を用いて加熱加圧することにより行う。金型は、予め硬化温度に加熱しておくことが好ましい。
プレス成形時の金型の温度は、120〜210℃が好ましい。成形温度が120℃以上であれば、十分に硬化反応を起こすことができ、高い生産性でFRPを得ることができる。また、成形温度が210℃以下であれば、樹脂粘度が低くなり過ぎることがなく、金型内における樹脂の過剰な流動を抑えることができる。その結果、金型からの樹脂の流出や繊維の蛇行を抑制できるため、高品質のFRPが得られる。
成形時の圧力は、0.05〜2MPaであり、0.2〜2MPaが好ましい。圧力が0.05MPa以上であれば、樹脂の適度な流動が得られ、外観不良やボイドの発生を防ぐことができる。また、プリプレグが十分に金型に密着するため、良好な外観のFRPを製造することができる。圧力が2MPa以下であれば、樹脂を必要以上に流動させることがないため、得られるFRPの外観不良が生じ難い。また、金型に必要以上の負荷をかけることがないため、金型の変形等が生じ難い。
成形時間は1〜8時間が好ましい。
(6−3) レジントランスファー成形法(RTM)
複雑形状の繊維強化複合材料を効率よく得られるという観点から、RTM法を用いることも好ましい。ここで、RTM法とは型内に配置した強化繊維基材に液状のエポキシ樹脂組成物を含浸、硬化して繊維強化複合材料を得る方法を意味する。
本発明において、RTM法に用いる型は、剛性材料からなるクローズドモールドを用いてもよく、剛性材料のオープンモールドと可撓性のフィルム(バッグ)を用いることも可能である。後者の場合、強化繊維基材は、剛性材料のオープンモールドと可撓性フィルムの間に設置することができる。剛性材料としては、スチールやアルミニウムなどの金属、繊維強化プラスチック(FRP)、木材、石膏など既存の各種のものが用いられる。可撓性のフィルムの材料には、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが用いられる。
RTM法において、剛性材料のクローズドモールドを用いる場合は、加圧して型締めし、エポキシ樹脂組成物を加圧して注入することが通常行われる。このとき、注入口とは別に吸引口を設け、真空ポンプに接続して吸引することも可能である。吸引を行い、特別な加圧手段を用いることなく大気圧のみでエポキシ樹脂組成物を注入することも可能である。この方法は、複数の吸引口を設けることにより大型の部材を製造することができるため、好適に用いることができる。
RTM法において、剛性材料のオープンモールドと可撓性フィルムを用いる場合は、吸引を行い、特別な加圧手段を用いることなく大気圧のみでエポキシ樹脂を注入しても良い。大気圧のみでの注入で良好な含浸を実現するためには、樹脂拡散媒体を用いることが有効である。さらに、強化繊維基材の設置に先立って、剛性材料の表面にゲルコートを塗布することが好ましく行われる。
RTM法において、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸した後、加熱硬化が行われる。加熱硬化時の型温は、通常、エポキシ樹脂組成物の注入時における型温より高い温度が選ばれる。加熱硬化時の型温は80〜200℃であることが好ましい。加熱硬化の時間は1分〜20時間が好ましい。加熱硬化が完了した後、脱型して繊維強化複合材料を取り出す。その後、得られた繊維強化複合材料をより高い温度で加熱して後硬化を行っても良い。後硬化の温度は150〜200℃が好ましく、時間は1分〜4時間が好ましい。
エポキシ樹脂組成物をRTM法で強化繊維基材に含浸させる際の含浸圧力は、その樹脂組成物の粘度・樹脂フローなどを勘案し、適宜決定する。
具体的な含浸圧力は、0.001〜10MPaであり、0.01〜1MPaであることが好ましい。RTM法を用いて繊維強化複合材料を得る場合、エポキシ樹脂組成物の粘度は、100℃における粘度が、5000mPa・s未満であることが好ましく、1〜1000mPa・sであることがより好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例、比較例において使用する成分や試験方法を以下に記載する。
[評価方法]
(1) DMA−Tg
SACMA 18R−94法に準じて、ガラス転移温度を測定した。樹脂試験片の寸法は50mm×6mm×2mmで準備した。また、試験片は硬化後、吸水などの処理を実施せずに(as−prepared)測定に用いた。UBM社製動的粘弾性測定装置Rheogel−E400を用い、測定周波数1Hz、昇温速度5℃/分、ひずみ0.0167%の条件で、チャック間の距離を30mmとし、50℃からゴム弾性領域まで貯蔵弾性率E’を測定した。logE’を温度に対してプロットし、logE’の平坦領域の近似直線と、E’が変位する領域の変曲点における接線との交点から求められる温度をガラス転移温度として記録した。なお、変位が1回の場合はガラス転移温度をTg−1とし、変位が2回の場合のガラス転移温度を低温側からそれぞれTg−1、Tg−2とする。
(2) エポキシ樹脂組成物のゲルタイムの測定
未硬化のエポキシ樹脂組成物3gをサンプルとして準備し、樹脂の硬化を追跡するためにキュラストメータIIF−120(JSRトレーディング(株)製)を用いて、180℃の温度でゲルタイムを測定した。トルクが立ち上がる時間をゲルタイムとした。
(3) 硬化開始温度の評価
未硬化のエポキシ樹脂組成物を2.5〜3.5mg計量し、DSC測定を行った。得られたチャートの硬化に伴う発熱ピークにおいて、ベースラインと低温側の変曲点における接線との交点を硬化開始温度とした。DSC測定は以下の条件で行った。
・測定温度域:30〜350℃
・昇温速度:10℃/min
(4) エポキシ化合物の純度
以下の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を行い、ピーク面積分率からエポキシ化合物の純度を測定した。
・カラム:Inertsil ODS−3V(4.6Φ×250mm)
・温度:40℃
・移動相:アセトニトリル/10mMギ酸アンモニウム
・流量: 1mL/min
・検出波長:279nm
〔成分〕
(エポキシ化合物)
(合成例1)
以下の化学式(2)のエポキシ化合物を合成した。
Figure 2020023630
このエポキシ化合物の合成方法は以下の通りである。
温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で4,4’−メチレンビスレゾルシン100.0g(0.43mol)、n−ブタノール120.0gを仕込んだ。これにエピクロロヒドリン796.5g(8.6mol)を加え、70℃で撹拌しながら20%NaOH水溶液413.2g(2.1mol)を7時間30分かけて滴下し、更に30分撹拌した。フラスコ内温度を30℃に下げてから有機層を分取した。得られた有機層を5%食塩水で2回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水した後に濾過した。得られた濾液を、新たに準備した四つ口フラスコへを仕込んだ。濾液を減圧濃縮し、O,O’,O’’,O’’’−テトラキス(2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル)−4,4’−メチレンビスレゾルシンを得た。続いて、四つ口フラスコへメチルイソブチルケトン550mL、n−ブタノール170.0mL、10%NaOH水溶液172.2g(0.43mol)を仕込み、70℃で1時間30分撹拌した。反応終了後、フラスコ内温度を30℃に下げてから沈殿物を濾別し、有機層を分取した。得られた有機層を蒸留水で2回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水した後に濾過し、濾液を濃縮することで粗体が160.3g得られた。得られた粗体をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、白色固体を97.1g得た。主生成物である上記化学式(2)のエポキシ化合物の純度は、98.8%(HPLC面積%)であった。
(合成例2)
以下の化学式(3)のエポキシ化合物を合成した。
Figure 2020023630
このエポキシ化合物の合成方法は以下の通りである。
温度計、滴下漏斗、冷却管および攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で2,2’−メチレンビス(ベンゼン−1,4−ジオール)100.0g(0.43mol)、n−ブタノール200.0gを仕込んだ。これにエピクロロヒドリン796.5g(8.6mol)を加え、70℃で撹拌しながら20%NaOH水溶液413.2g(2.1mol)を7時間かけて滴下し、更に1時間撹拌した。フラスコ内温度を30℃に下げてから有機層を分取した。得られた有機層を5%食塩水で2回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水した後に濾過した。得られた濾液を、新たに準備した四つ口フラスコへを仕込んだ。濾液を減圧濃縮し、O,O’,O’’,O’’’−テトラキス(2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル)−2,2’−メチレンビス(ベンゼン−1,4−ジオール)を得た。続いて、四つ口フラスコへメチルイソブチルケトン500mL、n−ブタノール150.0mL、10%NaOH水溶液172.2g(0.43mol)を仕込み、70℃で1時間撹拌した。反応終了後、フラスコ内温度を30℃に下げてから沈殿物を濾別し、有機層を分取した。得られた有機層を蒸留水で2回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水した後に濾過し、濾液を濃縮することで粗体が150.9g得られた。得られた粗体をシリカゲルクロマトグラフィーへ供し、白色固体を89.6g得た。
主生成物である上記化学式(3)のエポキシ化合物の純度は、98.5%(HPLC面積%)であった。
・テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(ハンツマン社製 Araldite MY721、50℃における粘度 3.3Pa・s、以下「TGDDM」と略記する)
・レゾルシノールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製 EX−201、、以下「RDGE」と略記する)
(硬化剤)
・3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(小西化学工業株式会社製、以下「3,3’−DDS」と略記する)
〔実施例1〜2、比較例1〜2〕
表1に記載する割合でエポキシ樹脂に硬化剤を添加し、撹拌機を用いて80℃で30分間混合し、エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、表1に記載の組成においては、エポキシ樹脂のグリシジル基と硬化剤のアミノ基は当量となる。このエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、4mm厚のシリコン樹脂製スペーサーにより厚み4mmになるように設定したシリコン樹脂製モールド中に注入した。180℃の温度で2時間硬化させ、厚さ4mmの樹脂硬化物を得た。各エポキシ樹脂組成物および樹脂硬化物は上記の評価方法に従って評価し、結果を表1に示した。また、ガラス転移温度測定時における動的粘弾性の測定結果を図1に示した。
Figure 2020023630

実施例1〜2のエポキシ樹脂組成物は、図1に示すように動的粘弾性測定において2つの変位点を示す耐熱性が高い樹脂硬化物を得ることができた。また、硬化開始温度が低く、ゲルタイムが短い樹脂組成物であった。一方、比較例1〜2に記載のエポキシ樹脂組成物は、動的粘弾性測定において2つの変位点を示さず、ゲルタイムも長い樹脂組成物であった。また、比較例1に記載の樹脂組成物は硬化開始温度が高い樹脂組成物であった。

Claims (13)

  1. 下記化学式(1)で表されるエポキシ化合物。
    Figure 2020023630

    (但し、化(1)中、Xは、−CH−、−O−、−S−、−CO−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−、−NHCO−、−CONH−、−SO−から選ばれる1つを表す。)
  2. 化(1)中、Xが−CH−である、請求項1に記載のエポキシ化合物。
  3. エポキシ化合物を硬化させてなる樹脂硬化物の動的粘弾性測定において、SACMA18R−94法に準じて測定されるガラス転移温度として、低温側で検出される第1のガラス転移温度(Tg−1、℃)と、第1のガラス転移温度より高温側で検出される第2のガラス転移温度(Tg−2、℃)を有するとともに、
    第2のガラス転移温度における貯蔵弾性率が第1のガラス転移温度における貯蔵弾性率の50%以上である樹脂硬化物を与えることを特徴とするエポキシ化合物。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のエポキシ化合物を、HPLC測定における面積比率で50%以上の割合で含有するエポキシ樹脂。
  5. 少なくとも請求項1〜3の何れか1項に記載のエポキシ化合物と、
    硬化剤と、
    を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  6. 少なくともエポキシ化合物と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物であって、
    エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物の動的粘弾性測定において、SACMA18R−94法に準じて測定されるガラス転移温度として、低温側で検出される第1のガラス転移温度(Tg−1、℃)と、第1のガラス転移温度より高温側で検出される第2のガラス転移温度(Tg−2、℃)を有するとともに、
    第2のガラス転移温度における貯蔵弾性率が第1のガラス転移温度における貯蔵弾性率の50%以上である樹脂硬化物を与えることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項5または6に記載のエポキシ樹脂組成物が硬化されて成ることを特徴とする樹脂硬化物。
  8. 強化繊維基材と、
    前記強化繊維基材内に含浸された請求項5または6に記載のエポキシ樹脂組成物と、
    から成ることを特徴とするプリプレグ。
  9. 前記強化繊維基材が炭素繊維から成る強化繊維基材である請求項8に記載のプリプレグ。
  10. エポキシ樹脂組成物を強化繊維基材内に含浸させることを特徴とする請求項8に記載のプリプレグの製造方法。
  11. 請求項7に記載の樹脂硬化物と、
    強化繊維基材と、
    を含んで成る繊維強化複合材料。
  12. エポキシ樹脂組成物を強化繊維基材内に含浸して硬化させることを特徴とする請求項11に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  13. 請求項8または9に記載のプリプレグを硬化させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
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