以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、素子又は部位等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、素子又は部位等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“TM7”によって参照される異常検出用端子は(図1参照)、異常検出用端子TM7と表記されることもあるし、端子TM7と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
まず、本発明の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。グランドとは、基準となる0V(ゼロボルト)の電位を有する導電部を指す又は0Vの電位そのものを指す。0Vの電位をグランド電位と称することもある。本発明の実施形態において、特に基準を設けずに示される電圧は、グランドから見た電位を表す。レベルとは電位のレベルを指し、任意の信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。任意の信号又は電圧について、信号又は電圧がハイレベルにあるとは信号又は電圧のレベルがハイレベルにあることを意味し、信号又は電圧がローレベルにあるとは信号又は電圧のレベルがローレベルにあることを意味する。信号についてのレベルは信号レベルと表現されることがあり、電圧についてのレベルは電圧レベルと表現されることがある。
MOSFETを含むFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通状態となっていることを指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通状態(遮断状態)となっていることを指す。FETに分類されないトランジスタについても同様である。MOSFETは、特に記述無き限り、エンハンスメント型のMOSFETであると解して良い。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。オン状態、オフ状態は、単に、オン、オフと表現されることもある。
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器用の半導体回路システムSYSの概略全体構成図である。図2に示す如く半導体回路システムSYSは電子機器EEに搭載される。図3に電子機器EEの外観の一例を示す。図3に示される電子機器EEはノート型のパーソナルコンピュータであるが、半導体回路システムSYSが搭載される電子機器EEの種類は任意である。例えば、電子機器EEは、スマートホンやタブレットのような情報端末、ゲーム機器、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カーナビゲーションシステムやドライブレコーダ等の車載機器であって良い。
図1の半導体回路システムSYSは、半導体装置1と、第1電圧源であるバッテリ101と、第2電圧源であるコイン型電池102と、抵抗103~105と、コンデンサ106及び107と、サーミスタ108と、上位制御回路120と、計時回路130と、複数のスイッチング素子141から成るスイッチングブロック140と、備える。
図4に半導体装置1の外観を示す。半導体装置1は、半導体集積回路を、樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで形成された電子部品である。半導体装置1の筐体に複数の外部端子が露出して設けられており、その複数の外部端子には、図1に示される電圧入力端子TM1(第1電圧入力端子)、電圧入力端子TM2(第2電圧入力端子)、電圧出力端子TM3(特定電圧出力端子)、通信用端子群TM4、スイッチング用端子群TM5、異常検出用端子TM6、異常検出用端子TM7、及び、容量接続端子TM8が含まれる。これら以外の端子も、上記複数の外部端子に含まれうる。図4に示される半導体装置1の外部端子の数及び半導体装置1の外観は例示に過ぎず、半導体装置1の筐体の種類は任意である。尚、通信用端子群TM4及びスイッチング用端子群TM5は、夫々に、2以上の外部端子から成る。
バッテリ101は、電子機器EEの駆動用の主電源であり、充電及び放電が可能な二次電池である。例えば、電子機器EEは所定の直流電圧(例えばACアダプタからの直流電圧)を受けるための外部電圧入力端子を有しており、その外部電圧入力端子に所定の直流電圧が入力されているとき、電子機器EEに設けられた図示されない充電回路は、その直流電圧に基づいてバッテリ101を充電する。半導体回路システムSYS内の各回路は、外部電圧入力端子に直流電圧が入力されているとき、その直流電圧に基づいて駆動することがあっても良いが、以下では、外部電圧入力端子に直流電圧が入力されていないものとする。
バッテリ101の負側端子(負極)はグランドに接続され、バッテリ101はグランドの電位を基準に自身の正側端子(正極)から直流の電圧VBATを出力する。バッテリ101の出力電圧VBATは、例えば9V~20Vの範囲内の電圧値を有する。
コイン型電池102は、主に計時回路130の駆動用の電源として機能する一次電池である。コイン型電池102の容量はバッテリ101の容量よりも小さい。バッテリ101又はコイン型電池102の容量とは、Ah(アンペアアワー)又はmAh(ミリアンペアアワー)を単位とする電池の容量を指す。コイン型電池102の負側端子(負極)はグランドに接続され、コイン型電池102はグランドの電位を基準に自身の正側端子(正極)から直流の電圧VCOINを出力する。コイン型電池102の出力電圧VCOINは例えば3.0Vである。
バッテリ101は電子機器EEに対し着脱可能な形態で電子機器EEに搭載される。バッテリ101が電子機器EEに装着されている状態(以下、バッテリ装着状態と称する)においては、バッテリ101の負側端子(負極)がグランドに接続される一方でバッテリ101の正側端子(正極)はノードND1に接続される。故に、バッテリ装着状態においては、グランドの電位を基準にノードND1に対してバッテリ101の出力電圧VBATが加わる。
一方、バッテリ101が電子機器EEに対して装着されていない状態(以下、非バッテリ装着状態と称する)においては、当然、ノードND1に電圧VBATが加わらない。また、後述されるよう、ノードND1は抵抗103及び104の直列回路を介してグランドに接続されている。このため、非バッテリ装着状態においてノードND1の電位はゼロとなる(即ちグランド電位と一致する)。
半導体装置1と半導体装置1に外部接続される部品との接続関係を説明する。ノードND1は抵抗103の一端に接続され、抵抗103の他端は抵抗104を介してグランドに接続される。抵抗103及び104間の接続ノードND2は異常検出用端子TM6に接続される。また、ノードND1は抵抗105の一端に接続され、抵抗105の他端は電圧入力端子TM1に接続されると共にコンデンサ106を介してグランドに接続される。
電圧入力端子TM1に加わる電圧(換言すれば、電圧入力端子TM1に供給される電圧)を入力電圧VS1と称する。抵抗105及びコンデンサ106は、バッテリ装着状態においてバッテリ101の出力電圧VBATに含まれうる交流成分を低減して入力電圧VS1を生成するローパスフィルタを形成する。但し、このローパスフィルタは必須ではない。入力電圧VS1は、バッテリ装着状態においてバッテリ101の出力電圧VBATと一致し(但し上記交流成分を無視)、非バッテリ装着状態においてゼロとなる。即ち、バッテリ装着状態は、バッテリ101からの入力電圧(VS1、VBAT)が電圧入力端子TM1に供給されている状態に相当し、非バッテリ装着状態は、バッテリ101からの入力電圧(VS1、VBAT)の電圧入力端子TM1への供給が途絶えている状態に相当する。
コイン型電池102の正側端子(正極)は電圧入力端子TM2に接続される。電圧入力端子TM2に加わる電圧(換言すれば、電圧入力端子TM2に供給される電圧)を入力電圧VS2と称する。コイン型電池102は電子機器EEに対し着脱不能な形態で電子機器EEに搭載されている。このため、入力電圧VS2は常にコイン型電池102の出力電圧VCOINと一致する。
異常検出用端子TM7はサーミスタ108の一端に接続され、サーミスタ108の他端はグランドに接続される。容量接続端子TM8はコンデン107の一端に接続され、コンデン107の他端はグランドに接続される。コンデンサ107は、後述の内部電源電圧VCC1を安定化させるために設けられる。
電圧出力端子TM3は計時回路130に接続される。計時回路130は、いわゆるリアルタイムクロックであり、現在の時刻及び日付を計測する。計時回路130の計測結果は、上位制御回路120又は電子機器EE内の図示されない制御回路に伝達されて所定処理に供される。計時回路130は、電圧出力端子TM3から出力される電圧(後述のRTC用の電源電圧VCC2)に基づいて駆動する。
通信用端子群TM4は上位制御回路120に接続される。上位制御回路120は、半導体装置1に外部接続される外部制御回路の例である。上位制御回路120については後述される。
スイッチング用端子群TM5はスイッチングブロック140に接続される。スイッチング用端子群TM5は複数のスイッチング用端子から成る。スイッチングブロック140における複数のスイッチング素子141は複数のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)から成り、以下では、スイッチング素子141をMOSFET141とも称する。各スイッチング用端子は対応するMOSFET141のゲートに接続される。ここでは、各MOSFET141はNチャネル型のMOSFETであるとする。但し、各MOSFET141をPチャネル型のMOSFETとする変形も可能である。各MOSFET141のドレインには電圧VBATに基づく正の直流の負荷駆動電圧Vaが印加される。各MOSFET141において、MOSFET141のゲートにハイレベルの信号が供給されたときにMOSFET141がオンとなり、ローレベルの信号が供給されたときにMOSFET141がオフとなる。MOSFET141ごとに、当該MOSFET141のソースには、当該MOSFET141がオンであるときに、負荷駆動電圧Vaによる電力の供給を当該MOSFET141を介して受けて駆動する負荷装置(不図示)が接続される。各MOSFET141において、MOSFET141のゲートとグランドとの間にコンデンサが挿入されていても良い。
次に、半導体装置1の内部構成について説明する。半導体装置1は、内部電源回路10と、RTC用電源電圧生成回路20と、異常検出回路30と、異常情報保持回路40と、レベルシフト回路50と、主回路60と、を備える。
内部電源回路10は、バッテリ装着状態において、電圧入力端子TM1に供給される入力電圧VS1に基づき内部電源電圧VCC1を生成するLDO (Low Drop Out)レギュレータである。但し、内部電源回路10は入力電圧VS1に基づき内部電源電圧VCC1を生成できる任意の電源回路(DC/DCコンバータを含む)であって良い。非バッテリ装着状態において内部電源電圧VCC1は生成されない(即ち電圧VCC1はゼロとなる)。バッテリ装着状態において、内部電源電圧VCC1は正の直流電圧であり例えば3.3Vである。内部電源電圧VCC1が生じる配線は容量接続端子TM8に接続される。内部電源回路10に対しては、後述のバッファ回路31の出力信号が内部電源回路10のイネーブル信号として供給されており、バッテリ装着状態において、イネーブル信号がハイレベルであるときに限り、内部電源回路10は内部電源電圧VCC1の生成動作を行う。
尚、半導体装置1には、内部電源回路10とは別の電源回路(図1において“REG”に対応)が設けられていて良く、その別の電源回路は、バッテリ装着状態において、入力電圧VS1に基づき内部電源電圧VCC1とは別の1以上の直流電圧(例えば2.6Vの直流電圧を含む)を生成する。その1以上の直流電圧は、半導体装置1内の図示されない回路の電源電圧又は基準電圧として利用されて良い。
RTC用電源電圧生成回路20は、ダイオード21及び22を備える。ダイオード21のアノードは電圧入力端子TM2に接続され、ダイオード22のアノードは容量接続端子TM8(従って内部電源電圧VCC1が生じる配線)に接続される。ダイオード21及び22の各カソードは電圧出力端子TM3に共通接続される。ダイオード21及び22の各カソードに生じる電圧は、RTC用の電源電圧VCC2(特定電源電圧)である。つまり、電源電圧VCC2は、計時回路130に対する電源電圧として電圧出力端子TM3から出力されることになる。
ここではダイオード21及び22の順方向電圧は互いに同じであるとする。そして、バッテリ装着状態において、内部電源電圧VCC1の方がコイン型電池102の出力電圧VCOINよりも高くなるよう、内部電源電圧VCC1の値が設定されている(例えば、電圧VCOINは3.0Vであって、電圧VCC1は3.3V)。このため、バッテリ装着状態においては、ダイオード21に電流は流れず、内部電源電圧VCC1に基づいてRTC用の電源電圧VCC2が生成される(内部電源電圧VCC1よりダイオード22の順方向電圧だけ低い電圧がRTC用の電源電圧VCC2となる)。非バッテリ装着状態においては“VCC1=0”となるので、コイン型電池102からの入力電圧VS2に基づいてRTC用の電源電圧VCC2が生成される(入力電圧VS2よりダイオード21の順方向電圧だけ低い電圧がRTC用の電源電圧VCC2となる)。尚、バッテリ装着状態においてダイオード21に電流が流れずに内部電源電圧VCC1に基づいて電源電圧VCC2が生成される限り、ダイオード21及び22の順方向電圧は不一致でも構わない。
コイン型電池102は、非バッテリ装着状態において(又はバッテリ101の残容量が非常に低い状態において)、計時回路130の動作を継続させるための補助的な電圧源であり、コイン型電池102の容量はバッテリ101のそれよりも小さい。また、コイン型電池102の充電は不可である。このため、内部電源電圧VCC1が生成されないようなイレギュラーな状態においてのみ、コイン型電池102の出力を用いてRTC用の電源電圧VCC2を生成するようにしている。
異常検出回路30は、バッファ回路31、インバータ回路32、定電流回路33及びコンパレータ34を備え、異常検出回路30を構成する各回路(31、32、33、34)はRTC用の電源電圧VCC2に基づいて動作する。バッファ回路31、インバータ回路32、コンパレータ34の出力信号を、夫々、記号“Sig31”、“DET1”、“DET2”にて参照する。バッファ回路31、インバータ回路32及びコンパレータ34の夫々において、正側の電源電圧は電源電圧VCC2であり、負側の電源電圧は0Vである。信号Sig31、DET1及びDET2は、VCC2系デジタル信号に属する。VCC2系デジタル信号において、ハイレベルは実質的に電源電圧VCC2のレベルと一致し、ローレベルは実質的にグランドのレベルと一致する。
バッファ回路31の入力端は異常検出用端子TM6に接続され、バッファ回路31の出力端はインバータ回路32の入力端に接続される。バッテリ装着状態においては、バッテリ101の出力電圧VBATの分圧がノードND2に生じ、その分圧による正の電位がノードND2及び異常検出用端子TM6に加わることで、バッファ回路31はハイレベルの信号Sig31を出力する。バッファ回路31の出力信号Sig31がハイレベルであるとき、インバータ回路32はローレベルの信号DET1を出力する。一方、非バッテリ装着状態においては、ノードND2の電位が0Vとなることでバッファ回路31はローレベルの信号Sig31を出力する。バッファ回路31の出力信号Sig31がローレベルであるとき、インバータ回路32はハイレベルの信号DET1を出力する。
コンパレータ34の非反転入力端子は異常検出用端子TM7に接続される。コンパレータ34の反転入力端子には所定の正の基準電圧VREFが印加される。基準電圧VREFは、例えば、電源電圧VCC2に基づき、半導体装置1に設けられた基準電圧生成回路(不図示)により生成される。定電流回路33は電源電圧VCC2の印加端と異常検出用端子TM7との間に挿入され、電源電圧VCC2に基づき電源電圧VCC2の印加端から端子TM7を介しサーミスタ108に向けて所定の定電流を供給する。
ここで、サーミスタ108は、サーミスタ108の温度である検出対象温度の上昇に伴ってサーミスタ108の抵抗値が増大するPTCサーミスタである。検出対象温度が所定の異常検出温度TMPTH未満ではサーミスタ108での電圧降下が基準電圧VREF未満となることで信号DET2がローレベルとなり、サーミスタ108の検出対象温度が所定の異常検出温度TMPTH以上となるとサーミスタ108での電圧降下が基準電圧VREF以上となることで信号DET2がハイレベルとなる。但し、コンパレータ34にヒステリシス特性を付与しておいて良い。
ここで、検出対象温度とは、厳密にはサーミスタ108の温度であるが、サーミスタ108は半導体装置1の近辺に配置され、また電子機器EE内に配置されるので、半導体装置1の温度又は電子機器EEの内部温度であると解しても良い。
尚、サーミスタ108として、検出対象温度の上昇に伴ってサーミスタ108の抵抗値が減少するNTCサーミスタを用いても良い。この場合には、コンパレータ34の反転入力端子を異常検出用端子TM7に接続し且つコンパレータ34の非反転入力端子に基準電圧VREFを印加するなどの回路変形を施せば良い。
バッテリ101は電子機器EEに対し着脱可能な形態で電子機器EEに搭載されると上述した。しかしながら、電子機器EEの製造工程でバッテリ101が電子機器EEに装着された後、バッテリ101が電子機器EEから外されることは通常の使用環境において想定されていない。故に非バッテリ装着状態は異常な状態に属する。非バッテリ装着状態による異常、即ち、電源入力端子TM1に対する入力電圧(VS1、VBAT)の供給が途絶える異常を、電源消失異常と称する。バッファ回路31及びインバータ回路32は、電源消失異常の有無を検出するための電源消失異常検出回路を構成すると言える。ハイレベルの信号DET1は、電源消失異常が検出された旨を示す電源消失異常検出信号として機能する。
また、検出対象温度が所定の異常検出温度TMPTH以上となる状態は、検出対象温度が過度に高くなる温度異常に相当する。定電流回路33及びコンパレータ34は、温度異常の有無を検出するための温度異常検出回路を構成すると言える。ハイレベルの信号DET2は、温度異常が検出された旨を示す温度異常検出信号として機能する。
異常情報保持回路40はラッチ回路41及び42を備え、異常情報保持回路40を構成する各回路(41、42)はRTC用の電源電圧VCC2に基づいて動作する。ラッチ回路41、42の出力信号を、夫々、記号“LCH1”、“LCH2”にて参照する。ラッチ回路41及び42の夫々において、正側の電源電圧は電源電圧VCC2であり、負側の電源電圧は0Vである。故に、信号LCH1及びLCH2は、VCC2系デジタル信号に属する。
ラッチ回路41は、信号DET1の入力を受け、信号DET1が表す情報を保持する(ラッチする)ことが可能であって、保持情報を信号LCH1として出力する。ラッチ回路41にはレベルシフト回路50から信号RST1が供給されており、ラッチ回路41の保持情報は信号RST1のレベルに応じて破棄される。ラッチ回路42は、信号DET2の入力を受け、信号DET2が表す情報を保持する(ラッチする)ことが可能であって、保持情報を信号LCH2として出力する。ラッチ回路42にはレベルシフト回路50から信号RST2が供給されており、ラッチ回路42の保持情報は信号RST2のレベルに応じて破棄される。
ここでは、信号DET1がローレベルであり続ける限りラッチ回路41は“0”の情報を保持し、信号DET1が一旦ハイレベルとなると信号RST1がローレベルとならない限りラッチ回路41は“1”の情報を継続して保持するものとする。そして、ラッチ回路41にて“0”の情報が保持されているとき信号LCH1はローレベルとなる一方でラッチ回路41にて“1”の情報が保持されているとき信号LCH1はハイレベルとなるものとする。信号RST1がハイレベルである限りラッチ回路41での情報の保持は継続され、信号RST1がローレベルであると信号DET1のレベルに関係なくラッチ回路41での保持情報は破棄されて信号LCH1がローレベルとなるものとする。
同様に、信号DET2がローレベルであり続ける限りラッチ回路42は“0”の情報を保持し、信号DET2が一旦ハイレベルとなると信号RST2がローレベルとならない限りラッチ回路42は“1”の情報を継続して保持するものとする。そして、ラッチ回路42にて“0”の情報が保持されているとき信号LCH2はローレベルとなる一方でラッチ回路42にて“1”の情報が保持されているとき信号LCH2はハイレベルとなるものとする。信号RST2がハイレベルである限りラッチ回路42での情報の保持は継続され、信号RST2がローレベルであると信号DET2のレベルに関係なくラッチ回路42での保持情報は破棄されて信号LCH2がローレベルとなるものとする。
ローレベルの信号RST1は、ラッチ回路41の保持情報を破棄させるリセット信号として機能し、ローレベルの信号RST2は、ラッチ回路42の保持情報を破棄させるリセット信号として機能する。但し、ハイレベルの信号RST1又はRST2がリセット信号として機能するように変形が施されても良い。この他、任意の信号についてハイレベル及びローレベル間の関係を逆転させる変形も可能である。以下では、特に記述なき限り、信号RST1及びRST2はハイレベルに維持されているものとする(即ちラッチ回路41及び42にリセット信号は供給されていないものとする)。
図5にラッチ回路41及び42の具体的な構成例を示す。図5の構成では、ラッチ回路41及び42として、ポジティブエッジトリガ型且つD型のフリップフロップであるDFF41a及び42aが用いられる。DFF41a及び42aは電源電圧VCC2に基づいて動作する。DFF41a及び42aの夫々において、D入力端子に電源電圧VCC2が印加される、即ちハイレベルの信号が入力される。DFF41a、42aのクロック入力端子に、夫々、信号DET1、DET2が入力される。DFF41a、42aのリセット入力端子に、夫々、信号RST1、RST2が入力される。DFF41a、42aのQ出力端子から、夫々、信号LCH1、LCH2が出力される。
信号LCH1がローレベルである状態を起点にして、電源消失異常の発生により信号DET1がローレベルからハイレベルに切り替わるとDFF41aは“1”の情報を保持して、以後、信号RST1がローレベルにならない限り、信号LCH1をハイレベルに維持する。信号RST1がローレベルとなると保持情報が破棄されて信号LCH1がローレベルとなる。
信号LCH2がローレベルである状態を起点にして、温度異常の発生により信号DET2がローレベルからハイレベルに切り替わるとDFF42aは“1”の情報を保持して、以後、信号RST2がローレベルにならない限り、信号LCH2をハイレベルに維持する。信号RST2がローレベルとなると保持情報が破棄されて信号LCH2がローレベルとなる。
尚、図1に示す如く信号LCH1及びLCH2はレベルシフト回路50に供給されることになるが、DFFa41のQ出力端子とレベルシフト回路50との間にバッファ回路を挿入しても良く、同様に、DFFa42のQ出力端子とレベルシフト回路50との間にバッファ回路を挿入しても良い。
ラッチ回路41(DFF41a)にて保持される“1”の情報は、電源消失異常の発生及び検出を表す電源消失異常情報である。ラッチ回路41は、電源消失異常が検出されたとき、入力電圧VS2に基づくRTC用の電源電圧VCC2を用い、電源消失異常情報を保持することになる。
ラッチ回路42(DFF42a)にて保持される“1”の情報は、温度異常の発生及び検出を表す温度異常情報である。ラッチ回路42は、温度異常が検出されたとき温度異常情報を保持することになる。ラッチ回路42は、電源消失異常の発生中においても温度異常情報を保持することができる。即ち、ラッチ回路42は、バッテリ101の出力電圧VBATに基づく入力電圧VS1が電圧入力端子TM1に供給されているか否かに関係なく、温度異常が検出されると温度異常情報を保持することができる。
図1を再度参照し、レベルシフト回路50は、電源電圧VCC2及びVCC1に基づくレベルシフト処理を実行する。但し、このレベルシフト処理はバッテリ装着状態においてのみ実行される。
具体的には、レベルシフト回路50は、異常情報保持回路40から信号LCH1及びLCH2の入力を受け、レベルシフト処理において、信号LCH1及びLCH2をレベルシフトした信号LCH1’及びLCH2’を主回路60に出力する。また、レベルシフト回路50は、主回路60から信号RST1’及びRST2’の入力を受け、レベルシフト処理において、信号RST1’及びRST2’をレベルシフトした信号RST1及びRST2を異常情報保持回路40に出力する。
バッテリ装着状態において、レベルシフト前の信号がハイレベルであれば、レベルシフト後の信号もハイレベルであり、レベルシフト前の信号がローレベルであれば、レベルシフト後の信号もローレベルである。レベルシフト前の信号が信号LCH1、LCH2、RST1’、RST2’であるとき、レベルシフト後の信号は、夫々、信号LCH1’、LCH2’、RST1、RST2である。
信号LCH1、LCH2、RST1及びRST2は、VCC2系デジタル信号に属する一方、信号LCH1’、LCH2’、RST1’及びRST2’は、VCC1系デジタル信号に属する。VCC1系デジタル信号において、ハイレベルは実質的に電源電圧VCC1のレベルと一致し、ローレベルは実質的にグランドのレベルと一致する。非バッテリ装着状態においては、“VCC1=0”であるから、VCC1系デジタル信号のレベルは常にグランドのレベルと一致することになる。尚、非バッテリ装着状態では、信号RST1及びRST2がハイレベルに維持されるよう(即ちラッチ回路41及び42にリセット信号が供給されないよう)レベルシフト回路50が構成されているものとする。
主回路60は通信回路61を有し、電源電圧VCC1に基づいて動作する。故に、非バッテリ装着状態において、主回路60は通信回路61を含め動作を停止している。通信回路61は通信用端子群TM4を介し上位制御回路120と双方向の通信を行う。この通信の方式は任意であり、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)による通信や、I2C(Inter-Integrated Circuit)による通信を用いることができる。
上位制御回路120はバッテリ101の出力電圧VBATに基づいて動作する。より具体的には、電子機器EEには、バッテリ101の出力電圧VBATに基づき上位制御回路用の電源電圧VDDを生成する電源回路(不図示)が設けられており、上位制御回路120は電源電圧VDDに基づいて動作する。従って、非バッテリ装着状態においては電源電圧VDDが生成されないため、上位制御回路120は動作を停止している。バッテリ装着状態において、電源電圧VDDの電圧値は電源電圧VCC1の電圧値と実質的に一致している(但し、それらの間に多少の相違があっても良い)。
主回路60は、バッテリ装着状態において、上記の通信を介して上位制御回路120から受けた制御信号に従い、スイッチングブロック140における複数のスイッチング素子141を個別にオン又はオフとする。或るスイッチング素子141がオンであるときに、当該スイッチング素子141を介して供給される電力に基づき当該スイッチング素子141に接続された負荷装置(不図示)が駆動する。負荷装置は、電子機器EEを構成する任意のハードウェアであり、例えば、表示装置、ハードディスクの駆動用モータ、スピーカ、ロジック回路、半導体集積回路である。
主回路60は、通信回路61を用い、ラッチ回路41及び42の保持情報を上位制御回路120に伝達することができる。故に、上位制御回路120は、異常検出回路30による異常の検出結果を通信回路61との通信を介して認識することができ、何らかの異常(ここでは電源消失異常又は温度異常)が検出されたのであれば、検出された異常に応じた所定の異常対応処理を行うことができる。
以下、複数の実施例の中で、幾つかの具体的な動作例、応用技術、変形技術等を説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用され、各実施例において、上述した事項と矛盾する事項については各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
[第1実施例]
第1実施例を説明する。図6に第1実施例に係る半導体装置1のタイミングチャートを示す。タイミングTA1以前では、バッテリ装着状態が継続的に維持されており、故に、信号DET1、LCH1及びLCH1’はローレベルに維持されている。タイミングTA1を境にバッテリ装着状態から非バッテリ装着状態に遷移し、その後、タイミングTA2を境に非バッテリ装着状態からバッテリ装着状態に遷移したものとする。
そうすると、タイミングTA1を境に信号DET1及びLCH1がローレベルからハイレベルに切り替わる。つまり、タイミングTA1にて電源消失異常が発生及び検出されて“1”の情報(電源消失異常情報)がラッチ回路41に保持される。信号LCH1’については、電源消失異常が解消されるタイミングTA2までローレベル(グランドのレベル)に維持される。
タイミングTA2にて電源消失異常が解消されると、信号DET1がハイレベルからローレベルに切り替わるが、信号LCH1はタイミングTA2以降もハイレベルとなる。タイミングTA2以降、レベルシフト回路50が動作してハイレベルの信号LCH1に基づき信号LCH1’もハイレベルとなる。
タイミングTA2にて、又は、タイミングTA2の後、電源消失異常の解消により上位制御回路120が起動(再起動)する。上位制御回路120は、自身の起動後、通信回路61を介し、主回路60に所定の異常情報読み出し要求信号(コマンド)を送信する。主回路60は、異常情報読み出し要求信号を受けると、通信回路61を用いて、ラッチ回路41及び42の保持情報を上位制御回路120に送信する。図6の例であれば、信号LCH1’がハイレベルであることに相当する情報、即ちラッチ回路41に保持された“1”の情報(電源消失異常情報)が主回路60から上位制御回路120に送信される。
この後、上位制御回路120の制御の下で、又は、主回路60の機能により、ラッチ回路41及び42にリセット信号(ローレベルの信号RST1及びRST2)が供給されて良く、これによってラッチ回路41及び42の保持情報が破棄される。
このように、電源消失異常が検出されたとき、入力電圧VS2に基づくRTC用の電源電圧VCC2を用いて電源消失異常情報が保持されるため、電子機器EEの再起動後、電源消失異常があったことを必要な制御回路に伝えることができ、電源消失異常の発生に対応した必要な措置をとることが可能となる。
また、計時のために元々必要なRTC用の電源電圧VCC2を用いて異常検出及び情報保持を行うため、異常検出及び情報保持のための専用の電圧源を用意する必要はない。
具体的には、主回路60は、電源消失異常の検出後、電源消失異常が解消すると、ラッチ回路41に保持された電源消失異常情報を上位制御回路120へ送信することが可能である。上位制御回路120は、電源消失異常情報を受信すると、電源消失異常に対応した所定の第1異常対応処理を行うことができる。
第1異常対応処理は、例えば、電子機器EE内に搭載された負荷装置であってバッテリ101の出力電圧VBATに基づいて動作する負荷装置を初期化する処理、その負荷装置の動作確認を行う処理、又は、電子機器EEの表示部にて所定の第1警告表示を行う処理である。ここにおける負荷装置はスイッチング素子141に接続された負荷装置であっても良い。
[第2実施例]
第2実施例を説明する。図7に第2実施例に係る半導体装置1のタイミングチャートを示す。時間の進行につれて、タイミングTB1、TB2、TB3、TB4が、この順番で訪れるものとする。タイミングTB1以前では、バッテリ装着状態が継続的に維持されており、故に、信号DET1、LCH1及びLCH1’はローレベルに維持されている。タイミングTB1を境にバッテリ装着状態から非バッテリ装着状態に遷移し、その後、タイミングTB4を境に非バッテリ装着状態からバッテリ装着状態に遷移したものとする。
そうすると、タイミングTB1を境に信号DET1及びLCH1がローレベルからハイレベルに切り替わる。つまり、タイミングTB1にて電源消失異常が発生及び検出されて“1”の情報(電源消失異常情報)がラッチ回路41に保持される。信号LCH1’については、電源消失異常が解消されるタイミングTB4までローレベル(グランドのレベル)に維持される。
また、図7の例において、タイミングTB2に至るまでは信号DET2及びLCH2がローレベルで維持されていたが、何らかの過熱要因によりタイミングTB2を境に信号DET2及びLCH2がローレベルからハイレベルに切り替わる。つまり、タイミングTB2にて温度異常が発生及び検出されて“1”の情報(温度異常情報)がラッチ回路42に保持される。その後、過熱要因が除去されてタイミングTB3を境に信号DET2がハイレベルからローレベルに切り替わる。但し、ラッチ回路42では“1”の情報(温度異常情報)が保持され続けるので、タイミングTB3以降も信号LCH2はハイレベルである。
その後、タイミングTB4にて電源消失異常が解消されると、信号DET1がハイレベルからローレベルに切り替わるが、信号LCH1はタイミングTB4以降もハイレベルとなる。また、タイミングTB4以降において信号LCH2もハイレベルである。タイミングTB4以降、レベルシフト回路50が動作して、ハイレベルの信号LCH1に基づき信号LCH1’もハイレベルとなり、ハイレベルの信号LCH2に基づき信号LCH2’もハイレベルとなる。
タイミングTB4にて、又は、タイミングTB4の後、電源消失異常の解消により上位制御回路120が起動(再起動)する。上位制御回路120は、自身の起動後、通信回路61を介し、主回路60に所定の異常情報読み出し要求信号(コマンド)を送信する。主回路60は、異常情報読み出し要求信号を受けると、通信回路61を用いて、ラッチ回路41及び42の保持情報を上位制御回路120に送信する。図7の例であれば、信号LCH1’がハイレベルであることに相当する情報、即ちラッチ回路41に保持された“1”の情報(電源消失異常情報)と、信号LCH2’がハイレベルであることに相当する情報、即ちラッチ回路42に保持された“1”の情報(温度異常情報)とが、主回路60から上位制御回路120に送信される。
この後、上位制御回路120の制御の下で、又は、主回路60の機能により、ラッチ回路41及び42にリセット信号(ローレベルの信号RST1及びRST2)が供給されて良く、これによってラッチ回路41及び42の保持情報が破棄される。
このように、主回路60は、電源消失異常の検出後、電源消失異常が解消すると、ラッチ回路41に保持された電源消失異常情報を上位制御回路120へ送信することが可能である。上位制御回路120は、電源消失異常情報を受信すると、電源消失異常に対応した所定の第1異常対応処理を行うことができる。
更に、電源消失異常の発生中に温度異常が発生していたのであれば、主回路60は、電源消失異常の解消後に、ラッチ回路42に保持された温度異常情報を上位制御回路120へ送信することが可能である。上位制御回路120は、温度異常情報を受信すると、温度異常に対応した所定の第2異常対応処理を行うことができる。
第2異常対応処理は、例えば、電子機器EE内に搭載された負荷装置であってバッテリ101の出力電圧VBATに基づいて動作する負荷装置の動作確認を行う処理、又は、電子機器EEの表示部にて所定の第2警告表示(上述の第1警告表示と異なり得る)を行う処理である。ここにおける負荷装置はスイッチング素子141に接続された負荷装置であっても良い。
非バッテリ装着状態においては、計時回路130を除き、電子機器EE内の殆どの回路が動作を停止しており、検出対象温度が過剰に高まることは少ない。しかしながら、非バッテリ装着状態であっても、何らかの過熱要因により検出対象温度が過剰に高まると、電子機器EE内の部品にダメージが発生している可能性がある。本実施形態の構成によれば、非バッテリ装着状態で発生した温度異常の情報が保持されるため、バッテリ101の装着後、必要な異常対応処理(第2異常対応処理)を行うことができる。
尚、ここでは、特徴的な動作として、非バッテリ装着状態にて温度異常が発生したときの動作を説明したが、異常検出回路30は、バッテリ装着状態においても温度異常の有無を検出することができる。
[第3実施例]
第3実施例を説明する。異常検出回路30は、RTC用の電源電圧VCC2を駆動源として用いて所定の異常の有無を検出する回路である。所定の異常として電源消失異常と温度異常を挙げたが、異常検出回路30は、所定の異常として電源消失異常のみを検出できるものであっても良いし、電源消失異常に加えて又は電源消失異常及び温度異常に加えて、他の異常を検出できても良い。
異常検出回路30にて発生有無が検出される所定の異常に衝撃異常が含まれていても良い。衝撃異常は電子機器EEに対して過大な衝撃が加わる異常である。例えば、電子機器EEの加速度を検出する加速度センサを電子機器EEに搭載しておき、加速度センサの検出結果に基づき衝撃異常の発生有無を検出することができる。この他、上記所定の異常に、電子機器EEに対して過大な磁気が加わる磁気異常や、電子機器EEが水中に没する水没異常などが含まれていても良い。
そして、異常情報保持回路40は、異常検出回路30にて所定の異常が検出されたとき、RTC用の電源電圧VCC2を駆動源として用いて、所定の異常が検出されたことを示す異常情報を保持すれば良い。RTC用の電源電圧VCC2を用いることで、非バッテリ装着状態においても異常情報を保持することができる。
[第4実施例]
第4実施例を説明する。
本発明において、バッテリ101は第1電圧源の例であり、コイン型電池102は第2電圧源の例である。本発明において、第1電圧源及び第2電圧源の種類は任意である。第1電圧源は、充電及び放電が可能な任意の電圧源であっても良いし、放電のみが可能な任意の電圧源であっても良い。同様に、第2電圧源は、充電及び放電が可能な任意の電圧源であっても良いし、放電のみが可能な任意の電圧源であっても良い。
既に述べた事項と部分的に重複するが、任意の信号又は電圧に関し、上述の主旨を損なわない形で、それらのハイレベルとローレベルの関係を逆にしても良い。
半導体装置1の各回路素子は半導体集積回路の形態で形成され、当該半導体集積回路を、樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで半導体装置1が構成される。但し、複数のディスクリート部品を用いて半導体装置1内の回路と同等の回路を構成するようにしても良い。半導体装置1内に含まれるものとして上述した幾つかの回路素子は、半導体装置1外に設けられて半導体装置1に外付け接続されても良い。
本発明について考察する。本発明の一側面に係る半導体装置Wは、第1電圧源(101)からの第1入力電圧(VBAT、VS1)の供給を受けるべき第1電圧入力端子(TM1)と、第2電圧源(102)からの第2入力電圧(VCOIN、VS2)の供給を受けるべき第2電圧入力端子(TM2)と、前記第1入力電圧が前記第1電圧入力端子に供給されているときに、前記第1入力電圧に基づき所定の内部電源電圧(VCC1)を生成する内部電源回路(10)と、前記内部電源電圧に基づく、又は、前記第2電圧入力端子に加わる前記第2入力電圧に基づく、特定電源電圧(VCC2)が加わる特定電圧出力端子(TM3)と、前記内部電源電圧に基づいて動作する第1回路と、前記特定電源電圧に基づいて動作する第2回路と、を備え、前記第2回路は、所定の異常の有無を検出する異常検出回路(30)と、前記異常が検出されたときに異常情報を保持する異常情報保持回路(40)を有し、前記所定の異常は、前記第1電圧入力端子に対する前記第1入力電圧の供給が途絶える電源消失異常を含み、前記情報保持回路は、前記電源消失異常が検出されたとき、前記第2入力電圧に基づく前記特定電源電圧(VCC2)を用い、前記異常情報として電源消失異常情報(ラッチ回路41における“1”の情報に対応)を保持することを特徴とする。
図1の半導体装置1は、本発明の一側面に係る半導体装置Wの例である。上述の第1回路は、半導体装置1においては主回路60を含む回路に対応する。上述の第2回路は、半導体装置1においては異常検出回路30及び異常情報保持回路40を含む回路に対応する。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。