JP7313626B2 - 歯科用接着性組成物 - Google Patents
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Description
本発明は歯科医療分野において、金属、有機高分子、セラミックス、又はこれらの複合材料等からなる歯科用修復物と、歯質とを接着するためのプライマーや接着材として有用な歯科用接着性組成物に関する。
齲蝕等により損傷を受けた歯質に対しては、その損傷の程度に応じて次のような修復が一般に行われている。すなわち、初中期の齲蝕による比較的小さい窩洞に対しては、審美性、操作の簡略性や迅速性の点から、通常、コンポジットレジンによる直接修復が行われている。これに対し、比較的大きな窩洞に対しては、金属、セラミックス、或いは歯科用レジンで作られた補綴物を用いて修復するのが一般的である。
これらコンポジットレジンや補綴物等の歯科用修復物は、基本的には歯質に対する接着性を有しないため、上記のような修復を行う場合には歯科用接着材が使用される。当該歯科用接着材は、メタクリレート系単量体{重合性基として(メタ)アクリル基(メタクロイロキシ基又アクリロイロキシ基の意である。)を有する重合性単量体}を主成分とするものであるが、従来の歯科用接着材の歯質に対する接着力は必ずしも十分とはいえず、これを補って接着強度を高めるためには、歯面に対してエッチング処理やプライマー処理のような前処理を行う必要があった。なお、エッチング処理とは、硬い歯質(主にヒドロキシアパタイトを主成分とするエナメル質)をエッチングするための前処理材(エッチング剤)を塗布する処理であり、プライマー処理とは、接着材の歯質の中への浸透を促進するためにプライマーと呼ばれる前処理材の塗布する処理である。
このような背景のもと、より高い接着強度と、前処理操作の煩雑さの軽減を目的として、歯科用接着材において、歯質に対する接着性を有する重合性単量体を含有させたものが開発されている。例えば、特許文献1には、5-(メタ)アクロイルオキシペンチルジハイドロジェンフォスフェートのような、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基にエステル結合を介してホスホリック残基が結合した特定構造の重合性単量体を含む歯科用接着剤は、ニッケルクロム合金に対して高い接着力を有することが記載されている。
また、特許文献2には、N-(メタ)アクリロイル1-アミノ-1-ベンジルホスホン酸のような特定構造の重合性アミノホスホン酸誘導体を含む接着性組成物が開示されている。なお、特許文献2によれば、特許文献1に開示されているようなエステル結合を含む(メタ)アクリレート系モノマーを含む接着材には、エステル結合が加水分解することにより(初期)接着力が微減すると共に、使用後においても接着剤と歯質との接着界面での加水分解などにより接着性が低下するといった問題がある旨が説明されており、上記接着性組成物は当該問題を解決するものであるとされている。
さらに、特許文献3には、上記エステル結合の加水分解による問題を解決する歯科用接着性組成物として、(A)ホスホン酸基含有重合性単量体、又はホスフィン酸基含有重合性単量体を95質量%以上含んでなる酸性基含有重合性単量体、(B)多価金属イオン、及び(C)水を含有することを特徴とする一液型歯質用接着性組成物が開示されている。
前記特許文献2に開示されている接着性組成物は、エステル結合を有さないホスホン酸含有重合性単量体を使用しているため、前記加水分解に起因する問題は起こり難いものの、リン酸エステル基を含有しないことに起因して(リン酸エステル基含有重合性単量体と比べて疎水性が高くなり)、親水性・疎水性のバランスが崩れることが原因と思われるが、他の酸性基含有重合性単量体と併用せずホスホン酸基含有重合性単量体を単独で用いた場合には歯質に対する接着性が必ずしも十分ではなかった。
また、前記特許文献3に開示される歯質用接着性組成物は、前記加水分解の問題を解決すると同時に歯質に対しても高い接着性を有するものであるが、多価金属イオンが必要であり、当該成分が存在しない場合の接着性は、必ずしも十分なものではなかった。
そこで、本発明は、多価金属イオンが存在しない場合であっても、エナメル質、象牙質といった歯質に加え、卑金属、金属酸化物といった補綴物のいずれに対しても強固な接着性を示し、かつ保存安定性や長期耐久性にも優れる歯科用接着性組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、ホスホン酸基含有重合性単量体の主鎖内にエーテル結合を導入し、更に重合性基である(メタ)アクリル基とエーテル結合との間の炭素鎖及びホスホン酸基とエーテル結合の間の炭素鎖長を制御することによって親水性・疎水性が良好なバランスとなるように調整すれば、上記課題を解決することができるのではないかと考え、鋭意検討を行った。
その結果、特許文献4及び5に記載されているような、レーザー光によって露光可能な平版印刷版原版の材料として使用されることが知られている、ホスホン酸基と(メタ)アクリル基が2価の連結基を介して結合した構造を有する重合性単量体の中で、上記連結基が両端のアルキレン基の鎖長が夫々特定の鎖長であるジアルキレンエーテル基であるものを使用した場合には、良好な接着性及び加水分解耐性が得られ上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
で示されるホスホン酸基含有重合性単量体を含有する重合性単量体成分を含んでなることを特徴とする歯科用接着性組成物である。
上記本発明の歯科用接着性組成物においては、前記重合性単量体成分は、前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体100質量部と、当該ホスホン酸基含有重合性単量体以外の重合性単量体50質量部以上10000質量部以下と、の混合物であることが好ましい。また、重合開始剤、水及び有機溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有してなることが好ましく、水を含有する場合及び有機溶媒を含有する場合における各成分の含有量が、夫々、前記重合性単量体成分100質量部に対し、水:5質量部以上50質量部以下及び有機溶媒:10質量部以上300質量部以下であることが好ましい。
本発明の歯科用接着性組成物は、卑金属、金属酸化物といった補綴物に対する接着性だけでなく、エナメル質、象牙質といった歯質に対しても強固な接着性を示す。また、保存安定性や本発明の歯科用接着性組成物を用いて修復を行った場合における修復の長期耐久性にも優れる。
このような優れた効果が得られる作用機構は、次のようなものであると推定している。すなわち、エステル結合に代えて主鎖に(加水分解性の低い)エーテル結合を導入すると共に、(メタ)アクリル基とエーテル結合との間の炭素鎖及びホスホン酸基とエーテル結合との間の炭素鎖の鎖長を、それぞれ一定の鎖長とすることで、適度な親水性・疎水性のバランスが実現されることにより、強固な接着性を有し、ホスホン酸基部分の加水分解が生じないため良好な加水分解耐性が得られるためと推定している。
本発明の歯科用接着性組成物は、特許文献1乃至3に開示される歯科用接着性組成物と同様に、酸性基含有重合性単量体(以下、単に「酸性モノマー」ともいう。)を含む重合性単量体成分を使用し、当該酸性モノマーの酸性基の作用により接着性を向上させたものであるが、酸性モノマーとして特定のものを使用することにより、前記したような優れた効果を発現する。すなわち、本発明の歯科用接着性組成物は、酸性モノマーとして下記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体を使用した点に最大の特長を有する。
前記一般式(1)において、は水素原子または、メチル基を表し、nは3~18の整数を表し、mは1または2の整数を表す。これらR、n及びmの組み合わせは任意であり、特定の組み合わせのものを単独で使用しても良いし、夫々異なる組み合わせのものを混合して使用しても良い。
なお、酸性モノマーとしては前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体のみを使用することが好ましいが、本発明の効果を損なわない少量であれば、特許文献1乃至3で使用されているような「他の酸性モノマー」も合わせて使用することができる。他の酸性モノマーの使用量は、通常、一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体100質量部に対して5質量部以下であり、好ましくは3質量部以下である。
本発明で好適に使用できる前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体を具体的に例示すると、夫々下記構造式A乃至Xで表される重合性単量体を挙げることができる。
これらの中でも、歯質に対する接着性の良さの観点から、前記一般式(1)において、nが6~12の整数である化合物を使用することが好ましく、さらには前記構造式D及び/又は構造式Gで示される化合物を使用することが特に好ましい。
なお、前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体は、レーザー光によって露光可能な平版印刷版原版の材料として使用できることが知られてはいたものの、歯科用接着性組成物の酸性モノマーとして使用された例は、本発明者等が知る限りにおいて存在しない。そして、上記酸モノマーとして使用した場合に、前記したような効果が得られることは、今回初めて明らかとなったことでる。したがって、前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体からなる歯科用重合性単量体又は歯科用酸性基含有重合性単量体は、本発明者等によって初めて提案されたものであると言える。
前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体は、次のような方法により、製造することができる。すなわち、下記一般式(2)で示される一方端にホスホン酸基を有し、他方端に水酸基を有するホスホン酸基含有アルコール化合物と、下記一般式(3)で示される一方端に(メタ)アクリル基を有し、他方端に水酸基を有する(メタ)アクリル基含有アルコール化合物と、を反応させる、具体的には両化合物の前記一方端の水酸基どうしを反応させて脱水縮合することにより容易に製造することができる。
なお、前記一般式(2)で示されるホスホン酸基含有アルコール化合物は、下記一般式(4)で示される化合物を三塩化リンと反応させることにより、容易に得ることができる。
このようにして得られたホスホン酸基含有重合性単量体の構造は、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)測定等の一般的な分析法や構造解析法により、容易に確認することができる。なお、製造過程において、ホスホン酸基含有重合性単量体のホスホン酸塩およびホスホン酸エステル化合物が一部含まれる場合がある。
本発明の歯科用接着性組成物の重合性単量体成分は、酸性モノマーを用いた従来の歯科用接着性組成物と同様に、酸性モノマー以外の重合性単量体を含有することが好ましい。このような酸性モノマー以外の重合性単量体としては、従来公知のものを何ら制限なく使用可能であるが、重合性や生体への安全性の観点から、(メタ)アクリル酸エステル系の重合性単量体を用いることが好ましい。以下に、これらの他の重合性単量体の具体例示す。
単官能重合性単量体〔オレフィン性二重結合(官能基)を1つ有する重合性単量体〕としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3-ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1 0-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができるである。
2官能重合性単量体(官能基を1つ有する重合性単量体)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA ジグリシジル(メタ)アクリレート、2,2-ビス〔4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2-ビス[4-〔3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2-ビス〔3 -(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、1,2-ビス(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)エタン、[2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレートなどを挙げることができる。
多官能重合性単量体(官能基を3つ以上有する重合性単量体)としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン) ビス〔2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール〕テトラメタクリレート、1,7-ジアクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラアクリロイルオキシメチル-4-オキシヘプタンなどを挙げることができる。
これらの(酸性モノマー以外の)他の重合性単量体は、一種を単独で用いても良いが、二種以上を組合せて使用しても良い。また、本発明の歯科用接着性組成物の重合性単量体成分における前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体と上記他の重合性単量体の配合割合は、通常、上記ホスホン酸基含有重合性単量体100質量部に対して、上記他の重合性単量体50質量部以上10000質量部以下の範囲であり、好ましくは100質量部以上2000質量部以下の範囲である。
本発明の歯科用接着性組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、光重合開始剤及び化学重合開始剤のいずれも使用可能である。また、光重合開始剤と化学重合開始剤を併用し、光重合と化学重合のどちらによっても重合を開始させることの出来るデュアルキュアタイプとすることも可能である。
代表的な光重合開始剤としては、ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、2,3-ペンタジオン、2,3-オクタジオン、4,4'-ジメトキシベンジル、4,4'-オキシベンジル、カンファーキノン、9,10-フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα-ジケトン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、2,4-ジエトキシチオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体、ベンゾフェノン、p,p'-ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p'-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体、さらには、アリールボレート化合物/色素/光酸発生剤からなる系が挙げられる。硬化性の観点からこれらの中でも特に好ましいのは、α-ジケトン系の光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤、及びアリールボレート化合物/色素/光酸発生剤を組み合わせた系からなる光重合開始剤である。
なお、α-ジケトン類やアシルホスフォンオキサイド誘導体を使用する場合において、これらは単独でも光重合活性を示すが、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸ラウリル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミン化合物と併用することがより高い重合活性を得られて好ましい。
代表的な化学重合開始剤としては、有機過酸化物及びアミン類の組み合わせ、有機過酸化物類、アミン類及びスルフィン酸塩類の組み合わせ、酸性化合物及びアリールボレート類の組み合わせ、バルビツール酸、アルキルボラン等の化学重合開始剤等が挙げられる。
歯科用接着性組成物における重合開始剤の配合量は、有効量であれば良く、一般には、歯科用接着性組成物に含有される全重合性単量体(前記重合性単量体成分)100質量部に対して0.01~30質量部の範囲であるのが好ましく、0.1~20質量部であることがより好ましい。最も好適には、1~10質量部の範囲である。
本発明の歯科用接着性組成物においては、歯質脱灰作用を高度に発揮させ、高い接着性を得ることができるように、また、長期保存しても、初期接着強度が高度に維持できるようになる、と言う理由から、水を配合することが好ましい。このとき配合する水は、歯質と修復材料との接着強さの発現に対して悪影響を及ぼすような不純物は極力含有していないものを使用することが好適であり、一般には蒸留水またはイオン交換水が使用される。
水を配合する場合の配合量は、上記配合効果の観点から、歯科用接着性組成物に含有される全重合性単量体100質量部に対して5~50質量部の範囲であることが好ましく、6~30質量部であることがより好ましい。さらに、本発明の歯科用接着性組成物には、有機溶媒や充填材を添加してもよい。本発明の歯科用接着性組成物をプライマーとして用いる場合には、有機溶媒を配合するのが一般的である。有機溶媒としては、従来の歯科用プライマーで使用される有機溶媒が特に制限無く使用できるが、生体に対する為害作用を勘案すれば、エタノール、イソプロパノール又はアセトンを使用することが好ましい。その配合量は、歯科用接着性組成物に含有される全重合性単量体100質量部に対して10~300質量部の範囲であることが好ましく、30~200質量部であることがより好ましい。
また、充填材(フィラー)としては、従来の歯科用接着剤組成物で使用されている充填材、具体的には、有機充填材や無機充填材、有機無機複合充填材が特に制限なく使用できる。その配合量は、組成物の用途に応じて、粘度(操作性)や硬化体の機械的物性を考慮して適宜決定すればよいが、歯科用接着材や歯科用プライマーとして用いる場合には、前記全重合性単量体成分100質量部に対して0.5質量部~100質量部が好ましく、5質量部~50質量部がより好ましい。また、歯科用コンポジットレジンや歯科用セメントとして用いる場合には、全重合性単量体100質量部に対して30質量部~1500質量部が好ましく、50質量部~1000質量部がより好ましい。
本発明の歯科用接着性組成物には、多価金属化合物を配合してもよい。多価金属化合物とは多価金属アルコキシド、多価金属フッ化物、多価金属炭酸塩、多価金属水酸化物、多価金属水素化物、及びアルキル多価金属の少なくともいずれかから選択される化合物である。
歯科用接着性組成物中における多価金属化合物の配合量は、目的に応じて適宜決定すればよいが、脱灰作用が高くなり、安定した接着強度が得られるようになるという理由から、前記酸性モノマーのモル数の和が、前記多価金属化合物中の多価金属の総価数よりも大きくなるような配合量であることが好ましい。
ここで、前記「多価金属化合物中の多価金属の総価数」とは、前記歯科用接着性組成物に含まれる前記多価金属化合物全量のモル数と、該多価金属化合物の価数を掛け合わせたものである。
上記範囲の中で、更に、前記酸性モノマーのモル数と、前記多価金属の総価数との比(酸性モノマー/多価金属の総価数)が、1.0~2.5であることが好ましく、1.0~2.0であることがより好ましい。
なお、歯科用接着性組成物中において、前記多価金属化合物中の多価金属イオンが、酸性モノマーの酸性基と塩を形成していると推定している。
この他、歯科用接着性組成物には、必要に応じて、その性能を低下させない範囲で、有機増粘材、重合禁止剤、重合調整剤、紫外線吸収剤、染料、帯電防止剤、顔料、香料等の各種添加剤を添加することが可能である。
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例、比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらにより何等制限されるものではない。
以下に、各実施例及び各比較例の歯科用接着性組成物において使用した物質の略称について説明する。
<前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体>
・下記構造の化合物(D)、化合物(G)、化合物(P)。
・下記構造の化合物(D)、化合物(G)、化合物(P)。
<その他酸性モノマー>
・MUP:11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸。
・MDP:10-メタアクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート。
・PM1:2-メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート。
・下記構造の化合物(Y)。
・MUP:11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸。
・MDP:10-メタアクリロイルオキシデシルジハイドロジェンフォスフェート。
・PM1:2-メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェート。
・下記構造の化合物(Y)。
<その他の重合性単量体>
・BisGMA:2,2’ ―ビス[4―(2―ヒドロキシ―3―メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン。
・3G:トリエチレングリコールジメタクリレート。
・HEMA:2―ヒドロキシエチルメタクリレート。
・D-2.6E:2,2-ビス[(4-メタクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパン。
・BisGMA:2,2’ ―ビス[4―(2―ヒドロキシ―3―メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン。
・3G:トリエチレングリコールジメタクリレート。
・HEMA:2―ヒドロキシエチルメタクリレート。
・D-2.6E:2,2-ビス[(4-メタクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパン。
<重合開始剤>
・CQ:カンファーキノン。
・DMBE:4-ジメチルアミノ安息香酸エチル。
・CQ:カンファーキノン。
・DMBE:4-ジメチルアミノ安息香酸エチル。
<重合禁止剤>
・BHT:2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール。
・BHT:2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール。
<フィラー>
・F1:不定形シリカジルコニア(平均粒径3μm)をγ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したもの。
・F2:球状シリカ-ジルコニア(平均粒径0.2μm)をγ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したもの。
・F1:不定形シリカジルコニア(平均粒径3μm)をγ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したもの。
・F2:球状シリカ-ジルコニア(平均粒径0.2μm)をγ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したもの。
また、以下の実施例、比較例において、各種の測定は以下の方法により実施した。
1.接着強度測定
<被着体>
下記に示す4種類の被着体を準備した。
(1)屠殺後24時間以内に抜去した牛前歯を、注水下、耐水研磨紙P600で研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、エナメル質平面を削り出した被着体
(2)屠殺後24時間以内に抜去した牛前歯を、注水下、耐水研磨紙P600で研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、象牙質平面を削り出した被着体
(3)歯科用コバルト―クロム合金「ワークローム」(トーワ技研社製、縦10mm×横10mm×厚み3mm)を#1500の耐水研磨紙で磨いた後にサンドブラスト処理した卑金属合金からなる被着体
(4)ジルコニアセラミックス「TZ-3Y-E焼結体」(東ソー社製、縦10mm×横10mm×厚み3mm)を#120の耐水研磨紙で磨いた後にサンドブラストした金属酸化物(ジルコニアセラミックス)からなる被着体。
1.接着強度測定
<被着体>
下記に示す4種類の被着体を準備した。
(1)屠殺後24時間以内に抜去した牛前歯を、注水下、耐水研磨紙P600で研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、エナメル質平面を削り出した被着体
(2)屠殺後24時間以内に抜去した牛前歯を、注水下、耐水研磨紙P600で研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、象牙質平面を削り出した被着体
(3)歯科用コバルト―クロム合金「ワークローム」(トーワ技研社製、縦10mm×横10mm×厚み3mm)を#1500の耐水研磨紙で磨いた後にサンドブラスト処理した卑金属合金からなる被着体
(4)ジルコニアセラミックス「TZ-3Y-E焼結体」(東ソー社製、縦10mm×横10mm×厚み3mm)を#120の耐水研磨紙で磨いた後にサンドブラストした金属酸化物(ジルコニアセラミックス)からなる被着体。
<接着性評価方法>
a)接着強度測定用サンプルの作製方法I(歯科用接着性組成物を歯科用接着材とする場合に適用)
前記4種類の被着体のそれぞれの研磨面に、直径3mmの穴を開けた両面テープを貼り付け、ついで直径8mmの穴が設けられた厚み0.5mmのパラフィンワックスを、パラフィンワックスの穴と、両面テープの穴とが同心円となるように貼り付けて模擬窩洞を作製した。続いて、研磨面のうち両面テープの穴から露出している接着面に、表1に示す各実施例及び各比較例の歯科用接着性組成物を塗布し、5秒間エアブローして乾燥させた。その後、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)を用い、光照射10秒による光硬化を行った。
a)接着強度測定用サンプルの作製方法I(歯科用接着性組成物を歯科用接着材とする場合に適用)
前記4種類の被着体のそれぞれの研磨面に、直径3mmの穴を開けた両面テープを貼り付け、ついで直径8mmの穴が設けられた厚み0.5mmのパラフィンワックスを、パラフィンワックスの穴と、両面テープの穴とが同心円となるように貼り付けて模擬窩洞を作製した。続いて、研磨面のうち両面テープの穴から露出している接着面に、表1に示す各実施例及び各比較例の歯科用接着性組成物を塗布し、5秒間エアブローして乾燥させた。その後、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)を用い、光照射10秒による光硬化を行った。
また、接着面に塗布する歯科用接着性組成物としては、歯科用接着性組成物を調製した直後のもの、及び歯科用接着性組成物を調製した後に容器内に密封しさらに50℃の恒温槽中で8週間保管した後のものの2種類を使用した。
続いて、模擬窩洞に歯科用コンポジットレジン(エステライトΣクイック、トクヤマデンタル社製)を充填してポリエステルフィルムで軽く圧接した後、前記可視光線照射器を用い、光照射10秒による光硬化を行った。その後、あらかじめ研磨したSUS304製丸棒(直径8mm、高さ18mm)をレジンセメント(ビスタイトII、トクヤマデンタル社製)で接着した。最後に、37℃の水中にて24時間浸漬することで接着強度測定用のサンプルを得た。なお、使用したコンポジットレジン(エステライトΣクイック)は、カンファーキノン及びアミン化合物を含む光重合性の組成物である。
b)接着強度測定用サンプルの作製方法II(歯科用接着性組成物を歯科用プライマーとする場合に適用)
前記a)接着試験サンプルの作製方法と同様の方法により作製した模擬窩洞接着面に表3に示す各実施例及び各比較例の歯科用プライマーを塗布し、5秒間エアブローして乾燥し、その上に2ステップ型歯科用接着材(トクソーマックボンドIIのボンディング材、トクヤマデンタル社製)を塗布し、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)を用い、光照射10秒による光硬化を行った。その後、前記a)と同様の方法により、接着強度測定用のサンプルを得た。
前記a)接着試験サンプルの作製方法と同様の方法により作製した模擬窩洞接着面に表3に示す各実施例及び各比較例の歯科用プライマーを塗布し、5秒間エアブローして乾燥し、その上に2ステップ型歯科用接着材(トクソーマックボンドIIのボンディング材、トクヤマデンタル社製)を塗布し、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)を用い、光照射10秒による光硬化を行った。その後、前記a)と同様の方法により、接着強度測定用のサンプルを得た。
c)接着強度測定用サンプルの作製方法III(歯科用接着性組成物を歯科用接着性コンポジットレジンとする場合に適用)
前記a)接着試験サンプルの作製方法と同様の方法により作製した模擬窩洞接着面に表5に示す各実施例及び各比較例の歯科用接着性コンポジットレジンを充填してポリエステルフィルムで軽く圧接した後、前記可視光線照射器を用い、光照射20秒による光硬化を行った。その後、前記a)と同様の方法により、SUS304製丸棒を接着し接着強度測定用のサンプルを得た。
前記a)接着試験サンプルの作製方法と同様の方法により作製した模擬窩洞接着面に表5に示す各実施例及び各比較例の歯科用接着性コンポジットレジンを充填してポリエステルフィルムで軽く圧接した後、前記可視光線照射器を用い、光照射20秒による光硬化を行った。その後、前記a)と同様の方法により、SUS304製丸棒を接着し接着強度測定用のサンプルを得た。
これらサンプルについて、島津製作所製オートグラフ(クロスヘッドスピード2mm/分)を用いて引張接着強度を測定した。各実施例及び比較例について、4個のサンプルの測定値を平均し、測定結果とした。
接着面に対して調製直後の歯科用接着性組成物を処理することにより得られたサンプルの接着強度を初期接着強度の測定結果、接着面に対して調製後にさらに50℃の恒温槽中で8週間保管した後の歯科用接着性組成物を処理することにより得られたサンプルの接着強度を長期保管後接着強度の測定とした。また、接着面に対して調製直後の歯科用接着性組成物を処理することにより得られたサンプルをさらに水温5度の水槽と、水温55度の水槽とに、それぞれ30秒間ずつ交互に浸漬する浸漬処理を1セットとし、これを3000回繰り返し実施した後の接着強度を耐久試験後接着強度の測定結果とした。
実施例1~7及び比較例1~5
実施例1~7は、本発明の歯科用接着性組成物のうち、歯科用接着材として使用される組成、具体的には、酸モノマーを含む重合性単量体成分に水、有機溶媒及び重合開始剤を配合した歯科用接着性組成物に関する例であり、比較例1~5は、これらに対する比較例である。
実施例1~7は、本発明の歯科用接着性組成物のうち、歯科用接着材として使用される組成、具体的には、酸モノマーを含む重合性単量体成分に水、有機溶媒及び重合開始剤を配合した歯科用接着性組成物に関する例であり、比較例1~5は、これらに対する比較例である。
表1に示すように各成分を混合することで、水、有機溶媒、重合開始剤を含む歯科用接着性組成物を調製した。
次に、得られた各歯科用接着性組成物を歯科用接着材として用いてサンプルの作製方法Iによりサンプルを作製し、接着強度評価を行った。接着試験の試験結果を下記表2に示す。
実施例1~7は本発明の構成を満足するよう配合された歯科用接着性組成物を用いたものである。いずれの場合においても、接着試験結果は初期、長期保存後、耐久試験後共に良好な接着強度であった。
これに対し、酸性モノマーを含まない比較例1の各接着強度が低い値となっている。また、酸性モノマーとして前記一般式(1)に該当しないホスホン酸基含有重合性単量体を用いた比較例2及び3では、恐らく親水性・疎水性のバランスが悪くなったことが原因と思われるが、歯質への接着強度が低い値となっている。さらに、酸性モノマーとしてリン酸エステル基含有重合性単量体を用いた比較例4及び5では、エステル結合の加水分解により、長期保存後、耐久試験後の接着強度が低下している。
実施例8~10及び比較例6~8
実施例8~10は、本発明の歯科用接着性組成物のうち、歯科用プライマーとして使用される組成、具体的には、酸モノマーを含む重合性単量体成分に水及び有機溶媒を配合した歯科用接着性組成物に関する例であり、比較例6~8は、これらに対する比較例である。
実施例8~10は、本発明の歯科用接着性組成物のうち、歯科用プライマーとして使用される組成、具体的には、酸モノマーを含む重合性単量体成分に水及び有機溶媒を配合した歯科用接着性組成物に関する例であり、比較例6~8は、これらに対する比較例である。
表3に示すように各成分を混合することで、水、有機溶媒を含む歯科用接着性組成物を調製した。
次に、得られた各歯科用接着性組成物を歯科用プライマーとして用いてサンプルの作製方法IIによりサンプルを作製し、接着強度評価を行った。接着試験の試験結果を下記表4に示す。
実施例8~10は本発明の構成を満足するよう配合された歯科用接着性組成物を用いたものである。いずれの場合においても、接着試験結果は初期、長期保存後、耐久試験後共に良好な接着強度であった。
これに対し、酸性モノマーとして前記一般式(1)に該当しないホスホン酸基含有重合性単量体を用いた比較例6及び7では、初期接着強度が低い値となっている。さらに、酸性モノマーとしてリン酸エステル基含有重合性単量体を用いた比較例8では、初期接着強度が低く、さらにエステル結合の加水分解により、長期保存後、耐久試験後の接着強度が低下している。
実施例11~13及び比較例9~11
実施例11~13は、本発明の歯科用接着性組成物のうち、歯科用接着性コンポジットレジンとして使用される組成、具体的には、酸モノマーを含む重合性単量体成分に重合開始剤及びフィラーを配合した歯科用接着性組成物に関する例であり、比較例9~11は、これらに対する比較例である。
実施例11~13は、本発明の歯科用接着性組成物のうち、歯科用接着性コンポジットレジンとして使用される組成、具体的には、酸モノマーを含む重合性単量体成分に重合開始剤及びフィラーを配合した歯科用接着性組成物に関する例であり、比較例9~11は、これらに対する比較例である。
表5に示すフィラー以外の成分を混合後、メノウ乳鉢を用いフィラーを混合し、真空下にて脱泡することで重合開始剤、フィラーを含む歯科用接着性組成物を調製した。
次に、得られた各歯科用接着性組成物を歯科用接着性コンポジットレジンとして用いてサンプルの作製方法IIIによりサンプルを作製し、接着強度評価を行った。接着試験の試験結果を下記表6に示す。
実施例11~13は本発明の構成を満足するよう配合された歯科用接着性組成物を用いたものである。いずれの場合においても、接着試験結果は初期、長期保存後、耐久試験後共に良好な接着強度であった。
これに対し、酸性モノマーとして前記一般式(1)に該当しないホスホン酸基含有重合性単量体を用いた比較例9及び10では、初期接着強度が低い値となっている。さらに、酸性モノマーとしてリン酸エステル基含有重合性単量体を用いた比較例11では、初期接着強度が低く、さらにエステル結合の加水分解により、耐久試験後の接着強度が低下している。
Claims (4)
- 前記重合性単量体成分が、前記一般式(1)で示されるホスホン酸基含有重合性単量体100質量部と、当該ホスホン酸基含有重合性単量体以外の重合性単量体50質量部以上10000質量部以下と、の混合物からなる請求項1に記載の歯科用接着性組成物。
- 重合開始剤、水及び有機溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有してなる請求項1又は2に記載の歯科用接着性組成物。
- 水を含有する場合及び有機溶媒を含有する場合における各成分の含有量が、夫々、前記重合性単量体成分100質量部に対し、水:5質量部以上50質量部以下及び有機溶媒:10質量部以上300質量部以下である請求項3に記載の歯科用接着性組成物。
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