以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、図面に示される構成の大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
<第1の実施形態>
<基板処理装置の概略構成>
図1は、基板処理装置の構成の一例を概略的に示す平面図である。図1の基板処理装置は、基板(例えば、半導体ウエハ)Wにレジスト膜等を形成するとともに、露光された基板Wを現像する装置である。
図1の例では、基板処理装置は、インデクサ部110と、処理部120と、インターフェイス部130と、制御部140とを含んでいる。制御部140は基板処理装置の各種構成を制御する。
制御部140は電子回路であって、例えばデータ処理装置および記憶媒体を有していてもよい。データ処理装置は例えばCPU(Central Processor Unit)などの演算処理装置であってもよい。記憶媒体は非一時的な記憶媒体(例えばROM(Read Only Memory)またはハードディスク)および一時的な記憶媒体(例えばRAM(Random Access Memory))を有していてもよい。非一時的な記憶媒体には、例えば制御部140が実行する処理を規定するプログラムが記憶されていてもよい。処理装置がこのプログラムを実行することにより、制御部140が、プログラムに規定された処理を実行することができる。もちろん、制御部140が実行する処理の一部または全部がハードウェアによって実行されてもよい。
処理部120の両側にはインデクサ部110とインターフェイス部130が隣接して設けられている。インターフェイス部130には、さらに本装置とは別体の外部装置である露光機EXPが隣接して設けられる。
インデクサ部110は、複数(図では4個)のカセット載置台111と、ID用搬送機構TIDとを含んでいる。複数のカセット載置台111は1列に配列されており、各カセット載置台111には1個のカセットCが載置される。
ID用搬送機構TIDは、カセット載置台111の側方をカセットCの並び方向に水平移動可能に設けられ、各カセットCと向かい合う位置で停止できる。ID用搬送機構TIDは保持アームを含み、各カセットCおよび処理部120の各々と基板Wの受け渡しを行う。ID用搬送機構TIDはカセットCから基板Wを取り出して処理部120に搬送するとともに、処理部120から受け取った基板WをカセットCに収納する。
処理部120は基板Wに対して処理を行う。図1の例では、処理部120はセル121、122に分けられている。セル121は主搬送機構T1を含み、セル122は主搬送機構T2を含む。セル121、122の各々には、複数の処理ユニットが設けられる。図1の例では、セル121、122のみが示されているが、処理部120には、セル121、122が鉛直方向に複数設けられてもよい。つまり、セル121の上には、セル121と同様のセルが積層されてもよく、セル122の上にも、セル122と同様のセルが積層されてもよい。要するに、処理部120は複数階層の構造を有していてもよい。セル121(およびその上層階のセル)では、基板Wにレジスト膜等を形成し、セル122(およびその上層階のセル)では基板Wを現像する。
セル121、122は横方向に並んで互いに連結されて、インデクサ部110とインターフェイス部130との間を結ぶ一の基板処理列を構成する。各階層においても同様である。これら各基板処理列は鉛直方向に略平行に設けられている。言い換えれば、処理部120は階層構造の基板処理列で構成されている。
インターフェイス部130は処理部120と露光機EXPとの間に配置されており、これらの間で基板Wを中継する。
以下では、説明の簡単のために、上層階のセルの説明を省略してセル121、122について述べる。セル121には、基板Wを搬送するための搬送スペースA1が形成される。搬送スペースA1はセル121の中央を通り、セル121、122の並び方向に平行な帯状に形成されている。セル121の処理ユニットは、基板Wに処理液を塗布する塗布処理ユニット123と、基板Wに熱処理を行う熱処理ユニット124とを含む。塗布処理ユニット123は搬送スペースA1に対して一方側に配置されており、他方側には熱処理ユニット124が配置されている。
塗布処理ユニット123は、それぞれ搬送スペースA1に面するように複数個並べて設けられている。本実施の形態では、複数の塗布処理ユニット123が鉛直方向にも並べて配置される。例えば2列2段で合計4つの塗布処理ユニット123が配置される。塗布処理ユニット123は、基板Wに反射防止膜を形成する処理を行う反射防止膜用塗布処理ユニットと、基板Wにレジスト膜を形成する処理を行うレジスト膜用塗布処理ユニットとを含む。例えば下段の2つの塗布処理ユニット123が基板Wに反射防止膜を形成し、上段の2つの塗布処理ユニット123が基板Wにレジスト膜を形成する。
熱処理ユニット124は、それぞれ搬送スペースA1に面するように複数個並べられて設けられている。本実施の形態では、複数の熱処理ユニット124が鉛直方向にも並べて配置される。例えば、横方向に3つの熱処理ユニット124を配置可能に、鉛直方向に5つの熱処理ユニット124を積層可能である。熱処理ユニット124はそれぞれ基板Wを載置するプレート125などを含んでいる。熱処理ユニット124は、基板Wを冷却する冷却ユニット、加熱処理と冷却処理を続けて行う加熱冷却ユニット、および、基板Wと被膜の密着性を向上させるためにヘキサメチルシラザン(HMDS)の蒸気雰囲気で熱処理するアドヒージョン処理ユニットを含む。なお、加熱冷却ユニットはプレート125を2つ有するとともに、2つのプレート125間で基板Wを移動させる図示省略のローカル搬送機構を含む。各種の熱処理ユニットはそれぞれ複数個であり、適宜の位置に配置される。
インデクサ部110とセル121との境界には、載置部PASS1が設けられ、セル121、122の境界には、載置部PASS2が設けられる。載置部PASS1はインデクサ部110とセル121との間で基板Wを中継し、載置部PASS2はセル121、122の間で基板Wを中継する。載置部PASS1、PASS2は、基板Wを水平姿勢で支持する複数の支持ピンを含んでいる。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う姿勢である。載置部PASS1は、例えば2枚の基板Wを載置可能である。載置部PASS1は例えば2段構成を有しており、各段に1枚の基板Wが載置される。一方の段はインデクサ部110からセル121へ搬送される基板Wが載置され、他方の段には、セル121からインデクサ部110へ搬送される基板Wが載置される。載置部PASS2も同様に2段構成を有している。
搬送スペースA1の略中央には、主搬送機構T1が設けられている。主搬送機構T1はセル121の処理ユニット、載置部PASS1および載置部PASS2の各々と基板Wの受け渡しを行う。図1の例では、主搬送機構T1は2つの保持アームH1、H2を含んでいる。よって、主搬送機構T1は一方の保持アームH1を用いて対象部(例えばセル121の処理ユニット)から基板Wを取り出しつつ、別の基板Wを他方の保持アームH2を用いて当該対象部に渡すことができる。
セル122には、基板Wを搬送するための搬送スペースA2が形成される。搬送スペースA2は搬送スペースA1の延長上となるように形成されている。
セル122の処理ユニットは、基板に処理液を塗布する塗布処理ユニット127と、基板Wに熱処理を行う熱処理ユニット126と、基板Wの周縁部を露光するエッジ露光ユニット(不図示)とを含む。塗布処理ユニット127は搬送スペースA2に対して一方側に配置され、熱処理ユニット126およびエッジ露光ユニットは他方側に配置される。ここで、塗布処理ユニット127は塗布処理ユニット123と同じ側に配置されることが好ましい。また、熱処理ユニット126およびエッジ露光ユニットは熱処理ユニット124と同じ並びとなることが好ましい。
本実施の形態では、複数の塗布処理ユニット127が鉛直方向にも並べて配置される。例えば3列2段で合計6つの塗布処理ユニット127が配置される。塗布処理ユニット127は、基板Wを現像する現像処理ユニットと、基板Wにレジストカバー膜を形成する処理を行うレジストカバー膜用塗布処理ユニットとを含む。例えば下段の3つの塗布処理ユニット127が基板Wにレジストカバー膜を形成し、上段の3つの塗布処理ユニット127が基板Wを現像する。
熱処理ユニット126は、搬送スペースA2に沿う横方向に複数並べられるとともに、鉛直方向に複数積層されている。熱処理ユニット126は、基板Wを加熱する加熱ユニットと、基板Wを冷却する冷却ユニットとを含む。
エッジ露光ユニットは単一であり、所定の位置に設けられている。エッジ露光ユニットは、基板Wを回転可能に保持する回転保持部(不図示)と、この回転保持部に保持された基板Wの周縁を露光する光照射部(不図示)とを含む。
セル122とインターフェイス部130との境界には、載置兼バッファ部P-BFが設けられる。載置兼バッファ部P-BFには、セル122からインターフェイス部130へ搬送される基板Wが載置される。
主搬送機構T2は平面視で搬送スペースA2の略中央に設けられている。主搬送機構T2は主搬送機構T1と同様に構成されている。そして、主搬送機構T2は、載置部PASS2、塗布処理ユニット127、熱処理ユニット126、エッジ露光ユニットおよび載置兼バッファ部P-BFの各々と基板Wを受け渡す。
インターフェイス部130は、洗浄処理ブロック131と、搬出搬入ブロック132とを含んでいる。洗浄処理ブロック131と搬出搬入ブロック132との境界には、載置部PASS3が設けられている。載置部PASS3の構成の一例は載置部PASS1,PASS2と同様である。載置部PASS3の上側または下側には、不図示の載置兼冷却ユニットが設けられている。載置兼冷却ユニットは基板Wを露光に適した温度に冷却する。
搬出搬入ブロック132には、IF用搬送機構TIFが設けられている。IF用搬送機構TIFは載置兼冷却ユニットから露光機EXPの搬入部LPaに基板Wを搬送するとともに、露光機EXPの搬出部LPbからの基板Wを載置部PASS3へ搬送する。
洗浄処理ブロック131は2つの洗浄処理ユニット133a,133bと、2つの搬送機構T3a,T3bとを含んでいる。2つの洗浄処理ユニット133a,133bは、搬送機構T3a,T3bの一組を挟むように配置されている。洗浄処理ユニット133aは露光前の基板Wを洗浄して乾燥する。複数の洗浄処理ユニット133aが多段に積層されていてもよい。搬送機構T3aは載置兼バッファ部P-BFから洗浄処理ユニット133aに基板Wを搬送し、洗浄済みの基板Wを洗浄処理ユニット133aから載置兼冷却ユニットに搬送する。
洗浄処理ユニット133bは露光後の基板Wを洗浄して乾燥する。複数の洗浄処理ユニット133bが多段に積層されていてもよい。搬送機構T3bは載置部PASS3から洗浄乾燥処理ユニット133bに基板Wを搬送し、洗浄済みの基板Wを洗浄乾燥処理ユニット133bから載置兼バッファ部P-BFに搬送する。
このような基板処理システムにおいて、基板Wは次のように処理される。即ち、カセットCから取り出された基板Wは、セル121の冷却ユニットによって冷却される。冷却後の基板Wはセル121の反射防止膜用塗布処理ユニットによって塗布処理を受ける。これにより、基板Wの表面には反射防止膜が形成される。反射防止膜が形成された基板Wは加熱冷却ユニットによって加熱された後に冷却される。冷却された基板Wはレジスト膜用塗布処理ユニットによって塗布処理を受ける。これにより、基板Wの表面にはレジスト膜が形成される。レジスト膜が形成された基板Wは、再び加熱冷却ユニットで加熱された後に冷却される。レジスト膜が形成された基板Wはセル122のレジストカバー膜用塗布処理ユニットによって塗布処理を受ける。これにより、基板Wの表面にはレジストカバー膜が形成される。レジストカバー膜が形成された基板Wはセル122の加熱冷却ユニットで加熱された後に冷却される。
冷却された基板Wの周縁部は、セル122のエッジ露光ユニットで露光される。周縁部が露光された基板Wは洗浄処理ユニット133aにおいて洗浄乾燥処理を受ける。洗浄された基板Wは載置兼冷却ユニットで冷却される。冷却された基板Wは外部の露光機EXPで露光される。露光された基板Wは洗浄乾燥処理ユニット133bで洗浄乾燥処理を受ける。洗浄された基板Wはセル122の加熱冷却ユニットで露光後ベーク処理を受ける。ベークされた基板Wはセル122の冷却ユニットで冷却される。冷却された基板Wは現像処理ユニットで現像処理を受ける。現像処理が施された基板Wは加熱冷却ユニットで加熱された後に冷却される。冷却された基板Wはインデクサ部110のカセットCに搬送される。以上のようにして、基板処理装置は基板Wに対して処理を行う。
<塗布処理ユニット>
図2は、塗布処理ユニット123または塗布処理ユニット127の一例である処理ユニット1の概略構成の一例を示す断面図である。この処理ユニット1は、基板Wを回転させつつ処理液を基板Wの上面に塗布することにより、基板Wの上面に処理液の膜を形成させる装置である。
基板Wは例えば半導体ウエハであり、略円板形状を有する。図3は、基板Wの構成の一例を概略的に示す斜視図である。本実施の形態では一例として、基板Wは、中央部91と、中央部91よりも外周側の周縁部92とを有している。基板Wの上面は、その中央部91において凹む凹形状を有している。逆に言えば、基板Wは、その周縁部92が中央部91に対して上側に突出した形状を有している。中央部91は平面視において略円形形状を有している。周縁部92は中央部91を囲む略円環形状を有しており、中央部91の周縁が周縁部92の内面に連結されている。基板Wの下面は略平坦である。よって、基板Wの周縁部92の厚みは中央部91よりも大きい。
基板Wの直径は例えば300mm程度であり、周縁部92の幅(径方向の幅)は例えば2mm~3mm程度である。基板Wの周縁部92の厚みは例えば800μm程度であり、基板Wの中央部91の厚みは例えば45μm~60μm程度である。
図2を再び参照して、処理ユニット1は、基板保持部2と、回転機構3と、処理カップ4と、処理液供給部5と、洗浄液供給部6と、制御部140とを含んでいる。以下では、各構成の概要を説明した後に各構成を詳述する。
基板保持部2は基板Wを略水平姿勢で保持する。ここでいう水平姿勢とは、基板Wの厚み方向が鉛直方向に沿う状態をいう。回転機構3は基板保持部2を回転軸線Q1のまわりで回転させる。回転軸線Q1は理想的には、基板Wの中心を通り、かつ、鉛直方向に平行な軸である。回転機構3が基板保持部2を回転させることにより、基板保持部2によって保持された基板Wも回転軸線Q1のまわりで回転する。以下では、回転軸線Q1についての径方向および周方向をそれぞれ単に径方向および周方向と呼ぶことがある。
処理液供給部5は、基板保持部2によって保持された基板Wの上面に処理液を供給する。処理液は、例えばレジスト液、成膜用のコーティング液または現像液を含む。基板Wの上面に着液した処理液は基板Wの回転に伴う遠心力を受けて広がり、基板Wの周縁から外側に飛散する。このような処理液の供給により、基板Wの上面には処理液の膜が形成される。
処理カップ4は、基板保持部2によって保持された基板Wを囲む筒状の形状を有している。処理カップ4は、基板Wの周縁から飛散された処理液を受け止める。これにより、処理液が処理カップ4よりも外側に飛散することを回避できる。
この処理カップ4の表面に残留した処理液が乾燥すると、処理カップ4の内面に不規則な凹凸面が形成される。飛散した処理液がこの凹凸面にあたって、基板に跳ね返ると、塗布ムラが生じる可能性がある。また、処理カップ4の内面に付着した処理液が乾燥して剥離すると、パーティクルとして基板Wに付着し得る。このようなパーティクルの付着は望ましくない。そこで、洗浄液供給部6は、基板保持部2の内部に形成された第1供給流路212(後述)へと洗浄液を供給する。洗浄液は、処理カップ4に付着した処理液を洗い流すことができる液体であればよく、例えば、純水、または、処理液の溶剤を含む。後述のように、第1供給流路212の吐出口212bは、基板保持部2の側面2bに形成されており、この吐出口212bから処理カップ4に向かって洗浄液が吐出される。これにより、処理カップ4を洗浄する。
<基板保持部>
図2の例では、基板保持部2は、板状体21と、軸取付部(シャフト体)22とを含んでいる。図4は、板状体21の構成の一例を概略的に示す上面図である。板状体21は略円板形状を有している。板状体21はその厚み方向が鉛直方向に沿うように配置されており、板状体21の中心軸は回転軸線Q1と略一致する。板状体21の上面(以下、対向面と呼ぶ)2aは基板Wの下面と鉛直方向において対向している。板状体21の側面2bは対向面2aの周縁および板状体21の下面21cの周縁を連結している。なお、対向面2aは基板保持部2の上面でもあり、側面2bは基板保持部2の外周側面でもある。
板状体21の径は例えば基板Wの径の1/2以上、好ましくは、3/4以上である。図2の例では、板状体21の径は基板Wの径よりも小さい。板状体21の径は例えば基板Wの径の9割程度(ここでは270mm程度)である。図2の例では、板状体21の対向面2aは略水平な平坦面であり、その対向面2aには吸引口211aが形成される(図4も参照)。図4の例では、板状体21の対向面2aには、複数の吸引口211aが2次元的に分散して形成されている。具体的な一例として、複数の吸引口211aは、径方向に延在する複数の仮想線の上に並んで配列される。吸引口211aは平面視おいて例えば円形形状を有する。この吸引口211aは、板状体21の内部に形成された吸引流路(不図示)に連通する。
当該吸引流路は、後述のシャフト32の中空部を貫通する配管81(図2)の一端に接続される。この配管81の他端には、吸引機構83が接続されている。また、配管81の途中にはバルブ82が設けられている。バルブ82は配管81の内部流路の開閉を切り替える。バルブ82が開放した状態で、吸引機構83が配管81の内部の気圧を負圧にすることにより、吸引口211aから気体が吸引される。これにより、基板保持部2(板状体21)は対向面2aにおいて基板Wをその下側から吸着して保持することができる。バルブ82および吸引機構83は制御部140によって制御される。
基板保持部2の軸取付部22は板状体21の下面21cの中央部から下側に延在している。言い換えれば、軸取付部22の上端は板状体21の下面21cの中央部に連結されている。軸取付部22は、後述のシャフト32を取り付けるための部材である。
<回転機構>
回転機構3は、モータ31と、シャフト32とを含んでいる。シャフト32は中空シャフトであり、筒状形状を有している。シャフト32の中心軸は回転軸線Q1と略一致する。シャフト32の上端部は軸取付部22に結合する。図2の例では、軸取付部22にはシャフト挿入孔221が形成されている。シャフト挿入孔221は、回転軸線Q1を含んだ領域に形成されており、下側に開口する。シャフト32の上端部は軸取付部22のシャフト挿入孔221に嵌合されて、シャフト32が軸取付部22に固定される。
モータ31は制御部140によって制御されて、シャフト32を回転軸線Q1のまわりで回転させる。この回転力がシャフト32から基板保持部2に伝達されて、基板保持部2が回転軸線Q1のまわりで回転する。これにより、基板保持部2によって保持された基板Wも回転軸線Q1のまわりで回転する。
<リフトピン>
ところで、処理ユニット1には、外部の主搬送機構T1または主搬送機構T2から基板Wが搬入される。搬入された基板Wは基板保持部2によって保持される。また、処理ユニット1によって処理された基板Wは、主搬送機構T1または主搬送機構T2によって取り出される。処理ユニット1には、このような基板Wの搬出入のための複数のリフトピン71が設けられてもよい(図2参照)。複数のリフトピン71は回転軸線Q1のまわりで略等間隔に設けられる。
図4の例では、板状体21には、リフトピン71用のピン貫通孔213が形成されている。ピン貫通孔213は板状体21を鉛直方向に沿って貫通する。図4の例では、このピン貫通孔213は板状体21の側面2bにおいて径方向外側に開口している。つまり、図4の例では、ピン貫通孔213は側面2bにおいて径方向内側(回転軸線Q1側)に凹んでいる。ここでは、3つのリフトピン71が回転軸線Q1のまわりで略等間隔に設けられるので、図4の例では、3つのピン貫通孔213が回転軸線Q1のまわりで略等間隔に形成されている。
各リフトピン71は、例えば、鉛直方向に延在する棒状の形状を有している。リフトピン71はピン昇降機構72よって昇降可能に設けられている。ピン昇降機構72は、例えばエアシリンダー、または、ボールねじ構造等を有しており、制御部140によって制御される。ピン昇降機構72は複数のリフトピン71を下位置と上位置との間で一体で昇降させる。上位置とは、リフトピン71の先端が板状体21の対向面2aよりも上側となる位置である。このとき、複数のリフトピン71はそれぞれ複数のピン貫通孔213を貫通して上昇する。下位置とは、リフトピン71の先端が板状体21の下面21cよりも下側となる位置である。
複数のリフトピン71が上位置まで上昇した状態において、主搬送機構T1または主搬送機構T2から未処理の基板Wがリフトピン71の上に載置される。複数のリフトピン71は基板Wの下面を支持する。複数のリフトピン71が下降することにより、基板Wが基板保持部2の対向面2aの上に載置される。複数のリフトピン71は下位置まで下降する。
処理済みの基板Wを搬出する場合には、複数のリフトピン71が下位置から上昇する。リフトピン71が、対向面2aの上に載置された基板Wの下面に当接すると、そのまま基板Wを持ち上げて上位置まで上昇する。この状態において、基板Wが主搬送機構T1または主搬送機構T2によって取り出される。
<処理液供給部>
処理液供給部5は、基板保持部2によって保持された基板Wの主面(ここでは上面)に処理液を供給する。図2の例では、処理液供給部5は、ノズル51と、配管52と、バルブ53と、処理液供給源54とを含んでいる。
ノズル51は、基板保持部2によって保持された基板Wの上面に向かって処理液を吐出する。ノズル51は例えば基板Wの上面の中心部に向かって処理液を吐出する。図2の例では、ノズル51はノズル移動機構55によって処理位置と待機位置との間で移動する。処理位置は、基板Wの上面に処理液を供給可能な位置であり、例えば基板保持部2によって保持された基板Wの中心部と鉛直方向で対向する位置である。待機位置は、例えば平面視において、基板保持部2によって保持された基板Wよりも外側の位置である。ノズル移動機構55は例えばボールねじ構造を有しており、制御部140によって制御される。
ノズル51は配管52を介して処理液供給源54に接続されている。処理液供給源54は処理液を配管52を介してノズル51に供給する。ノズル51は配管52から供給された処理液を基板Wの上面に向かって吐出する。バルブ53は配管52の途中に設けられており、配管52の内部流路の開閉を切り替える。バルブ53は制御部140によって制御される。バルブ53は、配管52の内部を流れる処理液の流量を調整可能なバルブであってもよい。
ノズル51から基板Wの上面に供給された処理液は、基板Wの回転に伴って基板Wの上面を広がって基板Wの上面で膜を形成する。この回転により、処理液の一部は基板Wの周縁から外側に飛散する。
<処理カップ>
処理カップ4は、基板保持部2によって保持された基板Wを取り囲む筒状の形状を有しており、基板Wの周縁から飛散された処理液を受け止める。図2の例では、処理カップ4は、外カップ4aと、内カップ4bとを含んでいる。内カップ4bは、外カップ4aよりも径方向内側に配置されている。内カップ4bの上端部は平面視において、略円形形状であって下向きの傾斜面を有しており、基板保持部2によって保持された基板Wの周縁部の下面と鉛直方向において対向する。外カップ4aは底部において内カップ4bの外周面に連結される。外カップ4aの内周面には、基板Wの周縁から飛散した処理液が付着する。また、内カップ4bの外周面にも処理液が付着し得る。これらの処理液は、例えば外カップ4aの底部に設けられた回収口(不図示)へと流れて、回収部(不図示)に回収される。
しかしながら、処理カップ4の表面(外カップ4aの内周面、さらには内カップ4bの外周面)には、処理液が残留し得る。この処理液が乾燥して剥離すると、パーティクルとして基板Wに付着し得る。このようなパーティクルは、基板Wに形成されるデバイスの不良を招く。
<洗浄機構>
そこで、本実施の形態にかかる処理ユニット1では、処理カップ4を洗浄する洗浄機構が設けられている。この洗浄機構を、図4および図5を参照して説明する。図5は、基板保持部2および洗浄液供給部6の一例を概略的に示す断面図である。図5に例示するように、基板保持部2の板状体21の側面2bには、吐出口212bが形成されている。後述するように、この吐出口212bから処理カップ4の洗浄対象面に向かって洗浄液が吐出される。吐出された洗浄液は処理カップ4の洗浄対象面にあたって処理カップ4の洗浄対象面を洗浄する。洗浄対象面は外カップ4aの内周面および内カップ4bの外周面の少なくともいずれか一方を含む。
図4および図5の例では、複数(図の例では2つ)の吐出口212bが回転軸線Q1のまわりで略等間隔に形成されている。つまり、2つの吐出口212bが回転軸線Q1について180度間隔で形成されている。基板保持部2の内部には、各吐出口212bに連通する第1供給流路212が形成されている。ここでは、2つの吐出口212bに対して2つの第1供給流路212が形成されている。各第1供給流路212は板状体21および軸取付部22の内部に形成されており、軸取付部22の外周面22aにおいて入口212aを有している(図6も参照)。言い換えれば、軸取付部22の外周面22aに第1供給流路212の入口212aが形成されている。図5の例では、2つの第1供給流路212の入口212aは略同じ高さ位置に形成されており、回転軸線Q1のまわりで略等間隔に形成されている。つまり、2つの入口212aが回転軸線Q1について180度間隔で形成されている。第1供給流路212の断面は例えば略円形形状を有し、その入口212aおよび吐出口212bも例えば略円形形状を有する。
なお、図4に例示するように、第1供給流路212はピン貫通孔213と干渉しないように形成される。また、第1供給流路212は、板状体21の内部に形成されて吸引口211aに連通する吸引流路(不図示)とも干渉しないように形成される。
このような基板保持部2は、単一の部材によって構成されてもよく、あるいは、複数の部材が組み合わされて構成されてもよい。
洗浄液供給部6は入口212aを介して第1供給流路212に洗浄液を供給する。洗浄液は入口212aから第1供給流路212を吐出口212b側に流れて、吐出口212bから処理カップ4の洗浄対象面に向かって吐出される。
図5および図6の例では、洗浄液供給部6は、筒状体61と、第1シール621と、第2シール622と、配管63と、バルブ64と、洗浄液供給源65とを含む。図6は、軸取付部22と筒状体61の構成の一例を概略的に示す斜視図である。図6の例では、筒状体61の周方向の一部のみが示されている。
筒状体61は、軸取付部22の外周面22aを囲む筒状形状を有している。この筒状体61は、外周面22aに形成された第1供給流路212の入口212aと対向する。つまり、筒状体61の内周面61aの上端は複数(ここでは2つ)の入口212aのいずれよりも上側に位置しており、筒状体61の内周面61aの下端は複数の入口212aのいずれよりも下側に位置している。よって、複数の入口212aのいずれもが筒状体61の内周面61aと径方向において対向する。
筒状体61には洗浄液の第2供給流路611が形成されており、その出口611bが筒状体61の内周面61aに形成されている。図5の例では、第2供給流路611の出口611bは基板保持部2の第1供給流路212の入口212aと略同じ高さ位置に形成されている。また、図5および図6の例では、筒状体61の内周面61aには供給溝614が形成されている。この供給溝614は、第2供給流路611の出口611bが形成される位置に形成される。つまり、出口611bは供給溝614の内部に形成される。供給溝614は回転軸線Q1の周方向に沿って延在しており、内周面61aの全周に亘って形成されている。
図5および図6を参照して、供給溝614は、軸取付部22の外周面22a上の複数の入口212aの全てと径方向において対向する。供給溝614は全周に亘って形成されているので、基板保持部2が回転軸線Q1まわりで回転しているときにも、供給溝614は複数の入口212aの全てと対向し続ける。つまり、基板保持部2の回転中において当該複数の入口212aは回転軸線Q1のまわりを供給溝614に沿って周回するので、供給溝614と対向し続ける。
図5および図6の例では、第2供給流路611の入口611aは筒状体61の外周面61bに形成されている。ここでは、第2供給流路611の入口611aおよび出口611bは径方向において並ぶ位置に形成されており、第2供給流路611は径方向に沿って延在している。第2供給流路611の断面は例えば略円形形状を有し、その入口611aおよび出口611bも例えば略円形形状を有する。
第1シール621は、第2供給流路611の出口611bおよび第1供給流路212の入口212aのいずれよりも上側において、筒状体61の内周面61aと軸取付部22の外周面22aとの間を封止する。なお、軸取付部22の外周面22aは、回転軸線Q1を中心とした略円柱形状を有しており、筒状体61の内周面61aも、回転軸線Q1を中心とした略円柱形状を有している。ただし、図5および図6の例では、内周面61aには、上述の供給溝614の他、後述の第1挿入溝612および第2挿入溝613も形成される。
第1シール621は、例えば、オーリングと、スリッパーシールとを含む。オーリングは、回転軸線Q1を中心とした略円環形状を有している。オーリングは径方向に弾性変形可能である。スリッパーシールも、回転軸線Q1を中心とした略円環形状を有している。スリッパーシールはオーリングと径方向において隣り合う位置に設けられる。例えばスリッパーシールはオーリングと軸取付部22の外周面22aとの間に設けられており、これらと密着する。スリッパーシールはオーリングの表面よりも滑りやすい表面を有している。よって、軸取付部22が筒状体61に対して回転しやすく、また、第1シール621は筒状体61と軸取付部22との間を良好に封止することができる。
図5の例では、筒状体61の内周面61aには、第1シール621が挿入される第1挿入溝612が形成される。第1挿入溝612は、筒状体61の内周面61aの全周に亘って形成されている。第1シール621の径方向外側の一部は第1挿入溝612に挿入されて筒状体61の内周面61aに密着し、第1シール621の径方向内側の一部は第1挿入溝612から突出して、軸取付部22の外周面22aに密着する。
第2シール622は、第2供給流路611の出口611bおよび第1供給流路212の入口212aのいずれよりも下側において、筒状体61の内周面61aと軸取付部22の外周面22aとの間を封止する。第2シール622は、第1シール621と同様の構成を有している。よって、軸取付部22が筒状体61に対して回転しやすく、また、第2シール622は筒状体61と軸取付部22との間を良好に封止することができる。
図5の例では、同様に、筒状体61の内周面61aには、第2シール622が挿入される第2挿入溝613も形成されている。第2挿入溝613は、筒状体61の内周面61aの全周に亘って形成される。第2シール622の径方向外側の一部は第2挿入溝613に挿入されて筒状体61の内周面61aに密着し、第2シール622の径方向内側の一部は第2挿入溝613から突出して、軸取付部22の外周面22aに密着する。
筒状体61の第2供給流路611の入口611aは配管63を介して洗浄液供給源65に接続されている。バルブ64は配管63の途中に設けられており、配管63の内部流路の開閉を切り替える。バルブ64の開閉は制御部140によって制御される。バルブ64は、配管63の内部を流れる洗浄液の流量を調整可能なバルブであってもよい。
バルブ64が開放すると、洗浄液は洗浄液供給源65から配管63の内部および第2供給流路611を流れて、第2供給流路611の出口611bから流出する。よって、この洗浄液は、筒状体61の内周面61aと軸取付部22の外周面22aとの間の空間(以下、接続空間と呼ぶ)に流出する。この接続空間は第1シール621および第2シール622によって封止されているので、洗浄液は筒状体61と軸取付部22との間の隙間から外部にほとんど流出しない。接続空間に流入した洗浄液は、軸取付部22の外周面22aに形成された各入口212aから各第1供給流路212に流入する。洗浄液は各第1供給流路212を流れて各吐出口212bから処理カップ4の洗浄対象面に向かって吐出される。
また、図5の例では、筒状体61の内周面61aには、上述のように供給溝614が形成されている。よって、接続空間において、筒状体61の供給溝614以外の内周面61aと軸取付部22の外周面22aとの間の距離を短く設定することができる。この構造によれば、第2供給流路611の出口611bから流出した洗浄液は主として供給溝614の内部を周方向に沿って流れつつ、各入口212aから第1供給流路212へと流入する。基板保持部2の回転中も、各入口212aは供給溝614と対向し続けるので、各入口212aには、洗浄液が流入し続ける。つまり、基板保持部2がどの回転位置にあっても供給溝614の内部の洗浄液を第1供給流路212に供給できる。
以上のように、筒状体61、第1シール621および第2シール622は、配管63と基板保持部2内の第1供給流路212の入口212aとの間に接続空間を形成して、基板保持部2の軸取付部22に取り付けられる。よって、筒状体61、第1シール621および第2シール622は、配管63と基板保持部2の第1供給流路212とを接続する継手として機能する。
また、図5の例では、供給溝614の幅(鉛直方向に沿う幅)は基板保持部2の第1供給流路212の入口212aの幅(鉛直方向に沿う幅)よりも大きい。これによれば、筒状体61が軸取付部22に対して鉛直方向に若干ずれて取り付けられたとしても、供給溝614を各入口212aと対向させることができる。よって、洗浄液を第2供給流路611から第1供給流路212へ適切に供給することができる。言い換えれば、筒状体61の軸取付部22に対する取付の必要精度を低減することができる。
<カップ洗浄処理の具体例>
処理カップ4に対するカップ洗浄処理は、例えば、基板Wが基板保持部2に保持されていない状態で実施される。図7は、カップ洗浄処理の一例を示すフローチャートである。回転機構3は基板保持部2の回転を開始する(ステップS1)。次に、洗浄液供給部6が洗浄液の供給を開始する(ステップS2)。具体的には、バルブ64が開放する。これにより、基板保持部2が回転しながら、その吐出口212bから処理カップ4の洗浄対象面に向かって洗浄液が吐出される。したがって、この洗浄液は処理カップ4の洗浄対象面を洗浄することができる。基板保持部2は回転しているので、各吐出口212bは回転軸線Q1のまわりを周回しながら洗浄液を吐出する。よって、洗浄液を処理カップ4の洗浄対象面の全周に作用させることができる。
処理カップ4の洗浄が完了すると、洗浄液供給部6は洗浄液の供給を停止する(ステップS3)。具体的には、バルブ64が閉じる。次に、回転機構3が基板保持部2の回転を停止させる(ステップS4)。
以上のように、処理ユニット1によれば、基板保持部2の内部に洗浄液の第1供給流路212が形成されて、その側面2bに吐出口212bが形成される。よって、吐出口212bから洗浄液を処理カップ4の洗浄対象面に吐出することができる。
しかも、特許文献1のように洗浄液を吐出するカップ洗浄部材を基板保持部2よりも径方向外側に設ける場合に比べて、基板保持部2の対向面2aを径方向外側に広げることができる。よって、基板保持部2は基板Wをより大きい面積で保持することができる。したがって、基板保持部2は基板Wを安定して保持することができる。例えば図3に示すように、基板Wの中央部91がその周縁部92に対して薄い場合に、対向面2aがその中央部91の狭い領域のみを支持すると、基板Wの回転中に基板Wの周縁部92が鉛直方向に大きく変動し得る。このような変動は処理不良を招き得る。
これに対して、処理ユニット1によれば、対向面2aを広げることができるので、基板保持部2はより大きい面積で基板Wを保持することができる。したがって、基板Wを安定して保持することができ、回転中における基板Wの周縁部92の変動を抑制することができる。
また、処理ユニット1によれば、洗浄液供給源65と吐出口212bとの間の流路を密閉流路とすることができる(図5参照)。これによれば、洗浄液が意図しない部材に付着する可能性を低減することができる。
また、処理ユニット1によれば、洗浄液供給部6の配管63と、基板保持部2の第1供給流路212とを接続する継手として機能する筒状体61が、軸取付部22に取り付けられる。つまり、筒状体61は平面視において、回転軸線Q1側(つまり、径方向内側の空間)に設けられる。よって、板状体21の周縁部に対して下側の空間(つまり、径方向外側の空間)を空けることができる。したがって、当該空間を有効に利用することができる。例えば、当該空間に、基板Wの周縁部の下面に向かって処理液(例えば洗浄液)を吐出する下面処理ノズル(不図示)を設けてもよい。下面処理ノズルから基板Wの周縁部の下面に供給された処理液は、基板Wの回転に伴う遠心力を受けて基板Wの周縁へと移動し、基板Wの周縁から外側に飛散する。これにより、基板Wの周縁部の下面を洗浄することができる。
<第1シールおよび第2シールの熱>
基板保持部2の回転に伴う摩擦熱によって、第1シール621および第2シール622は昇温する。しかるに、低温の洗浄液が接続空間および第1供給流路212を流れるので、第1シール621および第2シール622を冷却することができる。これによれば、第1シール621および第2シール622の熱による劣化を抑制することできる。
<洗浄液の排出>
図5の例では、筒状体61の内部には、洗浄液を排出するための排出流路615が形成されている。排出流路615は第2供給流路611に連通している。より具体的には、排出流路615の一端は供給溝614において開口している。この開口は排出流路615の入口として機能する。排出流路615は供給溝614から筒状体61の内部を下側に向かって延在し、その他端が筒状体61の下面において開口している。この開口は排出流路615の出口として機能する。排出流路615の断面は例えば略円形形状を有し、その入口および出口も例えば略円形形状を有する。供給溝614の径方向の幅は、第2挿入溝613の径方向の幅よりも広く、排出流路615は第2挿入溝613よりも径方向外側を鉛直方向に沿って延在している。
排出流路615の出口は配管66を介して外部に排出される。配管66の途中にはバルブ67が設けられている。バルブ67は配管66の内部流路の開閉を切り替える。バルブ67は制御部140によって制御される。
バルブ67が開放することにより、供給溝614の内部に残留した処理液が排出流路615および配管66を介して外部に排出される。ひいては、第2供給流路611、接続空間および第1供給流路212内に残留した洗浄液が排出される。
作業員は、例えば処理ユニット1のメンテナンス時において、ユーザインターフェース(不図示)を介して制御部140にバルブ67の開放指示を入力する。制御部140はこの指示に応答して、バルブ67を開放させる。これにより、第2供給流路611、接続空間および第1供給流路212内の洗浄液が配管66を介して外部に排出される。よって、作業員が筒状体61を基板保持部2から取り外しても、洗浄液が他の部材に付着する可能性を低減できる。
<閉塞部材>
図5を参照して、基板保持部2の第1供給流路212は、第1流路2121と、第2流路2122と、第3流路2123とを含む。第1流路2121は板状体21の内部において、吐出口212bから回転軸線Q1側に水平方向(具体的には、径方向)に沿って延在する。第2流路2122は、第1流路2121の回転軸線Q1側の端部から下側に延在する。第2流路2122は板状体21および軸取付部22の内部に形成される。第3流路2123は軸取付部22の内部において、入口212aから水平方向に沿って延在して第2流路2122に連通する。
図5および図6の例では、基板保持部2の軸取付部22には、第2流路2122の下端からさらに下側に延在して軸取付部22の下面に至る孔222が形成されている。つまり、第2流路2122および孔222は鉛直方向に沿って連続しており、1本の貫通孔を形成している。孔222の断面は例えば第2流路2122と同形の略円形形状を有する。この貫通孔は軸取付部22を鉛直方向に貫通しており、板状体21の内部に形成された第1流路2121に連通する。
基板保持部2には、この孔222を閉塞する閉塞部材25が設けられている。閉塞部材25は例えば棒状の形状を有しており、孔222に挿入されて孔222を塞ぐ。図5および図6に例示するように、閉塞部材25の上端は、第2流路2122と第3流路2123との接続位置よりも下側に位置している。閉塞部材25は金属、セラミックまたは樹脂等の任意の材質によって形成される。例えば、閉塞部材25は基板保持部2と同一の材質で構成されてもよい。
このような構造によれば、次に説明するように、基板保持部2に第1供給流路212を容易に形成することができる。例えば、軸取付部22の下面から鉛直方向に沿って上記貫通孔を形成ことにより、軸取付部22に第2流路2122および孔222を形成することができる。このような孔形成の手法としては、任意の手法を採用できるものの、例えばドリルを用いた切削加工を採用することができる。同様に、例えばドリルを用いて軸取付部22の外周面22aから孔を形成することにより、第3流路2123を形成することができ、板状体21の側面2bから孔を形成することにより、第1流路2121を形成することができる。このようにして基板保持部2に第1供給流路212を形成した後に、孔222を閉塞部材25により閉塞する。
以上のように、簡単な孔あけ加工により、基板保持部2に第1供給流路212を形成することができる。
<洗浄液の吐出方向>
基板保持部2の側面2bに形成された吐出口212bの吐出方向は、処理カップ4の洗浄対象面を適切に洗浄できる方向に設定される。なお、吐出口212bの吐出方向は、第1供給流路212の延在方向によって規定される。例えば、当該第1供給流路212のうち吐出口212b側の端部の延在方向が水平方向に沿っていれば、吐出口212bから水平方向に沿って洗浄液が吐出される。また、当該端部の延在方向が、径方向外側に向かうにしたがって上側に向かう上斜め方向に沿っていれば、吐出口212bから上斜め方向に沿って洗浄液が吐出される。同様に、当該端部の延在方向が、径方向外側に向かうにしたがって下側に向かう下斜め方向に沿っていれば、吐出口212bから下斜め方向に沿って洗浄液が吐出される。
さて、基板Wの上面は基板保持部2の吐出口212bよりも高い位置にあるので、基板Wの周縁から飛散した処理液は、処理カップ4に対して、吐出口212bよりも高い位置に付着し得る。よって、洗浄液が処理カップ4に付着した処理液を洗浄できるように、吐出口212bの吐出方向は上斜め方向に沿っていてもよい。これにより、吐出口212bから吐出された洗浄液は、処理カップ4をより適切に洗浄することができる。
また、上述の例では、カップ昇降機構41が処理カップ4を昇降させることができるので、処理カップ4に対する洗浄液の着液位置を処理カップ4の昇降により調整することができる。例えば、カップ昇降機構41が処理カップ4を下降させることで、吐出口212bから吐出された洗浄液は、処理カップ4のより上側の位置にあたる。そこで、カップ昇降機構41はカップ洗浄処理の際に、基板Wに対する塗布処理時の処理カップ4の位置よりも下側の位置に処理カップ4を下降させてもよい。この場合、吐出口212bの吐出方向は必ずしも斜め上方向に沿っている必要はない。例えば、吐出口212bの吐出方向は水平方向に沿っていてもよく、あるいは、下斜め方向に沿っていてもよい。
また、複数の吐出口212bの吐出方向は互いに同じであってもよく、あるいは、互いに異なってもよい。
<リフトピン>
上述の例では、ピン貫通孔213は板状体21の側面2bにおいて凹んでいる(図4参照)。しかしながら、必ずしもこれに限らない。ピン貫通孔213は側面2bから離れて形成されてもよい。この場合、ピン貫通孔213は平面視において例えば略円形形状を有する。
これによれば、側面2bを平面視において略円形形状に形成することができる。つまり、対向面2aの周縁が略円形形状を呈する。この板状体21の対向面2aの周縁は基板Wを全周に亘って支持できるので、回転中における基板Wの周縁部92の変動をさらに抑制することができる。また、板状体21の対向面2aの径をより大きくすることで、基板Wの周縁部92の変動をさらに抑制することもできる。例えば板状体21の径を基板Wの径と同程度に設定してもよい。
また、複数のリフトピン71の径方向の位置は適宜に変更しても構わない。例えば、複数のリフトピン71はより径方向内側の位置に設けられてもよい。この場合、複数のピン貫通孔213もより径方向内側の位置に形成される。もちろん、各ピン貫通孔213は板状体21の内部に形成される流路(吸引流路および第1供給流路212)と干渉しないように形成される。これによっても、リフトピン71は基板Wの下面を支持することができる。
また、基板保持部2の対向面2aの径が基板Wの径よりも十分に小さく、その半径同士の差がリフトピン71の幅以上である場合には、必ずしもピン貫通孔213が形成される必要はない。この場合、複数のリフトピン71は平面視において、基板保持部2の側面2bと基板Wの周縁との間の環状領域内に配置されればよい。
<基板保持部>
図8は、基板保持部2の他の一例である基板保持部2Aの構成の一例を概略的に示す断面図であり、図9は、基板保持部2Aの構成の一例を概略的に示す平面図である。基板保持部2Aは、対向面2aの形状を除いて、基板保持部2と同様の構成を有している。
図8の例では、基板保持部2Aの対向面2aは基板Wの周縁部92の下面に接触している。また、対向面2aの吸引口211aは、この基板Wの周縁部92の下面に対向する位置に設けられている。これによれば、吸引口211aは、基板Wのうちより厚みの大きい周縁部92の下面を吸着する。よって、基板保持部2Aはより安定して基板Wを保持することができ、回転中における基板Wの周縁部92の変動をさらに抑制することができる。
図8の例では、基板保持部2Aの対向面2aは平坦ではなく、その周縁部において基板W側の突出した段差形状を有している。つまり、基板保持部2Aの板状体21は、円板状部材23と、環状突起部24とを含んでいる。円板状部材23は略円板形状を有しており、その厚み方向が鉛直方向に沿うように配置される。円板状部材23の中心軸は回転軸線Q1に略一致する。図8の例では、円板状部材23の径は基板Wの径と略等しい。
環状突起部24は円板状部材23の周縁に立設されており、上側に突出している。環状突起部24は平面視において略円環形状を有しており、その中心軸は回転軸線Q1の略一致する。環状突起部24の上面は基板Wの周縁部92の下面に当接する。
円板状部材23の上面のうち環状突起部24以外の領域、および、環状突起部24の上面が、基板保持部2Aの板状体21の対向面2aを構成する。
図8の例では、環状突起部24の上面は略水平な平坦面であり、当該上面に吸引口211aが形成されている。つまり、この吸引口211aは基板Wの周縁部92の下面と対向する。吸引口211aから気体が吸引されることで、基板Wの周縁部92の下面が対向面2aに吸着される。図9の例では、吸引口211aは環状突起部24の上面において周方向に沿って延在しており、全周に亘って形成される。つまり、吸引口211aは回転軸線Q1について環状に形成される。吸引口211aの中心軸は回転軸線Q1に略一致する。吸引口211aは板状体21の内部に形成された吸引流路211に連通する。吸引流路211は、シャフト32の中空部を貫通する吸引用の配管81の一端に接続される。
図9の例では、吸引流路211は、円状流路2111と、放射状流路2112とを含んでいる。円状流路2111は平面視において略円形形状を有しており、吸引口211aの下側に形成される。円状流路2111は吸引口211aと鉛直方向において連通する。放射状流路2112は、回転軸線Q1を中心として放射状に延在する。図9の例では、放射状流路2112は平面視において十字形状を有しており、その交点部が回転軸線Q1と略一致する。放射状流路2112の各先端は円状流路2111に連通する。放射状流路2112の交点部は鉛直方向において配管81の一端に接続される。
このような基板保持部2Aは単一の部材によって構成されてもよく、あるいは、複数の部材が組み合わされて構成されてもよい。
この基板保持部2Aによれば、吸引口211aが基板Wの周縁部92の下面と対向するので、基板保持部2Aは、より厚い周縁部92において基板Wを吸着できる。これによれば、薄い中央部91のみにおいて基板Wを吸着する場合に比して、安定して基板Wを保持することができる。
しかも、上述の例では、吸引口211aは回転軸線Q1についての全周に亘って形成されている。よって、吸引口211aは基板Wの周縁部92の全周に亘って吸着力を作用させることができる。これによれば、回転中における基板Wの周縁部92の変動を全周に亘って抑制することができる。
また、図8の例では、基板保持部2Aの対向面2aには、環状突起部24よりも径方向内側(回転軸線Q1側)において、複数の支持ピン26が設けられている。支持ピン26は円板状部材23の上面に立設されており、上側に突出する。図9の例では、支持ピン26は上側に向かうにつれて細くなる先細形状を有している。各支持ピン26の高さは、各支持ピン26の先端が環状突起部24の上面と略同じ高さ位置となるように、設定される。複数の支持ピン26は平面視において2次元的に分散して配置される。なお、図9では、図の煩雑を避けるために、支持ピン26の図示が省略されている。
ここで、上記形状を対向面2aに着目して説明すると、対向面2aは、中央領域R1と、円環領域R2とを含んでいる。中央領域R1には、支持ピン26が設けられる。円環領域R2は、中央領域R1よりも外周側において中央領域R1よりも上側(基板W側)に突出し、吸引口211aが形成される。
支持ピン26は、基板Wの中央部91の下面を支持する。これによれば、薄くて撓みやすい基板Wの中央部91を支持ピン26によって支持することができるので、より適切に基板Wの撓みを抑制することができる。したがって、基板Wの上面により均一な膜厚の処理液の膜を形成できる。
また、支持ピン26は略点接触で基板Wの下面を支持するとよい。これによれば、基板保持部2の対向面2aと基板Wの下面との接触面積を低減することができる。よって、基板Wの下面に対する汚染を低減することができる。
なお、基板保持部2Aとして、種々の形状を採用してもよい。例えば、図8において、支持ピン26が省略されてもよい。さらに図8において、対向面2aが略平坦であってもよい。
<第2の実施の形態>
図10は、第2の実施の形態にかかる処理ユニット1Aの構成の一例を示す図である。処理ユニット1Aは、基板保持部2の構造および洗浄液供給部6の構造を除いて、処理ユニット1と同様の構成を有している。言い換えれば、洗浄機構が第1の実施の形態と相違する。図10では、図の煩雑を避けるため、リフトピン71およびピン昇降機構72の図示を省略している。
処理ユニット1Aの基板保持部2(以下、基板保持部2Bと呼ぶ)は、板状体27と、軸取付部28と、洗浄液案内部29とを含んでいる。板状体27は略円板形状を有しており、その厚み方向が鉛直方向に沿うように配置される。板状体27の中心軸は回転軸線Q1と略一致する。板状体27の上面(対向面)2aの上には基板Wが載置される。この対向面2aは基板保持部2Bの上面でもある。対向面2aの上には吸引口211aが形成されており、当該吸引口211aから気体が吸引されることにより、基板保持部2Bが対向面2aにおいて基板Wを吸着して保持する。
対向面2aには、複数の吸引口211aが例えば2次元的に分散して形成される。板状体27の内部には、吸引口211aに連通する吸引流路211が形成されており、この吸引流路211は、中空のシャフト32の内部に配置される配管81の一端に接続される。吸引機構83が配管81の内部を負圧にすることで、吸引口211aから気体が吸引されて、基板Wが吸着保持される。
軸取付部28は、軸取付部22と同様に、板状体27の下面27cの中央部から下側に延在しており、シャフト32と結合する。軸取付部28の外形形状は軸取付部22と略同一である。ただし、軸取付部28の内部に第2流路2122および第3流路2123が形成される必要はない。同様に、板状体27の内部に第1流路2121が形成される必要はない。
板状体27の下面27cの周縁部には、フック状の洗浄液案内部29が突設されている。洗浄液案内部29は板状体27の下面27cの周縁部から下側に延在するとともに、回転軸線Q1側に湾曲したフック形状を有している。洗浄液案内部29は回転軸線Q1の周方向に沿って延在しており、板状体27の全周に亘って設けられている。
図11は、洗浄液案内部29の概略構成の一例を拡大して示す図である。洗浄液案内部29の内面は、環状傾斜面29aと、環状凹面29bとを有している。環状傾斜面29aは板状体27の下面27cから下側に延在する面であり、下側に向かうにしたがって径方向内側(図9において右側)に向かう斜め方向に傾斜している。環状傾斜面29aは回転軸線Q1の周方向に延在して全周に亘って設けられる。
環状凹面29bは、径方向断面においてU字状の形状を有しており、その径方向外側の端部が環状傾斜面29aの下側の端部に連結されている。環状凹面29bも回転軸線Q1の周方向に沿って延在して全周に亘って設けられる。つまり、環状凹面29bの径方向外側の端部は全周に亘って環状傾斜面29aの下側の端部に連結される。
基板保持部2Bの側面2bは、板状体27の側面および洗浄液案内部29の径方向外側の外周面によって構成される。側面2bには、第1の実施の形態と同様に、吐出口212bが形成されている。図11の例では、この吐出口212bは洗浄液案内部29の外周面に形成されている。また、図11の例では、洗浄液案内部29の環状傾斜面29aの上側には、入口212aが形成されている。図11の例では、入口212aおよび吐出口212bは径方向において並ぶ位置に形成されている。洗浄液案内部29には、入口212aから径方向外側に向かって延在して吐出口212bに至る第1供給流路212が形成されている。なお、第2の実施の形態では、第1供給流路212の長さは短いので、第1供給流路212は単なる孔と表現することもできる。
第1供給流路212は複数形成されてもよい。例えば、複数の第1供給流路212(孔)が周方向に沿って略等間隔で形成されてもよい。具体的な一例として、数十個の第1供給流路212が形成されてもよい。この場合、複数の第1供給流路212に対応して、側面2bに複数の吐出口212bが形成され、環状傾斜面29aに複数の入口212aが形成される。
図10を参照して、処理ユニット1Aの洗浄液供給部6は洗浄液供給ノズル68を含んでいる。洗浄液供給ノズル68は、ベース板8の上に配置されている。ベース板8は、シャフト32を囲む円環状の板状形状を有している。ベース板8は基板保持部2Bの板状体27よりも下側に配置されている。よって、洗浄液供給ノズル68も板状体27よりも下側に配置される。このベース板8は処理ユニット1Aの例えば底面に対して固定される。ベース板8の外径は例えば板状体27の径よりも小さく、洗浄液供給ノズル68は洗浄液案内部29よりも径方向内側に配置されている。洗浄液供給ノズル68は洗浄液を洗浄液案内部29の内面(具体的には、環状傾斜面29a)に向かって吐出する。
図10の例では、複数(ここでは2つ)の洗浄液供給ノズル68が設けられている。複数の洗浄液供給ノズル68は周方向において略等間隔に設けられる。ここでは、2つの洗浄液供給ノズル68が180度間隔で設けられている。
洗浄液供給ノズル68は配管63を介して洗浄液供給源65に接続されている。配管63の途中に設けられたバルブ64が開放することにより、洗浄液供給源65からの洗浄液が配管63を介して洗浄液供給ノズル68に供給される。洗浄液供給ノズル68は洗浄液案内部69の内面に向かって洗浄液を吐出する。
ここでは、洗浄液供給ノズル68はベース板8に設けられており、回転軸線Q1のまわりで回転しない。よって、基板保持部2Bの回転中に洗浄液供給ノズル68から吐出される洗浄液は洗浄液案内部29の内面(具体的には、環状傾斜面29a)に対して全周に亘って供給される。環状傾斜面29aに供給された洗浄液は、基板保持部2Bの回転に伴う遠心力を受けて径方向外側に流れ、入口212aから第1供給流路212を流れて吐出口212bから処理カップ4へと吐出される。
処理カップ4の洗浄処理の一例は、図7のフローチャートと同様である。つまり、基板保持部2Bが回転しながら、洗浄液が供給される(ステップS1、S2)。洗浄液供給ノズル68から洗浄液案内部29の内面に向かって吐出された洗浄液は、環状凹面29bに貯留されつつ、基板保持部2Bの回転に伴う遠心力を受けて環状傾斜面29aに沿って上側に移動する。洗浄液は、環状傾斜面29aに形成された入口212aから第1供給流路212に流入し、第1供給流路212の吐出口212bから処理カップ4へ向かって吐出される。
これにより、処理カップ4の洗浄対象面に洗浄液が供給され、処理カップ4の洗浄対象面が洗浄される。複数の吐出口212bは基板保持部2Bの回転に伴って周回するので、洗浄液は処理カップ4の洗浄対象面の全周に作用する。よって、処理カップ4の洗浄対象面を適切に洗浄することができる。
処理ユニット1Aによれば、回転体である基板保持部2Bと、非回転体である洗浄液供給ノズル68とは、空間的に互いに離れて設けられる。よって、洗浄液供給部6は、第1の実施の形態の処理ユニット1に比して、より簡易な構成で、基板保持部2Bの第1供給流路212に洗浄液を供給することができる。
以上、実施の形態が説明されたが、この基板処理装置はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。本実施の形態は、その開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
例えば、第1の実施の形態では、軸取付部22がシャフト32の径方向外側に位置している。よって、基板保持部2の第1供給流路212の入口212aは軸取付部22の外周面22aに形成された。しかるに、軸取付部22がシャフト32の中空部に嵌合されて、シャフト32が軸取付部22の径方向外側に位置する場合もあり得る。この場合、入口212aはシャフト32(シャフト体)の外周面に形成されてもよい。筒状体61はシャフト32の入口212aと対向するように、シャフト32の外周面を囲めばよい。