JP7311961B2 - ガス透過度測定方法及びガス透過度測定装置 - Google Patents

ガス透過度測定方法及びガス透過度測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガス透過度測定方法及びそのガス透過度測定方法を利用したガス透過度測定装置に関する。
ガス透過度測定方法には、特許文献1、特許文献2に示すようなものが提案されている。特許文献1には、試料膜を基準としてその一方側に、測定ガスが供給された状態とされた一方側区画空間を確保する一方、試料膜の他方側に、一方側区画空間の圧力よりも相対的に低い圧力状態とされた他方側区画空間を確保し、その試料膜の一方側区画空間から他方側区画空間に透過した測定ガスの圧力を経時的に測定するものが示されている。これによれば、試料膜の他方側区画空間における時間経過に伴う圧力変化を求めることができ、その定常状態における勾配に基づきガス透過度を算出することができる。特許文献2には、特許文献1と同様の構成の下で、測定ガスとして水蒸気ガスを用いるものが示されており、これを用いれば、水蒸気の透過度を算出することができる。
特許3845055号公報 特許5553287号公報
しかし、上記ガス透過度測定方法においては、その測定に伴い、試料膜の他方側区画空間の圧力が徐々に高まることになり、試料膜の一方側区画空間と他方側区画空間との間の差圧(ガス透過の推進力)が減少し、試料膜の他方側において、時間の経過に伴う圧力上昇変化が形成する勾配は、徐々に緩くなる。特にガス透過度が高い試料膜については、試料膜の一方側区画空間と他方側区画空間との間の差圧が比較的早いタイミングで低下し、
試料膜の他方側において、時間の経過に伴う圧力変化が形成する勾配は早い時期から一定ではなくなる(勾配が飽和傾向に転じ始める(図5参照))。このため、ガス透過度測定において、定常状態における時間の経過に伴う圧力変化について、その勾配を特定することが容易でない。仮に、そのような勾配を用いた場合、そのものは、一方側区画空間と他方側区画空間との差圧が経時変化する状況の下でのいずれかのものであり、そのような勾配に基づいて算出されるガス透過度の精度、信頼性は高いとは言えない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、試料膜を基準として一方側における一方側区画空間と試料膜を基準として他方側における他方側区画空間との間の差圧が時間の経過に伴い変化する場合であっても、ガス透過度の精度を高めることができるガス透過度測定方法を提供することにある。第2の目的は、そのガス透過度測定方法に用いられる測定装置を提供することにある。
前記第1の目的を達成するために本発明にあっては、下記(1)~(3)とした構成とされている。
(1)試料膜を基準として該試料膜の一方側に、測定ガスが供給された状態とされた一方側区画空間を確保し、前記試料膜の他方側に、前記一方側区画空間の圧力よりも低い圧力状態とされた他方側区画空間を確保し、その上で、前記他方側区画空間の圧力を所定測定時間毎に測定し、その各測定時点毎の測定圧力を用いることにより、ガス透過度の算出に用いる単位時間当たりの透過圧力の変化を求めるガス透過度測定方法において、
前記各測定時点の透過圧力として、該各測定時点の測定圧力に対する補正処理によって得られる補正圧力を用い、
前記補正圧力を得るための補正処理として、前記一方側区画空間の圧力と前記他方側区画空間の圧力との差圧を検出し、測定開始時の差圧を基準とした各測定時の差圧変化の変化率を用いることにより、該各測定時点の測定圧力を、該測定開始時の差圧下での値に補正し、
前記各測定時点の測定圧力を、該測定開始時の差圧下での値に補正するに当たっては、前記各測定時点毎の補正圧力として、各測定時点毎に、該各測定時点の一つ前における測定時点の補正圧力に補正量を加算したものを用い、
前記各測定時点毎の補正量として、前記各測定時点の差圧に対する測定開始時差圧の割合を、前記各測定時点における測定圧力と該各測定時点の一つ前における測定時点の測定圧力との差分に乗じたものを用いる構成とされている。
この構成によれば、各測定時点の測定圧力を、測定開始時の差圧下での値に補正することができ、この各測定時点の補正圧力をもって、単位時間当たりの補正圧力変化(勾配)の一定性を強め、直線性を高めることができる。これにより、ガス透過度を、精度を高めた状態で得ることができる。
(2)前記(1)の構成の下で、
前記一方側区画空間が大気に開放されている構成とされている。
この構成によれば、測定ガスを流れ状態の下で一方側区画空間に供給していても、その測定ガスが大気に排出されることから、試料膜の一方側区画空間における圧力状態を一定(大気圧)とすることができ、試料膜の一方側区画空間における圧力状態を一定とするための構造を簡素化することができる。その一方で、一方側区画空間が大気圧下にあるといえども、気象状態の変化、測定場所の違いに伴う大気圧の変動に基づき、試料膜の一方側区画空間と他方側区画空間との間で差圧が変化するおそれがあるが、それについても、測定開始時の差圧を基準とした差圧変化率として捉えられることになり、経時的に他方側区画空間の圧力が上昇する場合だけでなく、大気圧変動が生じる場合においても、測定開始時差圧を維持した状態の下でガス透過度測定を行う場合に相当する補正圧力を得ることができる。この結果、大気が変動する場合においても、単位時間当たりの他方側空間の圧力変化(勾配)を、時間の経過にかかわらず試料膜に応じた勾配をもって一定となる傾向を強めさせて、直線性を高めさせることができる。これにより、この場合においても、前述の(1)同様、ガス透過度を、精度を高めた状態で得ることができる。
(3)前記(2)の構成の下で、
前記一方側区画空間に、測定ガスとして水蒸気を含むものを供給する構成とされている。
この構成によれば、測定ガスとして加湿ガスを用いる場合においても、ガス透過度を、精度を高めた状態で得ることができる。
前記第2の目的を達成するために、(4)~(8)の構成とされている。
(4)試料膜を挟持するための一対のセルが備えられ、該一対のセルのうちの一方のセルと前記試料膜との間に、測定ガスが供給された状態とされる一方側区画空間が形成され、前記一対のセルのうちの他方のセルと前記試料膜との間に、圧力が前記一方側区画空間の圧力よりも低下された他方側区画空間が形成され、前記他方側区画空間に対して該他方側区画空間の圧力を所定測定時間毎に検出する低圧側圧力センサが関連付けられているガス透過度測定装置において、
前記一方側区画空間の圧力を検出する高圧側圧力センサと、
前記高圧側圧力センサからの検出情報と前記低圧側圧力センサからの検出情報とに基づき、測定開始時点及び各測定時点について、前記一方側区画空間の圧力と前記他方側区画空間の圧力との間の差圧をそれぞれ演算し、その演算情報に基づき、各測定時点における測定時差圧に対する測定開始時差圧の割合を演算し、前記各測定時点における測定圧力と該各測定時点の一つ前における測定時点の測定圧力との差分を演算し、しかも、前記割合と前記差分とを乗じた値を、補正量として演算する補正量演算部と、
前記低圧側圧力センサが検出した各測定時点における測定圧力の補正圧力を、ガス透過度の算出に用いるものとして、該各測定時点の一つ前における測定時点の補正圧力に、前記補正量演算部が演算した該各測定時点における補正量を加算することにより求める補正圧力演算部と、
が備えられている構成とされている。
この構成によれば、前述の(1)の使用方法を使用する具体的装置を提供できる。
(5)前記(4)の構成の下で、
前記一方のセルに、前記一方側区画空間と大気とを連通させる連通孔が形成されている
構成とされている。
この構成によれば、前述の(2)の使用方法を使用する具体的装置を提供できる。
(6)前記(5)の構成の下で、
前記一方のセルにおける前記一方側区画空間に対して、前記測定ガスを供給するためのガス供給路が連なり、
前記ガス供給路内に、その途中において、該ガス供給路を拡張することにより拡張空間が形成されている構成とされている。
この構成によれば、拡張空間を含むガス供給路を、ガスが流れる通路として利用できるだけでなく、その拡張空間をもって水槽を形成し、その水槽内に水を溜めてその水面上をガスが通過するようにすることにより、供給ガスを加湿ガスとすることもできる。このため、ガス供給路を多目的に利用できる。
(7)前記(6)の構成の下で、
前記拡張空間が、前記測定ガスの流れを確保した状態で水を溜める水槽を構成している構成とされている。
この構成によれば、ガス供給路にガスを流すことにより、加湿ガスを一方のセルにおける一方側区画空間に供給できることになり、ガス供給路を有効に利用できる。
(8)前記(7)の構成の下で、
前記拡張空間が、前記一対のセルのいずれかに内蔵されている構成とされている。
この構成によれば、ガス供給路に拡張空間が形成されているとしても、その拡張空間を一対のセルのいずれかの内部空間を有効に利用して内蔵することができ、当該ガス透過度装置を極力、小型化することができる。
本発明によれば、試料膜を基準として一方側における一方側区画空間と試料膜を基準として他方側における他方側区画空間との間の差圧が時間の経過に伴い変化する場合であっても、ガス透過度の精度を高めることができるガス透過度測定方法及びその使用方法を使用するガス透過度測定装置を提供できる。
実施形態に係るガス透過度測定装置を示す斜視図。 実施形態に係るガス透過度測定装置の構造を簡略的に示す説明図。 実施形態に係る上側セルと下側セルの下でのガス透過度の測定を簡略的に説明する説明図。 実施形態に係る演算処理装置における演算制御部の機能構造を概念的に示す図。 一定差圧の下でガス透過度測定が行われる場合(補正後)の単位時間当たりの圧力変化と、差圧変化が生じる状況下でガス透過度測定が行われる場合(補正前)の位時間当たりの圧力変化とを説明する説明図。 一定差圧の下でガス透過度測定が行われる場合(補正後)の単位時間当たりの圧力変化の経時変化と、差圧変化が生じる状況下でガス透過度測定が行われる場合(補正前)の位時間当たりの圧力変化の経時変化を説明する説明図。 差圧変化が生じる状況下でガス透過度測定が行われる場合(補正前)の単位時間当たりの圧力変化と、一定差圧の下でガス透過度測定が行われる場合(補正後)の単位時間当たりの圧力変化との関係を説明する説明図。 図7の拡大説明図。
以下、本発明の実施形態を説明するに当たり、ガス透過度測定方法の説明に先立ち、その方法が使用されるガス透過度測定装置について説明する。
図1において、符号1は、ガス透過度測定方法が使用されるガス透過度測定装置を示す。このガス透過度測定装置1は、試料膜5を挟持するための一方のセルとしての上側セル2と、他方のセルとしての下側セル3とを備えている。上側セル2は、下側セル3に対して起倒伏可能に支持されており、下側セル3に対して上側セル2が倒伏したきには、下側セル3の支持面3aと上側セル2の押圧面2aとが合わさり、その上側セル2と下側セル3とによりチャンバー4が形成される。
前記ガス透過度測定装置1は、簡略的には、図2、図3をもって示すことができる。前記下側セル3の支持面3aは、ガス透過度を測定すべき試料膜5を載置すべき面とされており、その下側セル3の支持面3aに試料膜5が載置された状態で、上側セル2が下側セル3に対して倒伏されたときには、下側セル3と上側セル2とは試料膜5を挟持することになる(図2、図3に示す状態)。この上側セル2の押圧面2a及び下側セル3の支持面3aには、凹所6,7が形成されており、上側セル2と下側セル3とが試料膜5を挟持しているときには、凹所6は、その開口が試料膜5により塞がれることにより一方側区画空間(以下、凹所6と同符号を用いる)を形成し、凹所7は、その開口が試料膜5により塞がれることにより他方側区画空間(以下、凹所7と同符号を用いる)を形成する。この上側セル2の凹所6周壁にはシールリング8が設けられ、下側セル3の凹所7内には濾紙9が収納されている。これにより、上側セル2が下側セル3に対して倒伏されたときには、上側セル2におけるシールリング8が、濾紙9が凹所7内に収納された支持面3a上に配置された試料膜5をその下側セル3の支持面3aに押し付けることになり、下側セル3の支持面3aと上側セル2の押圧面2aとの間において、シールリング8の径方向内方側は、径方向外方側に対して気密性が確保されることになる。尚、図1においては、符号10は、面積が小さい試料膜5を測定すべく、前記シールリング8よりも小さい径のシールリングを取付けるために、上側セル2の押圧面2aに形成される環状溝10である。符号53は、上側セル2が下側セル3に対して倒伏されたとき、上側セル2が下側セル3に対して押し付けられた状態を保持するための保持具である。
前記上側セル2の一方側区画空間6には、図2、図3に示すように、ガス供給路12と大気連通孔13とが開口されている。ガス供給路12は、外部から測定ガスを上側セル2の一方側区画空間6に供給する役割を有しおり、そのガス供給路12は、上側セル2内部においては、その内部に形成される加工孔14(簡略的に図示)をもって構成されている。大気連通孔13は、上側セル2の一方側区画空間6と大気とを連通させる役割を有しており、測定ガスが上側セル2の一方側区画空間6に供給された状態になっていても、大気連通孔13が余剰な測定ガスを排出することになり、上側セル2の一方側区画空間6は、大気圧に維持される。また、この大気連通孔13には、湿度センサ50が臨んでおり、その湿度センサ50により大気圧下での一方側区画空間6内の相対湿度が検出される。
前記下側セル3の他方側区画空間7には、図2、図3に示すように、通路15が開口されている。通路15は、ガス透過度の測定を行うに当たり、下側セル3の他方側区画空間7内を所定減圧状態(所定真空状態)とするために真空引きする真空引き用通路としての役割を有すると共に、ガス透過度の測定中に、下側セル3における他方側区画空間7の圧力を検出するための圧力導出通路としての役割を有している。このため、通路15には、図3に示すように、バルブ16を介して真空ポンプ17が関連付けられていると共に、下側セル3における他方側区画空間7の圧力を検出する低圧側圧力センサ18が関連付けら
れている。
前記上側セル2及び前記下側セル3には、図2に示すように、それらを常に一定温度にすべく、温度調整媒体としての一定温度の循環水が満たされた温度調整循環通路(循環路)20が組み込まれている。温度調整循環通路20は、上側セル2内部に形成される内部循環空間21と、下側セル3内部に形成される内部循環空間22と、それらを、循環路として連通させる接続管(可撓性接続ホース)23,24とにより構成されている。その接続管23,24のうちの一つである接続管23(図1参照)には、図示を略す循環ポンプ、循環水の温度を一定にするための温度調整装置が介装されており、その循環ポンプにより、循環水は、図2の矢印に示すように、温度調整循環通路20を循環することになる。
前記ガス供給路12は、図2に示すように、図示を略すガス源から、前記下側セル3内、前記接続管24内を経由した上で、前記上側セル2における加工孔14(一方側区画空間6)に連なっている。
より具体的には、ガス供給路12は、図1に示すように、図示を略すガス源から下側セル3までは接続管31もって構成されている。その接続管31は、下側セル3に接続されており、この接続管31には、図示を略すガス源から所定の乾き度のガスが供給され、そのガスの流量は、接続管31に介装された流量調整弁33により調整できることになっている。この場合、ガス源から供給されるガスとしては、空気、酸素、窒素等、種々のものを用いることができる。
ガス供給路12は、下側セル3内では、図2に示すように、ガス供給路12を拡張することにより、水Wを溜める水槽34を形成している。この水槽34は、外部から水の補給を可能とすべく、下側セル3の上面から外部に開口するように形成され、その水槽34の開口は蓋体35により覆われている。この下側セル3内部には、前記接続管31に連なる加工孔36(簡略的に図示)が形成されており、その加工孔36は、水槽34内に、その水槽34内の水面Wsよりも高い位置において開口されて、図示を略すガス源からのガスは水槽34の水面Wa上に供給されることになっている。また、下側セル3内部には、加工孔38(簡略的に図示)が形成されており、その加工孔38の一端開口は、水槽34内に、その水槽34内の水面Wsよりも高い位置において開口されている。これにより、図示を略すガス源から供給されるガスは、水槽33の水面上を通過することにより、加湿され、それが、加工孔38に供給される。このとき、ガスは所定の乾き度とされていることから、流量調整弁33によりガスの流量を調整するだけで、ガスの加湿度(相対湿度)を調整できることになる。この結果、湿度センサ50の検出結果に基づき手動又は自動をもって流量調整弁33の流量を調整することにより、測定ガスの加湿度(相対湿度)を所望のものにできることになる。
この場合、前記接続管24内は、下側セル3の内部循環空間22と連なっており、その循環水は、接続管24内に導かれることになっている。
前記ガス供給路12は、下側セル3から上側セル2までにおいては、図2に示すように、接続管41もって構成されている。その接続管41の一端側が下側セル3の加工孔38に連なっている一方、その接続管41の一端部よりも他端側は、前記接続管24内に環状空間42が形成されるようにした状態で収納されている。これにより、下側セル3における内部循環空間22における所定温度の循環水は、接続管24内の環状空間42を下側セル3から上側セル2に流れて、上側セル2及び下側セル3を一定温度にするだけでなく、接続管41内を下側セル3から上側セル2内に向けて流れる加湿測定ガスの加湿度状態が、外部温度の影響を受けて変化することを抑制する。
上記接続管41の他端部は、図2に示すように、前記接続管24よりも延出されて、上側セル2の前記加工孔14に連なっている。これにより、測定ガスとしての加湿ガスは、その加工孔14から上側セル2における一方側区画空間6に供給されることになる。
ガス透過度測定装置1は、図3に示すように、試料膜5に対するガス透過度GTRを算出するべく、演算処理装置51を備えている。このため、演算処理装置51には、前記低圧側圧力センサ18からの圧力情報、前記高圧側圧力センサ55からの大気圧情報が入力される。この演算処理装置51には、コンピュータとしての機能を確保すべく、記憶部51Aと、演算制御部51Bと、ディスプレイ等の表示部51Cとが備えられている。記憶部51Aは、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶素子をもって構成され、その記憶部51Aには、必要な情報として、ガス透過度GTRを求める下記(数1)式、(数2)式、その(数1)(数2)式において用いられる定数、固定値等が格納されている。
(数1)
GTR=V×(1/R)×(1/A)×(1/T)×(1/Pdo)×(dPp/dt)
ここで、GTR:ガス透過度[mol/(m2・S・Pa)]
V:下側セル3のセル容積[m3
R:気体定数[m3・Pa/(K・mol)]
A:透過面積(m2
T:試験温度[K]
Pdo:測定開始時の差圧[Pa](Pdo=Pho-Pto)
Ph:測定時点の大気圧[Pa]
Pto:下側セル3内における測定開始時圧力[Pa]
Pho:測定開始時の大気圧[Pa]
Pp:下側セル3内における測定圧力の補正圧力[Pa]
dPp/dt:単位時間当たりの補正圧力変化[Pa/s]
(数2)
Ppn=Ppn-1+1/(1-α)×(Ptn-Ptn-1)
=Ppn-1+(Pdo/Pd)×(Ptn-Ptn-1)
ここで、n=1,2,3・・・・(サンプリング回数)
Pp:下側セル3内における測定圧力の補正圧力[Pa]
Pt:下側セル3内における測定圧力[Pa]
Ph:測定時点の大気圧[Pa]
Pto:下側セル3内における測定開始時圧力[Pa]
Pho:測定開始時の大気圧[Pa]
Pd:測定時点の差圧(Pd=Ph-Pt)
Pdo:測定開始時の差圧(Pdo=Pho-Pto)
α:差圧変化率(α=(Pdo-Pd)/Pdo)
また、必要なプログラムとしては、補正量演算(差圧演算(Pd=Ph-Pt、Pdo=Pho-Pto)、割合演算(Pdo/Pd)、差分演算(Ptn-Ptn-1)、補正量算出(Pdo/Pd)×(Ptn-Ptn-1))、補正圧力演算(Ppn=Ppn-1+(Pdo/Pd)×(Ptn-Ptn-1))、勾配演算(単位時間当たりの補正圧力変化演算:dPp/dt)、ガス透過度演算(GTR)等に関するものが記憶部51Aに格納されている。
演算制御部51Bは、CPU(Central Processing Unit)をもって構成されており、演算制御部51Bは、記憶部51Aから読み出されたプログラムに基づき、図4に示すよう
に、補正量演算部61と、補正圧力演算部62と、勾配演算部63と、ガス透過度演算部64等として機能し、補正量演算部61は、さらには、差圧演算部61A、割合演算部61B、差分演算部61C、補正量算出部61Dとしての役割を果たす。
演算処理装置51は、ガス透過度GTRの精度を高めるため、下側セル3における他方側区画空間7の圧力(以下、下側セル内圧力)Ptの補正処理を行った上で、ガス透過度GTRを算出する。この演算処理装置51の処理には、実施形態に係るガス透過度測定方法が反映されており、その演算処理装置51の処理については、ガス透過度測定方法と共に、具体的に説明する。
ガス透過度GTRの算出には、一般的な規格計算式として、下記(数3)式が用いられる。その(数3)式を用いるに当たっては、(数3)式中のdP/dt(単位時間当たりの下側セル3内圧力)変化(Pa/s))については、経過時間に対する下側セル3内圧力を測定して(ガス透過曲線の作成)、そのガス透過の定常状態を示す直線部分の傾き(勾配)を得ることにより求められ、それを(数3)式に代入することによりガス透過度GTRが導き出される。
(数3)
GTR=V×(1/R)×(1/A)×(1/T)×(1/Pd)×(dP/dt)
ここで、GTR:ガス透過度[mol/(m2・S・Pa)]
V:下側セル3のセル容積[m3
R:気体定数[m3・Pa/(K・mol)]
A:透過面積(m2
T:試験温度[K]
Pd:測定時点の差圧(高圧側圧力Ph-低圧側圧力Pt)
dP/dt:単位時間当たりの圧力変化[Pa/s]
しかし、経過時間に対する下側セル3内圧力を測定(ガス透過曲線の作成)した場合、時間の経過に伴い、下側セル3内圧力が上昇する結果、大気圧Phと下側セル3内との差圧Pd=Ph-Ptが減少する。このため、下側セル3内圧力は、時間の経過に伴い、図5(補正前参照)に示すように、個々の状況に応じて徐々に飽和値(圧力)に近づき、また、単位時間当たりの下側セル3内圧力変化dP/dt(勾配)の経時的な変化は、図6(補正前参照)に示すように、単調に減少する傾向となる。この結果、測定開始時の差圧が同一であることを条件とすると、ガス透過度測定において、経時的に差圧減少を生じる場合のdP/dt(勾配)は、差圧Pdが一定値である場合のdP/dt(勾配)よりも小さい傾向を示し、さらには直線性も低下することとなり、その特定が容易でないばかりか、仮にその特定を行ったとしても、その特定により得られるdP/dt(勾配)は、精度が高いものとは言えない。また、上側セル2内圧力である大気圧Phは、気候変動、測定場所の違い等により変動し、差圧Pd=Ph-Ptに変動を与えることになり(図7、図8参照)、単位時間当たりの下側セル3内圧力変化dP/dt(勾配)は、その大気圧の変動に応じた影響をも受けることにもなる。このため、そのことも、そのdP/dt(勾配)の特定の容易性、その特定により得られるdP/dt(勾配)の精度を低める。尚、図5~図8では、理解を容易にするため誇張表示がなされている。さらには、(数3)式に用いられるPdは測定時点の差圧(変動値)であり、このPdを用いて(数3)式の下でガス透過度GTRを算出することは、演算処理装置の負担を高める。
このため、本実施形態においては、演算処理装置51は、経過時間に対する下側セル3内圧力Ptを補正して経過時間に対する補正圧力Ppを求め(ガス透過直線の作成)、その直線部分の傾き(勾配)から、dPp/dtを得ることとしている。後述するように、dPp/dtとして的確なものを容易且つ精度良く導き出すことができるからである。
演算処理装置51は、上記下側セル3内圧力Ptを補正するに当たっては、下側セル3の圧力上昇の勾配値(傾き値)が差圧Pdに比例(ガス透過度が差圧に比例)することに着目し、補正後の下側セル3内圧力の上昇勾配値を、その下側セル3の圧力上昇の勾配値に差圧変化の変化率分(減少率分)の補正(加算)を行ったものとしている。すなわち、図7に示すように、経過時間に対する下側セル3内圧力Pt(特性線)に対して、真の圧力(補正圧力)Pp(特性線)が存在するとすれば、下側セル3内圧力Ptの圧力勾配dPt/dtが、真の圧力Ppの圧力勾配dPp/dtよりもその差圧変化の変化率α分(α×dPp/dt)だけ小さくなると考えられることから、dPp/dt=dPt/dt+α×dPp/dtの関係が成り立つ。これを整理すれば、下記(数4)式となる。
(数4)
dPp/dt=(1/(1-α))×dPt/dt
他方、真の圧力Ppについては、n回目のサンプリングタイム時とn-1回目のサンプリングタイム時とでは、微分量を使って下記(数5)をもって示すことができる。
(数5)
Ppn=Ppn-1+(dPp/dt)×dt
この(数5)式に(数4)式を代入すれば、下記(数6)式の関係を得る。
(数6)
Ppn=Ppn-1+(dPp/dt)×dt
=Ppn-1+(1/(1-α))×(dPt/dt)×dt
=Ppn-1+(1/(1-α))×(Ptn-Ptn-1)
=Ppn-1+(Pdo/Pd)×(Ptn-Ptn-1)
上記(数6)式から、測定時点tnにおける下側セル3内圧力Ptの補正圧力(真の圧力)Ppnは、1つ前の測定時点tn-1における補正圧力Ppn-1に補正量を加算したものとなり、その補正量としては、測定時点tnの下側セル3内圧力Ptnと測定時点tn-1の下側セル3内圧力Ptn-1との差分Ptn-Ptn-1に、測定開始時点と各測定時点との割合Pdo/Pdを乗じたもの(Pdo/Pd)×(Ptn-Ptn-1)となる。この場合、Pdとしては、tn時とtn-1時との平均値を利用することができる。すなわち、tn時のPdをPdnとすれば、Pdn=[(Phn-Ptn)+(Phn-1-Ptn-1)]/2である。
以上の内容から、演算処理装置51は、高圧側圧力センサ55及び低圧側圧力センサ18から圧力情報が入力されると、補正量演算部61が、その各要素61A~61D(図4参照)により上記内容の処理を行うことにより補正量を導き出す。すなわち、各測定時点において、差圧演算部61Aが、測定開始時点及び各測定時点について、差圧Pd=Ph-Pt、Pdo=Pho-Ptoをそれぞれ演算し、割合演算部61Bは、各測定時点において、差圧演算部61Aからの情報に基づき、各測定時点における割合Pdo/Pdを演算する。差分演算部61Cは、各測定時点において、その各測定時点のPtnとその各測定時点の一つ前における測定時点のPtn-1との差分Ptn-Ptn-1を演算し、補正量算出部61Dは、各測定時点の割合Pdo/Pdと各測定時点の差分Ptn-Ptn-1とを乗じた値(Pdo/Pd)×(Ptn-Ptn-1)を、補正量として算出する。また、補正圧力演算部62は、各測定時点の下側セル3内圧力Ptnの補正圧力Ppnとして、各測定時点の一つ前における測定時点の補正圧力Ppn-1に各測定時点における補正量(Pdo/Pd)×(Ptn-Ptn-1)を加算するものを演算する。具体的には、t0のときには補正圧力Pp0=Pt0、t1のときには補正圧力Pp1=Pp0+(Pd0/Pd)×(Pt1-Pt0)、t2のときには補正圧力Pp2=Pp1+(Pd0/Pd)×(Pt2-Pt1)等となる。
次いで、演算処理装置51は、その勾配演算部63が、補正圧力演算部62が演算した
各測定時点の補正圧力Ppを用いて単位時間当たりの補正圧力変化(勾配dPp/dt)を演算し、ガス透過度演算部64は、その勾配演算部63が演算した単位時間当たりの補正圧力変化dPp/dtと、前述の(数1)式とから、試料膜5に対するガス透過度GTRを演算する。
このとき、単位時間当たりの補正圧力変化(勾配dPp/dt)を演算するに当たり、補正圧力演算部62が演算した補正圧力Ppが用いられ、そのPpを求めることが、差圧減少に伴う下側セル3内の圧力勾配(dPt/dt)の減少を解消することにあることから、その勾配減少分として、測定開始時差圧Pdoを基準とした差圧変化率(α=(Pdo-Pd)/Pdo)を、測定開始時差圧が維持される場合の傾きdPp/dtに乗じたものが認識され、それが、前述の通り、(数4)式を導くために利用されている。このため、上側セル2と下側セル3との間の差圧変化として、下側セル3内の圧力上昇に基づく場合、大気圧変動に基づく場合のいずれの差圧変化が生じても(図7、図8参照)、それらのいずれについても、測定開始時の差圧Pdoを基準とした差圧変化の変化率として捉えることができ、測定開始時差圧Pdoを維持した状態の下でガス透過度測定を行う場合に相当する補正圧力Ppを得ることができる。この結果、測定開始時差圧Pdoの下での試料膜5に応じた勾配dPp/dtは、時間の経過にかかわらず一定であることを維持して、高い直線性を示すことになり、勾配演算部63は、(数1)式で用いるdPp/dtとして的確なものを容易且つ精度良く導き出すことになる。
また、ガス透過度演算部64は、ガス透過度測定として測定開始時差圧Pdoを維持したものに相当する場合のdPp/dtを(数1)式で用いると共に、その(数1)式において、測定開始時差圧Pdoを用いることにより単位差圧当たりの値を求めることになり、(数1)式に適合した用い方(測定開始時差圧Pdoの下での相当値(単位時間当たりの補正圧力dPp/dt)を測定開始時差圧Pdoで除算)が行われることになる。このため、ガス透過度GTRとして精度の高い値のものを算出できる。しかもこの場合、単位差圧当たりの値を求めるために、測定開始時差圧Pdo(一定値)が用いられることになり、演算処理装置51の処理負担は軽減されることになる。
このようなガス透過度測定装置1は、次のような順序に従って測定を行う。先ず、図3に示すように、上側セル2と下側セル3とにより試料膜5を挟持した上で、下側セル3における他方側区画空間7が、真空ポンプ17により大気圧よりも低い所定の減圧状態(所定の真空状態)とされる。次いで、ガス源から所定の乾き度のガスの供給が開始され、そのガスの流量を流量調整弁33をもって調整することにより水槽34上でガスの加湿度が調整される。このとき、加湿ガスは連続的に上側セル2における一方側区画空間6に供給されるが、その供給された分だけの加湿ガスが大気連通孔13から排出されることになり、一方側区画空間6内には、大気圧の下で、流量調整弁33により調整された加湿度状態の測定ガスが存在する状態となる。
下側セル3における他方側区画空間7の減圧状態が所定の状態となり、流量調整弁33によってガスの加湿度が所望の相対湿度となると、バルブ16が閉じられ、試料膜5に対するガス透過度の測定が開始される。ガス透過度の測定に際しては、所定測定タイミング毎に、低圧側圧力センサ18が、下側セル3における他方側区画空間7の圧力を測定圧力として検出し、高圧側圧力センサ55が上側セル2における一方側区画空間6の圧力(大気圧)を検出する。この両圧力検出情報は、演算処理装置51に入力され、演算処理装置51は、それらに基づき、単位時間当たりの透過圧力変化(勾配:dP/dt)を求め、その単位時間当たりの透過圧力変化に基づき、ガス透過度GTRを求める。
この場合、演算処理装置51は、単位時間当たりの透過圧力変化(勾配:dP/dt)を求めるに際して、各測定時点の透過圧力として、各測定時点の測定圧力Ptに対する補正処理によって得られる補正圧力Ppを用い、その補正圧力Ppを求めるために、測定開始時の差圧Pdoを基準とした各測定時における差圧変化Pdo-Pdの変化率(Pdo-Pd)/Pdoを用いることにより、各測定時点の測定圧力Ptを、測定開始時の差圧Pdo下での値Ppに補正する。これにより、前述したように、単位時間当たりの透過圧力変化として、特定が容易で精度が高い単位時間当たりの補正圧力変化dPp/dtを用いることができ、さらには、それに測定開始時差圧Pdoを用いて、単位差圧当たりの値を的確なものにすることができることになり、ガス透過度GTRは、精度の高いものとなる。
ガス透過度の測定が所定時間行われると、ガス源からのガスの供給が停止され、バルブ16等が開かれて、真空ポンプ17により残留ガスの排気が行われる。この排気により、ガス透過度測定装置1において残留ガスがなくなると、ガス透過度測定の終了となる。
したがって、本実施形態においては、下側セル3内の圧力上昇に伴う上側セル2内圧力と下側セル3内圧力との経時的な差圧減少を考慮して、各測定時点の下側セル内圧力Ptを、測定開始時の差圧下での値Ppに補正することから、単位時間当たりの補正圧力変化dPp/dt(勾配)の特定を容易且つ精度よく行うことができ、しかも、この単位時間当たりの補正圧力変化dPt/dtに測定開始時の差圧Pdoを用いて単位差圧当たりの値を算出することができることになり、ガス透過度GTRを、精度を高めた値にできる。
また、大気圧の変動についても、下側セル3内の圧力Pt上昇の場合同様、測定開始時差圧Pdoを基準とした差圧Pd変化の変化率として捉えることができ、上側セルの一方側区画空間6が大気に開口している構造のものでも、ガス透過度GTRを、精度を高めた値にできる。
さらには、このようなガス透過度測定装置1においては、一方側区画空間6の圧力が大気圧とされて、他方側区画空間7の圧力調整を行うだけで測定開始時の差圧調整を行うこととしていることから、真空ポンプ17から上側セル2における一方側区画空間6に対して真空引き用の配管を設ける必要がなくなる。また、水槽34が下側セル3の内部に収納されることから、その下側セル3の内部空間を有効に利用することができる。これにより、ガス透過度測定装置1を極力、小型化することができる。しかもこの場合、水槽34は、起倒伏する上側セル2内ではなく、起倒伏させない下側セル3内に内蔵させることから、上側セル2の起倒伏動に伴う水槽34内の水の揺れ等を考慮する必要がなくなり、ガス透過度測定に支障を与えることを防止できる。さらには、他方側区画空間7の圧力調整(真空引き)を行うだけで測定開始時の差圧調整を行うことができ、ガス透過度測定前の準備時間の短縮を図ることができる。
さらにまた、下側セル3に加湿装置としての水槽34が内蔵されるとしても、接続管41(ガス供給路12)が、少なくとも、水槽34から上側セル2までの間において接続管24内に、該接続管24と接続管41との間に環状空間42を形成するようにしつつ収納されことになり、下側セル3から上側セル2における一方側区画空間6に測定ガスを供給するに当たり、外部温度によりその湿度状態が変化することを、接続管24内の環状空間42を流れる循環水により抑制できることになる。このため、所望の加湿状態(相対湿度)にある測定ガスの透過度を的確に測定することができる。
以上実施形態について説明したが本発明にあっては次の態様を包含する。
(1)測定ガスとして加湿ガスを生成しない場合には、拡張空間である水槽34内を、水を溜めずに空間のままの状態とすること。
(2)拡張空間である水槽34を上側セル2の内部に内蔵すること。
(3)ガスには、乾燥ガスだけでなく、水蒸気ガス、水蒸気を含む窒素ガス、酸素ガス等の加湿ガスを含むこと。
本発明は、試料膜5を基準として一方側における一方側区画空間6と試料膜5を基準として他方側における他方側区画空間7との間の差圧Pdが時間の経過に伴い変化する場合であっても、ガス透過度GTRの精度を高めることに利用できる。
1 ガス透過度測定装置
2 上側セル(一方のセル)
3 下側セル(他方のセル)
5 試料膜
6 一方側区画空間
7 他方側区画空間
12 ガス供給路
13 大気連通孔
18 低圧側圧力センサ
34 水槽(拡張空間)
55 高圧側圧力センサ
Pp 補正圧力
Ph 上側セル内圧力(一方側区画空間の圧力)
Pt 下側セル内圧力(他方側区画空間の圧力、測定圧力)
Pdo 測定開始時の差圧
Pd 測定時の差圧
(Pdo-Pd)/Pdo 測定開始時の差圧を基準とした各測定時の差圧変化の変化率
Pdo/Pd 各測定時点の差圧に対する測定開始時差圧の割合
Ptn-Ptn-1 各測定時点における測定圧力と該各測定時点の一つ前における測定時点の測定圧力との差分

Claims (8)

  1. 試料膜を基準として該試料膜の一方側に、測定ガスが供給された状態とされた一方側区画空間を確保し、前記試料膜の他方側に、前記一方側区画空間の圧力よりも低い圧力状態とされた他方側区画空間を確保し、その上で、前記他方側区画空間の圧力を所定測定時間毎に測定し、その各測定時点毎の測定圧力を用いることにより、ガス透過度の算出に用いる単位時間当たりの透過圧力の変化を求めるガス透過度測定方法において、
    前記各測定時点の透過圧力として、該各測定時点の測定圧力に対する補正処理によって得られる補正圧力を用い、
    前記補正圧力を得るための補正処理として、前記一方側区画空間の圧力と前記他方側区画空間の圧力との差圧を検出し、測定開始時の差圧を基準とした各測定時の差圧変化の変化率を用いることにより、該各測定時点の測定圧力を、該測定開始時の差圧下での値に補正し、
    前記各測定時点の測定圧力を、該測定開始時の差圧下での値に補正するに当たっては、前記各測定時点毎の補正圧力として、各測定時点毎に、該各測定時点の一つ前における測定時点の補正圧力に補正量を加算したものを用い、
    前記各測定時点毎の補正量として、前記各測定時点の差圧に対する測定開始時差圧の割合を、前記各測定時点における測定圧力と該各測定時点の一つ前における測定時点の測定圧力との差分に乗じたものを用いる、
    ことを特徴とするガス透過度測定方法。
  2. 請求項1において、
    前記一方側区画空間が大気に開放されている、
    ことを特徴とするガス透過度測定方法。
  3. 請求項2において、
    前記一方側区画空間に、測定ガスとして水蒸気を含むものを供給する、
    ことを特徴とするガス透過度測定方法。
  4. 試料膜を挟持するための一対のセルが備えられ、該一対のセルのうちの一方のセルと前記試料膜との間に、測定ガスが供給された状態とされる一方側区画空間が形成され、前記一対のセルのうちの他方のセルと前記試料膜との間に、圧力が前記一方側区画空間の圧力よりも低下された他方側区画空間が形成され、前記他方側区画空間に対して該他方側区画空間の圧力を所定測定時間毎に検出する低圧側圧力センサが関連付けられているガス透過度測定装置において、
    前記一方側区画空間の圧力を検出する高圧側圧力センサと、
    前記高圧側圧力センサからの検出情報と前記低圧側圧力センサからの検出情報とに基づき、測定開始時点及び各測定時点について、前記一方側区画空間の圧力と前記他方側区画空間の圧力との間の差圧をそれぞれ演算し、その演算情報に基づき、各測定時点における測定時差圧に対する測定開始時差圧の割合を演算し、前記各測定時点における測定圧力と該各測定時点の一つ前における測定時点の測定圧力との差分を演算し、しかも、前記割合と前記差分とを乗じた値を、補正量として演算する補正量演算部と、
    前記低圧側圧力センサが検出した各測定時点における測定圧力の補正圧力を、ガス透過度の算出に用いるものとして、該各測定時点の一つ前における測定時点の補正圧力に、前記補正量演算部が演算した該各測定時点における補正量を加算することにより求める補正圧力演算部と、
    が備えられている、
    ことを特徴とするガス透過度測定装置。
  5. 請求項4において、
    前記一方のセルに、前記一方側区画空間と大気とを連通させる連通孔が形成されている、
    ことを特徴とするガス透過度測定装置。
  6. 請求項5において、
    前記一方のセルにおける前記一方側区画空間に対して、前記測定ガスを供給するためのガス供給路が連なり、
    前記ガス供給路内に、その途中において、該ガス供給路を拡張することにより拡張空間が形成されている、
    ことを特徴とするガス透過度測定装置。
  7. 請求項6において、
    前記拡張空間が、前記測定ガスの流れを確保した状態で水を溜める水槽を構成している、
    ことを特徴とするガス透過度測定装置。
  8. 請求項7において、
    前記拡張空間が、前記一対のセルのいずれかに内蔵されている、
    ことを特徴とするガス透過度測定装置。
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