JP7310682B2 - 情報処理装置及びプログラム、情報処理方法、情報処理システム - Google Patents
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Description
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、鋳造設備90とを含む。情報処理装置10および鋳造設備90は、ネットワークN1を介して互いに接続される。例えば、情報処理装置10は、鋳造設備90に含まれる各設備とネットワークN1を介して接続されていてもよい。また、例えば、情報処理装置10は、鋳造設備90に含まれる各設備を管理する管理装置(図示せず)と接続されていてもよい。ネットワークN1は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、モバイルデータ通信網、インターネット、又はこれらの組み合わせであってもよい。
鋳造設備90は、鋳造品の製造工程を実施する設備である。鋳造品の製造工程は、一例として、砂処理工程、造型工程、中子造型工程、注湯工程、冷却搬送工程、後処理工程を含む。後処理工程は、ブラスト工程を含む。各工程の詳細については後述する。なお、本実施形態において、鋳造品とは、製造工程が全て完了した鋳造品を示す場合と、鋳型から取り出された後、後処理工程が完了する前の鋳造品を示す場合とがある。
次に、情報処理装置10の機能的な構成について説明する。図2は、情報処理装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、コントローラ100を含む。コントローラ100は、学習フェーズ実行部110と、記憶部120と、推定フェーズ実行部130とを含む。学習フェーズ実行部110は、生成部111を含む。記憶部120は、学習用データD1および学習済モデルM1を記憶する。推定フェーズ実行部130は、入力データ取得部131と、推定部132とを含む。
次に、コントローラ100のハードウェア構成の一例について説明する。図3は、コントローラ100のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、コントローラ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、入出力インタフェース103と、通信インタフェース104とを含むコンピュータによって構成される。
図4は、情報処理システム1が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
次に、ステップS6の推定処理で用いられる学習済モデルM1を生成する生成処理(生成方法を実行する処理)について説明する。図5は、情報処理装置10が実行する生成処理の流れを説明するフローチャートである。図5に示す生成処理は、図4に示したステップS1~S7の処理が実行される前にあらかじめ実行される。
図6は、生成処理によって生成された学習済モデルM1を説明する図である。図6に示すように、学習済モデルM1は、工程前情報および環境情報を含む入力データを取得すると、ブラスト条件を示す出力データを出力する。なお、前述したように、ブラスト条件を示す出力データは、本発明における「ブラスト条件に関わる出力データ」の一例である。
ここで、工程前情報は、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる情報である。例えば、工程前情報は、ブラスト工程より前に行われる1以上の工程において得られる情報を含む。本実施形態では、ブラスト工程より前に行われる1以上の工程とは、砂処理工程、造型工程、中子造型工程、注湯工程、冷却搬送工程、および後処理工程である。この場合、工程前情報は、砂処理データ、造型データ、中子データ、注湯データ、および冷却搬送データを含む。また、例えば、工程前情報は、ブラスト工程の実行において規定された条件を含む。ブラスト工程の実行において規定された条件とは、例えば、投射材の種類を含む。
ここで、環境情報とは、鋳造品の製造工程が実施される環境を示す情報である。例えば、環境情報は、鋳造設備90が設置された空間の気温、湿度、天候の一部または全部を含む。
ブラスト条件とは、ブラスト工程を実施する際に設定される条件である。本実施形態では、ブラスト条件は、ブラスト時間、ブラスト電力、投射材の投射量、および投射材の投射速度を含む。
次に、ステップS6における推定処理の詳細について説明する。図7は、情報処理装置10が実行する推定処理(推定方法を実行する処理)の流れを説明するフローチャートである。
本実施形態に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、ブラスト工程の実行前に得られる工程前情報および製造工程が実施される環境情報を参照してブラスト条件を推定し、推定したブラスト条件を用いてブラスト工程を実施する。このため、製造工程ごとに異なり得る要因に適したブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程を効率化することができる。
本実施形態に係る情報処理システム1は、学習済モデルM1の代わりに学習済モデルM2を用いるよう変形することができる。
図8は、学習済モデルM2の入出力データを説明する図である。図6に示すように、学習済モデルM2は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を含む入力データを取得すると、ブラスト条件を示す出力データを出力する。換言すると、学習済モデルM2に入力される入力データは、学習済モデルM1に入力されるデータに加えて、凹部情報、形状情報、および表面情報を含む。なお、学習済モデルM2から出力される出力データは、学習済モデルM1から出力される出力データと同様である。
ここで、凹部情報とは、鋳造品が有する凹部を示す情報である。凹部は、鋳造品の表面に形成されたものと、鋳造品および内部空間の境界をなす内部面に形成されたものとを含む。内部空間は、中子の設置によって形成される空間である。なお、表面または内部面における凹部とは、所定の条件を満たす部分である。所定条件を満たす部分とは、例えば、開口および深さを有する部分であってもよい。また、所定条件を満たす部分とは、凸部の表面と、当該凸部の根元に接続する表面によって挟まれる部分であってもよい。なお、凹部は、後述する形状情報から、所定条件を満たす部分として抽出可能である。
鋳型から取り出された鋳造品における残砂量は、鋳造品の形状に応じて異なり得る。一例として、形状が複雑であるほど残砂量が多くなったり、逆に、表面積が小さいほど残砂量が少なくなったりする傾向がある。形状情報とは、鋳物の形状に関する情報である。形状情報は、例えば、形状を規定するパラメータを含んでいてもよいし、三次元形状データを含んでいてもよいし、表面積を示す情報を含んでいてもよい。形状を規定するパラメータとは、一例として、円柱の底面半径および高さ等であるが、これに限られない。三次元形状データは、鋳物のパターンデータであってもよいし、センサを用いてブラスト工程の直前の鋳物から検出されるデータであってもよい。例えば、三次元形状データは、センサとしてのカメラが生成した二次元画像の解析により得られるものであってもよい。また、例えば、三次元形状データは、三次元形状を検出する三次元形状センサにより得られるものであってもよい。
鋳型から取り出された鋳造品における残砂量は、鋳造品の性状に応じて異なり得る。一例として、鋳造品の表面が、鋳物砂が付着しにくい(砂落ちが良い)材質であるほど、残砂量が少なくなる傾向がある。表面情報とは、鋳物の表面に関する情報である。表面情報は、例えば、鋳物の表面を構成する材料を特定する情報を含んでいてもよいし、表面の特性を示す情報を含んでいてもよいし、表面の粗さを示す情報を含んでいてもよい。
本変形例では、図5に示したステップS101において、生成部111は、学習用データD1の代わりに学習用データD2を用いて、学習済モデルM2を生成する。学習用データD2は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報と、ブラスト条件とを関連付けた情報である。
本変形例では、図7に示したステップS201において、入力データ取得部131は、入力データとして、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を取得する。
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、工程前情報、環境情報に加えて、さらに鋳造品の凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部を参照してブラスト条件を推定する。このため、残砂量が異なる要因となり得る凹部情報、形状情報、表面情報に応じて、さらに適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
本実施形態に係る情報処理システム1は、推定処理を次のように変形することができる。
図9は、本変形例における推定処理を説明する模式図である。本変形例では、ステップS202において、推定部132は、学習済モデルM1を用いて推定したブラスト条件を、凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部に応じて補正する。凹部情報、形状情報、表面情報の詳細については、上述した通りである。
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、工程前情報、環境情報を参照して推定したブラスト条件を、鋳造品の凹部情報を用いて補正する。このため、残砂量が異なる要因となり得る凹部情報、形状情報、および表面情報に応じて、さらに適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
本実施形態に係る情報処理システム1は、学習済モデルM1の代わりに学習済モデルM3を用いるとともに、推定処理を後述のように変形することができる。
図10は、学習済モデルM3を用いた推定処理を説明する図である。図10に示すように、学習済モデルM3は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を含む入力データを取得すると、残砂量を示す出力データを出力する。本実施形態では、残砂量を示す出力データから、所定の演算処理により、ブラスト条件が算出可能である。なお、残砂量を示す出力データは、本発明における「ブラスト条件に関わる情報」の一例である。
本変形例では、図5に示したステップS101において、生成部111は、学習用データD1の代わりに学習用データD3を用いて、上述した学習済モデルM3を生成する。学習用データD3は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報と、残砂量を示す情報とを関連付けた情報である。
本変形例では、ステップS202において、推定部132は、学習済モデルM3を用いて推定した残砂量に基づいてブラスト条件を推定する。例えば、推定部132は、学習済モデルM3からの出力データが示す残砂量に所定の演算処理を施すことにより、ブラスト条件、ブラスト電力、単位時間当たりの投射量、および投射速度を算出する。
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を参照して推定した残砂量に基づいてブラスト条件を推定する。このため、推定した残砂量に応じた適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の鋳造品について同一の処理単位でブラスト工程を行う場合に、ステップS202における処理を次のように変形することができる。
本変形例では、ステップS202において、推定部132は、当該処理単位において同時にブラスト工程を実行する複数の鋳造品に関する情報を取得する。複数の鋳造品に関する情報には、例えば、個数、各鋳造品の表面積情報等がある。
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、複数の鋳造品を同時にブラスト装置951に投入する場合に、より適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
上述した本発明の実施形態において、生成部111が、学習済モデルM1を、教師あり機械学習によって生成する例について説明した。これに限らず、生成部111は、学習済モデルM1を、教師なし機械学習によって生成してもよい。例えば、ブラスト条件として、段階的なブラスト電力を推定する場合、教師なし機械学習によって学習済モデルM1を生成し、学習済モデルM1から出力されるクラスタリングの結果を、ブラスト電力の段階に関連付けることが可能である。教師なし機械学習には、例えば、GAN(Generative Adversarial Network)等のディープラーニングソフト(アルゴリズム)が適用可能である。なお、学習済モデルM1は、教師あり学習、教師なし学習に限らず、半教師あり学習等によって機械学習されてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 情報処理装置
90 鋳造設備
91 造型設備
92 中子造型設備
93 注湯設備
94 冷却搬送設備
95 後処理設備
951 ブラスト装置
96 砂処理設備
100 コントローラ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 入出力インタフェース
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
110 学習フェーズ実行部
111 生成部
120 記憶部
130 推定フェーズ実行部
131 入力データ取得部
132 推定部
Claims (12)
- コントローラを備え、
前記コントローラは、
鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記ブラスト条件を推定する推定処理、を実行し、
前記工程前情報は、前記製造工程に含まれる複数の工程のうち前記ブラスト工程より前に実行される工程に関する情報である、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 前記ブラスト条件は、前記ブラスト工程を継続するブラスト時間、前記ブラスト工程において供給するブラスト電力、前記ブラスト工程において用いられる投射材の量、および前記投射材の投射速度の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記入力データは、前記工程前情報に加えて、前記製造工程が実施される環境を示す環境情報をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。 - 前記コントローラは、前記推定処理において、前記学習済モデルを用いて推定した前記ブラスト条件を、前記鋳造品の凹部に関する凹部情報、形状に関する形状情報、および表面に関する表面情報、の一部または全部に応じて補正する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記入力データは、前記鋳造品の前記鋳造品の凹部に関する凹部情報、形状に関する形状情報、および表面に関する表面情報の一部または全部をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記コントローラは、前記推定処理において、前記ブラスト条件に関わる出力データとして、鋳型から取り出された鋳造品における残砂量を示す出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記出力データが示す残砂量に基づいて前記ブラスト条件を推定する、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。 - 前記コントローラは、
機械学習により前記学習済モデルを生成する生成処理、
をさらに実行する、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。 - コントローラを備え、
前記コントローラは、
ブラスト条件を推定するために用いる学習済モデルであって、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出する学習済モデルを機械学習により生成する生成処理、を実行し、
前記工程前情報は、前記製造工程に含まれる複数の工程のうち前記ブラスト工程より前に実行される工程に関する情報である、
ことを特徴とする情報処理装置。 - 前記コントローラは、
前記生成処理において、前記工程前情報と、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる情報とを関連付けた学習用データを用いて、前記学習済モデルを生成する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。 - 請求項1から9の何れか1項に記載の情報処理装置を制御するプログラムであって、前記コントローラに前記各処理を実行させることを特徴とするプログラム。
- コントローラを備えた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記コントローラが、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記ブラスト条件を推定する推定工程、を含み、
前記工程前情報は、前記製造工程に含まれる複数の工程のうち前記ブラスト工程より前に実行される工程に関する情報である、
ことを特徴とする情報処理方法。 - 請求項1から9の何れか1項に記載の情報処理装置と、
前記製造工程を実施する鋳造設備と、
を含む情報処理システム。
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