JP7310682B2 - 情報処理装置及びプログラム、情報処理方法、情報処理システム - Google Patents

情報処理装置及びプログラム、情報処理方法、情報処理システム Download PDF

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Description

本発明は、鋳造品の製造工程に関連する情報を処理する技術に関する。
鋳造品の製造工程に関連する情報を処理する技術が知られている。例えば、特許文献1には、当該製造工程において用いられる押湯、堰、湯道等の寸法を決定する技術が記載されている。
特開2000-326051号公報(2000年11月28日公開)
ここで、鋳造品の製造工程においては、鋳型から取り出された鋳造品に対する後処理工程の一部としてブラスト工程が実行される。ブラスト工程は、鋳型から取り出された鋳造品に付着した残砂を取り除く工程である。ブラスト工程では、鋳造品に投射材を打ち付けて残砂を取り除くブラスト装置が用いられる。特許文献1に記載された技術では、ブラスト工程を効率化することができない。
本発明の一態様は、鋳造品の製造工程におけるブラスト工程を効率化する技術を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、コントローラを備え、前記コントローラは、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記ブラスト条件を推定する推定処理、を実行する。
ここで、鋳造品の製造工程に含まれるブラスト工程を実行するためのブラスト条件は、ブラスト工程より前の工程から得られる情報に応じて異なり得る。上記の構成によれば、当該工程前情報に応じてより適切なブラスト条件を推定できるので、ブラスト工程を効率化することができる。
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記ブラスト条件は、前記ブラスト工程を継続するブラスト時間、前記ブラスト工程において供給するブラスト電力、前記ブラスト工程において用いられる投射材の投射量、および前記投射材の投射速度の少なくとも1つを含む、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ブラスト工程を効率化するためにより適切なブラスト時間、ブラスト電力、投射量、および投射速度の少なくとも1つを推定することができる。
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記入力データは、前記工程前情報に加えて、前記製造工程が実施される環境を示す環境情報をさらに含む、ことが好ましい。
ここで、鋳造品の製造工程に含まれるブラスト工程を実行するためのブラスト条件は、さらに製造工程が実施される環境に応じても異なり得る。上記の構成によれば、環境情報に応じてさらに適切なブラスト条件を推定できるので、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記推定処理において、前記学習済モデルを用いて推定した前記ブラスト条件を、前記鋳造品の凹部に関する凹部情報、形状に関する形状情報、および表面に関する表面情報、の一部または全部に応じて補正する、ことが好ましい。
ここで、凹部情報、形状情報、または表面情報に応じてもブラスト条件は異なり得る。上記の構成によれば、これらの情報に応じてさらに適切なブラスト条件を推定できるので、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記入力データは、前記鋳造品の前記鋳造品の凹部に関する凹部情報、形状に関する形状情報、および表面に関する表面情報の一部または全部をさらに含む、ことが好ましい。
ここで、凹部情報、形状情報または表面情報に応じてもブラスト条件は異なり得る。そのため、上記の構成によれば、凹部情報、形状情報または表面情報に応じてさらに適切なブラスト条件を推定できるので、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記推定処理において、前記ブラスト条件に関わる出力データとして、鋳型から取り出された鋳造品における残砂量を示す出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記出力データが示す残砂量に基づいて前記ブラスト条件を推定する、ことが好ましい。
ここで、残砂量に応じてもブラスト条件は異なり得る。一例として、残砂量が多ければ、ブラスト時間が多く必要となる等の可能性がある。上記の構成によれば、残砂量に応じたブラスト条件を推定できるので、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記コントローラは、機械学習により前記学習済モデルを生成する生成処理、をさらに実行する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上述した効果を奏するために用いる学習済モデルを生成することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、コントローラを備え、前記コントローラは、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出する学習済モデルを機械学習により生成する生成処理、を実行する。
上記の構成によれば、上述した効果を奏するために用いる学習済モデルを生成することができる。
本発明の一態様に係る情報処理装置において、前記コントローラは、前記生成処理において、前記工程前情報と、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる情報とを関連付けた学習用データを用いて、前記学習済モデルを生成する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上述した効果を奏するために用いる学習済モデルを、教師あり機械学習により生成することができる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、上述した情報処理装置を制御するプログラムであって、前記コントローラに前記各処理を実行させる。
上記の構成によれば、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記ブラスト条件を推定する推定工程、を含む。
上記の構成によれば、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、上述した情報処理装置と、前記製造工程を実施する鋳造設備と、を含む。
上記の構成によれば、上述した情報処理装置と同様の効果を奏する。
本発明の一態様によれば、鋳造品の製造工程におけるブラスト工程を効率化することができる。
本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る情報処理システムにおける処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る情報処理装置が学習済モデルを生成する処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態において生成される学習済モデルを説明する図である。 本発明の実施形態に係る情報処理装置がブラスト条件を推定する処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施形態の変形例1において生成される学習済モデルを説明する図である。 本発明の実施形態の変形例2における学習済モデルおよび推定処理を説明する図である。 本発明の実施形態の変形例3における学習済モデルおよび推定処理を説明する図である。
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
<情報処理装置10の構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、鋳造設備90とを含む。情報処理装置10および鋳造設備90は、ネットワークN1を介して互いに接続される。例えば、情報処理装置10は、鋳造設備90に含まれる各設備とネットワークN1を介して接続されていてもよい。また、例えば、情報処理装置10は、鋳造設備90に含まれる各設備を管理する管理装置(図示せず)と接続されていてもよい。ネットワークN1は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、モバイルデータ通信網、インターネット、又はこれらの組み合わせであってもよい。
<鋳造設備90の概要>
鋳造設備90は、鋳造品の製造工程を実施する設備である。鋳造品の製造工程は、一例として、砂処理工程、造型工程、中子造型工程、注湯工程、冷却搬送工程、後処理工程を含む。後処理工程は、ブラスト工程を含む。各工程の詳細については後述する。なお、本実施形態において、鋳造品とは、製造工程が全て完了した鋳造品を示す場合と、鋳型から取り出された後、後処理工程が完了する前の鋳造品を示す場合とがある。
また、鋳造設備90は、造型設備91と、中子造型設備92と、注湯設備93と、冷却搬送設備94と、後処理設備95と、砂処理設備96とを含む。
造型設備91は、砂処理された鋳型砂から鋳型を造型する造型工程を実施する設備である。
中子造型設備92は、鋳型内に設置する中子を造型する中子造型工程を実施する設備である。中子造型設備92は、造型設備91内に設けられる場合もあれば、造型設備91と注湯設備93との間に設けられる事もある。
注湯設備93は、溶湯を製造して鋳型内に注湯する注湯工程を実施する設備である。
冷却搬送設備94は、造型された鋳型、溶湯が鋳込まれた鋳型、鋳型をばらして取り出した鋳造品等をそれぞれ搬送したり、冷却したりする冷却搬送工程を実施する設備である。
後処理設備95は、鋳型から取り出された鋳造品に対する後処理を行う後処理工程を実施する設備である。後処理設備95は、ブラスト装置951を含む。ブラスト装置951は、鋳型から取り出された鋳造品に付着した残砂を除去するブラスト工程を実施する装置である。
ここで、ブラスト装置951には、1または複数の鋳造品を投入可能である。換言すると、ブラスト装置951は、1または複数の鋳造品に対して同時にブラスト工程を実施可能である。以降、ブラスト装置951が同時にブラスト工程を実施する1または複数の鋳造品を、処理単位とも記載する。本実施形態では、説明のわかりやすさのため、一処理単位あたりの鋳造品の個数が1である例について説明する。一処理単位あたりの鋳造品の個数が複数である例については、本実施形態の変形例として後述する。
砂処理設備96は、鋳型の造型に使用される鋳型砂を処理する設備である。
また、鋳造設備に含まれる上述した各設備は、それぞれ制御部(図示せず)を有する。各制御部は、当該設備において取得されるデータを情報処理装置10に送信する。各制御部が送信するデータは、例えば、測定値および設定値を含む。測定値は、各設備の稼働中に測定される値である。設定値は、各設備を稼働させるために設定される値である。例えば、設定値は、各工程の各設備において不良の発生を抑制するような値に設定される。
<情報処理装置10の機能的な構成>
次に、情報処理装置10の機能的な構成について説明する。図2は、情報処理装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、コントローラ100を含む。コントローラ100は、学習フェーズ実行部110と、記憶部120と、推定フェーズ実行部130とを含む。学習フェーズ実行部110は、生成部111を含む。記憶部120は、学習用データD1および学習済モデルM1を記憶する。推定フェーズ実行部130は、入力データ取得部131と、推定部132とを含む。
<コントローラ100のハードウェア構成の一例>
次に、コントローラ100のハードウェア構成の一例について説明する。図3は、コントローラ100のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、コントローラ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、入出力インタフェース103と、通信インタフェース104とを含むコンピュータによって構成される。
プロセッサ101、メモリ102、入出力インタフェース103、および通信インタフェース104は、バスを介して互いに接続されている。プロセッサ101としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコントローラ、又はこれらの組み合わせが用いられる。メモリ102としては、例えば、半導体RAM(random access memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせが用いられる。
メモリ102には、後述するコントローラ100が実行する生成方法および推定方法をプロセッサ101に実行させるためのプログラムが格納されている。プロセッサ101は、メモリ102に格納されたプログラムを読み込んで実行することによって、当該生成方法および推定方法を実行する。また、メモリ102には、生成方法および推定方法を実行するためにプロセッサ101が参照する各種データが格納されている。生成方法および推定方法のそれぞれは、本発明における情報処理方法の一例である。
入出力インタフェース103は、入出力装置を接続するためのインタフェースである。例えば、入出力インタフェース103は、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、RS-232C、RS-422、RS-485などのシリアル通信インタフェース、赤外線、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信インタフェース、又はこれらの組み合わせにより構成されてもよい。
入出力インタフェース103には、入力装置105および出力装置106が接続される。入力装置105としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、又はこれらの組み合わせ等が用いられる。出力装置106としては、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、又はこれらの組み合わせが用いられる。
通信インタフェース104は、ネットワークN1に接続するインタフェースである。例えば、通信インタフェース104は、有線LAN通信を行うインタフェースであってもよい。この場合、通信インタフェース104は、図示しないスイッチングハブに接続され、スイッチングハブを介して鋳造設備90と通信する。また、通信インタフェース104は、無線LAN通信を行うインタフェースであってもよい。この場合、通信インタフェース104は、図示しないアクセスポイントを介して鋳造設備90と通信する。
<情報処理システム1における処理の流れ>
図4は、情報処理システム1が実行する処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS1において、砂処理設備96は、砂処理工程を実行する。砂処理工程では、例えば、砂処理設備96は、鋳型がばらされた鋳型砂、および、鋳造品から残砂として除去された鋳型砂を回収する。また、砂処理設備96は、異物の除去、注水・混練等、鋳型砂を造型設備91において利用可能にするための処理を実行する。また、砂処理設備96に含まれる制御部は、砂処理工程において取得される砂処理データを、情報処理装置10に送信する。
ステップS2において、造型設備91は、造型工程を実行する。造型工程では、例えば、造型設備91は、上鋳型と下鋳型とを造型する。また、造型設備91に含まれる制御部は、造型工程において取得される造型データを、情報処理装置10に送信する。
ステップS3において、中子造型設備92は、中子造型工程を実行する。中子造型工程では、例えば、中子造型設備92は、分離された上鋳型と下鋳型との間に中子を設置する。なお、中子が設置された後、上鋳型と下鋳型とは型合わせされる。その後、型合わせされた鋳型は、冷却搬送設備94により注湯設備93まで搬送される。また、中子造型設備92に含まれる制御部は、中子造型工程において取得される中子データを、情報処理装置10に送信する。
ステップS4において、注湯設備93は、注湯工程を実行する。注湯工程では、例えば、注湯設備93は、材料を溶解して溶湯を製造する。また、例えば、注湯設備93は、製造した溶湯を鋳型内に注湯する。また、注湯設備93に含まれる制御部は、注湯工程において取得される注湯データを、情報処理装置10に送信する。
ステップS5において、冷却搬送設備94は、溶湯が鋳込まれた鋳型を冷却しながら搬送する。また、冷却搬送設備94は、鋳型をばらして鋳造品を取り出す。また、冷却搬送設備94は、取り出した鋳造品を冷却しながら後処理設備95に搬送する。また、冷却搬送設備94に含まれる制御部は、冷却搬送工程において取得される冷却搬送データを、情報処理装置10に送信する。
ステップS6において、情報処理装置10は、学習済モデルM1を用いてブラスト条件を推定する推定処理を実行する。推定処理では、ステップS1~S5の各工程において各設備から送信されたデータが用いられる。ここで、ブラスト条件とは、次のステップS7におけるブラスト工程を実施する際に設定される条件である。当該ステップの詳細、および、ブラスト条件の詳細については後述する。
ステップS7において、後処理設備95は、後処理工程を実行する。後処理工程に含まれるブラスト工程では、ブラスト装置951は、投射材を鋳造品の表面に打ち付けることにより鋳造品に付着した残砂を除去する。ブラスト工程では、ステップS6において推定されたブラスト条件が適用される。
<情報処理装置10が実行する生成処理>
次に、ステップS6の推定処理で用いられる学習済モデルM1を生成する生成処理(生成方法を実行する処理)について説明する。図5は、情報処理装置10が実行する生成処理の流れを説明するフローチャートである。図5に示す生成処理は、図4に示したステップS1~S7の処理が実行される前にあらかじめ実行される。
ステップS101において、生成部111は、学習済モデルM1を機械学習により生成する。学習済モデルM1は、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出するよう機械学習されたモデルである。本実施形態では、入力データは、工程前情報に加えて、さらに環境情報を含む。また、本実施形態では、ブラスト条件に関わる出力データは、ブラスト条件自体を示す情報である。また、生成部111は、生成した学習済モデルM1を、記憶部120に記憶する。
このとき、生成部111は、学習用データD1を用いて学習済モデルM1を生成する。学習用データD1は、工程前情報および環境情報と、ブラスト条件とを関連付けたデータである。換言すると、生成部111は、学習用データD1に含まれる工程前情報および環境情報を入力すると、当該工程前情報および環境情報に関連付けられたブラスト条件自体を示す情報を出力するよう、教師あり学習により学習済モデルM1を生成する。工程前情報、環境情報、およびブラスト条件の詳細については後述する。
なお、学習済モデルM1の教師あり学習には、公知の技術を適用可能である。例えば、学習済モデルM1の教師あり学習には、CNN(Convolutional Neural Networks)、RNN(Recurrent Neural Network)等のディープラーニングソフト(アルゴリズム)を用いることが可能である。また、学習済モデルM1の教師あり学習には、ディープラーニングソフトに限らず、サポートベクタマシン等といったその他の機械学習アルゴリズムを適用してもよい。
<学習済モデルM1の詳細>
図6は、生成処理によって生成された学習済モデルM1を説明する図である。図6に示すように、学習済モデルM1は、工程前情報および環境情報を含む入力データを取得すると、ブラスト条件を示す出力データを出力する。なお、前述したように、ブラスト条件を示す出力データは、本発明における「ブラスト条件に関わる出力データ」の一例である。
(工程前情報)
ここで、工程前情報は、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる情報である。例えば、工程前情報は、ブラスト工程より前に行われる1以上の工程において得られる情報を含む。本実施形態では、ブラスト工程より前に行われる1以上の工程とは、砂処理工程、造型工程、中子造型工程、注湯工程、冷却搬送工程、および後処理工程である。この場合、工程前情報は、砂処理データ、造型データ、中子データ、注湯データ、および冷却搬送データを含む。また、例えば、工程前情報は、ブラスト工程の実行において規定された条件を含む。ブラスト工程の実行において規定された条件とは、例えば、投射材の種類を含む。
具体的には、砂処理データは、鋳型砂の温度、水分量、CB値、通気度、通気圧、および圧縮強度を含む。
また、造型データは、上枠ボードセット完位置、上枠鋳型厚み(鋳型厚み)、上枠圧縮率(鋳型圧縮率)、下枠ボードセット完位置、下枠鋳型厚み(鋳型厚み)、下枠圧縮率(鋳型圧縮率)、スクイズ圧力(下枠スクイズ圧ピーク、上枠スクイズ圧ピーク)、エアレーション完了時のエアレーション圧力とサンドタンク圧力、排気完了時のエアレーション圧力とサンドタンク圧力、上枠鋳型厚み目標位置、上枠ボードセット位置、下枠鋳型厚み目標位置、下枠ボードセット位置、パターン厚み、枠内上型スプレー待ち回数、枠内上型スプレー時間、枠内下型スプレー待ち回数、枠内下型スプレー時間、エアレーションパターン、チラーセット実行の有無、ガス穴あけの有無、ターンテーブルの速度、マッチプレートの種類、湯口番号、エアレーション時上枠ボード動作時間、エアレーション時上枠ボード動作位置、エアレーション時下枠ボード動作時間、エアレーション時下枠ボード動作位置、注湯パターン番号、枠外スプレー待ち回数、および、枠外スプレー時間の一部または全部を含む。
また、注湯データは、鋳込み重量、鋳込み時間、接種剤の添加量、受湯経過時間、鋳込み温度、および、出湯量の一部または全部を含む。
また、冷却搬送データは、冷却時間を含む。冷却時間とは、鋳型から取り出された鋳造品が冷却された時間の長さを示す。
また、投射材の種類は、ブラスト工程において利用する投射材の種類である。本実施形態では、ブラスト工程において利用可能な投射材には複数の種類がある。投射材は、種類によってサイズが異なる。投射材の種類に応じて、ブラスト条件が異なり得る。
(環境情報)
ここで、環境情報とは、鋳造品の製造工程が実施される環境を示す情報である。例えば、環境情報は、鋳造設備90が設置された空間の気温、湿度、天候の一部または全部を含む。
(ブラスト条件)
ブラスト条件とは、ブラスト工程を実施する際に設定される条件である。本実施形態では、ブラスト条件は、ブラスト時間、ブラスト電力、投射材の投射量、および投射材の投射速度を含む。
ブラスト時間は、ブラスト工程を継続する時間である。ブラスト時間が短すぎると、鋳型から取り出された鋳造品に付着した残砂を充分に除去できないが、ブラスト時間が長すぎると、消費電力、所要時間等に無駄が発生する。したがって、適切なブラスト時間が設定されることが望ましい。適切なブラスト時間は、例えば、鋳型から取り出された鋳造品に付着した残砂量、鋳造品の形状等に応じて異なる。
ブラスト電力は、ブラスト工程においてブラスト装置951に供給する電力である。ブラスト電力を適切に設定することにより、電力を効率的に消費できる。適切なブラスト電力は、投射材の投射量、投射材の種類、投射材の投射速度等に応じて異なる。
投射材の投射量は、ブラスト工程において投射される投射材の量である。例えば、投射量は、一処理単位のブラスト工程の開始から終了までの間に投射される投射材の全量であってもよいが、本実施形態では、単位時間当たりに投射される投射材の量であるとする。適切な投射量は、例えば、鋳造品の形状、鋳型から取り出された鋳造品に付着した残砂量等によって異なる。
投射材の投射速度は、ブラスト工程において投射材が投射される速度である。適切な投射速度は、例えば、鋳造品の形状、鋳型から取り出された鋳造品に付着した残砂量等によって異なる。
<情報処理装置10が実行する推定処理>
次に、ステップS6における推定処理の詳細について説明する。図7は、情報処理装置10が実行する推定処理(推定方法を実行する処理)の流れを説明するフローチャートである。
ステップS201において、入力データ取得部131は、入力データとして、工程前情報および環境情報を取得する。
具体的には、入力データ取得部131は、工程前情報として、ステップS1~S5の各工程において各設備から情報処理装置10に対して送信されたデータ(砂処理データ、造型データ、中子データ、注湯データ、および冷却搬送データ)、およびブラスト工程の実行において規定された条件(ここでは、投射材の種類)を取得する。また、入力データ取得部131は、環境情報として、例えば、環境を検出するセンサ(図示せず)から環境情報を取得する。なお、入力データ取得部131は、入力データの一部または全部を、入力装置105を介して取得してもよい。
ステップS202において、推定部132は、記憶部120に記憶された学習済モデルM1を用いて、ブラスト条件を推定する。具体的には、推定部132は、出力データが示すブラスト条件を、推定したブラスト条件として、出力装置106に出力する。
<本実施形態の効果>
本実施形態に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、ブラスト工程の実行前に得られる工程前情報および製造工程が実施される環境情報を参照してブラスト条件を推定し、推定したブラスト条件を用いてブラスト工程を実施する。このため、製造工程ごとに異なり得る要因に適したブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程を効率化することができる。
〔変形例1〕
本実施形態に係る情報処理システム1は、学習済モデルM1の代わりに学習済モデルM2を用いるよう変形することができる。
<学習済モデルM2の詳細>
図8は、学習済モデルM2の入出力データを説明する図である。図6に示すように、学習済モデルM2は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を含む入力データを取得すると、ブラスト条件を示す出力データを出力する。換言すると、学習済モデルM2に入力される入力データは、学習済モデルM1に入力されるデータに加えて、凹部情報、形状情報、および表面情報を含む。なお、学習済モデルM2から出力される出力データは、学習済モデルM1から出力される出力データと同様である。
(凹部情報)
ここで、凹部情報とは、鋳造品が有する凹部を示す情報である。凹部は、鋳造品の表面に形成されたものと、鋳造品および内部空間の境界をなす内部面に形成されたものとを含む。内部空間は、中子の設置によって形成される空間である。なお、表面または内部面における凹部とは、所定の条件を満たす部分である。所定条件を満たす部分とは、例えば、開口および深さを有する部分であってもよい。また、所定条件を満たす部分とは、凸部の表面と、当該凸部の根元に接続する表面によって挟まれる部分であってもよい。なお、凹部は、後述する形状情報から、所定条件を満たす部分として抽出可能である。
鋳型から取り出された鋳造品における残砂量は、凹部情報が示す凹部の程度に応じて異なり得る。一例として、凹部の程度が大きいほど、残砂量が多くなる傾向がある。凹部の程度とは、例えば、凹部の数および形状の少なくとも一方に応じて変化し得る。凹部の形状とは、深さ、開口面積、開口形状等を含む。例えば、同一形状の凹部であれば、凹部の数が多いほど、凹部の程度が大きい。また、凹部が深いほど、凹部の程度が大きい。また、凹部の開口面積が小さいほど、凹部の程度が大きい。また、凹部の開口形状の縦横比が大きいほど(すなわち、細長いほど)、凹部の程度が大きい。例えば、凹部情報は、上述したような数、深さ、開口面積、開口形状等のうち1つのパラメータによって表されてもよい。また、凹部情報は、上述したような複数のパラメータの組み合わせによって表されてもよい。この場合、凹部情報は、各パラメータを重み付けして組み合わせた情報であってもよい。
また、複数個の浅い凹部がある場合よりも、1つの深い凹部がある場合のほうが、凹部の程度が大きいと考えられる。この場合、凹部を示す情報は、1以上の凹部のうち最も深い凹部の深さで表されてもよい。
例えば、凹部情報は、鋳造品のパターンデータから取得可能である。また、例えば、凹部情報は、鋳型を撮像装置(例えば、カメラ等)により撮像した画像から検出可能である。また、例えば、凹部情報は、鋳型の立体形状を検出するセンサ(例えば、三次元スキャナ等)を用いて検出可能である。なお、凹部情報は、造型工程において造型設備91の制御部によって検出され、工程前情報の1つである造型データに含まれていてもよい。
(形状情報)
鋳型から取り出された鋳造品における残砂量は、鋳造品の形状に応じて異なり得る。一例として、形状が複雑であるほど残砂量が多くなったり、逆に、表面積が小さいほど残砂量が少なくなったりする傾向がある。形状情報とは、鋳物の形状に関する情報である。形状情報は、例えば、形状を規定するパラメータを含んでいてもよいし、三次元形状データを含んでいてもよいし、表面積を示す情報を含んでいてもよい。形状を規定するパラメータとは、一例として、円柱の底面半径および高さ等であるが、これに限られない。三次元形状データは、鋳物のパターンデータであってもよいし、センサを用いてブラスト工程の直前の鋳物から検出されるデータであってもよい。例えば、三次元形状データは、センサとしてのカメラが生成した二次元画像の解析により得られるものであってもよい。また、例えば、三次元形状データは、三次元形状を検出する三次元形状センサにより得られるものであってもよい。
(表面情報)
鋳型から取り出された鋳造品における残砂量は、鋳造品の性状に応じて異なり得る。一例として、鋳造品の表面が、鋳物砂が付着しにくい(砂落ちが良い)材質であるほど、残砂量が少なくなる傾向がある。表面情報とは、鋳物の表面に関する情報である。表面情報は、例えば、鋳物の表面を構成する材料を特定する情報を含んでいてもよいし、表面の特性を示す情報を含んでいてもよいし、表面の粗さを示す情報を含んでいてもよい。
<本変形例における生成処理>
本変形例では、図5に示したステップS101において、生成部111は、学習用データD1の代わりに学習用データD2を用いて、学習済モデルM2を生成する。学習用データD2は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報と、ブラスト条件とを関連付けた情報である。
<本変形例における推定処理>
本変形例では、図7に示したステップS201において、入力データ取得部131は、入力データとして、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を取得する。
例えば、凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部は、ステップS2において造型設備91の制御部によって送信される造型データに含まれていてもよい。この場合、造型設備91の制御部は、予め入手したパターンデータから、凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部を取得し、造型データに含めて送信する。造型データに含まれるこれらの情報は、当該鋳造品の形状について予め設計された設計値を示している。
また、これらの凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部は、ステップS5において冷却搬送設備94の制御部によって送信される冷却搬送データに含まれていてもよい。この場合、冷却搬送設備94の制御部は、ステップS5において、撮像装置(例えばカメラ、3次元形状スキャナ等)を用いて凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部を取得し、冷却搬送データに含めて送信する。冷却搬送データに含まれるこれらの情報は、鋳型から取り出された当該鋳造品の形状の実測値を示している。
例えば、入力データ取得部131は、凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部が造型データに含まれていない場合に、冷却搬送データに含まれるこれらの情報を用いてもよい。換言すると、入力データ取得部131は、鋳造品の形状を示す設計値が得られない場合に実測値を用いてもよい。また、入力データ取得部131は、凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部について、造型データおよび冷却搬送データの双方に含まれる情報を用いてもよい。換言すると、入力データ取得部131は、鋳造品の形状を示す設計値および実測値の双方を用いてもよい。これは、設計値と実測値との差が大きい場合に有効である。
ステップS202の処理は、図7を参照して説明した通りであるため、詳細な説明を繰り返さない。
<変形例1の効果>
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、工程前情報、環境情報に加えて、さらに鋳造品の凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部を参照してブラスト条件を推定する。このため、残砂量が異なる要因となり得る凹部情報、形状情報、表面情報に応じて、さらに適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
〔変形例2〕
本実施形態に係る情報処理システム1は、推定処理を次のように変形することができる。
<本変形例における推定処理>
図9は、本変形例における推定処理を説明する模式図である。本変形例では、ステップS202において、推定部132は、学習済モデルM1を用いて推定したブラスト条件を、凹部情報、形状情報、および表面情報の一部または全部に応じて補正する。凹部情報、形状情報、表面情報の詳細については、上述した通りである。
例えば、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト時間を、凹部情報が示す凹部の程度が大きいほど長くなるよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト時間を、形状情報が示す形状が複雑であるほど、長くなるよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト時間を、表面を構成する材料に残砂が付着しやすいほど、長くなるよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト時間を、表面積が大きいほど、長くなるよう補正する。
また、例えば、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト電力を、凹部情報が示す凹部の程度が大きいほど大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト電力を、形状情報が示す形状が複雑であるほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト電力を、表面を構成する材料に残砂が付着しやすいほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト電力を、表面積が大きいほど、大きくするよう補正する。
また、例えば、推定部132は、学習済モデルM1から出力される単位時間あたりの投射量を、凹部情報が示す凹部の程度が大きいほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力される単位時間あたりの投射量を、形状情報が示す形状が複雑であるほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力される単位時間あたりの投射量を、表面を構成する材料に残砂が付着しやすいほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力される単位時間あたりの投射量を、表面積が大きいほど、大きくするよう補正する。
また、例えば、推定部132は、学習済モデルM1から出力される投射速度を、凹部情報が示す凹部の程度が大きいほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力される投射速度を、形状情報が示す形状が複雑であるほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力される投射速度を、表面を構成する材料に残砂が付着しやすいほど、大きくするよう補正する。また、推定部132は、学習済モデルM1から出力される投射速度を、表面積が大きいほど、大きくするよう補正する。
<変形例2の効果>
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、工程前情報、環境情報を参照して推定したブラスト条件を、鋳造品の凹部情報を用いて補正する。このため、残砂量が異なる要因となり得る凹部情報、形状情報、および表面情報に応じて、さらに適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
〔変形例3〕
本実施形態に係る情報処理システム1は、学習済モデルM1の代わりに学習済モデルM3を用いるとともに、推定処理を後述のように変形することができる。
<学習済モデルM3の詳細>
図10は、学習済モデルM3を用いた推定処理を説明する図である。図10に示すように、学習済モデルM3は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を含む入力データを取得すると、残砂量を示す出力データを出力する。本実施形態では、残砂量を示す出力データから、所定の演算処理により、ブラスト条件が算出可能である。なお、残砂量を示す出力データは、本発明における「ブラスト条件に関わる情報」の一例である。
換言すると、学習済モデルM3から出力される出力データは、残砂量を示し、学習済モデルM1、M2から出力される出力データとは異なる。なお、学習済モデルM3に入力される入力データは、学習済モデルM2に入力される入力データと同様である。ただし、学習済モデルM3に入力される入力データは、学習済モデルM1に入力される入力データと同様であってもよい。
<本変形例における生成処理>
本変形例では、図5に示したステップS101において、生成部111は、学習用データD1の代わりに学習用データD3を用いて、上述した学習済モデルM3を生成する。学習用データD3は、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報と、残砂量を示す情報とを関連付けた情報である。
<本変形例における推定処理>
本変形例では、ステップS202において、推定部132は、学習済モデルM3を用いて推定した残砂量に基づいてブラスト条件を推定する。例えば、推定部132は、学習済モデルM3からの出力データが示す残砂量に所定の演算処理を施すことにより、ブラスト条件、ブラスト電力、単位時間当たりの投射量、および投射速度を算出する。
<変形例3の効果>
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、工程前情報、環境情報、凹部情報、形状情報、および表面情報を参照して推定した残砂量に基づいてブラスト条件を推定する。このため、推定した残砂量に応じた適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
<変形例4>
本実施形態に係る情報処理システム1は、複数の鋳造品について同一の処理単位でブラスト工程を行う場合に、ステップS202における処理を次のように変形することができる。
<ステップS202における処理>
本変形例では、ステップS202において、推定部132は、当該処理単位において同時にブラスト工程を実行する複数の鋳造品に関する情報を取得する。複数の鋳造品に関する情報には、例えば、個数、各鋳造品の表面積情報等がある。
次に、推定部132は、学習済モデルM1から出力されるブラスト条件を、対象となる複数の鋳造品に対応するブラスト条件に換算する演算を行う。
例えば、推定部132は、学習済モデルM1からの出力データのうち、ブラスト時間、ブラスト電力、投射速度については、出力された値をそのまま、複数の鋳造品に対応するブラスト条件として推定する。
また、例えば、推定部132は、学習済モデルM1からの出力データのうち、単位時間あたりの投射量から単位面積あたりの投射量を算出する。また、推定部132は、単位面積あたりの投射量を用いて、複数の鋳造品の表面積の合計に対応する投射量を換算し、複数の鋳造品に対応する単位時間あたりの投射量として推定する。
なお、学習済モデルM1から出力されるブラスト条件を、対象となる複数の鋳造品に対応するブラスト条件に換算する演算処理は、上述した例に限られない。例えば、学習済モデルM1から出力されるブラスト条件のうち、そのまま複数の鋳造品に対応するブラスト条件として適用可能な条件は、上述した例に限られない。また、換算が必要な条件に適用する演算処理は、上述した合計に限らず、加重和、平均、加重平均、最大値、最小値、その他の演算、またはこれらの組み合わせを適用可能である。
<変形例4の効果>
本変形例に係る情報処理システム1は、鋳造品の製造工程において、複数の鋳造品を同時にブラスト装置951に投入する場合に、より適切なブラスト条件を用いてブラスト工程を実施することができ、ブラスト工程をさらに効率化することができる。
〔その他の変形例〕
上述した本発明の実施形態において、生成部111が、学習済モデルM1を、教師あり機械学習によって生成する例について説明した。これに限らず、生成部111は、学習済モデルM1を、教師なし機械学習によって生成してもよい。例えば、ブラスト条件として、段階的なブラスト電力を推定する場合、教師なし機械学習によって学習済モデルM1を生成し、学習済モデルM1から出力されるクラスタリングの結果を、ブラスト電力の段階に関連付けることが可能である。教師なし機械学習には、例えば、GAN(Generative Adversarial Network)等のディープラーニングソフト(アルゴリズム)が適用可能である。なお、学習済モデルM1は、教師あり学習、教師なし学習に限らず、半教師あり学習等によって機械学習されてもよい。
また、本実施形態において、学習済モデルM1から出力される出力データは、さらに、投射材の種類を含んでいてもよい。この場合、学習済モデルM1は、入力データに含まれる投射材の種類と同一の種類を出力してもよい。
また、本実施形態において、学習済モデルM1に入力される入力データは、工程前情報として、ブラスト工程の前に実施される全工程で得られるデータを含むものとして説明した。これに限らず、入力データは、ブラスト工程の前に実施される少なくとも1つの工程で得られるデータを含んでいればよい。
また、本実施形態において、学習済モデルM1に入力される入力データは、環境情報を含むものとして説明したが、必ずしも環境情報を含んでいなくてもよい。
また、本実施形態において、情報処理装置10は、残砂量を含む情報を入力データとする学習済モデルを用いてもよい。この場合、生成部111は、残砂量とブラスト条件とを関連付けた学習用データを用いて、機械学習により学習済モデルを生成する。また、推定部132は、工程前情報および環境情報の一方または両方に基づいて、残砂量を演算処理により算出する。また、推定部132は、演算処理により算出した残砂量を当該学習済モデルに入力することにより、ブラスト条件を推定する。
また、本実施形態において、情報処理装置10は、学習済モデルを用いなくてもよい。この場合、情報処理装置10は、生成部111を含んでいなくてもよい。推定部132は、工程前情報および環境情報の一方または両方に基づいて、残砂量を演算処理により算出する。また、推定部132は、演算処理により算出した残砂量に基づいて、ブラスト条件を演算処理により算出する。
また、本実施形態において、情報処理装置10が、学習フェーズ実行部110及び推定フェーズ実行部130を含んでいる例について説明した。これらの構成要素により実現される機能は、複数の装置に分散されて実現されてもよい。例えば、情報処理装置10は、学習装置と、学習装置とは物理的に異なる推定装置とによって構成されてもよい。この場合、学習装置が、学習フェーズ実行部110を含み、推定装置が、推定フェーズ実行部130を含み、学習装置が生成した学習済モデルM1を用いて、判定装置が推定処理を実行する。このような学習装置、判定装置は、それぞれ、本発明の範疇に含まれる。
また、本実施形態において、情報処理装置10が、学習済モデルM1を記憶する記憶部120を有するものとして説明した。これに限らず、学習用データD1および学習済モデルM1の少なくとも一方は、外部の装置に記憶されていてもよい。この場合、学習フェーズ実行部110および推定フェーズ実行部130の少なくとも一方は、外部の装置に記憶された学習用データD1または学習済モデルM1を参照して処理を行う。
また、本実施形態において、情報処理装置10の制御ブロック(特に生成部111、入力データ取得部131、および推定部132)は、ソフトウェアによって実現されるものとして説明した。これに限らず、これらの制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
なお、これらの制御ブロックがソフトウェアによって実現される場合、本発明における情報処理方法の一例を実現するプログラムがメモリ102に記憶されるものとして説明した。ただし、上記プログラムを記録する記録媒体としては、メモリ102に限らず、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 情報処理システム
10 情報処理装置
90 鋳造設備
91 造型設備
92 中子造型設備
93 注湯設備
94 冷却搬送設備
95 後処理設備
951 ブラスト装置
96 砂処理設備
100 コントローラ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 入出力インタフェース
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
110 学習フェーズ実行部
111 生成部
120 記憶部
130 推定フェーズ実行部
131 入力データ取得部
132 推定部

Claims (12)

  1. コントローラを備え、
    前記コントローラは、
    鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記ブラスト条件を推定する推定処理、を実行し、
    前記工程前情報は、前記製造工程に含まれる複数の工程のうち前記ブラスト工程より前に実行される工程に関する情報である、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記ブラスト条件は、前記ブラスト工程を継続するブラスト時間、前記ブラスト工程において供給するブラスト電力、前記ブラスト工程において用いられる投射材の量、および前記投射材の投射速度の少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記入力データは、前記工程前情報に加えて、前記製造工程が実施される環境を示す環境情報をさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 前記コントローラは、前記推定処理において、前記学習済モデルを用いて推定した前記ブラスト条件を、前記鋳造品の凹部に関する凹部情報、形状に関する形状情報、および表面に関する表面情報、の一部または全部に応じて補正する、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記入力データは、前記鋳造品の前記鋳造品の凹部に関する凹部情報、形状に関する形状情報、および表面に関する表面情報の一部または全部をさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記コントローラは、前記推定処理において、前記ブラスト条件に関わる出力データとして、鋳型から取り出された鋳造品における残砂量を示す出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記出力データが示す残砂量に基づいて前記ブラスト条件を推定する、
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記コントローラは、
    機械学習により前記学習済モデルを生成する生成処理、
    をさらに実行する、
    ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
  8. コントローラを備え、
    前記コントローラは、
    ブラスト条件を推定するために用いる学習済モデルであって、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出する学習済モデルを機械学習により生成する生成処理、を実行し、
    前記工程前情報は、前記製造工程に含まれる複数の工程のうち前記ブラスト工程より前に実行される工程に関する情報である、
    ことを特徴とする情報処理装置。
  9. 前記コントローラは、
    前記生成処理において、前記工程前情報と、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる情報とを関連付けた学習用データを用いて、前記学習済モデルを生成する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の情報処理装置を制御するプログラムであって、前記コントローラに前記各処理を実行させることを特徴とするプログラム。
  11. コントローラを備えた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    前記コントローラが、鋳造品の製造工程においてブラスト工程の実行前に得られる工程前情報を含む入力データから、前記ブラスト工程を実行するためのブラスト条件に関わる出力データを導出するよう機械学習された学習済モデルを用いて、前記ブラスト条件を推定する推定工程、を含み、
    前記工程前情報は、前記製造工程に含まれる複数の工程のうち前記ブラスト工程より前に実行される工程に関する情報である、
    ことを特徴とする情報処理方法。
  12. 請求項1から9の何れか1項に記載の情報処理装置と、
    前記製造工程を実施する鋳造設備と、
    を含む情報処理システム。
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