JP7309368B2 - プラズマ加工装置 - Google Patents

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Description

この発明は、プラズマ加工装置に関する。
プラズマトーチからアークがでなくなったとき又はアークが不安定になったとき、その原因として、加工機、トーチ本体等の故障以外にトーチホース内のケーブルの断線又は部分損傷(例えば、劣化)による電気抵抗の増加が考えられる。このような場合、図8に示すように、テスター等の計測機器Tを用いて、トーチホース5を加工機本体(図示せず)から外してケーブルの抵抗値を計測し、ケーブルが断線又は部分損傷しているか否かを判断している。
特許文献1~5にはそれぞれ、プラズマ切断装置電極の使用限界を検知する方法、プラズマトーチの電極破壊検知方法、プラズマトーチの電極等の異常検知方法、プラズマアーク加工機の異常検出装置、及び溶接トーチの異常検出方法が記載されている。
特開昭62-24864号公報 特開平02-207972号公報 特開昭62-127173号公報 特開平05-115978号公報 特開平07-246475号公報
しかしながら、作業現場には、計測機器が常設されていないことが多く、また、専門知識を持ち合わせた人がいない場合もある。このため、ケーブルの断線については、その確認が容易にできないときがある。また、生産中にケーブルが断線してしまうと、生産ラインを停止させなければならない。特許文献1~5では、ケーブルの断線、及びケーブルの劣化の度合いについては、確認することができない。
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、その目的は、ケーブルの断線及び劣化を検知することが可能なプラズマ加工装置を提供することにある。
第1発明に係るプラズマ加工装置は、電極と、パイロットガスが供給され、前記電極が着脱自在に収容されてプラズマを発生させる電極収容空間、及び先端に前記プラズマを通過させてプラズマアークを噴出させる冷却可能な噴出孔を有するインサートチップを含むプラズマトーチと、第1端子及び第2端子を有するパイロット電源、並びに高周波発生器を含む加工機本体と、前記電極を、前記第1端子と電気的に結合させる第1ケーブルと、前記インサートチップを、前記第2端子と電気的に結合させる第2ケーブルと、前記第1端子と前記第2端子との間に接続された電圧計と、を備え、前記第1ケーブルの劣化の状態及び前記第2ケーブルの劣化の状態の少なくとも1つを検知するとき、前記電極を、前記インサートチップの前記電極収容空間に面した内壁面と接触させた状態で、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルの少なくとも1つを介して、前記パイロット電源によって前記電極と前記インサートチップとの間での通電が可能な状態とし、この状態において、前記電圧計により計測された電圧値に対応づけて、前記第1ケーブルの劣化の状態及び前記第2ケーブルの劣化の状態の少なくとも1つを検知することにより、前記第1ケーブル及び/又は前記第2ケーブルの劣化の度合いを判断することを特徴とする。
第2発明に係るプラズマ加工装置は、第1発明において、前記プラズマアークを噴出させるとき、前記電極を、前記内壁面から離間させた状態で、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルを介して、前記パイロット電源及び前記高周波発生器によって前記電極と前記内壁面との間での放電が可能な状態とすることを特徴とする。
第3発明に係るプラズマ加工装置は、第1発明又は第2発明において、前記加工機本体は、前記第1端子と電気的に結合され、前記第1ケーブルの着脱が可能な第1接続端子と、前記第2端子と電気的に結合され、前記第2ケーブルの着脱が可能な第2接続端子と、を、有し、前記第1ケーブルの劣化の状態を検知するとき、前記電極を、前記内壁面と接触させた状態で、前記インサートチップを前記第2接続端子と接触させ、前記第2ケーブルの劣化の状態を検知するとき、前記電極を、前記内壁面と接触させた状態で、前記インサートチップを前記第1接続端子と接触させることを特徴とする。
第4発明に係るプラズマ加工装置は、第1発明~第3発明のいずれか1つにおいて、前記電圧計は、前記加工機本体内に設置され、前記加工機本体は、前記電圧計により計測された電圧値を表示する表示部を、備えることを特徴とする。
第5発明に係るプラズマ加工装置は、第1発明~第4発明のいずれか1つにおいて、前記プラズマ加工装置は、プラズマ溶接装置及びプラズマ切断装置の少なくとも1つであることを特徴とする。
第1~第5発明によれば、ケーブルの断線及び劣化を検知することが可能なプラズマ加工装置を提供できる。
図1は、この発明の一実施形態に係るプラズマ加工装置の一例を示す模式図である。 図2は、この発明の一実施形態に係るプラズマ加工装置の一例を示す模式ブロック図である。 図3は、ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式ブロック図である。 図4は、第1ケーブル及び第2ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式図である。 図5は、実際の計測例を示す図である。 図6は、第2ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式図である。 図7は、第1ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式図である。 図8は、従来のケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式図である。
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。各図において、共通する部分については、共通する参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、この発明の一実施形態に係るプラズマ加工装置の一例を示す模式図である。図2は、この発明の一実施形態に係るプラズマ加工装置の一例を示す模式ブロック図である。
図1及び図2に示すように、一実施形態に係るプラズマ加工装置100は、電極1と、プラズマトーチ2と、加工機本体4と、トーチホース5と、母材ケーブル6と、を含む。
<電極1及びプラズマトーチ2>
プラズマトーチ2は、インサートチップ20と、シールドキャップ30と、を含む。インサートチップ20は、電極収容空間21と、噴出孔22と、冷媒流路23と、を有する。
電極収容空間21内には、例えば、センタリングストーン21aが挿入されている。センタリングストーン21aは、そのほぼ中心にセンタリング用の貫通孔21bと、貫通孔21bの外側にガス通流孔21cと、を有する。電極1は、貫通孔21b内に挿入される。これにより、電極1は、電極収容空間21の中にセンタリングされるとともに、インサートチップ20の内壁面20aから離間されて着脱自在に収容される。電極1は、例えば、タングステンの棒体である。
電極収容空間21内にプラズマを発生させるとき、電極収容空間21には、ガス通流孔21cを介してパイロットガスPGが供給される。パイロットガスPGを電極収容空間21に供給しながら、電極1と内壁面20aとの間で放電させる。この放電により、パイロットガスPGがアーク放電により電離し、電極収容空間21内にプラズマが発生される。パイロットガスPGの例は、例えば、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、不活性ガスに水素又は別の不活性ガスを混合した混合ガス等である。
噴出孔22は、インサートチップ20の先端に設けられ、例えば、貫通孔21bのほぼ直下に位置している。噴出孔22の直径D22(直径D22:直径が最小値となる箇所)は、貫通孔21bの直径D21bよりも小さい。これにより、直径D22は、電極1の直径D1(直径D1:直径が直径D22を超える箇所)よりも小さくされる。パイロットガスPGは、電極収容空間21の中を、センタリングストーン21aから噴出孔22に向かって流れる。
冷媒流路23は、インサートチップ20の周壁20b内に設けられている。冷媒流路23には、冷媒、例えば、冷却液CLが通流される。冷却液CLは、冷却液循環ポンプPによって給排液され、冷媒流路23を、例えば循環する。インサートチップ20及び噴出孔22のそれぞれは、冷却液CLによる冷却が可能である。冷却液CLは、例えば、水である。プラズマが冷却された噴出孔22を通過すると、プラズマはウォール効果によってさらに緊縮される。これにより、噴出孔22からは、よりエネルギー密度が高められたプラズマアークが噴出される。
シールドキャップ30は、シールドガス空間31と、開口32と、を有する。シールドキャップ30は、インサートチップ20の外側周囲に設けられている。シールドキャップ30は、インサートチップ20を囲む。シールドガス空間31は、シールドキャップ30とインサートチップ20の先端部分との間に設けられている。シールドガス空間31は、例えば、インサートチップ20の先端部分の周方向に沿っている。開口32は、シールドキャップ30の先端に設けられている。開口32の平面形状は、例えば円状であるが、円状に限られるものではない。
プラズマアークを噴出孔22から噴出させるとき、シールドガス空間31には、シールドガスSGが供給される。シールドガスSGは、シールドガス空間31の中を、シールドガス空間31の上部から開口32に向かって流れる。シールドガスSGは、噴出孔22から噴出されているプラズマアークの外側周囲を覆う。シールドガスSGの例は、例えば、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、又はこの不活性ガスに水素若しくは別の不活性ガス若しくは酸素や炭酸ガスを混合した混合ガス等である。
<加工機本体4>
加工機本体4は、例えば、パイロット電源41と、メイン電源42と、第1接続端子WIと、第2接続端子WOと、第3接続端子Mと、高周波発生器(HF)44と、カップリングコイル45と、電圧計8と、表示部9とを含む。
パイロット電源41及びメイン電源42のそれぞれは、加工機本体4内に設置されている。パイロット電源41は、第1端子41aと、第2端子41bと、を有する。第1端子41aは低電位端子であり、第2端子41bは高電位端子である。メイン電源42は、第3端子42cと、第4端子42dと、を有する。第3端子42cは低電位端子であり、第4端子42dは高電位端子である。パイロット電源41及びメイン電源42のそれぞれは、例えば、商用電源CP等から交流入力の供給を受け、交流入力を直流出力に変換するAC-DCコンバータである。また、パイロット電源41及びメイン電源42のそれぞれは、出力電流が可変である。
第1~第3接続端子WI、WO、及びMのそれぞれは、加工機本体4の外面に設けられた外部接続端子である。第1接続端子WIは、第1端子41a及び第3端子42cと電気的に結合されている。第2接続端子WOは、第2端子41bと電気的に結合されている。第3接続端子Mは、第4端子42dと電気的に結合されている。
高周波発生器44は、高周波を発生させる。高周波発生器44は、内部に、例えば、コンデンサの充放電により高周波放電する放電装置(図示せず)を有している。高周波発生器44を起動させると、放電装置が高周波放電を開始する。カップリングコイル45は、例えば、配線45aの経路中に設けられている。配線45aは、第2端子41bと第2接続端子WOとを電気的に結合する。パイロット電源41から配線45aに対して電圧を印加した状態で、高周波発生器44からカップリングコイル45に対して高周波放電させると、配線45aの電圧は、高周波電圧となる。この高周波電圧は、電極1と内壁面20aとの間の絶縁破壊を誘起させる。これにより、電極1と内壁面20aとの間で放電が開始される。なお、カップリングコイル45は、配線45bの経路中に設けられてもよい。配線45bは、第1端子41aと第1接続端子WIとを電気的に結合する。
電圧計8は、加工機本体4内に設置されている。電圧計8は、第1端子41aと第2端子41bとの間に接続されている。電圧計8は、第1端子41aと第2端子41bとの間の電圧を計測する。表示部9は、加工機本体4の外面に設けられている。一実施形態に係るプラズマ加工装置100の表示部9は、例えば、電圧計8により計測された電圧値の表示が可能である。
<トーチホース5>
トーチホース5は、例えば、第1ケーブル51aと、第2ケーブル51bと、を含む。第1ケーブル51a及び第2ケーブル51bのそれぞれは、例えば、水冷ケーブルである。第1ケーブル51aは、電極1を、第1接続端子WIと電気的に結合させる。第2ケーブル51bは、インサートチップ20を、第2接続端子WOと電気的に結合させる。
<母材ケーブル6>
母材ケーブル6は、母材7を、第3接続端子Mと電気的に結合させる。母材7は、例えば、接地されている。母材7を加工するとき、プラズマトーチ2が母材7と近接される。
このようなプラズマ加工装置100によれば、1台で、
1.母材7に対する加工作業
2.トーチホース5内のケーブルの状態検知
のそれぞれを行うことができる。
<1.加工作業>
プラズマ加工装置100を用いて加工作業を行うとき、プラズマ加工装置100には、プラズマアークを発生させる。プラズマアークを発生させるときには、例えば、以下の手順に従えばよい。
(1)電極1を、内壁面21aから離間させて、電極収容空間21の中に収容する(図2)。
(2)プラズマトーチ2を、トーチホース5によって加工機本体4と電気的に接続する。
(3)母材7を、母材ケーブル6によって加工機本体4と電気的に接続する。
(4)プラズマトーチ2を、母材7と近接させる。
(5)冷却液CL、パイロットガスPG、及びシールドガスSGを、プラズマトーチ2に供給する。
(6)パイロット電源41を起動する。
(7)高周波発生器44を起動する。
(8)メイン電源42を起動する。
これにより、プラズマトーチ2の噴出孔22からプラズマアークが、母材7に対して噴出される。プラズマ加工装置100では、加工作業として、例えば、プラズマ溶接、及びプラズマ切断の少なくとも1つを行うことができる。
<2.ケーブルの状態検知>
図3は、ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式ブロック図である。図4は、第1ケーブル及び第2ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式図である。なお、図4では、シールドキャップ30の図示は省略する。
プラズマ加工装置100によって、第1、第2ケーブル51a及び51bの状態を検知するときには、例えば、以下の手順に従えばよい。
(1)冷却液CLの通流、パイロットガスPGの供給、シールドガスSGの供給、パイロット電源41、メイン電源42、及び高周波発生器44のそれぞれを停止させる(なお、冷却液CLの通流は行っていてもよい)。
(2)電極1を、内壁面20aと接触させる(図3中の破線円A)。
(3)プラズマトーチ2を、トーチホース5によって加工機本体4と電気的に接続する。
(4)パイロット電源41を起動する。
(5)電圧計8を起動する。
図4に示すように、電極1は、接続部材24を介して第1ケーブル51aと電気的に接続され、接続部材24は、絶縁部材25を介してインサートチップ20と電気的に絶縁されている。加工作業時は、電極1は、内壁面20aから離間されているので、電極1は、インサートチップ20から絶縁される。
これに対して、プラズマ加工装置100では、ケーブルの状態検知時に、電極1を、内壁面20aと接触させる。これにより、電極1は、インサートチップ20と電気的に接続される。この状態で、パイロット電源41から電圧を印加すると、電極1とインサートチップ20との間の電圧VTは“ほぼ0V(抵抗値が、電極1固有の抵抗値と、インサートチップ20固有の抵抗値との合成抵抗値のみ)”と見做すことができる。また、第1ケーブル51aの両端間の電圧VIは、第1ケーブル51aに異常がなければ“ほぼ0V(抵抗値が、第1ケーブル51a固有の抵抗値のみ)”と見做せる。同様に、第2ケーブル51bの両端間の電圧VOも、第2ケーブル51bに異常がなければ“ほぼ0V(抵抗値が、第2ケーブル51b固有の抵抗値のみ)”と見做せる。したがって、第1、第2ケーブル51a及び51bのそれぞれに異常がなければ、パイロット電流IPC(割合小さな定電流)が流れると、第1接続端子WIと第2接続端子WOとの間の抵抗による電圧降下を示す電圧VPは“ほぼ0V近辺”を示す。
このようにプラズマ加工装置100では、第1、第2ケーブル51a及び51bの状態を検知するとき、電極1を内壁面20aと接触させる。さらに、例えば、冷却液CLの通流(通流させても可)、パイロットガスPGの供給、シールドガスSGの供給、メイン電源42、及び高周波発生器44のそれぞれを停止させる。この状態で、第1、第2ケーブル51a及び51bの状態検知が実施される。状態検知時のパイロット電源41の出力電流は、加工作業の際の出力電流より一般的に十分小さい電流を流し、その時の電圧値を計測する。電圧計8により計測された電圧値は、例えば、表示部9に表示される。プラズマ加工装置100では、電圧計8により計測された電圧値に応じて、例えば、以下の項目A.~C.のように、第1、第2ケーブル51a及び51bの状態を把握することができる。
A.電圧値がほぼ0V近辺(例えば、0.06V以上1V以下)を示したとき
・第1、第2ケーブル51a及び51bは、“正常な状態”
B.電圧値が比較的高い値(例えば、1Vを超えほぼ無負荷電圧未満)を示したとき
・第1、第2ケーブル51a及び51bは、“劣化が進行している状態”
C.電圧値がほぼ無負荷電圧(無負荷電圧の1つの例は、おおよそ110V)を示したとき
・第1、第2ケーブル51a及び51bは、“少なくとも1つが断線している状態”
このように、第1、第2ケーブル51a及び51bの劣化の度合いは、電圧計8により計測された電圧値に対応づけることができる。第1、第2ケーブル51a及び51bは、例えば、複数の導体素線を撚り合わせることで形成される。導体素線のうち、断線した導体素線の数が増えるほど、直列に接続された第1、第2ケーブル51a及び51bの抵抗値は高まる。第1、第2ケーブル51a及び51bの少なくとも1つが完全に断線していると、抵抗値は極大となり、第1端子41aと第2端子41bとの間に接続された電圧計8は、ほぼ無負荷電圧(パイロット電源41の最大電圧)を示す。したがって、電圧計8が示した電圧値が高いほど、第1、第2ケーブル51a及び51bの劣化が進行している、と判断できる。
図5は、実際の計測例を示す図である。図5は、トーチホース5のサンプルI~VIIについて、計測用パイロット電流IPC、例えば3(A)を流し、それぞれ計測された電圧値を示している。
サンプルIは新品のトーチホース、サンプルII及びIIIは約1~2年程の使用品、サンプルIV及びVは約4~5年程の使用品、であり、いずれも正常に使用できる品である。サンプルVI及びVIIは、いずれも不具合発生品であり、特にトーチホース5の折り曲げ繰返し頻度が高い使用環境で使用されていた品である。サンプルVIは溶接アーク不安定の不具合品、サンプルVIIはパイロットアークが着火しない不具合品である。
図5に示すように、サンプルI~Vでは、電圧計8は、約0.06V~0.5Vを示した。サンプルI~Vの第1、第2ケーブル51a及び51bの電圧値は、十分低い値であり、正常である、と判断できる。サンプルI~Vは、使用年月(劣化度)に応じて電圧が高くなっている。サンプルVIでは、電圧計8は、約4Vを示した。サンプルVIでは、トーチホース5が折り曲げ繰返しのため、第1、第2ケーブル51a及び51bの少なくとも1つにおいて、導体素線のいくつかが断線した(劣化が進行した)、と判断できる。サンプルVIIは、第1、第2ケーブル51a及び51bの少なくとも1つが完全に断線していると断定されたトーチホース5である。サンプルVIIでは、電圧計8は、約110V(ほぼ無負荷電圧)を示した。
このように、一実施形態によれば、例えば、トーチホース5内の第1、第2ケーブル51a及び51bの断線及び劣化を検知することが可能なプラズマ加工装置100を提供できる。
なお、電極1を内壁面21aと接触させるとき、上述したように噴出孔22の直径D22を、電極1の直径D1よりも小さい場合、電極1を、より確実に内壁面21aと接触させることができる。使用状態によっては、噴出孔22の直径D22が電極1の直径D1より大きい場合もある。この時は、センタリングストーン21aを外すとよい。電極1は、多少のセンターずれがあるため、電極1を噴出孔22より貫通して出すと、電極1は、噴出孔22と接触する。これにより、計測が可能となる。又は、噴出孔22の直径D22より大きい直径を持つ専用のテスト用電極を用いても良いし、インサートチップ20を、電極1の直径D1よりも小さい直径の噴出孔22を持つ別のインサートチップに変えてテストしても良い。
また、第1、第2ケーブル51a及び51bの劣化の度合いを検知できることは、例えば、トーチホース5の適切な交換時期の把握に有効である。適切な交換時期を把握できれば、生産中に発生し得る、予期せぬ第1、第2ケーブル51a及び51bの断線発生を抑制できる。これにより、生産ラインの“予期せぬ停止”を極力回避することが可能となり、製品の生産効率を向上できる。さらに、適切な交換時期を把握できることは、トーチホース5の無用な交換の抑制にもつながる。これは、ユーザーに対して、生産コストの更なる低減の一助となる。
また、プラズマ加工装置100によれば、例えば、その稼働開始前の事前点検等において、第1、第2ケーブル51a及び51bを、テスター等を用いずに実施することができる。これは、プラズマ加工装置100の点検工程の煩雑さを軽減させ、さらに、点検工程の確実性を向上させる。点検工程の煩雑さの軽減及び確実性の向上は、例えば、プラズマ加工装置100の操作性の向上のみならず、プラズマ加工装置100の長期間にわたる信頼性及び安全性の確保に寄与する。そして、例えば、加工機本体4内に内蔵された電圧計8を用いた点検によれば、テスター等を用いた外部からの点検と比較して、点検精度の更なる高精度化を促進させることもできる。
第1、第2ケーブル51a及び51bの少なくとも1つが劣化若しくは断線していれば、トーチホース5には、交換する必要性が生じる。このため、第1、第2ケーブル51a及び51bのどちらが劣化若しくは断線しているかについては、必ずしも特定される必要はない。しかし、例えば、ユーザーの要求等により、第1、第2ケーブル51a及び51bのどちらが劣化若しくは断線しているかを把握したいケースも生じ得る。このようなケースに対しても、一実施形態に係るプラズマ加工装置100は、対応できる。以下、そのようなケースへの対応例を説明する。
<2.1 第2ケーブル51bの状態検知>
図6は、第2ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式図である。なお、図6では、シールドキャップ30の図示は省略する。
図6に示すように、第2ケーブル51bの状態を検知するときには、電極1を内壁面20aと接触させた状態で、インサートチップ20を第1接続端子WIと接触させる。これにより、第1ケーブル51aの両端は、電極1とインサートチップ20とを介して、第1接続端子WIと短絡する。第1接続端子WIと第2接続端子WOとの間には、第2ケーブル51bが直列に接続された状態となる。したがって、第2ケーブル51bの劣化若しくは断線を検知できる。
<2.2 第1ケーブル51aの状態検知>
図7は、第1ケーブルの状態を検知するときの一例を示す模式図である。なお、図7では、シールドキャップ30の図示は省略する。
図7に示すように、第1ケーブル51aの状態を検知するときには、電極1を内壁面20aと接触させた状態で、インサートチップ20を第2接続端子WOと接触させる。これにより、第2ケーブル51bの両端は、インサートチップ20を介して、第2接続端子WOと短絡する。第1接続端子WIと第2接続端子WOとの間には、第1ケーブル51aが直列に接続された状態となる。したがって、第1ケーブル51aの劣化若しくは断線を検知できる。
一実施形態に係るプラズマ加工装置によれば、第1、第2ケーブル51a及び51bのどちらが劣化若しくは断線しているかについても、検知することができる。
このように、一実施形態に係るプラズマ加工装置では、トーチホース5の劣化や断線を、加工機本体4からトーチホース5を外すことなく検知することが可能となる。加工機本体4からトーチホース5を外すことは、外しの手間だけでなく、冷却液CLも第1接続端子WIや第2接続端子WOから放出されてしまうことから、冷却液CLによる汚れ等、作業者や作業現場の清浄性を損なう可能性がある。一実施形態に係るプラズマ加工装置によれば、このような作業者や作業現場の清浄性を損なってしまうような作業についても回避できる、という利点も得ることができる。
ただし、第1ケーブル51aの状態を検知するとき、第2ケーブル51bは、第2接続端子WOから取り外すことも可能である。同様に、第2ケーブル51bの状態を検知するとき、第1ケーブル51aは、第1接続端子WIから取り外すことも可能である。
また、トーチホース5の異常検出は、電圧計8及び表示部9による電圧値を読んでの判断だけでなく、電圧判別機(図示せず)を用いて、この電圧判別機に予め異常電圧値をセットしておき、例えば、異常電圧値以上になったら、異常アラームを発報するようにしてもよい。
上記一実施形態は、装置を、プラズマ加工装置100として説明したが、プラズマ加工装置100の例としては、例えば、プラズマ溶接装置又はプラズマ切断装置を挙げることができる。このように、この発明の一実施形態は、プラズマ溶接装置及びプラズマ切断装置のどちらにも適用することができる。また、プラズマ加工装置100は、プラズマ溶接装置及びプラズマ切断装置のそれぞれを兼ねてもよい。
以上、この発明の一実施形態を説明したが、一実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、この発明の実施形態は、上記一実施形態が唯一のものでもない。例えば、この発明は、一実施形態のほか、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、一実施形態は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
100 :プラズマ加工装置
1 :電極
2 :プラズマトーチ
20 :インサートチップ
20a :インサートチップの内壁面
20b :インサートチップの周壁
21 :電極収容空間
21a:センタリングストーン
21b:貫通孔
22 :噴出孔
23 :冷媒流路
24 :接続部材
25 :絶縁部材
30 :シールドキャップ
31 :シールドガス空間
32 :開口
4 :加工機本体
41 :パイロット電源
41a:第1端子
41b:第2端子
42 :メイン電源
42c:第3端子
42d:第4端子
44 :高周波発生器
45 :カップリングコイル
45a:配線
5 :トーチホース
51a :第1ケーブル
51b :第2ケーブル
6 :母材ケーブル
7 :母材
8 :電圧計
9 :表示部
CP :商用電源
PG :パイロットガス
SG :シールドガス
CL :冷却液
WI :第1接続端子
WO :第2接続端子
M :第3接続端子
A :破線円
T :電極1とインサートチップ20との間の電圧
I :第1ケーブル51aの両端間の電圧
O :第2ケーブル51bの両端間の電圧
P :第1接続端子WIと第2接続端子WOとの間の電圧
PC :パイロット電流
P :冷却液循環ポンプ
T :計測機器

Claims (5)

  1. 電極と、
    パイロットガスが供給され、前記電極が着脱自在に収容されてプラズマを発生させる電極収容空間、及び先端に前記プラズマを通過させてプラズマアークを噴出させる冷却可能な噴出孔を有するインサートチップを含むプラズマトーチと、
    第1端子及び第2端子を有するパイロット電源、並びに高周波発生器を含む加工機本体と、
    前記電極を、前記第1端子と電気的に結合させる第1ケーブルと、
    前記インサートチップを、前記第2端子と電気的に結合させる第2ケーブルと、
    前記第1端子と前記第2端子との間に接続された電圧計と、
    を備え、
    前記第1ケーブルの劣化の状態及び前記第2ケーブルの劣化の状態の少なくとも1つを検知するとき、
    前記電極を、前記インサートチップの前記電極収容空間に面した内壁面と接触させた状態で、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルの少なくとも1つを介して、前記パイロット電源によって前記電極と前記インサートチップとの間での通電が可能な状態とし、この状態において、前記電圧計により計測された電圧値に対応づけて、前記第1ケーブルの劣化の状態及び前記第2ケーブルの劣化の状態の少なくとも1つを検知することにより、前記第1ケーブル及び/又は前記第2ケーブルの劣化の度合いを判断すること
    を特徴とするプラズマ加工装置。
  2. 前記プラズマアークを噴出させるとき、
    前記電極を、前記内壁面から離間させた状態で、前記第1ケーブル及び前記第2ケーブルを介して、前記パイロット電源及び前記高周波発生器によって前記電極と前記内壁面との間での放電が可能な状態とすること
    を特徴とする請求項1に記載のプラズマ加工装置。
  3. 前記加工機本体は、
    前記第1端子と電気的に結合され、前記第1ケーブルの着脱が可能な第1接続端子と、
    前記第2端子と電気的に結合され、前記第2ケーブルの着脱が可能な第2接続端子と、
    を、有し、
    前記第1ケーブルの劣化の状態を検知するとき、
    前記電極を、前記内壁面と接触させた状態で、前記インサートチップを前記第2接続端子と接触させ、
    前記第2ケーブルの劣化の状態を検知するとき、
    前記電極を、前記内壁面と接触させた状態で、前記インサートチップを前記第1接続端子と接触させること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ加工装置。
  4. 前記電圧計は、前記加工機本体内に設置され、
    前記加工機本体は、前記電圧計により計測された電圧値を表示する表示部を、備えること
    を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のプラズマ加工装置。
  5. 前記プラズマ加工装置は、プラズマ溶接装置及びプラズマ切断装置の少なくとも1つであること
    を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のプラズマ加工装置。
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