JP2009138219A - アーク溶射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーク溶射において、一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵が付着して内接すると、放電電極又はノズルが変形して溶射作業が困難となってしまう。
【解決手段】溶射ガンの内部に第1放電電極及び第2放電電極からなる一対の放電電極を配設し、第1放電電極及び第2放電電極を中空形状としワイヤを中空形状内に貫通して送給し、一対の放電電極間にアーク放電を発生させてアーク放電エネルギーでワイヤを溶融し、ノズル内に圧縮ガスを供給して溶融ワイヤを噴出するアーク溶射方法において、第1放電電極とノズルとの間に所定の抵抗値を有する第1抵抗器を接続し、第2放電電極とノズルとの間に同一抵抗値の第2抵抗器を接続し、第1抵抗器の値と第2抵抗器の値とのバランスが崩れたとき放電電極とノズルとの間に溶融ワイヤの粉塵が付着して内接したと判別しワイヤの送給及びアーク放電を停止することを、特徴とするアーク溶射方法である。
【選択図】図2
【解決手段】溶射ガンの内部に第1放電電極及び第2放電電極からなる一対の放電電極を配設し、第1放電電極及び第2放電電極を中空形状としワイヤを中空形状内に貫通して送給し、一対の放電電極間にアーク放電を発生させてアーク放電エネルギーでワイヤを溶融し、ノズル内に圧縮ガスを供給して溶融ワイヤを噴出するアーク溶射方法において、第1放電電極とノズルとの間に所定の抵抗値を有する第1抵抗器を接続し、第2放電電極とノズルとの間に同一抵抗値の第2抵抗器を接続し、第1抵抗器の値と第2抵抗器の値とのバランスが崩れたとき放電電極とノズルとの間に溶融ワイヤの粉塵が付着して内接したと判別しワイヤの送給及びアーク放電を停止することを、特徴とするアーク溶射方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、消耗電極式アーク溶射装置において、溶接ガンのノズルと放電電極との間に付着する溶融金属等のごみを検出する技術に関するものである。
図5は、下記に示す図1のアーク溶射ガン2の先端部の詳細図であり、図5に示す第1のガイドライナ12aは、軸芯部に挿通孔が形成されている。また、その基端部の外面がねじ加工されていて、アーク溶射ガン2を挿通して、アーク溶射ガン2にねじ止めされている。この第1のガイドライナ12aは、第1のワイヤを後述する第1のコンタクトチップ16aまでガイドする。
絶縁部材13はアーク溶射ガン2に取付けられている。第1の給電部材14aは、軸芯部に第1のガイドライナ12aの挿通孔が形成されていて絶縁部材13に取付けられている。第1のチップ本体15aは、基端部の外面がねじ加工されていて第1の給電部材14aにねじ止めされている。
第1のコンタクトチップ16aは、軸芯部に第1のワイヤが挿通する挿通孔が形成されている。また、第1のコンタクトチップ16aの基端部の外面がねじ加工されていて、第1のチップ本体15aにねじ止めされて第1放電電極を形成する。そして、第1の給電部材14aから第1のチップ本体15aを介して第1のコンタクトチップ16aに電力が供給され、第1のワイヤが第1のコンタクトチップ16aに挿通されて、内接触して通電される。
図5に示す第2のガイドライナ12b、第2の給電部材14b、第2のチップ本体15b、第2のコンタクトチップ16bは、上述した第1のワイヤ送給機構と同様の機能を有するので符号の添え字aをbに代えて、説明を省略する。また、第2放電電極は、第2のチップ本体15bと第2のコンタクトチップ16bとで形成される。
以下、動作について説明する。
第1のワイヤと第2のワイヤとがアーク溶射ガン2の前方の交差点で短絡されることによって、2本のワイヤの先端間にアークが発生する。そして、2本のワイヤの先端は、アーク熱によって溶融するので、連続的にワイヤを送給するとともに適正な溶射電圧とワイヤ送給速度とを選択することによって、アークを持続させることができる。このときコンプレッサ3から供給される圧縮ガスを、ノズルのガス噴出孔から2本のワイヤの先端間のアークに吹き付けると、溶融した金属が溶滴となって前方に噴出され、被溶射物に堆積して溶射層が形成される。
第1のワイヤと第2のワイヤとがアーク溶射ガン2の前方の交差点で短絡されることによって、2本のワイヤの先端間にアークが発生する。そして、2本のワイヤの先端は、アーク熱によって溶融するので、連続的にワイヤを送給するとともに適正な溶射電圧とワイヤ送給速度とを選択することによって、アークを持続させることができる。このときコンプレッサ3から供給される圧縮ガスを、ノズルのガス噴出孔から2本のワイヤの先端間のアークに吹き付けると、溶融した金属が溶滴となって前方に噴出され、被溶射物に堆積して溶射層が形成される。
そして、溶射を終了するときに、作業者がアーク溶射ガン2のスタートスイッチ7を開放してOFF状態にすると、圧縮ガスの噴出が停止され、2本のワイヤの送給及び溶射電流の通電が停止されてアーク溶射が終了する。
上述において、アーク発生点付近のコンタクトチップ、ノズル等に溶融金属の粉塵等のごみが付着し、コンタクトチップとノズルとが内接すると、アーク放電がアーク発生点からノズルに飛び火しノズルを溶かし変形させて溶射作業が困難となる。この状態に陥らないようにするために、作業者は目視によってコンタクトチップ、ノズル等に付着しているごみ等を確認し、付着しないように清掃を行っていた。
アーク溶射を行っていると、アーク発生点付近の一対の放電電極とノズルとの間にごみ(溶融金属の粉塵等)が付着し、一対の放電電極先端部とノズルとが内接すると、アーク放電がアーク発生点からノズルに飛び火し、ノズルがアーク放電によって変形されアーク溶射の継続が困難となる。また、アーク溶射ガンのノズル内にある一対の放電電極を保持する樹脂性の絶縁部材がアーク放電の熱により炭化されて半導電状態になり、この状態でアーク溶射を継続すると本来絶縁が必要な絶縁部材に電流が流れ、この電流によって熱が発生し絶縁部材を焼損しアーク溶射の継続が困難となる。
上述の不具合を防止するために、作業者は目視によって絶縁部材の焼損の確認、又は一対の放電電極とノズルとの間にごみが付着しているか否かを確認し、付着しているとき、ごみを排除してアーク溶射の正常を維持してきた。しかし、アーク溶射作業中に高頻度に点検・清掃を行うことはアーク溶射の作業性を悪くし現実的に難しい。更に自動のアーク溶射装置でアーク溶射を行うとき、一般的に長時間の連続運転が行なわれ、この連続運転中に異常が発生し、この異常を放置したままアーク溶射を継続するとノズル等が損傷し製品に不良が生じる。
上述の不具合を防止するために、作業者は目視によって絶縁部材の焼損の確認、又は一対の放電電極とノズルとの間にごみが付着しているか否かを確認し、付着しているとき、ごみを排除してアーク溶射の正常を維持してきた。しかし、アーク溶射作業中に高頻度に点検・清掃を行うことはアーク溶射の作業性を悪くし現実的に難しい。更に自動のアーク溶射装置でアーク溶射を行うとき、一般的に長時間の連続運転が行なわれ、この連続運転中に異常が発生し、この異常を放置したままアーク溶射を継続するとノズル等が損傷し製品に不良が生じる。
そこで、本発明は、上記の課題を解決するためのアーク溶射方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、溶射ガンの内部に第1放電電極及び第2放電電極からなる一対の放電電極を配設し、前記第1放電電極及び第2放電電極を中空形状としワイヤを前記中空形状内に貫通して送給し、前記一対の放電電極間にアーク放電を発生させて前記アーク放電のエネルギーで前記ワイヤを溶融し、前記一対の放電電極を取り囲む金属性のノズル内に圧縮ガスを供給して前記溶融されたワイヤを噴出するアーク溶射方法において、前記第1放電電極と前記ノズルとの間に第1抵抗器を接続し、前記第2放電電極と前記ノズルとの間に前記第1抵抗器と同一抵抗値の第2抵抗器を接続し、前記第1抵抗器の両端電圧を検出すると共に前記第2抵抗器の両端電圧を検出し、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との両端電圧がアンバランスになったとき、前記ワイヤの送給及び前記アーク放電を停止することを、特徴とするアーク溶射方法である。
第2の発明は、前記第1抵抗器の両端電圧の絶対値と前記第2抵抗器の両端電圧の絶対値との差が基準電圧値以上のときアンバランスであると判別することを、特徴とする請求項1記載のアーク溶射方法である。
第3の発明は、前記第1抵抗器の両端電圧が基準電圧範囲を外れたときアンバランスであると判別することを、特徴とする請求項1記載のアーク溶射方法である。
第1発明及び第2の発明によれば、アーク溶射ガンに内蔵している一対の放電電極先端部とノズルとの間のごみによる内接を作業者の目視に頼ることなくアーク溶射の作業中に自動で精度良く検出でき、内接が検出されたときにアーク溶射を停止してごみを排除することにより、アーク溶射ガンに内蔵しているノズル等の部品の破損を防止できる。更に、自動のアーク溶射装置において、アーク溶射の作業中に一対の放電電極とノズルとの間の内接が検出されたとき、ワイヤの送給及びアーク放電の停止を行うことで、製品の不良を防止でき品質が大きく向上する。
第3の発明によれば、上述に加えて一対の放電電極のうち、どの放電電極とノズルと間に内接が発生したか場所の判別が可能となる。そして、内接しているごみの場所が確認できるとごみの排除が容易になる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1のアーク溶射装置の構成図であり、同図において、溶射電源装置1は、商用交流電源を入力として、図示省略のインバータ制御回路によって出力が定電圧制御されて、アーク溶射ガン2に電力を供給する。コンプレッサ3から噴出された圧縮ガスは、溶射電源装置1内に設けられた図示省略の電磁弁を介して、アーク溶射ガン2に噴出される。
図1は、本発明の実施の形態1のアーク溶射装置の構成図であり、同図において、溶射電源装置1は、商用交流電源を入力として、図示省略のインバータ制御回路によって出力が定電圧制御されて、アーク溶射ガン2に電力を供給する。コンプレッサ3から噴出された圧縮ガスは、溶射電源装置1内に設けられた図示省略の電磁弁を介して、アーク溶射ガン2に噴出される。
第1のワイヤ送給機構は、図1に示す第1のプッシュ側ワイヤ送給機4a、第1のワイヤリール5a及び第1のプッシュ側ガイドライナ8aによって形成され、第1のプッシュ側ワイヤ送給機4aは、第1のワイヤリール5aから第1のワイヤを送出する。この送出された第1のワイヤは、第1のプッシュ側ガイドライナ8aによってアーク溶射ガン2までガイドされる。そして、リモコン6によって溶射電圧とワイヤ送給速度とが設定される。
第2のワイヤ送給機構は、第2のプッシュ側ワイヤ送給機4b、第2のワイヤリール5b及び第2のプッシュ側ガイドライナ8bによって形成され、上述した第1のワイヤ送給機構と同様の機能を有するので、符号の添え字aをbに代えて説明を省略する。そして、第1のワイヤと第2のワイヤとは絶縁されて交差点まで送給される。
図2は、第1の短絡検出回路9aの詳細図を示し、第1の短絡検出回路9aは、第1の抵抗器R1、第2の抵抗器R2、第1の絶縁増幅回路OP1、第2の絶縁増幅回路OP2及び抵抗比演算回路DPによって形成されている。同図において、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2は同一抵抗値とし、第1の抵抗器R1は、第1放電電極とノズルとの間に接続され、第1の抵抗器R1の両端電圧を第1の絶縁増幅回路OP1に入力する。第1の絶縁増幅回路OP1は、両端の電圧を正電圧に変換して第1の絶縁増幅信号Op1として出力する。
図2において、第2の抵抗器R2は、第2の放電電極とノズルとの間に接続され、第2の抵抗器R2の両端電圧を第2の絶縁増幅回路OP2に入力する。第2の絶縁増幅回路OP2は、両端の電位を正電圧に変換して第2の絶縁増幅信号Op2として出力する。
抵抗比演算回路DPは、第1の絶縁増幅信号Op1の値と第2の絶縁増幅信号Op2の値との比を演算し、第1の絶縁増幅信号Op1の値と第2の絶縁増幅信号Op2の値との比のバランスが崩れて、所定の比より大きくなったときに抵抗比演算信号Dpを出力する。
以下、アーク溶射ガンに内蔵している一対の放電電極先端部とノズルとの間のごみによって発生する内接を検出する方法について説明する。
作業者が、図1に示すアーク溶射ガン2に設けられたスタートスイッチ7を押して、ON状態にすると、コンプレッサ3から圧縮ガスが溶射電源装置1内に設けられた電磁弁を介してアーク溶射ガン2に噴出される。第1のワイヤ送給機構は、第1のワイヤリール5aからの第1のワイヤが第1のプッシュ側ワイヤ送給機4aによって送給され第1のプッシュ側ガイドライナ8aによってガイドされて、アーク溶射ガン2に送給される。
作業者が、図1に示すアーク溶射ガン2に設けられたスタートスイッチ7を押して、ON状態にすると、コンプレッサ3から圧縮ガスが溶射電源装置1内に設けられた電磁弁を介してアーク溶射ガン2に噴出される。第1のワイヤ送給機構は、第1のワイヤリール5aからの第1のワイヤが第1のプッシュ側ワイヤ送給機4aによって送給され第1のプッシュ側ガイドライナ8aによってガイドされて、アーク溶射ガン2に送給される。
第1のプッシュ側ガイドライナ8aによってガイドされた第1のワイヤはガン本体2内に送給される。そして、第1のワイヤは第1のガイドライナ12aによって第1のコンタクトチップ16aまでガイドされる。更に、第1のワイヤが第1のコンタクトチップ16aと内接触することによって、第1の給電部材14aから第1のチップ本体15aを介して,第1のワイヤに電力が供給されると共に第1のワイヤは交差点方向に送給される。
第2のワイヤ送給機構においても第1のワイヤ送給機構と同様に動作を行ない、第2のワイヤは交差点方向に送給される。そして、第1のワイヤと第2のワイヤとがアーク溶射ガン2の前方の交差点で短絡されることによって、2本のワイヤの先端間にアークが発生する。
図2に示す抵抗比演算回路DPは、例えば、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2を同一抵抗の1000Ωとし、溶射電源装置1の出力電圧が30Vとする。このとき、アーク溶射において、アーク溶射ガンの一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵等の付着が無いとき、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2の両端の電圧は分圧されて共に15Vとなる。
抵抗比演算回路DPは、第1の絶縁増幅信号Op1の15Vと第2の絶縁増幅信号Op2の15Vとの比を演算し抵抗比1を求める。そして、求めた抵抗比1と所定の抵抗比(例えば、2)と比較し、求めた抵抗比1が所定の抵抗比2より小さいとき抵抗比のバランスが取れていると判別して、抵抗比演算信号DpをLowレベルにして出力する。溶射電源装置1は、抵抗比演算信号DpがLowレベルのとき、ワイヤの送給とアーク放電とを継続する。
つぎに、アーク溶射において、アーク溶射ガンの第1放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵等が付着し、第1放電電極とノズルと間に付着された溶融ワイヤによって内接したとき、第1の抵抗器R1の1000Ωと並列に、例えば、100Ωの内接抵抗が接続されると、第1の抵抗器R1の抵抗値は90.9Ωとなる。このとき、第1の抵抗器R1の両端電圧2.5Vとなり、第2の抵抗器R2の両端電圧27.5Vとなる。
抵抗比演算回路DPは、第1の絶縁増幅信号Op1の2.5Vと第2の絶縁増幅信号Op1の27,5Vとの比を演算して抵抗比11を求める。そして、求めた抵抗比11が所定の抵抗比2より大きいときにアンバランスになったと判別して、抵抗比演算信号DpをHighレベルにして出力する。溶射電源装置1は、抵抗比演算信号Dpがhighレベルのとき、一対の放電電極とノズルとの間に溶融されたワイヤの粉塵の付着による内接と判別し、ワイヤの送給及びアーク放電を停止する。
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2の第2の短絡検出回路9bの詳細図を示し、同図において、図2に示す第1の短絡検出回路9aの詳細図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
図3は、本発明の実施の形態2の第2の短絡検出回路9bの詳細図を示し、同図において、図2に示す第1の短絡検出回路9aの詳細図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
図3に示す第2の短絡検出回路9bは、第1の抵抗器R1、第2の抵抗器R2、第1の絶縁増幅回路OP1、第2の絶縁増幅回路OP2、差分演算回路OP3、絶対値変換回路AC、第1の比較回路CP1及び基準電圧設定回路RF1によって形成されている。
差分演算回路OP3は、第1の絶縁増幅信号Op1の値と第2の絶縁増幅信号Op2の値との差を算出し差分演算信号Op3を出力する。絶対値変換回路ACは、差分演算信号Op3の値を絶対値に変換して絶対値変換信号Acとして出力する。第1の比較回路CP1は、絶対値変換信号Acの値と所定の基準電圧値Rf1とを比較し、絶対値Acが基準電圧値Rf1より大きいときに第1の比較信号Cp1をHighレベルにして出力する。
以下、図3に示す第2の短絡検出回路9bの動作について説明する。
アーク溶射において、アーク溶射ガンの一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵の付着が無いとき、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2の両端の電圧は分圧されて共に15Vとなる。
アーク溶射において、アーク溶射ガンの一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵の付着が無いとき、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2の両端の電圧は分圧されて共に15Vとなる。
差分演算回路OP3は、第1の絶縁増幅信号Op1の電圧値15Vと、第2の絶縁増幅信号Op2の電圧値15Vとの電圧差を算出し電位差は0Vとなる。絶対値変換回路ACは、電圧差0Vを絶対値化して0Vとして出力する。つぎに、第1の比較回路CP1は、絶対値電圧0Vと基準電圧値5Vとを比較し、絶対値電圧0Vが基準電圧値5Vより小さいとき第1の比較信号Cp1をLowレベルにして出力する。溶射電源装置1は、第1の比較信号Cp1がLowレベルのとき、アーク溶射ガンの一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵の付着が無いと判別して、ワイヤの送給及びアーク放電を継続する。
つぎに、アーク溶射において、例えば、アーク溶射ガンの第1放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵等が付着し、第1放電電極とノズルと間が付着された溶融ワイヤによって内接したとき、第1の抵抗器R1の1000Ωと並列に、例えば100Ωの内接抵抗が接続されるので、第1の抵抗器R1の抵抗値は90.9Ωとなる。このとき、第1の抵抗器R1の両端電圧2.5Vとなり、第2の抵抗器R2の両端電圧27.5Vとなる。
差分演算回路OP3は、第1の絶縁増幅信号Op1の電圧値2.5Vと、第2の絶縁増幅信号Op2の電圧値27.5Vとの電圧差を算出し電圧差は−25Vとなる。絶対値変換回路ACは、電圧差は−25を絶対値化して25Vを出力する。つぎに、第1の比較回路CP1は、電圧差25Vと基準電圧値を5Vとを比較し、電圧差25Vが基準電圧値5より大きいとき、第1の比較信号Cp1をHighレベルにして出力する。溶射電源装置1は、第1の比較信号Cp1がHighレベルのとき、アーク溶射ガンの一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵の付着し内接したと判別し、ワイヤの送給及びアーク放電を停止する。
[実施の形態3]
図4は、本発明の実施の形態3の第3の短絡検出回路9cの詳細図を示し、同図において、図2に示す第1の短絡検出回路9aの詳細図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
図4は、本発明の実施の形態3の第3の短絡検出回路9cの詳細図を示し、同図において、図2に示す第1の短絡検出回路9aの詳細図と同一符号の構成物は、同一動作を行うので説明は省略し、符号の相違する構成物についてのみ説明する。
図4に示す第3の短絡検出回路9cは、第1の抵抗器R1、第2の抵抗器R2、第1の絶縁増幅回路OP1、第2の比較回路CP2及び第2の基準電圧設定回路RF2、第3の比較回路CP3及び第3の基準電圧設定回路RF3によって形成されている。
第1の絶縁増幅回路OP1は、第1の抵抗器R1の両端の電圧を正電圧に変換して第1の絶縁増幅信号Op1として出力する。第2の比較回路CP2は、第1の絶縁増幅信号Op1の値と所定の第2の基準電圧値Rf2とを比較し、第1の絶縁増幅信号Op1の値が第2の基準電圧値Rf2より大きいときに第2の比較信号Cp1をHighレベルにして出力する。また、第3の比較回路CP3は、第1の絶縁増幅信号Op1の値と所定の第3の基準電圧値Rf3とを比較し、第1の絶縁増幅信号Op1の値が第3の基準電圧値Rf3より小さいときに第3の比較信号Cp3をHighレベルにして出力する。
以下、図4示す第3の短絡検出回路9cの動作について説明する。
例えば、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2を1000Ωとし、溶射電源装置1の出力電圧が30Vとする。そして、アーク溶射において、アーク溶射ガンの一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵の付着が無いとき、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2の両端の電圧は分圧されて共に15Vとなる。
例えば、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2を1000Ωとし、溶射電源装置1の出力電圧が30Vとする。そして、アーク溶射において、アーク溶射ガンの一対の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵の付着が無いとき、第1の抵抗器R1及び第2の抵抗器R2の両端の電圧は分圧されて共に15Vとなる。
第1の絶縁増幅OP1は、第1の抵抗器R1の端子電圧を正電圧に変換して第1の絶縁増幅信号Op1の値を15Vとして出力する。つぎに、第2の比較回路CP2は、第1の絶縁増幅信号Op1の値を15Vと所定の第2の基準電圧値、例えば20Vとを比較し、小さいとき第2の比較信号Cp2をLowレベルにして出力する。溶射電源装置1は、図示省略の第2の比較信号Cp2がLowレベルのときアーク溶射ガンの第1の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵の付着が無いと判別して、ワイヤの送給及びアーク放電を継続する。
つぎに、アーク溶射において、アーク溶射ガンの第1放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵等が付着し、第1放電電極とノズルと間に付着された溶融ワイヤによって内接したとき、第1の抵抗器R1の1000Ωと並列に、例えば100Ωの内接抵抗が接続されるので、第1の抵抗器R1の抵抗値は90.9Ωとなる。このとき、第1の抵抗器R1の両端電圧2.5Vとなり、第1の絶縁増幅OP1は、第1の抵抗器R1の端子電圧を正電圧に変換して第1の絶縁増幅信号Op1の値を2.5Vとして出力する。つぎに、第3の比較回路CP3は、第1の絶縁増幅信号Op1の値を2.5Vと所定の第3の基準電圧値、例えば5Vとを比較し、第3の基準電圧値5Vより小さいとき第3の比較信号Cp3をHighレベルにして出力する。溶射電源装置1は、図示省略の第3の比較信号Cp3がHighレベルのときアーク溶射ガンの第1の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵が付着し内接したと判別し、ワイヤの送給及びアーク放電を停止する。
また、アーク溶射ガンの第2放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵等が付着し、第2放電電極とノズルと間に付着された溶融ワイヤによって内接したとき、第2の抵抗器R2の1000Ωと並列に、例えば100Ωの内接抵抗が接続されるので、第2の抵抗器R2の抵抗値は90.9Ωとなる。このとき、第1の抵抗器R1の両端電圧27.5Vとなり、第1の絶縁増幅OP1は、第1の抵抗器R1の端子電圧を正電圧に変換して第1の絶縁増幅信号Op1の値を27.5Vとして出力する。つぎに、第2の比較回路CP2は、第1の絶縁増幅信号Op1の値を27.5Vと第2の基準電圧値20Vとを比較し、第2の基準電圧値20Vより大きいとき第2の比較信号Cp2をHighレベルにして出力する。溶射電源装置1は、図示省略の第2の比較信号Cp2がHighレベルのときアーク溶射ガンの第2の放電電極とノズルとの間に溶融金属の粉塵が付着し内接したと判別し、ワイヤの送給及びアーク放電を停止する。
上述の方法を用いると、一対の放電電極とノズルとの間の溶融金属の付着による内接の判別は勿論、アーク溶射ガンのノズル内にある一対の放電電極を保持する樹脂性の絶縁部材がアーク放電の熱により劣化も判別できる。
1 溶射電源装置
2 アーク溶射ガン
3 コンプレッサ
4a 第1のプッシュ側ワイヤ送給機
4b 第2のプッシュ側ワイヤ送給機
5a 第1のワイヤリール
5b 第2のワイヤリール
6 リモコン
7 スタートスイッチ
8a 第1のプッシュ側ガイドライナ
8b 第2のプッシュ側ガイドライナ
9a 第1の短絡検出回路
9b 第2の短絡検出回路
9c 第3の短絡検出回路
10a 第1のパワーケーブル
10b 第2のパワーケーブル
12a 第1のガイドライナ
12b 第2のガイドライナ
13 絶縁部材
14a 第1の給電部材
14b 第2の給電部材
15a 第1のチップ本体
15b 第2のチップ本体
16a 第1のコンタクトチップ
16b 第2のコンタクトチップ
AC 絶対値変換回路
CP1 第1の比較回路
CP2 第2の比較回路
CP3 第3の比較回路
DP 抵抗比演算回路
OP1 第1の絶縁増幅回路
OP2 第2の絶縁増幅回路
OP3 第3の絶縁増幅回路
R1 第1の抵抗器
R2 第2の抵抗器
RF1 第1の基準電圧設定回路
RF2 第2の基準電圧設定回路
RF3 第3の基準電圧設定回路
2 アーク溶射ガン
3 コンプレッサ
4a 第1のプッシュ側ワイヤ送給機
4b 第2のプッシュ側ワイヤ送給機
5a 第1のワイヤリール
5b 第2のワイヤリール
6 リモコン
7 スタートスイッチ
8a 第1のプッシュ側ガイドライナ
8b 第2のプッシュ側ガイドライナ
9a 第1の短絡検出回路
9b 第2の短絡検出回路
9c 第3の短絡検出回路
10a 第1のパワーケーブル
10b 第2のパワーケーブル
12a 第1のガイドライナ
12b 第2のガイドライナ
13 絶縁部材
14a 第1の給電部材
14b 第2の給電部材
15a 第1のチップ本体
15b 第2のチップ本体
16a 第1のコンタクトチップ
16b 第2のコンタクトチップ
AC 絶対値変換回路
CP1 第1の比較回路
CP2 第2の比較回路
CP3 第3の比較回路
DP 抵抗比演算回路
OP1 第1の絶縁増幅回路
OP2 第2の絶縁増幅回路
OP3 第3の絶縁増幅回路
R1 第1の抵抗器
R2 第2の抵抗器
RF1 第1の基準電圧設定回路
RF2 第2の基準電圧設定回路
RF3 第3の基準電圧設定回路
Claims (3)
- 溶射ガンの内部に第1放電電極及び第2放電電極からなる一対の放電電極を配設し、前記第1放電電極及び第2放電電極を中空形状としワイヤを前記中空形状内に貫通して送給し、前記一対の放電電極間にアーク放電を発生させて前記アーク放電のエネルギーで前記ワイヤを溶融し、前記一対の放電電極を取り囲む金属性のノズル内に圧縮ガスを供給して前記溶融されたワイヤを噴出するアーク溶射方法において、前記第1放電電極と前記ノズルとの間に第1抵抗器を接続し、前記第2放電電極と前記ノズルとの間に前記第1抵抗器と同一抵抗値の第2抵抗器を接続し、前記第1抵抗器の両端電圧を検出すると共に前記第2抵抗器の両端電圧を検出し、前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との両端電圧がアンバランスになったとき、前記ワイヤの送給及び前記アーク放電を停止することを、特徴とするアーク溶射方法。
- 前記第1抵抗器の両端電圧の絶対値と前記第2抵抗器の両端電圧の絶対値との差が基準電圧値以上のときアンバランスであると判別することを、特徴とする請求項1記載のアーク溶射方法。
- 前記第1抵抗器の両端電圧が基準電圧範囲を外れたときアンバランスであると判別することを、特徴とする請求項1記載のアーク溶射方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007314356A JP2009138219A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | アーク溶射方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007314356A JP2009138219A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | アーク溶射方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009138219A true JP2009138219A (ja) | 2009-06-25 |
Family
ID=40869125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007314356A Pending JP2009138219A (ja) | 2007-12-05 | 2007-12-05 | アーク溶射方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009138219A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102352476A (zh) * | 2011-09-29 | 2012-02-15 | 北京工业大学 | 一种直流脉冲电弧加工系统及电弧加工方法 |
CN103510039A (zh) * | 2013-10-12 | 2014-01-15 | 无锡洲翔成套焊接设备有限公司 | 双弧电弧喷涂装置 |
CN103526150A (zh) * | 2013-10-12 | 2014-01-22 | 无锡洲翔成套焊接设备有限公司 | 新型高效电弧喷涂装置 |
-
2007
- 2007-12-05 JP JP2007314356A patent/JP2009138219A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
CN102352476A (zh) * | 2011-09-29 | 2012-02-15 | 北京工业大学 | 一种直流脉冲电弧加工系统及电弧加工方法 |
CN103510039A (zh) * | 2013-10-12 | 2014-01-15 | 无锡洲翔成套焊接设备有限公司 | 双弧电弧喷涂装置 |
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