JP7309307B1 - ミスト流量測定装置、超音波霧化システム及びミスト流量測定方法 - Google Patents

ミスト流量測定装置、超音波霧化システム及びミスト流量測定方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、精度良く原料ミストの流量を求めることができるミスト流量測定装置を提供することを目的とする。そして、本開示のミスト流量測定装置において、カメラ(5)は透明配管(10)内において、ミスト含有ガス(G3)が流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域とした反射光(L2)の撮像処理を実行して撮像情報(S5)を取得する。ミスト流量演算部(16)は、撮像情報(S5)に基づきミスト流量演算処理を実行する。ミスト流量演算処理は、撮像情報(S5)が示す複数の輝度値の総和である輝度総和値を求める総和値演算処理と、上記輝度総和値から原料ミスト(3)の流量を導く流量導出処理とを含んでいる。

Description

原料ミストを含むミスト含有ガスが流れる状況下で原料ミストの流量を測定するミスト流量測定装置に関する。
従来、ミスト含有ガス中に含まれるミストの流量を測定する手法は確立しておらず、ミスト化する前の液体状の原料溶液の消費量を測定することにより、間接的にミストの流量を測定していた。
図14は従来の超音波霧化システムの構成(その1)を示す説明図である。図14に示すように、従来の超音波霧化システム2001は、超音波霧化装置201、原料溶液供給部20及び流量制御部27を主要構成要素として有している。
超音波霧化装置201は、霧化用容器1、液面位置検知センサー25及び超音波振動子2を主要構成要素として含んでいる。
霧化用容器1内には原料溶液15が収容される。霧化用容器1の底面に所定数の超音波振動子2(図14は1個のみ示す)が配設されている。
このような構成の超音波霧化装置201において、超音波振動子2が超音波振動を印加する超音波振動処理を実行すると、超音波の振動エネルギーが霧化用容器1の底面を介して、霧化用容器1内の原料溶液15に伝達される。
すると、原料溶液15は粒径が10μm以下のミストへと移行することにより、霧化用容器1内で原料ミスト3が得られる。
ガス供給配管4からはキャリアガスG4が霧化用容器1内に供給される。キャリアガスG4は、原料ミスト3をミストガス用配管28を介して超音波霧化装置201の外部のミスト利用処理部へと搬送するために所定の流量で霧化用容器1内に供給される。
その結果、ミストガス用配管28内で原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3が外部に搬送される。
霧化用容器1は内部に液面位置検知センサー25を有している。液面位置検知センサー25は、原料溶液15の液面高さ位置を検知することができるセンサーである。液面位置検知センサー25の一部は、原料溶液15に浸っている。液面位置検知センサー25は、原料溶液15の液面15aの位置を検出し、検出した液面15aの位置を示すセンサー情報S25を得る。
原料溶液供給部20は、容器21、ポンプ22、流量計23及び原料溶液供給側配管24を主要構成要素として含んでいる。容器21は原料溶液15を収容している。流量計23は原料溶液供給側配管24を流れる流量を測定して、測定した流量を示す測定流量情報S23を得る。
流量制御部27は、流量計23より測定流量情報S23を受け、液面位置検知センサー25よりセンサー情報S25を受ける。
流量制御部27は、測定流量情報S23が示す測定流量によって、原料溶液供給側配管24を流れる流量を常に認識している。
流量制御部27は、センサー情報S25が示す原料溶液15の液面15aの位置から、霧化用容器1内の原料溶液15の変化量を常に認識している。
流量制御部27は、測定流量情報S23及びセンサー情報S25に基づき、後述する流量制御条件を満足するように、ポンプ22の駆動量を指示するポンプ駆動信号S27を出力する原料供給制御処理を実行する。
上述した流量制御条件は、「センサー情報S25が示す原料溶液15の液面15aの位置が所定の液面高さから許容範囲内にある」条件となる。
従来の超音波霧化システム2001では、液面位置検知センサー25より得られるセンサー情報S25から、霧化用容器1内の原料溶液15の所定の液面高さからの変化量を認識し、認識した原料溶液15の変化量から、ミスト含有ガスG3に含まれる原料ミスト3の流量を推測するという第1の流量推測法を採用していた。
図15は従来の超音波霧化システムの構成(その2)を示す説明図である。図15に示すように、超音波霧化システム2002は、超音波霧化装置202、原料溶液供給部20、秤量計26及び流量制御部27Bを主要構成要素として有している。
以下、図14で示した超音波霧化システム2001と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、超音波霧化システム2002の特徴部分を中心に説明する。
超音波霧化装置202は、霧化用容器1、及び超音波振動子2を主要構成要素として含んでいる。超音波霧化装置202は超音波霧化装置201と比較して液面位置検知センサー25を有していない点が異なる。
原料溶液供給部20は、容器21、ポンプ22、流量計23及び原料溶液供給側配管24を主要構成要素として含んでいる。原料溶液供給部20は超音波霧化装置100に原料溶液15を供給している。
原料溶液供給部20において、容器21は原料溶液15を収容している。流量計23は原料溶液供給側配管24を流れる流量を測定して、測定した流量を示す測定流量情報S23を得る。
秤量計26は容器21を重量測定可能に支持している。秤量計26は、原料溶液15を含む容器21の重量を測定し重量を示す秤量信号S26を出力する。
流量制御部27Bは、流量計23より測定流量情報S23を受け、秤量計26より秤量信号S26を受ける。
流量制御部27Bは、測定流量情報S23が示す測定流量によって、原料溶液供給側配管24を流れる流量を常に認識している。
流量制御部27Bは、秤量信号S26が示す容器21の重量から、容器21内の原料溶液15の残存量を常に認識している。
流量制御部27Bは、測定流量情報S23及び秤量信号S26に基づき、後述する流量制御条件を満足するように、ポンプ22の駆動量を指示するポンプ駆動信号S27Bを出力する原料供給制御処理を実行する。
上述した流量制御条件は、「秤量信号S26が示す重量の単位時間当たりの変化量が許容範囲内にある」条件となる。
従来の超音波霧化システム2002では、秤量計26より得られる秤量信号S26から容器21内の原料溶液15の変化量を認識している。そして、超音波霧化システム2002は、容器21内の原料溶液15の変化量から、ミスト含有ガスG3に含まれる原料ミスト3の流量を推測するという第2の流量推測法を採用していた。
第2の流量推測法は例えば特許文献1で開示された霧化装置で用いられている。
特許第6158336号公報
しかしながら、従来の第1及び第2の流量推測法は、霧化用容器1内の原料溶液15の変化量または容器21内の原料溶液15の変化量に基づき、間接的に原料ミスト3の流量を求めている。
このため、従来の原料ミスト3の流量測定方法では、以下の推定誤差要因(1)及び(2)が生じてしまう。
(1) 原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3の流れと原料溶液15の消費のタイミングに時間的なズレがある。
(2) 原料溶液15から原料ミスト3をミスト化するミスト化効率が設定時より低下すると、その低下分、推定された流量と真の原料ミスト3の流量とのズレが大きくなる。
このように、第1及び第2の流量推測法を含む、従来の原料ミスト3の流量の測定方法では上述した推定誤差要因があるため、原料ミスト3の流量を正確に測定することができないという問題点があった。
本開示では、上記のような問題点を解決し、精度良く原料ミストの流量を求めることができるミスト流量測定装置を提供することを目的とする。
本開示のミスト流量測定装置は、原料ミストを含むミスト含有ガスが流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域として撮像処理を実行して撮像情報を取得するミスト撮像用カメラと、前記撮像情報に基づき、前記ミスト含有ガスにおける前記原料ミストの流量を求めるミスト流量演算処理を実行するミスト流量演算部とを備え、前記撮像情報は、前記撮像対象領域に対応する複数の画素における複数の輝度値を示していることを特徴とする。
本開示のミスト流量測定装置におけるミスト流量演算部は、撮像対象領域に対応する複数の輝度値を示す撮像情報に基づき、ミスト流量演算処理を実行している。
原料ミストの流量と複数の輝度値とは一定の相関関係があるため、複数の輝度値から原料ミストの流量を導くための相関パラメータを事前に取得することができる。
その結果、本開示のミスト流量測定装置は、撮像情報に基づき相関パラメータを用いてミスト流量演算処理を実行することにより、精度良く原料ミストの流量を求めることができる。
本開示の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本開示の実施の形態1である超音波霧化システムの構成を示す説明図である。 図1で示したカメラによる撮像結果の一例を示す説明図である。 図1で示したカメラの撮像情報の一例を模式的に示す説明図である。 図1で示した上流配管、透明配管及び下流配管の断面構造を示す説明図である。 相関パラメータの算出の処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1の超音波霧化システムにおける原料溶液の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1のミスト流量測定装置によるミスト流量の測定結果の一例を示すグラフである。 実施の形態1の変形例による撮像処理及びミスト流量演算処理を示すフローチャートである。 本開示の実施の形態2である超音波霧化システムの構成を示す説明図である。 本開示の実施の形態3である超音波霧化システムの構成を示す説明図である。 本開示の実施の形態4である超音波霧化システムの構成を示す説明図である。 本開示の実施の形態5である超音波霧化システムの構成を示す説明図である。 図12で示した上流配管及び下流配管の断面構造を示す説明図である。 従来の超音波霧化システムの構成(その1)を示す説明図である。 従来の超音波霧化システムの構成(その2)を示す説明図である。
<実施の形態1>
図1は本開示の実施の形態1である超音波霧化システム1001の構成を示す説明図である。超音波霧化システム1001は実施の形態1のミスト流量測定装置を含んでいる。実施の形態1のミスト流量測定装置は、カメラ5、光源6、透明配管10、及びミスト流量演算部16を主要構成要素として含んでいる。
図1に示すように、超音波霧化システム1001は、上述したミスト流量測定装置に加え、超音波霧化装置100、原料溶液供給部20、流量制御部17、上流配管7及び下流配管8を主要構成要素として含んでいる。なお、上流配管7及び下流配管8は、透明配管10を設けるためのミスト流量測定装置の補助部材としての役割を含んでいる。
上流配管7、透明配管10及び下流配管8は互いに連結されており、配管7,10及び9の組合せによって、ミスト含有ガスG3の外部排出用配管が構成される。上流配管7は第1のガス供給用配管となり、下流配管8は第2のガス供給配管となり、透明配管10は撮像用配管となる。
超音波霧化装置100は、霧化用容器1、及び超音波振動子2を主要構成要素として含んでいる。
霧化用容器1内には原料溶液15が収容される。霧化用容器1の底面に所定数の超音波振動子2(図1は1個のみ示す)が配設されている。なお、原料溶液15として、例えば、アルミニウム(Al)や亜鉛(Zn)等の金属元素が含まれている材料溶液が考えられる。
このような構成の超音波霧化装置100において、超音波振動子2が超音波振動を印加する超音波振動処理を実行すると、超音波の振動エネルギーが霧化用容器1の底面を介して、霧化用容器1内の原料溶液15に伝達される。
すると、原料溶液15は粒径が10μm以下のミストへと移行することにより、霧化用容器1内で原料ミスト3が得られる。
一方、ガス供給配管4からはキャリアガスG4が霧化用容器1内に供給される。霧化用容器1内の原料ミスト3を上流配管7等の外部排出用配管を介して超音波霧化装置100の外部のミスト利用処理部へと搬送するために、キャリアガスG4は所定の流量で霧化用容器1内に供給される。キャリアガスG4として、例えば高濃度の不活性ガスを採用することができる。
その結果、上流配管7、透明配管10及び下流配管8の組合せからなる外部排出用配管内を原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3が伝搬し、最終的に外部に供給される。ミスト含有ガスG3は原料ミスト3がキャリアガスG4によって搬送された状態のガスを意味する。
原料溶液供給部20は、容器21、ポンプ22、流量計23及び原料溶液供給側配管24を主要構成要素として含んでいる。容器21は原料溶液15を収容している。流量計23は原料溶液供給側配管24を流れる流量を測定して、測定した流量を示す測定流量情報S23を得る。
前述したように、霧化用容器1から上流配管7、透明配管10及び下流配管8を介して原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3が外部に供給されている。上流配管7、透明配管10及び下流配管8それぞれの内部が、ミスト含有ガスG3の流路となる。すなわち、上流配管7及び下流配管8はそれぞれ内部にミスト流通領域を有している。
このように、超音波霧化装置100は、原料溶液15に対し超音波振動子2による超音波振動処理を行い原料ミスト3生成し、キャリアガスG4によってミスト含有ガスG3をミスト流通領域に流している。
実施の形態1のミスト流量測定装置において、撮像用配管である透明配管10内のミスト流通領域の一部が、ミスト撮像用カメラであるカメラ5の撮像対象領域となる。
光源6は、透明配管10内の撮像対象領域に入射光L1を照射する。すると、ミスト含有ガスG3の撮像対象領域にて入射光L1が反射して反射光L2が得られる。
そして、ミスト撮像用カメラであるカメラ5は反射光L2を撮像する撮像処理を実行する。すなわち、カメラ5による撮像処理は、原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3が流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域とした反射光L2の撮像処理となる。
カメラ5は撮像処理を実行して撮像情報S5を取得する。撮像情報S5は、撮像対象領域に対応する複数の画素における複数の輝度値を示している。
図2はカメラ5による撮像結果の一例を示す説明図である。図3は撮像情報S5の一例を模式的に示す説明図である。
カメラ5が反射光L2を撮像する撮像処理を実行すると、図2に示すように、撮像対象領域R5における撮像結果が得られる。撮像対象領域R5内において、黒色の濃度の濃い領域は黒色の濃度の薄い領域と比較して輝度が高い状態を示している。
カメラ5は、図2で示すような撮像結果から、内部演算処理を実行して、図3で示すような撮像情報S5を得る。
撮像情報S5において、図3に示すように、N(≧2)×M(≧2)でマトリクス配置された複数の画素が撮像対象領域R5に対応し、複数の画素それぞれが輝度値を有している。図3では画素が示す輝度値が大きい程、より高い輝度であることを示している。
このように、撮像情報S5は、複数の画素における複数の輝度値を示す情報となる。なお、図2で示す撮像結果及び図3で示す撮像情報S5はそれぞれ一例として示したに過ぎず、両者に相関性はない。
ミスト流量演算部16は、カメラ5より得られた撮像情報S5に基づき、ミスト含有ガスG3における原料ミスト3の流量を求めるミスト流量演算処理を実行して、原料ミスト3の流量を示すミスト流量情報S16を得る。ミスト流量情報S16は流量制御部17に付与される。
ミスト流量演算部16によるミスト流量演算処理は、以下の総和値演算処理と流量導出処理とを含んでいる。
総和値演算処理…撮像情報S5が示す複数の輝度値の総和である輝度総和値を求める処理
流量導出処理…総和値演算処理で得た輝度総和値から原料ミスト3の流量を導く処理
このように、ミスト流量演算部16は、撮像情報S5が示す複数の輝度値に基づき、総和値演算処理及び流量導出処理を含むミスト流量演算処理を実行している。
図4は、上流配管7、透明配管10及び下流配管8の断面構造を示す説明図である。なお、図4にはXYZ直交座標系を記している。
同図に示すように、外部排出用配管を構成する上流配管7、透明配管10及び下流配管8はそれぞれ鉛直方向と平行なZ方向に沿って配置され、上流配管7と透明配管10との間、及び透明配管10と下流配管8との間がそれぞれ連結される。
したがって、超音波霧化装置100から供給されるミスト含有ガスG3は+Z方向に沿って、上流配管7、透明配管10及び下流配管8それぞれの内部を流れる。すなわち、ミスト含有ガスG3の流路は、上流配管7、透明配管10及び下流配管8それぞれの内部に設けられる。また、上流配管7、透明配管10及び下流配管8それぞれの断面形状は内径が一定の円形状であり、上流配管7、透明配管10及び下流配管8それぞれの内径は同一に設定される。
撮像用配管である透明配管10の構成材料は透明性を有している。さらに、透明配管10の配管内面S10の構成材料は親水性を有している。なお、上流配管7、透明配管10及び下流配管8それぞれの厚みは任意に設定される。
図5は原料ミスト3の流量を求めるための相関パラメータの算出の処理手順を示すフローチャートである。相関パラメータの算出処理は、実施の形態1のミスト流量測定装置の実動作に先がけて行われる。
同図を参照して、ステップST11において、原料ミスト3の流量が既知の所定の超音波霧化装置を準備する。ここで、原料ミスト3の流量値をミスト流量MTとする。
そして、ステップST12において、カメラ5による撮像条件を設定する。この撮像条件は、実施の形態1のミスト流量測定装置の実動作時におけるカメラ5の撮像条件と同一内容である。なお、カメラ5は実施の形態1のミスト流量測定装置用のカメラである。
撮像条件として、例えば、光源6の光量、波長、透明配管10への入射光L1の照射角度、カメラ5の撮像位置、撮像対象領域、撮像光種別(反射光、透過光)等が考えられる。なお、所定の超音波霧化装置におけるキャリアガスG4の流量は、超音波霧化装置100におけるキャリアガスG4の流量を同一に設定しておくことが望ましい。
その後、ステップST13において、カメラ5による撮像処理を開始し、ステップST14において、カメラ5は反射光L2に対する撮像処理を実行することにより、撮像情報S5を取得する。
そして、ステップST15において、撮像情報S5が示す複数の輝度値の総和である輝度総和値を算出する。ここで、輝度総和値LSが算出されたとする。
その後、ステップST16で、相関パラメータK1を算出する。ミスト流量MTと輝度総和値LSとは一定の相関関係がある。例えば、ミスト流量MTは、式(1)に示すような輝度総和値LSの一次関数として表される関係があるとする。
MT=K1・LS+c1…(1)
c1は定数である。
この場合、式(1)に基づく以下の式(2)から相関パラメータK1を算出することができる。
K1=(MT-c1)/LS…(2)
このように、実施の形態1のミスト流量測定装置用に、図5で示すフローで算出できる相関パラメータK1を予め準備することができる。
図6は、図1で示した超音波霧化システム1001における原料溶液15の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。このフローには、実施の形態1のミスト流量測定装置によるミスト流量測定方法が含まれている。以下、同図を参照して、超音波霧化システム1001の制御内容を説明する。
まず、ステップST1において、実施の形態1のミスト流量測定装置における撮像条件を設定する。ここで、撮像条件は図5で示した相関パラメータK1の算出時と同内容である。
次に、ステップST2において、ミスト流量演算部16は相関パラメータK1を取得する。相関パラメータK1の取得方法として、例えば、図示しない外部記憶装置に相関パラメータK1を格納しておき、必要に応じてミスト流量演算部16が取得する等の方法が考えられる。
このように、ステップST2は、複数の輝度値の輝度総和値からミスト流量MFを導くための相関パラメータK1を取得するステップとなる。
その後、ステップST3において、実施の形態1のミスト流量測定装置はカメラ5による反射光L2に対する撮像処理を開始し、ステップST4において、カメラ5は撮像処理を実行することにより、撮像情報S5を取得する。
上述したステップST4は、カメラ5を用いて、ミスト含有ガスG3が流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域として撮像処理を実行して撮像情報S5を取得するステップとなる。
なお、前述したステップST2の相関パラメータK1の取得処理は、ステップST4の実行後、ステップST5の実行前に実行するようにしても良い。
そして、ステップST5において、ミスト流量演算部16はミスト流量演算処理を実行してミスト流量MFを算出する。以下、ミスト流量演算処理の詳細を説明する。
ミスト流量演算部16は、まず、撮像情報S5が示す複数の輝度値の総和である輝度総和値を求める総和値演算処理を実行する。その後、ミスト流量演算部16は、総和値演算処理で得た輝度総和値からミスト流量MFを導く流量導出処理を実行する。
例えば、総和値演算処理で得た輝度総和値をLSとすると、上述した式(1)を適用した以下の式(1A)によってミスト流量MFを求めることができる。
MF=K1・LS+c1…(1A)
上述したように、ステップST5の処理は、撮像情報S5に基づき、相関パラメータK1を用いて、複数の輝度値の輝度総和値LSからミスト含有ガスG3におけるミスト流量MFを求めるミスト流量演算処理を実行している。
したがって、実施の形態1のミスト流量測定装置は、ステップST1~ST5を含むミスト流量測定方法を実行することにより、撮像情報S5に基づきミスト流量MFを測定することができる。なお、ミスト流量MFの単位として例えば(L(リットル)/min)が考えられる。
ミスト流量演算部16が算出したミスト流量MFを示すミスト流量情報S16は次段の流量制御部17に出力される。
ステップST6において、超音波霧化システム1001の流量制御部17は、原料溶液供給部20の容器21から霧化用容器1に供給する原料溶液15の供給状態を制御する原料供給制御処理を実行する。以下、流量制御部17によるステップST6の処理内容の詳細を説明する。
原料供給制御部である流量制御部17は、流量計23より測定流量情報S23を受け、ミスト流量演算部16よりミスト流量情報S16を受ける。
流量制御部17は、測定流量情報S23が示す測定流量によって、原料溶液供給側配管24を流れる流量を常に認識している。
流量制御部17は、ミスト流量情報S16が示すミスト流量MFによって、原料ミスト3の流量を常に認識している。
流量制御部17は、測定流量情報S23及びミスト流量情報S16に基づき、後述する流量制御条件を満足するように、ポンプ22の駆動量を指示するポンプ駆動信号S17を出力する原料供給制御処理を実行する。流量制御条件は、例えば、「ミスト流量情報S16が示すミスト流量MFが基準ミスト流量から許容範囲内にある」条件となる。
このように、流量制御部17は、ミスト流量演算部16より得られるミスト流量情報S16に基づき、超音波霧化装置100が生成する原料ミスト3の流量を認識し、認識した原料ミスト3の流量が基準ミスト流量から許容範囲内の所定の流量となるように、原料供給制御処理を実行している。
図7は実施の形態1のミスト流量測定装置によるミスト流量MFの測定結果の一例を示すグラフである。同図において、横軸は経過時間(sec)を示し、縦軸はミスト流量MFに基づく換算流量(値)(任意単位)を示している。
同図において、換算流量F1は1個の超音波振動子2に超音波振動処理を実行させた場合を示し、換算流量F4は4個の超音波振動子2に超音波振動処理を実行させた場合を示している。同図に示すように、換算流量F4は換算流量F1より大きく、換算流量F1及び換算流量F4はそれぞれ一致の範囲内に収まっており、流量制御部17による原料供給制御処理が適切に実行されていることがわかる。
実施の形態1のミスト流量測定装置におけるミスト流量演算部16は、撮像対象領域R5に対応する複数の画素における複数の輝度値を示す撮像情報S5に基づき、ミスト流量演算処理を実行している。
ミスト流量MF(原料ミスト3の流量)と複数の輝度値とは一定の相関関係があるため、撮像情報S5が示す複数の輝度値からミスト流量MFを導くための相関パラメータK1を事前に取得することができる(図5参照)。
その結果、実施の形態1のミスト流量測定装置は、撮像情報S5に基づき、相関パラメータK1を用いたミスト流量演算処理を実行することにより、精度良くミスト流量MFを求めることができる。
ミスト撮像用カメラであるカメラ5は反射光L2を撮像する撮像処理を実行することにより、比較的容易に撮像情報S5を得ることができる。
ミスト流量演算部16は、輝度総和値からミスト流量MFを導くことにより、簡単かつ精度の高いミスト流量演算処理を実行することができる。
実施の形態1のミスト流量測定装置は、ミスト含有ガスG3の流路を内部に有する撮像用配管となる透明配管10を設けることにより、ミスト含有ガスG3に含まれる原料ミスト3の拡散を抑制した空間にて、カメラ5による撮像処理を実行することができる。
加えて、透明配管10の構成材料は透明性を有するため、透明配管10の存在がカメラ5による撮像処理に影響を与えることはない。
撮像用配管となる透明配管10は鉛直方向(Z方向)に沿って配置されるため、透明配管10内に結露した液を透明配管10内に溜めることなく、透明配管10に対し鉛直方向の下方(-Z方向)に排出することができる。
このため、実施の形態1のミスト流量測定装置は、透明配管10内の結露の影響を最小限に抑えて、カメラ5による撮像処理を実行することができる。
一方、透明配管10を水平方向に配置した場合、原料ミスト3が透明配管10内で結露した液が、透明配管10の下方に溜まってしまう。実施の形態1のミスト流量測定装置では、透明配管10を鉛直方向に沿って配置するため、上述した現象は生じない。
透明配管10の配管内面S10の構成材料は親水性を有するため、透明配管10内に結露が発生しても、結露した液が透明配管10の配管内面S10に水滴として付着する現象を抑制することができる。
実施の形態1の超音波霧化システム1001における流量制御部17(原料供給制御部)は、ミスト流量演算部16より得られるミスト流量情報S16に基づき、ミスト流量MFが所定の流量になるように、原料供給制御処理を実行している。
このため、実施の形態1の超音波霧化システム1001は、長期間に亘って、超音波霧化装置100から生成されるミスト流量MFを所定の流量で安定させることができる。
実施の形態1のミスト流量測定装置によって実行されるミスト流量測定方法におけるステップST5(図6参照)は、撮像対象領域R5に対応する複数の画素における複数の輝度値に基づき、相関パラメータK1を用いてミスト流量MFを求めている。
ミスト流量MFと複数の輝度値とは一定の相関関係があるため、実施の形態1のミスト流量測定方法は、相関パラメータK1を用いることにより、精度良くミスト流量MFを求めることができる。
(変形例)
図1~図7で示す実施の形態1のミスト流量測定装置では、カメラ5による撮像処理は1回の撮像処理を実行する場合を示したが、連続して複数回の撮像処理を実行する変形例が考えられる。
例えば、カメラ5が1秒毎に1回の割合で撮像処理を行う性能を有する場合、カメラ5を20秒間連続して動作させることにより、20回の撮像処理を行うことができる。
図8は実施の形態1のミスト流量測定装置の変形例による撮像処理及びミスト流量演算処理を示すフローチャートである。
同図において、ステップST41~ST44の処理が図6のステップST4の処理に対応し、ステップST50の処理が図6のステップST5の処理に対応している。なお、図8のステップST41~ST44で示す制御は、例えば、ミスト流量演算部16の制御下で行ったり、カメラ5に内蔵されるCPU等の制御機構で行ったりすることが考えられる。また、図8で示す例では、K(≧2)の撮像処理を行う場合を示している。
図8を参照して、ステップST41において、制御パラメータ値iを{i=1}に初期設定する。
そして、ステップST42において、カメラ5による1回目の撮像処理を行い、得られた撮像情報S5を第1の撮像情報として取得する。
その後、ステップST43において、制御パラメータ値iに関し、{i=K}であるか否かが検証される。ここで{i=K}である場合(YES)、ステップST50に移行し、{i=K}でない場合(NO)、ステップST44に移行する。
ステップST44で、制御パラメータ値iは“1”増加され{i=i+1}、ステップST42に戻る。以降、ステップST43で「YES」と判定されるまで、ステップST42~ST44の処理が繰り返される。
ステップST43が「YES」になると、K回(複数回)の撮像処理の実行によって第1~第Kの撮像情報(複数の撮像情報)が得られたことになる。なお、第1~第Kの撮像情報の一時的記憶機能はカメラ5自身が有していたり、ミスト流量演算部16に設けたりする態様が考えられる。
ステップST43がYESの場合に実行されるステップST50において、ミスト流量演算部16は、まず、第1~第Kの撮像情報に基づくミスト流量演算処理を実行する。第1~第Kの撮像情報が複数回の撮像処理の実行によって得られた複数の撮像情報となる。以下、ステップST50の詳細を説明する。
まず、ミスト流量演算部16は、第1~第Kの撮像情報それぞれに対し総和値演算処理を行い第1~第Kの輝度総和値LS(1)~LS(K)(複数の輝度総和値)を求める。
続いて、ミスト流量演算部16は、輝度総和値LS(1)~LS(K)の平均値を総和平均値として求め、総和平均値から相関パラメータK1を用いてミスト流量MFを求める。
例えば、総和平均値をMSとすると、上述した式(1)を適用した以下の式(1B)によってミスト流量MFを求めることができる。
MF=K1・MS+c1…(1B)
このように、ミスト流量演算部16の流量導出処理は、第1~第Kの輝度総和値LS(1)~LS(K)からミスト流量MFを導いている。なお、変形例における相関パラメータK1の算出する場合、変形例のミスト流量測定装置の実動作時と同様、第1~第Kの輝度総和値LS(1)~LS(K)の平均値から、図5で示したフローに沿って算出することが望ましい。
実施の形態1の変形例は、複数の輝度総和値となる第1~第Kの輝度総和値LS(1)~LS(K)の総和平均値MSからミスト流量MFを導くことにより、より精度の高いミスト流量MFを得ることができる。
<実施の形態2>
図9は本開示の実施の形態2である超音波霧化システム1002の構成を示す説明図である。超音波霧化システム1002は実施の形態2のミスト流量測定装置を含んでいる。実施の形態2のミスト流量測定装置は、カメラ5、光源6、透明配管10、及びミスト流量演算部16を主要構成要素として含んでいる。
以下、実施の形態1と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、実施の形態2の特徴部分を中心に説明する。
図9に示すように、超音波霧化システム1002は、上述したミスト流量測定装置に加え、超音波霧化装置100、原料溶液供給部20、流量制御部17、上流配管7及び下流配管8を主要構成要素として含んでいる。なお、上流配管7及び下流配管8は、透明配管10を設けるためのミスト流量測定装置の補助部材としての役割を含んでいる。
図9に示すように、実施の形態2のミスト流量測定装置において、撮像用配管である透明配管10内のミスト流通領域の一部が、ミスト撮像用カメラであるカメラ5の撮像対象領域となる。
光源6は、透明配管10内の撮像対象領域に入射光L1を照射する。すると、入射光L1はミスト含有ガスG3の撮像対象領域を通過して透過光L3が得られる。
ミスト撮像用カメラであるカメラ5は、透明配管10を挟んで光源6と対向する位置に配置されており、透過光L3を撮像する撮像処理を実行する。すなわち、カメラ5による撮像処理は、原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3が流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域とした透過光L3の撮像処理となる。
カメラ5は撮像処理を実行して撮像情報S5を取得する。撮像情報S5は、撮像対象領域に対応する複数の画素における複数の輝度値を含んでいる。
実施の形態2のミスト流量測定装置におけるミスト流量演算部16は、透過光L3に対するカメラ5の撮像処理によって得られた、複数の輝度値を示す撮像情報S5に基づき、ミスト流量演算処理を実行している。
したがって、実施の形態2のミスト流量測定装置は、実施の形態1と同様、撮像情報S5に基づき相関パラメータK1を用いてミスト流量演算処理を実行することにより、精度良くミスト流量MFを求めることができる。
さらに、実施の形態3のミスト流量測定装置のミスト撮像用カメラであるカメラ5は、透過光L3を撮像する撮像処理を実行することにより、比較的容易に撮像情報S5を得ることができる。
<実施の形態3>
図10は本開示の実施の形態3である超音波霧化システム1003の構成を示す説明図である。超音波霧化システム1003は実施の形態3のミスト流量測定装置を含んでいる。実施の形態3のミスト流量測定装置は、カメラ5、光源6、透明配管10、ヒーター12、及びミスト流量演算部16を主要構成要素として含んでいる。
以下、実施の形態1と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、実施の形態3の特徴部分を中心に説明する。
図10に示すように、超音波霧化システム1003は、上述したミスト流量測定装置に加え、超音波霧化装置100、原料溶液供給部20、流量制御部17、上流配管7及び下流配管8を主要構成要素として含んでいる。なお、上流配管7及び下流配管8は、透明配管10を設けるためのミスト流量測定装置の補助部材としての役割を含んでいる。
図10に示すように、実施の形態3のミスト流量測定装置において、撮像用配管である透明配管10に近接して、透明配管10の延在方向(Z方向)に沿ってヒーター12が設けられる。このヒーター12によって透明配管10及びその内部を加熱している。
実施の形態3のミスト流量測定装置におけるミスト流量演算部16は、実施の形態1と同様、複数の輝度値を示す撮像情報S5に基づき、ミスト流量演算処理を実行している。
したがって、実施の形態3のミスト流量測定装置は、実施の形態1と同様、撮像情報S5に基づき相関パラメータK1を用いてミスト流量演算処理を実行することにより、精度良くミスト流量MFを求めることができる。
さらに、実施の形態3のミスト流量測定装置はヒーター12をさらに備え、ヒーター12によって撮像用配管である透明配管10及び内部を加熱することができるため、透明配管10内における結露の発生を抑制することができる。
<実施の形態4>
図11は本開示の実施の形態4である超音波霧化システム1004の構成を示す説明図である。超音波霧化システム1004は実施の形態4のミスト流量測定装置を含んでいる。実施の形態4のミスト流量測定装置は、光源6、透明配管10、ミスト流量演算部16、カメラ51及び52を主要構成要素として含んでいる。
以下、実施の形態1と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、実施の形態4の特徴部分を中心に説明する。
図11に示すように、超音波霧化システム1004は、上述したミスト流量測定装置に加え、超音波霧化装置100、原料溶液供給部20、流量制御部17、上流配管7及び下流配管8を主要構成要素として有している。なお、上流配管7及び下流配管8は、透明配管10を設けるためのミスト流量測定装置の補助部材としての役割を含んでいる。
実施の形態4のミスト流量測定装置において、撮像用配管である透明配管10内のミスト流通領域の一部が、ミスト撮像用カメラであるカメラ5の撮像対象領域となる。
光源6は、透明配管10内の撮像対象領域に入射光L1を照射する。すると、ミスト含有ガスG3の撮像対象領域にて入射光L1が反射して2つの反射光L21及びL22(複数の反射光)が得られる。反射光L21及びL22は互いに異なった方向に反射しており、互いに干渉しない関係にある。
そして、複数の反射光である反射光L21及びL22に対して、複数のミスト撮像用カメラであるカメラ51及び52が配置される。カメラ51は反射光L21を撮像する撮像処理を実行し、カメラ52は反射光L22を撮像する撮像処理を実行する。
このように、カメラ51及び52による撮像処理は、原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3が流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域とした反射光L21及びL22の撮像処理となる。
カメラ51は反射光L21に対する撮像処理を実行して撮像情報S51を取得する。撮像情報S51は、撮像対象領域からの反射光L21に対応する複数の画素における複数の輝度値を示している。カメラ52は反射光L22に対する撮像処理を実行して撮像情報S52を取得する。撮像情報S52は、撮像対象領域からの反射光L22に対応する複数の画素における複数の輝度値を含んでいる。
反射光L21及びL22は互いに干渉しない関係にあり、複数種の撮像情報となる撮像情報S51及びS52は異なる内容の複数の輝度値を示している。
ミスト流量演算部16は、複数種の撮像情報である撮像情報S51及びS52に基づきミスト含有ガスG3における原料ミスト3の流量を求めるミスト流量演算処理を実行して、原料ミスト3の流量を示すミスト流量情報S16を得る。
ミスト流量演算処理は、以下の総和値演算処理と流量導出処理とを含んでいる。
総和値演算処理…撮像情報S51が示す複数の輝度値の総和である第1の輝度総和値と、撮像情報S52が示す複数の輝度値の総和である第2の輝度総和値とを求め、第1及び第2の輝度総和値の平均値を輝度総和平均値として得る処理
流量導出処理…総和値演算処理で得た輝度総和平均値から原料ミスト3の流量を導く処理
例えば、上述した総和値演算処理で得た輝度総和平均値をLMとすると、上述した式(1)を適用した以下の式(1C)によってミスト流量MFを求めることができる。
MF=K1・LM+c1…(1C)
このように、ミスト流量演算部16は、撮像情報S51及びS52それぞれが示す複数の輝度値に基づき、ミスト流量演算処理を実行している。なお、実施の形態4における相関パラメータK1を算出する場合、実施の形態4のミスト流量測定装置の実動作時と同様、第1及び第2の輝度総和値の平均値から、図5で示したフローに沿って算出することが望ましい。
実施の形態4のミスト流量測定装置におけるミスト流量演算部16は、各々が複数の輝度値を示す撮像情報S51及びS52に基づき、ミスト流量演算処理を実行している。
したがって、実施の形態4のミスト流量測定装置は、実施の形態1と同様、撮像情報S51及びS52に基づき相関パラメータK1を用いてミスト流量演算処理を実行することにより、精度良くミスト流量MFを求めることができる。
ミスト流量演算部16は、複数のミスト撮像用カメラであるカメラ51及び52より得られる、多角的な撮像情報S51及びS52(複数種の撮像情報)に基づきミスト流量演算処理を実行している。
このため、実施の形態4のミスト流量測定装置は、原料ミスト3の流量をより精度良く求めることができる。
なお、実施の形態4のミスト流量演算部16は、総和値演算処理を実行する際、第1及び第2の輝度総和値の平均値を求めたが、第1及び第2の輝度総和値間で重みづけを行い、一方の比率を他方の比率より高くしても良い。例えば、第1の輝度総和値と第2の輝度総和値との比率を{2:1}になるようにしても良い。
図11で示す実施の形態4では、1つの光源6を設けた構成を示したが、光源6の数もカメラ51及び52に合わせて2つにする様にしても良い。
また、実施の形態4では複数のミスト撮像用カメラとして2つのカメラ51及び52を示したが、3つ以上のミスト撮像用カメラを用いて3種類以上の撮像情報を得るようにしても良い。
<実施の形態5>
図12は本開示の実施の形態5である超音波霧化システム1005の構成を示す説明図である。超音波霧化システム1005は実施の形態5のミスト流量測定装置を含んでいる。実施の形態5のミスト流量測定装置は、カメラ5、光源6、上流配管7、下流配管8、配管不在空間9及びミスト流量演算部16を主要構成要素として含んでいる。
以下、実施の形態1と同一の構成要素は同一符号を付すことにより説明を適宜省略し、実施の形態5の特徴部分を中心に説明する。
図12に示すように、超音波霧化システム1005は、上述したミスト流量測定装置に加え、超音波霧化装置100、原料溶液供給部20、流量制御部17、上流配管7及び下流配管8を主要構成要素として有している。
上流配管7及び下流配管8は配管不在空間9を挟んで互いに離散して配置されており、互いに離散した上流配管7及び下流配管8の組合せによって、ミスト含有ガスG3の外部排出用配管が構成される。上流配管7は第1のガス供給用配管となり、下流配管8は第2のガス供給配管となり、配管不在空間9は隙間空間となる。
実施の形態5では、上流配管7(第1のガス供給用配管)及び下流配管8(第2のガス供給用配管)は、配管不在空間9を設けるために不可欠なミスト流量測定装置の主要構成要素としても機能している。
そして、霧化用容器1から上流配管7、配管不在空間9及び下流配管8を介して原料ミスト3を含むミスト含有ガスG3が外部に供給される。
図13は上流配管7及び下流配管8の断面構造を示す説明図である。なお、図13にはXYZ直交座標系を記している。
図13に示すように、上流配管7及び下流配管8それぞれの内部が、ミスト含有ガスG3の流路となる。すなわち、上流配管7及び下流配管8はそれぞれ内部にミスト流通領域を有している。さらに、上流配管7,下流配管8間に配管不在空間9が隙間空間として存在している。この配管不在空間9内もミスト含有ガスG3の流路となる。すなわち、配管不在空間9は内部にミスト流通領域を有している。
図13に示すように、上流配管7及び下流配管8は延長方向(+Z方向)に沿って配置される。
ミスト含有ガスG3はキャリアガスG4により一定の流速で搬送されているため、上流配管7から配管不在空間9に流れたミスト含有ガスG3は、配管不在空間9から外部に漏れることなく+Z方向に沿って下流配管8内を流れこむ。
実施の形態5のミスト流量測定装置において、隙間空間である配管不在空間9内のミスト流通領域の一部が、ミスト撮像用カメラであるカメラ5の撮像対象領域となる。
光源6は、配管不在空間9内の撮像対象領域に入射光L1を照射する。すると、ミスト含有ガスG3の撮像対象領域で入射光L1が反射して反射光L2が得られる。
そして、ミスト撮像用カメラであるカメラ5は反射光L2を撮像する撮像処理を実行する。
カメラ5は撮像処理を実行して撮像情報S5を取得する。撮像情報S5は、配管不在空間9内の撮像対象領域に対応する複数の画素における複数の輝度値を含んでいる。
実施の形態5のミスト流量測定装置におけるミスト流量演算部16は、実施の形態1と同様、複数の輝度値を示す撮像情報S5に基づき、ミスト流量演算処理を実行している。
したがって、実施の形態5のミスト流量測定装置は、実施の形態1と同様、撮像情報S5に基づき相関パラメータK1を用いてミスト流量演算処理を実行することにより、精度良くミスト流量MFを求めることができる。
ミスト撮像用カメラであるカメラ5の撮像対象領域は、隙間空間となる配管不在空間9内に存在するため、実施の形態5のミスト流量測定装置におけるカメラ5は結露の影響を全く受けることなく反射光L2に対し精度良く撮像処理を実行することができる。
<その他>
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
また、本開示は、その開示の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
例えば、実施の形態3で用いたヒーター12を実施の形態2,実施の形態4及び実施の形態5でも用いたり、実施の形態2~実施の形態4における透明配管10を有する構造を実施の形態5で示した配管不在空間9を設ける構造に変更したりすることができる。
1 霧化用容器
2 超音波振動子
3 原料ミスト
4 ガス供給配管
5,51,52 カメラ
6 光源
7 上流配管
8 下流配管
9 配管不在空間
10 透明配管
12 ヒーター
16 ミスト流量演算部
17 流量制御部
20 原料溶液供給部
1001~1005 超音波霧化システム
L1 入射光
L2,L21,L22 反射光
L3 透過光

Claims (8)

  1. 原料ミストを含むミスト含有ガスが流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域として撮像処理を実行して撮像情報を取得するミスト撮像用カメラと、
    前記撮像情報に基づき、前記ミスト含有ガスにおける前記原料ミストの流量を求めるミスト流量演算処理を実行するミスト流量演算部とを備え、
    前記撮像情報は、前記撮像対象領域に対応する複数の画素における複数の輝度値を示し
    各々が前記ミスト流通領域を内部に有する第1及び第2のガス供給用配管をさらに備え、前記第1のガス供給用配管と前記第2のガス供給用配管との間に隙間空間が存在し、前記隙間空間は内部に前記ミスト流通領域を有し、前記ミスト含有ガスは前記隙間空間を介して前記第1及び第2のガス供給用配管間を流れ、
    前記隙間空間内における前記ミスト流通領域の一部が前記撮像対象領域となる、
    ミスト流量測定装置。
  2. 請求項1記載のミスト流量測定装置であって、
    前記撮像対象領域に入射光を照射する光源をさらに備え、
    前記ミスト撮像用カメラが実行する前記撮像処理は、前記入射光が前記撮像対象領域にて反射した反射光を撮像する処理を含む、
    ミスト流量測定装置。
  3. 請求項1記載のミスト流量測定装置であって、
    前記撮像対象領域に入射光を照射する光源をさらに備え、
    前記ミスト撮像用カメラが実行する前記撮像処理は、前記入射光が前記撮像対象領域を透過した透過光を撮像する処理を含む、
    ミスト流量測定装置。
  4. 請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載のミスト流量測定装置であって、
    前記ミスト流量演算部による前記ミスト流量演算処理は、
    前記撮像情報が示す前記複数の輝度値の総和である輝度総和値を求める総和値演算処理と、
    前記輝度総和値から前記原料ミストの流量を導く流量導出処理とを含む、
    ミスト流量測定装置。
  5. 請求項4記載のミスト流量測定装置であって、
    前記撮像処理は複数回の撮像処理を含み、
    前記撮像情報は、前記複数回の撮像処理の実行によって得られた複数の撮像情報を含み、前記輝度総和値は複数の輝度総和値を含み、
    前記ミスト流量演算部は、前記複数の撮像情報それぞれに対し前記総和値演算処理を行い前記複数の輝度総和値を求め、
    前記流量導出処理は、前記複数の輝度総和値から前記原料ミストの流量を導く、
    ミスト流量測定装置。
  6. 請求項1から請求項のうち、いずれか1項に記載のミスト流量測定装置であって、
    前記ミスト撮像用カメラは複数のミスト撮像用カメラを含み、前記撮像情報は前記複数のミスト撮像用カメラに対応する複数種の撮像情報を含み、前記複数種の撮像情報は異なる内容であり、
    前記ミスト流量演算部は、前記複数種の撮像情報に基づき、前記ミスト流量演算処理を実行する、
    ミスト流量測定装置。
  7. 請求項1から請求項のうち、いずれか1項に記載のミスト流量測定装置と、
    原料溶液に対し超音波振動処理を行い前記原料ミストを生成し、前記原料ミストを含む前記ミスト含有ガスを前記ミスト流通領域に流す超音波霧化装置と、
    前記超音波霧化装置に前記原料溶液を供給する原料溶液供給部と、
    前記原料溶液供給部から前記超音波霧化装置に供給される前記原料溶液の供給状態を制御する原料供給制御処理を実行する原料供給制御部とを備え、
    前記ミスト流量測定装置の前記ミスト流量演算部は、前記ミスト流量演算処理の実行時に前記原料ミストの流量を示すミスト流量情報を出力し、
    前記原料供給制御部は、前記ミスト流量情報に基づき、前記原料ミストの流量が所定の流量になるように、前記原料供給制御処理を実行する、
    超音波霧化システム。
  8. ミスト撮像カメラを含むミスト流量測定装置を用いたミスト流量測定方法であって、
    (a) 前記ミスト撮像用カメラを用いて、原料ミストを含むミスト含有ガスが流れるミスト流通領域の少なくとも一部を撮像対象領域として撮像処理を実行して撮像情報を取得するステップを備え、前記撮像情報は、前記撮像対象領域に対応する複数の画素における複数の輝度値を示し、
    (b) 前記複数の輝度値から前記原料ミストの流量を導くための相関パラメータを取得するステップと、
    (c) 前記撮像情報に基づき、前記相関パラメータを用いて、前記複数の輝度値から前記ミスト含有ガスにおける前記原料ミストの流量を求めるミスト流量演算処理を実行するステップとをさらに備え
    前記ミスト流量測定装置は、
    各々が前記ミスト流通領域を内部に有する第1及び第2のガス供給用配管をさらに含み、前記第1のガス供給用配管と前記第2のガス供給用配管との間に隙間空間が存在し、前記隙間空間は内部に前記ミスト流通領域を有し、前記ミスト含有ガスは前記隙間空間を介して前記第1及び第2のガス供給用配管間を流れ、
    前記隙間空間内における前記ミスト流通領域の一部が前記撮像対象領域となる、
    ミスト流量測定方法。
JP2022532017A 2021-11-26 2021-11-26 ミスト流量測定装置、超音波霧化システム及びミスト流量測定方法 Active JP7309307B1 (ja)

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