JP7308473B2 - 熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置に関する。本発明は、特には硬化前の状態において粘度が低減されている熱硬化性樹脂組成物、及びこれを封止材として用いた信頼性の高い半導体装置に関する。
パワー半導体モジュールは、効率的な電力変換が求められる分野で広く適用されている。例えば、産業機器、電気自動車、家電製品などのパワーエレクトロニクス分野に適用領域が拡大している。これらのパワー半導体モジュールには、スイッチング素子とダイオードが内蔵されており、素子にはSi(シリコン)半導体やSiC(シリコンカーバイド)半導体が用いられている。
パワー半導体モジュールは半導体素子からなるチップを絶縁性の樹脂封止材により封止することにより製造する。樹脂封止材は、熱硬化性樹脂と無機充填材とを主成分として含んでいる。樹脂自体の線膨張係数は、半導体モジュールに使われる金属部材等より線膨張係数は大きい。従って、半導体モジュールがヒートサイクルなどを受けると、高い熱応力を生じる。この無機充填材は、熱硬化性樹脂の熱膨張係数を下げて、熱応力を抑制し、樹脂硬化物の反りを抑え、半導体パッケージにおける界面剥離やクラック等の発生を防止している。近年は、ヒートサイクルの温度差も大きくなっているため、線膨張係数を下げて金属部材に合わせるために、無機充填材の配合量が大きくなっている(高充填化)。
無機充填材をキレート剤で被覆し、これに主剤である熱硬化性樹脂と、硬化剤とを加えて混合する工程を含む熱硬化性樹脂組成物の製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この製造方法では、無機充填材の表面から有機物を除去して清浄面とした後にキレート剤を被着させることにより、キレート剤を介して無機充填材と熱硬化性樹脂との密着性を向上させ、耐湿性、及び耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。
特開2016-098244号公報
パワー半導体モジュールの製造においては、熱硬化性樹脂主剤並びに無機充填材を含む樹脂封止材を成型する際に、無機充填材を均一に分散することが難しいという問題があった。特に、無機充填材が高充填される場合、具体的には、無機充填材が樹脂封止材の全質量に対して50質量%以上含まれる場合に、分散の問題は顕著となり、硬化後の封止材にボイドが生じてしまうことがあった。
本発明者らは、無機充填材の充填量を保持したまま、硬化前の熱硬化性樹脂組成物の粘度を低下させることを考えた。そして、特定のキレート剤を無機充填材に結合し、無機充填材の表面を被覆することで、硬化前の熱硬化性樹脂組成物の粘度を低下させ、作業性を改善し、かつ硬化後の封止材中のボイドを低減させることができることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一実施形態によれば、熱硬化性樹脂組成物であって、熱硬化性樹脂主剤と、アルミニウムキレートが結合した無機充填材とを含み、前記アルミニウムキレートが、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、または以下の式(I)で示される化合物
Figure 0007308473000001

(式中、Rは、炭素数が3以上の飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状の一価炭化水素基である)
から選択される1以上である。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記アルミニウムキレートが、前記無機充填材100質量部に対し、0.5~8質量部含まれていることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記無機充填材が、熱硬化性樹脂主剤100質量部に対し、100~400質量部含まれていることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記アルミニウムキレートが、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレートであることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記無機充填材が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化アルミニウムから選択される1以上であることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物において、前記熱硬化性樹脂主剤が、エポキシ樹脂であることが好ましい。
前記熱硬化性樹脂組成物が、硬化剤をさらに含むことが好ましい。
本発明は別の実施形態によれば、先のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法であって、前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材を製造する工程と、前記熱硬化性樹脂主剤と前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材とを混合する工程とを含み、前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材を製造する工程が、無機充填材と前記アルミニウムキレートの分散液とを50℃~70℃にて反応させる工程と、反応後の無機充填材を120~160℃で乾燥させる工程とを含む。
前記製造方法の、前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材を製造する工程において、前記無機充填材と前記アルミニウムキレートの分散液とを50℃~70℃にて反応させる工程の前に、前記無機充填材の吸着水を加熱除去する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明はまた別の実施形態によれば、半導体装置であって、積層基板に実装された半導体素子と、導電性接続部材と、先のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物が硬化された封止材とを含む。
本発明によれば、無機充填材の分散性が向上し、硬化前の状態における粘度が低減した熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、当該熱硬化性樹脂組成物を封止材として適用した半導体装置においては、製造の際の作業性が向上しており、硬化後のボイドを低減することができる。ボイドの存在は、封止材の被封止部材に対する密着性の低下、半導体装置の強度低下に繋がるのみならず、パターニングされた導電性板近傍のボイドは絶縁性を低下させ、封止材表面のボイドは外観不良に繋がる。本発明においては、これらの不良発生を低減し、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
図1は、本発明の樹脂組成物を構成する、アルミニウムキレートを結合させ無機充填材の表面の一部における化学構造を模式的に示す図である。 図2は、本発明に係る半導体装置の断面構造を示す概念的な断面図である。 図3は、本発明の実施例における、無機充填材100質量部に対するアルミニウムキレートの添加量(質量部)と、熱硬化性樹脂組成物の粘度の関係を示すグラフである。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
本発明は第1実施形態によれば、熱硬化性樹脂組成物に関する。本実施形態による熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂主剤と、アルミニウムキレートが結合した無機充填材とを主として含んでいる。
熱硬化性樹脂主剤は、例えば、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、あるいはそれらの混合物であることが好ましい。熱硬化性樹脂主剤は、硬化温度未満の温度条件下において、液状であることが好ましく、特に少なくとも室温付近、具体的には10℃から40℃の温度範囲において液状であることが好ましい。上記温度範囲で硬化反応が始まらず液状であると、作業性や品質安定の点から好ましい。また、液状とは、流動性があり、粘度が概ね8kcp以下であることをいう。なお、本明細書において、粘度とは、ブルックフィールド型粘度計にて測定した粘度をいうものとする。熱硬化性樹脂主剤は、典型的にはエポキシ樹脂を含むことが好ましく、エポキシ樹脂としては、脂肪族エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂、あるいはこれらの混合物を用いることができる。主剤の粘性が高いと無機充填材と混合する際にボイドを生じやすいため、適切な粘度範囲であることが求められ、好ましくは液状である。
脂肪族エポキシ樹脂とは、エポキシ基が直接結合する炭素が、脂肪族炭化水素を構成する炭素であるエポキシ化合物をいうものとする。したがって、主骨格に芳香環が含まれている化合物であっても、上記条件をみたすものは、脂肪族エポキシ樹脂に分類される。脂肪族エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、3官能以上の多官能型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらには限定されない。これらを単独で、または二種類以上混合して使用することができる。また、ナフタレン型エポキシ樹脂や3官能以上の多官能型エポキシ樹脂はガラス転移点温度が高いため、高耐熱性エポキシ樹脂とも指称する。これらの高耐熱性エポキシ樹脂を含むことで耐熱性を向上させることができる。
脂環式エポキシ樹脂とは、エポキシ基を構成する2つの炭素原子が、脂環式化合物を構成するエポキシ化合物をいうものとする。脂環式エポキシ樹脂としては、単官能型エポキシ樹脂、2官能型エポキシ樹脂、3官能以上の多官能型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらには限定されない。脂環式エポキシ樹脂も、単独で、または異なる二種以上の脂環式エポキシ樹脂を混合して用いることができる。なお、脂環式族エポキシ樹脂を酸無水物硬化剤と混合して硬化すると、ガラス転移温度が高くなるため、脂肪族エポキシ樹脂に脂環式族エポキシ樹脂を混合して用いると高耐熱化を図ることができる。
本実施形態による組成物に用いる熱硬化性樹脂主剤は、上記の脂肪族エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂とを混合したものであってもよい。混合する場合の混合比は任意であってよく、脂肪族エポキシ樹脂と脂環式エポキシ樹脂との質量比が、2:8~8:2程度であって良いが、3:7~7:3程度であってもよく、特定の質量比には限定されない。また、このように混合して用いる場合は、混合後の熱硬化性樹脂主剤の状態が、液状であることが好ましい。少なくとも室温付近、具体的には10℃から40℃の温度範囲において液状であることが好ましい。
アルミニウムキレートが結合した無機充填材は、所定のアルミニウムキレートを、無機充填材に被着させることにより得られる、表面処理された無機充填材である。
アルミニウムキレートを結合させる対象となる無機充填材は、金属酸化物もしくは金属窒化物であってよく、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化アルミニウム、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維等が挙げられるが、これらには限定されない。これらの無機充填材は、マイクロフィラーであってもよく、ナノフィラーであってもよい。特には、平均粒径が、0.2μm以上であって20μm以下程度の無機充填材を用いることが好ましい。本明細書における平均粒径とは、レーザー回折法により測定された粒径をいうものとする。アルミニウムキレートを結合させる対象となる無機充填材は、後述するように、吸着水を除去するための加熱乾燥処理がなされたものであってよいが、シランカップリング剤やその他の表面処理剤による化学処理や、コーティング処理がなされたものでないことが好ましい。
アルミニウムキレートは、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、または以下の式(I)で示される化合物
Figure 0007308473000002
から選択される1以上である。上記式(I)中、Rは、炭素数が3以上の飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状の一価炭化水素基である。また、式(I)中、iCは、イソプロピル基を表す。
式(I)で示される化合物において、Rは好ましくは、炭素数が10~20であって、1つもしくは2つの不飽和結合を有するか飽和の直鎖状の一価炭化水素基である。Rはさらに好ましくは、炭素数が16~18の、1つの不飽和結合を有する直鎖状の炭化水素基であり、最も好ましくは、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート(アルミニウム9オクタデセニルアセトアセテートジイソプロピレート)である。本明細書において、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、及び上記式(I)で示され、上記のように定義される化合物から選択されるアルミニウムキレートを、表面修飾剤と指称する場合がある。また、これらのアルミニウムキレートを無機充填材に結合することを、無機充填材の表面修飾と指称する場合がある。
アルミニウムキレートの添加量は、無機充填材100質量部に対し、0.5~8質量部であってよく、好ましくは0.5~7質量部であり、さらに好ましくは1~5質量部である。無機充填材100質量部に対するアルミニウムキレートの添加量(質量部)を修飾率ともいう。アルミニウムキレートの量が少なすぎると、無機充填材の疎水化の効果が充分でない場合がある。アルミニウムキレートの量が多すぎると、アルミニウムキレートを結合させていない未処理の無機充填材を用いた場合よりも、粘度が高くなる場合がある。
アルミニウムキレートを無機充填材に結合させる方法は、以下の第1~第3工程を含む。
(1)無機充填材の吸着水を加熱除去する第1工程、
(2)無機充填材と、アルミニウムキレートの分散液とを、50℃~70℃にて反応させる第2工程、
(3)反応後の無機充填材を120~160℃で乾燥させる第3工程。
第1工程においては、未処理の無機充填材を、加熱乾燥し、表面の吸着水を除去する。加熱温度は、常圧下、140~160℃で15~30時間にわたって行うことが好ましい。加熱乾燥のための装置としては、通常のオーブンや乾燥機を用いることができる。第1工程により、無機充填材の表面に通常存在する吸着水を除去することができ、続く第2工程におけるアルミニウムキレートの、無機充填材への反応性を高めることができる。なお、アルミニウムキレートの種類によっては、第1工程を実施しなくても、十分な効果が得られる場合がある。したがって、第1工程は任意工程である。また、第1工程後、第2工程は、水の再吸着が起こらないように、できるだけ速やかに行うことが好ましい。
第2工程においては、アルミニウムキレートをアルコール等の適切な分散媒に分散させて分散液を調製し、これに、任意選択的に吸着水を除去した無機充填材を添加、混合する。混合は、超音波を印加することにより実施することが好ましい。次いで、アルミニウムキレートと無機充填材を、常圧下、約50~70℃にて、約10~15時間にわたって反応させる。反応は、撹拌下で実施することが好ましい。反応終了後、吸引ろ過を行い、反応生成物をガラスシャーレに展開する。
第3工程においては、得られた反応生成物を常圧下、約120~160℃で約6~18時間にわたって乾燥する。乾燥のための装置は、第1工程と同様であってよい。次いで、乾燥により得られる粉末の凝集体を粉砕し、篩に掛けて回収する。これにより、本実施形態による熱硬化性樹脂組成物を構成する、アルミニウムキレートが結合した無機充填材を得ることができる。
このようにして得られた無機充填材は、アルミニウムキレートが無機充填材に結合している。好ましくは、アルミニウムキレートが無機充填材の表面水酸基に、直接共有結合している。これは、アルミニウムキレートのアルコキシド基と、無機充填材の表面水酸基との間での反応による。図1は、本発明を構成する表面修飾された無機充填材の表面の一部における化学構造を模式的に示す図である。図1中、無機充填材101の表面水酸基に、アルミニウムキレート102が結合している。なお、図1は模式図であって、未反応のアルコキシド基や、未反応の表面水酸基が残存している場合がある。また、無機充填材がシリカ以外の化合物である場合や、アルミニウムキレートが図示する化合物以外の化合物である場合も、同様に、アルコキシド基と水酸基の共有結合により、アルミニウムキレートによる無機充填材の表面修飾がなされる。
アルミニウムキレートが結合した無機充填材は、アルミニウムキレートの種類及び/または無機充填材の種類が異なる2種以上を混合して、本実施形態による熱硬化性樹脂組成物に添加してもよく、1種類のみを添加してもよい。
表面修飾された無機充填材(アルミニウムキレートが結合した無機充填材)の添加量は、熱硬化性樹脂主剤の質量を100質量部としたとき、100質量部以上であって400質量部以下であることが好ましく、200質量部以上であって300質量部以下であることがさらに好ましい。無機充填材の配合量が100質量部未満であると封止材の熱膨張係数が高くなって剥離やクラックが生じ易くなる場合がある。配合量が400質量部よりも多いと組成物の粘度が増加して成形性が悪くなる場合がある。また、無機充填材量が多く、熱硬化性樹脂主剤量が少ないと硬化後の強度が低下する場合がある。なお、無機充填材を200質量部以上であって300質量部以下とすると、樹脂組成物が硬化して得られる硬化物の線膨張係数を15×10-6/Kから20×10-6/Kに調整することができる。半導体モジュールに使われる金属部材である銅やアルミニウムと同程度の線膨張係数とすることにより、樹脂硬化物の反りを抑制し、界面剥離やクラック発生を防止することができるため、有利である。なお、銅の線膨張係数は16×10-6/Kであり、アルミニウムの線膨張係数は22×10-6/Kである。
本実施形態による熱硬化性樹脂組成物には、任意選択的な成分として、硬化剤を含んでもよい。硬化剤としては、熱硬化性樹脂主剤、好ましくはエポキシ樹脂主剤と反応し、硬化しうるものであれば特に限定されないが、酸無水物系硬化剤を用いることが好ましい。酸無水物系硬化剤としては、例えば芳香族酸無水物、具体的には無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸等が挙げられる。あるいは、環状脂肪族酸無水物、具体的にはテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸等、もしくは脂肪族酸無水物、具体的には無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等を挙げることができる。硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂主剤100質量部に対し、50質量部以上であって170質量部以下程度とすることが好ましく、80質量部以上であって150質量部以下程度とすることがより好ましい。硬化剤の配合量が50質量部未満であると架橋不足からガラス転移温度が低下する場合があり、170質量部より多くなると耐湿性、高熱変形温度、耐熱安定性の低下を伴う場合がある。なお、硬化剤を配合する組成物においては、アルミニウムキレートが結合した無機充填材の添加量は、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤との総量を100質量部とした場合に、100質量部以上であって400質量部以下であることが好ましい。この量比は、熱硬化性樹脂主剤と、硬化剤と、無機充填材とから実質的に構成される熱硬化性樹脂組成物において、熱硬化性樹脂組成物の全質量を100%とした場合に、50~80質量%の量で含まれている場合に相当する。無機充填材の添加量は、熱硬化性樹脂主剤と硬化剤との総量を100質量部とした場合に、200質量部以上であって300質量部以下であることがさらに好ましい。なお、熱硬化性樹脂主剤として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を単独で、またはビスフェノールA型エポキシ樹脂と先に例示した高耐熱性エポキシ樹脂との混合物を用いる場合は、硬化剤を用いない方が耐熱性が向上するため好ましい場合がある。高耐熱性エポキシ樹脂の配合比は、例えば、熱硬化性樹脂主剤の総質量を100%とした場合に、10質量%以上であって50質量%以下であってよく、より好ましくは10%以上であって25質量%以下である。この範囲であれば、耐熱性も向上し、また増粘することもないため好ましい。
熱硬化性樹脂組成物には、さらに、任意選択的な成分として、硬化促進剤を添加することができる。硬化促進剤としては、イミダゾールもしくはその誘導体、三級アミン、ホウ酸エステル、ルイス酸、有機金属化合物、有機酸金属塩等を適宜配合することができる。硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂主剤100質量部に対して、0.01質量部以上であって50質量部以下とすることが好ましく、0.1質量部以上であって20質量部以下とすることがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、また、その特性を阻害しない範囲で、任意選択的な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、難燃剤、樹脂を着色するための顔料、耐クラック性を向上するための可塑剤やシリコンエラストマーが挙げられるが、これらには限定されない。これらの任意成分、およびその添加量は、半導体装置及び/または封止材に要求される仕様に応じて、当業者が適宜決定することができる。
本実施形態による熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、先に示した方法にて、アルミニウムキレートを結合した無機充填材を準備した後、熱硬化性樹脂主剤と、アルミニウムキレートを結合した無機充填材と、必要に応じて任意選択的な成分とを混合する工程を含む。混合する工程は、混練機などにより、硬化温度未満の温度条件下で実施することが好ましい。
本実施形態による熱硬化性樹脂組成物は、硬化温度未満の温度条件下で流動性を保持し、未処理の状態の無機充填材を同量で含む熱硬化性樹脂組成物と比較して、粘度を4%~14%程度低下させることができる。本実施形態による熱硬化性樹脂組成物の硬化前の粘度は、室温程度(10℃から40℃)において、好ましくは16.5kcp以下であり、さらに好ましくは15.5kcp以下である。このように、無機充填材の添加量自体は変化させずに、粘度を低減した熱硬化性樹脂組成物とすることで、無機充填材による界面剥離やクラック防止の効果を保持したまま、作業性を向上させ、硬化後のボイドを低減することができる。
本発明は第2実施形態によれば、半導体装置に関する。図2は、本実施形態に係る半導体装置の一例である、パワーモジュールの概念的な断面図を示す。図示するパワーモジュールは、放熱板13上に半導体素子11及び積層基板12を、はんだ接合層17にて接合した積層構造となっており、放熱板13には、外部端子15を内蔵したケース16が接着され、半導体素子11および積層基板12の電極と外部端子15はアルミワイヤ14にて接続されている。ケース16内部には封止材10が充填され、半導体素子及びその他の導電性部材を絶縁封止している。
半導体素子11は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)あるいはダイオードチップ等のパワーチップであり、種々のSiデバイス、SiCデバイス、GaNデバイスなどを用いることができる。また、これらのデバイスを組み合わせて用いても良い。例えば、Si-IGBTとSiC-SBDを用いたハイブリッドモジュールなどを用いることができる。半導体素子の搭載数は、1つであってもよく、複数搭載することもできる。
積層基板は、絶縁基板122とその一方の主面に形成される第1導電性板121と、他方の主面に形成される第2導電性板123とから構成することができる。絶縁基板122としては、電気絶縁性、熱伝導性に優れた材料を用いることができる。絶縁基板122の材料としては、例えば、Al、AlN、SiNなどが挙げられる。特に高耐圧用途では、電気絶縁性と熱伝導率を両立した材料が好ましく、AlN、SiNを用いることができるが、これらには限定されない。第1導電性板121、第2導電性板123としては、加工性の優れているCu、Alなどの金属材料を用いることができる。このようなCu等からなる導電性板のうち、半導体素子と接していない導電性板を、裏面銅箔または裏面導電性板と指称することもある。また、導電性板は、防錆などの目的で、Niメッキなどの処理を行ったCu、Alであっても良い。絶縁基板122上に導電性板121,123を配設する方法としては、直接接合法(Direct Copper Bonding法)もしくは、ろう材接合法(Active Metal Brazing法)が挙げられる。
放熱板13としては、熱伝導性に優れた銅やアルミニウムなどの金属が用いられる。また、腐食防止のために、放熱板13にNiおよびNi合金を被覆することもできる。
接合層17は、鉛フリーはんだを用いて形成することができる。例えば、Sn-Ag-Cu系、Sn-Sb系、Sn-Sb-Ag系、Sn-Cu系、Sn-Sb-Ag-Cu系、Sn-Cu-Ni系、Sn-Ag系などを用いることができるが、これらには限定されない。
ケース16は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)や、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性樹脂であってよい。
封止材10は、熱硬化性樹脂封止材であって、少なくともその一部が、第1実施形態による熱硬化性樹脂組成物から構成される。したがって、封止材10全体が第1実施形態による熱硬化性樹脂組成物からなる封止材であってもよく、部分的に異なる封止材を含んでいても良い。
上記態様の半導体モジュールの製造は、放熱板13、積層基板12、及びに半導体素子11を接合し、放熱板13にケース16を取り付けた後、アルミワイヤ14にてワイヤボンディングを行う。次いで、ケース16内に、未硬化で液状の、第1実施形態による熱硬化性樹脂組成物を注入し、加熱硬化させることにより、封止材10の硬化層を形成することができる。加熱硬化の工程は、例えば、二段階硬化とすることができ、100~120℃で1~2時間、次いで、175~185℃で1~2時間にわたり実施することができるが、特定の温度、時間には限定されず、二段階硬化とする必要がない場合もある。
第1実施形態による熱硬化性樹脂組成物は無機充填材を多く含む場合であっても、粘度の上昇が抑えられており、半導体モジュールの製造における作業性に優れる。そして、加熱硬化後の封止材10の硬化層におけるボイドを低減しており、ボイドに起因する密着性、絶縁性、強度の低下並びに外観不良等の問題を解決し、半導体モジュールの信頼性に寄与する。
なお、図示した半導体モジュールの構成は、一例であって、本発明は当該構成に限定されるものではない。例えば、アルミワイヤ14に代えて、任意の導電性接続部材を用いてもよく、リードフレームやインプラントピンを用いることができる。また、ケースを備えておらず、その外形が成型された封止材から構成される半導体モジュールであってもよい。積層基板に放熱板が直接に接していない態様であってもよい。
ケースレスの半導体モジュールの構造としては、図示はしないが、例えば図2のアルミワイヤに替えて、インプラントピンと、インプラントピンに接合されたプリント基板を含み、これらを含む部材が封止材により封止された構造が挙げられる。プリント基板としては、ポリイミドフィルム基板やエポキシフィルム基板にCu、Alなどの導電層が形成されているものを用いることができる。インプラントピンとしては、銅を用いた銅ピンを用いることができる。プリント基板の導電層も、インプラントピンも、CuやAlに、防錆などの目的でNiメッキなどの処理を施したものであってもよい。このプリント基板とインプラントピンは、半導体素子どうし、もしくは、半導体素子と積層基板の間を電気的に接続する。インプラントピンと積層基板もしくは半導体素子とは、はんだ接合層により接合することができる。また、積層基板上からインプラントピンを封止材の外部にまで引き出すことにより、インプラントピンを外部接続端子とすることができる。かかる態様の半導体モジュールの製造は、積層基板、半導体素子、インプラントピン、並びにプリント基板を含む被封止部材を適切な金型に載置し、封止材を金型に充填して加熱硬化することにより実施することができる。このような封止体の成形法としては、真空注型、トランスファー成形、液状トランスファー成形が挙げられるが、所定の成形法には限定されない。
本実施形態による半導体装置によれば、封止材におけるボイドが低減した、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例の範囲に限定されるものではない。
[1.アルミニウムキレートもしくは表面修飾剤を結合した無機充填材の製造]
無機充填材として、シリカ粒子(CMC-1、平均粒子径12μm、株式会社瀧森製)を用い、シリカ粒子へのアルミニウムキレートもしくはその他の表面修飾剤の結合を行った。表面修飾剤としては、以下に示すものを用いた。
Figure 0007308473000003
第1工程として、上記の市販のシリカ粒子を定温乾燥器(DOV-300PA、アズワン株式会社製)に入れて、150℃で24時間の乾燥を行い、吸着水の除去を行った。
第2工程として、2-プロパノール(和光純薬工業株式会社製)に分散させた表面修飾剤a~eのそれぞれと、第1工程で得られたシリカ粒子とを混合し、超音波により10秒間分散させた。表面修飾剤による修飾率は、無機充填材100質量部に対する、表面修飾剤の添加量(質量部)により定義される。修飾率は、0.5~10質量部の間で変化させた。
第3工程として、第2工程で得られた分散液中の表面修飾剤と、シリカ粒子とを反応させた。分散液は、撹拌装置(トルネードSM-101、アズワン株式会社製)で撹拌を継続しながら、60℃で12時間にわたって行った。反応終了後、吸引ろ過装置(VKU-500、有限会社桐山製作所製)を用いて吸引ろ過を行い、得られた生成物を先の定温乾燥器を用いて、150℃で12時間にわたって乾燥させた。乾燥後の生成物は凝集した状態であったため、遊星撹拌装置(ARE200、株式会社シンキー)を用いて粉砕した後、ふるい(JIS Z 8801、東京スクリーン株式会社製)にかけて選別、回収した。
[2.熱硬化性樹脂組成物の調製]
表面修飾された無機充填材を用いて、熱硬化性樹脂組成物を調製した。熱硬化性樹脂主剤としては、ビスフェノールA型エポキシ 828(三菱化学株式会社製)を用い、本実施例においては硬化剤や、その他の添加剤は用いなかった。表面修飾された無機充填材の配合率は、高充填の状態とするために熱硬化性樹脂組成物全体の質量を100%とした場合に、70質量%とした(主剤100質量部としたときに、240質量部)。表面修飾された無機充填材と、熱硬化性樹脂主剤との混合工程は、混練機(KK-V350W、株式会社クラボウ製)により実施した。
調製後、硬化前の熱硬化性樹脂組成物について、粘度を評価した。粘度は、上記混合工程後の熱硬化性樹脂組成物の粘度を、25℃で、B型粘度計(回転粘度計:ブルックフィールド社製 DV-1Prime)により測定することにより評価した。
それぞれの熱硬化性樹脂組成物を、テフロン(登録商標)型に5mmの均一の厚みにて充填し、100℃で1時間、さらに180℃で1時間硬化させて、熱硬化性樹脂硬化物を得た。この硬化物の単位面積当たりのボイドを、X線解析装置(XVA-150NX、株式会社ユニハイトシステム製)にて測定し、ボイドが存在しない場合を○、ボイド数が1~2の場合を△、ボイド数が3以上の場合を×とした。
また、樹脂組成物を調製する前の、アルミニウムキレートあるいはそれ以外の表面修飾剤が結合したシリカの疎水性(分散性)についても評価した。疎水性は、アルミニウムキレートあるいはそれ以外の表面修飾剤が結合したシリカを、イオン交換水に分散させて目視で観察し、透明になった場合は疎水性が○、混濁した場合は疎水性が×とした。
実施例及び比較例の熱硬化性樹脂組成物の組成、並びに評価結果を表2に示す。
Figure 0007308473000004
上記評価結果より、実施例の熱硬化性樹脂組成物においては、表面修飾したシリカ粒子の疎水性(分散性)が高く、シリカ粒子が分散性を向上させるのに十分な程度に疎水化されていることがわかった。表面修飾剤cは、アルミニウムキレートではあるが、十分な疎水化ができなかった。また、一端にトリメトキシシラン、他端にエポキシ環をもつシランカップリング剤である表面修飾剤d、高級脂肪酸であるステアリン酸eも、疎水化には寄与しなかった。
疎水化の効果が高かった表面修飾剤aにより表面修飾されたシリカ粒子を含む熱硬化性樹脂組成物について、修飾率と粘度の関係を調べた。また、未修飾のシリカ粒子(CMC-1、平均粒子径:12μm、株式会社瀧森製)を用いた以外は、上記実施例、比較例と同様の熱硬化性樹脂組成物を調製し、その粘度についても測定した。修飾率と粘度の関係を示すグラフを図3に示す。
図3から、表面修飾剤aを用いた場合、修飾率が概ね0.5~8の範囲で、未修飾のシリカ粒子と比較して粘度を抑制する効果があり、特に、修飾率が概ね0.5~7の範囲でその効果が高いことが分かった。また、粘度が有意に低減されている熱硬化性樹脂組成物を硬化させた場合には、ボイド率も低くなっていることが、表2からわかった。なお、無機充填材の添加量を変えても上述の修飾率の範囲で同様の効果が得られた。
表面修飾剤aは、1分子中に、Alに結合したイソプロピル基(親水基)を2つ有し、長鎖アルキル基(疎水基)を有している。理論に拘束される意図はないが、この親水基がシリカ粒子表面のシラノール基に対して高い反応性を示し、かつ疎水基がシリカ粒子の疎水化に寄与していると考えられる。
詳細なデータは示していないが、表面修飾剤aを用いた場合にも、表面修飾の第1工程における吸着水除去を実施しなかった場合には、粘度が若干高くなり、表面修飾剤bを用いて第1~第3工程を実施した場合と同程度であった。
10 封止材
101 無機充填材
102 アルミニウムキレート
11 半導体素子
12 積層基板
121 導電性板
122 絶縁基板
123 導電性板
13 放熱板
14 アルミワイヤ
15 外部端子
16 ケース
17 はんだ接合層

Claims (9)

  1. 積層基板に実装された半導体素子と、導電性接続部材と、熱硬化性樹脂組成物が硬化された封止材とを含む、半導体装置であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂主剤と、アルミニウムキレートが結合した無機充填材とを含み、
    前記アルミニウムキレートが、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、または以下の式(I)で示される化合物、
    Figure 0007308473000005
    (式中、Rは、炭素数が3以上の飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状の一価炭化水素基である)
    から選択される1以上であり、
    前記アルミニウムキレートが、前記無機充填材100質量部に対し、1~8質量部の量で含まれており、
    前記無機充填材が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化アルミニウムから選択される1以上である、半導体装置。
  2. 積層基板に実装された半導体素子と、導電性接続部材と、熱硬化性樹脂組成物が硬化された封止材とを含む、半導体装置であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂主剤と、アルミニウムキレートが結合した無機充填材とを含み、
    前記アルミニウムキレートが、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、または以下の式(I)で示される化合物、
    Figure 0007308473000006
    (式中、Rは、炭素数が3以上の飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状の一価炭化水素基である)
    から選択される1以上であり、
    前記無機充填材が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化アルミニウムから選択される1以上であり、ただし、分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物で表面処理された無機充填材を除く、半導体装置。
  3. 前記無機充填材が、前記熱硬化性樹脂主剤100質量部に対し、100~400質量部の量で含まれている、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記アルミニウムキレートが、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレートである、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記アルミニウムキレートが、前記無機充填材100質量部に対し、0.5~8質量部の量で含まれている、請求項2に記載の半導体装置。
  6. 前記熱硬化性樹脂主剤が、エポキシ樹脂である、請求項1~5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記熱硬化性樹脂組成物が、 硬化剤をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材を製造する工程と、
    前記熱硬化性樹脂主剤と前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材とを混合する工程と
    を含み、
    前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材を製造する工程が、
    無機充填材と前記アルミニウムキレートの分散液とを50℃~70℃にて反応させる工程と、
    反応後の無機充填材を120~160℃で乾燥させる工程と
    を含む、熱硬化性樹脂組成物の製造工程と、
    積層基板に実装された半導体素子と、導電性接続部材とを接続する工程と、
    前記半導体素子と前記導電性接続部材とを、前記熱硬化性樹脂組成物の製造工程で得られた熱硬化性樹脂組成物で絶縁封止する工程と
    を含む、半導体装置の製造方法。
  9. 前記アルミニウムキレートが結合した無機充填材を製造する工程において、前記無機充填材と前記アルミニウムキレートの分散液とを50℃~70℃にて反応させる工程の前に、前記無機充填材の吸着水を加熱除去する工程をさらに含む、請求項8に記載の製造方法。
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