JP7308065B2 - 感震センサ - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を応用して3軸方向の加速度を検出するMEMSセンサを使用して、所定レベルの地震を検知したら遮断信号を出力する感震センサが開示されている。
しかしながら、MEMSセンサは小さい加速度を検出することが不得意であり、小さい加速度が継続される長周期地震動を精度良く検出するのが難しかった。
MEMSセンサが内蔵している加速度検出部は、水平面上で直交するX-Y軸と、鉛直方向のZ軸との直交3軸方向が設定されているが、図4に示すように個々の軸のゼロクロス付近は、ひずみ領域Eが存在するため、小さな加速度の検出が難しい。
一方で、高層マンション、免震構造建物の増加により地震時に水平方向に対し、長い周期かつ大きい変位で揺れる長周期地震動に対する地震検知が求められている。
この構成によれば、MEMSセンサに組み込まれている加速度検出部の加速度検出方向の直交3軸方向と、感震センサのハウジングの水平/垂直方向とが所定角度異なるため、感震センサを分電盤内の基台等所定の位置に組み付けた状態では、組み付け部位の水平/垂直方向とMEMSセンサの直交3軸方向は一致しない。
そのため、MEMSセンサの3軸それぞれの加速度検出方向に対して従来と異なる重力加速度のバイアスが加わった状態となるため、加速度検出部の加速度ゼロの状態であるゼロクロス点が、個々の軸に対して本来の位置から移動する。よって、ひずみ領域から外れた位置に新たなゼロクロス点を配置でき、加速度が小さい長周期地震動の検出を行うことが可能となる。
この構成によれば、加速度を検出する直交3軸はMEMSセンサの実装方向と2枚の基板の配置形態により、ハウジングの水平/垂直方向に対して所定角度傾斜配置される。よって、MEMSセンサは3軸に傾斜の無い従来のものが使用できる。
この構成によれば、MEMSセンサは台座を介して基板に組み付けられるため、基板がハウジング底面或いは側面に平行に配置されても、加速度を検出する直交3軸はハウジングの水平/垂直方向に対して所定角度傾斜配置される。よって、MEMSセンサは3軸に傾斜の無い従来のものが使用できるし、従来の基板取付形態を変更すること無く加速度を検出する直交3軸を傾けて配置できる。
この構成によれば、基板がハウジングの底面或いは側面に対して傾斜配置されるため、MEMSセンサの加速度を検出する3軸は、ハウジングの水平/垂直方向に対して所定角度傾斜配置される。よって、基板によって加速度検出方向が傾斜配置されるため、MEMSセンサは3軸に傾斜の無い従来のものが使用できる。
そのため、MEMSセンサの3軸それぞれの加速度検出方向に対して従来と異なる重力加速度のバイアスが加わった状態となるため、加速度検出部の加速度ゼロの状態であるゼロクロス点が、個々の軸に対して本来の位置から移動する。よって、ひずみ領域から外れた位置に新たなゼロクロス点を配置でき、加速度が小さい長周期地震動の検出を行うことが可能となる。
そして、MEMSセンサ1に組み込まれている加速度検出部の3軸X,Y,Zは、ICの基板への装着面に平行にX,Y軸が配置され、装着面に直交する方向にZ軸が配置されている。
感震センサCPU3は、デジタル変換されたMEMSセンサ1の出力信号を基に、震度を算出して出力する。
即ち、MEMSセンサ1の加速度を検出する3つの加速度検出部の軸(X',Y',Z')全てが、水平面上に配置されるX軸、Y軸、その鉛直方向を向くZ軸に対して異なる角度となるよう実装される。
そして、ここでは傾斜角S1、回転角S2は何れも45度となっており、加速度を検出する3つの加速度検出部の軸(X',Y',Z')は、上記直交3軸に対して45度傾いた状態で組み付けられる。
図3に示すように、直交3軸方向に配置された加速度検出部の各軸が45度傾けられることで、各加速度検出部には重力による加速度が常時発生した状態となる(具体的には、ルート3分の1の重力が加わった状態となる。)。
そのため図3に示すように、ひずみ領域Eから離れた部位に原点が移動し、小さな横揺れが発生しても3軸全で加速度の検出が可能となる。こうして、精度の高い観測が可能となる。
そのため、MEMSセンサ1の3軸それぞれの加速度検出方向に対して従来と異なる重力加速度のバイアスが加わった状態となるため、加速度検出部の加速度ゼロの状態であるゼロクロス点が、個々の軸に対して本来の位置から移動する。よって、ひずみ領域から外れた位置に新たなゼロクロス点を配置でき、加速度が小さい長周期地震動の検出を行うことが可能となる。
そして、加速度検出方向の3軸の方向が45度傾けられるため、直交3軸の方向は等しい重力加速度のバイアスが効率良く加わる。よって、本来のゼロクロス付近のひずみの影響を確実に無くすことができ、加速度が小さい長周期地震動の検出を良好に実施できる。
加えて、MEMSセンサは実装方向と2枚の基板4,5の配置形態により、感震センサCPU3が実装された第2の基板5がハウジング底面或いは側面に平行に配置されても、加速度を検出する直交3軸はハウジングの水平/垂直方向に対して所定角度傾斜配置される。よって、MEMSセンサ1は3軸に傾斜の無い従来のものが使用できる。
このような形状の台座11にMEMSセンサ1を組み付けることで、第3の基板12の直交3軸(第3の基板12の実装面12aにX軸,Y軸が平行に配置され、Z軸は実装面12aに直交配置される)に対して、MEMSセンサ1は45度傾いた状態となる。即ち、加速度を検出する3つの加速度検出部の軸は全て第3の基板12の直交3軸に対して45度傾いた状態で組み付けられる。
尚、第3の基板12は垂直に配置しても良く、その場合もMEMSセンサ1の加速度検出部の3軸は全て第3の基板12の直交3軸に対して45度傾いた状態にできる。
また、3軸全てを45度傾けているが、30度程度の傾斜(或いは45度を超えて60度の傾斜)でも良く、加速度検出方向の3軸方向に対して発生する重力加速度のバイアスにより、本来のゼロクロス付近のひずみの影響を確実に削減でき、小さな加速度の検出は可能である。
Claims (4)
- 直交3軸方向の加速度を検出する加速度検出部を備えたMEMSセンサと、前記MEMSセンサが出力するアナログ信号をデジタル値に変換するA/D変換部とがハウジングに組み込まれた感震センサであって、
前記加速度検出部の原点を、ひずみ領域から離れた部位に移動させるために、前記直交3軸の方向が、前記ハウジングの水平/垂直方向に対して30度乃至60度の間で設定される所定角度傾いていることを特徴とする感震センサ。 - 前記MEMSセンサは第1の基板に実装されると共に、前記第1の基板は第2の基板上に固定されて成り、
前記第2の基板は鉛直方向に起立配置される一方、前記第1の基板は前記第2の基板に対して直交し且つ水平面に対して所定角度傾斜させて配置され、
前記MEMSセンサが所定角度回転して前記第1の基板の実装面に組み付けられることで、加速度を検出する前記直交3軸の方向が前記ハウジングの水平/垂直方向に対して所定角度傾くことを特徴とする請求項1記載の感震センサ。 - 前記MEMSセンサは、台座を介して基板に組み付けられ、
前記基板は水平或いは鉛直方向に配置される一方、前記台座は前記基板の実装面に組み付けられて成り、
前記MEMSセンサを実装する前記台座の実装面が前記基板の実装面に対して所定角度傾斜して成ると共に、前記MEMSセンサが、前記台座の実装面に所定角度回転して組み付けられることで、加速度を検出する前記直交3軸の方向が前記ハウジングの水平/垂直方向に対して所定角度傾くことを特徴とする請求項1記載の感震センサ。 - 加速度を検出する前記直交3軸の方向は、前記MEMSセンサを組み付ける基板の面及びその直交方向と一致し、
前記基板が前記ハウジングの底面及びその垂直方向に対して所定角度傾けられて前記ハウジングの内部に配置されることを特徴とする請求項1記載の感震センサ。
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