JP7308051B2 - 多視点映像色合わせ装置およびそのプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、基準カメラで撮影された映像の平均値と、他のカメラの映像の平均値との差分を、他のカメラ映像に加える方法が、開示されている。
また、特許文献2には、各カメラの映像の値を入力して、目標の色に変換する色変換テーブルを用いる方法が、開示されている。
また、従来の特許文献2の方法は、すべての色成分のレベルごとに色変換テーブルを複数持ち、各カメラ映像をこの色変換テーブルすべてに通して、最も目標の色に近くなる色変換テーブルを採用して、各カメラ映像の色合わせを行っている。そのため、この方法は、使用しているカメラの特性が劣化、交換等によって変化した場合、最初から、すべての色変換テーブルを試して、最適な色変換テーブルを選びなおす手間がかかるという問題がある。
そして、多視点映像色合わせ装置は、平滑化手段によって、レベル累計手段で累計された信号レベルごとの度数を平滑化する。これによって、信号レベルの度数の分布を、大局的な分布で表すことができる。
さらに、多視点映像色合わせ装置は、レベル基準値決定手段によって、平滑化手段で平滑化された信号レベルごとのピークの度数の予め定めた割合の度数に対応する信号レベルを、色合わせを行うレベル基準値として決定する。このピークの度数の予め定めた割合の度数に対応する信号レベルは、同じ被写体を撮影した基準視点映像と他の視点映像とでは、ほぼ同じレベルとなるため、色合わせを行う基準として用いることができる。
そして、多視点映像色合わせ装置は、色補正手段によって、補正係数算出手段で算出された補正係数を用いて、色成分ごとに、他の視点映像の画素の信号レベルを補正する。これによって、多視点映像色合わせ装置は、他の視点映像の信号レベルの分布を、基準視点映像の信号レベルの分布に近似させることができる。
本発明によれば、多視点映像色合わせ装置は、多視点映像の各視点映像間の色成分のレベルを予め定めた基準視点映像に近似するように補正して色合わせを行うことができる。
これによって、本発明に係る多視点映像色合わせ装置は、色特性が異なる複数のカメラで撮影した多視点映像であっても、色合わせを行うことができる。
〔多視点映像色合わせ装置の概要〕
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る多視点映像色合わせ装置1の概要について説明する。
ここで、色合わせとは、各視点映像内で同じ被写体Oの色成分が近似するように補正することである。色成分は、例えば、視点映像をYUV(YCbCr、YPbPr),RGB等の色空間で表したときの各成分(輝度成分、色差成分、赤成分、緑成分、青成分等)である。
なお、多視点カメラCを構成する視点カメラの台数は、この例に限定されず、水平方向および垂直方向にそれぞれ2台以上あればよい。また、一方向、例えば、水平方向に2台以上一列に配置した構成でも構わない。
次に、図2を参照(適宜図1参照)して、本発明の実施形態に係る多視点映像色合わせ装置1の構成について説明する。
多視点映像色合わせ装置1は、基準視点カメラCAと1台以上の他の視点カメラCBとからそれぞれが撮影した視点映像を入力し、色合わせを行う。
基準視点カメラCAは、図1の視点カメラC5に相当する。他の視点カメラCBは、図1の視点カメラ(C1,…,C4,C6,…,C9)に相当する。
なお、レベル累計手段10、平滑化手段20およびレベル基準値決定手段30は、それぞれ、視点カメラの台数と同じ数で構成される。ここで、基準視点カメラCAに対応する手段については、レベル累計手段10A、平滑化手段20Aおよびレベル基準値決定手段30Aと表記し、他の視点カメラCBに対応する手段については、レベル累計手段10B、平滑化手段20Bおよびレベル基準値決定手段30Bと表記する場合がある。
ただし、レベル累計手段10A,10Bは、視点カメラが異なるだけで同じ機能である。平滑化手段20A,20Bやレベル基準値決定手段30A,30Bもそれぞれ同じ機能である。
例えば、多視点映像色合わせ装置1は、図3に示すように、視点カメラC5(基準視点カメラCA)が撮影した基準視点映像(中央視点映像V5)、視点カメラC4,C6(他の視点カメラCB,CB)が撮影した他の視点映像(左視点映像V4,右視点映像V6)を入力する。なお、図3は、視点映像の輝度成分(Y)のみを表しており、他の色成分については、図示を省略している。
レベル累計手段10は、入力した視点映像の色成分(YUV)別に、レベル値ごとに、その画素数を累計して、そのレベル値の度数とする。このレベル値は、例えば、信号レベルが256階調であれば、0~255の値である。
図4に示すように、図3で示した視点映像(V4,V5,V6)のうちで、視点映像(左視点映像)V4が他の視点映像に比べて暗く、小さい輝度レベルの度数が多くなっている。
レベル累計手段10は、他の色成分(UV)についても、同様に信号レベルごとの度数を累計する。
レベル累計手段10は、色成分別に累計した信号レベルごとの度数を平滑化手段20に出力する。
この平滑化手段20は、平滑化フィルタ(低域通過フィルタ)、例えば、ガウスフィルタ(ガイシアンフィルタ)を用いて信号レベルごとの度数を平滑化する。なお、ここでは、信号レベルの大域的な分布とするため、多タップ(例えば、40タップ以上)のガウスフィルタを用いる。
例えば、平滑化手段20は、以下のガウスフィルタの係数に示す41個の係数を持つ多タップのガウスフィルタを通して、信号レベルごとの度数を平滑化する。
平滑化手段20は、平滑化した信号レベルごとの度数を色成分別にレベル基準値決定手段30に出力する。
このレベル基準値決定手段30の処理を図5に示したヒストグラムで説明する。図5に示すように、レベル基準値決定手段30Aは、基準視点映像(中央視点映像)V5の度数のピーク値に予め定めた係数を掛けた値となる輝度レベルを最小輝度レベル“0”から探索する。そして、レベル基準値決定手段30Aは、探索した値T5Lを第1のレベル基準値とする。また、レベル基準値決定手段30Aは、同様に、最大輝度レベル“255”から探索した値T5Hを第2のレベル基準値とする。
図2に戻って、多視点映像色合わせ装置1の構成について説明を続ける。
レベル基準値決定手段30は、決定したレベル基準値を補正係数算出手段40に出力する。
この補正係数算出手段40は、補正前レベル基準値で区分した区間ごとの補正前の信号レベルと、補正後レベル基準値で区分した区間ごとの補正後の信号レベルとが、線形な関係を満たすように、補正前レベル基準値で区分した区間ごとに補正係数を算出する。
図6は、他の視点映像の信号レベル(例えば、輝度レベル)の補正前レベルを横軸、補正後レベルを縦軸に表したグラフ図である。ここでは、他の視点映像(左視点映像V4)の信号レベルのレベル基準値(補正前レベル基準値)をT4L,T4H、基準視点映像(中央視点映像V5)の信号レベルのレベル基準値(補正後レベル基準値)をT5L,T5Hとし、最小信号レベルを“0”、最大信号レベルを“255”としている。
具体的には、補正係数算出手段40は、区間I1=[0,T4L]、区間I2=[T4L,T4H]、区間I3=[T4H,255]ごとに、以下の式(1)により、それぞれ補正係数C4G,C4Hを求める。
同様に、補正係数算出手段40は、他の視点映像についてもそれぞれ補正係数を算出する。例えば、補正係数算出手段40は、補正対象の他の視点映像を右視点映像V6としたとき、区間I1=[0,T6L]、区間I2=[T6L,T6H]、区間I3=[T6H,255]ごとに、以下の式(2)により、それぞれ補正係数C6G,C6Hを求める。
補正係数算出手段40は、補正対象の他の視点映像の色成分ごとに計算した補正係数を色補正手段50に出力する。なお、補正係数算出手段40は、色成分ごとの区間を示すレベル基準値(T4L,T4H,T6L,T6H等)も補正係数とともに色補正手段50に出力する。
すなわち、色補正手段50は、他の視点映像の色成分ごとに、補正係数を用いて、区間単位で、画素の信号レベルを補正する。
ここでは、具体例として、左視点映像V4と右視点映像V6とを補正する例について説明する。
これによって、図5に示した平滑化されたヒストグラムは、他の視点映像(V4,V6)のヒストグラムが、基準視点映像(V5)のヒストグラムと重なるように信号レベルが補正されることになる。この補正後のヒストグラムを図7に示す。図7に示すように、平滑化されたヒストグラムは、ほぼ重なることになる。
図9に、色合わせ後の図8に示した各映像(Vc4,V5,Vc6)の輝度成分(Y)についてヒストグラムを示す。図9に示すように、多視点映像色合わせ装置1は、信号レベルに差があっても、ほぼ同様の波形に合わせることができる。
また、多視点映像色合わせ装置1は、色の均一な多視点映像を生成することができる。そのため、多視点映像色合わせ装置1が生成する多視点映像は、信号レベルの差が小さく、符号化効率を高めることができる。
次に、図10を参照して(構成については適宜図2参照)、本発明の実施形態に係る多視点映像色合わせ装置1の動作について説明する。
ここでは、補正係数算出手段40は、それぞれの他の視点映像別に、色成分ごとの補正係数を算出する。
これによって、他の視点映像は、色成分ごとの信号レベルが、基準視点映像の色成分ごとの信号レベルに近似するように補正されることになる。
以上の動作によって、多視点映像色合わせ装置1は、他の視点カメラCB,CB,…が撮影した他の視点映像の色成分の信号レベルを、基準視点カメラCAが撮影した基準視点映像の色成分の信号レベルに近似するように補正することができる。
これによって、多視点映像色合わせ装置1は、基準視点映像と他の視点映像との色合わせを正確に行うことができる。
(変形例1)
ここでは、レベル累計手段10、平滑化手段20およびレベル基準値決定手段30を、視点映像(基準視点映像、他の視点映像)の数だけ、並列に構成した。
しかし、レベル累計手段10、平滑化手段20およびレベル基準値決定手段30は、基準視点映像および他の視点映像の処理において、同じ機能を有するため、レベル累計手段10、平滑化手段20およびレベル基準値決定手段30を1組だけ備える構成とし、視点映像ごとに順番に処理することとしてもよい。
ここでは、視点映像の色成分がYUV(輝度成分および2つの色差成分)である例を示した。
しかし、視点映像は、この色成分の映像に限定されない。例えば、RGB(赤、緑、青)の色成分の映像であってもよい。
その場合、多視点映像色合わせ装置1の各手段は、YUVと同様にRGBの色成分ごとに色合わせを行えばよい。これによって、多視点カメラCが各視点映像をRGBの色成分として出力する場合、多視点映像色合わせ装置1は、視点映像を輝度成分と色差成分とに変換する必要がなく、直接色合わせを行うことができる。
ここでは、レベル基準値決定手段30は、2つのレベル基準値を求めるための平滑された度数のピーク値(最大度数)に掛ける値(ピーク値に対する割合)を“0.75”とした。
しかし、このピーク値に対する割合は、“0.75”に限定されるものではなく、任意の値を用いることができる。例えば、“0.75”のような大きな値を用いた場合、出現頻度の高い信号レベルで、より正確に色合わせを行うことができる。また、例えば、“0.5”、“0.25”等、小さい割合を用いた場合、出現頻度の高くない信号レベルでも、より正確に色合わせを行うことができる。
そこで、操作者は、多視点映像色合わせ装置1の多視点映像が正しい色を出力するように、レベル基準値決定手段30に設定する度数のピーク値に対する割合を調整すればよい。
ここでは、レベル基準値決定手段30が、2つのレベル基準値を決定し、補正係数算出手段40および色補正手段50が、信号レベルを3つの区間に分けて、それぞれの区間ごとに補正係数を算出し、色の補正を行った。
しかし、信号レベルの基準となるレベル基準値は、1つでも3つ以上でも構わない。
例えば、閾値を1つとする場合、レベル基準値決定手段30は、信号レベルの平滑された度数のピーク値に対する割合を“1”として、対応する1つの信号レベルをレベル基準値とする。そして、補正係数算出手段40および色補正手段50は、[0,レベル基準値]、[レベル基準値,255]のように2つに区分した補正区間ごとに、色の補正を行えばよい。
また、例えば、レベル基準値を3つとする場合、前記した2つのレベル基準値に加え、平滑された度数のピーク値に対応する信号レベルを第3のレベル基準値とすればよい。
また、例えば、レベル基準値を4つ以上とする場合、平滑化された度数のピーク値に掛ける値を複数準備(例えば、“0.75”と“0.25”)し、複数のレベル基準値を決定すればよい。
ここでは、補正係数算出手段40は、図6に示したように、レベル基準値によって複数の補正区間ごとに、信号レベルの補正前レベルと補正後レベルとの関係が、線形の関係を有するように直線の傾きとして補正係数を計算した。
しかし、補正係数算出手段40は、信号レベルの補正前レベルと補正後レベルとの関係が、非線形な関係であることとして、補正係数を計算してもよい。
その場合、補正係数算出手段40は、補正前信号レベルと補正後信号レベルとの関係が、補正前のレベル基準値と補正後のレベル基準値とで一致する非線形曲線となるような非線形関数の係数を補正係数として算出すればよい。
そして、色補正手段50は、補正係数算出手段40で算出された補正係数で特定されるスプライン関数を用いて、他の視点映像の色成分ごとの信号レベルから、補正後の信号レベルを計算すればよい。
これによって、多視点映像色合わせ装置1は、信号レベルをより滑らかに補正することができ、より正確に色合わせを行うことができる。
なお、非線形関数は、例示したスプライン関数に限定されず、ラグランジュ関数等、任意の点間を補間可能な関数であればなんでもよい。
10,10A,10B レベル累計手段
20,20A,20B 平滑化手段
30,30A,30B レベル基準値決定手段
40 補正係数算出手段
50 色補正手段
C 多視点カメラ
CA 基準視点カメラ
CB 他の視点カメラ
Claims (5)
- 多視点カメラで撮影された複数の視点映像の色合わせを行う多視点映像色合わせ装置であって、
前記色合わせを行う基準となる予め定めた視点映像である基準視点映像と、前記基準視点映像以外の視点映像である他の視点映像とについて、それぞれ、色成分単位で信号レベルごとの度数を累計するレベル累計手段と、
前記レベル累計手段で累計された信号レベルごとの度数を平滑化する平滑化手段と、
前記平滑化手段で平滑化された信号レベルごとのピークの度数の予め定めた割合の度数に対応する信号レベルを、色合わせを行うレベル基準値として決定するレベル基準値決定手段と、
前記他の視点映像から決定されたレベル基準値である補正前レベル基準値を、前記基準視点映像から決定されたレベル基準値である補正後レベル基準値に変換するように、前記他の視点映像の信号レベルを補正する色成分ごとの補正係数を算出する補正係数算出手段と、
前記補正係数算出手段で算出された補正係数を用いて、色成分ごとに、前記他の視点映像の画素の信号レベルを補正する色補正手段と、
を備えることを特徴とする多視点映像色合わせ装置。 - 前記平滑化手段は、ガウスフィルタにより、前記信号レベルごとの度数を平滑化することを特徴とする請求項1に記載の多視点映像色合わせ装置。
- 前記補正係数算出手段は、前記補正前レベル基準値で区分した区間ごとの補正前の信号レベルと、前記補正後レベル基準値で区分した区間ごとの補正後の信号レベルとが、線形な関係を満たすように、前記補正前レベル基準値で区分した区間ごとに前記補正係数を算出し、
前記色補正手段は、前記補正係数を用いて、前記他の視点映像を前記補正前レベル基準値で区分した区間ごとに補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多視点映像色合わせ装置。 - 前記補正係数算出手段は、前記補正前の信号レベルと前記補正後の信号レベルとの関係が非線形曲線となるような非線形関数の係数を前記補正係数として算出し、
前記色補正手段は、前記補正係数を係数とする前記非線形関数により、前記他の視点映像を補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多視点映像色合わせ装置。 - コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の多視点映像色合わせ装置として機能させるための多視点映像色合わせプログラム。
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JP2019044412A JP7308051B2 (ja) | 2019-03-12 | 2019-03-12 | 多視点映像色合わせ装置およびそのプログラム |
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JP2012019399A (ja) | 2010-07-08 | 2012-01-26 | For-A Co Ltd | 立体視映像補正装置と立体視映像補正方法と立体視映像補正システム |
JP2012238932A (ja) | 2011-05-09 | 2012-12-06 | For-A Co Ltd | 3d自動色補正装置とその色補正方法と色補正プログラム |
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