JP2005130486A - 映像信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 局所的に最適な階調補正を行なうことができる映像信号処理装置を提供する。
【解決手段】 この映像信号処理装置では、ヒストグラム検出部12は、1画面を複数の領域に分割し、輝度信号生成部11からの輝度信号Y1に基づいて領域毎のヒストグラムデータ(輝度レベル別の度数)を生成する。階調補正特性設定部13は、ヒストグラム検出部12からの領域毎のヒストグラムデータに基づいて、画面の複数の画素の各々に対応する画素補正特性データを生成する。階調補正部24は、階調補正特性設定部13からの画素補正特性データに基づいて、画面の複数の画素の各々に対して、輝度信号処理部22からの輝度信号の階調補正を行なう。したがって、各画素に対して輝度信号の適切な階調補正を行なうことができ、階調補正の精度が向上する。
【選択図】 図1

Description

この発明は映像信号処理装置に関し、特に、入力映像信号の階調補正を行なう映像信号処理装置に関する。
デジタルカメラなどの映像機器において、カラー画像のコントラストを向上させるための様々な階調補正方法が提案されている。たとえば、画面全体で階調補正を行なう方法や、1画面を複数の領域に分割し、領域毎にヒストグラム(輝度レベル別の度数分布を示すグラフ)を用い、度数(出現頻度)が多い輝度レベルの部分程コントラストが強調されるように階調補正を行なう方法(たとえば、特許文献1参照)がある。
特許第3424060号
しかし、画面全体で階調補正を行なう方法では、画面全体で同じ階調補正を行なうために高輝度部で白飛びが起こりやすく、低輝度部で黒潰れが起こりやすいという問題があった。領域毎に階調補正を行なう方法では、度数が多い輝度レベルの部分のコントラストが強調されすぎるという問題があった。
また、上記特許文献1に示した方法では、領域毎に1つの階調補正特性しか有しないため、1領域の画素数が多い場合には各画素に対して最適な階調補正ができないという問題があった。また、ある1領域において中間輝度部の度数が少ないヒストグラムになる場合、中間輝度部の階調を減らすように階調補正が行なわれるため、高輝度部と低輝度部の階調差が減少し、その領域のコントラストが低下するという問題があった。
このように、従来の階調補正を行なう映像信号処理装置では、局所的に最適なコントラスト強調ができなかった。また、領域の高輝度部と低輝度部のコントラストが低下してしまうことがあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、局所的に最適な階調補正を行なうことができる映像信号処理装置を提供することである。
この発明に係る映像信号処理装置は、入力映像信号の階調補正を行なう映像信号処理装置であって、画面を複数の領域に分割し、複数の領域の各々に対して、信号レベル別の出現頻度を表わすヒストグラムデータを検出するヒストグラム検出手段と、ヒストグラム検出手段によって検出されたヒストグラムデータに基づいて、画面の複数の画素の各々に対応する非線形な補正特性曲線を定める階調補正特性設定手段と、階調補正特性設定手段によって定められた補正特性曲線に基づいて、複数の画素の各々に対して、入力映像信号の階調補正を行なう階調補正手段とを備えたものである。
また、好ましくは、階調補正特性設定手段は、ヒストグラム検出手段によって検出されたヒストグラムデータに基づいて、それぞれ複数の領域の各々に対応する複数の領域補正特性データを算出し、算出した複数の領域補正特性データを用いて線形補間処理を行なうことによって、それぞれ画面の複数の画素の各々に対応する複数の画素補正特性データを算出し、算出した複数の画素補正特性データに基づいて補正特性曲線を定める。
また、好ましくは、領域補正特性データは、入力映像信号の信号レベルの最小値である第1の信号レベルと、入力映像信号の信号レベル別の出現頻度を最小信号レベル側から累積した数が、予め定められた第1の数になる第2の信号レベルと、入力映像信号の信号レベル別の出現頻度を最大信号レベル側から累積した数が、予め定められた第2の数になる第3の信号レベルと、入力映像信号の信号レベルの最大値である第4の信号レベルとを含み、画素補正特性データは、第1から第4までの信号レベルを用いて線形補間処理を行なうことによって算出される第5から第8までの信号レベルを含む。補正特性曲線は、第6の信号レベルよりも低い信号レベルの区間に対応する低信号レベル部において、入力映像信号の階調を減らす特性を持ち、第6の信号レベルから第7の信号レベルまでの区間に対応する中間信号レベル部において、入力映像信号の階調を増やす特性を持ち、第7の信号レベルよりも高い信号レベルの区間に対応する高信号レベル部において、入力映像信号の階調を減らす特性を持つ。
また、好ましくは、入力映像信号は、輝度信号である。
また、好ましくは、入力映像信号は、輝度信号である。階調補正特性設定手段は、ヒストグラムデータが低輝度側に集中している低輝度領域において、階調補正手段が低輝度部の輝度レベルを高くする階調補正を行なうように、第1および第2の信号レベルの各々に対して制限値を設ける。
また、好ましくは、入力映像信号は、輝度信号である。階調補正特性設定手段は、ヒストグラムデータがある輝度レベルに集中している平坦領域において、階調補正手段による平坦部の階調補正の度合いを弱めるように、第1から第4までの信号レベルの各々に対して制限値を設ける。
また、好ましくは、階調補正特性設定手段は、ヒストグラムデータの分布が複数のグループに分かれている場合、複数のグループのうちの低輝度側のグループを重視して、第1から第4までの信号レベルを定める。
また、好ましくは、さらに、階調補正手段によって輝度信号のレベルが大きくなるように階調補正が行なわれた場合に、輝度信号のレベルの変化量に応じて入力彩度信号のレベルが大きくなるように彩度変換を行なう彩度変換手段を備える。
また、好ましくは、さらに、入力映像信号のレベルが所定レベルを超える場合に、階調補正手段による階調補正の度合いを弱めるように指示する加重加算係数を算出する飽和領域加重加算係数算出手段を備える。階調補正手段は、飽和領域加重加算係数算出手段によって算出された加重加算係数に応じて、出力信号のレベルが飽和しないように階調補正の度合いを調整する。
また、好ましくは、入力映像信号は、第1、第2および第3の原色信号であり、ヒストグラムデータは、第1、第2および第3の原色信号の各々に対応する第1、第2および第3の原色ヒストグラムデータであり、補正特性曲線は、第1、第2および第3のヒストグラムデータの各々に対応する第1、第2および第3の原色補正特性曲線であり、階調補正手段は、第1、第2および第3の原色補正特性曲線に基づいて、第1、第2および第3の原色信号の各々の階調補正を行なう。
この発明に係る映像信号処理装置では、画面を複数の領域に分割し、複数の領域の各々に対して、信号レベル別の出現頻度を表わすヒストグラムデータを検出するヒストグラム検出手段と、ヒストグラム検出手段によって検出されたヒストグラムデータに基づいて、画面の複数の画素の各々に対応する非線形な補正特性曲線を定める階調補正特性設定手段と、階調補正特性設定手段によって定められた補正特性曲線に基づいて、複数の画素の各々に対して、入力映像信号の階調補正を行なう階調補正手段とが設けられる。したがって、各画素に対して入力映像信号の適切な階調補正を行なうことができ、階調補正の精度が向上する。
また、好ましくは、階調補正特性設定手段は、ヒストグラム検出手段によって検出されたヒストグラムデータに基づいて、それぞれ複数の領域の各々に対応する複数の領域補正特性データを算出し、算出した複数の領域補正特性データを用いて線形補間処理を行なうことによって、それぞれ画面の複数の画素の各々に対応する複数の画素補正特性データを算出し、算出した複数の画素補正特性データに基づいて補正特性曲線を定める。この場合も、各画素に対して入力映像信号の適切な階調補正を行なうことができ、階調補正の精度が向上する。
また、好ましくは、領域補正特性データは、入力映像信号の信号レベルの最小値である第1の信号レベルと、入力映像信号の信号レベル別の出現頻度を最小信号レベル側から累積した数が、予め定められた第1の数になる第2の信号レベルと、入力映像信号の信号レベル別の出現頻度を最大信号レベル側から累積した数が、予め定められた第2の数になる第3の信号レベルと、入力映像信号の信号レベルの最大値である第4の信号レベルとを含み、画素補正特性データは、第1から第4までの信号レベルを用いて線形補間処理を行なうことによって算出される第5から第8までの信号レベルを含む。補正特性曲線は、第6の信号レベルよりも低い信号レベルの区間に対応する低信号レベル部において、入力映像信号の階調を減らす特性を持ち、第6の信号レベルから第7の信号レベルまでの区間に対応する中間信号レベル部において、入力映像信号の階調を増やす特性を持ち、第7の信号レベルよりも高い信号レベルの区間に対応する高信号レベル部において、入力映像信号の階調を減らす特性を持つ。この場合、入力映像信号の信号レベルの分布幅を広げることによって、コントラストが改善される。したがって、各画素に対して入力映像信号の適切な階調補正を行なうことができ、階調補正の精度が向上する。
また、好ましくは、入力映像信号は、輝度信号である。この場合、各画素に対して輝度信号の適切な階調補正を行なうことができ、階調補正の精度が向上する。
また、好ましくは、入力映像信号は、輝度信号である。階調補正特性設定手段は、ヒストグラムデータが低輝度側に集中している低輝度領域において、階調補正手段が低輝度部の輝度レベルを高くする階調補正を行なうように、第1および第2の信号レベルの各々に対して制限値を設ける。この場合、低輝度部に対する階調補正の精度が向上する。
また、好ましくは、入力映像信号は、輝度信号である。階調補正特性設定手段は、ヒストグラムデータがある輝度レベルに集中している平坦領域において、階調補正手段による平坦部の階調補正の度合いを弱めるように、第1から第4までの信号レベルの各々に対して制限値を設ける。この場合、平坦部に対する階調補正の精度が向上する。
また、好ましくは、階調補正特性設定手段は、ヒストグラムデータの分布が複数のグループに分かれている場合、複数のグループのうちの低輝度側のグループを重視して、第1から第4までの信号レベルを定める。この場合、ヒストグラムデータの分布が複数のグループに分かれている場合における階調補正の精度が向上する。
また、好ましくは、さらに、階調補正手段によって輝度信号のレベルが大きくなるように階調補正が行なわれた場合に、輝度信号のレベルの変化量に応じて入力彩度信号のレベルが大きくなるように彩度変換を行なう彩度変換手段が設けられる。この場合、輝度変換により輝度レベルが大きくなった場合に彩度が低下するのが防止される。
また、好ましくは、さらに、入力映像信号のレベルが所定レベルを超える場合に、階調補正手段による階調補正の度合いを弱めるように指示する加重加算係数を算出する飽和領域加重加算係数算出手段が設けられる。階調補正手段は、飽和領域加重加算係数算出手段によって算出された加重加算係数に応じて、出力信号のレベルが飽和しないように階調補正の度合いを調整する。この場合、入力映像信号のレベルが所定レベルを超えている場合に色相が回転するのが防止される。
また、好ましくは、入力映像信号は、第1、第2および第3の原色信号であり、ヒストグラムデータは、第1、第2および第3の原色信号の各々に対応する第1、第2および第3の原色ヒストグラムデータであり、補正特性曲線は、第1、第2および第3のヒストグラムデータの各々に対応する第1、第2および第3の原色補正特性曲線であり、階調補正手段は、第1、第2および第3の原色補正特性曲線に基づいて、第1、第2および第3の原色信号の各々の階調補正を行なう。この場合、各画素に対して原色信号R,G,Bの適切な階調補正を行なうことができ、階調補正の精度が向上する。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による映像信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、この映像信号処理装置は、補正部1,2を備える。補正部1は、輝度信号生成部11、ヒストグラム検出部12および階調補正特性設定部13を含む。補正部2は、YC分離部21、輝度信号処理部22、色信号処理部23および階調補正部24を含む。
CCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)出力信号は、輝度信号生成部11およびYC分離部21に与えられる。静止画像のCCD出力信号に対して階調補正を行なう場合、同一の静止画像に対して、補正部1による処理動作が行なわれた後(1フレーム分の処理時間経過後)、補正部2による階調補正が行なわれる。輝度信号生成部11は、CCD出力信号から簡易な輝度信号Y1を生成して出力する。ヒストグラム検出部12は、1画面を複数の領域に分割し、輝度信号生成部11からの輝度信号Y1に基づいて領域毎のヒストグラムデータ(輝度レベル別の度数)を生成する。階調補正特性設定部13は、ヒストグラム検出部12からの領域毎のヒストグラムデータに基づいて、画面の複数の画素の各々に対応する画素補正特性データを生成する。
YC分離部21は、CCD出力信号を輝度信号Yと色信号Cとに分離して出力する。輝度信号処理部22は、YC分離部21からの輝度信号Yに対して信号処理を行なう。色信号処理部23は、YC分離部21からの色信号Cに対して信号処理を行なう。階調補正部24は、階調補正特性設定部13からの画素補正特性データに基づいて、画面の複数の画素の各々に対して、輝度信号処理部22からの輝度信号の階調補正を行なう。
以下、この実施の形態1のポイントとなるヒストグラム検出部12、階調補正特性設定部13および階調補正部24の動作について詳細に説明する。ヒストグラム検出部12は、1画面を任意の複数の領域に分割し、領域毎にヒストグラムデータ(輝度レベル別の度数)を算出する。ここでは、説明を分かりやすくするために1画面を4つの領域Rm(ただし、mは1から4までの整数)に分割した場合を例に挙げる。
まず、ヒストグラム検出部12の処理動作について説明する。図2は、画面の各画素Pn(ただし、nは1から36までの整数)における、輝度信号Y1の輝度レベルY1(Pn)を示す図である。輝度レベルY1(Pn)は任意の数に分割される。ここでは、説明を分かりやすくするために輝度レベルY1(Pn)が0〜15に16(=24)分割される場合を例に挙げる。
図2を参照して、画素Pnは左上から右方向に順に並んでいる。すなわち、上から1列目は左から順にP1,P2,・・・,P6、上から2列目は左から順にP7,P8,・・・,P12、1番下の列は左から順にP31,P32,・・・,P36となっている。たとえば、画素P1における輝度信号Y1の輝度レベルY1(P1)は1であり、画素P2における輝度信号Y1の輝度レベルY1(P2)は4である。
図3(A)(B)(C)(D)は、図2に示した各領域Rmにおける輝度信号Y1のヒストグラム(輝度レベル別の度数分布を示すグラフ)を示す図である。図3(A)は領域R1のヒストグラムを示す図、図3(B)は領域R2のヒストグラムを示す図、図3(C)は領域R3のヒストグラムを示す図、図3(D)は領域R4のヒストグラムを示す図である。図3(A)(B)(C)(D)において、横軸は輝度レベル0〜15を示し、縦軸は各輝度レベルの度数(出現頻度)を示している。たとえば、図2に示した領域R1および図3(A)を参照して、輝度レベル0の度数は1、輝度レベル1の度数は2、輝度レベル2の度数は1、輝度レベル3の度数は1、輝度レベル4の度数は4である。このように、各領域Rmのヒストグラムデータがヒストグラム検出部12から出力される。
次に、階調補正特性設定部13の処理動作について説明する。階調補正特性設定部13は、ヒストグラム検出部12からの各領域Rmのヒストグラムデータに基づいて、領域補正特性データyhst(Rm),ylst(Rm)を算出する。ここで、領域補正特性データyhst(Rm)は各領域Rmにおける輝度信号Y1の輝度レベルの最大値であり、領域補正特性データylst(Rm)は各領域Rmにおける輝度信号Y1の輝度レベルの最小値である。なお、領域補正特性データyhst(Rm)に対して制限値YHLMT(たとえば、14)を設け、領域補正特性データyhst(Rm)が制限値YHLMTよりも小さくなる場合は制限値YHLMTにクリップする。また、領域補正特性データylst(Rm)に対して制限値YLLMT(たとえば、1)を設け、領域補正特性データylst(Rm)が制限値YLLMT(たとえば、1)よりも大きくなる場合は制限値YLLMTにクリップする。
ただし、ここでは説明を分かりやすくするため、制限値YHLMT,YLLMTを設けない場合について説明する。図3(A)(B)(C)(D)を参照して、領域補正特性データは、yhst(R1)=4、yhst(R2)=yhst(R3)=9、yhst(R4)=15、ylst(R1)〜ylst(R4)=0となる。図4に、各領域Rmにおける領域補正特性データyhst(Rm)を示す。
次いで、階調補正特性設定部13は、領域補正特性データyhst(Rm),ylst(Rm)に対して2×2領域のLPF処理を行ない、領域補正特性データhslpf1(Rm),lslpf1(Rm)を算出する(ただし、小数点以下は切捨てる)。ここで、2×2領域のLPF処理とは、4つの領域間のデータのレベルのムラを抑える処理である。LPF処理の重み係数は任意の適切な値に設定される。ここでは、対象とする領域の重み係数を5、他の領域の重み係数を1とする場合について説明する。たとえば、対象とする領域をR1とした場合、次式(1)が成立する。
hslpf1(R1)=(5×yhst(R1)+yhst(R2)+yhst(R3)+yhst(R4))/8 …(1)
したがって、図4に示した領域補正特性データyhst(Rm)を数式(1)に代入すると、領域補正特性データhslpf1(R1)=6となる。同様に、領域補正特性データyhst(R2)〜yhst(R4),ylst(R1)〜ylst(R4)に対して2×2領域のLPF処理を行なうと、領域補正特性データhslpf1(R2)=hslpf1(R3)=9、領域補正特性データhslpf1(R4)=12、領域補正特性データlslpf1(R1)〜lslpf1(R4)=0となる。図5に、各領域Rmにおける領域補正特性データhslpf1(Rm)を示す。
なお、ここでは、4つの領域に対して2×2領域のLPF処理を行なう場合について説明したが、1画面が任意の複数の領域に分割された場合は、任意のs×s領域(ただし、sは任意の整数)のLPF処理を行なってもよい。
次いで、階調補正特性設定部13は、各領域Rmに対応した領域補正特性データhslpf1(Rm),lslpf1(Rm)を用いて線形補間処理を行ない、各画素Pnに対応した画素補正特性データhp1(Pn),lp1(Pn)を算出する(ただし、小数点以下は切捨てる)。ここで、各画素Pn(ただし、n=8〜11,14〜17,20〜23,26〜29)に対応した画素補正特性データhp1(Pn),lp1(Pn)に関して、以下の式(2),(3)が成立する。
Figure 2005130486
Figure 2005130486
ただし、Mは各領域の水平方向の画素数、Nは各領域の垂直方向の画素数、pは領域R1の中心画素P8から対象とする画素までの水平方向の画素数、qは領域R1の中心画素P8から対象とする画素までの垂直方向の画素数である。
図6は、線形補間処理の概念を説明するための図である。図6において、各領域の水平方向の画素数M=垂直方向の画素数N=3である。図5に示した領域補正特性データhslpf1(Rm)を数式(2)に代入して、たとえば画素P15に対応した画素補正特性データhp1(P15)を算出する場合、数式(2)にp=1、q=1を代入する。この算出結果より、画素補正特性データhp1(P15)=8となる。
図7に、数式(2)を用いて各画素Pn(ただし、n=8〜11,14〜17,20〜23,26〜29)に対応した画素補正特性データhp1(Pn)を算出した結果を示す。なお、外側の画素Pn(n=1〜7,12,13,18,19,24,25,30〜36)に対応した画素補正特性データhp1(Pn)は、異なった線形補間処理が行なわれる。4隅の画素Pn(n=1,6,31,36)に対応した画素補正特性データhp1(Pn)は、それぞれ対応する領域Rmの領域補正特性データhslpf1(Rm)と同じ値とする。すなわち、画素補正特性データhp1(P1)=hslpf1(R1)=6、画素補正特性データhp1(P6)=hslpf1(R2)=9、画素補正特性データhp1(P31)=hslpf1(R3)=9、画素補正特性データhp1(P36)=hslpf1(R4)=12となる。また、4隅の画素間の画素Pn(n=2〜5,7,12,13,18,19,24,25,30,32〜35)に対応した画素補正特性データhp1(Pn)は、4隅の画素Pn(n=1,6,31,36)に対する線形補間処理によって求められる。たとえば、画素Pn(n=2〜5)に対応した画素補正特性データhp1(Pn)は、画素P1,P6に対応した画素補正特性データhp1(P1)=6、hp1(P6)=9を用いた線形補間処理によって求められる。これらの算出結果は、図7に示すとおりである。
次いで、階調補正特性設定部13は、以下の数式(4)に従って、各画素Pnに対応した輝度レベルY2(Pn)を算出する(ただし、小数点以下は切捨てる)。
Y2(Pn)=ymax×(Y1(Pn)−lp1(Pn))/(hp1(Pn)+1−lp1(Pn)) …(4)
ただし、係数ymax(=2bit)は輝度レベルの分割数である。この実施の形態1では、係数bit=4とする。すなわち、係数ymax=24=16である。また、輝度レベルY2(Pn)は、0以上15以下の値にされる。すなわち、数式(4)による輝度レベルY2(Pn)の算出結果が0よりも小さくなる場合は0にクリップされ、15よりも大きくなる場合は15にクリップされる。図8に、数式(4)を用いて各画素Pnに対応する輝度レベルY2(Pn)を算出した結果を示す。ここで、図8に示した領域R4の丸線で囲んだ画素P22に注目すると、輝度レベルY2(P22)=15である。図2を参照すると、輝度信号生成部11からの輝度信号Y1において、輝度レベルY1(P22)=14であった。このときの画素P22の色信号が黄色であり、画素P22の色信号R(P22)=G(P22)=15、B(P22)=5であったとする(ここで、Y1(Pn)=0.3R(Pn)+0.6G(Pn)+0.1B(Pn)とする)。
数式(4)を用いた輝度変換後においては、画素P22の輝度レベルY2(P22)=15にされ、このとき、色信号R(P22)=G(P22)=B(P22)=15にされる。すなわち、元々黄色であった画素P22の色信号が、輝度変換後に白飛びしてしまう。
そこで、この不具合を防ぐため、以下のように白飛び補正処理を行なう。各画素Pnにおいて、輝度レベルY1(Pn)がしきい値HYTH1(たとえば、10)よりも大きく、かつ画素補正特性データhp1(Pn)が対応する領域Rmの領域補正特性データyhst(Rm)よりも小さい場合は、画素補正特性データhp1(Pn)=yhst(Rm)とする。図9に、白飛び補正処理を行なった場合の各画素Pnの画素補正特性データhp1(Pn)を算出した結果を示す。図9を参照して、画素補正特性データhp1(P22)=hp1(P23)=hp1(P28)=hp1(P29)=hp1(P30)=yhst(R4)=15に補正されている。
これに応じて、輝度レベルY2(P22),Y2(P23),Y2(P28),Y2(P29),Y2(P30)の値が補正される。図10に、白飛び補正処理を行なった場合の各画素Pnの輝度レベルY2(Pn)を算出した結果を示す。図10を参照して、Y2(P22)=14、Y2(P23)=11、Y2(P28)=Y2(P30)=13、Y2(P29)=15である。図2を参照すると、輝度信号生成部11からの輝度信号Y1において、Y1(P22)=14、Y1(P23)=11、Y1(P28)=Y2(P30)=13、Y1(P29)=15であった。すなわち、元々色のついた画像部分であった画素P22,P23,P28,P30は、輝度変換後においても輝度レベルが15より小さく、白飛びするのが防止される。
図11(A)(B)(C)(D)は、図10に示した各領域Rmにおける輝度信号Y2のヒストグラムを示す図であって、図3(A)(B)(C)(D)と対比される図である。図11(A)は領域R1のヒストグラムを示す図、図11(B)は領域R2のヒストグラムを示す図、図11(C)は領域R3のヒストグラムを示す図、図11(D)は領域R4のヒストグラムを示す図である。図11(A)(B)(C)(D)のグラフを図3(A)(B)(C)(D)のグラフと対比すると、各領域R1〜R4において、輝度レベルの分布が広がっている。
また、図示しないが、白飛び補正処理と同様に、以下のように黒潰れ補正処理も行なう。各画素において、輝度レベルY1(Pn)がしきい値LYTH1(たとえば、1)よりも小さく、かつ画素補正特性データlp1(Pn)が対応する領域Rmの領域補正特性データylst(Rm)よりも大きい場合は、画素補正特性データlp1(Pn)=ylst(Rm)とする。これにより、元々色のついた画像部分が輝度変換後において黒潰れしてしまうのが防止される。
図12は、輝度信号生成部11からの輝度信号Y1の領域毎のヒストグラムを示す概念図である。図12において、横軸は輝度信号Y1の輝度レベルを示し、ある領域Rmにおける領域補正特性データyhst(Rm),ylst(Rm),chth(Rm),clth(Rm)、および制限値YHLMT,SUMHLMT,SUMLLMT,YLLMTが示されている。領域補正特性データyhst(Rm)は、制限値YHLMTよりも小さくなる場合は制限値YHLMTにクリップされる。領域補正特性データylst(Rm)は、制限値YLLMTよりも大きくなる場合は制限値YLLMTにクリップされる。領域補正特性データchth(Rm)は、制限値SUMHLMTよりも小さくなる場合は制限値SUMHLMTにクリップされる。領域補正特性データclth(Rm)は、制限値SUMLLMTよりも大きくなる場合は制限値SUMLLMTにクリップされる。
次に、領域補正特性データchth(Rm),clth(Rm)に基づいた階調補正処理について説明する。階調補正特性設定部13は、ヒストグラム検出部12からの各領域Rmのヒストグラムデータに基づいて、領域補正特性データchth(Rm),clth(Rm)を算出する。ここで、領域補正特性データchth(Rm)は、各領域Rmにおいて、輝度レベルが高い側からの累積度数が予め定められたしきい値CHTHとなる輝度レベルであり、領域補正特性データclth(Rm)は、各領域Rmにおいて、輝度レベルが低い側からの累積度数が予め定められたしきい値CLTHとなる輝度レベルである。
次いで、階調補正特性設定部13は、領域補正特性データchth(Rm),clth(Rm)に対して2×2領域のLPF処理を行ない、領域補正特性データhslpf2(Rm),lslpf2(Rm)を算出する(ただし、小数点以下は切捨てる)。この場合の数式は、数式(1)と同様であるため省略する。
次いで、階調補正特性設定部13は、各領域Rmに対応した領域補正特性データhslpf2(Rm),lslpf2(Rm)を用いて線形補間処理を行ない、各画素Pnに対応した画素補正特性データhp2(Pn),lp2(Pn)を算出する(ただし、小数点以下は切捨てる)。この場合の数式は、数式(2),(3)と同様であるため省略する。
次いで、階調補正特性設定部13は、白飛び補正処理を行なう。各画素Pnにおいて、輝度レベルY1(Pn)がしきい値HYTH2よりも大きく、かつ画素補正特性データhp2(Pn)が各領域Rmの領域補正特性データchth(Rm)よりも小さい場合は、画素補正特性データhp2(Pn)=chth(Rm)とする。これにより、元々色のついた画像部分が輝度変換後において白飛びするのが防止される。
また、白飛び補正処理と同様に、黒潰れ補正処理を行なう。各画素Pnにおいて、輝度レベルY1(Pn)がしきい値LYTH2よりも小さく、かつ画素補正特性データlp2(Pn)が各領域Rmの領域補正特性データclth(Rm)よりも大きい場合は、画素補正特性データlp2(Pn)=clth(Rm)とする。これにより、元々色のついた画像部分が輝度変換後において黒潰れしてしまうのが防止される。
図13は、数式(4)を表わすグラフである。図13を参照して、輝度信号Y2は、ある画素Pnにおける輝度信号Y1の画素補正特性データlp2(Pn)よりも低い輝度レベルの区間に対応する低輝度部、画素補正特性データlp2(Pn)〜hp2(Pn)までの区間に対応する中間輝度部、および画素補正特性データhp2(Pn)よりも高い輝度レベルの区間に対応する高輝輝度部に分けられる。
階調補正部24は、階調補正特性設定部12からの各画素Pnの階調補正特性設定データY2(Pn)に基づいて、画素毎に階調補正処理を行なう。図14は、階調補正の特性を示す補正特性曲線のグラフである。図14を参照して、輝度信号Y2に対応する輝度信号yは、輝度信号Y2の低輝度部に対応する輝度信号y1、中間輝度部に対応する輝度信号y2、および高輝度部に対応する輝度信号y3に分けられる。輝度信号Y2の低輝度部においては、以下の数式(5)で示す輝度変換が行なわれる。
y1(Pn)=(DKLW/4)×Y2(Pn) …(5)
ただし、(DKLW/4)は直線の傾きを示し、DKLWは予め設定される(たとえば、2)。また、輝度信号Y2の高輝度部においては、以下の数式(6)で示す輝度変換が行なわれる。
y3(Pn)=((4−BLLW)/4)×Y2(Pn)+BLLW×2(bit-2) …(6)
ただし、BLLWは予め設定され(たとえば、2)、((4−BLLW)/4)は傾きを示す。また、係数bitは、輝度レベルの分割数に対応する値である(たとえば、16(=24)分割の場合は係数bit=4)。また、輝度信号Y2の中間輝度部においては、以下の数式(7)で示す輝度変換が行なわれる。
y2(Pn)=(a×(Y2(Pn)−lp2(Pn))+((DKLW×lp2(Pn)×(hp2(Pn)―lp2(Pn))/4)/(hp2(Pn)―lp2(Pn))
…(7)
ただし、傾きa=((4−BLLW)/4)×hp2(Pn)+(BLLW×2(bit-2))―(DKLW/4)×lp(Pn)である。また、係数bit=4である。なお、傾きaは制限値DKHIよりも大きくなる場合は制限値DKHIにクリップされる。このように、画素毎に、階調補正の特性を示す補正特性曲線が定められる。
図15は、階調補正処理後の輝度信号yに対するヒストグラムを示す概念図である。図15を参照して、点線で示される曲線は、図12に示した階調補正前の輝度信号Y1のヒストグラムを表わす。また、実線で示される曲線は、階調補正後の輝度信号yのヒストグラムを表わす。階調補正後の輝度信号yの輝度レベルの分布幅は、階調補正前の輝度信号Y1の輝度レベルの分布幅よりも広くなっていることがわかる。このように、輝度レベルの分布幅を広げることによって、コントラストが改善される。したがって、この実施の形態1では、各画素に対して輝度信号の適切な階調補正を行なうことができるため、階調補正の精度が向上し、局所的に最適な階調補正を行なうことができる。なお、ここでは、輝度信号の輝度レベルを16(=24)分割した場合について説明したが、2bit分割してもよい(係数bitは、任意の整数)。この場合、数式(4)の係数ymax(=2bit)、数式(6)、および数式(7)の傾きaの係数bitの値を変更する。この係数bitの値を大きくすれば、階調補正の精度がさらに向上する。
また、ここでは、デジタルカメラの階調補正について説明したが、デジタルカメラ以外の映像機器における階調補正にも適用できる。
また、ここでは、静止画像のCCD出力信号に対して階調補正を行なう場合について説明したが、動画像のCCD出力信号であってもよい。
[実施の形態2]
図16は、この発明の実施の形態2による映像信号処理装置の概略構成を示すブロック図であって、図1と対比される図である。図16の映像信号処理装置を参照して、図1の映像信号処理装置と異なる点は、簡易色分離部33および色分離部36が追加されている点と、ヒストグラム検出部12、階調補正特性設定部13、YC分離部21および階調補正特性部24がそれぞれヒストグラム検出部34、階調補正特性設定部35、YC分離部38および階調補正特性部37で置換されている点である。
図17は、画面内のある領域におけるCCD出力信号の例を示す図である。図17を参照して、この領域には25個の画素が配列される。上から1列目、3列目および5列目は、原色信号G(緑)を有する画素と、原色信号R(赤)を有する画素とが交互に配列される。上から2列目および4列目は、原色信号B(青)を有する画素と、原色信号G(緑)を有する画素とが交互に配列される。このように、CCD出力信号は、各画素に対応して原色信号R,G,Bのうちのいずれか1つの原色信号しか有しない。
図16に戻って、簡易色分離部33は、CCD出力信号を受けて補間処理を行なうことによって、それぞれ各画素に対応した簡易な原色信号R,G,Bを生成する。ヒストグラム検出部34は、1画面を複数の領域に分割し、簡易色分離部33からの原色信号R,G,Bに基づいて領域毎のヒストグラムデータHDR,HDG,HDBを生成する。このヒストグラムデータHDR,HDG,HDBは、それぞれ各原色信号R,G,Bに対応している。階調補正特性設定部35は、ヒストグラム検出部34からの領域毎のヒストグラムデータHDR,HDG,HDBに基づいて、画面の複数の画素の各々に対応する画素補正特性データCDR,CDG,CDBを生成する。
色分離部36は、CCD出力信号を受けて補間処理を行なうことによって、それぞれ各画素に対応した原色信号R,G,Bを生成する。階調補正部37は、階調補正特性設定部35からの画素補正特性データCDR,CDG,CDBに基づいて、画面の複数の画素の各々に対して、色分離部36からの原色信号R,G,Bの各々の階調補正を行なう。YC分離部38は、階調補正部37からの原色信号R,G,Bを受け、輝度信号Yおよび色信号Cを生成する。輝度信号処理部22は、YC分離部38からの輝度信号Yに対して信号処理を行なう。色信号処理部23は、YC分離部38からの色信号Cに対して信号処理を行なう。
このように、ヒストグラム検出部34、階調補正特性設定部35、階調補正特性部37およびYC分離部38は、それぞれ図1に示したヒストグラム検出部12、階調補正特性設定部13、階調補正特性部24およびYC分離部21と同様の構成であるが、原色信号R,G,Bのそれぞれに対応している点が異なる。したがって、この実施の形態2では、各画素に対して原色信号R,G,Bの適切な階調補正を行なうことができるため、階調補正の精度が向上し、局所的に最適な階調補正を行なうことができる。
なお、ここでは、簡易色分離部33および色分離部36を設け、CCD出力信号から各画素に対応した原色信号R,G,Bを生成する場合について説明したが、簡易色分離部33および色分離部36を設けずに、CCD出力信号に対して直接補正処理を行なってもよい。この場合、図17に示したようにCCD出力信号は各画素に対応して原色信号R,G,Bのうちのいずれか1つの原色信号しか有しないため、階調補正特性を決定するために用いるデータ数は少なくなるが、各画素に対して原色信号R,G,Bの階調補正を行なうことができ、同様の効果が得られる。
[実施の形態3]
図18は、この発明の実施の形態3による映像信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。図18において、この映像信号処理装置は、補正部41,42を備える。補正部41は、輝度信号生成部43、ヒストグラム検出部44および階調補正特性設定部45を含む。補正部42は、色分離部46、YC分離部47、輝度信号処理部48、飽和領域加重加算係数算出部49、階調補正部50および色信号処理部51を含む。
静止画像のCCD出力信号に対して階調補正を行なう場合、同一の静止画像に対して、補正部41による処理動作が行なわれた後、補正部42による階調補正が行なわれる。CCD出力信号は、輝度信号生成部43および色分離部46に与えられる。輝度信号生成部43は、CCD出力信号から簡易な輝度信号Y1を生成して出力する。ヒストグラム検出部44は、1画面を複数の領域に分割し、輝度信号生成部43からの輝度信号Y1に基づいて領域毎のヒストグラムデータ(度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラム)を生成する。階調補正特性設定部45は、ヒストグラム検出部44からの領域毎のヒストグラムデータに基づいて、画面内の複数の画素の各々に対応する画素補正特性データを生成する。
色分離部46は、CCD出力信号を受けて補間処理を行なうことによって、それぞれ各画素に対応した原色信号R,G,Bを生成する。YC分離部47は、色分離部46からの原色信号R,G,Bを受け、輝度信号Yおよび色信号Cを生成する。輝度信号処理部48は、YC分離部47からの輝度信号Yに対して信号処理を行なう。階調補正部50は、階調補正特性設定部45からの画素補正特性データに基づいて、画面の複数の画素の各々に対して、輝度信号処理部48からの輝度信号の階調補正を行なう。飽和領域加重加算係数算出部49は、色分離部46からの原色信号R,G,Bを受け、階調補正後に輝度信号が飽和しないように(白飛びしないように)、画面内の複数の画素の各々に対して、階調補正の度合いを調整するための加重加算係数を算出する。色信号処理部51は、階調補正部50の入力信号y_inおよび出力信号y_outに応じて、YC分離部47からの色信号C(彩度を表わす信号)に対する彩度変換を行なう。
図19は、図18に示したヒストグラム検出部44および階調補正特性設定部45の具体的な構成を示す図である。図19において、階調補正特性設定部45は、リミット設定部61、最大/最小輝度レベル算出部62、高/低輝度レベル算出部63および線形補間処理部64を含む。
ヒストグラム検出部44は、1画面中の各領域Rmにおける輝度信号Y1のヒストグラムデータ(度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラム)を算出する。図20は、各領域Rmにおける輝度信号Y1の度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラムを示す図である。図20において、ヒストグラム検出部44は、この度数ヒストグラムの分布状態を検証し、度数分布における最大輝度レベルおよび最小輝度レベルを算出する。ここで、図20に示すように度数分布が複数のグループに分かれている場合、各度数分布グループにおける最大輝度レベルおよび最小輝度レベルが算出される。すなわち、最大輝度レベル側から見て、1つ目の度数分布グループにおける最大輝度レベルh5および最小輝度レベルh4、2つ目の度数分布グループにおける最大輝度レベルh3および最小輝度レベルh2、3つめの度数分布グループにおける最大輝度レベルh1が算出される。ここで、この度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラムには、分布状態を滑らかにするためのフィルタ処理が施されている。
さらに、ヒストグラム検出部44は、このように度数分布が複数のグループに分かれている場合、低い輝度レベル0〜h3の範囲の度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラムを低輝度度数ヒストグラムおよび低輝度累積度数ヒストグラムとして出力する。図21は、各領域Rmにおける輝度信号Y1の低輝度度数ヒストグラムおよび低輝度累積度数ヒストグラムを示す図である。
図19に戻って、リミット設定部61は、低輝度部リミットおよび平坦部リミットを設定する。まず、低輝度部リミットについて説明する。リミット設定部61は、ヒストグラム検出部44によって算出された各領域Rmの度数ヒストグラムが低輝度側に集中している場合は、その領域を低輝度領域と判定し、低輝度領域が階調補正後において黒潰れしないように低輝度部リミットを設定する。
図22は、ある低輝度領域の度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラムを示す図である。図22において、リミット設定部61は、ヒストグラム検出部44によって算出された各領域Rmの累積度数ヒストグラムより、所定の輝度レベルLWTHにおける累積度数numlw1(Rm)としきい値(たとえば20)と比較し、しきい値よりも大きければその領域を低輝度領域と判定する。図22では、輝度レベルLWTH(=4)における累積度数numlw1(Rm)は23であるため、この領域は低輝度領域であると判定される。
次に、リミット設定部61は、numlw2(Rm)=(128×numlw1(Rm))/(1領域の画素数))を計算し、numlw2(Rm)に応じて変化する加重加算係数k_numlw(Rm)を算出する。
図23は、加重加算係数k_numlw(Rm)とnumlw2(Rm)との関係を示す図である。図23において、横軸はnumlw2(Rm)、縦軸はk_numlw(Rm)である。0<numlw2(Rm)<LWNUM_TH(任意の定数)の範囲では、加重加算係数k_numlw(Rm)は128(=27、ただしこの値は任意の定数であり、たとえば64(=26)や32(=25)としてもよい)に固定され、numlw2(Rm)>LWNUM_THの範囲では、numlw2(Rm)が大きくなるほど加重加算係数k_numlw(Rm)は小さくなる。numlw2(Rm)>LWNUM_THの範囲における加重加算係数k_numlw(Rm)は、下記の数式(8)で表わされる。
k_numlw(Rm)=128−LWNUM_SL×(numlw2(Rm)−LWNUM_TH) …(8)
ただし、LWNUM_SLは傾きを示す任意の定数である。次いで、リミット設定部61は、下記の数式(9)〜(12)で表わされる低輝度部リミットyllmt_a(Rm),yllmt_fl_a(Rm),sumllmt_a(Rm),sumllmt_fl_a(Rm)を設定する。
yllmt_a(Rm)=((128−k_numlw(Rm))×YLLMT_LW+k_numlw(Rm)×YLLMT)/128 …(9)
yllmt_fl_a(Rm)=((128−k_numlw(Rm))×YLLMT_LW+k_numlw(Rm)×YLLMT_FL)/128 …(10)
sumllmt_a(Rm)=((128−k_numlw(Rm))×SUMLLMT_LW+k_numlw(Rm)×SUMLLMT)/128 …(11)
sumllmt_fl_a(Rm)=((128−k_numlw(Rm))×SUMLLMT_LW+k_numlw(Rm)×SUMLLMT_FL)/128 …(12)
ただし、YLLMT,SUMLLMTは、実施の形態1において図12を用いて説明した任意の定数である。YLLMT_LW,SUMLLMT_LWは、ともに非常に小さな任意の定数(たとえば0)である。YLLMT_FLはYLLMTとYLLMT_LWとの間の任意の定数であり、SUMLLMT_FLはSUMLLMTとSUMLLMT_LWとの間の任意の定数である。このように各領域Rmごとに適切な低輝度部リミットyllmt_a(Rm),yllmt_fl_a(Rm),sumllmt_a(Rm),sumllmt_fl_a(Rm)を設定することによって、低輝度領域における階調補正の度合いが弱められ、低輝度領域が階調補正後において黒潰れしてしまうのが防止される。なお、数式(9)〜(12)において、128での除算は7ビットのビットシフト演算で処理される。これにより、回路規模の小型化が図られる。
次に、平坦部リミットについて説明する。図24(A)(B)は、それぞれ平坦部および非平坦部における度数ヒストグラムを示す図である。図24(A)において、平坦部の度数ヒストグラムの分布はある輝度レベルに集中している。図24(B)において、非平坦部の度数ヒストグラムの分布は広範囲の輝度レベルに広がっている。階調補正部50は、各領域Rmの度数ヒストグラムの分布が広がるように階調補正を行なう。ここで、平坦部は、その度数ヒストグラムの分布が大きく広がるように階調補正される。すなわち、階調補正の度合いが大きい。一方、非平坦部においては、その階調補正の度合いが小さい。
たとえば、青空のみの領域(平坦部)の度数ヒストグラムと、建物の背景に青空がある領域(非平坦部)の度数ヒストグラムとを比較すると、平坦部の度数ヒストグラムの分布はある輝度レベルに集中しているのに対して、非平坦部の平坦部の度数ヒストグラムの分布は広範囲の輝度レベルに広がっている。この場合、青空のみの領域(平坦部)では階調補正の度合いは大きく、建物の背景に青空がある領域(非平坦部)では階調補正の度合いが小さくなるため、同じ青空でも領域によって階調補正の度合いが異なり、輝度ムラが発生してしまう。そこで、この実施の形態3では、リミット設定部61は、ヒストグラム検出部44によって算出された各領域Rmの度数ヒストグラムがある輝度レベルに集中している場合は、その領域を平坦領域と判定し、平坦領域とその他の領域の輝度ムラが発生しないように平坦部リミットを設定する。リミット設定部61は、各領域Rmが平坦領域であるか否かを判定するために、たとえば標準偏差σを利用する。
リミット設定部61は、ヒストグラム検出部44によって算出された各領域Rmの度数ヒストグラムより、各領域Rmの輝度レベルの標準偏差σを算出する。ここで、この標準偏差σは、下記の数式(13)で表わされる。
Figure 2005130486
リミット設定部61は、算出した標準偏差σとしきい値(たとえば10)と比較し、しきい値よりも小さければその領域を平坦領域と判定する。
ここで、図20に示したようにある領域における度数分布が複数のグループに分かれている場合、リミット設定部61は、各度数分布グループにおける標準偏差を算出する。すなわち、図20を参照して、輝度レベル0〜h1の範囲における標準偏差sdlw(Rm)と、輝度レベルh1〜h3の範囲における標準偏差sdmd(Rm)と、輝度レベルh3〜h5の範囲における標準偏差sdhi(Rm)とを算出する。次に、リミット設定部61は、標準偏差sdlw(Rm),sdmd(Rm),sdhi(Rm)のうちの最小の標準偏差をd_flat(Rm)とし、d_flat(Rm)に応じて変化する加重加算係数k_flat1(Rm)を算出する。ただし、ある領域における度数分布が複数のグループに分かれていない場合は、リミット設定部61はその領域全体における標準偏差sd(Rm)を算出し、標準偏差sd(Rm)をd_flat(Rm)とする。
図25は、加重加算係数k_flat1(Rm)とd_flat(Rm)との関係を示す図である。図25において、横軸はd_flat(Rm)、縦軸はk_flat1(Rm)である。0<d_flat(Rm)<CT_FLT_TH1(任意の定数)の範囲では、加重加算係数k_flat1(Rm)は128(=27、ただしこの値は任意の定数であり、たとえば64(=26)や32(=25)としてもよい)に固定され、d_flat(Rm)>CT_FLT_TH1の範囲では、d_flat(Rm)が大きくなるほど加重加算係数k_flat1(Rm)は小さくなる。d_flat(Rm)>CT_FLT_TH1の範囲における加重加算係数k_flat1(Rm)は、下記の数式(14)で表わされる。
k_flat1(Rm)=128−CT_FLT_SL1×(d_flat(Rm)−CT_FLT_TH1) …(14)
ただし、CT_FLT_SL1は傾きを示す任意の定数である。次いで、リミット設定部61は、下記の数式(15)〜(18)で表わされる平坦部リミットyllmt_b(Rm),yhlmt_b(Rm),sumllmt_b(Rm),sumhlmt_b(Rm)を設定する。
yllmt_b(Rm)=((128−k_flat1(Rm))×yllmt_a(Rm)+k_flat1(Rm)×yllmt_fl_a(Rm))/128 …(15)
yhlmt_b(Rm)=((128−k_flat1(Rm))×yhlmt(Rm)+k_flat1(Rm)×yhlmt_fl(Rm))/128 …(16)
sumllmt_b(Rm)=((128−k_flat1(Rm))×sumllmt_a(Rm)+k_flat1(Rm)×sumllmt_fl_a(Rm))/128 …(17)
sumhlmt_b(Rm)=((128−k_flat1(Rm))×sumhlmt(Rm)+k_flat1(Rm)×sumhlmt_fl(Rm))/128 …(18)
ただし、yllmt_a(Rm),yllmt_fl_a(Rm),sumllmt_a(Rm),sumllmt_fl_a(Rm)は、それぞれ数式(9)〜(12)によって表わされる低輝度部リミットである。また、yhlmt(Rm),yhlmt_fl(Rm),sumhlmt(Rm),sumhlmt_fl(Rm)は、それぞれ低輝度部リミットyllmt_a(Rm),yllmt_fl_a(Rm),sumllmt_a(Rm),sumllmt_fl_a(Rm)に対応して、高輝度部において算出される高輝度部リミットである。このように各領域Rmごとに適切な平坦部リミットyllmt_b(Rm),yhlmt_b(Rm),sumllmt_b(Rm),sumhlmt_b(Rm)を設定することによって、平坦領域における階調補正の度合いが弱められ、平坦領域とその他の領域の輝度ムラの発生が防止される。
図19に戻って、最大/最小輝度レベル算出部62は、ヒストグラム検出部44によって算出された各領域Rmの度数ヒストグラムおよびリミット設定部61からの平坦部リミットyllmt_b(Rm),yhlmt_b(Rm)に基づいて、領域補正特性データylst(Rm),yhst(Rm)を算出する。また、高/低輝度レベル算出部63は、ヒストグラム検出部44によって算出された各領域Rmの度数ヒストグラムおよびリミット設定部61からの平坦部リミットsumllmt_b(Rm),sumhlmt_b(Rm)に基づいて、領域補正特性データclth(Rm),chth(Rm)を算出する。
図26は、ある領域Rmにおける領域補正特性データylst(Rm),yhst(Rm),clth(Rm),chth(Rm)と平坦部リミットyllmt_b(Rm),yhlmt_b(Rm),sumllmt_b(Rm),sumhlmt_b(Rm)との関係を示す図であって、図12と対比される図である。図26を参照して、図12と異なる点は、制限値YHLMT,SUMHLMT,SUMLLMT,YLLMTがそれぞれ平坦部リミットyllmt_b(Rm),yhlmt_b(Rm),sumllmt_b(Rm),sumhlmt_b(Rm)で置換されている点である。
図26において、領域補正特性データylst(Rm)は各領域Rmにおける輝度信号Y1の輝度レベルの最小値であり、領域補正特性データyhst(Rm)は各領域Rmにおける輝度信号Y1の輝度レベルの最大値である。領域補正特性データylst(Rm)は、平坦部リミットyllmt_b(Rm)よりも大きくなる場合は平坦部リミットyllmt_b(Rm)にクリップされる。領域補正特性データyhst(Rm)は、平坦部リミットyhlmt_b(Rm)よりも小さくなる場合は平坦部リミットyhlmt_b(Rm)にクリップされる。また、領域補正特性データclth(Rm)は、各領域Rmにおいて、輝度レベルが低い側からの累積度数が予め定められたしきい値CLTHとなる輝度レベルであり、領域補正特性データchth(Rm)は、各領域Rmにおいて、輝度レベルが高い側からの累積度数が予め定められたしきい値CHTHとなる輝度レベルである。領域補正特性データclth(Rm)は、平坦部リミットsumllmt_b(Rm)よりも大きくなる場合は平坦部リミットsumllmt_b(Rm)にクリップされる。領域補正特性データchth(Rm)は、平坦部リミットsumhlmt_b(Rm)よりも小さくなる場合は平坦部リミットsumhlmt_b(Rm)にクリップされる。
ここで、図20に示したようにある領域における度数分布が複数のグループに分かれている場合、その領域が平坦領域ではなく、かつ低輝度部の画素数が一定値以上であれば、ヒストグラム検出部43からの低輝度度数ヒストグラムおよび低輝度累積度数ヒストグラムを用いて、領域補正特性データylst(Rm),yhst(Rm),clth(Rm),chth(Rm)が算出される。
より具体的には、リミット設定部61は、図27に示す加重加算係数k_flat2(Rm)を算出し、この加重加算係数k_flat2(Rm)<128の場合にその領域が平坦領域ではないと判定される。図27は、加重加算係数k_flat2(Rm)とd_flat(Rm)との関係を示す図である。図27において、横軸はd_flat(Rm)、縦軸はk_flat2(Rm)である。0<d_flat(Rm)<CT_FLT_TH2(CT_FLT_TH1よりも大きい任意の定数)の範囲では、加重加算係数k_flat2(Rm)は128(=27、ただしこの値は任意の定数であり、たとえば64(=26)や32(=25)としてもよい)に固定され、d_flat(Rm)>CT_FLT_TH2の範囲では、d_flat(Rm)が大きくなるほど加重加算係数k_flat2(Rm)は小さくなる。d_flat(Rm)>CT_FLT_TH2の範囲における加重加算係数k_flat2(Rm)は、下記の数式(19)で表わされる。
k_flat2(Rm)=128−CT_FLT_SL2×(d_flat(Rm)−CT_FLT_TH2) …(19)
ただし、CT_FLT_SL2は傾きを示す任意の定数である。
さらに、その領域における低輝度部の画素数が一定値以上であれば、最大/最小輝度レベル算出部62は、ヒストグラム検出部44によって算出された度数ヒストグラムを用いて、領域補正特性データylst_all(Rm),yhst_all(Rm)を算出するとともに、ヒストグラム検出部44によって算出された低輝度度数ヒストグラムを用いて、領域補正特性データylst_lw(Rm),yhst_lw(Rm)を算出する。そして、下記の数式(20)(21)を用いてylst(Rm),yhst(Rm)を算出する。
ylst(Rm)=ylst_all(Rm) …(20)
yhst(Rm)=((128−k_flat2(Rm))×yhst_lw(Rm)+k_flat2(Rm)×yhst_all(Rm))/128 …(21)
また、高低輝度レベル算出部63は、ヒストグラム検出部44によって算出された度数ヒストグラムを用いて、領域補正特性データclth_all(Rm),chth_all(Rm)を算出するとともに、ヒストグラム検出部44によって算出された低輝度累積度数ヒストグラムを用いて、領域補正特性データclth_lw(Rm),chth_lw(Rm)を算出する。そして、下記の数式(22)(23)を用いてclth(Rm),chth(Rm)を算出する。
clth(Rm)=clth_all(Rm) …(22)
chth(Rm)=((128−k_flat2(Rm))×chth_lw(Rm)+k_flat2(Rm)×chth_all(Rm))/128 …(23)
以上のように、実施の形態1ではそれぞれの領域Rmにおいて同一の制限値YHLMT,SUMHLMT,SUMLLMT,YLLMTを用いて領域補正特性データylst(Rm),yhst(Rm),clth(Rm),chth(Rm)が算出されるのに対して、この実施の形態3ではそれぞれの領域Rmにおいて低輝度部および平坦部を考慮に入れた平坦部リミットyllmt_b(Rm),yhlmt_b(Rm),sumllmt_b(Rm),sumhlmt_b(Rm)を用いて領域補正特性データylst(Rm),yhst(Rm),clth(Rm),chth(Rm)が算出される。さらに、ある領域における度数分布が複数のグループに分かれている場合、その領域が平坦領域ではなく、かつ低輝度部の画素数が一定値以上であれば、ヒストグラム検出部43からの低輝度度数ヒストグラムおよび低輝度累積度数ヒストグラムを用いて、領域補正特性データylst(Rm),yhst(Rm),clth(Rm),chth(Rm)が算出される。したがって、この実施の形態3では、低輝度部および平坦部に対する階調補正の精度が向上し、さらに度数分布が複数のグループに分かれている場合における階調補正の精度が向上する。
図19に戻って、線形補間処理部64は、領域補正特性データylst(Rm),yhst(Rm),chth(Rm),clth(Rm)に対してLPF処理を行なった後、線形補間処理を行なう。この線形補間処理は、実施の形態1で説明した線形補間処理と同様であるためその説明は省略する。
図18に戻って、飽和領域加重加算係数算出部49は、画面内の各画素Pnに対して、色分離部46からの原色信号R,G,Bの信号レベルの最大値max_s(Pn)に基づいて、階調補正の度合いを調整するための加重加算係数ctk(Pn)を算出する。
図28は、加重加算係数ctk(Pn)とmax_s(Pn)との関係を示す図である。図28において、横軸はmax_s(Pn)、縦軸はctk(Pn)である。0<max_s(Pn)<CT_KTH(任意の定数)の範囲では、加重加算係数加重加算係数ctk(Pn)は128(=27、ただしこの値は任意の定数であり、たとえば64(=26)や32(=25)としてもよい)に固定され、max_s(Pn)>CT_KTHの範囲では、max_s(Pn)が大きくなるほど加重加算係数ctk(Pn)は小さくなる。max_s(Pn)>CT_KTHの範囲における加重加算係数ctk(Pn)は、下記の数式(24)で表わされる。
ctk(Pn)=128−CT_KSL×(max_s(Pn)−CT_KTH) …(24)
ただし、CT_KSLは傾きを示す任意の定数である。
階調補正部50は、まず階調補正特性設定部45からの画素補正特性データに基づいて、画面毎に階調補正処理を行なう。この階調補正の特性は、実施の形態1において図13および図14に示した補正特性曲線で定められる。すなわち、低輝度部に対応する数式(5)、中間輝度部に対応する数式(6)、高輝度部に対応する数式(7)で示される輝度変換が行なわれる。
次いで、階調補正部50は、飽和領域加重加算係数算出部49からの加重加算係数ctk(Pn)を用いて、下記の数式(25)で示す輝度変換を行ない、階調補正の度合いを調整する。
y_out(Pn)=((128−ctk(Pn))×y_in(Pn)−ctk(Pn)×yk(Pn))/128 …(25)
ただし、y_in(Pn),y_out(Pn)は、それぞれ画面内の各画素に対応した、階調補正部50の入力信号および出力信号である。また、yk(Pn)は、数式(5)〜(7)で示したy1(Pn)〜y3(Pn)のうちのいずれかの信号である。このように、階調補正部50は、階調補正後に輝度信号が飽和しないように(白飛びしないように)、加重加算係数ctk(Pn)を用いて階調補正の度合いを調整する。これにより、色分離部46からの原色信号R,G,Bのうち少なくとも1つが所定レベルを超えている場合において、階調補正の度合いが弱められ、色相が回転するのが防止される。なお、図示しないが、飽和領域加重加算係数算出部49がYC分離部47からの輝度信号Yおよび色信号Cに基づいて、加重加算係数ctk(Pn)を算出する構成にしてもよい。この場合、YC分離部47からの輝度信号Yおよび色信号Cのレベルが所定レベルを超えている場合において、階調補正の度合いが弱められ、色相が回転するのが防止される。
色信号処理部51は、階調補正部50の入力信号y_inおよび出力信号y_outを受け、y_out>y_inの場合に、下記の数式(26)で示される彩度変換を行なう。
sat_out(Pn)=sat_in(Pn)×y_out(Pn)/y_in(Pn)…(26)
ただし、sat_in(Pn),sat_out(Pn)は、それぞれ画面内の各画素に対応した、色信号処理部51の入力信号および出力信号である。このように、色信号処理部51は、階調補正部50による階調補正後に輝度信号の輝度レベルが大きくなった場合に、YC分離部47からの色信号C(彩度を表わす信号)の信号レベルを大きくするように彩度変換を行なう。したがって、この実施の形態3では、色相が回転するのが防止されるとともに、輝度変換により輝度レベルが大きくなった場合に彩度が低下するのが防止される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1による映像信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。 画面の各画素Pnにおける、輝度信号Y1の輝度レベルY1(Pn)を示す図である。 図2に示した各領域Rmにおける輝度信号Y1のヒストグラムを示す図である。 各領域Rmにおける領域補正特性データyhst(Rm)を示す図である。 各領域Rmにおける領域補正特性データhslpf1(Rm)を示す図である。 線形補間処理の概念を説明するための図である。 各画素Pnに対応した画素補正特性データhp1(Pn)を算出した結果を示す図である。 各画素Pnにおける輝度レベルY2(Pn)を算出した結果を示す図である。 白飛び補正処理を行なった場合の各画素Pnの画素補正特性データhp1(Pn)を算出した結果を示す図である。 白飛び補正処理を行なった場合の各画素Pnの輝度レベルY2(Pn)を算出した結果を示す図である。 図10に示した各領域Rmにおける輝度信号Y2のヒストグラムを示す図である。 輝度信号Y1の領域毎のヒストグラムを示す概念図である。 数式(4)を表わすグラフである。 階調補正の特性を示す補正特性曲線のグラフである。 階調補正処理後の輝度信号yに対するヒストグラムを示す概念図である。 この発明の実施の形態2による映像信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。 画面内のある領域におけるCCD出力信号の例を示す図である。 この発明の実施の形態3による映像信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。 図18に示したヒストグラム検出部44および階調補正特性設定部45の具体的な構成を示す図である。 各領域Rmにおける輝度信号Y1の度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラムを示す図である。 各領域Rmにおける輝度信号Y1の低輝度度数ヒストグラムおよび低輝度累積度数ヒストグラムを示す図である。 ある低輝度領域の度数ヒストグラムおよび累積度数ヒストグラムを示す図である。 加重加算係数k_numlw(Rm)とnumlw2(Rm)との関係を示す図である。 平坦部および非平坦部における度数ヒストグラムを示す図である。 加重加算係数k_flat1(Rm)とd_flat(Rm)との関係を示す図である。 ある領域Rmにおける領域補正特性データと平坦部リミットとの関係を示す図である。 加重加算係数k_flat2(Rm)とd_flat(Rm)との関係を示す図である。 加重加算係数ctk(Pn)とmax_s(Pn)との関係を示す図である。
符号の説明
1,2,41,42 補正部、11,43 輝度信号生成部、12,34,44 ヒストグラム検出部、13,35,45 階調補正特性設定部、21,38,47 YC分離部、22,48 輝度信号処理部、23,51 色信号処理部、24,37,50 階調補正部、33 簡易色分離部、36,46 色分離部、49 飽和領域加重加算係数算出部、61 リミット設定部、62 最大/最小輝度レベル算出部、63 高/低輝度レベル算出部、64 線形補間処理部。

Claims (10)

  1. 入力映像信号の階調補正を行なう映像信号処理装置であって、
    画面を複数の領域に分割し、前記複数の領域の各々に対して、前記入力映像信号の信号レベル別の出現頻度を表わすヒストグラムデータを検出するヒストグラム検出手段、
    前記ヒストグラム検出手段によって検出された前記ヒストグラムデータに基づいて、前記画面の複数の画素の各々に対応する非線形な補正特性曲線を定める階調補正特性設定手段、および
    前記階調補正特性設定手段によって定められた前記補正特性曲線に基づいて、前記複数の画素の各々に対して、前記入力映像信号の階調補正を行なう階調補正手段を備える、映像信号処理装置。
  2. 前記階調補正特性設定手段は、前記ヒストグラム検出手段によって検出された前記ヒストグラムデータに基づいて、それぞれ前記複数の領域の各々に対応する複数の領域補正特性データを算出し、算出した前記複数の領域補正特性データを用いて線形補間処理を行なうことによって、それぞれ前記画面の複数の画素の各々に対応する複数の画素補正特性データを算出し、算出した前記複数の画素補正特性データに基づいて前記補正特性曲線を定める、請求項1に記載の映像信号処理装置。
  3. 前記領域補正特性データは、
    前記入力映像信号の信号レベルの最小値である第1の信号レベル、
    前記入力映像信号の前記信号レベル別の出現頻度を最小信号レベル側から累積した数が、予め定められた第1の数になる第2の信号レベル、
    前記入力映像信号の前記信号レベル別の出現頻度を最大信号レベル側から累積した数が、予め定められた第2の数になる第3の信号レベル、および
    前記入力映像信号の信号レベルの最大値である第4の信号レベルを含み、
    前記画素補正特性データは、前記第1から第4までの信号レベルを用いて線形補間処理を行なうことによって算出される第5から第8までの信号レベルを含み、
    前記補正特性曲線は、
    前記第6の信号レベルよりも低い信号レベルの区間に対応する低信号レベル部において、前記入力映像信号の階調を減らす特性を持ち、
    前記第6の信号レベルから前記第7の信号レベルまでの区間に対応する中間信号レベル部において、前記入力映像信号の階調を増やす特性を持ち、
    前記第7の信号レベルよりも高い信号レベルの区間に対応する高信号レベル部において、前記入力映像信号の階調を減らす特性を持つ、請求項2に記載の映像信号処理装置。
  4. 前記入力映像信号は、輝度信号である請求項1から請求項3までのいずれかに記載の映像信号処理装置。
  5. 前記入力映像信号は、輝度信号であって、
    前記階調補正特性設定手段は、前記ヒストグラムデータが低輝度側に集中している低輝度領域において、前記階調補正手段が低輝度部の輝度レベルを高くする階調補正を行なうように、前記第1および第2の信号レベルの各々に対して制限値を設ける、請求項3に記載の映像信号処理装置。
  6. 前記入力映像信号は、輝度信号であって、
    前記階調補正特性設定手段は、前記ヒストグラムデータがある輝度レベルに集中している平坦領域において、前記階調補正手段による平坦部の階調補正の度合いを弱めるように、前記第1から第4までの信号レベルの各々に対して制限値を設ける、請求項3または請求項5に記載の映像信号処理装置。
  7. 前記階調補正特性設定手段は、前記ヒストグラムデータの分布が複数のグループに分かれている場合、前記複数のグループのうちの低輝度側のグループを重視して、前記第1から第4までの信号レベルを定める、請求項4から請求項6までのいずれかに記載の映像信号処理装置。
  8. さらに、前記階調補正手段によって輝度信号のレベルが大きくなるように階調補正が行なわれた場合に、輝度信号のレベルの変化量に応じて入力彩度信号のレベルが大きくなるように彩度変換を行なう彩度変換手段を備える、請求項4から請求項7までのいずれかに記載の映像信号処理装置。
  9. さらに、前記入力映像信号のレベルが所定レベルを超える場合に、前記階調補正手段による階調補正の度合いを弱めるように指示する加重加算係数を算出する飽和領域加重加算係数算出手段を備え、
    前記階調補正手段は、前記飽和領域加重加算係数算出手段によって算出された加重加算係数に応じて、出力信号のレベルが飽和しないように階調補正の度合いを調整する、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の映像信号処理装置。
  10. 前記入力映像信号は、第1、第2および第3の原色信号であり、
    前記ヒストグラムデータは、前記第1、第2および第3の原色信号の各々に対応する第1、第2および第3の原色ヒストグラムデータであり、
    前記補正特性曲線は、前記第1、第2および第3のヒストグラムデータの各々に対応する第1、第2および第3の原色補正特性曲線であり、
    前記階調補正手段は、前記第1、第2および第3の原色補正特性曲線に基づいて、前記第1、第2および第3の原色信号の各々の階調補正を行なう、請求項1に記載の映像信号処理装置。
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