JP7307584B2 - ウェットマスターバッチおよびこれを含む炭素繊維補強ゴム複合材 - Google Patents

ウェットマスターバッチおよびこれを含む炭素繊維補強ゴム複合材 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 平成30年5月22日掲載、https://www.tpr.co.jp/ir/news.html 平成30年5月23日~平成30年5月25日開催、自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2018横浜 平成31年1月16日~平成31年1月18日開催、第11回オートモーティブワールド クルマの先端技術展内第9回クルマの軽量化技術展 平成31年1月30日~平成31年2月1日開催、nano tech 2019 第18回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議 平成31年2月27日~平成31年3月1日開催、第10回国際二次電池展
本発明は、ウェットマスターバッチおよびこれを含む炭素繊維補強ゴム複合材に関する。
ゴム製造の分野では、カーボンブラック等の充填材をゴム組成物中に均一に混合することにより、ゴム製品の強度を高め耐久性を付与している。例えば、カーボンナノファイバーとカーボンブラックとをそれぞれ別々にエラストマーと混合し、ロール間隔が0.5mm以下のオープンロールを用いて薄通しを行った後、これらを混錬して炭素繊維複合材料を製造する方法がある(特許文献1参照)。典型的なカーボンナノファイバーとして例示されるカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称する場合がある。)は、ゴム製品に優れた機械特性(高強度、高弾性率)、高い熱伝導性、および導電性を付与するが、高いアスペクト比を持つため乾燥状態では嵩高で取り扱いが難しく、直接混練機で均一にゴムと複合化することは困難であった。そこで、CNTの分散性を向上させる方法として、ウェットマスターバッチ(以下、「WMB」と称する場合がある。)を用いることが知られている。WMBとは、充填材と、分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を分散溶媒中に分散させた充填材含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液とを液相で混合し、その後、凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥したものである。従来の固相で混合するゴム組成物に比べ、WMBを用いると充填材の分散性に優れ、加工性や補強性などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られるという利点がある。
例えば、ジエン系ゴムと、有機修飾カーボンナノチューブと、シランカップリング剤を含むゴムマスターバッチを用いると、CNTの分散性が良好となるため、低い電気抵抗を有しながらも、低いヒステリシス・ロスを有する加硫ゴムが得られることが報告されている(特許文献2参照)。また、カーボンナノチューブがゴム中に均一に分散し、且つCNTとゴムとの接点が多い、いわゆるアロイ化によりCNTとゴムとの相溶性および密着力の強いCNT/ゴム複合体を製造できることが報告されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2012-224815号公報 特開2018-100334号公報 特開2018-90758号公報
しかしながら、ゴム製品の機械特性(強度、弾性率)、熱伝導性および導電性などのすべての性能をバランスよく満たすことは難しく、上記特許文献2においても、CNTの添加により、加硫ゴムの導電性が良好となる反面、ヒステリシス・ロス(ゴムが繰り返し変形する際に起きるエネルギー損失)が増加する問題が指摘されている。本発明は、液相で炭素繊維材料とゴムラテックスとを効率よく混合することにより、炭素繊維が均一に分散してゴム製品の種々の性能を改善しうる炭素繊維分散ゴムウェットマスターバッチを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ウェットマスターバッチを製造するための分散液中の炭素繊維の表面電位を制御し、更に炭素繊維原料として長尺多層カーボンナノチューブを用いる事で前記課題を解決し得ることを見出した。またこのウェットマスターバッチを原料として効率的にゴム複合材を製造し得る事を見出すことにより本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の[1]~[6]を要旨とする。
[1]表面ゼータ電位が-100~0mVの酸化処理または多糖類で修飾された表面処理炭素繊維と、表面ゼータ電位が-100~0mVの天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスと、を分散液中において混合し、凝固させてなるウェットマスターバッチ。
[2]酸化処理された表面処理炭素繊維が、0.05~0.3meq/gのカルボキシ基を含有する[1]に記載のウェットマスターバッチ。
[3]多糖類が、エーテル化度0.1~1.3のカルボキシメチルセルロースである[1]に記載のウェットマスターバッチ。
[4]0.05~0.3meq/gのカルボキシ基を含有するが、またはエーテル化度が0.1~1.3のカルボキシメチルセルロースで修飾された表面処理炭素繊維と、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスとを含有するウェットマスターバッチ。
[5]ウェットマスターバッチの総量に対して、0.1質量%以上40質量%以下の表面処理炭素繊維を含有する[1]~[4]のいずれかに記載のウェットマスターバッチ。
[6]表面処理前の炭素繊維が、グラフェンシートの筒を同軸状に2層以上有し、透過型電子顕微鏡による像の観察に基づく最外層の直径が3nm以上15nm以下、走査型電子顕微鏡の像の観察に基づく長さが1.0mm以上の長尺多層カーボンナノチューブである[1]~[5]のいずれかに記載のウェットマスターバッチ。
[7]カルボキシ基または多糖類にて表面修飾された表面修飾炭素繊維を第一液体中にて、その表面ゼータ電位が-100~0mVとなるように分散させた炭素繊維分散液を用意する第一工程と、合成ゴム若しくは天然ゴムのゴムラテックスを第二液体中にて、その表面ゼータ電位が-100~0mVとなるように分散させたゴムラテックス分散液を用意する第二工程と、炭素繊維分散液と前記ゴムラテックス分散液とを混合する第三工程と、第三工程で得られた分散液中に酸または塩を添加して、炭素繊維とゴムラテックスとの凝固体を作製する第四工程と、凝固体を乾燥してウェットマスターバッチを用意する第五工程と、を含むウェットマスターバッチの製造方法。
[8][1]~[6]のいずれかに記載のウェットマスターバッチに、架橋剤および加硫促進剤以外の添加物を加えて混練する第一混練工程と、第一混練工程後に得られた混練物に、架橋剤および/または加硫促進剤を加えて混練する第二混練工程と、第二混練工程後に得られた混練物を圧延および加硫して硬化する工程と、を含む炭素繊維補強ゴム複合材を作製する方法。
本発明によれば、ゴムラテックス中に炭素繊維が均一に分散されているためゴム製品の種々の性能を改善しうるウェットマスターバッチを提供することができる。また本発明のウェットマスターバッチを原料としてゴム複合材を作製した場合、容易に炭素繊維が均一に分散したゴム複合材が提供される。
図1は、本発明の一実施形態にかかるウェットマスターバッチおよびこれを含む炭素繊維補強ゴム複合材の製造工程を示すフローチャートである。 図2は、好ましい実施形態に係る多層カーボンナノチューブの製造方法に用いるMWCNT製造装置の概略的構成を示す。 図3Aは、平滑板に、担持膜、触媒膜を順に積層する状況の断面図を示す。 図3Bは、基板の触媒膜上にMWCNTが生成した状態の断面図を示す。 図4は、図2の装置によって基板上にMWCNTを生成させた状態の反応容器内の状態を模式的に示す。
<用語の説明>
本発明において「ウェットマスターバッチ(以下、「WMB」と称する場合がある。)」とは、ゴムラテックスと炭素繊維分散液とを湿式で混合し、ゴムラテックスと炭素繊維とを凝固させて得たものを意味し、分散液の分散媒(水分等)を除去する前のもの、除去した後に少量の分散媒を含むもの、これを乾燥させたもの、の何れをも包含する。このWMBに、ゴム成分を架橋する化合物や単体などの成分を更に添加したものを、「ゴム組成物」または「ゴム複合材」等と称する。
以下、本発明の一実施形態にかかるWMBを構成する各成分について最初に説明し、次に、これらを用いたWMBおよび炭素繊維補強ゴム複合材の製造方法について説明する。
<ウェットマスターバッチ>
本実施形態にかかるウェットマスターバッチは、特定の表面処理炭素繊維と、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスとを含む。これらの構成成分について、以下に詳細に説明する。表面処理炭素繊維の長さやその表面電位の第一液体中における特性は、本実施形態のWMBの有する均一分散性にとって極めて重要な性質ではあるが、WMBの状態でその特性を規定することは困難である。また、WMBの物理的な構造を電子顕微鏡等で観察しようとしても、各構成成分はネットワークを形成して複雑な相互作用をしているため、WMBを構成する各原料について、混合物中から抽出してその性質を特定することはおよそ非実際的である。よって、本明細書において特定されるWMBは、その製造方法によって特定する場合も含まれる。
(表面処理炭素繊維)
炭素繊維とは、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンフィブリル、カーボンファイバーなどが挙げられる。これらの中でもカーボンナノチューブ(CNT)が好ましく、例えば、単層構造の単層カーボンナノチューブ(SWCNT)および複数の同軸管状をなす多層カーボンナノチューブ(MWCNT)などがある。本実施形態で用いられる炭素繊維は、分散液中において、その表面ゼータ電位が-100~0mVとなるように酸化処理または多糖類で修飾された表面処理CNTである。
CNTの表面を修飾している多糖類はCNTの分散性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、カチオン化澱粉、リン酸化澱粉、カラギナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。カルボキシメチルセルロースにより炭素繊維を修飾した場合、カルボキシメチルセルロースのセルロース骨格がCNTと結合し、更にカルボキシ基によって水などの極性溶媒中における静電反発により、カルボキシメチルセルロースで修飾されたカーボンナノチューブの溶媒中での凝集を妨げる事が可能となる。カルボキシ基の含有量はエーテル化度(DS)によって表され、セルロースの1つのグルコースに存在する3つの水酸基が平均どの程度エーテル化剤(カルボキシメチルセルロースの場合はカルボキシメチル基)で置換されているかを表し、理論上の最大DSは3.0である。炭素繊維の分散剤としてカルボキシメチルセルロースを使用する場合、DSが0.1~1.3であることが好ましい。DSが1.3以上であるとカルボキシ基によりカーボンナノチューブとの結合が阻害され、一方0.1以下であるとカルボキシ基による極性溶媒中での分散効果が不十分となるからである。より好ましいエーテル化度は0.2以上0.8以下である。
一方、酸化処理された表面修飾CNTは、特に限定されず、例えば、空気中での加熱による気相酸化方法、電気化学的処理による酸化方法、強酸処理による酸化方法、ミセル可溶化方法、物理吸着可溶化方法、オゾン、次亜塩素酸などの酸化剤による処理されたCNTなどが挙げられる。
強酸処理による酸化方法としては、例えば、強酸水溶液にCNTを加え、超音波(例えば、バス型超音波装置)を照射して、CNT表面にカルボキシ基が導入された酸化処理CNTを製造する方法が挙げられる。
ミセル可溶化方法としては、例えば、界面活性剤のミセル水溶液中に、CNTを入れ、超音波ホモジナイザーを照射して、CNTをミセル化する方法が挙げられる。
物理吸着可溶化方法としては、例えば、高分子化合物を溶解した溶液に、CNTを加えて混合し、両者の疎水性相互作用を利用し、CNTに物理吸着させる方法が挙げられる。
酸化剤による処理方法としては、CNTを液相または気相中で良好に酸化し得る方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜ハロゲン酸塩;過硫酸、硝酸、次亜塩素酸等の酸、等公知の酸化剤を用いることができる。例えば、酸又は過酸化水素の溶液中でCNTを処理することにより、酸化処理CNTを得ることができる。酸としては、硝酸、硝酸硫酸混合物、次亜塩素酸水溶液等を使用することができる。また、炭素繊維原料を酸素含有雰囲気、水蒸気、二酸化炭素中で加熱することにより、酸化処理カーボンを得ることができる。さらに、炭素繊維原料をアルカリ金属水酸化物と混合して酸素含有雰囲気中で加熱し、水洗などによりアルカリ金属を除去することにより、酸化処理カーボンを得ることができる。また、カーボン原料の酸素含有雰囲気中でのプラズマ処理、紫外線照射、コロナ放電処理及びグロー放電処理、オゾン水又はオゾンガスによる処理、水中での酸素バブリング処理により、酸化処理カーボンを得ることができる。
酸化剤としてのオゾンは、ガス状オゾン、液体状オゾン、または水などの水性溶媒中に溶解されているオゾンの形態で供給することができる。オゾン含有ガスは、任意選択的に、酸素、空気、窒素、希ガス及びそれらの混合物などのガスで希釈することができる。従来から利用できる、又は市販のオゾン発生器は、オゾン又はオゾン含有ガスを発生させるために使用することができる。オゾン又はオゾン含有ガスを生成するために、オゾン発生器に、空気又は純酸素などのガスを供給することができる。
オゾンは、垂直管型反応器、充填床、流動床などにより、垂直反応器を使用する場合には、公知慣用の反応器、プロセス、又は方法を使用してカーボンナノチューブに導入することができる。非垂直又は水平反応器も使用することができる。例えば、オゾンは、スパージャーを通して、カーボンナノチューブを収納する容器が回転され、カーボンナノチューブのオゾンへの曝露がより均一に分配され、その結果カーボンナノチューブの官能化がさらに均一化される転動式反応器又は回転ドラム式反応器内に供給することができる。
これらの酸化処理された表面修飾カーボンナノチューブ上のカルボキシ基含有量は、例えば、ベーム法(H.P.Boehm、E.Diehl、W.HeckおよびR.Sappok,”Surface Oxides of Carbon” Angew.Chem.inlernat.Edit.Vol.3(1964)No.10,pp.669-677)により測定することができる。ベーム法とは、炭素繊維に各種のアルカリを加えて反応させ、反応後のアルカリの濃度を酸で逆滴定することで炭素繊維表面に存在する酸性官能基量を定量する方法である。本実施形態においては、酸化処理された表面処理炭素繊維は、このベーム法によるカルボキシ基含有量が0.05~0.3meq/gのCNTであることが好ましい。
(ゴムラテックス)
本明細書においてゴムラテックスとは、ゴム粒子が分散媒中に分散された状態のものをいう。ゴムとしては、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM、PTFE)などが挙げられる。なかでも、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM、PTFE)が好ましい。
炭素繊維分散液中の表面処理炭素繊維同様、ゴムラテックスの表面ゼータ電位は―100~0mVの範囲にあることが好ましい。表面処理炭素繊維およびゴムラテックス共に水中でマイナス電荷を有することによりエマルジョンとしての分散安定性を高めるためである。本発明の効果がより好適に得られるという点から、表面処理炭素繊維およびラテックスともに表面電位は-90mV以上であることが好ましく、-80mV以上であることがより好ましく、-70mV以上であることが特に好ましい。また、-3mV以下であることが好ましく、-5mV以下であることがより好ましく、-10mV以下であることが更に好ましく、-15mV以下であることが特に好ましい。ゼータ電位の測定方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、帯電した粒子が分散している系に、外部から電場をかけると、粒子は電極に向かって泳動(移動)するが、その速度は粒子の荷電に比例するため、その粒子の泳動速度を測定することによりゼータ電位を測定することができる。電気泳動光散乱測定法は、別名レーザードップラー法と呼ばれ、泳動している粒子からの散乱光を観測することによって、ゼータ電位が求められる。例えば、大塚電子株式会社製レーザーゼータ電位計により測定することができる。
上記ゴムラテックスは、従来公知の製法で調製でき、各種市販品も使用できる。なお、上記ゴムラテックスとしては、ゴム固形分(固形分濃度)が5~80質量%のものを使用することが好ましいが、固形分濃度は高い方が炭素繊維分散液との混合時に濃度調整がしやすいため好適である。固形分濃度は10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。
<ウェットマスターバッチの製造方法>
次に、ウェットマスターバッチの製造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の製造工程を示すフローチャートである。
(第一工程)
本工程は、図1における炭素繊維の分散工程01であり、以下に説明する表面修飾炭素繊維を第一液体中にて分散させて炭素繊維分散液を調製する工程である。第一液体とは、水または水と混和可能な有機溶媒であり、好ましくは水またはエタノール、あるいはイソプロパノール、もしくはこれらの混合物である。
本発明の好ましい実施形態において、表面修飾炭素繊維の原料となる多層カーボンナノチューブは、グラフェンシートの筒を同軸状に2層以上有し、透過型電子顕微鏡による像の観察に基づく最外層の直径が3nm以上15nm以下、走査型電子顕微鏡の像の観察に基づく長さが1.0mm以上、そしてアスペクト比が66666以上の長尺多層カーボンナノチューブが用いられる。この長尺多層カーボンナノチューブの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、金属触媒を表面に担持した基板を反応容器内に保持して化学気相成長法により製造することができる。より詳細には、平滑板の表面に、金属触媒を担持するための担持膜を形成し、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、インジウム、スズ又はこれらの内の1以上を含む合金から成る金属触媒を担持膜上に担持し、金属触媒から成る触媒膜を担持膜の表面に形成した1または2以上の基板を反応容器内に配置し、反応容器内を不活性ガス若しくは酸化ガスの雰囲気下にし、反応容器内を多層カーボンナノチューブの合成温度まで加熱し、触媒膜の表面に接触するように基板の一端から他端に向かって、水素と炭化水素とを少なくとも含む原料ガスを、触媒膜上で炭化水素の熱分解を促進可能な温度であって合成温度より低い温度に予熱しながら導入し、かつ反応容器内を基板の一端から他端の方向に気流を生じるように非還流方式にて一方的に排気しながら、炭化水素を熱分解して基板の触媒膜の表面に多層カーボンナノチューブを成長させる方法である。
図2は、本実施形態に係る長尺多層カーボンナノチューブの製造方法に用いる多層カーボンナノチューブ(以後、MWCNTとも称する)製造装置の概略的構成を示す。MWCNT製造装置(以後、「装置」という。)1は、第1容器10と、原料ガス供給容器20と、ポンプ30と、を備える。第1容器10は、その内部空間11に、第2容器12を備える。第2容器12は、CVD法によって原料ガスの反応を経てCNTを生成するための反応容器である。第1容器10と第2容器12との間には、装置1の上方から見て環状のヒータ13が配置されている。ヒータ13は、第2容器12の上下方向(縦方向)に3段で配置されている。これは、第2容器12の縦方向の温度をできるだけ均一にするためである。ただし、ヒータ13は、1個、2個あるいは4個の環状ヒータであっても良い。ヒータ13は、後述の基板のみを加熱するものではなく、第2容器12の内部全体を加熱する加熱手段である。
第2容器12は、密閉可能な容器であり、MWCNTを合成(生成あるいは製造ともいう)するための反応容器である。第2容器12は、その底部に台座14を備える。台座14は、その上面に、3枚の基板15を、隙間をあけて立設する。基板15は、3枚に限定されず、1枚、2枚あるいは4枚以上でも良い。第2容器12は、原料ガス容器20からの原料ガスを基板15の上方に導入可能な配管17を備える。配管17は、第2容器12の底部からヒータ13の近傍に沿って略垂直上方に延びてから曲がって、基板15の上端と略平行に延出する逆L字形状を有する。配管17は、基板15の上端と対向する側に、基板15の片面に沿って原料ガスを供給可能に噴出可能な孔18を備える。この実施形態では、第2容器12は、3枚の基板15を台座14上に立設している。このため、配管17は1個以上の孔18を有している。配管17は、第2容器12の内壁に固定される略逆J字形状の支持板によって固定されている。配管17は、ガスの流れる方向にて孔18より上流側に、バルブ26を備える。バルブ26は、配管17に対してT字を形成するように分岐の配管を接続している。当該分岐の配管は、原料ガス若しくはポンプ30からの排ガスをヒータ13で予熱せずに第2容器12内に導入する場合に使用される。
装置1は、水素ガス、炭化水素ガスおよび不活性ガスのそれぞれについて原料ガス供給容器20を備える。これら3個の原料ガス供給容器20は、フローメータ(例えば、マスフローコントローラ:MFC)21およびバルブ22を介して配管22に接続されている。配管22は、第2容器12の底部において、配管17と接続されている。配管23において、全ての原料ガスの合流位置若しくはその合流位置より下流に、バルブ25付きの配管が接続されている。当該配管は、図2の矢印Aからポンプ30から排出されたガスを導入する場合に使用される。
第2容器12は、基板15の下端より下方位置に、第1容器10の外から貫通して第2容器12の内部に到達する配管31を備える。配管31は、第1容器10の外に配置されるポンプ30と、バルブ32を介して接続されている。ポンプ30は、排気口33を備える。
図3Aは、平滑板に、担持膜、触媒膜を順に積層する状況の断面図を、図3Bは、基板の触媒膜上にMWCNTが生成した状態の断面図をそれぞれ示す。基板15は、平滑板15aの片面に、担持膜15b、触媒膜15cを順に積層した板である。図4は、図2の装置によって基板上にMWCNTを生成させた状態の反応容器内の状態を模式的に示す。図4は、図2の一部の構成のみを示す。
図4に示すように、水素(調整ガスとして機能)、窒素(キャリアガスの一例)およびアセチレン(炭素源)の混合ガスを、3枚の基板15の触媒膜15cの面に沿って噴き出して基板15の下端側まで到達させるように流すと、原料ガスと接触する触媒膜15c上に、MWCNT40が生成する。MWCNT40の長さは、従来のものよりはるかに長い1.0mm以上に達する。
以下、MWCNT40の製造方法および製造手順の代表例について説明する。この実施形態に係るMWCNTの製造方法は、金属触媒を表面に担持した基板15を第2容器12(反応容器に相当)内に保持して、CVD法によりMWCNT40を製造する方法である。当該方法において、平滑板15aの表面に、金属触媒を担持するための担持膜15bを形成する。次に、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、パラジウム、インジウム、スズ又はこれらの内の1以上を含む合金から成る金属触媒を担持膜15b上に担持する。次に、金属触媒から成る触媒膜15cを担持膜15bの表面に形成した1または2以上の基板15を第2容器12内に配置する。より好ましくは、金属触媒を担持した1または2以上の基板15を第2容器12内に立設する。次に、第2容器12内を減圧してから、不活性ガス若しくは酸化ガスの雰囲気下にする。次に、第2容器12内を合成温度に加熱する。次に、触媒膜15cの表面に接触するように基板15の一端(好ましくは上端)から他端(好ましくは下端)に向かって、還元作用のあるガスを、触媒膜15c上で粒子化促進可能な温度であって、第2容器12内の雰囲気温度より低い温度に予熱しながら導入し、触媒膜15cを還元ガス雰囲気にさらすことによって、触媒膜15cは粒子化する。ここで、還元作用のあるガスとは、好適には、水素である。なお、還元作用のあるガスの予熱は必須ではなく、予熱せずに還元作用のあるガスを触媒膜15c上に導入しても良い。次に、水素と炭化水素とを少なくとも含む原料ガスを、触媒膜15c上で炭化水素の熱分解を促進可能な温度であってMWCNT40の合成温度より低い温度に予熱しながら導入し、かつ第2容器12内を基板15の一端(好ましくは上端)から他端(好ましくは下端)の方向に気流を生じるように非還流方式にて一方的に排気しながら、炭化水素を熱分解して基板15の触媒膜15cの表面にMWCNT40を成長させる。
装置1は、ヒータ13に囲まれた空間内(第2容器12内)に基板15を配置し、ヒータ13と基板15との間に気体導入用の配管17を配置した構造を有する。このため、ヒータ13への通電によって、配管17を流れる原料ガスの予熱と、第2容器12内の加温とを、ヒータ13という1つの加熱手段にて同時に行うことができる。水素と炭化水素とを少なくとも含む気体は、配管17を通過する際に予熱されて第2容器12内に供給され、基板15の一端から他端へと流れる。
この実施形態では、カーブの少ない真直ぐ若しくは真直ぐに近い形態のMWCNT40から、カーブ周期(「波長」という。図3Bを参照。)の短い縮れた形態のMWCNT40までを、峻別して製造可能である。担持膜15bを、中心線平均粗さ(Ra)が0.5nm以上の膜とすると、MWCNT40の長さ方向において、走査型電子顕微鏡による像の観察に基づく平均周期が0.5μm以上2.0μm以下、より狭い範囲では0.8μm以上2.0μm以下のウェーブを形成しているMWCNT40を製造できる。
MWCNTのG/D比は、好ましくは0.8以上である。G/D比は、CNTの結晶性の高さの指標となり、大きいほど結晶性が高く、欠陥が少ないことを意味する。G/D比は、ラマン分光光度計を用いて測定されるラマンスペクトルのG-bandのピーク強度をD-bandのピーク強度で除した値である。G-bandは、ラマンスペクトルの1590cm-1付近に現れるグラファイト構造に由来のピークである。D-bandは、ラマンスペクトルの1350cm-1付近に現れる欠陥由来のピークである。
以上のようにして調整された多層カーボンナノチューブを水または水と混和可能な有機溶媒中に投入後、湿式分散機により分散する。分散機としては、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、ブレンダ―、ビーズミル、ボールミルなどの公知の湿式分散機が挙げられるが、分散後の繊維切断が押さえられ、高いアスペクト比が保たれる高圧ホモジナイザーが好ましい。
<第二工程>
図1に戻り、本工程は、ゴムラテックスの分散工程02であり、合成ゴム若しくは天然ゴムのゴムラテックスを第二液体中にて分散させたゴムラテックス分散液を調製する工程である。第二液体とは、水または水と混和可能な有機溶媒であり、水またはエタノール、あるいはイソプロパノール、もしくはこれらの混合物を用いることが好ましい。
<第三工程>
本工程は、図1における混合・攪拌工程03であり、上記で調製した炭素繊維分散液とゴムラテックス分散液とを混合する工程である。混合する方法は特に限定されないが、例えばミキサー中に炭素繊維分散液を入れ、攪拌しながらゴムラテックス分散液を滴下する方法、あるいはゴムラテックス分散液中に炭素繊維分散液を滴下する方法で混合することができる。湿式混合において、混合する時間は、使用する分散機の大きさなどによって異なるが、通常、1~10分程度とすればよい。また、混合する温度は、通常、30~100℃程度とすればよい。
本発明では、上記の炭素繊維分散液とゴムラテックス分散液とを混合した混合液に凝固剤を添加して凝固させる際に、表面修飾炭素繊維の量が、WMBの総質量に対して0.1質量%以上40質量%以下、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下となるように、炭素繊維分散液とゴムラテックス分散液を混合する。このゴム固形分に対する炭素繊維の混合量が少な過ぎると、炭素繊維の配合効果を十分に得ることができず、逆に多過ぎると得られる炭素繊維/ゴム複合体の加工性が低下する。
<第四工程>
本工程は、図1における凝固工程04であり、上記工程で得られた分散液中に酸または塩を添加して、炭素繊維とゴムラテックスとの凝固体を作製する。酸としては、例えば、ギ酸、硫酸、塩酸、酢酸などが挙げられる。また、塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩などの1~3価の金属塩が挙げられる。中でも、塩化カルシウムが好ましい。
なお、一般的に、ギ酸、硫酸、塩酸、酢酸などの酸や、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩などの1~3価の金属塩等の酸や塩を添加することで、炭素繊維やゴムラテックスのゼータ電位を上げ、炭素繊維、ゴムラテックス間の斥力が下がる事で炭素繊維、ラテックスが均一に混合した状態で凝固させる事ができる。
凝固剤は通常0.7~30質量%程度の水溶液として、炭素繊維分散液とゴムラテックス分散液の混合液に添加される。
なお、酸を用いた凝固工程における混合液中のpHは2.8~4.8であることが好ましい。また、この凝固工程の混合液には、必要に応じて乳化剤や伸展油成分等を添加してもよい。また、CNT以外のカーボンブラック(CB)等の導電性成分や、後述のゴム加硫時の添加剤等を添加してもよい。
<第五工程>
本工程は、図1におけるウエットマスターバッチ(WMB)を用意する工程04であり、上記凝固工程の後で、生成した塊状の凝固物を分離して水洗、脱水し、80~110℃程度で乾燥することで本実施形態のWMBを得ることができる。
乾燥の方法としては、例えば、単軸押出機、オーブン、真空乾燥機、エアードライヤーなどの各種乾燥装置を使用することができる。乾燥は、常圧下で行ってもよいが、減圧下(10~1000Pa程度)で行うことが好ましい。乾燥する時間は、使用する乾燥機の大きさなどによって異なるが、減圧下、通常、30~180分程度とすればよい。また、乾燥する温度は、通常、50~150℃程度とすればよい。
<炭素繊維補強ゴム複合材の製造方法>
このようにして得られた炭素繊維分散ウェットマスターバッチを用いて炭素繊維補強ゴム複合材を製造する方法は、架橋剤および加硫促進剤以外の添加物を加えて混練する第一混練工程と、第一混練工程後に得られた混練物に、架橋剤および/または加硫促進剤を加えて混練する第二混練工程と、第二混練工程後に得られた混練物を圧延および加硫して硬化する工程と、を含む。
第一混練工程において添加される、架橋剤および加硫促進剤以外の添加物とは、固形天然ゴム、固形合成ゴムの他、老化防止剤、シリカ、カーボンブラック、酸化亜鉛、メチレン受容体およびメチレン供与体、ステアリン酸、加硫遅延剤、有機過酸化物、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤が挙げられる。なお、各種配合剤のうち、シリカ、カーボンブラック、ワックスやオイルなどの軟化剤は、ゴムマスターバッチの製造の際に用いてもよい。
老化防止剤としては、通常のゴム用老化防止剤であればよく、芳香族アミン系老化防止剤、アミン-ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などが挙げられる。老化防止剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。老化防止剤の含有量は、ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して1~5質量部であることが好ましい。
第二混練工程において添加される架橋剤とは、硫黄系加硫剤としての硫黄であり、通常のゴム用硫黄であればよく、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。硫黄系加硫剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
硫黄の含有量は、ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して0.3~6.5質量部であることが好ましい。硫黄の含有量が0.3質量部未満であると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下し、6.5質量部を超えると、特に耐熱性および耐久性の両方が悪化する。加硫ゴムのゴム強度を良好に確保し、耐熱性と耐久性をより向上するためには、硫黄の含有量がゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して1.0~5.5質量部であることがより好ましい。
加硫促進剤としては、通常のゴム用加硫促進剤であればよく、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などが挙げられる。加硫促進剤は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム組成物中のゴム成分100質量部に対して1~5質量部であることが好ましい。
混練りする回数は、1回または複数回であってもよい。混練りする時間は、使用する混練機の大きさなどによって異なるが、通常、2~5分程度とすればよい。
本実施形態の方法により得られた炭素繊維補強ゴム複合材は、低い電気抵抗(低電気体積抵抗値)および低いヒステリシス・ロスを有するため、タイヤ、パッキン、オイルシールリングなどのゴム適用分野全般に適している。
1.分析方法
(1)MWCNTの長さおよびウェービング
合成したMWCNTの長さおよびウェービング(うねり)の度合いは、基板のままあるいは基板から刈り取った後、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式:JSM-7800F)により撮影されたSEM像から評価した。MWCNTの長さの平均値を求める場合には、SEM像からMWCNTを任意に30本選択して、長さの平均値を算出した。また、MWCNTのウェービングの度合いとして、波状に進行する波長(周期ともいう)を評価した。1本のMWCNTの周期の各平均値(平均周期)を求める場合には、SEM像からMWCNTの長さ方向に沿って波長を30個任意に選出し、30個の波長の平均値を算出した。
(2)MWCNTの層数および直径
合成したMWCNTの層数および直径は、透過型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、型式:HF2200)により撮影されたTEM像から評価した。層数の平均を求める場合には、MWCNTの層数を判定可能なTEM像から任意の30視野を選出し、30個の層数の平均値における小数点以下の数字を四捨五入して求めた。また、MWCNTの直径の平均(平均直径)を求める場合には、上述と同様に、TEM像から任意の30視野を選出し、30本の直径の平均値(単位:nmの整数値)を求めた。
(32)成膜の表面粗さ
担持膜および触媒膜の各粗さは、それぞれの膜を付けた状態のサンプルを用意し、原子間力顕微鏡(BRUKER社製、型式:Dimension Icon)により測定して求めた。
(43)膜厚
担持膜および触媒膜の各厚さは、それぞれの膜を付けた状態のサンプルを用意し、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、型式:ZSX Primus400)により測定して求めた。
(54)MWCNTの比表面積
MWCNTの比表面積(BET値)は、JIS Z8830(ISO 9277)に基づき、比表面積測定装置(株式会社島津製作所製、型式:3Flex)を用いたガス吸着法(多点法)により測定した。
(65)MWCNTのG/D比
MWCNTのG/D比は、ラマンマイクロスコープ(RENISHAW社製、型式:inVia)を用いて求めた。具体的には、ラマンマイクロスコープを用いて測定されるラマンスペクトルのG-band(1590cm-1)のピーク強度をD-band(1350cm-1)のピーク強度で除した値を求めた。
2.成膜
(1)担持膜
MWCNTの合成には、平滑板/担持膜/触媒膜の三層構造を有する基板を用いた。平滑板には、幅100mm×長さ100mm×厚さ0.7mmの板状のシリコン基盤を用いた。担持膜は、平滑板の片面に積層される膜である。担持膜は、アルミニウムである。担持膜を平滑膜上に形成するために、ターゲットとしてアルミニウムを、スパッタに用いるガスとしてアルゴンガスをそれぞれ用い、マグネトロンスパッタ法によって、平滑板への担持膜の成膜を行った。より具体的には、スパッタ前にスパッタ装置内を減圧して0.02Paに到達後、アルゴンガスを供給した。次に、設定電力:4kW、アルゴンガスの供給流量:500sccm、スパッタ空間圧力:1Paの条件下で、スパッタ時間を変化させて、担持膜の厚さを調整するように成膜を行った。
(2)触媒膜
触媒膜は、平滑板への担持膜の成膜後、担持膜表面に成膜した。触媒膜を担持膜上に形成するために、ターゲットとして鉄を、スパッタに用いるガスとしてアルゴンガスをそれぞれ用い、マグネトロンスパッタ法によって、担持膜上への触媒膜の成膜を行った。より具体的には、スパッタ前にスパッタ装置内を減圧して0.02Paに到達後、アルゴンガスを供給した。次に、設定電力:1.5kW、アルゴンガスの供給流量:500sccm、スパッタ空間圧力:3.5Paの条件下、スパッタ時間を40秒に固定して、成膜を行った。
3.MWCNTの合成・評価
(製造例1)長尺MWCNTの合成実験
シリコン基板の片面に、アルミニウムをターゲットとして10秒間のスパッタリングを行い、膜厚:1.6nm、Ra:0.2nmの担持膜を成膜した。続いて、その担持膜上に、鉄をターゲットとして40秒間のスパッタリングを行い、膜厚:1.0nmの触媒膜を成膜した。
次に、触媒膜の成膜後の基板を3枚用意し、当該3枚の基板をCVD装置(図2参照)内の石英製の台座(ボートという)上に倒れないように立設した。次に、第2容器(反応容器)を閉め、1Paまで減圧しながら同時にヒータに通電して第2容器内の加熱を開始した。次に、第2容器内の温度が700℃に近くなった時点で、第2容器内に窒素ガスを供給し、第2容器内圧力が90kPaに保持できるように、ポンプによる第2容器内の排気を継続的に行った。
次に、第2容器内が750℃になるまで加熱し、第2容器内に窒素ガスと水素ガスの両方を供給し、第2容器内圧力を30kPaに維持し、結果、触媒膜の粒子化が生じた。第2容器内の温度が750℃に到達後、窒素ガス、水素ガスおよびアセチレンガスを上記ヒータによる予熱を行いながら、第2容器内の基板の上端から下端に向かって触媒膜表面に沿って供給して、第2容器内圧力を30kPaに保持しながら、基板上へのMWCNTの合成を開始した。窒素ガス、水素ガスおよびアセチレンガスの各供給流量がそれぞれ、100slm、100slmおよび10slmになるように各ガス用のマスフローコントローラは調整された。MWCNTの合成は、約60分間継続して行った。上記3種のガスの混合ガスは、基板上にMWCNTを合成した後、ポンプで装置外に継続して排気された。すなわち、実施例1の合成はバッチ式の合成である。
MWCNTの合成終了後、第2容器内への供給ガスを窒素ガスのみに切り替え、第2容器内圧を90kPaに維持しながら、750℃から室温まで降温した。
次に、第2容器を開放して、基板を取り出した。MWCNTは、長さ、層数、直径、ウェーブの状態、比表面積、G/D比および金属不純物含有率の各種評価に供した。
MWCNTの合成終了後、第2容器内への供給ガスを窒素ガスのみに切り替え、第2容器内圧を90kPaに維持しながら、750℃から室温まで降温した。
次に、第2容器を開放して、基板を取り出した。MWCNTは、長さ、層数、直径、ウェーブの状態、比表面積、G/D比および金属不純物含有率の各種評価に供した。評価の結果、長さ:1.7~2.1mm、平均長さ:2.0mm、層数:6層、直径:7~10nm、平均直径:9nm、比表面積:364m/g、G/D比:0.9、金属不純物含有率:250ppmのウェーブがほとんどない直線的なMWCNTが得られた。
4.ウェットマスターバッチの製造
(実施例1)オゾン処理MWCNTを含むWMBの作製
製造例1で得られたMWCNT2gを容量500mlのガラス製セパラブルフラスコに入れ、オゾン発生装置(装置名SG-01A・PSA4,住友精密工業製)に接続し、オゾンガス濃度100mg/L、ガス流量4L/分でオゾン処理を行った。処理後のオゾン処理品のカルボキシ含有量をベーム法にて定量した。具体的には、MWCNT30mgに対して10mlの0.1規定の炭酸水素ナトリウムを加えた後、2時間超音波処理を行いその後3日間静置した。その後処理液をろ過し、ろ液を0.01規定の塩酸で滴定を行なった。中和点の判定は自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM-1750)によって行ったところ、カルボキシ基含有量は0.1meq/gであった。
このオゾン処理MWCNTを、0.5質量%となるように2リットルのイオン交換水に分散し、高圧ホモジナイザー(機種名スターバーストミニ(型式HJP-25001)、株式会社スギノマシン製)に1回通してオゾン処理MWCNT分散液を得た。得られたオゾン処理MWCNT分散液のMWCNT表面のゼータ電位を、ゼータ電位計(大塚電子株式会社製ELSZ-2000ZS)により測定したところ、-32.1mVであった。次に、上記で調製したオゾン処理MWCNT分散液に、天然ゴムラテックスの60質量%水溶液(ムサシノケミカル製、商品名HA)150gを攪拌しながらゆっくり添加し混合した。続いて、この混合液に10質量%ギ酸溶液をラテックスが凝固するまで徐々に添加し、水酸化ナトリウムを添加してpHを調整した後脱水処理し、110℃で乾燥してウェットマスターバッチを作製した。
(実施例2)次亜塩素酸処理MWCNTを含むWMBの作製
製造例1で合成したMWCNT3gを、6質量%の次亜塩素酸溶液(ピューラックスS(登録商標))597ml中に分散し、50℃にて1時間処理した。その後、処理溶液をろ過し、pHが中性になるまで水で洗浄した。このようにして得られた次亜塩素酸処理MWCNTの繊維径は18±3.5nm、熱分解開始温度は300℃、G/D比は0.8であった。
続いて、この次亜塩素酸処理MWCNTを、0.5質量%となるように水に分散し、高圧ホモジナイザー(機種名スターバーストミニ(型式HJP-25001)、株式会社スギノマシン製)に1回通して次亜塩素酸処理MWCNT分散液を得た。実施例1と同様にして次亜塩素酸処理CNTのゼータ電位を測定したところ、-41.3mVであった。実施例1と同様の方法により、天然ゴムラテックスと混合し、10質量%ギ酸溶液を添加してラテックスを凝固させたのち乾燥して次亜塩素酸処理MWCNTWMBを得た。
(実施例3)CMC分散MWCNTを含むWMBの作製
製造例1で得られたMWCNT10gをカルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン WS-C、第一工業製薬製、エーテル化度0.63)10gを溶解した2リットルのイオン交換水に分散し、実施例1と同様にして高圧ホモジナイザーを通して分散液を得た。得られたCMC分散MWCNT分散液中のCMC分散MWCNTの表面ゼータ電位を測定した所、-53.4mVであった。得られたCMC分散MWCNTに、実施例1と同様に天然ゴムラテックスの60質量%水溶液(ムサシノケミカル製、商品名HA)150gを添加混合し、10質量%ギ酸溶液をラテックスが凝固するまで徐々に添加し、水酸化ナトリウムを添加してpHを調整した後脱水処理し、110℃で乾燥してウェットマスターバッチを作製した。
(実施例4)次亜塩素酸処理MWCNTを含むWMBの作製(2)
実施例2で得られた次亜塩素酸処理MWCNT分散液と天然ゴムラテックスの比率が3:10の比率になる様天然ゴムラテックスを秤量して混合した以外は実施例1と同様にして次亜塩素酸処理MWCNTWMBを得た。
(比較例1)
比較例1としてCNTを含まない天然ゴムラテックス水溶液のみを実施例1と同様の方法にて凝固、乾燥してWMBを調製した。
(比較例2)
実施例1で用いたオゾン処理MWCNTの代わりに、製造例1で合成したCNTを用いて実施例1と同様の方法で未処理MWCNTWMBを得た。
上記のようにして作製したWMBの組成を表1に示す。表1において、各配合部は、水分を含まない値である。CNT分散液の分散性は、未処理CNTに比べてオゾン処理、次亜塩素酸処理、CMC分散CNTの方がはるかに良く、これらの中ではCMC分散CNTが特に分散性に優れていた。ウェットマスターバッチ(WMB)の均一凝固性は、凝固の様子を目視で観察して以下のように分類した。すなわち、未処理CNTを用いた比較例2では、ラテックスを加えた箇所から一瞬で凝固し、未凝固のラテックスが残存したため、ギ酸を添加して残りのラテックスを凝固させた。そのため得られた凝固物には天然ゴムのみからなる部分が色の違いから確認された。このため均一凝固性を×とした。
オゾン処理MWCNTを用いた実施例1では、CNTとラテックスを混合後、ギ酸を添加して凝固させた。凝固後の溶液には少量のラテックスしか残存していなかったため、均一凝固性を○とした。また次亜塩素酸処理CNTを用いた実施例2も同様に少量のラテックスしか残存していなかったため、均一凝固性を○とした。CMC分散MWCNTを用いた実施例3では、MWCNTとラテックスを混合後、ギ酸を添加して凝固した。残存するラテックスは無く、均一な凝固物が得られたため、均一凝固性を◎とした。またウェットマスターバッチ中のCNTの比率が高い実施例4においても凝固後に少量のラテックスしか残存しておらず、凝固性を○とした。
Figure 0007307584000001
5.ゴム複合材の製造と常態物性の測定
上記で作製したWMBを用いて混練実験を実施した(使用機器:HAKKE社製:ポリラボシステム)。なおゴム複合材を作製する上で使用した原料は次のとおりである。
<天然ゴム> RSS#3
<酸化亜鉛> 白水化学株式会社製、「1号亜鉛華」
<カーボンブラック> N234、東海カーボン社製「シースト7HM」
<加工油> JX日鉱日石社製「T-DAE」:低アロマオイル
<硫黄> 軽井沢精錬所株式会社製
<加硫促進剤A> 1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーD」
<加硫促進剤B> :N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーNS」
表2に示した配合にて、ニーダ-のスクリュー回転数を30rpmとして5分間130℃にて混練(A練り)後、3分間80℃設定で混練(B練り)し、炭素繊維補強ゴム複合材料を作製した。常態物性として、これらのサンプルについて、室温における硬度、引張強さ、伸び、及び100%モジュラスを測定した。測定結果を表2に示した。
ゴム硬度は、JIS K 6253に基づいて測定した。引張強さ、伸び、及び100%伸び時の応力は、JIS6号形のダンベル形状に切り出した試験片について、島津製作所社製の引張試験機を用いて、23±2℃、引張速度500mm/minでJIS K6251に基づいて引張試験を行い測定した。なお、100%モジュラスとは、100%伸び時における引張応力(MPa)を指す。
Figure 0007307584000002
CNT無添加(表2の比較例1)と比較し、未処理MWCNTを配合したもの(表2の比較例2)は硬度、100%モジュラスが上昇したが伸び、引張強さが低下した。一方、WMBの分散性が高いオゾン処理MWCNT(表2の実施例1)及び次亜塩素酸処理CNT(表2の実施例2)では伸びが改善し、引張強度は同等で100%モジュラスは比較例1の4倍以上に上昇した。更に分散性の良いCMC分散MWCNT(表2の実施例3、CMC/MWCNT=1/1)では伸びを維持しつつ硬度、強度、100%モジュラスいずれも上昇した。また実施例4ではCNT濃度が高いウェットマスターバッチを用いて混練を実施したが、実施例2と同等の試験結果が得られた。
以上の結果より、WMBによるCNTゴム複合材の補強効果は、MWCNTWMBの均一性に依存しており、またWMB法により高い補強効果のあるMWCNTゴム複合材が作製できる事を確認した。オゾン処理CNTのG/D比は未処理CNT(G/D=1)よりも低下していたが、補強性は未処理CNTと比較し向上していた。次亜塩素酸処理CNTで補強したゴム複合材はオゾン処理CNTで補強したゴム複合材よりも更に引っ張り強さ、100%モジュラスが上昇し、補強効果が上昇した。またCMC分散MWCNTは他のCNTゴム複合材よりもCNT含有量が半分であるが、硬さ、引張り強さ、モジュラスがバランス良く向上している。また本発明で得られるウェットマスターバッチはCNTの分散性が良いため、混練工程においてCNT濃度を下げる事も可能である。このため、混練工程において異種ポリマーとの複合化も容易であり産業上極めて有益である。
表2で最も分散性の高かったCMC分散MWCNTと、市販の対照品CNT(Nc7000、ナノシェル社製)とを同一条件(CNT添加率1.5部)で作製したサンプルについて上記と同様の試験を行ったところ、硬さ、引張り強さ、および100%モジュラスにおいて有意に優れていることが分かった。これは、CNTの長さの違いに基づくと考えられる。本実施例では、CNTの長さが約1.7mm以上の長尺MWCNTを用いているため、WMB中に分散することにより短くなるものの、対照CNTよりも十分に長いことが推測される。
1 MWCNT製造装置
10 第1容器
12 第2容器
13 ヒータ
14 台座
15 基板
15a 平滑版
15b 担持膜
15c 触媒膜
17 配管
20 原料ガス供給容器
30 ポンプ
40 MWCNT

Claims (5)

  1. エーテル化度が0.1~1.3のカルボキシメチルセルロースで修飾され、かつ表面ゼータ電位が-100~0mVの表面処理炭素繊維と、天然ゴムラテックスまたは合成ゴムラテックスとを含有するウェットマスターバッチ。
  2. 前記ウェットマスターバッチの総量に対して、0.1質量%以上40質量%以下の前記表面処理炭素繊維を含有する請求項1に記載のウェットマスターバッチ。
  3. 前記表面処理前の炭素繊維が、グラフェンシートの筒を同軸状に2層以上有し、透過型電子顕微鏡による像の観察に基づく最外層の直径が3nm以上15nm以下、走査型電子顕微鏡の像の観察に基づく長さが1.0mm以上の長尺多層カーボンナノチューブである請求項1又は2に記載のウェットマスターバッチ。
  4. エーテル化度が0.1~1.3のカルボキシメチルセルロースにて表面修飾された表面修飾炭素繊維を第一液体中にて、その表面ゼータ電位が-100~0mVとなるように分散させた炭素繊維分散液を用意する第一工程と、ここで、前記炭素繊維は、アスペクト比が66666以上のカーボンナノチューブであり、
    合成ゴム若しくは天然ゴムのゴムラテックスを第二液体中にて、その表面ゼータ電位が-100~0mVとなるように分散させたゴムラテックス分散液を用意する第二工程と、
    前記炭素繊維分散液と前記ゴムラテックス分散液とを混合する第三工程と、
    前記第三工程で得られた分散液中に酸または塩を添加して、前記炭素繊維と前記ゴムラテックスとの凝固体を作製する第四工程と、
    前記凝固体を乾燥してウェットマスターバッチを用意する第五工程と、
    を含むウェットマスターバッチの製造方法。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載のウェットマスターバッチに、架橋剤および加硫促進剤以外の添加物を加えて混練する第一混練工程と、
    前記第一混練工程後に得られた混練物に、架橋剤および/または加硫促進剤を加えて混練する第二混練工程と、
    前記第二混練工程後に得られた混練物を圧延および加硫して硬化する工程と、
    を含む炭素繊維補強ゴム複合材を作製する方法。
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